説明

媒体コンテンツの注文および送達のためのシステムおよび方法

【課題】ラジオ放送のリスナーに、ラジオを聴きながら音楽や音声などの媒体コンテンツを便利よく購入する機能を提供する。
【解決手段】ラジオ放送に加えて、歌の題名およびアーティスト、作者または出版社、およびデジタルバージョンのコンテンツが格納されている場所のIPアドレスなどのデータを、RBDS/RDSデータストリームを使用して送信する。ユーザは、このデータを使用して購入要求を、無線伝送を介して、あるいは、パーソナルコンピュータを使用した、または携帯電話または無線電話を介したインターネットへのアクセスによって購入サーバに送信し、媒体コンテンツを購入する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、電子購入システムに関し、より詳細には、AM/FMラジオ放送に応答する電子購入システムを提供することに関する。
【0002】
関連技術の説明
FM放送配信の初期から、放送局は、主な搬送波信号の他にバックグラウンドミュージック、視覚障害者のための朗読サービスなどの補助信号を含めてきた。主な搬送波信号とともにデータを送信するという考えが広まり、現在、多くの放送ラジオサービスは、補助データ信号を送信しているか、またはそれを行うための方法を開発しつつある。現在最も広範に使用されているデータ伝送標準は、米国ラジオ放送データシステム(theUnitedStatesRadioBroadcastDataSystems)(「RBDS」)標準である。
【0003】
全米ラジオシステム委員会(theNationalRadioSystemsCommittee)によって発行され、電子工業会(theElectronicsIndustryAssociation)および全米放送協会(theNationalAssociationofBroadcasters)が後援するRBDS標準には、標準FM放送チャネルの副搬送波で番組に関係する様々な情報を放送するためのシステムが記載されている。RBDS標準には、放送局の識別および位置情報だけでなく、時間、トラフィックおよびその他の種々の情報を送信するためのシステムが示されている。
【0004】
RBDS標準は、放送局が、コールサイン、放送局のフォーマット、トラフィック警報、スクロール文字メッセージなどの情報を互換性のあるラジオに送信できるように設計された。
【0005】
多くの放送局は、1990年代初頭に、FCCが推奨する無料でエンコーダを提供するプログラムを通じてRBDSエンコーダをインストールした。この「RBDSキャンペーン」に参加しなかったラジオ放送局においてもやはり低価格でエンコーダを得ることができる。
【0006】
RBDSエンコーダは、FM放送局の放送信号とともに変調し、特別なデコーダによって復調することができる「副搬送波」として知られるものを生成する。RBDSは、57kHzの副搬送波周波数を使用する。市販のRBDSエンコーダは、一般にシリアルまたはパラレルのデータポートを介して情報を受け取り、その情報を適切なRBDSブロックタイプにフォーマットする。
【0007】
RBDSデータ信号は、1187.5ビット/秒で伝達される最高32までのリピーティングデータ「グループ」を含む、特別にエンコードされたテキストストリームである。RBDSデータ信号は、リピーティングデータおよび固有データのあり得るデータグループブロックをすべて含んでいる必要はない。一実施の形態では、データ伝送機能のために設計された幾つかのグループの内の1つを使用することが含まれる。
【0008】
RBDSデータグループは4つのブロックで構成され、そのそれぞれはエラーの修正に使用されるチェックワードによって分割されている。ブロック1は、送信側の放送局のコールサインから導出される4桁のプログラム識別コード(PI)である。ブロック2は、4ビットのタイプコード、およびデータグループが含む情報のタイプを識別するための1ビットのグループバージョンコードを含んでいる。また、このブロックは、トラフィック
情報を放送するものとして送信側の放送局を識別する1ビットのコード、それに続き、放送局で放送されている現在の番組や形式(ロック、オールディーズ、トーク、ニュースなど)を記載する5ビットのプログラムタイプ(PTY)コードも含んでいる。ブロック3および4に含まれる情報は、ブロック2に含まれるコードに依存する。ブロック3および4は、特定の情報を特別な受信機に送信することができる2つの16ビットのデータスロットを提供する。
【0009】
例えば、RBDSグループタイプ2Aは、ブロック3および4を使用して、ラジオテキスト(RT)として知られる64文字のテキストメッセージを送信する。これは、幾つかの放送局が放送中の歌や番組を識別するために使用するスクロールメッセージとして、RBDS使用可能ラジオに表示される。他のグループタイプは、同じ番組制作が使用可能な代替周波数、構内局テキストメッセージ、または緊急警報システム(EAS)の通信メッセージを識別するために、これらのブロックを使用する。RBDS標準の詳しい説明は、全米放送協会および全米ラジオシステム委員会から入手可能である。
【0010】
ヨーロッパで使用されている同様の標準は、欧州ラジオデータサービス(theEuropeanRadioDataService)(RDS)である。
【0011】
RBDS標準を使用している放送会社は、多数のユーザに情報を配信することができる。しかし、この標準では、個々のユーザが放送情報に応答することはできない。
【0012】
現在、ラジオを聴いている、またはテレビを見ているユーザは、ある歌または番組を特に気に入って購入したいと思うかもしれない。RBDS/RDSを使用している放送局は、ユーザに放送局のコールサイン、または現在放送されている歌の名前を提供し得るが、ユーザにはその時点で媒体を購入する方法はない。それどころか、ユーザは、その媒体を購入するために識別情報を書き留めておき、または覚えておき、店またはオンライン小売業者のところに行かなければならない。これでは不便であるだけではなく、ユーザが歌の名前を忘れてしまうことや、その歌を販売している店が見つからないこともあり得る。さらに、ラジオ放送局によって提供される情報は、歌を十分識別するには十分ではないかもしれない。例えば、ユーザが歌の題名を知っていても、アーティスト名、アルバム名、あるいは他の必要な識別情報がわからない場合もある。論説ニュース放送やライブイベントなどの幾つかの資料は、購入することはできないこと、あるいは、見つけるのが難しいことがある。ラジオ放送局は、限られた時間内に放送局に電話するように、あるいは回答するようリスナーに要求する募金運動またはリスナー調査をしばしば行う。これらと同じ問題がテレビおよび他の形態の放送媒体にも当てはまる。
【0013】
(発明の概要)
本発明は、個々のユーザがデータ放送に応答することができるシステムを提供することによって、これらの問題およびその他の問題を解決する。一実施の形態では、自動購入システム(APS)が、ラジオ放送のリスナーに、ラジオを聴きながら音楽や音声などの媒体コンテンツを便利よく購入する機能を提供する。さらに、ユーザは、広告、公共ラジオなどで行われる募金運動、放送中の対話式でのリスナー世論調査などのラジオ放送中の項目に応答することができる。
【0014】
一実施の形態では、ユーザは、無線通信事業者に「クリエイティブコンテンツ」購入口座を開設する。一実施の形態では、個人のURL(Webアドレス)がユーザに割り当てられ、ユーザは、技術を可能にするためのラジオ(TER)またはパーソナルコンピュータを使用して、例えば口座の動きを監視すること、APSソフトウェアダウンロードを使用可能または使用不能にすること、スポンサーによって提供された賞品を表示すること、またコンテンツまたはAPS購入を管理および追跡することが可能になる。
【0015】
一実施の形態では、ユーザは、TERまたはコンテンツ用のWebアカウントとの間で経路選択を行う。一実施の形態では、ユーザは、MP3、RA、Liquid Audioなどの圧縮タイプを選択する。
【0016】
一実施の形態では、各放送会社はRBDS/RDS、または類似の技術を可能にするためのサーバオンサイトを有し、例えば、放送に含めるためのRBDS/RDSまたは同等のコードを生成し、購入情報を確認し、代金請求のためユーザの無線通信事業者に経路指定し、データマイニングのためにオンライン販売処理を監視し、あるいは、確認された購入をライセンスされたクリエイティブコンテンツプロバイダに経路指定する。
【0017】
一実施の形態では、ラジオハードウェアは、例えば、(例えばAPSコードを備える内部チップにある)RBDS/RDS、または同等のデコーダ機能、フラッシュカードスロットおよび記録機能、または(例えばAPSコードを備える内部チップにある)アーティスト名、歌の題名、クリエイティブコンテンツプロバイダのIPアドレス、および後で購入するためのタイムスタンプなど複数の項目の記憶装置を含む。
【0018】
一実施の形態では、システムは、購入可能な音楽または音声コンテンツを識別するためのデータストリームを、放送信号とともに送信するためにRBDS/RDSを使用する。APSシステムに関与する放送機関は、コンテンツが放送されたときにボタンをクリックする、またはラジオに音声コマンドを発するユーザによりなされた購入要求、後でラジオのAPSモジュールに格納されているプレイリストをスクロールして、ラジオに格納されているリストから購入するために1つまたは複数の品目を選択することによる購入要求、またはインターネットを介して個人のWebアカウントにアクセスしてパーソナルコンピュータにコンテンツをダウンロードすることによる購入要求に応答することができる。一実施の形態では、購入は、購入するために選択された項目のための要求をフラッシュカードまたは記憶技術に保存し、後でインターネットを介して、そのデータを購入用のパーソナルコンピュータに転送することによってなされる。
【0019】
歌の題名およびアーティスト、作者または出版社、およびデジタルバージョンのコンテンツが格納されている場所のIPアドレスなどのデータは、RBDS/RDSデータストリームを使用して送信され得る。歌の題名およびアーティスト、作者または出版社、およびデジタルバージョンのコンテンツが格納されている場所のIPアドレスを表す参照番号が、実行を容易にするため使用され得る。この参照番号は、放送サイト、リモートサイト、または冗長性のためにその両方に配置されたデータサーバ上のAPSサーバソフトウェアによってアクセスされるルックアップテーブルに存在し得る。技術を可能にするためのラジオ(TER)からの購入要求は、無線伝送を介して、あるいは、パーソナルコンピュータを使用し、または携帯電話または無線電話を介してインターネットにアクセスすることによって送信される。一実施の形態では、上記のシステムを使用した各販売の動向が、業界誌、レコード会社などの関係者に販売するための集合データまたは「データマイニング」のために追跡される。
【0020】
携帯用ラジオは、音声インタフェースまたは購入ボタン、フラッシュカードまたは記憶装置、および9ピンシリアル、USB、無線ネットワーク技術など、ラジオをパーソナルコンピュータに接続するためのポートが装備される。
【0021】
(好ましい実施の形態の詳細な説明)
本発明は、個々のユーザがデータ放送に応答することができるシステムを提供することによって、従来の技術における様々な問題を解決する。一実施の形態では、自動購入システム(APS:AutomaticPurchaseSystem)によって、ラジオ放送のリスナーが、ラジオを
聴きながら、音楽や音声などの媒体コンテンツを便利に購入することを可能にする。さらに、ユーザは、広告などのラジオ放送中の記事、公共ラジオなどで行われる募金運動、或いは放送中の対話式でのリスナー世論調査に応答することができる。
【0022】
当業者は、放送することのできる様々な形態の媒体があることを理解し得る。特定のタイプの媒体が以下の例で使用される場合、それは例示が目的であるにすぎず、その例に限定されるべきものではない。様々なタイプの媒体の例には、音楽、歌、音声、テキスト、ビデオなどが含まれる。
【0023】
図1は、ユーザがデータ放送に応答することができるシステムの一実施の形態を示す。図1には、情報をラジオ受信機100に放送するラジオ放送局140が示されている。ラジオ受信機100は、ユーザがラジオ放送局の放送に基づく音楽または製品の購入に着手するのを可能にする制御インタフェース116を有する。
【0024】
本明細書を通してRBDS/RDSという用語が使用されるが、他のデータ標準も使用可能であることを理解されたい。一実施の形態では、ラジオ受信機100は、無線周波数(RF)復調器部102、RBDS/RDSデコーダ106、RBDS/RDS機能制御インタプリタ104、音声復調器増幅器部108、スクロールディスプレイ110、インターネットダウンロードディレクタ112、ローカルメモリ装置114、および制御インタフェース116を含む。さらに、受信機100は、音声復調器増幅器部108からスピーカ118に音声信号128を送信することによって音声出力を提供する。
【0025】
一実施の形態では、RF復調器部102は、信号を音声信号とデータ信号とに分け、データ信号をRBDS/RDSデコーダ106に、音声信号を音声復調器増幅器部108に提供する。RBDS/RDSデコーダ106は、RF復調器部102からのデータ信号を構文解析し、そのデータをRBDS/RDS機能コントローラ104、スクロールディスプレイ110、およびインターネットダウンロードディレクタ112に送信する。
【0026】
RBDS/RDS機能コントローラ104は、RBDS/RDS標準を使用して送信されたコード124を取り扱う。コード124は、例えば、プログラムサービス名(PS)、プログラムタイプ(PTY)、プログラム識別(PI)、トラフィックプログラム(TP)、トラフィック通知(TA)などを含む。
【0027】
一実施の形態では、このデータは、ユーザが聴取するために1つまたは複数のスピーカで再生される音声信号に変換される。4つの文字を有するタイプ2Aグループが1秒に3.2回送信されるRBDS標準の基では、64文字のラジオテキストメッセージが5秒で送信され得る。
【0028】
一実施の形態では、オープンアプリケーションデータ(OAD)グループへのポインタがタイプ3Aグループにおいて送信される。ポインタ、16メッセージビットおよび16ビット識別子(AID)は、1秒に一度送信される。
【0029】
一実施の形態では、「タグ付き」プログラムの放送中に使用可能な37ビットを含むOADグループが1秒に一度送信される。OADグループは、例えば、歌や商業キャンペーンの識別を含む。
【0030】
一実施の形態では、スクロールディスプレイ110が、RBDS/RDSデコーダ106から表示データ122を受信する。表示データ122は、プログラムサービス名、プログラムタイプなどの情報を含み、あるいは、購入オプションを表示するラジオテキスト情報またはメッセージを含む。
【0031】
さらに、RBDS/RDSデコーダ106は、ダウンロード可能な音声の場所の指示を含むインターネットダウンロードディレクタ122にデータを提供する。例えば、ラジオ放送局140は、曲名、アーティスト、アルバム名、その歌がレコーディングされた年など、演奏している現在の歌に関するデータを放送する。また、ラジオ放送局140は、歌、論説ニュース放送、歌集、または他のプログラム資料をダウンロードする、または購入することができる場所、および歌の購入価格を提供する情報を放送する。
【0032】
一実施の形態では、ユーザは、制御インタフェース116を使用して、歌をダウンロードするように注文する。制御インタフェース116は、インターネットダウンロードディレクタ112にダウンロードコマンド信号126を提供する。次いでインターネットダウンロードディレクタ112は、例えば、ダウンロードすべきファイルの場所、アクセスに必要なセキュリティ手順などのダウンロード命令を提供する。次いでダウンロード情報は、例えば無線インターネット接続156を介して認証および代金請求システム152に送信される。認証および代金請求システム152は、顧客情報を検証して、その顧客の口座にその注文の代価が借方記入され得るか否かを判断する。次いで認証および代金請求システム152は、購入が承認されたか否かを示す承認信号168を提供する。承認信号168は、購入データベースサーバ150に送信される。
【0033】
購入が承認されると、購入データベースサーバ150は、購入およびダウンロード認証をダウンロードサーバ154に提供する。そしてダウンロードサーバ154は、ネットワーク接続158を介して要求された資料を送信する。一実施の形態では、上記資料は、無線インターネット接続156を使用してラジオ受信機100に直接送信される。別の実施の形態では、上記資料が、パーソナルコンピュータで利用可能に生成される。一実施の形態では、上記資料は、従来の郵便または小包サービスを使用して送られる。また、ダウンロードサーバ154は、音声データベースおよびエンコーディングサーバ144と通信して、使用可能な音声データベース情報164を提供する。
【0034】
ラジオ放送局140は、ラジオ自動化またはCD再生システム142、音声データベース/エンコーディングサーバ144、FM伝送システム146、およびRBDS/RDSエンコーダ148を含む。ラジオ自動化またはCD再生システム142は、放送局のプレイリストから、またはCDやCD−ROM上にエンコードされた情報を抽出することによって、歌またはラジオ番組に関する情報を抽出することができる。プレイリスト情報は、音声データベースおよびエンコーディングサーバ144に提供される。プレイリスト情報は、歌の題名、アーティスト、カット、または他の情報を含む。音声データベース/エンコーディングサーバ144は、ラジオ自動化システム142から送信された情報を、データベース内の情報に合わせる。ダウンロード可能な音声ファイルがある場合、データベース/エンコーディングサーバ144は、ダウンロード情報をフォーマットし、RBDS/RDSエンコーダ148に送信する。対応する情報が購入データベースサーバ150にアップロードされる。
【0035】
RBDS/RDSエンコーダ148は、57kHzのRBDS/RDS副搬送波170を使用して、RBDS/RDS情報をFM伝送システム146に送信する。RBDS/RDS副搬送波信号170は、FM伝送システム146によってFMベースバンドプログラム信号172、および他の任意の副搬送波と混合される。次いでFM伝送システム146は、ラジオ受信機100で受信されるFM RF信号162を送信する。
【0036】
図1に示すように、ラジオ放送局140は、放送されている音楽コンテンツを追跡するための標準ラジオ自動化システム、またはデータ使用可能なオーディオプレイヤを使用して、音声資料を放送し、同時にRBDS/RDSまたは類似のデータを、特定の放送セグ
メントまたは歌のそれぞれに固有識別子を割り当てるAPSサーバ144に送信する。
【0037】
APSサーバ144は、放送セグメント識別子を、購入可能な音声のデータベース150と比較する。放送された音声が入手可能な場合、APSサーバ144は、放送局のコールサイン情報、およびIPアドレスやファイル名などの音声ダウンロード場所を、RBDS/RDSまたは類似の技術を使用して、ラジオ放送局の放送に挿入されるデータストリームに組み入れる。リスナーまたはユーザによって選択された音声を識別する情報は、APSデータサーバに経路指定され、デジタルバージョンの音声コンテンツが格納され、エンドユーザへの転送が可能な場所に渡される。ユーザのラジオ受信機100は、エンコードされたRBDS/RDSまたは他のデータを受信し認識して、ラジオディスプレイ110上に表示し、ユーザに音声が購入可能であることを知らせる。
【0038】
ユーザが音声コンテンツの購入を選択した場合、あるいは広告または「募金」運動に応答した場合、放送局のデータ、およびユーザの携帯電話、または無線電子シリアル番号(ESN)(Electronic Serial Number)、またはクレジットカード番号などの他の識別子を含むリクエストが、音声コンテンツ情報と結び付けられ、ラジオによって発行されて、携帯電話または無線電話伝送を介してAPSデータサーバに渡され、最後に、レコード会社、出版社、またはライセンスをもつコンテンツプロバイダにあるソースサーバに経路指定される。無線接続を使用して「良好な」接続を利用できない場合、またはユーザが無線アカウントを有していない場合、ラジオ内にある内蔵フラッシュカードまたは他の記憶装置114に情報を格納しておき、ユーザが選択したときにパーソナルコンピュータに転送することができる。
【0039】
各サーバは、一般に購入または応答情報を記録する。次いでソースとなる場所にあるダウンロードサーバ154は、要求された音声をユーザの携帯電話の口座識別子に関連付けられた経路指定アドレスにアップロードする。次いでユーザの受信機100は、音声を内蔵メモリまたは可搬性メモリ装置に保存する、あるいは、ユーザがインターネットを使用してそれをダウンロードするのを選択するまで音声コンテンツを保持する。
【0040】
一実施の形態では、RBDS/RDS標準によって「オープンデータアプリケーション」のために取っておいた、幾つかのグループタイプの使用が含まれる。これらのグループは、データアプリケーションとともに使用され、簡単に使用可能となるように設計されている。
【0041】
図2は、技術を可能にするためのラジオ200の一例を示している。ラジオ200は、自動購入システム用のモジュール202を含む。一実施の形態では、APSは、購入された資料の比較的迅速な送達を提供する。一実施の形態では、迅速な送達は、ユーザが移動中に購入した資料を受け取ることができるように、無線伝送によって提供される。一実施の形態では、システムは遅延送達も行う。これは例えば、ユーザがそのように選択したとき、ユーザが無線アカウントを有していないとき、あるいはユーザが無線接続で伝送のための良好な信号を取得することができないときである。
【0042】
一実施の形態では、ラジオ200は、識別子データ204を格納し、セキュリティ機能を提供し、ユーザが(ラジオに含まれる音声認識技術214に発せらされた音声コマンドを使用すること、またはラジオインタフェース上のボタン212を押すことのいずれかによって)なされる経路指定選択を助けるように構成されたAPSモジュール202を含む。一実施の形態では、APSモジュール202は、APSのラジオ受信機側機能を実行する独自開発のマイクロチップ(またはマイクロチップの一部)である。一実施の形態では、APSモジュール202は、ラジオ200内のプロセッサ上で動くソフトウェアモジュールである。
【0043】
また、音声コンテンツは、ラジオ200のAPSモジュール202内に格納され、ラジオ200の外部ディスプレイ210に表示されるプレイリスト208をスクロールすることによって、後で遅れて購入するために「タグ付け」され得る。それによりユーザは、(ラジオのAPSモジュール202に格納され)ディスプレイ210に表示されたリストから1つまたは複数の品目を購入のために選択することができる。一実施の形態では、選択された品目は、無線電話などの無線送信機218を使用して送信される。別の実施の形態では、ユーザは、プレイリスト208を、パーソナルコンピュータ240によって読取可能な可搬性メモリ220に格納させる。次いでユーザは、コンテンツをパーソナルコンピュータ240にダウンロードするために、インターネットを介して、個人のWebアカウントにアクセスする。ユーザは、この時点で、ダウンロードしたコンテンツを、フラッシュカード、CD−ROMなどの記憶装置242に転送する。
【0044】
また、APSモジュール202を含む非自動ラジオまたは携帯用ラジオは、放送資料のリスナーの選択を実行可能にするために(または広告、募金運動、または他の対話式イベントに応答するために)、音声インタフェース214、対話式ボタン212のいずれか、またはその両方を含む。また、APSモジュール202からパーソナルコンピュータ240または他の装置内のソフトウェアに選択リストを転送するために、9ピンシリアルポート、USBポート、或いは他の任意のポートなど、ラジオ200とパーソナルコンピュータ240との間を接続するように設計されたポート216をラジオ200に組み込んでいてもよい。パーソナルコンピュータ240上で実行されるAPSソフトウェアは、インターネットを介して選択された資料の購入を実行可能にする埋込みセキュリティコードを認識する、あるいは広告または募金運動に応答するように構成されている。また、装置の間で選択されたデータを転送するために、例えばBlueTooth、その他同種類の無線技術が使用される。
【0045】
APSモジュール202を装備する自動ラジオおよび関連した技術においては、関連した放送に付随するRBDS/RDSデータ文字列から導出されたアーティストおよび歌の題名などの経路指定情報、WIN識別子、およびユーザ電子シリアル番号(ESN)を備えた購入要求(または対話式の応答)を送信するために、無線インタフェース218が使用される。それにより購入要求および経路指定情報は、処理のため、代金請求の承認のため、そしてユーザの要求に応じて(ラジオ200にあるユーザのフラッシュカードや記憶技術、個人アカウントWeb URLなどの)特定の場所にコンテンツを送達するために、APSサーバ260に向けられる。
【0046】
自動ラジオ内のフラッシュカードまたは記憶技術220は、ユーザに第2の選択肢を提供する。ユーザは、購入する放送コンテンツを選択するために対話式音声技術214またはボタンインタフェース212を使用して、購入するコンテンツを選択することができる。ユーザが無線電話を有していない場合、またはラジオに接続された無線電話との接続が良好ではない場合、後の使用のために、コンテンツの選択をフラッシュカードまたは記憶技術220に格納することができる。
【0047】
一実施の形態では、APSは、良好な接続が得られるまで無線ネットワークをポールし、その時点で選択されたデータが転送されて処理が終了する。ユーザが良好な接続を得られなかった場合、あるいはユーザが無線アカウントを有していない場合、フラッシュカードまたは記憶技術220は、ユーザによって後で取り外され、パーソナルコンピュータ240に挿入され得る。フラッシュカードまたは記憶技術220に格納されている各選択の経路指定情報は、ユーザのパーソナルコンピュータ240上で実行されているAPSダウンロードソフトウェアに渡される。ユーザがインターネットにへのアクティブ接続を有すると、コンテンツがラジオ200内のAPSモジュール202から取得された適切なセキ
ュリティコードでタグ付けされさえすれば、ユーザは、APSダウンロードソフトウェアによって、選択したコンテンツを購入し、それをパーソナルコンピュータ240にダウンロードすることができる。
【0048】
このシステムを使用して、ユーザは、クーポン、賞品、またはスポンサーが提供する他の賞金の資格を得るためにライブ放送のラジオ広告に応答することができる。また、このシステムは、公共ラジオ放送局で使用される募金運動にも適用可能であり、それによってリスナーは、運転しているときや携帯用ラジオを聴いているときに、募金を約束することができる。また、このシステムはリスナーの世論調査にも使用可能であり、放送会社は、新しい音楽、演説の内容、またはトークショー形式などの一般的な質問に対するリスナーからの迅速な反応を得ることができる。それぞれの場合、ユーザ/リスナーは、ラジオ200の「応答」ボタン212を押すことによって応答することができる。音声使用可能なラジオ200では、ユーザ/リスナーは、音声コマンドによってコンテンツを注文する、または応答することができる。
【0049】
また、ユーザは、(購入したコンテンツのアーティストまたは作家のイベントの)割引チケット、関係のあるアーティストまたは音楽ジャンルの購入の提案、レコード会社クラブのグッズ、他の賞品などの賞品を表示する私設のWebサイトに掲載された提示またはハイパーリンクを受け取ることもできる。ユーザがAPSを使用して購入するように、関連のある本、雑誌の記事、商品、およびイベント情報は掲載される。ラジオ上では入手不能であるが、APS Webサイトを介したデジタル配布のために直接手配されている既存のデジタルコンテンツプロバイダ、またはコンテンツの所有者のいずれかとの提携を通して提供されるコンテンツのために、ハイパーリンクが掲示されてもよい。
【0050】
コンテンツ購入の代金請求およびユーザ識別は、ユーザの無線電話アカウントを介して管理される、あるいは、ユーザがAPS Webサイトでアカウントを開設してもよい。購入されたコンテンツは、無線電話伝送を使用する受信機、または技術を可能にするためのラジオ(TER)に向けられ、フラッシュカードに格納される。また、購入コンテンツは、特定のアカウントの作成時にユーザに割り当てられた個人のWebページに向けられる。ユーザは、インターネットを介してそのアカウントにアクセスし、そのユーザは購入したコンテンツをパーソナルコンピュータにダウンロードすればよい。
【0051】
購入したコンテンツを著作権侵害から保護するために、様々なアクセス権制御およびコピープロテクションが提供される。一実施の形態では、ユーザは、(追加のライセンスが購入されない限り)購入したコンテンツをCDまたはフラッシュカードに一度だけコピーすることができる。追加のライセンスは、APSダウンロードソフトウェア内、またはユーザのWebアカウントで、ボタンをクリックすることによって、または無線アカウントからのESNなどのAPSセキュリティキーやWIN番号で使用可能になる第3者のソフトウェアパッケージを使用することによって購入される。
【0052】
各販売処理は、関与している各ラジオ放送局に配置されているAPSサーバによって、インターネットベースのAPSサーバによって、あるいはその両方によって監視される。「データマイニング」によって集められた販売処理のデータは、レコード会社や業界誌など、統計情報や音楽の売上高を追跡することに興味のある会社に販売される。一実施の形態では、ユーザに関する個人情報は開示されない。
【0053】
一実施の形態では、システムは以下の特徴のうち、1つまたは複数を含む。
【0054】
1.ユーザは、無線通信事業者に「クリエイティブコンテンツ」購入口座を開設する。
【0055】
2.個人のURL(Webアドレス)がユーザに割り当てられ、
□口座の動きを監視し
□APSソフトウェアダウンロードを使用可能または使用不可にし
□スポンサーによって提供された商品を表示し
□TERまたはパーソナルコンピュータを使用してコンテンツまたはAPS購入を管理および追跡する。
【0056】
・ユーザは、TERまたはコンテンツ用のWebアカウントとの間の経路選択を行う
・ユーザは、MP3、RA、Liquid Audioなどの圧縮タイプを選択する。
【0057】
3.各放送会社は、RBDS/RDSまたは類似の技術を可能にするためのサーバオンサイトを有し、
□放送に含めるためのRBDS/RDSまたは同等のコードを生成し
□購入情報を確認し、代金請求のためユーザの無線通信事業者に経路指定し
□データマイニングのためにオンライン販売処理を監視し
□確認された購入をライセンスされたクリエイティブコンテンツプロバイダに経路指定する。
【0058】
4.ラジオのハードウェアは、
□(例えばAPSコードを備える内部チップにある)RBDS/RDSまたは同等のデコーダ機能
□フラッシュカードスロットおよび記録機能(オプション)
□(例えばAPSコードを備える内部チップにある)アーティスト名、歌の題名、クリエイティブコンテンツプロバイダのIPアドレス、および後で購入するためのタイムスタンプを含む複数の項目の記憶装置
を含む。
【0059】
一実施の形態では、システムは、購入可能な音楽または音声コンテンツを識別するためのデータストリームを、放送信号とともに送信するためにRBDS/RDSを使用する。APSシステムに関与する放送機関は、コンテンツが放送されたときにボタンをクリックする、またはラジオに音声コマンドを発するユーザによりなされた購入要求、後でラジオのAPSモジュールに格納されているプレイリストをスクロールして、ラジオに格納されているリストから購入するための1つまたは複数の項目を選択することによる購入要求、またはインターネットを介して個人のWebアカウントにアクセスしてパーソナルコンピュータにコンテンツをダウンロードすることによる購入要求に応答する。一実施の形態では、購入は、購入するために選択された項目のための要求をフラッシュカードまたは記憶技術に保存し、後でインターネットを介して、そのデータを購入用のパーソナルコンピュータに転送することによってなされる。
【0060】
歌の題名およびアーティスト、作者または出版社、およびデジタルバージョンのコンテンツが格納されている場所のIPアドレスなどのデータは、RBDS/RDSデータストリームを使用して送信される。歌の題名およびアーティスト、作者または出版社、およびデジタルバージョンのコンテンツが格納されている場所のIPアドレスを表す参照番号が、実行を容易にするため使用される。この参照番号は、放送サイト、リモートサイト、または冗長性のためにその両方に配置されたデータサーバ上のAPSサーバソフトウェアによってアクセスされるルックアップテーブルに存在し得る。技術を可能にするためのラジオ(TER)からの購入要求は、無線伝送を介して、あるいは、パーソナルコンピュータを使用し、または携帯電話または無線電話を介してインターネットにアクセスすることによって送信される。一実施の形態では、上記のシステムを使用した各販売の動向が、業界
誌、レコード会社などの関係者に販売するための集合データまたは「データマイニング」のために追跡される。
【0061】
携帯用ラジオは、音声インタフェースまたは購入ボタン、フラッシュカードまたは記憶装置、および9ピンシリアル、USB、無線ネットワーク技術など、ラジオをパーソナルコンピュータに接続するためのポートを装備する。
【0062】
音楽ラジオ放送局は、フォーマットの一貫性及び成立を確保するために、しばしばコンピュータプログラム化され、最適化されたプレイリストに依存する。多くの放送局は、ハードディスクライブラリから再生する、あるいはCDチェンジャを制御するコンピュータベースの再生システムを使用する。その日の最初に、情報を含んでいるこれらのコンピュータに、プレイリストがロードされる。これらの「自動化」システムにより、機能および動作の連続的なロギングが提供され、シリアルデータなど様々な方法で「実際に再生された」情報を出力することができる。データは、イベントが行われたときに取得され得る、あるいはテキストファイルから読み取られ得る。ほとんどの自動化されたシステムは、シリアルポートから情報を送信するようにプログラム化される。
【0063】
RBDS/RDSを使用し、ラジオテキストグループに歌の情報を表示するために、このデータを使用していた放送局もあった。より最近では、放送局は、「現在再生中の」メッセージをインターネットWebサイト上に送るために、この情報を使用している。
【0064】
紙のプレイリストから手動でCDを再生する放送局でさえ、必要な情報を提供する。専門のCDプレイヤは、通常、CDコード情報を送信するようにプログラムされ得るシリアルポート(すなわちRS232、RS485)を有する。このコード情報は、インターネット使用可能なコンピュータで使用され、CD−ROMプレイヤに挿入されたCDの歌情報を、CDDB.comとして知られるWebサイトから自動的にダウンロードするための歌コードと似ている。すべてのRIAA登録CDは、RIAAで登録された固有の登録コードを有する。したがって、RIAA登録CDにおいては、歌はトラック番号とともに、登録コード番号によって識別される。RIAAで登録されていないコンテンツの場合、登録コードはAPSによって提供される。一実施の形態では、リスナーにAPSサービスを提供する放送会社は、識別子コードをそのコンテンツに割り当てる。一実施の形態では、RIAAでない登録コンテンツのための識別子コードがAPS登録機関またはサービスによって提供される。
【0065】
一実施の形態では、前記システムは、プレイリストデータ、または放送コンテンツを識別する参照番号を取得することによって動作する。プレイリストデータは、APSサーバソフトウェア、またはAPSサーバソフトウェアと互換性のあるRDS/RBDSエンコーダとの組合せのいずれかによって、RBDS/RDSデータ副搬送波に含められる。
【0066】
データソースが識別されると、接続経路が、放送会社とAPSデータサーバとの間で確立される。APSデータサーバにあるAPSソフトウェアは、「ルックアップ」テーブル中にその情報を格納する。「カット番号」を表すコード、またはアーティスト、歌の題名などのテキスト歌情報が、その歌が音楽出版社やレコード会社などのコンテンツ所有者からダウンロード可能か否かを決定するために、内部のルックアップテーブルに対して参照される。要求されたコンテンツの入手可能性について判定がなされると、APSデータサーバにあるAPSソフトウェアは、ダウンロード場所、および/またはファイル名を含むRBDS/RDS標準のグループ3およびグループ4のデータを含み得るデータストリームを構築する。次いでAPSソフトウェアは、関与する放送会社にある互換性のあるRDS/RBDSエンコーダに情報を送信する。
【0067】
例えば、RBDS標準に含まれる64文字のテキストスペースは、APSソフトウェアが、出版社、レコード会社、報道機関などの適切なダウンロードサイトに、ユーザからの購入要求を経路指定できるようにすることができるルックアップテーブルに含まれる参照コード、またはインターネットIPアドレスおよびディレクトリ場所を含むのに十分な長さである。
【0068】
APSデータサーバにあるAPSソフトウェアは、互換性のあるRBDS/RDSデータ信号を作成し、各放送場所にあるスレーブエンコーダを提供するように使用される。また、APSソフトウェアは、代金請求を確認し、売上における会社の取り分の支払いについて放送会社に貸方記入するために、各照会および購入を追跡する。また、APSソフトウェアは、処理データの将来的な販売のためにデータマイニングの追跡を行う。
【0069】
一実施の形態では、RBDS/RDSエンコーダは、データストリームの非APS要素(放送局の識別子(コールサイン)、日時など)をフォーマットし、エンコードし、APSデータサーバのAPSソフトウェアは、歌の題名、アーティスト情報、作家、ニュースサービスなどコンテンツ固有データを、RBDS/RDSエンコーダの標準インタフェースを介して、連続的なRBDS/RDSデータストリームに挿入する。APSデータサーバソフトウェアは、コンテンツ固有情報を提供するのに十分適しているが、他のRBDS/RDSグループの用途は、それらの用途のために設計された放送機器によってよりよく管理される。
【0070】
RBDS/RDSは、FMのみの伝送システムであるが、当業者は、APSデータは、他のラジオサービス(例えば、AMなど)に含まれ得ることを理解されよう。
【0071】
デジタル音声放送(DAB)、それには音声信号に追随する柔軟性のあるオープンソースのデータ伝送機能が含まれる。InBandOnChannel(IBOC)として知られる技術を使用して、デジタル音声およびAM放送局やFM放送局の現在のアロケーションへのデータ伝送を適合させるシステムが知られている。IBOCにおいては、どのような用途とされても、放送局によって使用される放送信号内に補助データストリームが含められる。補助データストリーム信号は、APS情報を運ぶために使用され得る。
【0072】
また、他の開発中のラジオシステムは、放送されている音楽または他の資料をうまく獲得することができるようにする、APSシステムによって使用される情報を送信するために使用され得るデータパスを含む。XM衛星やシリウス衛星ラジオなどの衛星DABプロバイダは、互換性のある受信機に送信されている音声データ信号および補助データ信号にアクセスする。
【0073】
他の音声サービスが発達するにつれて、無料の同時データを送信する機能がAPSの構成要素として使用可能となってきた。APSは、システム全体の大幅な変更なしに、簡単に新しい各伝送形態に適合され得る。
【0074】
BlueToothや他の無線ネットワーク技術などのシステムを使用した高速インターネットアクセスにおける無線技術および関係する開発によって、より新しく、より早い技術を利用することで、所望の資料をより早いダウンロードが可能となる。
【0075】
世界中のテレビ信号の送信に使用されるNTSC、PAL、他の技術によって、搬送波信号内の副搬送波データを送信する類似の機能が可能となる。
【0076】
図3は、技術を可能にするためのテレビ(TET)アダプタ300の一例を示している。テレビアダプタ300は、自動購入システム用モジュール302を含む。一実施の形態
では、テレビアダプタ300は、テレビに組み込まれている。一実施の形態では、テレビアダプタ300は、セットトップボックスである。一実施の形態では、APSは購入した資料の比較的迅速な配信を提供する。購入可能な資料は、音楽、ビデオ、プリント、募金、または表示された広告に関係する消費財など、広範の製品をカバーすることができる。一実施の形態では、ケーブルモデムを使用することによって迅速な送達が実現される。一実施の形態では、テレビアダプタ300は、データをダウンロードするためにモデムおよびテレビ接続を使用する。一実施の形態では、テレビアダプタ300は、データをダウンロードするためにネットワーク接続を使用する。一実施の形態では、例えば、ユーザがそのように選択したとき、ユーザがケーブルモデムを有していないとき、ユーザがその場所でのネットワークアカウントを有してないとき、あるいはユーザが無線接続で伝送のための良好な信号を取得できないとき、システムは遅延送達を行う。
【0077】
一実施の形態では、テレビアダプタ300は、識別子データ304を格納し、セキュリティ機能を提供し、ユーザが(テレビアダプタに含まれる音声認識技術314に発せられる音声コマンドを使用すること、またはテレビアダプタインタフェース上のボタン312を押すことのいずれかによって)なされる経路指定選択を助けるように構成されたAPSモジュール302を含む。一実施の形態では、APSモジュール302は、APSのテレビアダプタ側機能を実行する独自開発のマイクロチップ(またはマイクロチップの一部)である。一実施の形態では、APSモジュール302は、テレビアダプタ300内のプロセッサ上で動くソフトウェアモジュールである。
【0078】
また、資料は、テレビアダプタ300のAPSモジュール302内に格納され、外部テレビディスプレイ380に表示される選択リスト308をスクロールすることによって、後で遅れて購入するために「タグ付け」され得るそれによりユーザは、(テレビアダプタのAPSモジュール302に格納され)ディスプレイ380に表示されたリストから1つまたは複数の品目を購入のために選択することができる。一実施の形態では、選択された品目は、ケーブルモデムを使用して送信される。一実施の形態では、選択された品目は、無線電話などの無線送信機318を使用して送信される。別の実施の形態では、ユーザは、選択リスト308を、パーソナルコンピュータ340によって読取り可能な可搬性メモリ320に格納することができる。次いでユーザは、コンテンツをパーソナルコンピュータ340にダウンロードするために、インターネットを介して、個人のWebアカウントにアクセスする。ユーザは、この時点で、ダウンロードしたコンテンツを、例えばフラッシュカードやCD−ROMなどの記憶装置342に転送する。
【0079】
また、APSモジュール302からパーソナルコンピュータ340または他の装置内のソフトウェアに選択リストを転送するために、9ピンシリアルポート、USBポート、或いは他の任意のポートなど、テレビアダプタ300とパーソナルコンピュータ340との間を接続するように設計されたポート316をテレビアダプタ300に組み込むこともできる。パーソナルコンピュータ340上で実行されるAPSソフトウェアは、インターネットを介して選択された資料の購入を実行可能にする埋込みセキュリティコードを認識する、あるいは広告または募金運動に応答するように構成されている。また、装置の間で選択されたデータを転送するために、例えばBlueTooth、その他同種類のものなどの無線技術を使用する。
【0080】
一実施の形態では、APSモジュール302を装備するテレビアダプタおよび関連した技術においては、関連した放送に付随するRBDS/RDSデータ文字列から導出されたアーティストおよび歌の題名などの経路指定情報、WIN識別子、およびユーザ電子シリアル番号(ESN)を備えた購入要求(または対話式の応答)を送信するために、無線インタフェース218が使用される。一実施の形態では、購入要求を送信するために、テレビアダプタは、モデム(例えば電話モデム、ケーブルモデムなど)または他のネットワー
ク接続が使用される。それにより購入要求および経路指定情報は、処理のため、代金請求の承認のため、そしてユーザの要求に応じて(テレビアダプタ300にあるユーザのフラッシュカードや記憶技術、個人アカウントWeb URLなどの)特定の場所にコンテンツを送達するために、APSサーバ360に向けられる。一実施の形態では、購入された資料は、従来の郵便または小包サービスで配達される。
【0081】
テレビアダプタ内のフラッシュカードまたは記憶技術320は、ユーザに第2の選択肢を提供する。ユーザは、購入する放送コンテンツを選択するために対話式音声技術314またはボタンインタフェース312を使用して、購入するコンテンツを選択することができる。ユーザが無線接続を有していない場合、後の使用のために、コンテンツの選択をフラッシュカードまたは記憶技術320に格納することができる。
【0082】
ユーザのAPSへのアクセスは、リモート制御、音声による対話、または実際のTV上のボタンによって提供される。ユーザは放送コンテンツを見ているときに、購入するため、広告に応答するため、賞品の資格を得るためにテレビ放送に応答し、あるいは公共テレビの募金運動、またはトーク番組やゲーム番組などの対話式イベントに応答することができる。
【0083】
一実施の形態では、ユーザの応答は、パーソナルコンピュータ、セットトップボックス、およびそれらと同様のものなどのコンピューティング装置に、(例えば、フラッシュカードや他の可搬性記憶媒体、コンピュータとTETとの間のネットワーク接続、BlueToothなどの無線接続を介して)提供される。それによりコンピューティング装置は、上述したラジオの実施の形態で説明したのと同様の方法で、コンテンツを転送するのに使用される。
【0084】
一実施の形態では、TETからコンピューティング装置へのケーブル接続は、ユーザの反応を即座に転送するために使用される。一実施の形態では、例えばシリアルポート、USBポート、赤外線ポート、パラレルポート、Ethernet(登録商標)ポート、或いは他のポート技術などの通信ポートを使用して、TETとコンピューティング装置との間でデータが転送される。
【0085】
一実施の形態では、APSモジュールは、Webで使用可能なケーブルまたは衛星テレビ双方向サービスも提供する。一実施の形態では、(例えばケーブルモデムなどの)モデムがTETに含まれており、それによってTETがユーザ応答要求を直接(ケーブル会社などの)コンテンツプロバイダに送信することができる。一実施の形態では、APSシステムが従来のテレビで使用され得るように、APSモジュールがケーブルセットトップボックスに備えられている。
【0086】
上述したラジオの実施の形態で使用される経路指定、顧客識別、セキュリティ、追跡、および購入のためのメカニズムもまた、TETで使用され得る。
【0087】
ダウンロードサーバ、購入データベースサーバ、音声データベースサーバ、およびエンコーディングサーバは、1つまたは複数のコンピュータに存在させることができ、示したサーバの編成は説明のためのものであることを理解されたい。本明細書に記載した機能の一部またはすべてを実施するために、1つまたは複数のプログラムが使用される。
【0088】
好ましい実施の形態の上記の説明は、例として示したものにすぎず、限定の意味に解釈されるべきではない。本発明は、ある好ましい実施の形態の見地から説明してきたが、ここに明らかにした利点および特徴のすべてを具備しない実施の形態を含めて、当業者には明らかである他の実施の形態も本発明の技術的範囲内である。したがって、本発明の技術
的範囲は、添付した特許請求の範囲の参照によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1A】個々のラジオ受信機に情報を放送するラジオ放送局とともに電子購入システムを示す図である。
【図1B】個々のラジオ受信機に情報を放送するラジオ放送局とともに電子購入システムを示す図である。
【図1C】個々のラジオ受信機に情報を放送するラジオ放送局とともに電子購入システムを示す図である。
【図1D】個々のラジオ受信機に情報を放送するラジオ放送局とともに電子購入システムを示す図である。
【図2】自動購入システムモジュールを含むラジオ受信機を示す図である。
【図3】自動購入システムモジュールを含むテレビアダプタを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号の一部として提供されたデータに基づいて処理を行うシステムであって、
音声ストリーム、および該音声ストリーム内のプログラム資料を識別するRBDSデータストリームを含む放送チャネルから、RBDSデータ信号を抽出する放送受信機回路と、
前記データ信号に対応した情報を表示することを可能にするディスプレイと、
ユーザが表示された情報から処理を選択することを可能にするユーザ入力制御手段と、
ユーザの識別および選択された処理の識別を含み、応答認証システムに提供される処理要求を提供する出力装置とを含むシステム。
【請求項2】
表示された情報が購入可能な媒体ファイルを識別するものである請求項1記載のシステム。
【請求項3】
購入した音声を受け取る入力手段をさらに含む請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記入力手段が無線ネットワーク接続である請求項3記載のシステム。
【請求項5】
出力装置が可搬性メモリ装置である請求項1記載のシステム。
【請求項6】
出力装置がシリアルデータポートである請求項1記載のシステム。
【請求項7】
出力装置がパラレルデータポートである請求項1記載のシステム。
【請求項8】
出力装置が無線送信機である請求項1記載のシステム。
【請求項9】
ラジオ放送信号における媒体ストリームとともに送信されたデータストリームに応答するシステムであって、
前記ラジオ放送信号を検出し、前記データストリームから、少なくとも一部が前記媒体ストリーム内のプログラムコンテンツを識別するように構成されているデータ信号を抽出する放送受信機回路と、
前記データ信号を格納するメモリと、
前記データ信号に対応する情報を表示するディスプレイと、
ユーザが前記デジタル信号に対応した購入要求に着手することを可能にするユーザ入力制御手段と、
前記購入要求を応答認証システムに送信する送信機と、
通信ネットワークを介して前記購入要求に対応する媒体を受け取る媒体ダウンロード装置とを含むシステム。
【請求項10】
前記ユーザ入力制御手段がボタンである請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザ入力制御手段が音声コマンド装置である請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記データストリームがラジオ放送データシステム標準に準拠しているものである請求項9記載のシステム。
【請求項13】
前記データストリームがラジオデータサービス標準に準拠しているものである請求項9記載のシステム。
【請求項14】
前記送信機が無線接続を使用するものである請求項9記載のシステム。
【請求項15】
前記送信機がコンピュータとのインタフェースを使用するものである請求項9記載のシステム。
【請求項16】
放送ラジオ信号内に埋め込まれたデータストリームに応答して送信された要求を処理する応答認証システムであって、
顧客情報を含むデータベースと、
データストリーム識別子コードと通信ネットワーク上の前記データストリームの場所とを相互に関連付けるデータベースと、
前記放送ラジオ信号へのユーザの応答によって生成され、プログラム部分および該プログラム部分を識別するデータ部分を有する指定のデータストリームに対する要求の受取り
と、前記データストリーム場所データベースに含まれる情報とを相互に関連付けるサーバと、
顧客情報の通信を受け取る注文遂行サーバとを含むシステム。
【請求項17】
注文の完了によって指定されたデータストリームに対応するファイルがダウンロードされるものである請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記データストリーム識別子コードがコンパクトディスク上に格納された識別情報から抽出されるものである請求項16記載のシステム。
【請求項19】
放送チャネル内に埋め込まれたデータストリームへの応答を提供する方法であって、
変調されたデジタル信号ストリームおよび変調されたアナログ信号ストリームを含むラジオ放送信号からデジタルデータ信号を抽出するステップと、
前記変調されたアナログ信号ストリームを復調し、該復調されたアナログ信号ストリームを再生するステップと、
ユーザが前記デジタルデータ信号のコンテンツを識別し、スクロールすることを可能にするフォーマットでデジタルデータを表示するステップと、
前記表示されたデジタルデータからユーザによって選択された選択を送信するステップとを含む方法。
【請求項20】
音声放送への応答を受け取る方法であって、
音声信号、および該音声信号を識別し、該音声信号に関する情報を受信機がユーザに表示することを可能にするフォーマットで放送される付随し識別するデータ信号を含む信号を放送するステップと、
ユーザ、およびユーザが応答している音声信号を識別するユーザからの応答を受け取るステップと、
ユーザ識別および前記音声信号の入手可能性を確認するステップと、
ユーザへの応答を行うステップとを含む方法。
【請求項21】
前記ユーザへの応答を行うステップが、媒体ファイルを送信することを含む請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記ユーザの応答に作用するステップが寄付を処理することを含む請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザの応答に作用するステップが、複数の媒体ファイルを送信することを含む請求項20記載の方法。
【請求項24】
放送信号の一部として提供されたデータに基づいて処理を実行するシステムであって、
音声ストリーム、ビデオストリーム、およびデータストリームを含む放送信号からデータ信号を抽出する放送受信機回路と、
前記データ信号に対応した情報をテレビ画面に表示することを可能にするディスプレイドライバと、
ユーザが前記表示された情報から処理を選択することを可能にするユーザ入力制御手段と、
応答認証システムによって提供される、ユーザの識別および選択された処理の識別を含む処理要求を提供する出力装置とを含むシステム。
【請求項25】
放送信号の一部として提供されたデータに基づいて処理を実行するシステムであって、
放送ラジオ周波数信号から、音声ストリームおよびデータストリームを含むデータ信号を抽出する放送受信機回路と、
ユーザが前記音声ストリームコンテンツに基づいて処理に着手するのを可能にするユーザ入力制御手段と、
応答認証システムによって提供される、ユーザの識別および選択された処理の識別を含む処理要求を提供する出力装置とを含むシステム。
【請求項26】
放送ラジオ周波数信号の一部として提供されたテータに基づいて処
理を実行するシステムであって、
音声ストリーム、および該音声ストリームにおけるプログラム資料を識別するデータストリームを含む放送チャネルからデータ信号を抽出する手段と、
前記データ信号に対応する情報を表示する手段と、
ユーザが前記表示された情報から処理を選択することを可能にする手段と、
応答認証システムによって提供される、ユーザの識別および選択された処理の識別を含む処理の要求を行う手段とを含むシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−239429(P2011−239429A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137834(P2011−137834)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【分割の表示】特願2002−527094(P2002−527094)の分割
【原出願日】平成13年9月13日(2001.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503098104)ストラトス オーディオ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】