説明

太陽電池モジュール用端子ボックス

【課題】 新たな放熱経路を提供する。
【解決手段】 放熱部材60は、カバー体62とブロック体61とからなり、両者間にバイパスダイオード50が接触状態で挟着可能とされる。基板11の上面にブロック体61を載せた後、ブロック体61の前部63の上面にバイパスダイオード50を載せ、さらにバイパスダイオード50の上面にカバー体62を覆い被せる。カバー体62の両端部には一対のケーブル接触部68が設けられており、カバー体62が正規の取り付け位置に至ると、ケーブル接触部68がケーブル80に被着される。よって、バイパスダイオード50の発生する熱がカバー体62を介してケーブル80側へ伝達され、ケーブル80から放熱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール用端子ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、家屋の屋根上に敷設した太陽電池パネルからの直流電流をインバータ等を介して各電器製品に供給する構成とされる。太陽電池パネルは複数の太陽電池モジュールからなり、各太陽電池モジュールの電極を端子ボックスを介して直列または並列接続した構造となっている。
【0003】
従来の端子ボックスとしては、基板上に並設され、一端が太陽電池モジュールの裏面側から引き出されたプラス電極及びマイナス電極に接続されるとともに他端が外部接続用ケーブルに接続される二つの端子板と、両端子板間に架け渡されるバイパスダイオードとを備えたものが知られている(例えば、以下の特許文献1を参照)。バイパスダイオードは、逆負荷時の逆電流を外部接続用ケーブルの一方から他方へ短絡するためのものであって、そのリード線を対応する端子板に半田付けして該端子板に電気的に接続されるとともに、基板から突出する取り付けピンを介して基板に載置固定されている。
【特許文献1】特開平11−26035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の場合には、バイパスダイオードが発生した熱を専ら基板から放熱する構造となっているが、放熱特性の改善を図るために、基板以外の部分からの放熱経路の開発が模索されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基板以外の新たな放熱経路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、基板上に複数の端子板が並設されており、これら端子板が太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と両電極に対応する外部接続用のケーブルとの間を電気的に中継しており、対応する二つの端子板間に逆負荷時バイパス用の整流素子が架け渡されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、前記整流素子からの熱を放熱するための放熱部材が前記整流素子に対応して設けられており、前記放熱部材は、前記ケーブルとの接触が可能とされたケーブル接触部を備えている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記放熱部材は、前記基板に設けられた係合部に係合され得る被係合部を備え、前記ケーブル接触部は、前記係合部と前記被係合部との係合に基づいて前記放熱部材が前記基板上に取り付けられたときに、前記ケーブルに被着されることでこのケーブルの浮き上がりを規制するケーブル押さえ部としての機能を兼ね備えているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記係合部と前記被係合部とは、弾性的に係合可能とされているところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記整流素子は、樹脂封止によりパッケージ化されており、前記放熱部材は、前記ケーブル接触部を備えるとともに前記整流素子上に被着され得るカバー体と、前記整流素子と前記基板との間に介設されて両者と接触し得るブロック体とからなるところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記ブロック体と前記カバー体との間に前記整流素子を挟み込んだ状態で、前記カバー体から前記ブロック体にかけてねじ部材がねじ込まれるようになっており、前記ねじ部材は、前記ねじ込みによって前記整流素子に既設された取付孔に貫通係合するようになっているところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のものにおいて、前記整流素子は、複数設けられ、これらが一つの前記放熱部材によって一括して保持されるようになっているところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のものにおいて、前記放熱部材は、アルミニウムまたはアルミニウムの合金からなるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
<請求項1の発明>
放熱部材がケーブルとの接触が可能とされたケーブル接触部を備えているから、整流素子が発生する熱が放熱部材を介してケーブル側へ伝達され、ケーブルから効率良く放熱される。
【0013】
<請求項2の発明>
ケーブル接触部がケーブルに被着されることでこのケーブルの浮き上がりを規制するケーブル押さえとしての機能を兼ね備えているから、ケーブル押さえ部を別に確保しなくて済む。また、ケーブル押さえ部が別に設けられている場合には、かかるケーブル押さえ部と相俟って、ケーブルの浮き上がりをより確実に阻止することができる。
【0014】
<請求項3の発明>
係合部と被係合部とが弾性的に係合可能とされているから、放熱部材を基板上にワンタッチで簡単に取り付けることができる。
【0015】
<請求項4の発明>
放熱部材がケーブル接触部を備えて整流素子上に被着され得るカバー体を備えるとともに整流素子と基板との間に介設されて両者と接触し得るブロック体を備えているから、整流素子が発生する熱がブロック体を介して基板側へ伝達され、基板からも放熱される。
【0016】
<請求項5の発明>
カバー体からブロック体にかけてねじ部材がねじ込まれ、このねじ込みによって整流素子に既設の取付孔にねじ部材が貫通係合するようになっているから、整流素子がカバー体とブロック体との間に抜け止めされた状態で確実に保持される。
【0017】
<請求項6の発明>
一つの放熱部材が複数の整流素子を一括して保持可能とされているから、放熱部材を構造的に簡略化できる。
【0018】
<請求項7の発明>
放熱部材がアルミニウムまたはアルミニウムの合金からなり、つまり、熱伝導率の高い金属からなるので、放熱特性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。本実施形態にかかる太陽電池モジュール用端子ボックスは、表面に直列接続された多数の太陽電池セルを配した太陽電池モジュール(図示せず)の裏面側に取り付けられるものであって、ボックス本体10と、ボックス本体10内に並設された多数の端子板30と、隣接する端子板30間に架け渡されるバイパスダイオード50(本発明の整流素子に相当する)と、バイパスダイオード50からの熱を放熱するための放熱部材60とを備えている。なお、以下の説明において前後方向については、図1の上側を前方とする。
【0020】
ボックス本体10は、合成樹脂材によって上面開放の箱型に形成されており、その内部に絶縁樹脂が充填され、かつ、上方からカバー(図示せず)が被せられるようになっている。詳しくはボックス本体10は、図1に示すように、複数の端子板30が横並びで載置された略矩形状の基板11と、この基板11の周縁部から立ち上げられて周囲を取り囲む側板12と、基板11の所定位置から立ち上げられる区画壁13とを備える。基板11の一端には横長矩形状の開口14があいており、この開口14に各端子板30の先端部が臨んでいる。基板11の開口14には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極に接続されたリード(図示せず)が挿通され、挿通された各リードが端子板30の先端部に半田付け等により接続されるようになっている。
【0021】
基板11の上面には各端子板30毎に対応して端子板30の位置決め孔31と係合可能な位置決め突部15が突設されている。位置決め突部15の両端外方には撓み可能な一対の係止片16が突出して設けられており、端子板30の装着過程では係止片16が端子板30の両側縁部と係合して開き変形し、端子板30が正規に組み付けられるに伴ない係止片16が復元して端子板30の両側縁部を上方から押し付け、端子板30の浮き上がりを規制するようになっている。
【0022】
また、基板11の上面には、後述する端子板30Aの位置決めを行うための位置決め壁18が設けられている。位置決め壁18は、基板11の前後方向略中央部にて対応する端子板30Aの幅方向に沿って延出して形成され、その根元には端子板30Aの後端部を嵌め込み可能な受け溝(図示せず)が設けられている。端子板30Aは、基板11への装着時に斜め姿勢をとりつつその後端部を受け溝の奥面に当て止めさせ、かかる状態からその前端部を傾倒させることで、その傾倒動作に伴ない位置決め孔31を位置決め突部15に嵌め込むような構成とされる。また、基板11の上面には、図2に示すように、後述する端子板30Bの位置決めを行うための位置決め壁18Aが設けられている。位置決め壁18Aは、端子板30Bの後端二角と対応する位置に、かかる角形状に沿うよう略Lの字をなして左右夫々に一対ずつ配設されている。
【0023】
端子板30は、導電性金属板材を切断等して帯状でかつ短寸に形成され、基板11の前後方向略中央部に横並びで四つ設けられている。基板11の両端側に配された端子板30Bには対応する外部接続用のケーブル80が接続されている。ケーブル80の端末は、図2に示すように、被覆82の剥離によって芯線81が露出しており、この芯線81に対して端子板30Bの端部に形成されたバレル部32がかしめ付けられることにより、ケーブル80と端子板30とが接続されるようになっている。なお、ケーブル80の延出端にはコネクタ部(図示せず)が接続されている。
【0024】
上記のケーブル80が接続された端子板30Bは、ケーブル80及びリードの夫々の配設位置と対応するように、長さ方向途中で側方へオフセットされている。区画壁13は、端子板30B及びケーブル80の一側縁に沿うように画成され、その内側に絶縁樹脂が充填されることにより、ボックス本体10全体に充填される場合に比べて、絶縁樹脂の充填量を少なくしてある。
【0025】
基板11の上面の略中央部には、ケーブル80とは未接続の端子板30Aが二つ配されている。各端子板30Aは、基板11上に設置された位置決め壁18及び位置決め突部15の夫々に対し、その前後方向の両端二位置で係合可能とされ、この係合により、平面方向に沿った遊動が確実に規制されるようになっている。また、各端子板30には側方へ張り出す付設部34が設けられており、この付設部34の上面にバイパスダイオード50の導体片51(後述する)が載置されて半田接続されるようになっている。付設部34は、導体片51の配設位置と対応するように、図3に示すように、リードが接続される本体部35側から一段落ちた位置に配されている。付設部34の上面において導体片51の両脇には導体片51を案内するための一対の突起36が設けられている。
【0026】
隣り合う端子板30間には、電流の逆流を防止するためのバイパスダイオード50が架け渡されている。バイパスダイオード50は、隣り合う端子板30に対応して複数(本実施形態の場合は全部で三つ)配置されており、略直方体形状をなす樹脂モールド部54と、樹脂モールド部54の前端面から突出して対応する端子板30に半田接続される一対の導体片51(P形領域(アノード側)及びN形領域(カソード側)の夫々に対応)と、樹脂モールド部54の後端面下縁から後方へ張り出し形成された取付部55とを備える。一対の導体片51は、樹脂モールド部54の前端面から略水平に突出したあと略Sの字状に曲げられてその先端部が樹脂モールド54の底面とほぼ同じ高さ位置に至るようになっている。また、取付部55には、略円形の取付孔56が貫設されている。
【0027】
放熱部材60は、上記した複数のバイパスダイオード50を一括して保持可能とされている。詳しくは放熱部材60は、各バイパスダイオード50の樹脂モールド部54の下面に面当たり状態で接触し得るとともに基板11の上面に面当たり状態で接触し得るブロック体61と、各バイパスダイオード50の樹脂モールド部54の上面に面当たり状態で接触するカバー体62とから構成される。
【0028】
ブロック体61は、アルミニウムによって団塊状に形成され、基板11の上面において各端子板30の配設位置の後側でかつ両ケーブル80の配設位置の内側に存する大きな空きスペースに載置され、かかる空きスペースのほぼ全体を占有し得る大きな長さ寸法及び幅寸法をもって形成されている。ブロック体61は、その前後方向中央部より少し前方位置を境として前側に位置する前部63と、前部63の後側に段差65を介して連なって前部63の概ね四倍ほどの肉厚をなす後部64とからなる。ブロック体61の前部63の上面は、各バイパスダイオード50の樹脂モールド部54が載せられる載置面とされ、ここにはバイパスダイオード50の取付部55の取付孔56と連通可能な第一係合孔66が貫設されている。
【0029】
カバー体62は、ブロック体61の前部63との間にバイパスダイオード50を挟み込みつつ上方に覆い被さる素子接触部67と、素子接触部67の両端側方に延出して形成された左右一対のケーブル接触部68と、ケーブル接触部68の両端側方に延出して形成された左右一対の基板取付部69とからなる。
【0030】
素子接触部67には、バイパスダイオード50の取付部55の取付孔56と連通可能な第二係合孔70が貫設されており、バイパスダイオード50を挟み込んだ状態で、第二係合孔70、取付孔56、第一係合孔66が上下方向に同軸で貫通するようになっている。ここで、第二係合孔70、取付孔56、第一係合孔66をこの順に貫通するねじ部材75がブロック体61の前部63にねじ込まれると、このねじ込みにより、バイパスダイオード50が、ブロック体61の前部63とカバー体62の素子接触部67との間に、厚み方向に締め付け保持されるようになっている。このとき、取付部55の取付孔56に対しねじ部材75の軸部76が貫通係合するため、バイパスダイオード50の確実な抜け止めがなされるようになっている。
【0031】
ケーブル接触部68は、図5に示すように、全体として逆Uの字状に形成され、その両端が素子接触部67と基板取付部69とに一対に繋がるとともに、その円弧部分がケーブル80の被覆82に対して緊密に被着し得るように構成されている。ケーブル80は、その芯線81に接続された端子板30Bのバレル部32をも含めて、基板11側へ押し付けられた状態で、基板11とケーブル接触部68との間に保持可能とされている。
【0032】
基板取付部69は、基板11上に略垂直に突出する立壁19の外壁に沿って配設され、立壁19の上部をコの字状に回り込んだ後、その延出端部に設けられた被係合部71が立壁19に設けられた係合部21と弾性的に係合可能とされている。被係合部71は、基板取付部69の延出端を鋭角状に折り返して形成され、係合部21は、立壁19の外壁に凹設された溝として構成され、その溝底に行くにしたがって昇り勾配となるように斜めに切り込まれている。したがって、被係合部71は、係合部21に対して上方への抜け止めがなされた状態で係止されるようになっている。
【0033】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。まず、端子板30Bのバレル部32をケーブル80の端末にて露出された芯線81にかしめ付けて端子板30Bとケーブル80とをかしめ接続する。続いて、基板11上に端子板30を載置固定する。このとき、基板11上に突設された位置決め突部15を端子板30の位置決め孔31に挿通することにより、端子板30Aを位置決めする。
【0034】
そして、基板11の前記空きスペースにブロック体61を載せた後、図2に示すように、ブロック体61の前部63の上面に三つのバイパスダイオード50を一定間隔をあけて横並びで配置する。すると、各バイパスダイオード50の一対の導体片51が対応する端子板30の付設部34上に載せられる。この状態から、カバー体62をバイパスダイオード50の樹脂モールド部54上に覆い被せるようにして基板11上に取り付け固定する。カバー体62が取り付けられる過程では、基板取付部69が立壁19との干渉によって弾性的に開き変形し、カバー体62が正規の取り付け位置に至ると、基板取付部69が復元して被係合部71が立壁19の係合部21に弾性的に嵌入する。こうしてカバー体62が正規に取り付け固定されると、ケーブル接触部68によってケーブル80の浮き上がりが規制されるとともに、第二係合孔70が取付孔56及び第一係合孔66と整合位置する。
【0035】
続いて、図3及び図4に示すように、第二係合孔70、取付孔56、第一係合孔66にねじ部材75を貫通させ、ねじ部材75の先端部をブロック体61の前部63にねじ込むことにより、ねじ部材75の頭部77で、カバー体62を介して、バイパスダイオード50を締付ける。これと前後して、端子板30の付設部34とバイパスダイオード50の一対の導体片51との接合部分に半田を施して両者を電気的に接続する。
【0036】
その後、ボックス本体10を太陽電池モジュールの裏面側に接着材や両面テープで接着もしくはボルトで固着する。取り付けの過程で太陽電池モジュールの電極に接続されたリードを基板11の開口14を通してボックス本体10内に引き込み、このリードを端子板30の先端部に半田接続する。それからシリコン樹脂等の絶縁樹脂を区画壁13内の端子板30、ケーブル80、及び放熱部材60上に充填し、さらにカバーを被せて蓋締めする。絶縁樹脂により、かしめ接続部分、半田接続部分等の各接続部位が気密に封止される。
【0037】
本実施形態によれば、放熱部材60を構成するカバー体62がケーブル80との接触が可能とされたケーブル接触部68を備えているから、バイパスダイオード50の発生する熱がカバー体62を介してケーブル80側へ伝達され、ケーブル80から効率良く放熱される。一方、放熱部材60を構成するブロック体61が基板11との接触が可能とされるから、バイパスダイオード50の発生する熱がブロック体61を介して基板11側へ伝達され、基板11からも放熱される。つまり、バイパスダイオード50が基板11とケーブル80との二つのルートから放熱されるので、基板11のみの場合に比べて、放熱効率が良好となる。特に、ブロック体61がアルミニウムのような熱伝導率の高い金属によって形成されているので、放熱特性に優れる。
【0038】
また、ケーブル接触部68がケーブル80に被着されることでこのケーブル80の浮き上がりを規制するケーブル押さえとしての機能を兼ね備えているから、ケーブル80の浮き上がりを確実に阻止することができる。
さらに、カバー体62とブロック体61とが三つのバイパスダイオード50を一括して保持可能とされているから、バイパスダイオード50毎に個別にカバー体62とブロック体61とを用意する場合に比べて、放熱部材60を構造的に簡略化することができる。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、放熱部材がカバー体とブロック体とから分離可能に構成されていたが、本発明においては、放熱部材が分離不能に一体に構成されていても構わない。例えば、放熱部材は、バイパスダイオードを弾性的に挟持可能な一対の支持片によって構成されていても構わない。
(2)上記実施形態では、一つの放熱部材が複数のバイパスダイオードを一括して保持するものであったが、本発明においては、複数の放熱部材が各バイパスダイオード毎に対応して設けられていても構わない。
(3)本発明においては、放熱部材がケーブルとの接触が可能とされたケーブル接触部を備えていればよく、例えば、放熱部材がカバー体のみから構成されていても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態1にかかるボックス本体の内部構造を示す平面図
【図2】カバー体を取り付ける前のボックス本体の内部構造を示す平面図
【図3】ボックス本体の内部構造を示す概略的な分解側断面図
【図4】ボックス本体の内部構造を示す側断面図
【図5】ケーブル接触部の周辺を要部拡大した縦断面図
【符号の説明】
【0041】
10…ボックス本体
11…基板
15…位置決め突部
30…端子板
31…位置決め孔
50…バイパスダイオード(整流素子)
60…放熱部材
61…ブロック体
62…カバー体
68…ケーブル接触部
69…基板取付部
80…ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数の端子板が並設されており、これら端子板が太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と両電極に対応する外部接続用のケーブルとの間を電気的に中継しており、対応する二つの端子板間に逆負荷時バイパス用の整流素子が架け渡されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記整流素子からの熱を放熱するための放熱部材が前記整流素子に対応して設けられており、前記放熱部材は、前記ケーブルとの接触が可能とされたケーブル接触部を備えていることを特徴とする太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項2】
前記放熱部材は、前記基板に設けられた係合部に係合され得る被係合部を備え、前記ケーブル接触部は、前記係合部と前記被係合部との係合に基づいて前記放熱部材が前記基板上に取り付けられたときに、前記ケーブルに被着されることでこのケーブルの浮き上がりを規制するケーブル押さえ部としての機能を兼ね備えていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項3】
前記係合部と前記被係合部とは、弾性的に係合可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項4】
前記整流素子は、樹脂封止によりパッケージ化されており、
前記放熱部材は、前記ケーブル接触部を備えるとともに前記整流素子上に被着され得るカバー体と、前記整流素子と前記基板との間に介設されて両者と接触し得るブロック体とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項5】
前記ブロック体と前記カバー体との間に前記整流素子を挟み込んだ状態で、前記カバー体から前記ブロック体にかけてねじ部材がねじ込まれるようになっており、前記ねじ部材は、前記ねじ込みによって前記整流素子に既設された取付孔に貫通係合するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項6】
前記整流素子は、複数設けられ、これらが一つの前記放熱部材によって一括して保持されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項7】
前記放熱部材は、アルミニウムまたはアルミニウムの合金からなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数の端子板が並設されており、これら端子板が太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と両電極に対応する外部接続用のケーブルとの間を電気的に中継しており、対応する二つの端子板間に逆負荷時バイパス用の整流素子が架け渡されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記整流素子からの熱を放熱するための放熱部材が前記整流素子に対応して設けられており、前記放熱部材は、前記ケーブルとの接触が可能とされたケーブル接触部を備えつつ前記整流素子上に被着され得るカバー体と、前記整流素子と前記基板との間に介設されて両者と接触し得るブロック体とからなることを特徴とする太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項2】
前記ブロック体と前記カバー体との間に前記整流素子を挟み込んだ状態で、前記カバー体から前記ブロック体にかけてねじ部材がねじ込まれるようになっており、前記ねじ部材は、前記ねじ込みによって前記整流素子に既設された取付孔に貫通係合するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項3】
前記放熱部材は、前記基板に設けられた係合部に係合され得る被係合部を備え、前記ケーブル接触部は、前記係合部と前記被係合部との係合に基づいて前記放熱部材が前記基板上に取り付けられたときに、前記ケーブルに被着されることでこのケーブルの浮き上がりを規制するケーブル押さえ部としての機能を兼ね備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項4】
前記係合部と前記被係合部とは、弾性的に係合可能とされていることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項5】
前記整流素子は、複数設けられ、これらが一つの前記放熱部材によって一括して保持されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項6】
前記放熱部材は、アルミニウムまたはアルミニウムの合金からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−49505(P2006−49505A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227017(P2004−227017)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】