太陽電池利用の電源装置
【課題】 比較的単純な回路構成で一次電池31を効率よく使用することのできる太陽電池を利用した一次電池31による電源回路を提供する。
【解決手段】 太陽電池と、該太陽電池の出力を蓄えるコンデンサ21と、該コンデンサ21の出力電圧を一定出力電圧とする第1の定電圧回路41と、一次電池31と、該一次電池31の出力電圧を一定出力電圧とする第2の定電圧回路42と、を有し、第2の定電圧回路42の出力電圧を第1の定電圧回路41の出力電圧よりもわずかに低く設定して第1の定電圧回路41の出力端子と第2の定電圧回路42の出力端子とを電源出力端子45に接続する。
【解決手段】 太陽電池と、該太陽電池の出力を蓄えるコンデンサ21と、該コンデンサ21の出力電圧を一定出力電圧とする第1の定電圧回路41と、一次電池31と、該一次電池31の出力電圧を一定出力電圧とする第2の定電圧回路42と、を有し、第2の定電圧回路42の出力電圧を第1の定電圧回路41の出力電圧よりもわずかに低く設定して第1の定電圧回路41の出力端子と第2の定電圧回路42の出力端子とを電源出力端子45に接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内装置品に適した太陽電池を使用する電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、省電力化のために太陽電池が種々利用されており、太陽電池セルの小型化及び光電変換の高効率化に伴い、家庭用電源として用いられるのみでなく、家具や屋内装飾品に太陽電池アレイを取付ける提案がなされている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、太陽電池と二次電池である蓄電池とを組み合わせた電源装置においては、図2に示すように、太陽電池アレイ13と蓄電池35とを並列として負荷52に接続すると共に、この太陽電池アレイ13と蓄電池35とを並列とした電源装置内で、蓄電池35から太陽電池アレイ13に電流が逆流しないように逆流防止ダイオード17を配置し、且つ、強い日差しが長く続く場合の蓄電池35への過充電を防止するため、蓄電池35の電圧を検出して太陽電池の出力をグランドに放出させる過充電防止回路25を設けるものも提案されている(例えば特許文献2)。
【0004】
更に、図3に示すように、一次電池33と太陽電池アレイ13とを組合せることにより、一次電池33の負荷52への電力供給を太陽電池により補って一次電池33の長寿命化を図るものもある。
【0005】
この電源装置では、太陽電池アレイ13の出力を第1逆流阻止ダイオード17を介してコンデンサ23に蓄電し、コンデンサ23の出力電圧を定電圧回路43の入力端子に入力すると共に、一次電池33の出力電圧を第2逆流阻止ダイオード29を介して定電圧回路43の入力端子に入力しつつ電圧安定化用のコンデンサ37を用いて定電圧回路43の入力電圧の変動を小さくするものである。
【0006】
この電源装置では、第1逆流阻止ダイオード17により一次電池33の電力が太陽電池アレイ13に逆流することを防止し、第2逆流阻止ダイオード29により一次電池33に太陽電池からの逆電圧が加わることを防止し、且つ、定電圧回路43により安定させた電源電圧を負荷52に供給するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−17631号
【特許文献2】実公昭60−3642号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、図2に示した過充電防止回路を備えた太陽電池利用の電源は、電源回路の構成が複雑大型化すると共に、二次電池の容量を大きくしても太陽電池の利用率を高く維持することが困難となり、無駄を生じさせていた。
【0009】
また、一次電池の補助として太陽電池を利用する図3に示す如き電源回路は、回路構成を単純化し、小型化が容易にして一次電池の寿命を延ばすことはできるも、第2逆流阻止ダイオードの順方向電圧降下により電池の出力電圧として負荷電圧に対して0.数Vの余力が必要となり、一次電池の残余電圧に負荷の最低可動電圧よりも0.数V高い出力電圧が要求され、一次電池の利用率を高く維持できない欠点があった。
【0010】
本発明は、このような欠点を排除し、比較的単純な回路構成で一次電池を効率よく使用することのできる太陽電池を利用した一次電池による電源回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、太陽電池と、該太陽電池の出力電圧を一定出力電圧とする第1の定電圧回路と、一次電池と、該一次電池の出力電圧を一定出力電圧とする第2の定電圧回路と、を有し、第2の定電圧回路の出力電圧を第1の定電圧回路の出力電圧よりもわずかに低く設定して第1の定電圧回路の出力端子と第2の定電圧回路の出力端子とを電源出力端子に接続したことを特徴とするものである。
【0012】
また、太陽電池の出力を蓄えるコンデンサを第1の定電圧回路における入力端子に接続するように挿入することが好ましい。
【0013】
そして、第2の定電圧回路の出力電圧は、第1の定電圧回路の出力電圧よりも0.1V乃至0.5V程度低く設定するものである。
【0014】
更に、第2の定電圧回路の出力電圧は、負荷の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高く設定するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、一次電池の出力を定電圧回路を介して電源出力端子に出力する為、一次電池の出力電圧の電圧降下を少なくして電源出力端子に出力し、負荷の最低作動電圧と一次電池の残余電圧との差を小さくして一次電池の電圧が低くなるまで使用することを可能とすることができる。
【0016】
また、一次電池の出力電圧を一定電圧とする第2の定電圧回路の出力電圧を太陽電池の出力電圧を一定とする第1の定電圧回路の出力電圧よりも僅かに低く設定している為、太陽電池に充分な光が照射され、太陽電池の出力電圧が所定電圧以上であればこの太陽電池の出力電圧が第1の定電圧回路を介して電源出力端子に供給され、第2の定電圧回路は一次電池の出力を遮断して一次電池の消耗を防止して一次電池の寿命を長く維持することができる。
【0017】
そして、第1の定電圧回路における入力端子に太陽電池の出力を蓄えるコンデンサを接続すれば、太陽電池の出力電圧を安定させて第1の定電圧回路に入力し、第1の定電圧回路からの出力を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明に係る電源装置の回路構成を示す図。
【図2】図2は太陽電池を用いた従来の電源装置の回路構成の一例を示す図。
【図3】図3は太陽電池と一次電池とを用いた従来の電源装置の回路構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る太陽電池を用いた電源装置の実施のための形態は、図1に示すように、複数の太陽電池セルを直列とすることにより所定の電圧出力が可能な太陽電池アレイ11を並列とした太陽電池を使用するものであり、各太陽電池アレイ11のプラス電極を各々逆流防止用ダイオード15を介して蓄電用のコンデンサ21のプラス側端子に接続するものである。
【0020】
尚、蓄電用のコンデンサ21の他極であるマイナス側端子や各太陽電池アレイ11のマイナス電極はグランド端子に接続しているものである。
【0021】
また、蓄電用コンデンサ21のプラス側端子を第1の定電圧回路41の入力端子に、第1の定電圧回路41の出力端子を当該電源装置の電源出力端子45に接続するものである。
【0022】
そして、一次電池31のマイナス電極をグランド端子に、プラス電極を第2の定電圧回路42の入力端子に、第2の定電圧回路42の出力端子を当該電源装置の電源出力端子45に接続し、この電源出力端子45を負荷51に接続するものである。
【実施例】
【0023】
本発明の実施例として、時計回路を負荷51として屋内装置品である時計体に組み込まれる電源装置を説明する。
【0024】
この時計回路である負荷51は、2.2Vの最低作動電圧とされる3V作動の負荷51とされるものである。
【0025】
従って、太陽電池アレイ11も3V出力用のアレイを複数枚用い、一次電池31も2個直列として一次電池31の出力を3Vとしているものである。尚、太陽電池アレイ11は、1枚だけを使用する場合もある。
【0026】
そして、第2の定電圧回路42の出力電圧は、負荷51の最低作動電圧よりも0.1V高い2.3Vとされ、第1の定電圧回路41の出力電圧は第2の定電圧回路42の出力電圧よりも更に0.1V高い2.4Vとされているものである。
【0027】
このため、太陽電池アレイ11の出力は、逆流防止用ダイオード15を介して蓄電用のコンデンサ21に蓄電され、蓄電用のコンデンサ21の蓄電電圧が2.4Vを超えると第1の定電圧回路41により電源出力端子45を介して負荷51に電力が供給され、電源出力端子45の電圧即ち第2の定電圧回路42の出力端子電圧がその設定出力電圧である2.3Vよりも高い為、第2の定電圧回路42は一次電池31の出力を遮断することとなる。
【0028】
また、第2の定電圧回路42の出力電圧は2.3Vに設定されている為、第2の定電圧回路42の入力端子に接続されている一次電池31は、その出力電圧が第2の定電圧回路42の出力電圧である2.3V程度まで使用可能となる。
【0029】
そして、太陽電池に充分な光量が照射され、蓄電用のコンデンサ21の電圧が2.4Vを超えると、第1の定電圧回路41の出力電圧である2.4Vが電源出力端子45を介して負荷51に供給され、電源出力端子45の電圧が2.4Vとされているとき、第2の定電圧回路42はその出力を停止して一次電池31の消耗を防止する。
【0030】
従って、太陽電池が所定電圧を出力してコンデンサ21に電圧が蓄電されていれば、太陽電池の出力を利用して一次電池31の出力を停止させることにより一次電池31の寿命を長くすることができる。
【0031】
また、本実施例の負荷51である時計回路には、電源電圧検出回路55が組み込まれ、電源電圧検出回路55の検出端子56を一次電池31のプラス電極に接続して一次電池31の電圧検出を行っているものである。
【0032】
そして、この時計回路には図示していないLEDなどの電池交換表示手段を有し、一次電池31の出力電圧が2.3V近くに降下したとき、電池交換表示手段を点灯して電池の交換の表示を行うものである。
【0033】
このように、一次電池31の出力を逆流阻止ダイオードでなく、定電圧回路を介して電源出力端子45、ひいては負荷51に供給する為、ダイオードの順方向電圧降下である約0.5Vの余力ではなく、負荷51の最低作動電圧に電池電圧が降下するまで一次電池31を使用することが可能となり、一次電池31の使用効率を高めることができる。
【0034】
また、太陽電池の出力も定電圧回路を用いて電源出力端子45に供給している為、太陽電池と一次電池31、コンデンサ21と定電圧回路の単純な回路構成により小型の屋内装置品用の電源とすることができる。
【0035】
更に、太陽電池の出力電圧を一定とする第1の定電圧回路41の出力電圧を一次電池31の出力電圧を一定とする第2の定電圧回路42の出力電圧よりも僅かに高く設定している為、太陽電池に充分な光量照射があるときは、一次電池31の出力を第2の定電圧回路42により遮断し、太陽電池の出力と一次電池31の出力とを調整して一次電池31の寿命を長くすることができる。
【0036】
また、一次電池31と電源出力端子45ひいては負荷51との間に設ける第2の定電圧回路42における出力電圧を負荷51の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高い電圧に設定することにより、一次電池31の出力電圧が負荷51の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高い電圧に降下するまで使用することができ、一次電池31の使用の効率化を図ることができると共に、負荷51の最低作動電圧よりも僅かに高い電圧を常に負荷51に供給して負荷51を安定させた状態で作動させることができる。
【0037】
尚、第2の定電圧回路42における出力電圧を負荷51の最低作動電圧に設定すれば、一次電池31の出力電圧が負荷51の最低作動電圧になるまで使用することができる。
【0038】
また、蓄電用のコンデンサ21を省略し、太陽電池アレイ11の出力を直接に、または、逆流防止用ダイオード15を介して第1の定電圧回路41に接続して太陽電池の出力電力を第1の定電圧回路41に供給することもある。
【0039】
そして、負荷51の最低作動電圧が1.数Vの1.5V作動負荷であるときは、一次電池31は1個だけ、又は複数個を並列とすると共に太陽電池アレイ11も1.5V出力用のアレイを用いるものである。
【0040】
また、負荷51にブザーなどの間歇的臨時作動をする特殊負荷回路を含むときは、一次電池31から個別にスイッチ素子を介した電力供給線を特殊負荷回路に接続し、特殊負荷回路を作動させるようにすることもある。
【0041】
このように、本実施例の電源装置は、回路構成が比較的単純であり、小型化が容易であって、太陽電池により一次電池31の消耗を抑えて一次電池31の長寿命化を図ることが容易である為、屋内装置品などの電源に適した電源装置とすることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る電源装置は、太陽電池の出力を第1の定電圧回路41を介して電源出力端子45に出力し、一次電池31の出力を第2の定電圧回路42を介して電源出力端子45に出力し、第1の定電圧回路41の出力電圧を第2の定電圧回路42の出力電圧よりも僅かに高く設定している為、太陽電池の出力が大きく第1の定電圧回路41が電源出力端子45を介して負荷51に電力を供給しているとき、第2の定電圧回路42は一次電池31の出力を遮断して一次電池31の消耗を防止することができ、一次電池31の寿命を太陽電池を用いて長くすることができるものである。
【符号の説明】
【0043】
11、13 太陽電池アレイ
15、17 ダイオード 21、23 コンデンサ
25 過充電防止回路 29 ダイオード
31、33 一次電池 35 蓄電池
37 コンデンサ
41、42、43 定電圧回路 45 電源出力端子
51、52 負荷
55 電源電圧検出回路 56 検出端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内装置品に適した太陽電池を使用する電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、省電力化のために太陽電池が種々利用されており、太陽電池セルの小型化及び光電変換の高効率化に伴い、家庭用電源として用いられるのみでなく、家具や屋内装飾品に太陽電池アレイを取付ける提案がなされている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、太陽電池と二次電池である蓄電池とを組み合わせた電源装置においては、図2に示すように、太陽電池アレイ13と蓄電池35とを並列として負荷52に接続すると共に、この太陽電池アレイ13と蓄電池35とを並列とした電源装置内で、蓄電池35から太陽電池アレイ13に電流が逆流しないように逆流防止ダイオード17を配置し、且つ、強い日差しが長く続く場合の蓄電池35への過充電を防止するため、蓄電池35の電圧を検出して太陽電池の出力をグランドに放出させる過充電防止回路25を設けるものも提案されている(例えば特許文献2)。
【0004】
更に、図3に示すように、一次電池33と太陽電池アレイ13とを組合せることにより、一次電池33の負荷52への電力供給を太陽電池により補って一次電池33の長寿命化を図るものもある。
【0005】
この電源装置では、太陽電池アレイ13の出力を第1逆流阻止ダイオード17を介してコンデンサ23に蓄電し、コンデンサ23の出力電圧を定電圧回路43の入力端子に入力すると共に、一次電池33の出力電圧を第2逆流阻止ダイオード29を介して定電圧回路43の入力端子に入力しつつ電圧安定化用のコンデンサ37を用いて定電圧回路43の入力電圧の変動を小さくするものである。
【0006】
この電源装置では、第1逆流阻止ダイオード17により一次電池33の電力が太陽電池アレイ13に逆流することを防止し、第2逆流阻止ダイオード29により一次電池33に太陽電池からの逆電圧が加わることを防止し、且つ、定電圧回路43により安定させた電源電圧を負荷52に供給するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−17631号
【特許文献2】実公昭60−3642号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、図2に示した過充電防止回路を備えた太陽電池利用の電源は、電源回路の構成が複雑大型化すると共に、二次電池の容量を大きくしても太陽電池の利用率を高く維持することが困難となり、無駄を生じさせていた。
【0009】
また、一次電池の補助として太陽電池を利用する図3に示す如き電源回路は、回路構成を単純化し、小型化が容易にして一次電池の寿命を延ばすことはできるも、第2逆流阻止ダイオードの順方向電圧降下により電池の出力電圧として負荷電圧に対して0.数Vの余力が必要となり、一次電池の残余電圧に負荷の最低可動電圧よりも0.数V高い出力電圧が要求され、一次電池の利用率を高く維持できない欠点があった。
【0010】
本発明は、このような欠点を排除し、比較的単純な回路構成で一次電池を効率よく使用することのできる太陽電池を利用した一次電池による電源回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、太陽電池と、該太陽電池の出力電圧を一定出力電圧とする第1の定電圧回路と、一次電池と、該一次電池の出力電圧を一定出力電圧とする第2の定電圧回路と、を有し、第2の定電圧回路の出力電圧を第1の定電圧回路の出力電圧よりもわずかに低く設定して第1の定電圧回路の出力端子と第2の定電圧回路の出力端子とを電源出力端子に接続したことを特徴とするものである。
【0012】
また、太陽電池の出力を蓄えるコンデンサを第1の定電圧回路における入力端子に接続するように挿入することが好ましい。
【0013】
そして、第2の定電圧回路の出力電圧は、第1の定電圧回路の出力電圧よりも0.1V乃至0.5V程度低く設定するものである。
【0014】
更に、第2の定電圧回路の出力電圧は、負荷の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高く設定するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、一次電池の出力を定電圧回路を介して電源出力端子に出力する為、一次電池の出力電圧の電圧降下を少なくして電源出力端子に出力し、負荷の最低作動電圧と一次電池の残余電圧との差を小さくして一次電池の電圧が低くなるまで使用することを可能とすることができる。
【0016】
また、一次電池の出力電圧を一定電圧とする第2の定電圧回路の出力電圧を太陽電池の出力電圧を一定とする第1の定電圧回路の出力電圧よりも僅かに低く設定している為、太陽電池に充分な光が照射され、太陽電池の出力電圧が所定電圧以上であればこの太陽電池の出力電圧が第1の定電圧回路を介して電源出力端子に供給され、第2の定電圧回路は一次電池の出力を遮断して一次電池の消耗を防止して一次電池の寿命を長く維持することができる。
【0017】
そして、第1の定電圧回路における入力端子に太陽電池の出力を蓄えるコンデンサを接続すれば、太陽電池の出力電圧を安定させて第1の定電圧回路に入力し、第1の定電圧回路からの出力を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明に係る電源装置の回路構成を示す図。
【図2】図2は太陽電池を用いた従来の電源装置の回路構成の一例を示す図。
【図3】図3は太陽電池と一次電池とを用いた従来の電源装置の回路構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る太陽電池を用いた電源装置の実施のための形態は、図1に示すように、複数の太陽電池セルを直列とすることにより所定の電圧出力が可能な太陽電池アレイ11を並列とした太陽電池を使用するものであり、各太陽電池アレイ11のプラス電極を各々逆流防止用ダイオード15を介して蓄電用のコンデンサ21のプラス側端子に接続するものである。
【0020】
尚、蓄電用のコンデンサ21の他極であるマイナス側端子や各太陽電池アレイ11のマイナス電極はグランド端子に接続しているものである。
【0021】
また、蓄電用コンデンサ21のプラス側端子を第1の定電圧回路41の入力端子に、第1の定電圧回路41の出力端子を当該電源装置の電源出力端子45に接続するものである。
【0022】
そして、一次電池31のマイナス電極をグランド端子に、プラス電極を第2の定電圧回路42の入力端子に、第2の定電圧回路42の出力端子を当該電源装置の電源出力端子45に接続し、この電源出力端子45を負荷51に接続するものである。
【実施例】
【0023】
本発明の実施例として、時計回路を負荷51として屋内装置品である時計体に組み込まれる電源装置を説明する。
【0024】
この時計回路である負荷51は、2.2Vの最低作動電圧とされる3V作動の負荷51とされるものである。
【0025】
従って、太陽電池アレイ11も3V出力用のアレイを複数枚用い、一次電池31も2個直列として一次電池31の出力を3Vとしているものである。尚、太陽電池アレイ11は、1枚だけを使用する場合もある。
【0026】
そして、第2の定電圧回路42の出力電圧は、負荷51の最低作動電圧よりも0.1V高い2.3Vとされ、第1の定電圧回路41の出力電圧は第2の定電圧回路42の出力電圧よりも更に0.1V高い2.4Vとされているものである。
【0027】
このため、太陽電池アレイ11の出力は、逆流防止用ダイオード15を介して蓄電用のコンデンサ21に蓄電され、蓄電用のコンデンサ21の蓄電電圧が2.4Vを超えると第1の定電圧回路41により電源出力端子45を介して負荷51に電力が供給され、電源出力端子45の電圧即ち第2の定電圧回路42の出力端子電圧がその設定出力電圧である2.3Vよりも高い為、第2の定電圧回路42は一次電池31の出力を遮断することとなる。
【0028】
また、第2の定電圧回路42の出力電圧は2.3Vに設定されている為、第2の定電圧回路42の入力端子に接続されている一次電池31は、その出力電圧が第2の定電圧回路42の出力電圧である2.3V程度まで使用可能となる。
【0029】
そして、太陽電池に充分な光量が照射され、蓄電用のコンデンサ21の電圧が2.4Vを超えると、第1の定電圧回路41の出力電圧である2.4Vが電源出力端子45を介して負荷51に供給され、電源出力端子45の電圧が2.4Vとされているとき、第2の定電圧回路42はその出力を停止して一次電池31の消耗を防止する。
【0030】
従って、太陽電池が所定電圧を出力してコンデンサ21に電圧が蓄電されていれば、太陽電池の出力を利用して一次電池31の出力を停止させることにより一次電池31の寿命を長くすることができる。
【0031】
また、本実施例の負荷51である時計回路には、電源電圧検出回路55が組み込まれ、電源電圧検出回路55の検出端子56を一次電池31のプラス電極に接続して一次電池31の電圧検出を行っているものである。
【0032】
そして、この時計回路には図示していないLEDなどの電池交換表示手段を有し、一次電池31の出力電圧が2.3V近くに降下したとき、電池交換表示手段を点灯して電池の交換の表示を行うものである。
【0033】
このように、一次電池31の出力を逆流阻止ダイオードでなく、定電圧回路を介して電源出力端子45、ひいては負荷51に供給する為、ダイオードの順方向電圧降下である約0.5Vの余力ではなく、負荷51の最低作動電圧に電池電圧が降下するまで一次電池31を使用することが可能となり、一次電池31の使用効率を高めることができる。
【0034】
また、太陽電池の出力も定電圧回路を用いて電源出力端子45に供給している為、太陽電池と一次電池31、コンデンサ21と定電圧回路の単純な回路構成により小型の屋内装置品用の電源とすることができる。
【0035】
更に、太陽電池の出力電圧を一定とする第1の定電圧回路41の出力電圧を一次電池31の出力電圧を一定とする第2の定電圧回路42の出力電圧よりも僅かに高く設定している為、太陽電池に充分な光量照射があるときは、一次電池31の出力を第2の定電圧回路42により遮断し、太陽電池の出力と一次電池31の出力とを調整して一次電池31の寿命を長くすることができる。
【0036】
また、一次電池31と電源出力端子45ひいては負荷51との間に設ける第2の定電圧回路42における出力電圧を負荷51の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高い電圧に設定することにより、一次電池31の出力電圧が負荷51の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高い電圧に降下するまで使用することができ、一次電池31の使用の効率化を図ることができると共に、負荷51の最低作動電圧よりも僅かに高い電圧を常に負荷51に供給して負荷51を安定させた状態で作動させることができる。
【0037】
尚、第2の定電圧回路42における出力電圧を負荷51の最低作動電圧に設定すれば、一次電池31の出力電圧が負荷51の最低作動電圧になるまで使用することができる。
【0038】
また、蓄電用のコンデンサ21を省略し、太陽電池アレイ11の出力を直接に、または、逆流防止用ダイオード15を介して第1の定電圧回路41に接続して太陽電池の出力電力を第1の定電圧回路41に供給することもある。
【0039】
そして、負荷51の最低作動電圧が1.数Vの1.5V作動負荷であるときは、一次電池31は1個だけ、又は複数個を並列とすると共に太陽電池アレイ11も1.5V出力用のアレイを用いるものである。
【0040】
また、負荷51にブザーなどの間歇的臨時作動をする特殊負荷回路を含むときは、一次電池31から個別にスイッチ素子を介した電力供給線を特殊負荷回路に接続し、特殊負荷回路を作動させるようにすることもある。
【0041】
このように、本実施例の電源装置は、回路構成が比較的単純であり、小型化が容易であって、太陽電池により一次電池31の消耗を抑えて一次電池31の長寿命化を図ることが容易である為、屋内装置品などの電源に適した電源装置とすることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る電源装置は、太陽電池の出力を第1の定電圧回路41を介して電源出力端子45に出力し、一次電池31の出力を第2の定電圧回路42を介して電源出力端子45に出力し、第1の定電圧回路41の出力電圧を第2の定電圧回路42の出力電圧よりも僅かに高く設定している為、太陽電池の出力が大きく第1の定電圧回路41が電源出力端子45を介して負荷51に電力を供給しているとき、第2の定電圧回路42は一次電池31の出力を遮断して一次電池31の消耗を防止することができ、一次電池31の寿命を太陽電池を用いて長くすることができるものである。
【符号の説明】
【0043】
11、13 太陽電池アレイ
15、17 ダイオード 21、23 コンデンサ
25 過充電防止回路 29 ダイオード
31、33 一次電池 35 蓄電池
37 コンデンサ
41、42、43 定電圧回路 45 電源出力端子
51、52 負荷
55 電源電圧検出回路 56 検出端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と、該太陽電池の出力電圧を一定出力電圧とする第1の定電圧回路と、一次電池と、該一次電池の出力電圧を一定出力電圧とする第2の定電圧回路と、を有し、第2の定電圧回路の出力電圧を第1の定電圧回路の出力電圧よりもわずかに低く設定して第1の定電圧回路の出力端子と第2の定電圧回路の出力端子とを電源出力端子に接続したことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記太陽電池と、更に該太陽電池の出力を蓄えるコンデンサとを有し、該コンデンサの出力電圧を前記第1の定電圧回路に入力するようにコンデンサを挿入接続したことを特徴とする請求項1に記載した電源装置。
【請求項3】
前記第2の定電圧回路の出力電圧は、前記第1の定電圧回路の出力電圧よりも0.1V乃至0.5V程度低く設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した電源装置。
【請求項4】
前記第2の定電圧回路の出力電圧は、負荷の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高く設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載した電源装置。
【請求項1】
太陽電池と、該太陽電池の出力電圧を一定出力電圧とする第1の定電圧回路と、一次電池と、該一次電池の出力電圧を一定出力電圧とする第2の定電圧回路と、を有し、第2の定電圧回路の出力電圧を第1の定電圧回路の出力電圧よりもわずかに低く設定して第1の定電圧回路の出力端子と第2の定電圧回路の出力端子とを電源出力端子に接続したことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記太陽電池と、更に該太陽電池の出力を蓄えるコンデンサとを有し、該コンデンサの出力電圧を前記第1の定電圧回路に入力するようにコンデンサを挿入接続したことを特徴とする請求項1に記載した電源装置。
【請求項3】
前記第2の定電圧回路の出力電圧は、前記第1の定電圧回路の出力電圧よりも0.1V乃至0.5V程度低く設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した電源装置。
【請求項4】
前記第2の定電圧回路の出力電圧は、負荷の最低作動電圧よりも0.1V乃至0.5V程度高く設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載した電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2012−125026(P2012−125026A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272743(P2010−272743)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000115773)リズム時計工業株式会社 (208)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000115773)リズム時計工業株式会社 (208)
【Fターム(参考)】
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