説明

太陽電池封止シート、その製造方法、及び、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法

【課題】架橋工程を必要とすることなく太陽電池素子を連続的に封止し、シワやカールが発生せず、太陽電池と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる太陽電池封止シートを提供する。
【解決手段】封止材層及びフッ素系耐候層を有し、上記封止材層は、融点が75〜110℃である封止材樹脂からなり、上記封止材樹脂の融点より30℃高い温度で熱処理した後の収縮応力が0.38MPa以下であり、かつ、厚みが150〜400μmである、太陽電池封止シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋工程を必要とすることなく太陽電池素子を連続的に封止し、シワやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる太陽電池封止シート、その製造方法、及び、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池として、ガラスを基材とするリジットな太陽電池モジュールと、ポリイミドやポリエステル系の耐熱高分子材料やステンレス薄膜を基材とするフレキシブルな太陽電池モジュールとが知られている。近年、薄型化や軽量化による運搬、施工の容易さや、衝撃に強い点から、フレキシブル太陽電池モジュールが注目されるようになってきている。
【0003】
このようなフレキシブル太陽電池モジュールは、フレキシブル基材上に、光が照射されると電流を生じる機能を有するシリコン半導体や化合物半導体等からなる光電変換層等を薄膜状に積層したフレキシブル太陽電池素子の上下面に太陽電池封止シートを積層して封止したものである。
【0004】
上記太陽電池封止シートは、外部からの衝撃を防止したり、太陽電池素子の腐食を防止したりするためのものである。上記太陽電池封止シートは、透明シート上に封止材層が形成されたものであり、上記太陽電池素子を封止するための上記封止材層としては、従来からエチレン−酢酸ビニル(EVA)樹脂が使用されていた(例えば、特許文献1を参照のこと)。
【0005】
上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法としては、フレキシブル太陽電池素子と太陽電池封止シートとを予め所望の形状に切断した上で積層し、これらを静止状態にて真空ラミネートによって積層一体化する方法が、従来から行われている。このような真空ラミネート法では、接着工程に時間がかかり、太陽電池モジュールの製造効率が低いといった問題があった。
【0006】
上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法として、量産化に優れる点で、ロールツーロール法が検討されている。ロールツーロール法は、フィルム状の太陽電池封止シートを巻回させたロールを使用し、該ロールから巻き出した太陽電池封止シートを、一対のロールを用いて狭窄することにより、太陽電池素子に熱圧着して封止を行い、連続的にフレキシブル太陽電池モジュールを製造する方法である。
このようなロールツーロール法によれば、極めて高い効率で連続的にフレキシブル太陽電池モジュールを製造することが期待できる。
特許文献2には接着不良や気泡残りがなく、シワやカールについても効果的な方法としてゴムロールを用いたラミネート方法が提案されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2により提案されたラミネート方法を行っても、封止材層にEVA系樹脂を用いるため架橋工程が必要であったり、シワやカールに対して十分な効果が得られなかったりする等の問題があった。
【0008】
従って、ロールツーロール法の高い量産性を充分発揮しつつ、シワやカールの発生がなく、フレキシブル太陽電池素子を連続して好適に封止できる太陽電池封止シートが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−297439号公報
【特許文献2】特開平7−193266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らはシワやカールについて鋭意検討したところ、シワやカールの原因は、使用する太陽電池封止シートの熱収縮特性とも深く関係しており、ロールラミネートの装置構成、条件だけでは問題を解決できないことがわかった。特にシワについてはロールラミネートの瞬間に太陽電池封止シートが折れて発生するシワの他に、熱ラミネート後に冷却されてから発生する微細な形状の熱収縮シワが存在することがわかった。これらは上記特許文献2による方法を用いただけでは解決しない。
【0011】
本発明は、上記現状に鑑みて、架橋工程を必要とすることなく太陽電池素子を連続的に封止し、シワやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる太陽電池封止シート、その製造方法、及び、上記太陽電池封止シートを用いたフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、封止材層及びフッ素系耐候層を有し、上記封止材層は、融点が75〜110℃である封止材樹脂からなり、上記封止材樹脂の融点より30℃高い温度で熱処理した後の収縮応力が0.38MPa以下であり、かつ、厚みが150〜400μmであることを特徴とする太陽電池封止シートである。
以下に、本発明を詳述する。
【0013】
本発明は、特定の封止材層とフッ素系耐候層とを有する太陽電池封止シートであるため、これを用いて太陽電池素子を封止することにより、シワやカールの発生がなく、太陽電池封止シートと太陽電池素子との接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを、ロールツーロール法で連続して製造することができる。
即ち、本発明者らは、フッ素系耐候層上に特定の封止材層が形成された太陽電池封止シートとすることにより、太陽電池素子の封止の際に、熱収縮が少なく、該太陽電池封止シートにかかる応力を低減することができるため、従来の真空ラミネート法ではもちろんのこと、ロールツーロール法であっても好適に太陽電池素子を連続して封止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
本発明の太陽電池封止シートは、封止材層及びフッ素系耐候層を有する。
上記封止材層は、太陽電池素子と接着し、太陽電池素子を封止するための層である。
上記封止材層は、封止材樹脂の融点より30℃高い温度で熱処理した後の収縮応力が0.38MPa以下である。
本発明の太陽電池封止シートは、特定の収縮応力を有する封止材層を有するため、太陽電池素子の封止の際に、封止材層の熱収縮が少なく、上記太陽電池封止シートにかかる応力を低減することができる。このため、本発明の太陽電池封止シートを用いると、シワやカールを発生させずにフレキシブル太陽電池モジュールを製造することができる。
上記収縮応力が0.38MPaを超えると、熱ラミネート時に封止材層の熱収縮応力が大きすぎるために、フッ素系耐候層が耐え切れず挫屈して数百μmピッチのシワが全面に発生する。上記封止材層は、上記収縮応力が0.3MPa以下であることがより好ましい。
【0015】
上記収縮応力は、以下の方法により、測定することができる。
まず、封止材層をフッ素系耐候層から剥ぎ取り、シートの流れ方向が長辺になるように20mm×80mmの短冊状にカットして試験片とする。
次に、恒温槽(TLF−R3T−C−A:株式会社エイ・アンド・デイ社製)を備えた引張試験機(テンシロン万能試験機RTG−1310:株式会社エイ・アンド・デイ社製)にカットした試験片をつかみ具の間隔が50mmとなるように取り付ける。つかみ具への試験片の取り付けは、次のように行う。まず、つかみ具の温度を測定するために熱電対温度計をつかみ具へ粘着テープで貼り付ける。次に、つかみ具をあらかじめ熱収縮測定温度(樹脂の融点+30℃)に保った恒温槽へ投入し、50℃以上に加熱した後、取り出し、室温でつかみ具が35℃になるまで冷却する。そして、35℃になった時点で速やかに試験片を取り付け、試験片に0.5Nの荷重が負荷されるまでつかみ具間を広げる。
そして、その状態でつかみ具及び試験片を、樹脂の融点+30℃に設定した恒温槽へ投入し、5分間保持する。その後速やかに恒温槽から取り出し、室温でつかみ具の温度が35℃に下がるまで冷却する。そして、つかみ具温度35℃における荷重を読み取り、収縮応力を算出する。なお、室温は23℃、50%に調節する。
【0016】
上記封止材層は、厚みが150〜400μmである。上記厚みが150μm未満であると、太陽電池素子の段差に封止材が十分に追従できず気泡を巻き込む場合がある。また、本発明の太陽電池封止シートを用いて得られるフレキシブル太陽電池モジュールの絶縁性を保持できない。400μmを超えると、上記封止材層の収縮応力が大きくなりすぎてシワが発生したり、熱ラミネート時に封止材層がはみ出してロールを汚したり、フレキシブル太陽電池モジュールの難燃性に悪影響を及ぼしたりする等の不具合が発生する。上記封止材層は、厚みの下限が220μmであることが好ましく、上限が380μmであることが好ましい。
【0017】
上記封止材層は、融点(Tm)が75〜110℃である封止材樹脂からなる。上記Tmが75℃未満であると、太陽電池封止シートの耐熱性が低下して、太陽電池封止シートを用いて得られたフレキシブル太陽電池モジュールにおいて、高温高湿耐久性試験等を行うと剥がれや反りが生じ易くなる。上記Tmが110℃を超えると、太陽電池封止シートと太陽電池素子とをラミネートする際に高温にする必要があり、シワが発生しやすくなる等の問題が起きる。上記封止材層を形成するための封止材樹脂は、上記Tmの下限が80℃であることが好ましく、上限が100℃であることがより好ましい。
なお、上記Tmとは、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)であり、JIS K7121に規定されている測定方法に準拠して測定することができる。
【0018】
上記封止材樹脂は、メルトフローレイト(MFR)が0.5g/10分〜50g/10分であることが好ましい。上記メルトフローレイトが0.5g/10分未満であると、太陽電池封止シートの製造時に該封止シートに成形歪が残り、収縮力が大きくなりすぎてシワが発生したり、太陽電池封止シートを用いたフレキシブル太陽電池モジュールの製造後に該モジュールがカールしたりするおそれがある。50g/10分を超えると、上記太陽電池封止シート製造時にドローダウンしやすくなり均一な厚みのシートを製造することが難しく、製造したフレキシブル太陽電池モジュールがカールしたり、太陽電池封止シートにピンホール等を生じやすくなり、太陽電池モジュール全体の絶縁性を損なったりするおそれがある。
上記メルトフローレイトは、下限が2g/10分であることがより好ましく、上限が40g/10分であることがより好ましい。なお、上記メルトフローレイトは、封止材樹脂の成分に応じて、例えば、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトの測定方法であるASTM D1238に準拠して荷重2.16kg荷重(温度190℃)にて測定された値をいう。
【0019】
上記封止材樹脂としては、上記Tmを満たす樹脂であれば特に限定されないが、太陽電池封止シートと太陽電池との接着性が良好になる点で、例えば、極性基を有するオレフィン系樹脂が好ましい。
上記極性基を有するオレフィン系樹脂としては、酸変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン、アイオノマー、及び、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、が好ましい。
【0020】
上記酸変性ポリオレフィンとしては、上述したシワやカールの発生を防止し、太陽電池表面との接着性に優れる点で、無水マレイン酸変性ポリオレフィンであることが好ましい。
上記無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、α−オレフィン含有量が1〜25重量%であるα−オレフィン−エチレン共重合体が無水マレイン酸でグラフト変性された樹脂であり、かつ、無水マレイン酸の総含有量が0.1〜3重量%であることが好ましい。
【0021】
上記シラン変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンに、ラジカル発生剤の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合することによって得られた樹脂を挙げることができる。
上記ポリオレフィンとしては、エチレンとαオレフィンの共重合体等を挙げることができる。
上記αオレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
上記エチレン性不飽和シラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、およびビニルトリカルボキシシラン等を挙げることができる。
【0022】
上記ポリオレフィンにグラフト重合するエチレン性不飽和シラン化合物の量は、ポリオレフィン100重量部に対して、上記エチレン性不飽和シラン化合物が0.1重量部以上10重量部未満であることが好ましい。
【0023】
上記アイオノマーとしては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸基の一部又は全部を金属イオンで中和したものであることが好ましい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合としては、少なくともエチレン及び不飽和カルボン酸の共重合成分からなる共重合体が挙げられる。
上記アイオノマーは、公知の方法で製造することができる。
【0024】
上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フタル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられ、なかでも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
上記金属イオンとしては、ナトリウムイオン、亜鉛イオンが好ましい。
上記不飽和カルボン酸成分の含有量の好ましい下限は15重量%、好ましい上限は25重量%である。
【0025】
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、更に、第三成分として(メタ)アクリル酸エステル成分を含んでもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、コスト、重合性の観点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸ブチルからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。なかでも、融点の観点から、アクリル酸エステルが好ましく、具体的にはアクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸エチルがより好ましい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合が上記(メタ)アクリル酸エステル成分を含有する場合、上記(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、25重量%以下であることが好ましい。上記(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が25重量%を超えると、融点が低く成りすぎる恐れがある。上記(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量のより好ましい上限は20重量%である。
【0026】
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体が好ましい。
上記エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体は、少なくともエチレン、アクリル酸エステル及び無水マレイン酸の三成分からなる共重合体である。
上記アクリル酸エステルは、コスト、重合性の観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及び、アクリル酸ブチルからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、エチレン成分の含有量が71〜93重量%であり、アクリル酸エステル成分の含有量が5〜28重量%であり、無水マレイン酸成分の含有量が0.1〜4重量%であることが好ましい。
【0027】
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が好ましい。
上記エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体は、少なくともエチレン、グリシジルメタクリレートの二成分からなる共重合体である。
上記エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体におけるグリシジルメタクリレート成分の含有量は、融点の観点から、好ましい下限が7重量%、好ましい上限が9重量%である。
上記エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体は、従来公知の重合法を用いて製造することができる。
【0028】
上記エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体は、エチレン成分及びグリシジルメタクリレート成分以外に、更に他のモノマーに由来する成分を含有してもよい。
上記他のモノマーは、本発明に必要な物性を損なわない限り、エチレン及びグリシジルメタクリレートと共重合可能なモノマーであれば特に限定はされない。なかでも、融点や重合性やコストの観点から、(メタ)アクリレートが好適である。
上記(メタ)アクリレートは、アクリレートが好ましく、なかでも、メチルアクリレート、エチルアクリレート又はブチルアクリレートが好適である。
上記エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が上記(メタ)アクリレート成分を含有する場合、(メタ)アクリレート成分の含有量の好ましい上限は15重量%であり、より好ましい上限は10重量%である。下限については共重合体樹脂が得られる範囲であれば特に限定されない。
【0029】
上記封止材層は、更に、RSi(ORで示されるシラン化合物を含有することが好ましい。上記シラン化合物を含有することにより、上記封止材層と太陽電池素子の表面との接着性を向上させることができる。
上記シラン化合物中におけるRは、下記式(1)で示される3−グリシドキシプロピル基、又は、下記式(2)で示される2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基であり、Rは、炭素数が1〜3であるアルキル基である。
【0030】
【化1】

【0031】
【化2】

【0032】
上記Rとしては、炭素数が1〜3であるアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0033】
上記RSi(ORで示されるシラン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン等が挙げられる。なかでも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが好適である。
【0034】
上記封止材層中の上記シラン化合物の含有量は、上記封止材樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であることが好ましい。上記シラン化合物の含有量が上述の範囲外であると、太陽電池封止シートの接着性が低下するおそれがある。上記シラン化合物の含有量は、上記樹脂100重量部に対して、下限は0.07重量部であることがより好ましく、上限は1.5重量部であることがより好ましい。
【0035】
上記封止材層は、その物性を損なわない範囲内において、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤を更に含有していてもよい。
【0036】
上記封止材層を形成する方法としては、上記封止材樹脂と、上記シラン化合物と、必要に応じて添加される添加剤とを所定の重量割合にて押出機に供給して溶融、混練し、押出機からシート状に押出して封止材層を形成する方法等が挙げられる。
【0037】
上記太陽電池封止シートは、フッ素系耐候層上に上記封止材層が形成されたものである。
上記フッ素系耐候層は、透明性、耐熱性及び難燃性に優れるものであれば、特に限定されないが、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフロオロエチレン−パーフロオロアルキルビニルエーテル共重合体(FAP)、ポリビニルフルオライド樹脂(PVF)、テトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、及び、ポリフッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとの混合物(PVDF/PMMA)からなる群より選択される少なくとも一種のフッ素系樹脂からなることが好ましい。なかでも、上記フッ素系樹脂としては、耐熱性及び透明性により優れる点で、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)がより好ましい。
【0038】
上記フッ素系耐候層は、厚みが10〜100μmであることが好ましい。上記フッ素系耐候層の厚みが10μm未満であると、絶縁性が確保できなかったり、難燃性が損なわれたりするおそれがある。上記フッ素系耐候層の厚みが100μmを超えると、フレキシブル太陽電池モジュールの重量が大きくなるおそれがあり、経済的に不利である。上記フッ素系耐候層の厚みは、15〜80μmであることがより好ましい。
【0039】
上記太陽電池封止シートは、上記フッ素系耐候層と上記封止材層とを積層一体化することにより製造することができる。上記積層一体化する方法としては、特に限定されず、例えば、上記封止材層と上記フッ素系耐候層とを共押出により形成する方法や、上記フッ素系耐候層の一面に上記封止材層を押出ラミネートして形成する方法や等が挙げられる。なかでも、共押出により同時に製膜加工され積層されることが好ましい。
このように、上記太陽電池封止シートは、上記封止材層とフッ素系耐候層とが共押出により同時に製膜加工され積層された一体型積層体であることが好ましい。
【0040】
上記封止材層とフッ素系耐候層とを共押出により形成する方法としては、例えば、それぞれの層を形成するための樹脂組成物を溶融、混練して、共押出する方法が挙げられる。
上記共押出としては、例えば、共押出Tダイ成形機等を使用した、公知の共押出成形法等が挙げられる。
上記共押出における、封止材層の成形温度は、熱収縮力を抑えることができる点で、上記封止材樹脂の融点より100℃以上、かつ、分解温度より30℃未満であることが好ましい。上記封止材層の成形温度は、上記封止材樹脂の融点より130〜200℃高いことがより好ましい。
上記共押出における、フッ素系耐候層の成形温度は、上記フッ素系樹脂の融点より30℃以上、かつ、分解温度より30℃未満であることが好ましい。
【0041】
上記共押出における引取速度は、0.5〜10m/minであることが好ましい。上記共押出における引取速度が0.5m/min未満であると、流れ方向にシート厚みが一定しないおそれがある。上記共押出における引取速度が10m/minを超えると、収縮力が高くなるおそれがある。上記共押出における引取速度は、0.7〜8m/minであることがより好ましい。
【0042】
このような方法で、上記封止材層とフッ素系耐候層とを共押出により形成することにより、上述した収縮力を有する封止材層を有する太陽電池封止シートを製造することができる。
このような太陽電池封止シートの製造方法もまた、本発明の一つである。
【0043】
上記フッ素系耐候層の一面に上記封止材層を押出ラミネートして形成する方法としては、上記封止材層を形成するための組成物を溶融、混練して、上記組成物を、予め形成されたフッ素系耐候層の一面に押出して封止材層を形成しラミネートする方法が挙げられる。
上記押出ラミネートは、Tダイ成形機等を使用した公知の押出成形方法であればよい。
上記押出における、封止材層の成形温度は、上述した共押出の場合と同じ成形温度であることが好ましい。
【0044】
上記押出ラミネートの引取速度は、0.5〜10m/minであることが好ましい。上記押出ラミネートの引取速度が0.5m/min未満であると、流れ方向にシート厚みが一定しないおそれがある。上記押出ラミネートの引取速度が10m/minを超えると、収縮力が高くなるおそれがある。上記押出ラミネートの引取速度は、0.7〜8m/minであることがより好ましい。
【0045】
このような方法で、上記フッ素系耐候層の一面に上記封止材層を押出ラミネートして形成することにより、上述した収縮力を有する封止材層を有する太陽電池封止シートを製造することができる。
このような太陽電池封止シートの製造方法もまた、本発明の一つである。
【0046】
また、上記封止材層と上記フッ素系耐候層とを共押出により形成する際に、上記封止材層の面と接するように工程フィルムを仮着することが好ましい。即ち、工程フィルム上に、上記封止材層と上記フッ素系耐候層とを押出ラミネートして、太陽電池封止シートを形成するのが好ましい。
上記工程フィルムを仮着してラミネートして、太陽電池封止シートを形成することにより、封止材層の熱収縮力が抑えられ、太陽電池素子を封止する際にロールラミネートしてもシワ、反り等をより効果的に抑えることができる。
上記工程フィルムは、太陽電池素子を封止する前に剥離する必要があるが、封止工程でラミネート直前に剥離してもよいし、上記押出ラミネート後に、巻き取るまでに剥離してもよい。封止工程直前に巻き取るとラミネート時に張力変動などが起きるおそれがあるので、押出ラミネート後の巻き取るまでに剥離した方が好ましい。
上記工程フィルムとしては、例えば、PET、PEN、ポリイミド又は金属箔のような耐熱性の高いフィルムが挙げられる。上記工程フィルムは、上記封止材層と接触する面には、シリコーン等の離型層が形成されていてもよい。
【0047】
本発明の太陽電池封止シートは、表面にエンボス形状を有していることが好ましい。なかでも、適用した際に受光面側となる表面にエンボス形状を有していることが好ましい。より具体的には、フレキシブル太陽電池モジュールを製造した際に、受光面側となる太陽電池封止シートの上記フッ素系耐候層の面に、エンボス形状を有していることが好ましい。上記エンボス形状を有することにより、太陽光の反射ロスを低減したり、ギラツキを防止したり、外観を向上させたりすることができる。
【0048】
上記エンボス形状は、規則的な凹凸形状であっても、ランダムな凹凸形状であってもよい。
上記エンボス形状は、太陽電池素子に貼り合せる前にエンボス賦型しても、太陽電池素子に貼り合せた後でエンボス賦型しても、又は、太陽電池素子と貼り合せる工程で同時に賦型しても良い。中でも、太陽電池素子に貼り合せる前にエンボス賦型して形成するのが、エンボスの転写ムラが無く、均一なエンボス形状が得られるので好ましい。
このように予め表面にエンボス形状を有する太陽電池封止シートを用いて、ロールツーロール法によりフレキシブル太陽電池素子の封止を行うと、封止時の熱圧着工程でエンボス形状の一部が消えてしまうことがあった。従って、フレキシブル太陽電池素子の封止を封止した後に、別に太陽電池封止シートの表面にエンボス形状を施す操作を行うことが一般的であった。
しかしながら、本発明の太陽電池封止シートでは、予め表面にエンボス形状を賦形して、ロールツーロール法によりフレキシブル太陽電池素子の封止を行っても、エンボス形状が消えることがない。これは、上記封止材層が充分な接着力を有する一方、充分に高い粘弾性貯蔵弾性率をも有するためであると考えられる。
【0049】
本発明の太陽電池封止シートの表面にエンボス形状を付与する方法は特に限定されないが、例えば、封止材層とフッ素系耐候層とを共押出工程により同時に製膜加工する際に、冷却ロールとしてエンボスロールを用いて、溶融樹脂を冷却すると同時に表面にエンボス賦型する方法が好適である。
【0050】
本発明の太陽電池封止シートを用いて、太陽電池素子を封止し、フレキシブル太陽電池モジュールを製造する方法について説明する。
上記フレキシブル太陽電池モジュールを製造する方法としては、例えば、本発明の太陽電池封止シートを、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、本発明の太陽電池封止シートの封止材層が接するように積層して、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する方法が挙げられる。
本発明の太陽電池封止シートを用いて、太陽電池素子を封止することにより、シワやカールの発生がないフレキシブル太陽電池モジュールを製造することができる。また、得られたフレキシブル太陽電池モジュールは、太陽電池封止シートと太陽電池素子との接着性にも優れる。
このようなフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法もまた、本発明の1つである。
【0051】
上記太陽電池素子は、一般に、受光することで電子が発生する光電変換層、発生した電子を取り出す電極層、及び、フレキシブル基材から構成される。
【0052】
上記光電変換層は、例えば、単結晶シリコン、単結晶ゲルマニウム、多結晶シリコン、微結晶シリコン等の結晶系半導体、アモルファスシリコン等のアモルファス系半導体、GaAs、InP、AlGaAs、Cds、CdTe、CuS、CuInSe、CuInS等の化合物半導体、フタロシアニン、ポリアセチレン等の有機半導体等から形成されたものを挙げることができる。
上記光電変換層は、単層又は複層であってもよい。
上記光電変換層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。
【0053】
上記フレキシブル基材は、可撓性があり、フレキシブル太陽電池に使用することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン等の耐熱性樹脂からなる基材を挙げることができる。
上記フレキシブル基材の厚みは、10〜80μmであることが好ましい。
【0054】
上記電極層は、電極材料からなる層である。
上記電極層は、必要に応じて、上記光電変換層上にあってもよいし、上記光電変換層とフレキシブル基材との間にあってもよいし、上記フレキシブル基材面上にあってもよい。
上記太陽電池素子は、上記電極層を複数有していてもよい。
受光面側の電極層は、光を透過する必要があるため透明電極であることが望ましい。上記電極材料は、金属酸化物等の一般的な透明電極材料であれば特に限定されないが、ITO又はZnO等が好適に使用される。
透明電極を使用しない場合は、バス電極やそれに付属するフィンガー電極を銀などの金属でパターニングされたものでもよい。
背面側の電極層は、透明である必要はないため、一般的な電極材料によって構成されて構わないが、上記電極材料は、銀が好適に用いられる。
【0055】
上記太陽電池素子を製造する方法は、公知の方法であれば、特に限定されず、例えば、上記フレキシブル基材上に上記光電変換層や電極層を配置する公知の方法により形成するとよい。
上記太陽電池素子は、ロール状に巻回された長尺状であってもよいし、矩形状のシート状であってもよい。
【0056】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法は、上記太陽電池素子の少なくとも受光面上に、上記太陽電池封止シートを、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより、熱圧着する。
上記太陽電池素子の受光面とは、光を受けることで発電ができる面であって、上記フレキシブル基材に対して上記光電変換層が配置された面をいう。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法では、上記太陽電池素子の光電変換層が配置された面と、上記太陽電池封止シートの封止材層側面とが対向した状態で、上記太陽電池素子と太陽電池封止シートとを積層し、これらを一対の熱ロールを用いて狭窄し、熱圧着する方法が好ましい。
【0057】
上記一対の熱ロールを用いて狭窄する際の、上記熱ロールの温度は、80〜160℃であることが好ましい。80℃未満であると、接着不良を起こすおそれがある。160℃を超えると、熱圧着時にシワを発生しやすくなる。またフッ素系耐候層が融解し破断するおそれがある。上記熱ロールの温度は90〜150℃であることがより好ましい。
【0058】
上記熱ロールの回転速度は、0.1〜10m/分であることが好ましい。0.1m/分未満であると、熱圧着後シワが発生しやすくなるおそれがある。10m/分を超えると、接着不良が起こるおそれがある。上記熱ロールの回転速度は、0.3〜5m/分であることがより好ましい。
【0059】
このように、本発明の太陽電池封止シートを用いて太陽電池素子を封止すると、シワやカールを発生することなく、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの十分な接着が可能となる。このため、ロールツーロール法を適用して、フレキシブル太陽電池モジュールを効率良く製造することができる。
このような、本発明の太陽電池封止シートを用いたフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法もまた本発明の一つである。
【0060】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法について、図1を用いて、具体的に説明する。
図1に示すように、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBは、それぞれ長尺状のものであり、ロール状に巻回されている。まず、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBのロールを巻き出し、上記太陽電池素子Aの太陽電池素子の受光面と、上記太陽電池封止シートの封止材層面とを対向させた状態に配置し、両者を積層させて積層シートCとする。
次いで、上記積層シートCを、所定の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給し、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱して熱圧着し、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBを接着一体化する。これにより、上記太陽電池素子が上記太陽電池封止シートによって封止され、フレキシブル太陽電池モジュールEを得ることができる。
【0061】
図2に、本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法において使用する太陽電池素子Aの一例の縦断面模式図を示し、図3に、太陽電池封止シートBの一例の縦断面模式図を示す。図2に示すように、太陽電池素子Aは、フレキシブル基材1上に光電変換層2が配置されたものである。なお、電極層は、種々の配置が可能であるため、ここでは省略する。また、図3に示すように、太陽電池封止シートBは、フッ素系耐候層4と封止材層3とを有する。
更に、本発明の製造方法により得られるフレキシブル太陽電池モジュールの一例の縦断面模式図を図4に示す。
図4に示すように、太陽電池素子Aの光電変換層2側面が、太陽電池封止シートBの封止材層3によって封止されることにより、太陽電池素子Aと太陽電池封止シートBが積層一体化され、フレキシブル太陽電池モジュールEが得られる。
【0062】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法はまた、上記太陽電池素子のフレキシブル基材上面に、上記太陽電池封止シートを、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程を有していてもよい。
上記太陽電池素子の光電変換層側面(表面)のみならず、フレキシブル基材側面(裏面)も封止することにより、上記太陽電池素子がより良好に封止され、長期間に亘って安定的に発電し得るフレキシブル太陽電池モジュールとすることができる。
上記フレキシブル基材側面(裏面)に上記太陽電池封止シートを熱圧着する方法は、例えば、上述と同様にして、上記太陽電池素子のフレキシブル基材側面(裏面)に、上記太陽電池封止シートを、封止材層がフレキシブル基材と対向するように配置し、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する方法が挙げられる。
【0063】
また、上記太陽電池素子のフレキシブル基材側面を封止する場合は、光透過性は必要ではないため、封止材層と金属板とからなる太陽電池封止シートを用いてもよい。
上記封止材層は、上記太陽電池封止シートの封止材層と同様のものが挙げられる。
上記金属板は、ステンレス、アルミニウム等からなる板を挙げることができる。
上記金属板の厚みは、25〜800μmが好ましい。
【0064】
上記太陽電池素子のフレキシブル基材側面(裏面)を、上記封止材層及び金属板で封止する場合は、例えば、上記封止材層及び金属板からなるシートを先に形成して、上述と同様にして、太陽電池素子のフレキシブル基材側面(裏面)に、封止材層及び金属板からなるシートを用いて、上記フレキシブル基材と上記封止材層とを熱圧着させるとよい。
【0065】
上記太陽電池素子のフレキシブル基材側面(裏面)に、上記太陽電池封止シート又は上記封止材層及び金属板からなるシートを熱圧着する工程は、上述した太陽電池素子の受光面上に、上記太陽電池封止シートを熱圧着する工程の前に行ってもよいし、同時に行ってもよく、又は、後に行ってもよい。
【0066】
本発明のフレキシブル太陽電池の製造方法として、例えば、太陽電池素子の光電変換層側面(表面)とフレキシブル基材側面(裏面)とを同時に封止する方法の一例について、図5を用いて説明する。
具体的には、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池素子Aを用意する一方、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池封止シートを二つ用意する。そして、図5に示すように、長尺状の太陽電池封止シートB、Bをそれぞれ巻き出すと共に、長尺状の太陽電池素子Aを巻き出し、二つの太陽電池封止シートの封止材層が互いに対向した状態にして、太陽電池封止シートB、B同士を太陽電池素子Aを介して重ね合わせ、積層シートCとする。そして、積層シートCを所定の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱することによって、太陽電池用封止シートB、B同士を接着一体化させて、太陽電池封止シートB、Bによって太陽電池素子Aを封止して、フレキシブル太陽電池モジュールFを連続的に製造する。
上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法において、太陽電池封止シートB、B同士を太陽電池素子Aを介して重ね合わせて積層シートCを形成すると同時に、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱してもよい。
【0067】
また、太陽電池素子として、矩形状のものを用いた場合のフレキシブル太陽電池モジュールの製造要領の一例を図6に示す。
具体的には、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池素子の代わりに、所定の大きさの矩形状のシート状の太陽電池素子Aを用意する。そして、図6に示すように、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池封止シートB、Bをそれぞれ巻き出し、それぞれの封止材層を対向させた状態にした太陽電池封止シートB、B間に、太陽電池素子Aを所定時間間隔毎に供給し、太陽電池封止シートB、B同士を太陽電池素子Aを介して重ね合わせ、積層シートCとする。そして、積層シートCを所定の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱することによって、太陽電池用封止シートB、B同士を接着一体化させて、太陽電池封止シートB、Bによって太陽電池素子Aを封止して、フレキシブル太陽電池モジュールFを連続的に製造する。
上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法において、積層シートCの形成と同時に、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱してもよい。
【0068】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法を用いて、太陽電池素子の光電変換層側面(表面)とフレキシブル基材側面(裏面)とを封止して得られたフレキシブル太陽電池モジュールの一例を図7及び図8に示す。
図7は、太陽電池素子Aの光電変換層2側面とフレキシブル基材1側面が、共に太陽電池封止シートBの封止材層3で封止されたフレキシブル太陽電池モジュールFの一例の縦断面模式図である。
図8は、太陽電池素子Aの光電変換層2側面を、太陽電池封止シートBの封止材層3で封止され、かつ、フレキシブル基材1側面を、封止材層3及び金属板5からなるシートで封止されたフレキシブル太陽電池モジュールGの一例の縦断面模式図である。
【0069】
このように、本発明の太陽電池封止シートを用いて太陽電池を封止することにより、シワやカールが発生せず、太陽電池と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールをロールツーロール法で好適に製造することができる。
【0070】
本発明の太陽電池封止シートは、上述のようなロールツーロール法によるフレキシブル太陽電池モジュールの製造に好適に用いることができるが、従来の真空ラミネート法によりフレキシブル太陽電池モジュールの製造に用いた場合にでも、接着工程に要する時間を短縮し、シワやカールの発生のないフレキシブル太陽電池モジュールがえられるという優れた効果を発揮することができる。
真空ラミネート法によりフレキシブル太陽電池モジュールを製造する方法としては、例えば、所望形状に切断した本発明の太陽電池保護シートと太陽電池素子とを用意し、太陽電池保護シートの封止材層と、上記太陽電池素子の光電変換層側面、若しくは、両面とを対向させた状態で、太陽電池保護シートと太陽電池素子とを積層し、得られた積層体を、静止状態で、減圧下で、その厚み方向に押圧力を加えながら加熱して、太陽電池素子を太陽電池保護シートで封止する方法等が挙げられる。
上記積層体を、減圧下で、その厚み方向に押圧力を加えながら加熱する工程は、真空ラミネーター等の従来公知の装置を用いて行うことができる。
【発明の効果】
【0071】
本発明の太陽電池封止シートは、上述の構成からなるものであるため、シワやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを、特にロールツーロール法で好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法における製造要領の一例を示した模式図である。
【図2】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法において使用する太陽電池素子の一例を示した縦断面模式図である。
【図3】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法において使用する太陽電池封止シートの一例を示した縦断面模式図である。
【図4】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法により得られるフレキシブル太陽電池モジュールの一例を示した縦断面模式図である。
【図5】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法における製造要領の一例を示した模式図である。
【図6】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法における製造要領の一例を示した模式図である。
【図7】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法により得られるフレキシブル太陽電池モジュールの一例を示した縦断面模式図である。
【図8】本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法により得られるフレキシブル太陽電池モジュールの一例を示した縦断面模式図である。
【図9】太陽電池封止シートを製造する装置の一例における、冷却ロール表面の凹凸形状の一例を示した模式図である。
【図10】太陽電池封止シート表面の、エンボス形状の一例を示した模式図である。
【図11】太陽電池封止シートのエンボス賦型の装置の一例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0074】
(実施例1)
封止材樹脂として、ブテン成分含有量16%及びエチレン成分含有量84%を有するブテン−エチレン共重合体を無水マレイン酸0.3%にてグラフト変性してなる無水マレイン酸変性ブテン系樹脂100重量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z−6040」)0.5重量部とを混合した封止材層用組成物を第1押出機に供給して、250℃にて溶融混練した。
一方で、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、アルケマ社製、商品名「カイナー720」)を第二押出機に供給して、250℃にて溶融混練した。
そして、上記第一押出機と上記第二押出機とを共に接続させている合流ダイに、上記封止材層用組成物及び上記フッ素系樹脂を供給して合流させ、合流ダイに接続させているTダイからシート状に押出して、封止材層とフッ素系耐候層とを積層一体化し、長尺状の一定幅を有する太陽電池封止シートを得た。このときのフッ素系耐候層の厚み/封止材層の厚みは30μm/150μmであった。
【0075】
(実施例2)
フッ素系耐候層の厚み/封止材層の厚みを30μm/400μmにすること以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
(実施例3)
メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対し、ビニルトリメトキシシラン2.5重量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1重量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、融点80℃のシラン変性樹脂を得た。そして、実施例1の封止材層用組成物の代わりに、上記シラン変性樹脂20重量部に対して、融点90℃のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン80重量部を混合して調製した封止材層用組成物を使用した点以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。このときのフッ素系耐候層の厚み/封止材層の厚みは30μm/150μmであった。
【0076】
(実施例4)
実施例1の封止材層用組成物の代わりに、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体の市販品(商品名:LOTADER TX8030、ARKEMA社製)100重量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製 商品名「Z−6040」)0.5重量部とを混合して調製した封止材層用組成物を使用した点以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
なお、用いたエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体のアクリル酸エチルの含有量は13%、無水マレイン酸の含有量は2.8%であった。このときのフッ素系耐候層の厚み/封止材層の厚みは30μm/150μmであった。
【0077】
(実施例5)
実施例1の封止材層用組成物の代わりに、アイオノマー樹脂の市販品(商品名:ハイミラン 1705、Znイオンタイプ、三井・デュポンポリケミカル社製)を使用した点以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。このときのフッ素系耐候層の厚み/封止材層の厚みは30μm/150μmであった。
【0078】
(実施例6)
実施例1において、封止材層用組成物及びフッ素系樹脂の押出を、封止材層面側に工程フィルム(100μmのポリエチレンテレフタレート(PET))を添えて行い、工程フィルム上に封止材層とフッ素耐候層とを形成し、これらをラミネートした点以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0079】
(実施例7)
実施例1の封止材層用組成物にシラン化合物を添加しなかったこと、実施例6と同様に工程フィルム(200μmのポリエチレンテレフタレート(PET))を使用して押出ラミネートしたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0080】
(実施例8)
実施例6と同様に工程フィルム(200μmのポリエチレンテレフタレート(PET))を使用して押出ラミネートしたこと以外は、実施例3と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0081】
(実施例9)
250℃でTダイを用いて封止材層を単層押出し、あらかじめ押出製膜したPVDF単層フィルム(30μm)に押出ラミネートしたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0082】
(比較例1)
封止材層用組成物を208℃で、フッ素系樹脂を205℃で、それぞれ溶融混練したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0083】
(比較例2)
封止材層の厚みを140μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0084】
(比較例3)
封止材層の厚みを410μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0085】
(比較例4)
封止材層用組成物及びフッ素系樹脂を205℃で溶融混練したこと以外は、実施例3と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0086】
(比較例5)
酢酸ビニル含有量27%、融点70℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、架橋剤として過酸化物(商品名:パーブチルE、日油社製)0.5重量部を添加して調製した封止材層用組成物を、85℃でTダイを用いて単層押出し、得られた単層シートを、あらかじめ押出製膜したPVDF単層フィルム(30μm)と熱ロールラミネートしたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池封止シートを得た。
【0087】
上記実施例及び比較例における、上記封止材樹脂のメルトフローレイトと融点(Tm)、封止材層の上記融点より30℃高い温度での収縮応力と厚み、押出設定温度を表1及び2に示した。また、フッ素耐候層の成分、厚み、押出設定温度を表1及び2に示した。
【0088】
次いで、上記で得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。先ず、図6に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる光電変換層が形成されてなり、且つ、ロール状に巻回されてなる太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートBを用意した。
次に、図6に示したように、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBを巻き出し、太陽電池素子Aの光電変換層上に太陽電池封止シートBを、その封止材層が上記太陽電池素子Aに対向した状態となるように積層させて積層シートCとした。そして、積層シートCを、表1及び2の所定の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら積層シートCを加熱し、太陽電池封止シートBを太陽電池素子Aと接着一体化させることにより太陽電池素子を封止してフレキシブル太陽電池モジュールEを連続的に製造し、図示しない巻取り軸に巻き取った。
なお、実施例6〜8の太陽電池封止シートは、工程フィルムを剥離して、太陽電池素子の封止に用いた。
【0089】
(評価)
実施例及び比較例で得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、シワの発生状況、カールの発生状況、剥離強度、エア巻き込み及び高温高湿耐久性を下記の要領で測定し、その結果を表1及び2に示した。
【0090】
<シワの発生>
上記で得られたフレキシブル太陽電池モジュールのシワの発生状況を目視で判断し、以下の評点で点数付けした。4点以上が合格である。
5点:シワ発生が全く見られない。
4点:1か所のシワ発生面積が4mm以下であり、1か所発見される。
3点:1か所のシワ発生面積が4mm以下であり、2か所〜5か所発見される。
2点:シワの発生面積が4mm以上であり、モジュール面積の半分以下である。
1点:モジュール面積の半分以上にシワが発見される。
【0091】
<カールの発生>
250mm×250mmサイズの上記フレキシブル太陽電池モジュールを、平坦な平面上におき、端部の水平面からの浮き上がり高さを測定した。
◎:20mm未満
○:20mm以上25mm未満
△:25mm以上35mm未満
×:35mm以上
【0092】
<エア巻き込み>
250mm×250mmサイズの上記フレキシブル太陽電池モジュールの面内に気泡の有無を観察した。
○:1mm以上の気泡なし
×:1mm以上の気泡あり
<剥離強度>
得られたフレキシブル太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子のフレキシブル基材から太陽電池封止シートを剥離した際の剥離強度をJIS K6854に準拠して測定した。
【0093】
<高温高湿耐久性>
得られたフレキシブル太陽電池モジュールを85℃、相対湿度85%の環境下にて放置し、該太陽電池モジュールの放置を開始してから、太陽電池のフレキシブル基材から太陽電池封止シートが剥離し始めるまでの時間を測定した。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【0096】
(実施例10〜25、比較例6、7、9)
表3〜6に示した所定量のブテン成分含有量及びエチレン成分含有量を有するブテン−エチレン共重合体を無水マレイン酸にてグラフト変性してなる変性ブテン系樹脂100重量部と、シラン化合物として表3〜6に示した所定量の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z−6040」)とからなる封止材層用組成物を第一押出機に供給して250℃にて溶融混練した。
【0097】
一方で、表3〜6に示した所定のフッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製、商品名「カイナー720」)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ダイキン工業社製、商品名「ネオフロンETFE」)、ポリビニルフルオライド樹脂(デュポン社製、商品名「テドラー」)、テトラフロオロエチレン−パーフロオロアルキルビニルエーテル共重合体(ダイキン工業社製、商品名「ネオフロンPFA」)、エチレンクロロトリフルオロエチレン樹脂(ソルベー社製、商品名「halar ECTFE」)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(ダイキン工業社製、商品名「ネオフロンPCTFE」)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(アルケマ社製、商品名「カイナーフレックス2800」)、及び、フッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとの混合物(アルケマ社製、商品名「カイナー720」100重量部に対してポリメタクリル酸メチル20重量部を配合したもの))を第二押出機に供給して、表3〜6に記載の押出設定温度にて溶融混練した。
【0098】
そして、上記第一押出機と上記第二押出機とを共に接続させている合流ダイに、上記封止材層用組成物及び上記フッ素系樹脂を供給して合流させ、合流ダイに接続させているTダイから、封止材層の厚みが0.3mm、フッ素系耐候層の厚みが0.03mmとなるようにシート状に押出成形した。また、Tダイからシート状に押出成形する際、図9に示す規則的な凹凸形状の表面をもつ冷却ロールを用いて、図10に示す規則的な凹凸形状をフッ素樹脂層の表面に賦型した。こうして、上記封止材層用組成物からなる封止材層の一面にフッ素系耐候層が積層一体化され、表面にエンボス形状を有する、長尺状の一定幅を有する太陽電池封止シートを得た。上記太陽電池封止シートのシートロールは、封止材層が内側であっても外側であってもどちらでもよい。
図11に、シート製造装置の、エンボス賦型するロールの配置を示す。
なお、使用した変性ブテン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)を表3〜6に示した。また、変性ブテン系樹脂中における無水マレイン酸の総含有量を表3〜6に示した。
【0099】
次いで、上記で得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。先ず、図6に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる光電変換層が形成されてなる、矩形状のシート状である太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートB二つとを用意した。
【0100】
次に、図6に示したように、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池封止シートB、Bをそれぞれ巻き出し、それぞれの封止材層を対向させた状態にした太陽電池封止シートB、B間に、太陽電池素子Aを供給し、太陽電池封止シートB、B同士を、太陽電池素子Aを介して重ね合わせ、積層シートCとした。そして、積層シートCを、表3〜6に記載の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱することによって、太陽電池用封止シートB、B同士を接着一体化させて、太陽電池素子Aを封止し、フレキシブル太陽電池モジュールFを製造した。
【0101】
(比較例8)
変性ブテン系樹脂の代わりにEVAを用い、表6に記載のシラン化合物とフッ素系樹脂を用いて得られた太陽電池封止シートを使用した点以外は、実施例10と同様にしてフレキシブル太陽電池モジュールを得た。
【0102】
(評価)
得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、上記と同様の方法により、シワの発生状況、カールの発生状況、剥離強度、エア巻き込み及び高温高湿耐久性を評価し、その結果を表3〜6に示した。
なお、比較例6〜8においては、太陽電池素子としての要件を満たさないため、高温高湿耐久性及びエンボス形状保持の評価を行わなかった。
更に、下記の方法により、エンボス形状保持性も評価した。
【0103】
<エンボス形状保持>
得られたフレキシブル太陽電池モジュールの断面形状を観察して、エンボス深さの測定を行うことで、図10に示すように当初0.1mmあった深さがどの程度まで保持されているかを確認した。
◎:0.09mm以上
○:0.06mm以上0.09mm未満
△:0.03mm以上0.06mm未満
×:0.03mm未満
【0104】
【表3】

【0105】
【表4】

【0106】
【表5】

【0107】
【表6】

【0108】
(実施例26〜30)
表7に示した所定量のブテン成分含有量及びエチレン成分含有量を有するブテン−エチレン共重合体を無水マレイン酸にてグラフト変性してなる変性ブテン系樹脂100重量部と、シラン化合物として表7に示した所定量の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z−6040」)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6043」)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名「KBE−403」)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名「KBM−402」)、又は、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名「KBE−402」)とからなる封止材層用組成物を用いた以外は実施例10と同様にして、フレキシブル太陽電池モジュールを得て、その評価を行った。結果を表7に示した。
【0109】
【表7】

【0110】
(実施例31〜34、比較例10〜14)
表8に示した所定量のα−オレフィン成分含有量及びエチレン成分含有量を有するα−オレフィン−エチレン共重合体を無水マレイン酸にてグラフト変性してなる変性α−オレフィン系樹脂100重量部と、シラン化合物として表8に示した所定量の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z−6040」)とからなる封止材層用組成物を用いた以外は実施例10と同様にして、フレキシブル太陽電池モジュールを得て、その評価を行った。結果を表8に示した。
【0111】
【表8】

【0112】
(実施例35〜37)
表9に示した所定量のαオレフィン成分を含有するシラン変性ポリオレフィン樹脂(A)100重量部を第一押出機に供給して、230℃にて溶融混練した。一方で、表9に示したフッ素系樹脂を第二押出機に供給して、230℃にて溶融混練した。そして、第一押出機と第二押出機とを共に接続させている合流ダイに、溶融した上記シラン変性ポリオレフィン樹脂(A)と上記フッ素系樹脂とを供給して合流させ、合流ダイに接続させているTダイからシート状に押出して、厚み0.3mmの封止材層と、厚み0.03mmのフッ素系耐候層とが積層一体化されてなる長尺状の一定幅を有する太陽電池封止シートを得た。
【0113】
なお、シラン変性ポリオレフィン樹脂(A)のシラン変性量、メルトフローレイト(MFR)、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)、並びに、30℃及び100℃での粘弾性貯蔵弾性率を表9に示した。
【0114】
次いで、上記で得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。
先ず、図6に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる光電変換層が形成されてなり、且つ、ロール状に巻回されてなる太陽電池Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートB’を用意した。
【0115】
次に、図6に示したように、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートB’を巻き出し、太陽電池素子Aの光電変換層上に太陽電池封止シートB’を、その封止材層が上記光電変換層に対向した状態となるように積層させて積層シートCとした。そして、積層シートCを、表9に記載のロール温度に加熱された一対のロールD、D間に、表9に記載の速度で供給して、その厚み方向に押圧しながら加熱し、太陽電池封止シートB’を太陽電池素子Aに接着一体化させることにより太陽電池素子を封止してフレキシブル太陽電池モジュールEを連続的に製造し、図示しない巻取り軸に巻き取った。
【0116】
(実施例38及び39)
シラン変性ポリオレフィン樹脂(A)100重量部の代わりに、表9に示した、所定のシラン変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを所定比で混合した混合樹脂100重量部を用いた以外は、実施例35と同様にしてフレキシブル太陽電池モジュールを得た。上記混合樹脂のMFR、Tm、30℃及び100℃での粘弾性貯蔵弾性率を表9に示した。
【0117】
(比較例15〜18)
封止材層の厚み、太陽電池封止シートを押出成形する際の押出温度を表9に記載したようにした以外は、実施例35〜39と同様にして太陽電池封止シート及びフレキシブル太陽電池モジュールを得た。
【0118】
(評価)
得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、シワの発生状況、カールの発生状況、剥離強度、エア巻き込み及び高温高湿耐久性を上記の要領で測定し、その結果を表9に示した。
【0119】
【表9】

【0120】
(実施例40〜49、比較例19〜23)
表10〜12に示した所定量の成分を含有する上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー100重量部と、シラン化合物として表10〜12に示した所定量の3−グリドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製 商品名「Z−6040」)又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製 商品名「Z−6043」)とを混合した封止材層用組成物を第一押出機に供給して250℃にて溶融混練した。
【0121】
一方で、表10〜12に示した所定のフッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製、商品名「カイナー720」)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(アルケマ社製、商品名「カイナーフレックス2800」)、フッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとの混合物(アルケマ社製、商品名「カイナー720」100重量部に対してポリメタクリル酸メチル20重量部を配合したもの)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ダイキン工業社製、商品名「ネオフロンETFE」))を第二押出機に供給して、230℃にて溶融混練した。
【0122】
そして、第一押出機と第二押出機とを共に接続させている合流ダイに、上記封止材層用組成物と上記ポリフッ化ビニリデンとを供給して合流させ、合流ダイに接続させているTダイから封止材層の厚みが0.3mm、フッ素系耐候層の厚みが0.03mmとなるようにシート状に押出成形した。また、Tダイからシート状に押出成形する際、図9に示す規則的な凹凸形状の表面をもつ冷却ロールを用いて、図10に示す規則的な凹凸形状をフッ素樹脂層の表面に賦型した。こうして、上記封止材層用組成物からなる封止材層の一面にフッ素系耐候層が積層一体化され、表面にエンボス形状を有する、長尺状の一定幅を有する太陽電池封止シートを得た。
図11に、シート製造装置の、エンボス賦型するロールの配置を示す。
【0123】
なお、使用した上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーのメルトフローレイト(MFR)、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)を表10〜12に示した。
【0124】
次いで、上記で得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。先ず、図6に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる光電変換層が形成されてなる、矩形状のシート状である太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートB二つとを用意した。
【0125】
次に、図6に示したように、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池封止シートB、Bをそれぞれ巻き出し、それぞれの封止材層を対向させた状態にした太陽電池封止シートB、B間に、太陽電池素子Aを供給し、太陽電池封止シートB、B同士を、太陽電池素子Aを介して重ね合わせ、積層シートCとした。そして、積層シートCを、表10〜12に記載の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱することによって、太陽電池用封止シートB、B同士を接着一体化させて、太陽電池素子Aを封止し、フレキシブル太陽電池モジュールFを製造した。
【0126】
(評価)
得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、シワの発生状況、カールの発生状況、剥離強度、エア巻き込み及び高温高湿耐久性を上記の要領で測定し、その結果を表10〜12に示した。
【0127】
【表10】

【0128】
【表11】

【0129】
【表12】

【0130】
(実施例50〜57、比較例24〜29)
表13〜14に示した所定量のグリシジルメタクリレート成分、エチレン成分及び(メタ)アクリレート成分を含有するエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体100重量部と、シラン化合物として表13〜14に示した所定量の3−グリドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製 商品名「Z−6040」)又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6043」)とを含有する封止材層用組成物を第一押出機に供給して230℃にて溶融混練した。
【0131】
一方で、ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製 商品名「カイナー720」)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(アルケマ社製、商品名「カイナーフレックス2800」)、又は、フッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとの混合物(アルケマ社製、商品名「カイナー720」100重量部に対してポリメタクリル酸メチル20重量部を配合したもの)を第二押出機に供給して230℃にて溶融混練した。
【0132】
そして、第一押出機と第二押出機とを共に接続させている合流ダイに、上記封止材層用組成物と上記ポリフッ化ビニリデンとを供給して合流させ、合流ダイに接続させているTダイから封止材層の厚みが0.3mm、フッ素系耐候層の厚みが0.03mmとなるようにシート状に押出成形した。また、Tダイからシート状に押出成形する際、図9に示す規則的な凹凸形状の表面をもつ冷却ロールを用いて、図10に示す規則的な凹凸形状をフッ素樹脂層の表面に賦型した。こうして、上記封止材層用組成物からなる封止材層の一面にフッ素系耐候層が積層一体化され、表面にエンボス形状を有する、長尺状の一定幅を有する太陽電池封止シートを得た。
図11に、シート製造装置の、エンボス賦型するロールの配置を示す。
【0133】
なお、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体のメルトフローレイト、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)を表13〜14に示した。
実施例50、56及び比較例28で用いたエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体は、市販品であるアルケマ社製商品名「ロタダーAX8840」である。
なお、比較例25では、押出機に高負荷が掛かり、上記封止材層用組成物を継続的に押出すことができず、太陽電池封止シートを製造することができなかった。
【0134】
次いで、上記で得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。先ず、図6に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる光電変換層が形成されてなる、矩形状のシート状である太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートB二つとを用意した。
【0135】
次に、図6に示したように、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池封止シートB、Bをそれぞれ巻き出し、それぞれの封止材層を対向させた状態にした太陽電池封止シートB、B間に、太陽電池素子Aを供給し、太陽電池封止シートB、B同士を、太陽電池素子Aを介して重ね合わせ、積層シートCとした。そして、積層シートCを、表13〜14に記載の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱することによって、太陽電池用封止シートB、B同士を接着一体化させて、太陽電池素子Aを封止し、フレキシブル太陽電池モジュールFを製造した。
【0136】
上記で得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、シワの発生状況、カールの発生状況、剥離強度、エア巻き込み及び高温高湿耐久性を上記の要領で測定し、その結果を表13〜14に示した。
【0137】
【表13】

【0138】
【表14】

【0139】
(実施例58〜64、比較例30〜36)
表15〜16に示した所定量の成分を含有するエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体(表中、EAはアクリル酸エチルを、MAはアクリル酸メチルを、BAはアクリル酸ブチルを示す。)100重量部と、シラン化合物として表15〜16に示した所定量の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製 商品名「Z−6040」)又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6043」)とを混合した封止材層用組成物を第一押出機に供給して250℃にて溶融混練した。
【0140】
一方で、表15〜16に示した所定のフッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製、商品名「カイナー720」)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(アルケマ社製、商品名「カイナーフレックス2800」)及びフッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとの混合物(アルケマ社製、商品名「カイナー720」100重量部に対してポリメタクリル酸メチル20重量部を配合したもの))を第二押出機に供給して230℃にて溶融混練した。
【0141】
そして、上記第一押出機と上記第二押出機とを共に接続させている合流ダイに、上記封止材層用組成物及び上記フッ素系樹脂を供給して合流させ、合流ダイに接続させているTダイから封止材層の厚みが0.3mm、フッ素系耐候層の厚みが0.03mmとなるようにシート状に押出成形した。また、Tダイからシート状に押出成形する際、図9に示す規則的な凹凸形状の表面をもつ冷却ロールを用いて、図10に示す規則的な凹凸形状をフッ素樹脂層の表面に賦型した。こうして、上記封止材層用組成物からなる封止材層の一面にフッ素系耐候層が積層一体化され、表面にエンボス形状を有する、長尺状の一定幅を有する太陽電池封止シートを得た。
図11に、シート製造装置の、エンボス賦型するロールの配置を示す。
なお、使用した上記三元共重合体樹脂のメルトフローレイト、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)を表15〜16に示した。
【0142】
次いで、上記で得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。先ず、図6に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる光電変換層が形成されてなる、矩形状のシート状である太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートB二つとを用意した。
【0143】
次に、図6に示したように、ロール状に巻回されている長尺状の太陽電池封止シートB、Bをそれぞれ巻き出し、それぞれの封止材層を対向させた状態にした太陽電池封止シートB、B間に、太陽電池素子Aを供給し、太陽電池封止シートB、B同士を、太陽電池素子Aを介して重ね合わせ、積層シートCとした。そして、積層シートCを、表15〜16に記載の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給して、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱することによって、太陽電池用封止シートB、B同士を接着一体化させて、太陽電池素子Aを封止し、フレキシブル太陽電池モジュールFを製造した。
【0144】
得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、シワの発生状況、カールの発生状況、剥離強度、エア巻き込み及び高温高湿耐久性を上記の要領で測定し、その結果を表15〜16に示した。
【0145】
【表15】

【0146】
【表16】

【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の太陽電池封止シートは、シワやカールを発生させずに、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを、特にロールツーロール法で好適に製造することができる。
【符号の説明】
【0148】
A 太陽電池素子
B、B’ 太陽電池封止シート
C 積層シート
D ロール
E、F、G フレキシブル太陽電池モジュール
1 フレキシブル基材
2 光電変換層
3 封止材層
4 フッ素系耐候層
5 金属板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止材層及びフッ素系耐候層を有し、
前記封止材層は、融点が75〜110℃である封止材樹脂からなり、前記封止材樹脂の融点より30℃高い温度で熱処理した後の収縮応力が0.38MPa以下であり、かつ、厚みが150〜400μmである
ことを特徴とする太陽電池封止シート。
【請求項2】
封止材層は、更にRSi(ORで示されるシラン化合物を、封止材樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部含有する請求項1記載の太陽電池封止シート。
但し、Rは、3−グリシドキシプロピル基又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基を示し、Rは、炭素数が1〜3であるアルキル基を示す。
【請求項3】
フッ素系耐候層は、ポリフッ化ビニリデン樹脂である請求項1又は2記載の太陽電池封止シート。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の太陽電池封止シートの製造方法であって、封止材層及びフッ素系耐候層を共押出により形成する工程を有することを特徴とする太陽電池封止シートの製造方法。
【請求項5】
封止材層の成形温度が、封止材樹脂の融点より130〜200℃高い請求項4記載の太陽電池封止シートの製造方法。
【請求項6】
請求項1、2又は3記載の太陽電池封止シートの製造方法であって、封止材層を押出ラミネートにより形成する工程を有することを特徴とする太陽電池封止シートの製造方法。
【請求項7】
請求項1、2又は3記載の太陽電池封止シートを、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、前記太陽電池封止シートの封止材層が接するように積層して、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程を有することを特徴とするフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−99803(P2012−99803A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222089(P2011−222089)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、太陽エネルギー技術研究開発/太陽光発電システム次世代高性能技術の開発/ロールツーロールプロセスを可能とする封止材一体型保護シートの研究開発の委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】