説明

契約製品提供方法、クライアント装置、サーバ、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体

【課題】契約製品のインストールにかかる作業負担の軽減化および作業時間の短縮化を図ること。
【解決手段】携帯通信端末103を利用して、クライアント装置101に貼付されている識別シール120を読み取ることにより、クライアント装置101の識別情報をサーバ102に通知する。このあと、サーバ102において、通知された識別情報と関連付けられている契約情報を契約情報DB130の中から抽出し、その契約情報をクライアント装置101に送信する。そして、クライアント装置101において、サーバ102からの契約情報を用いて、インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を自動設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンピュータ上で動作するアプリケーションプログラムの使用許可に関する契約製品提供方法、クライアント装置、サーバ、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、パーソナル・コンピュータ(以下、「パソコン」という)を販売する場合、つぎの販売形態をとる。OS(Operating System)や基本的なアプリケーションがインストール済みのパソコンを販売する。または、アプリケーションが何もインストールされていないパソコンを販売して、ユーザが任意のアプリケーションをインストールする。
【0003】
一般的に企業に導入するパソコンは、必要となるアプリケーションが特殊なものとなるため、後者の販売形態がとられることが多い。ところが、ユーザが必要となるアプリケーションを入手して、パソコンにインストールするには、非常に面倒な作業が必要となってしまう。
【0004】
そこで、各種のアプリケーションが記録された記録媒体とパソコン本体とをセットで販売し、契約済みのアプリケーションのみをインストール可能とする手法が開示されている。このとき、未契約のアプリケーションが不正にインストールされることを防止するために、記録媒体に添付される契約情報に基づいて、個々のアプリケーションのインストールの可否を決定する。
【0005】
また、アプリケーションごとに割り付けられる識別コードと、発行センターから契約者に配信される識別コードとが一致した場合に、アプリケーションのインストールを実行可能とする手法が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。これにより、契約者以外のアプリケーションのインストールを不能とし、不正コピーを適切に防止することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−5859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、アプリケーションのインストールの可否を決定するための契約情報が記録媒体に添付されている。このため、例えば、送付途中に記録媒体を紛失、破損した場合などには、契約者固有の契約情報が添付された記録媒体を再送付する必要がある。
【0008】
つまり、再送付先の契約者の契約情報が添付された記録媒体を再作成して、その記録媒体を契約者に再送付することとなる。この結果、販売側の作業負担が増大するとともに、アプリケーションのインストールが完了するまでにかかる時間が増大するという問題があった。さらに、契約変更があった場合には、変更後の契約情報が添付された記録媒体を再送付する必要があり、上記同様の問題が発生してしまっていた。
【0009】
また、上述した特許文献1に記載の従来技術では、アプリケーションごとに発行センターから識別コードが配信され、アプリケーションごとに識別コードの一致判定がおこなわれる。このため、契約済みのアプリケーションが多量に存在する場合には、インストールにかかる作業負担および作業時間が増大してしまうという問題があった。
【0010】
さらに、契約済みのアプリケーションに関する最新版のリリース時期を人間がチェックする必要があった。このため、チェック作業にかかる作業負担が増大するとともに、リリース時期のチェック漏れが発生してしまう場合があり、契約済みのアプリケーションを最新版に保つことが難しいという問題があった。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ソフトウェア製品に関する使用許可を契約者ごとに一括して付与することにより、契約済みのソフトウェア製品のインストール作業にかかる負担軽減および時間短縮を実現することができる契約製品提供方法、クライアント装置、サーバ、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この契約製品提供方法は、特定の契約情報が与えられると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を、前記クライアント装置と相互に通信可能に接続され、前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバに通知し、前記サーバの契約情報データベースの中から、通知された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出し、抽出された契約情報を前記サーバから前記クライアント装置に送信し、前記クライアント装置により、前記特定の契約情報と前記サーバから送信された契約情報とに基づいて、前記クライアント装置にインストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証し、認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定することを要件とする。
【0013】
この契約製品提供方法によれば、サーバからクライアント装置に送信される契約情報を用いて、インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を自動的に設定することができる。
【0014】
また、この契約製品提供方法は、携帯通信端末の読み取り機能を利用して、前記クライアント装置に貼付された識別シールを読み取ることにより、当該識別シールに記録されている識別情報を前記サーバに通知することとしてもよい。
【0015】
この契約製品提供方法によれば、簡便な作業によるサーバへのアクセスを実現するとともに、サーバのIPアドレスを直接提示しないため、サーバに対する不正アクセスを防止することができる。
【0016】
また、この契約製品提供方法は、前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かを前記クライアント装置から前記サーバに問い合わせ、問い合わせた結果、前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されている場合、前記契約済みのソフトウェア製品の更新情報を前記クライアント装置にダウンロードすることとしてもよい。
【0017】
この契約製品提供方法によれば、更新の有無の問い合わせを自動化することにより、ソフトウェア製品の更新漏れを防止し、契約済みのソフトウェア製品を最新版のソフトウェア製品に保つことができる。
【0018】
また、この契約製品提供方法は、所定期間内に前記クライアント装置で使用された前記契約済みのソフトウェア製品の稼働状況を表わす稼働状況リストを前記クライアント装置から前記サーバにアップロードし、前記サーバにより、アップロードされた稼働状況リストを出力することとしてもよい。
【0019】
この契約製品提供方法によれば、稼働状況リストを参照することにより、契約しているにもかかわらず使用されていないソフトウェア製品の有無などを把握することができ、契約更新時の参考データとして活用することができる。
【発明の効果】
【0020】
この契約製品提供方法、クライアント装置、サーバ、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体によれば、ソフトウェア製品に関する使用許可を契約者ごとに一括して付与することにより、契約済みのソフトウェア製品のインストール作業にかかる負担軽減および時間短縮を実現するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この契約製品提供方法、クライアント装置、サーバ、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
(契約製品提供システムのシステム構成)
まず、本実施の形態にかかる契約製品提供システムのシステム構成について説明する。図1は、契約製品提供システムのシステム構成図である。図1において、契約製品提供システム100は、クライアント装置101と、サーバ102と、がインターネット、LAN、WANなどのネットワーク140を介して相互に通信可能に接続されている。
【0023】
契約製品提供システム100は、OSやアプリケーションなどのソフトウェア製品を販売するメーカーと契約を結んだユーザ(契約者)に対して、契約内容に応じたソフトウェア製品を提供するシステムである。ここでは、契約者に対してコンピュータ本体(クライアント装置101)とソフトウェア製品とがセットで販売される。
【0024】
クライアント装置101(図1では、1台のみ表記)は、契約者が使用するコンピュータ装置である。このクライアント装置101は、メーカーから契約者にCD−ROM110とともに提供される。また、クライアント装置101には、契約者固有の識別シール120が貼付されている。
【0025】
識別シール120には、クライアント装置101の識別情報およびMACアドレスが記録された2次元コードが印刷されている。さらに、2次元コードには、サーバ102のURLが記録されている。なお、クライアント装置101には、契約製品提供システム100を実現するために必要となる動作を実行可能とするOSがインストールされている。
【0026】
サーバ102は、ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するコンピュータ装置である。このサーバ102は、契約情報とクライアント装置101の識別情報とを関連付けて保持する契約情報DB(データベース)130を備えている。
【0027】
ここで、契約製品提供システム100のシステム概要について説明する。まず、契約者は、CD−ROM110に記録されている製品情報をクライアント装置101にインストールする(1)。このCD−ROM110には、メーカーと契約者との間で契約可能な全てのソフトウェア製品が、特定の契約情報が与えられると使用が許可される状態で記録されている。
【0028】
このあと、携帯通信端末103の読み取り機能を利用して、クライアント装置101に貼付されている識別シール120からサーバ102のURLを取得する(2)。そして、そのURLを実行することにより(3)、識別シール120の2次元コードに記録されている識別情報およびMACアドレスをサーバ102に通知する(4)。
【0029】
このとき、クライアント装置101に割り当てられているIPアドレスおよびサーバ102へのアクセス用のパスワードを指定する。具体的には、例えば、携帯通信端末103をユーザが操作して、クライアント装置101に添付されているIPアドレスおよびアクセス用のパスワードを指定することとしてもよい。
【0030】
このあと、サーバ102において、通知された識別情報と関連付けられている契約情報を契約情報DB130の中から抽出する(5)。さらに、抽出された契約情報をサーバ102からクライアント装置101に送信する(6)。具体的には、上記IPアドレスを用いて、クライアント装置101との間のVPN(Virtual Private Network)接続を実現し、契約情報を送信する。
【0031】
このとき、VPN接続のシーケンス途中で取得されるMACアドレスと、サーバ102に通知されたMACアドレスとの一致判定をおこなう。この結果、MACアドレスが一致した場合にだけ、契約情報が契約者のクライアント装置101に送達することとなり、契約情報の誤送信を防ぐことができる。
【0032】
最後に、クライアント装置101において、サーバ102から送信された契約情報を用いて、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証することにより、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する(7)。これにより、契約者は、クライアント装置101で契約済みのソフトウェア製品を使用することができる。
【0033】
このように、本実施の形態では、サーバ102からクライアント装置101に送信される契約者固有の契約情報を用いて、インストール済みのソフトウェア製品のうち契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する。これにより、ソフトウェア製品のインストール作業にかかる作業負担の軽減化および作業時間の短縮化を図る。
【0034】
なお、契約内容が変更された場合には、変更後の契約情報がサーバ102から契約者のクライアント装置101に送信されることとなる。この結果、クライアント装置101において、変更後の契約内容に応じたソフトウェア製品のアンインストールおよびインストールが自動的に実行される。これにより、契約変更時におけるソフトウェア製品のインストール作業にかかる作業負担の軽減化および作業時間の短縮化を図る。
【0035】
(CD−ROMの記録内容)
つぎに、図1に示したCD−ROM110の記録内容について説明する。図2は、CD−ROMの記録内容を示す説明図である。図2において、CD−ROM110には、メーカーと契約者との間で契約可能なすべてのソフトウェア製品1〜nに関する製品情報200−1〜200−nが記録されている。
【0036】
具体的には、製品情報200−1〜200−nは、ソフトウェア製品1〜nごとに、製品名、VL(バージョンレベル)情報、アプリケーションプログラムおよび認証用コードを有している。製品名は、ソフトウェア製品の名称である。VL情報は、ソフトウェア製品のバージョンレベルを表わしている。例えば、ソフトウェア製品の機能が更新(例えば、機能追加、不具合修正など)されると、VLの各数字が増加することとなる。
【0037】
アプリケーションプログラムは、ソフトウェア製品のプログラムデータである。認証用コードは、契約者の認証処理に用いるための認証情報である。ここで、製品情報200−iを例に挙げると、ソフトウェア製品iに関するVL情報「V20L05」、アプリケーションプログラム「プログラムデータi」および認証用コード「klm0−△×□」を有している。
【0038】
(契約情報DB130の記憶内容)
つぎに、図1に示した契約情報DB130の記憶内容について説明する。図3は、契約情報DBの記憶内容を示す説明図である。図3において、契約情報DB130は、契約者ごとに、識別情報、契約情報および稼働状況リストに関する契約者情報300−1〜300−nを保持している。
【0039】
識別情報は、クライアント装置101を識別するための情報である。この識別情報からクライアント装置101のユーザ(契約者)を特定することができる。契約情報は、契約済みのソフトウェア製品の使用を許可するための情報である。稼働状況リストは、契約済みのソフトウェア製品の稼働状況を表わす情報である。
【0040】
ここで、契約者情報300−iを例に挙げると、識別情報「×××−i」から特定される契約者の契約情報Xiおよび稼働状況リストYiを有している。契約情報Xiおよび稼働状況Yiについての詳細な説明は後述する。なお、契約内容が変更されると、その都度、契約情報DB130の記憶内容が契約内容に応じて変更される。
【0041】
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したクライアント装置101およびサーバ102(ここでは、単に「コンピュータ装置」という)のハードウェア構成について説明する。図4は、コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0042】
図4において、コンピュータ装置は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、HDD(ハードディスクドライブ)404と、HD(ハードディスク)405と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)406と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)407と、ディスプレイ408と、I/F(インターフェース)409と、キーボード410と、マウス411と、スキャナ412と、プリンタ413とを備えている。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続されている。
【0043】
ここで、CPU401は、コンピュータ装置の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記録している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HDD404は、CPU401の制御にしたがってHD405に対するデータのリード/ライトを制御する。HD405は、HDD404の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0044】
FDD406は、CPU401の制御にしたがってFD407に対するデータのリード/ライトを制御する。FD407は、FDD406の制御で書き込まれたデータを記憶したり、FD407に記憶されたデータをコンピュータ装置に読み取らせたりする。
【0045】
また、着脱可能な記録媒体として、FD407のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどであってもよい。ディスプレイ408は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ408には、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0046】
I/F409は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク140に接続され、このネットワーク140を介して他の装置に接続される。そして、I/F409は、ネットワーク140と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F409には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0047】
キーボード410は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス411は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0048】
スキャナ412は、画像を光学的に読み取り、装置内に画像データを読み込む。なお、スキャナ412は、OCR機能を持たせてもよい。また、プリンタ413は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ413には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタなどを採用することができる。
【0049】
(契約製品提供システムの機能的構成)
つぎに、図1に示した契約製品提供システム100の機能的構成について説明する。図5は、契約製品提供システムの機能的構成を示すブロック図である。まず、クライアント装置101の機能的構成について説明する。図5において、クライアント装置101は、受信部511と、認証部512と、設定部513と、送信部514と、検出部515と、抽出部516と、作成部517と、を備えている。
【0050】
これら各機能511〜517は、クライアント装置101の記憶部に記憶された当該機能511〜517に関するプログラムをCPUに実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。また、各機能511〜517からの出力データは上記記憶部に保持される。また、図5中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶部から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPUに実行させるものとする。
【0051】
クライアント装置101には、特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品が予めインストールされている。ソフトウェア製品は、例えば、文書作成ソフト、給与計算ソフト、帳票処理ソフトなどのアプリケーションプログラムである。具体的には、例えば、クライアント装置101には、CD−ROM110に記録されているソフトウェア製品1〜nがインストールされている。
【0052】
また、特定の契約情報とは、契約者の認証処理に用いるための認証情報である。具体的には、例えば、図2に示したソフトウェア製品1〜nごとの認証用コードである。この認証用コードは、例えば、製品情報200−1〜200−nがインストールされた結果、ROM402やRAM403などの記憶部に記憶される。
【0053】
なお、ここではCD−ROM110から製品情報200−1〜200−nをインストールすることとしたが、これに限らない。例えば、外部のコンピュータ装置から製品情報200−1〜200−nをダウンロードして、クライアント装置101にインストールすることとしてもよい。
【0054】
まず、受信部511は、ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバ102から、インストール済みのソフトウェア製品のうち契約済みのソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を受信する機能を有する。契約情報は、契約者の認証処理に用いるための認証情報であり、例えば、契約情報DB130に保持されている契約情報X1〜Xnである。ここで、契約情報の具体例について説明する。
【0055】
図6は、契約情報の具体例を示す説明図である。図6において、契約情報Xiは、識別情報「×××−i」から特定される契約者が契約済みのソフトウェア製品の使用を許可するための情報である。具体的には、契約情報Xiは、ソフトウェア製品1,2および7に関するVL情報および認証コードを有している。
【0056】
認証部512は、上記特定の契約情報と受信部511によって受信された契約情報とに基づいて、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する機能を有する。具体的には、例えば、受信部511によって契約情報Xiが受信された場合、ソフトウェア製品1,2および7の認証コードと、記憶部に記憶されているソフトウェア製品1,2および7の認証用コードとに基づいて、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する。
【0057】
ここでは、ソフトウェア製品1,2および7の認証コードと、ソフトウェア製品1,2および7の認証用コードとが一致するか否かを判定することにより、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する。例えば、ソフトウェア製品1の認証コード「abc1−○×△」と、ソフトウェア製品1の認証用コード「abc1−○×△」とが一致することにより、ソフトウェア製品1の使用許可が認証される。
【0058】
なお、契約済みのソフトウェア製品の使用を許可するための認証手法は、ここで説明した手法に限らない。例えば、秘密鍵、公開鍵、電子署名などの既存のセキュリティ技術を利用して、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を契約者に付与することとしてもよい。
【0059】
設定部513は、認証部512によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する機能を有する。具体的には、例えば、上述した認証コードと認証用コードとが一致した場合に、ソフトウェア製品1,2および7の使用制限(鍵)を解除して、ソフトウェア製品1,2および7を使用可能な状態(鍵開け)に設定する。
【0060】
このように、サーバ102からクライアント装置101に送信される契約者固有の契約情報を用いて、インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を自動的に設定することができる。
【0061】
送信部514は、契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かの問い合わせをサーバ102に送信する機能を有する。具体的には、例えば、設定部513によって設定された契約済みのソフトウェア製品のVL情報をサーバ102に送信することにより、更新の有無を問い合わせることとしてもよい。
【0062】
また、受信部511は、送信部514によって問い合わせが送信された結果、契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されている場合、サーバ102から契約済みのソフトウェア製品の更新情報を受信する機能を有する。更新情報は、例えば、追加された機能や不具合修正などを反映させるための更新用のプログラムデータである。
【0063】
なお、受信部511によって更新情報を受信した場合、例えば、クライアント装置101の再起動時に、更新情報が自動反映されることとしてもよい。また、送信部514による問い合わせは、予め設定された期間ごとに自動送信されることとしてもよい。これにより、人手による最新VLのリリース時期のチェック作業が不要となり、契約済みのソフトウェア製品を最新VLに保つことができる。
【0064】
検出部515は、所定期間内に動作した動作オブジェクトを検出する機能を有する。動作オブジェクトとは、例えば、操作対象として指定されたファイルである。具体的には、例えば、検出部515は、クライアント装置101のファイルシステム上に格納されているファイル情報を参照することにより、所定期間内に動作したファイルを検出する。
【0065】
なお、上記所定期間は、予め設定されていてもよく、また、任意に設定することができることとしてもよい。具体的には、例えば、メーカー側から指定された期間を、図4に示したキーボード410やマウス411などをクライアント装置101のユーザが操作することで設定することとしてもよい。
【0066】
具体的には、例えば、2006年1月1日から2006年3月31日まで(以下、単に「2006/01/01〜2006/03/31」と表記)の特定の期間が設定されていてもよく、また、開始日および期間(例えば、2006/01/01を開始日として3ヶ月ごと)を設定することにより定期的に動作オブジェクトを検出することとしてもよい。
【0067】
抽出部516は、契約済みのソフトウェア製品のうち、検出部515によって検出された動作オブジェクトと対応付けられているソフトウェア製品を抽出する機能を有する。具体的には、例えば、抽出部516は、ソフトウェア製品と動作オブジェクトとを対応付けるテーブル表を用いて、検出部515によって検出された動作オブジェクトと対応付けられているソフトウェア製品を抽出する。
【0068】
なお、ソフトウェア製品と動作オブジェクトとを対応付けるテーブル表は、例えば、契約情報とともにサーバ102から取得することとしてもよく、また、不図示の外部装置、ユーザの操作入力、CD−ROM110からのインストールによって取得することとしてもよい。
【0069】
作成部517は、抽出部516によって抽出された抽出結果に基づいて、所定期間内に使用されたソフトウェア製品を表わす稼働状況リストを作成する機能を有する。ここで、上記検出部515、抽出部516および作成部517による具体的な処理内容について説明する。ここでは、所定期間が「2006/01/01〜2006/03/31」に設定されていることとする。
【0070】
まず、検出部515は、ファイルシステム上に格納されているファイル情報を参照することにより、所定期間内に動作したファイルを検出する。図7は、ファイル情報の具体例を示す説明図である。図7において、ファイル情報700には、クライアント装置101のコンピュータ上で動作した動作オブジェクトのオブジェクト名および最新動作日付が示されている。
【0071】
この場合、検出部515は、最新動作日付が期間「2006/01/01〜2006/03/31」内にある動作オブジェクト「ABCD」および「EFG」を検出する。このあと、抽出部516は、ソフトウェア製品と動作オブジェクトとを対応付けるテーブル表を用いて、動作オブジェクト「ABCD」および「EFG」と対応付けられているソフトウェア製品を抽出する。
【0072】
図8は、ソフトウェア製品と動作オブジェクトとを対応付けるテーブル表の具体例を示す説明図である。図8において、テーブル表800には、契約済みのソフトウェア製品ごとに、契約製品名と動作オブジェクトとが対応付けて示されている。具体的には、例えば、ソフトウェア製品1が使用されると、動作オブジェクト「ABCD」または「EFG」が動作することを意味している。
【0073】
また、あるソフトウェア製品の使用する際には必ず別のソフトウェア製品を併用しなければならない場合がある。このため、例えば、抽出部516は、ソフトウェア製品の関連性を表わすテーブル表を用いて、検出部515によって検出された動作オブジェクトと対応付けられているソフトウェア製品を抽出することとしてもよい。
【0074】
なお、ソフトウェア製品の関連性を表わすテーブル表は、例えば、契約情報とともにサーバ102から取得することとしてもよく、また、不図示の外部装置、ユーザの操作入力、CD−ROM110からのインストールによって取得することとしてもよい。
【0075】
図9は、ソフトウェア製品の関連性を表わすテーブル表の具体例を示す説明図である。図9において、テーブル表900には、契約済みのソフトウェア製品ごとに、そのソフトウェア製品と関連性を有するソフトウェア製品が示されている。具体的には、ソフトウェア製品1とソフトウェア製品2とが関連性を有しており、ソフトウェア製品1を使用する際には、必ずソフトウェア製品2を使用することを意味している。
【0076】
この場合、抽出部516は、検出部515によって検出された動作オブジェクト「ABCD」および「EFG」と対応付けられているソフトウェア製品1を抽出するとともに、ソフトウェア製品1と関連性を有するソフトウェア製品2を抽出することとなる。このあと、作成部517は、抽出部516によって抽出された抽出結果に基づいて、期間「2006/01/01〜2006/03/31」内に使用されたソフトウェア製品1,2を表わす稼働状況リストを作成する。
【0077】
図10は、稼働状況リストの具体例を示す説明図である。図10において、稼働状況リスト1000には、契約済みのソフトウェア製品1,2および7に関する期間「2006/01/01〜2006/03/31」内の稼働状況が示されている。具体的には、契約済みのソフトウェア製品1,2および7のうち、ソフトウェア製品1,2が期間内に使用されたことが示されている。
【0078】
また、送信部514は、作成部517によって作成された稼働状況リスト(例えば、稼働状況リスト1000)をサーバ102に送信する機能を有する。送信部514によってサーバ102に送信された稼働状況リストは、例えば、サーバ102のディスプレイ408に表示される。
【0079】
また、契約内容が変更された場合には、変更後の契約情報がサーバ102から送信されることとなる。そして、受信部511は、変更後の契約情報をサーバ102から受信する。このあと、受信部511によって受信された変更後の契約情報に基づいて、ソフトウェア製品のアンインストールおよびインストールを自動的に実行する。
【0080】
これにより、契約変更時におけるソフトウェア製品のインストール作業にかかる作業負担の軽減化および作業時間の短縮化を図ることができる。このとき、新たに追加されたソフトウェア製品のダウンロードが発生しないため(既にインストール済み)、契約変更にともなう通信トラフィックの増大化を防止することができる。
【0081】
つぎに、サーバ102の機能的構成について説明する。図5において、サーバ102は、受信部521と、抽出部522と、送信部523と、判定部524と、出力部525と、を備えている。
【0082】
これら各機能521〜525は、サーバ102の記憶部に記憶された当該機能521〜525に関するプログラムをCPUに実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。また、各機能521〜525からの出力データは上記記憶部に保持される。また、図5中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶部から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPUに実行させるものとする。
【0083】
まず、受信部521は、特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置101の識別情報を受信する機能を有する。識別情報は、クライアント装置101を識別するための情報である。この識別情報は、例えば、バーコードやQRコードなどの識別コードが印刷された識別シール(例えば、識別シール120)に記録されている。
【0084】
具体的には、例えば、図1に示した携帯通信端末103の読み取り機能を利用して、クライアント装置101に貼付された識別シール120を読み取ることにより、識別シール120に記録されている識別情報をサーバ102に通知する。この結果、受信部521は、クライアント装置101の識別情報を携帯通信端末103から受信することとなる。
【0085】
これにより、簡便な作業によるサーバ102へのアクセスを実現するとともに、サーバ102のIPアドレスを直接提示しないため、サーバ102に対する不正アクセスを防止することができる。
【0086】
抽出部522は、ソフトウェア製品に関する契約情報を保持する契約情報DB130の中から、受信部521によって受信された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する機能を有する。具体的には、例えば、受信部521によって識別情報「×××−i」が受信された場合、契約情報DB130の中から契約者情報300−iを抽出することとなる。より具体的には、例えば、契約者情報300−iのうち、契約情報Xi(図6参照)を抽出する。
【0087】
送信部523は、抽出部522によって抽出された契約情報をクライアント装置101に送信する機能を有する。具体的には、例えば、抽出部522によって抽出された契約情報Xiをクライアント装置101に送信する。この結果、クライアント装置101において、送信部514によって送信された契約情報と特定の契約情報とに基づいて、インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証することとなる。
【0088】
また、送信部523は、契約情報DB130の記憶内容が変更された場合、変更後の契約情報をクライアント装置101に送信する機能を有する。つまり、契約内容が変更されると、その都度、変更後の契約情報をクライアント装置101に送信する。なお、変更後の契約情報は、例えば、契約情報DB130の記憶内容が変更されると自動的に送信されることとしてもよく、また、ユーザの操作入力に応じて任意のタイミングで送信されることとしてもよい。
【0089】
また、受信部521は、クライアント装置101から契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かの問い合わせを受信する機能を有する。具体的には、例えば、契約済みのソフトウェア製品の製品名およびVL情報を特定するための情報をクライアント装置101から受信する。より具体的には、例えば、更新の問い合わせとともに契約情報Xiをクライアント装置101から受信することとしてもよい。
【0090】
判定部524は、受信部521によって問い合わせが受信された結果、契約済みのソフトウェア製品に関する更新情報に基づいて、当該契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かを判定する機能を有する。ここで、ソフトウェア製品に関する更新情報の具体例について説明する。
【0091】
図11は、更新情報リストの具体例を示す説明図である。図11において、更新情報リスト1100には、ソフトウェア製品1〜nに関する更新情報1100−1〜1100−nが示されている。具体的には、更新情報1100−1〜1100−nは、ソフトウェア製品1〜nごとに、製品名、最新VL情報および更新プログラムを有している。
【0092】
製品名は、ソフトウェア製品の名称である。最新VL情報は、最新版のソフトウェア製品のバージョンレベルを表わしている。更新プログラムは、最新版のソフトウェア製品に関する更新プログラムであり、例えば、アップグレードやアップデートとして提供されるプログラムデータである。
【0093】
判定部524は、例えば、更新情報リスト1100を参照することにより、契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かを判定する。ここで、受信部521によってクライアント装置101から更新の問い合わせとともに契約情報Xiを受信したとする。
【0094】
この場合、契約情報Xiから特定されるソフトウェア製品1,2および7のVL情報と、更新情報1100−1,1100−2および1100−7から特定されるソフトウェア製品1,2および7の最新VL情報とを参照することにより、ソフトウェア製品7の機能が更新されていると判定する。具体的には、ソフトウェア製品7のバージョンがV20からV25にバージョンアップされている。
【0095】
また、送信部523は、判定部524によって契約済みのソフトウェア製品が更新されていると判定された場合、契約済みのソフトウェア製品の更新情報をクライアント装置101に送信する機能を有する。上述した例では、送信部523は、ソフトウェア製品7の更新情報1100−7をクライアント装置101に送信することとなる。
【0096】
また、受信部521は、所定期間内にクライアント装置101で使用されたソフトウェア製品を表わす稼働状況リスト(例えば、稼働状況リスト1000)を受信する機能を有する。受信部521によって受信された稼働状況リストは、例えば、クライアント装置101の識別情報と関連付けて契約情報DB130に保持される。
【0097】
出力部525は、受信部521によって受信された稼働状況リストを出力する機能を有する。出力部525による出力形式は、ディスプレイ408での画面表示、プリンタ413での印刷出力、メモリへのデータ出力(保存)、外部のコンピュータ装置への送信のいずれであってもよい。
【0098】
ここで、出力部525によってディスプレイ408に表示される稼働状況リストの画面例について説明する。図12は、ディスプレイの画面例を示す説明図である。図12において、ディスプレイ408には、識別情報「×××−i」から特定される契約者の稼働状況リストYiが表示されている。
【0099】
ディスプレイ408において、カーソルCを移動させて各ボタンB1〜B5をクリックすることにより、期間1〜5内でのソフトウェア製品の稼働状況を表わす稼働状況リストを表示することができる。ここでは、ボタンB1をクリックすることにより、期間1内でのソフトウェア製品1,2および7の稼働状況を表わす稼働状況リスト1000が表示されている。
【0100】
ユーザは、ディスプレイ408に表示される稼働状況リスト(例えば、稼働状況リスト1000)を参照することにより、期間1〜5内に使用されたソフトウェア製品の稼働状況を把握することができる。具体的には、例えば、期間1において、契約しているにもかかわらず使用されていないソフトウェア製品7を把握することができ、契約更新時の参考データとして活用することができる。
【0101】
また、クライアント装置101から契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かの問い合わせを受信した際に、契約しているにもかかわらず使用されていないソフトウェア製品が存在する場合には、例え更新されていたとしても、そのソフトウェア製品の更新情報をクライアント装置101に送信しないこととしてもよい。これにより、契約者が使用していないソフトウェア製品の更新情報の送受信を削減することができる。
【0102】
(契約製品提供システムの契約製品提供処理手順)
つぎに、本実施の形態にかかる契約製品提供システム100の処理手順について説明する。図13は、契約製品提供システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。図13において、まず、クライアント装置101により、CD−ROM110に記録されているソフトウェア製品をインストールする(ステップS1301)。
【0103】
また、携帯通信端末103により、クライアント装置101に貼付された識別シール120からサーバ102のURLを取得し(ステップS1302)、取得されたURLを実行することにより、クライアント装置101の識別情報をサーバ102に通知する(ステップS1303)。
【0104】
このあと、サーバ102の受信部521により、携帯通信端末103からの識別情報を受信する(ステップS1304)。そして、サーバ102の抽出部522により、契約情報DB130の中から、受信部521によって受信された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する(ステップS1305)。
【0105】
さらに、サーバ102の送信部523により、抽出部522によって抽出された契約情報をクライアント装置101に送信する(ステップS1306)。このあと、クライアント装置101の受信部511により、サーバ102からの契約情報を受信し(ステップS1307)、認証部512により、特定の契約情報と受信部511によって受信された契約情報とに基づいて、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する(ステップS1308)。
【0106】
最後に、クライアント装置101の設定部513により、認証部512によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定して(ステップS1309)、本シーケンスによる一連の処理を終了する。
【0107】
このように、サーバ102からクライアント装置101に送信される契約者固有の契約情報を用いて、インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を自動的に設定することができる。また、携帯通信端末103の読み取り機能を利用した簡便な作業により、サーバ102へのアクセスを実現することができる。このとき、サーバ102のIPアドレスを直接提示しないため、サーバ102に対する不正アクセスを防止することができる。
【0108】
つぎに、契約済みのソフトウェア製品の機能を更新する更新処理手順について説明する。図14は、更新処理手順の一例を示すシーケンス図である。図14において、まず、クライアント装置101の送信部514により、契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かの問い合わせをサーバ102に送信する(ステップS1401)。
【0109】
このあと、サーバ102の受信部521により、クライアント装置101から問い合わせを受信し(ステップS1402)、判定部524により、受信部521によって受信された問い合わせから特定される契約済みのソフトウェア製品が更新されているか否かを判定する(ステップS1403)。
【0110】
ここで、契約済みのソフトウェア製品が更新されている場合(ステップS1403:Yes)、送信部523により、その契約済みのソフトウェア製品の更新情報をクライアント装置101に送信する(ステップS1404)。
【0111】
このあと、クライアント装置101の受信部511により、サーバ102からの更新情報を受信し(ステップS1405)、受信された更新情報を用いて契約済みのソフトウェア製品を更新して(ステップS1406)、本シーケンスによる一連の処理を終了する。
【0112】
また、ステップS1403において、契約済みのソフトウェア製品が更新されていない場合(ステップS1403:No)、本シーケンスによる一連の処理を終了する。なお、契約済みのソフトウェア製品が更新されていない場合(ステップS1403:No)には、送信部523により、その旨を示すメッセージをクライアント装置101に送信することとしてもよい。
【0113】
このように、更新の有無の問い合わせを自動化することにより、ソフトウェア製品の更新漏れを防止し、契約済みのソフトウェア製品を最新版のソフトウェア製品に保つことができる。
【0114】
つぎに、クライアント装置101における稼働状況リストの作成処理手順について説明する。図15は、稼働状況リストの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0115】
図15のフローチャートにおいて、まず、検出部515により、所定期間内に動作した動作オブジェクトを検出する(ステップS1501)。このあと、抽出部516により、契約済みのソフトウェア製品のうち、検出部515によって検出された動作オブジェクトと対応付けられているソフトウェア製品を抽出する(ステップS1502)。
【0116】
そして、作成部517により、抽出部516によって抽出された抽出結果に基づいて、所定期間内に使用されたソフトウェア製品を表わす稼働状況リストを作成する(ステップS1503)。最後に、送信部514により、作成部517によって作成された稼働状況リストをサーバ102に送信して(ステップS1504)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0117】
これにより、メーカーの営業部門などが契約者ごとのソフトウェア製品の稼働状況を把握することができる。この結果、例えば、契約しているにもかかわらず使用されていないソフトウェア製品の有無などを把握することができ、契約更新時の参考データとして活用することができる。
【0118】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ソフトウェア製品に関する使用許可を契約者ごとに一括して付与することにより、契約済みのソフトウェア製品のインストール作業にかかる負担軽減および時間短縮を実現することができる。
【0119】
なお、本実施の形態で説明した契約製品提供方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0120】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0121】
(付記1)特定の契約情報が与えられると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を、前記クライアント装置と相互に通信可能に接続され、前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバに通知する通知工程と、
前記サーバの契約情報データベースの中から、前記通知工程によって通知された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された契約情報を前記サーバから前記クライアント装置に送信する送信工程と、
前記クライアント装置により、前記特定の契約情報と前記送信工程によって送信された契約情報とに基づいて、前記クライアント装置にインストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する認証工程と、
前記認証工程によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する設定工程と、
を含んだことを特徴とする契約製品提供方法。
【0122】
(付記2)前記識別情報は、
前記クライアント装置に貼付された識別シールに記録されており、
前記通知工程は、
携帯通信端末の読み取り機能を利用して前記識別シールを読み取ることにより、当該識別シールに記録されている識別情報を前記サーバに通知することを特徴とする付記1に記載の契約製品提供方法。
【0123】
(付記3)前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かを前記クライアント装置から前記サーバに問い合わせる問い合わせ工程と、
前記問い合わせ工程によって問い合わせた結果、前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されている場合、前記契約済みのソフトウェア製品の更新情報を前記クライアント装置にダウンロードするダウンロード工程と、
を含んだことを特徴とする付記1または2に記載の契約製品提供方法。
【0124】
(付記4)所定期間内に前記クライアント装置で使用された前記契約済みのソフトウェア製品の稼働状況を表わす稼働状況リストを前記クライアント装置から前記サーバにアップロードするアップロード工程と、
前記サーバにより、前記アップロード工程によってアップロードされた稼働状況リストを出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の契約製品提供方法。
【0125】
(付記5)特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされるクライアント装置であって、
前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバから、前記インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を受信する受信手段と、
前記特定の契約情報と前記受信手段によって受信された契約情報とに基づいて、前記契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する認証手段と、
前記認証手段によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とするクライアント装置。
【0126】
(付記6)前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かの問い合わせを前記サーバに送信する送信手段を備え、
前記受信手段は、
前記送信手段によって前記問い合わせが送信された結果、前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されている場合、前記サーバから前記契約済みのソフトウェア製品の更新情報を受信することを特徴とする付記5に記載のクライアント装置。
【0127】
(付記7)所定期間内に動作した動作オブジェクトを検出する検出手段と、
前記契約済みのソフトウェア製品のうち、前記検出手段によって検出された動作オブジェクトと対応付けられているソフトウェア製品を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された抽出結果に基づいて、前記所定期間内に使用されたソフトウェア製品を表わす稼働状況リストを作成する作成手段と、を備え、
前記送信手段は、
前記作成手段によって作成された稼働状況リストを前記サーバに送信することを特徴とする付記5または6に記載のクライアント装置。
【0128】
(付記8)特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を受信する受信手段と、
前記ソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を識別情報と関連付けて保持する契約情報データベースの中から、前記受信手段によって受信された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された契約情報を前記クライアント装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【0129】
(付記9)前記契約済みのソフトウェア製品に関する更新情報に基づいて、当該契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されたか否かを判定する判定手段を備え、
前記受信手段は、
前記クライアント装置から契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かの問い合わせを受信し、
前記判定手段は、
前記受信手段によって前記問い合わせが受信された結果、前記契約済みのソフトウェア製品が更新されているか否かを判定し、
前記送信手段は、
前記判定手段によって前記契約済みのソフトウェア製品が更新されていると判定された場合、前記契約済みのソフトウェア製品の更新情報を前記クライアント装置に送信することを特徴とする付記8に記載のサーバ。
【0130】
(付記10)前記受信手段は、
所定期間内に前記クライアント装置で使用されたソフトウェア製品を表わす稼働状況リストを前記クライアント装置から受信し、
前記受信手段によって受信された稼働状況リストを出力する出力手段を備えることを特徴とする付記8または9に記載のサーバ。
【0131】
(付記11)特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされるクライアント装置に実行させる前記ソフトウェア製品の使用許可プログラムであって、
コンピュータを、
前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバから、前記インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を受信する受信手段、
前記特定の契約情報と前記受信手段によって受信された契約情報とに基づいて、前記契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する認証手段、
前記認証手段によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する設定手段、
として機能させることを特徴とする契約製品使用許可プログラム。
【0132】
(付記12)コンピュータを、
特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を受信する受信手段、
前記ソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を識別情報と関連付けて保持する契約情報データベースの中から、前記受信手段によって受信された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された契約情報を前記クライアント装置に送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする契約製品管理プログラム。
【0133】
(付記13)付記11または12に記載のプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】契約製品提供システムのシステム構成図である。
【図2】CD−ROMの記録内容を示す説明図である。
【図3】契約情報DBの記憶内容を示す説明図である。
【図4】コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】契約製品提供システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図6】契約情報の具体例を示す説明図である。
【図7】ファイル情報の具体例を示す説明図である。
【図8】ソフトウェア製品と動作オブジェクトとを対応付けるテーブル表の具体例を示す説明図である。
【図9】ソフトウェア製品の関連性を表わすテーブル表の具体例を示す説明図である。
【図10】稼働状況リストの具体例を示す説明図である。
【図11】更新情報リストの具体例を示す説明図である。
【図12】ディスプレイの画面例を示す説明図である。
【図13】契約製品提供システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図14】更新処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図15】稼働状況リストの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
100 契約製品提供システム
101 クライアント装置
102 サーバ
110 CD−ROM
120 識別シール
130 契約情報DB
200−1〜200−n 製品情報
300−1〜300−n 契約者情報
511 受信部
512 認証部
513 設定部
514 送信部
515 検出部
516 抽出部
517 作成部
521 受信部
522 抽出部
523 送信部
524 判定部
525 出力部
700 ファイル情報
800,900 テーブル表
1000 稼働状況リスト
1100 更新情報リスト
1100−1〜1100−n 更新情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の契約情報が与えられると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を、前記クライアント装置と相互に通信可能に接続され、前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバに通知する通知工程と、
前記サーバの契約情報データベースの中から、前記通知工程によって通知された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された契約情報を前記サーバから前記クライアント装置に送信する送信工程と、
前記クライアント装置により、前記特定の契約情報と前記送信工程によって送信された契約情報とに基づいて、前記クライアント装置にインストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する認証工程と、
前記認証工程によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する設定工程と、
を含んだことを特徴とする契約製品提供方法。
【請求項2】
前記識別情報は、
前記クライアント装置に貼付された識別シールに記録されており、
前記通知工程は、
携帯通信端末の読み取り機能を利用して前記識別シールを読み取ることにより、当該識別シールに記録されている前記クライアント装置の識別情報を前記サーバに通知することを特徴とする請求項1に記載の契約製品提供方法。
【請求項3】
前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されているか否かを前記クライアント装置から前記サーバに問い合わせる問い合わせ工程と、
前記問い合わせ工程によって問い合わせた結果、前記契約済みのソフトウェア製品の機能が更新されている場合、前記契約済みのソフトウェア製品の更新情報を前記クライアント装置にダウンロードするダウンロード工程と、
を含んだことを特徴とする請求項1または2に記載の契約製品提供方法。
【請求項4】
所定期間内に前記クライアント装置で使用された前記契約済みのソフトウェア製品の稼働状況を表わす稼働状況リストを前記クライアント装置から前記サーバにアップロードするアップロード工程と、
前記サーバにより、前記アップロード工程によってアップロードされた稼働状況リストを出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の契約製品提供方法。
【請求項5】
特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされるクライアント装置であって、
前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバから、前記インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を受信する受信手段と、
前記特定の契約情報と前記受信手段によって受信された契約情報とに基づいて、前記契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する認証手段と、
前記認証手段によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とするクライアント装置。
【請求項6】
特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を受信する受信手段と、
前記ソフトウェア製品に関する契約情報を保持する契約情報データベースの中から、前記受信手段によって受信された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された契約情報を前記クライアント装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項7】
特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされるクライアント装置に実行させる前記ソフトウェア製品の使用許可プログラムであって、
コンピュータを、
前記ソフトウェア製品に関する契約情報を管理するサーバから、前記インストール済みのソフトウェア製品のうち、契約済みのソフトウェア製品の使用を許可する契約情報を受信する受信手段、
前記特定の契約情報と前記受信手段によって受信された契約情報とに基づいて、前記契約済みのソフトウェア製品の使用許可を認証する認証手段、
前記認証手段によって認証された契約済みのソフトウェア製品の使用許可を設定する設定手段、
として機能させることを特徴とする使用許可プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
特定の契約情報が付与されると使用が許可されるソフトウェア製品がインストールされたクライアント装置の識別情報を受信する受信手段、
前記ソフトウェア製品に関する契約情報を保持する契約情報データベースの中から、前記受信手段によって受信された識別情報と関連付けられている契約情報を抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された契約情報を前記クライアント装置に送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−151480(P2009−151480A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327797(P2007−327797)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】