説明

姿勢判定装置、姿勢判定機能付座席装置

【課題】座面に座る人の姿勢を正確に判定することができる姿勢判定装置及び姿勢判定機能付座席装置を提供する。
【解決手段】座面1aに作用する下向き荷重を支える支持脚1bに取り付けられ、支持脚1bに作用する下向き荷重を測定する荷重センサ20と、荷重センサ20が測定した、支持脚1bに作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出する重心算出手段と、前記重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心から、座面に座る人の姿勢を判定する姿勢判定手段と、前記姿勢判定手段が判定した結果を報知する報知手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座面に座る人の姿勢を精度高く判定することができる姿勢判定装置及び座席装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人が椅子に座り、悪い姿勢を継続していると、筋肉の疲労が偏り、体のバランスが悪くなる。また、人が、正しい姿勢であっても、長時間同じ姿勢で座り続けると、血流が悪くなり、肩こりや腰痛の原因となる。このような問題を解決するために、特許文献1に示されるような着座姿勢検出機能付き椅子が知られている。この着座姿勢検出機能付き椅子は、座面及び背もたれに接触センサを設け、座面や背もたれが接触状態に有るか否かを検出することにより、座面に座る人の着座姿勢を検出している。
【0003】
しかしながら、このような着座姿勢検出機能付き椅子は、単純に、座面や背もたれに人が接触しているか否かを検出しているに過ぎないので、椅子に座る人の姿勢を正確に検出することができなかった。特に、人が左右どちらかに上半身を傾けて座っていたり、人が足を投げ出して座っていたりする等の悪い姿勢を検出することができなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2003−70596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決し、座面に座る人の姿勢を正確に判定することができる姿勢判定装置及び姿勢判定機能付座席装置を提供することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、座面に作用する下向き荷重を支える支持脚に取り付けられ、当該支持脚に作用する下向き荷重を測定する荷重センサと、
前記荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出する重心算出手段と、
前記重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心から、座面に座る人の姿勢を判定する姿勢判定手段と、
前記姿勢判定手段が判定した結果を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
荷重センサは、座面に作用する下向き荷重を支える全ての支持脚に取り付けられ、
重心算出手段は、各荷重センサが測定した、全ての支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
座面と当該座面に座る人の足との水平距離を測定する距離センサを有し、
重心算出手段は、各荷重センサが測定した、各支持脚に作用する下向き荷重及び、前記距離センサが測定した、座面と当該座面に座る人の足との水平距離から、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
座面は単一の支柱で支持され、当該支柱に接続する複数の支持脚で、座面に作用する下向き荷重を支える構成において、
距離センサは、前記支柱に回転自在に取り付けられ、
距離センサの前記支柱に対する回転角度及び、距離センサが測定する座面に座る人の足との距離に基づいて、座面と当該座面に座る人の足との水平距離を算出することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
座面に、直接複数の支持脚が接続している構成において、
前記支持脚の前方に距離センサを取り付けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、
姿勢判定手段は、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、特定の範囲にあると判定した場合に、良い姿勢と判定し、前記重心が、特定の範囲にないと判定した場合に、悪い姿勢と判定することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
特定の範囲とは、座面の前後方向中心から所定の幅の範囲で、且つ、座面の幅方向中心から所定の幅の範囲であることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
特定の範囲とは、座面に座る人が指定した範囲であることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、
姿勢判定手段は、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、所定時間以上、特定の範囲にある又は無いと判定した場合に、座面に座る人の姿勢を判定することを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、
姿勢判定手段は、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、所定時間以上、所定範囲内に留まった場合に、座面に座る人が同じ姿勢であると判定することを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、
人が座る座面と、
前記座面に作用する下向き荷重を支える支持脚と、
前記支持脚に取り付けられ、当該支持脚に作用する下向き荷重を測定する荷重センサと、
前記荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出する重心算出手段と、
前記重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心から、座面に座る人の姿勢を判定する姿勢判定手段と、
前記姿勢判定手段が判定した結果を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、
座面と当該座面に座る人の足との水平距離を測定する距離センサを有し、
重心算出手段は、荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重及び、前記距離センサが測定した、座面と当該座面に座る人の足との水平距離から、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明は、荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重に基づき、重心算出手段が、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出し、当該重心に基づき、姿勢判定手段が、座面に座る人の姿勢を判定するので、座面に座る人の姿勢を正確に判定することが可能となる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、荷重センサが、座面に作用する下向き荷重を支える全ての支持脚に取り付けられ、重心算出手段は、各荷重センサが測定した、全ての支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出するので、より正確に、座面に座る人の姿勢を判定することが可能となる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、座面と当該座面に座る人の足との水平距離を測定する距離センサを有するので、距離センサで測定した座面と当該座面に座る人の足との水平距離も、座面に座る人の床に平行な面上の重心の算出に用いるので、より正確に座面に座る人の姿勢を判定することが可能となる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、座面は単一の支柱で支持され、当該支柱に接続する複数の支持脚で、座面に作用する下向き荷重を支える構成において、距離センサは、前記支柱に回転自在に取り付けられ、距離センサの前記支柱に対する回転角度及び、距離センサが測定する座面に座る人の足との距離に基づいて、座面と当該座面に座る人の足との水平距離を算出するので、座面が単一の支柱される座席装置であっても、当該座席装置に座る人の姿勢を正確に判定することが可能となる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、座面に、直接複数の支持脚が接続している構成において、前記支持脚の前方に距離センサを取り付けたので、座面に直接複数の支持脚が接続している座席装置に座る人の姿勢を正確に判定することが可能となる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、姿勢判定手段が、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、特定の範囲にあると判定した場合に、良い姿勢と判定し、前記重心が、特定の範囲にないと判定した場合に、悪い姿勢と判定するので、座面に座る人の姿勢を、確実に判定することが可能となる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、姿勢判定手段が、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、座面の前後方向中心から所定の幅の範囲で、且つ、座面の幅方向中心から所定の幅の範囲であると判定した場合に、良い姿勢と判定し、前記重心が、前記範囲にないと判定した場合に、悪い姿勢と判定するので、座面に座る人の姿勢を、確実且つ正確に判定することが可能となる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、座面に座る人が、良い姿勢であるか否かの範囲を指定するので、座面に座る人が良い姿勢とする範囲の個人差を解消することが可能となる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、姿勢判定手段が、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、所定時間以上、特定の範囲にある又は無いと判定した場合に、座面に座る人の姿勢を判定するので、座面に座る人の姿勢を、確実に判定することが可能となる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、姿勢判定手段が、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、所定時間以上、所定範囲内に留まった場合に、座面に座る人が同じ姿勢であると判定するので、座面に座る人に、同じ姿勢であることを報知することにより、肩こりや腰痛となる旨の警告をすることが可能となる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、人が座る座面と、前記座面に作用する下向き荷重を支える支持脚と、前記支持脚に取り付けられ、当該支持脚に作用する下向き荷重を測定する荷重センサと、前記荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出する重心算出手段と、前記重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心から、座面に座る人の姿勢を判定する姿勢判定手段と、前記姿勢判定手段が判定した結果を報知する報知手段とを有することを特徴とする。
このため、座面に座る人の姿勢を正確に判定することができる座席装置を提供することが可能となる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、座面と当該座面に座る人の足との水平距離を測定する距離センサを有するので、距離センサで測定した座面と当該座面に座る人の足との水平距離も、座面に座る人の床に平行な面上の重心の算出に用いるので、より正確に座面に座る人の姿勢を判定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(姿勢判定装置、姿勢判定機能付座席装置の概要)
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。図1は本発明の姿勢判定機能付座席装置100の全体図である。本発明の姿勢判定機能付座席装置100は、座席装置本体1と、姿勢判定装置50とから構成されている。また、本発明の姿勢判定装置50は、単一の姿勢判定ユニット10と、複数の荷重センサユニット20と、単一又は複数の距離センサユニット30とから構成されている。
【0031】
座席装置本体1は、座面1aと、この座面1aから下方に延設された複数の支持脚1bと、座面1aの後端から上方に突出する背もたれ1dを有している。なお、背もたれ1dは、本発明において、必ずしも必須ではない。人が座面1aに座った場合には、座面1aに作用する下向きの荷重を、支持脚1bが支えるようになっている。図1に示される実施形態では、4本の支持脚1bが、座面1aの四隅から下方に延設されている。つまり、座面1aに、直接、複数の支持脚1bが接続している。
【0032】
各支持脚1bには、荷重センサユニット20が取り付けられている。また、支持脚1bには、距離センサユニット30が取り付けられている。図1に示される実施形態では、距離センサユニット30は、前側の2本の支持脚1bの前方に取り付けられている。なお、距離センサユニット30を、支持脚1bの代わりに、座面1aに取り付けても差し支えない。
【0033】
(姿勢判定装置のブロック図)
図2に本発明の姿勢判定装置50のブロック図を示す。荷重センサユニット20は、荷重センサ21、インターフェース22、出力部23とから構成されている。荷重センサ21は、ロードセル等であり、取り付けられた物体に作用する荷重を測定するセンサである。荷重センサ21は、支持脚1bに取り付けられ、支持脚1bに作用する下向き荷重を測定し、「荷重情報」を生成する。インターフェース22は、荷重センサ21と接続している。インターフェース22は、荷重センサ21が生成した「荷重情報」の物理的・論理的な形式を変換し、出力部23に引き渡す。出力部23は、インターフェース22から引き渡された「荷重情報」を、一定期間(例えば5秒)をおいて、後述する姿勢判定ユニット10の入力部14に出力する。なお、出力部23と入力部14の伝送形式には、有線及び無線の各種伝送形式が含まれる。
【0034】
距離センサユニット30は、距離センサ31、インターフェース32、出力部33とから構成されている。距離センサ31は、距離センサ31と座面1aに座る人の足の水平距離を測定し、「距離情報」を生成する。距離センサ31には、光学式、赤外線式が含まれる。インターフェース32は、距離センサ31と接続している。インターフェース32は、距離センサ31が生成した「距離情報」の物理的・論理的な形式を変換し、出力部33に引き渡す。出力部33は、インターフェース32から引き渡された「距離情報」を後述する、姿勢判定ユニット10の入力部14に出力する。なお、出力部33と入力部14の伝送形式には、有線及び無線の各種伝送形式が含まれる。
【0035】
姿勢判定ユニット10は、座席装置本体1の近傍に配設されている。姿勢判定ユニット10は、CPU11、RAM12、ROM13、入力部14、インターフェース15、報知手段16、入力装置17から構成されている。CPU11は、RAM12、ROM13、入力部14、インターフェース15、入力装置17と接続している。
【0036】
CPU(Central Processing Unitの略)11は、RAM(Random Access Memoryの略)12、ROM(Read Only Memoryの略)13と協動して、各種演算、処理を行う。RAM12は、CPU11に読み込まれて実行されるプログラムや、CPU11が処理したデータを、その記録領域に一時的に記憶する。なお、RAM12の記憶領域には、入力部14に入力された「荷重情報」や「距離情報」が保存される。
【0037】
ROM13には、姿勢判定ユニット10を制御する各種プログラムやパラメータが記憶されている。当該各種プログラムが、CPU11で処理されることにより、姿勢判定ユニット10の各種機能を実現している。ROM13には、重心算出手段13aと姿勢判定手段13bが記憶されている。
【0038】
重心算出手段13aは、各支持脚1bの荷重センサ21が生成した「荷重情報」に基づき、座面1aに座る人の床に平行な面上(水平方向)の重心を算出する手段である。
【0039】
姿勢判定手段13bは、重心算出手段13aが算出した、座面1aに座る人の床に平行な面上(水平方向)の重心や、距離センサ31が生成した「距離情報」から、座面1aに座る人の姿勢を判定し、「姿勢判定結果情報」を生成する手段である。
【0040】
入力部14は、荷重センサユニット20の出力部23から出力される「荷重情報」や、距離センサユニット30の出力部33から出力される「距離情報」を取得し、CPU11に引き渡す装置である。
【0041】
インターフェース15は、姿勢判定手段13bが生成する「姿勢判定結果情報」の物理的・論理的な形式を変換し、報知手段16に出力する装置である。
【0042】
報知手段16は、姿勢判定手段13bが判定した結果を、座面1aに座る人に報知する手段である。報知手段16は、例えば、LED、モニター、スピーカー等が用いられる。
【0043】
入力装置17は、ユーザが操作することにより、姿勢判定装置50の各種設定変更を行うための装置である。
【0044】
(第1の実施形態の姿勢判定処理)
次に、図3を参照して、図1や図2に示した構成の姿勢判定装置50の動作について説明をする。図3は第1の実施形態の姿勢判定処理のフロー図である。姿勢判定装置50に電源が投入され、姿勢判定処理が開始すると、S101「初期化」の処理に進む。
【0045】
S101「初期化」の処理において、CPU11は、RAM12の記憶領域をクリアにする等の初期化処理を行う。また、S101の処理で、重心算出手段13aは、荷重センサ21に作用する下向き荷重の校正を行う。具体的には、重心算出手段13aは、座面1aに人が座っていない状態を、荷重センサ21に作用する下向き荷重が0kgであると設定する。S101の処理が終了すると、S102「すべてのカウント値をクリア」の処理に進む。
【0046】
S102「すべてのカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「カウント値」をクリアする。この「カウント値」は、後述するように、姿勢判定手段13bが、座面1aに座る人の姿勢の良い又は悪いと判断した場合にカウントされる値であり、「正しい姿勢のカウント値」、「仮の重心不良のカウント値」である。S102の処理が終了すると、S103「荷重情報取得」の処理に進む。
【0047】
S103「荷重情報取得」の処理において、重心算出手段13aは、荷重センサユニット20の出力部23から入力部14に入力されRAM12の記憶領域に保存された「荷重情報」を取得する。S103の処理が終了すると、S104「仮の重心位置算出」の処理に進む。
【0048】
S104「仮の重心位置算出」の処理において、重心算出手段13aは、RAM12の記憶領域から取得した「荷重情報」に基づき、座面1aに座る人の床に平行な面上(水平方向)の「仮の重心位置」を算出する。図4に重心位置の算出方法の説明図を示す。図4に示される実施形態では、座面1aは、長方形状であり、支持脚1bは、座面1aの四隅から下方に延出している。
座面1aの幅方向(X方向)・前後方向(Y方向)のそれぞれ中央を座面原点0とする。
座面1aの前方左側の支持脚1bから時計回りに、それぞれの支持脚1bを、A、B、C、Dとする。
A〜Bそれぞれの支持脚1bに取り付けられた荷重センサ21の、座標原点0に対する座標を、(Xa、Ya)、(Xb、Yb)、(Xc、Yc)、(Xd、Yd)とする。
A〜Bそれぞれの支持脚1bに取り付けられた荷重センサ21が測定する下向き荷重を、Fa、Fb、Fc、Fdとする。
「仮の重心位置」の座標(xt、yt)は、以下の式となる。
xt=(Fa×Xa+Fb×Xb+Fc×Xc+Fd×Xd)/(Fa+Fb+Fc+Fd)…(式1)
yt=(Fa×Ya+Fb×Yb+Fc×Yc+Fd×Yd)/(Fa+Fb+Fc+Fd)…(式2)
S104の処理が終了すると、S105「仮の重心位置が指定範囲にある?」の判断に進む。
【0049】
S105「仮の重心位置が指定範囲にある?」の判断において、姿勢判定手段13bは、S104の処理で算出した「仮の重心位置」が座面1a上の「指定範囲」にある否かを判断する。図4に示される実施形態では、「指定範囲」を以下の条件に設定している。
座面1aのx方向(幅方向)に関しては、原点から座面1aの幅方向所定の幅の範囲α(例えば10%)…(条件1)
座面1aのy方向(前後方向)に関しては、原点から座面1aの前後方向所定の幅の範囲β(例えば10%)…(条件2)
「仮の重心位置」が、上記(条件1)及び(条件2)の両方を満たす場合に、「指定範囲」にあると判断される。なお、「指定範囲」は任意に設定することができる。姿勢判定手段13bが、「仮の重心位置」が座面1a上の「指定範囲」にあると判断した場合には、S106「仮の重心位置不良のカウント値をクリア」の処理に進む。一方で、姿勢判定手段13bが、「仮の重心位置」が座面1a上の「指定範囲」にないと判断した場合には、S111「正しい姿勢のカウント値をクリア」の処理に進む。
【0050】
S106「仮の重心位置不良のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「仮の重心位置不良のカウント値」をクリアする。S160の処理が終了すると、S107「正しい姿勢のカウント値にカウント」の処理に進む。
【0051】
S107「正しい姿勢のカウント値にカウント」の処理において、姿勢判定手段13bは、「正しい姿勢のカウント値」に1カウントする。S107の処理が終了すると、S108「それぞれのカウント値がそれぞれに設定値以上?」の判断に進む。
【0052】
S111「正しい姿勢のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「正しい姿勢のカウント値」をクリアする。S111の処理が終了すると、S112「仮の重心位置不良のカウント値にカウント」の処理に進む。
【0053】
S112「仮の重心位置不良のカウント値にカウント」の処理において、姿勢判定手段13bは、「仮の重心位置不良のカウント値」に1カウントする。S112の処理が終了すると、S108の処理に進む。
【0054】
S108「それぞれのカウント値がそれぞれに設定値以上?」の判断において、姿勢判定手段13bは、「正しい姿勢のカウント値」又は「仮の重心位置不良のカウント値」が、それぞれ予め設定されている「設定値」以上であるか否かを判断する。姿勢判定手段13bが、「正しい姿勢のカウント値」又は「仮の重心位置不良のカウント値」が、それぞれ予め設定されている「設定値」以上であると判断した場合には、S109「姿勢状態を報知」の処理に進む。一方で、勢判定手段13bが、「正しい姿勢のカウント値」又は「仮の重心位置不良のカウント値」が、それぞれ予め設定されている「設定値」以上でないと判断した場合には、S103の処理に戻る。
【0055】
S109「姿勢状態を報知」の処理において、報知手段16は、S108の判断結果を、座面1aに座る人に報知する。なお、S108の処理において、姿勢判定手段13bが、「正しい姿勢のカウント値」が、予め設定されている「設定値」以上であると判断した場合には、「正しい姿勢」と判定し、「正しい姿勢」の「姿勢判定結果情報」を生成し、報知手段に出力する。一方で、姿勢判定手段13bが、「仮の重心位置不良のカウント値」が、予め設定されている「設定値」以上であると判断した場合には、「悪い姿勢」と判定し、「悪い姿勢」の「姿勢判定結果情報」を生成し、報知手段に出力する。S109の処理が終了すると、S102の処理に戻る。
【0056】
(第2の実施形態の姿勢判定処理)
次に、図5を参照して、図1や図2に示した構成の姿勢判定装置50の動作について説明をする。図5は第2の実施形態の姿勢判定処理のフロー図である。姿勢判定装置50に電源が投入され、姿勢判定処理が開始すると、S201「初期設定」の処理に進む。
【0057】
S201「初期設定」の処理において、CPU11は、RAM12の記憶領域をクリアにする等の初期化処理を行う。また、S201の処理で、重心算出手段13aは、荷重センサ21に作用する下向き荷重の校正を行う。具体的には、重心算出手段13aは、座面1aに人が座っていない状態を、荷重センサ21に作用する下向き荷重が0kgであると設定する。更に、S201の処理で、座面1aに座る人の体重Hが設定される。具体的には、座面1aに人が座った状態で、当該人が足を床面から上げると、当該人の体重Hが各荷重センサ21に作用するので、各荷重センサ21が測定する下向き荷重を合計すると、座面1aに座る人の体重Hが算出され、当該体重がRAM12の記憶領域に保存される。或いは、座面1aに座る人が、入力装置17を操作することにより直接自分の体重Hを入力することにしても差し支えない。S201の処理が終了すると、S202「すべてのカウント値をクリア」の処理に進む。
【0058】
S202「すべてのカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「足不検出のカウント値」、「仮の重心位置不良のカウント値」、「実の重心位置不良のカウント値」、「正しい姿勢のカウント値」をクリアする。S202の処理が終了すると、S203「距離センサデータ取得」の処理に進む。
【0059】
S203「距離情報取得」の処理において、姿勢判定手段13bは、距離センサユニット30の出力部33から入力部14に入力され、RAM12の記憶領域に保存された「距離情報」を取得する。S203の処理が終了すると、S204「足がある?」の判断に進む。
【0060】
S204「足がある?」の判断において、姿勢判定手段13bは、S203の処理で取得した「距離情報」に基づき、座面1aに座る人の足500があるか否かを判断する。姿勢判定手段13bは、前記「距離情報」から、距離センサ31と距離センサ31が測定する対象物の距離を算出し、当該距離が所定の範囲内にあると判断した場合には、座面1aに座る人の足500があると判断し、S205「足不検出のカウント値をクリア」の処理に進む。一方で、姿勢判定手段13bは、前記「距離情報」に基づき、前記「距離情報」から、距離センサ31と距離センサ31が測定する対象物の距離を算出し、当該距離が所定の範囲内にないと判断した場合には、座面1aに座る人の足500がないと判断し、S221「足不検出のカウント値以外のカウント値をクリア」の処理に進む。なお、座面1aに座る人の足500がない場合とは、例えば、人が座面1a上にあぐらをかいていて、足500を床面に付けていないような、大変姿勢の悪い場合である。
【0061】
S221「足不検出のカウント値以外のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「足不検出のカウント値」以外の「カウント値」である、「仮の重心位置不良のカウント値」、「実の重心位置不良のカウント値」、「正しい姿勢のカウント値」をクリアする。S221の処理が終了すると、S222「足不検出のカウント値にカウント」の処理に進む。
【0062】
S222「足不検出のカウント値にカウント」の処理において、姿勢判定手段13bは、「足不検出のカウント値」を1カウントする。S222の処理が終了すると、S216「それぞれのカウント値が設定値以上?」の判断に進む。
【0063】
S205「足不検出のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「足不検出のカウント値」をクリアする。S205の処理が終了すると、S206「荷重情報取得」の処理に進む。
【0064】
S206「荷重情報取得」の処理において、重心算出手段13aは、荷重センサユニット20の出力部23から入力部14に入力されRAM12の記憶領域に保存された「荷重情報」を取得する。S206の処理が終了すると、S207「仮の重心位置算出」の処理に進む。
【0065】
S207「仮の重心位置算出」の処理において、重心算出手段13aは、RAM12の記憶領域から取得した「荷重情報」に基づき、座面1aに座る人の床に平行な面上(水平方向)の「仮の重心位置」を算出する。なお、重心算出手段13aが、「仮の重心位置」を算出する方法は、第1の実施形態と同一である。S207の処理が終了すると、S208「仮の重心位置が指定範囲にある?」の判断に進む。
【0066】
S208「仮の重心位置が指定範囲にある?」の判断において、姿勢判定手段13bは、「仮の重心位置」が、座面1a上の「指定範囲」にあるか否かを判断する。姿勢判定手段13bが、「仮の重心位置」が座面1a上の「指定範囲」にあるか否かを判断する方法は、第1の実施形態と同一である。姿勢判定手段13bが、「仮の重心位置」が座面1a上の「指定範囲」にあると判断した場合には、S209「仮の重心位置不良のカウント値をクリア」の処理に進む。一方で、姿勢判定手段13bが、「仮の重心位置」が、座面1a上の「指定範囲」にないと判断した場合には、S223「正しい姿勢のカウント値をクリア」の処理に進む。
【0067】
S223「正しい姿勢のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「正しい姿勢のカウント値」をクリアする。S223の処理が終了すると、S224「仮の重心位置不良のカウント値にカウント」の処理に進む。
【0068】
S224「仮の重心位置不良のカウント値にカウント」の処理において、姿勢判定手段13bは、「仮の重心位置不良のカウント値」に1カウントする。S224の処理が終了すると、S216の処理に進む。
【0069】
S209「仮の重心位置不良のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「仮の重心位置不良のカウント値」をクリアする。S209の処理が終了すると、S211「足と座面原点との距離を算出」の処理に進む。
【0070】
S211「足と座面原点との距離を算出」の処理において、重心算出手段13aは、座面1aに座る人の足500と、座面原点0(図4に示す)との、Y方向の距離を算出する。なお、距離センサ31と座面原点0とのY方向距離γは予め分かっているので、距離センサ31が測定した距離δと距離センサ31と座面原点0とのY方向距離γを足し合わせると、座面1aに座る人の足500と、座面原点0とのY方向の距離εを算出することができる。図4に示される実施形態では、距離センサユニット30は、座面1aの前端の2つの支持脚1b(A、B)それぞれに取り付けられているので、座面1aに座る人のそれぞれの足500と、座面原点0との距離εが算出される。S211の処理が終了すると、S212「実の重心位置を算出」の処理に進む。
【0071】
S212「実の重心位置を算出」の処理において、重心算出手段13aは、座面1aに座る人の「実の重心位置」を算出する。以下図4を用いて、「実の重心位置」の算出方法について説明する。
全支持脚1b(A〜D)に作用する下向きの荷重の合計Ftは以下の式で算出される。
Ft=Fa+Fb+Fc+Fd…(式3)
すると、座面1aに座る人の両足の質量の合計値Flは以下の式で算出される。
Fl=H―Ft…(式4)
なお、Hは、S201の処理で設定された、座面1aに座る人の体重である。
S211の処理で算出された、座面1aに座る人のそれぞれの足500と、座面原点0との、Y方向の距離εの平均値を距離Lとする。
「実の重心位置」の座標(x、y)は、以下の式となる。なお、(xt、xt)は、「仮の重心位置」である。
x=(Ft×xt)/(Ft+Fl)…(式6)
y=(Ft×yt−Fl×L)/(Ft+Fl)…(式7)
S212の処理が終了すると、S213「実の重心位置が指定範囲内にある?」の判断に進む。
【0072】
S213「実の重心位置が指定範囲内にある?」の判断において、姿勢判定手段13bは、S212の処理で算出した「実の重心位置」が、座面1aの「指定範囲」にあるか否かを判断する。姿勢判定手段13bが、「実の重心位置」が、座面1aの「指定範囲」にあると判断した場合には、S214「実の重心位置不良のカウント値をクリア」の処理に進む。一方で、姿勢判定手段13bが、「実の重心位置」が、座面1aの「指定範囲」にないと判断した場合には、S225「正しい姿勢のカウント値をクリア」の処理に進む。
【0073】
S225「正しい姿勢のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「正しい姿勢のカウント値」をクリアする。S225の処理が終了すると、S226「実の重心位置不良のカウント値にカウント」の処理に進む。
【0074】
S226「実の重心位置不良のカウント値にカウント」の処理において、姿勢判定手段13bは、「実の重心位置不良のカウント値」に1カウントする。S226の処理が終了すると、S216「それぞれのカウント値が設定値以上?」の判断に進む。
【0075】
S214「実の重心位置不良のカウント値をクリア」の処理において、姿勢判定手段13bは、「実の重心位置不良のカウント値」をクリアする。S214の処理が終了すると、S215「正しい姿勢のカウント値にカウント」の処理に進む。
【0076】
S215「正しい姿勢のカウント値にカウント」の処理において、姿勢判定手段13bは、「正しい姿勢のカウント値」に1カウントする。S226の処理が終了すると、S216「それぞれのカウント値が設定値以上?」の判断に進む。
【0077】
S216「それぞれのカウント値が設定値以上?」の判断において、姿勢判定手段13bは、「足不検出のカウント値」、「仮の重心位置不良のカウント値」、「実の重心位置不良のカウント値」、「正しい姿勢のカウント値」のいずれかが、それぞれ予め設定されている「設定値」以上か否を判断する。姿勢判定手段13bが、「足不検出のカウント値」、「仮の重心位置不良のカウント値」、「実の重心位置不良のカウント値」、「正しい姿勢のカウント値」のいずれかが、それぞれ予め設定されている「設定値」よりも小さいと判断した場合には、S203の処理に戻る。一方で、姿勢判定手段13bが、「足不検出のカウント値」、「仮の重心位置不良のカウント値」、「実の重心位置不良のカウント値」、「正しい姿勢のカウント値」のいずれかが、予め設定されている「設定値」以上であると判断した場合には、S217「姿勢状態を報知」の処理に進む。
【0078】
S217「姿勢状態を報知」の処理において、報知手段16は、S216の判断結果を、座面1aに座る人に報知する。なお、S216の処理において、姿勢判定手段13bが、「正しい姿勢のカウント値」が、予め設定されている「設定値」以上であると判断した場合には、「正しい姿勢」と判定し、「正しい姿勢」の「姿勢判定結果情報」を生成し、報知手段に出力する。一方で、姿勢判定手段13bが、「足不検出のカウント値」、「仮の重心位置不良のカウント値」、「実の重心位置不良のカウント値」のいずれかが、予め設定されている「設定値」以上であると判断した場合には、「悪い姿勢」と判定し、「悪い姿勢」の「姿勢判定結果情報」を生成し、報知手段に出力する。S217の処理が終了すると、S202の処理に戻る。
【0079】
(座面上の指定範囲設定の実施形態)
図6にユーザが、姿勢の良否を判断するための「指定範囲」を指定する実施形態の説明図を示し、以下、当該実施形態について説明をする。この実施形態では、第1の実施形態のS101「初期化」又は第2の実施形態のS201「初期設定」の処理において、ユーザが「指定範囲」を指定する。具体的には、S101又はS201の処理において、ユーザが正しい姿勢で座面1aに座り、荷重センサ21が測定した荷重に基づき、重心算出手段13aが「仮の重心位置」又は「実の重心位置」ρを算出する。そして、「仮の重心位置」又は「実の重心位置」ρを中心に、幅方向所定範囲σ、前後方向所定範囲τを「指定範囲」とする。前記、幅方向所定範囲σ、前後方向所定範囲τは、任意に設定することができる。このように設定された「指定範囲」により、第1の実施形態のS105の処理又は第2の実施形態のS208、S213の処理で、座面1aに座る人の姿勢の良否が判断される。
【0080】
(座席装置本体の別例)
図7に座席装置本体の別例の説明図を示し、この座席装置本体2を用いた実施形態について以下説明をする。図7に示される座席装置本体2は、座面2aが、座面2aの略中央から下方に延出した単一の支柱2cで支持され、この支柱2cの下端に接続し、放射状に延出する複数の支持脚2bで、座面2aに作用する下向き荷重を支える構成となっている。
【0081】
荷重センサユニット20は、各支持脚2bに取り付けられている。この各支持脚2bに取り付けられた荷重センサ21が測定した「荷重情報」に基づき、重心算出手段13aが「仮の重心」を算出する。心算出手段13aが「仮の重心」を算出する方法は、第1の実施形態や第2の実施形態と同一である。なお、座面2aに対して、支軸2cが回転する座席装置本体2では、座席装置本体2に、座面2aに対する支軸2cの回転角度を検出するジャイロセンサを設け、このジャイロセンサが検出した、座面2aに対する支軸2cの回転角度に基づき、重心算出手段13aが、各支持脚2bに取り付けられた荷重センサ21の、座面原点に対する座標を算出し、座面2aに座る人の「仮の重心」を算出する。
【0082】
距離センサユニット30は、支柱2cに回転自在に取り付けられ、支軸2cを中心に回転するようになっている。座面原点0と座面2aに座る人の足500の距離の測定方法について、図8を参照しつつ説明する。図8において、座面2aの支柱2cで支持されている部分を、座面変転0とする。座席装置本体2には、座面2aに対する距離センサユニット30の回転角度を検出するジャイロセンサが設けられている。座面中心0と距離センサ31までの距離をκとする。距離センサ31が最も近い距離ηの対象物を検出した場合に、当該対象物を座面2aに座る人の足500とし、この時に前記ジャイロセンサが検出した、座面2a前方に対する距離センサ31の回転角度をθとすると、座面原点0から座面2aに座る人の足500までのy方向(前後方向)距離λは、以下の式で算出される。
λ=(η+κ)×cosθ…(式8)
重心算出手段13bは、座面原点0から座面2aに座る人の足500までのy方向距離λを算出し、座面2aに座る人の「実の重心」を算出する。重心算出手段13aが、座面2aに座る人の「実の重心」を算出する方法は、第2の実施形態と同一である。
なお、距離センサユニット30を、支柱2cに、角度θを決めて固定し、上式8で座面原点0から座面2aに座る人の足500までのy方向(前後方向)距離λを算出することにしても差し支えない。
【0083】
(姿勢判定方法の別例)
図9を参照しつつ、姿勢判定手段13bの姿勢判定方法の別例を説明する。図9に示される曲線は、「仮の重心」又は「実の重心」の、x方向(幅方向)又はy方向(前後方向)の変化量を示す。この実施形態では、姿勢判定手段13bは、「仮の重心」又は「実の重心」が、所定時間(例えば1分)以上、特定範囲に無い場合には、座面1a、2aに座る人の姿勢が悪いと判定する。そして、報知手段16は、座面1a、2aに座る人に、姿勢が悪いと報知する。なお、姿勢判定手段13bは、「仮の重心」又は「実の重心」が、所定時間(例えば1分)以上、特定範囲にあると判断した場合には、座面1a、2aに座る人の姿勢が良いと判定しても差し支えない。
【0084】
また、姿勢判定手段13bは、「仮の重心」又は「実の重心」が、所定時間(例えば10分)以上、特定範囲に留まった場合には、座面1a、2aに座る人がじっとしている時間が長く、同じ姿勢であると判定する。そして、報知手段16は、座面1a、2aに座る人に、じっとしている時間長く、同じ姿勢であると報知し、軽い運動を促す。
【0085】
なお、椅子形状をした座席装置本体1、2に姿勢判定装置50を取り付けた実施形態について本発明を説明したが、本発明の姿勢判定装置及び姿勢判定機能付座席装置は、この実施形態に限定されず、例えば、自動車等車両のシートやソファーベット等の座席装置に姿勢判定装置50を取り付けた実施形態について本発明を適用可能なことは言うまでもない。
【0086】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う姿勢判定装置や姿勢判定機能付座席装置もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態を示す姿勢判定機能付座席装置の説明図である。
【図2】姿勢判定装置のブロック図である。
【図3】第1の実施形態の姿勢判定処理フローの説明図である。
【図4】重心の算出方法の説明図である。
【図5】第2の実施形態の姿勢判定処理フローの説明図である。
【図6】ユーザが「指定範囲」を指定する実施形態の説明図である。
【図7】座席装置本体の別例の説明図である。
【図8】座面原点と座面に座る人の足の距離の測定方法の説明図である。
【図9】姿勢判定方法の別例の説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 座席装置本体(第1の実施形態)
1a 座面(第1の実施形態)
1b 支持脚(第1の実施形態)
1d 背もたれ(第1の実施形態)
2 座席装置本体(第2の実施形態)
2a 座面(第2の実施形態)
2b 支持脚(第2の実施形態)
2c 支柱(第2の実施形態)
2d 背もたれ(第2の実施形態)
10 姿勢判定ユニット
11 CPU
12 RAM
13 ROM
13a 重心算出手段
13b 姿勢判定手段
14 入力部
15 インターフェース
16 報知手段
17 入力装置
20 荷重センサユニット
21 荷重センサ
22 インターフェース
23 出力部
30 距離センサユニット
31 荷重センサ
32 インターフェース
33 出力部
50 姿勢判定装置
100 姿勢判定機能付座席装置
200 姿勢判定機能付座席装置(別例)
500 座面に座る人の足

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面に作用する下向き荷重を支える支持脚に取り付けられ、当該支持脚に作用する下向き荷重を測定する荷重センサと、
前記荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出する重心算出手段と、
前記重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心から、座面に座る人の姿勢を判定する姿勢判定手段と、
前記姿勢判定手段が判定した結果を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする姿勢判定装置。
【請求項2】
荷重センサは、座面に作用する下向き荷重を支える全ての支持脚に取り付けられ、
重心算出手段は、各荷重センサが測定した、全ての支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出することを特徴とする請求項1に記載の姿勢判定装置。
【請求項3】
座面と当該座面に座る人の足との水平距離を測定する距離センサを有し、
重心算出手段は、各荷重センサが測定した、各支持脚に作用する下向き荷重及び、前記距離センサが測定した、座面と当該座面に座る人の足との水平距離から、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の姿勢判定装置。
【請求項4】
座面は単一の支柱で支持され、当該支柱に接続する複数の支持脚で、座面に作用する下向き荷重を支える構成において、
距離センサは、前記支柱に回転自在に取り付けられ、
距離センサの前記支柱に対する回転角度及び、距離センサが測定する座面に座る人の足との距離に基づいて、座面と当該座面に座る人の足との水平距離を算出することを特徴とする請求項3に記載の姿勢判定装置。
【請求項5】
座面に、直接複数の支持脚が接続している構成において、
前記支持脚の前方に距離センサを取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の姿勢判定装置。
【請求項6】
姿勢判定手段は、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、特定の範囲にあると判定した場合に、良い姿勢と判定し、前記重心が、特定の範囲にないと判定した場合に、悪い姿勢と判定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の姿勢判定装置。
【請求項7】
特定の範囲とは、座面の前後方向中心から所定の幅の範囲で、且つ、座面の幅方向中心から所定の幅の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の姿勢判定装置。
【請求項8】
特定の範囲とは、座面に座る人が指定した範囲であることを特徴とする請求項6に記載の姿勢判定装置。
【請求項9】
姿勢判定手段は、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、所定時間以上、特定の範囲にある又は無いと判定した場合に、座面に座る人の姿勢を判定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の姿勢判定装置。
【請求項10】
姿勢判定手段は、重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心が、所定時間以上、所定範囲内に留まった場合に、座面に座る人が同じ姿勢であると判定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の姿勢判定装置。
【請求項11】
人が座る座面と、
前記座面に作用する下向き荷重を支える支持脚と、
前記支持脚に取り付けられ、当該支持脚に作用する下向き荷重を測定する荷重センサと、
前記荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重に基づき、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出する重心算出手段と、
前記重心算出手段が算出した座面に座る人の床に平行な面上の重心から、座面に座る人の姿勢を判定する姿勢判定手段と、
前記姿勢判定手段が判定した結果を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする姿勢判定機能付座席装置。
【請求項12】
座面と当該座面に座る人の足との水平距離を測定する距離センサを有し、
重心算出手段は、荷重センサが測定した、支持脚に作用する下向き荷重及び、前記距離センサが測定した、座面と当該座面に座る人の足との水平距離から、座面に座る人の床に平行な面上の重心を算出することを特徴とする請求項11に記載の姿勢判定機能付座席装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−82165(P2010−82165A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254421(P2008−254421)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】