説明

孔あき板ガラスを取付ける方法および連結する方法ならびに板ガラス構造体

【課題】孔あき板ガラス同士または、孔あき板ガラスと構造部材とをガラス孔を貫通するシャフトを介して接合する構法において、孔位置にズレがあってもシャフトの貫通を可能とする。
【解決手段】ガラス孔2に嵌合し、孔の中心が異なる孔を有する外側リング3と、外側リングに内接し、孔の中心が異なる孔を有する内側リング4とで構成される偏心ダブルリング5をそれぞれのガラス孔2に挿入し、外側リング3と内側リング4を回転させそれぞれのガラス孔内の内側リング4の孔の中心と構造物の支持部材のシャフトの取付け位置の中心を一致させた後に、シャフトを貫通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔あき板ガラスを取付ける方法および連結する方法ならびに板ガラス構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーテンウォール構法等の外装構法において、孔あき板ガラスの孔に固定用ボルトを挿入し、支持部材を介して板ガラスを建築物の躯体に固定するDPG構法(ドット・ポイント・グレージング構法:孔あき板ガラス点支持構法)が、採光、視界の良さ等の理由で広く用いられている。該DPG構法において、板ガラス同士を中間膜を用いて接着した合わせガラスを用いたものが破損時の安全性の観点から増加している。
【0003】
また、最近では板ガラス自体を構造体とした構法として、複数枚の孔あき板ガラス同士を、孔を貫通するシャフトにより連結させ、リブガラスやガラス柱・梁等に使用することも徐々に増えている。これらの構法においても、板ガラス破損時の安全性の観点から、合わせガラスが用いられることが多い。
【0004】
しかし、従来、複数枚の孔あき板ガラスからなる合わせガラス等を、該ガラスの孔を貫通するシャフトを介して他の部材に取付ける際、孔あけ加工の精度上の問題から合わせガラスを構成する2枚の板ガラスの孔位置がズレたり、複数枚の板ガラスにおいて板ガラスごとの孔位置がズレたりして、その孔の中心を合わせる調整に手間がかかる欠点がある。最悪の場合、シャフトを孔に貫通させることができず、施工が不可能となる。
【0005】
上記欠点の対処法として、一つは孔あけ加工時の加工精度を向上させることであり、他の一つは施工時に孔の中心を合わせる調整に工夫を図ることである。
しかし、前者は、加工装置の装置コスト、加工タクト等の点で必ずしも容易ではなく、また全ての板ガラスを同一工場、同一装置で加工するとは限らず、装置の互換性の問題等もあり、容易に解決できるものではない。また、後者は、通常足場の悪い施工場所で重量物である板ガラスを扱うことより容易ではない。
また、施工場所で施工時に孔あけ加工をすることも理論上は可能ではあるが、現実的ではない。
【0006】
また、特開2000−309994において、複数枚の孔あき板ガラスのそれぞれのガラス孔に嵌合する外側リングと、該外側リングに内接し、中心がリング外周の中心と異なる孔を有する内側リングとで構成されるダブルリングをそれぞれのガラス孔に挿入し、前記ダブルリングの孔の中心を一致させた後に、シャフトを貫通させる方法が提案されている。しかし、当該技術によって2枚の板ガラスの孔位置同士を一致させることはできるが、複数枚の孔あき板ガラスのそれぞれの孔位置と、板ガラスを支持するブラケット等の支持部材の孔位置を一致させることは容易ではない。
【0007】
【特許文献1】特開2000−309994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術が有する前記課題を解決することを目的とし、孔あき板ガラスを取付ける方法および連結する方法において、孔にシャフトを貫通させる際に、孔位置のズレがあっても、該ズレを修正し容易にシャフトを貫通させる方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数枚の孔あき板ガラス同士を、ガラス孔を貫通するシャフトを介して連結
し構造物の部材に取付ける、孔あき板ガラスを取付ける方法において、前記孔あき板ガラ
スのそれぞれのガラス孔に嵌合するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を
有する外側リングと、該外側リングに内接するリングであって中心がリング外周の中心と
異なる孔を有する内側リングと、で構成される偏心ダブルリングをそれぞれのガラス孔に
挿入し、前記偏心ダブルリングの外側リングと内側リングとを回転させそれぞれのガラス
孔内の前記内側リングの孔の中心と構造物の支持部材のシャフトの取付け位置の中心とを
一致させた後に、シャフトを貫通させることと、該内側リングの他方のガラスと接する面側の外周コーナー部に所定幅のテーパー状の面取り部が施され、該外側リングには該面取り部に対応する位置および形状のオーバーハングが内周方向に形成されることとを特徴とする、孔あき板ガラスを取付ける方法を提供する。
また、本発明は、複数枚の孔あき板ガラス同士を、ガラス孔を貫通するシャフトを介して連結し構造物の部材に取付ける、孔あき板ガラスを取付ける方法において、前記孔あき板ガラスのそれぞれのガラス孔に嵌合するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する外側リングと、該外側リングに内接するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する内側リングと、で構成される偏心ダブルリングをそれぞれのガラス孔に挿入し、前記偏心ダブルリングの外側リングと内側リングとを回転させそれぞれのガラス孔内の前記内側リングの孔の中心と構造物の支持部材のシャフトの取付け位置の中心とを一致させた後に、シャフトを貫通させることと、該外側リングの他方のガラスと接しない面側において該外側リングの外周に沿って板ガラスの表面の一部を覆うようなフランジ状の突出部が形成されることとを特徴とする、孔あき板ガラスを取付ける方法を提供する。
【0010】
この構成により、通常の孔あけ加工精度で孔あけ加工された板ガラスを用い、施工時に板ガラスを動かし孔の中心を合わせる位置調整をせずにシャフトを貫通させ、板ガラス同士をシャフトを介して連結したり、板ガラス同士をシャフトを介して連結し、構造物の支持部材に取付けることが容易にできる。
また、この構成により、小径である内側リングおよび外側リングが大径であるガラス孔に脱落することを防止できる。このように偏心ダブルリングの脱落防止を図ることにより、リング回転時の作業性を向上させることができる。
【0011】
本発明において、前記孔あき板ガラスが、複数枚の孔あき板ガラス同士を中間膜を用いて接着することによって構成される孔あき合わせガラスであることが好ましい。
【0012】
すなわち、板ガラスは、合わせガラスであることが破損時の安全性の観点から好ましいが、孔中心の異なる板ガラスからなる孔あき合わせガラスであっても上記構成によりシャフトを介して容易に連結でき、また、構造物の部材に取付けることが容易になる。なお、合わせガラスは、強化板ガラスを用いた強化合わせガラスであれば一層安全性の観点から好ましい。また、板ガラスは、2枚以上の板ガラスを周縁のスペーサを介して接合してなる複層ガラスであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、孔あき板ガラスの取付け構法において、孔にシャフトを貫通させる際に、孔位置のズレがあっても、偏心ダブルリングによりズレを修正し容易にシャフトを貫通させる方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施のための最良の形態を図面に基づいて説明する。
複数枚の孔あき板ガラスを用いた場合として、合わせガラスを用いた例を示す。図1に本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の実施例の要部断面図を、図2に本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の他の実施例の内側リングと外側リングとの嵌合部の要部断面図を、図3に本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の正面図を示す。
【0015】
孔あき合わせガラス1の孔あき板ガラス1a、1bのガラス孔2(2a、2b)に、外側リング3(3a、3b)と内側リング4(4a、4b)とで構成される偏心ダブルリング5、5が挿入される。外側リング3の外径は、外側リング3がガラス孔2に若干の空隙をもって嵌合できる値が好ましく、孔の中心が外側リング3の外周の中心と異なる孔(内側リング挿入孔)を有する。内側リング4は、外側リング3に内接し、孔の中心が内側リング4の外周の中心と異なる孔(シャフト挿入孔)を有する。
【0016】
すなわち、外側リング3と内側リング4は、互いに独立してガラス面と同一面内で回転でき、外側リング3の孔(内側リング挿入孔)の中心が外側リング外周の中心から一定の偏心量δ1(図示せず)だけ偏心しており、内側リング4の孔(シャフト挿入用)の中心が内側リング外周の中心から一定の偏心量δ2(図示せず)だけ偏心している。このような構成とすることで、外側リング3と内側リング4とを回転させると、内側リング4の孔の位置を所定範囲内の任意の場所に位置できる。
【0017】
したがって、図1から3に示されるように2枚の孔あき板ガラス1a、1bのガラス孔2(2a、2b)の中心がズレている場合でも、いずれか、または、双方の内側リング4(4a、4b)と外側リング3(3a、3b)、または、どちらか一方の内側リング4(4a、4b)および/または外側リング3(3a、3b)を回転させシャフト挿入孔(内側リング4の孔)の中心位置を調整することで、2枚の孔あき板ガラス1a、1bのシャフト挿入孔の中心位置と孔あき合わせガラスを接合する構造物の支持部材7のシャフト取付け位置、または、他の孔あき板ガラス1a、1bのシャフト挿入孔の中心を一致させるか接近させることができる。これによりシャフト6の貫通が容易となる。
【0018】
内側リング4と外側リング3との嵌合部では、内側リング4の一側(右側)の外周コーナー部には所定幅のテーパー状の面取り部10が施されており、外側リング3には該テーパーに対応する位置に対応する形状のオーバーハング11が内周方向に形成される。これにより内側リング4が脱落しないような構成となる。
【0019】
また、孔あき板ガラス1a、1bの他方の板ガラスと接しない面側における外側リング3において、外側リング3の外周に沿って孔あき板ガラス1a、1bの表面の一部を覆うようなフランジ状の突出部12を設けることにより、外側リングの脱落を防止できる。
【0020】
孔あき合わせガラス1のそれぞれの孔あき板ガラス1a、1bに穿設されたガラス孔2(2a、2b)の径が異なる場合、前述のように内側リング4に面取り加工10および外側リング3にオーバーハング加工11を施し、また、前述のように外側リング3に突出部12を設けることにより、小径である内側リング4および外側リング3が大径であるガラス孔2に脱落することを防止できる。
【0021】
このように偏心ダブルリング5の脱落防止を図ることにより、リング回転時の作業性を向上させることができる。なお、突出部12を設けるリングは、外側リング3に限らず、内側リング4、緩衝リング8のいずれかであってもよく、同様の突出部を設けることにより前述の効果が得られる。
【0022】
内側リング4は、その孔を貫通するシャフト6を介して構造物の支持部材7と接合されるため、各種の応力に耐えうる強度、および十分な耐久性を有する材料からなるものが好ましく、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属材料または高強度プラスチックが望ましい。
【0023】
外側リング3は内側リング4から伝達される各種の応力に耐えうる強度、および充分な耐久性を有する材料からなるものが好ましく、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属材料または高強度プラスチックが望ましい。
【0024】
外側リング3とガラス孔2との間には、少なくとも1個の緩衝リング8(8a、8b)を挿入することが望ましい。外側リング3が孔あき合わせガラス1よりも硬質の材料、たとえば、ステンレス鋼製であると、外側リング3の側面(外周面)とガラス孔2(内周面)との接触により、孔あき板ガラス1a、1bに板ガラスの強度低下を生じさせるような傷がつくおそれがある。このような板ガラスの傷の発生を抑えるため、緩衝リング8aは、アルミニウムやポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂のように孔あき板ガラス1a、1bよりも軟質の材料からなり、径方向の厚さ(該リングの内外径の差の1/2)が0.5〜10mmであることが、好ましい。
【0025】
なお、外側リング3の材料として孔あき合わせガラス1よりも軟質で、内側リング4から伝達される各種の応力に耐えうる強度、および十分な耐久性を有する材料を用いることにより、外側リング3に前記緩衝リング8aの機能を付与することもできる。このようなリングの材料として、たとえばアルミニウム等が挙げられる。
【0026】
図1および2において、外側リングの突出部12と相対する孔あき板ガラス1a、1bとが接触する箇所には、孔あき合わせガラス1よりも軟質な材料で、厚さが0.05〜5mm程度の緩衝ワッシャ13を挿入することが望ましい。緩衝ワッシャ13の材質としては、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等の耐久性に優れたエンジニアリングプラスチックが使用できる。
【0027】
また、外側リング3の突出部12とそれに相対する板ガラスとが接触する箇所に、前記のような緩衝ワッシャ13を挿入することにより、前記の孔あき合わせガラスと接合する構造物の支持部材と孔あき板ガラスとの間に挿入する緩衝部材9を省略できる。
【0028】
ガラス孔2と外側リング3との間に緩衝リング8を挿入する場合にはガラス孔2と緩衝リング8との間には、ガラス孔強度の安定、向上を目的として、通常のソーダライムシリケートガラスの縦弾性係数71,600MPaよりもはるかに縦弾性係数の小さな緩衝リング14をさらに挿入することが好ましい(図2、図3参照)。たとえば、1,000〜20,000MPa程度の縦弾性係数の材料を使用することが好ましい。
【0029】
緩衝リング8の材料としては、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等の耐久性に優れたエンジニアリングプラスチックが挙げられる。また、緩衝リング14の径方向の肉厚が過大であると、該緩衝リング14に経時変化が生じることが懸念されるので、緩衝リング14の径方向の肉厚は、0.05〜5mm程度とすることが好ましい。
【0030】
また、ガラス孔2と緩衝リング14との間、および緩衝リング14とその内側の外周リング3との間にエポキシ樹脂等を充填すると、ガラス孔2の強度が安定、向上する。すなわち、ガラス孔2の加工面には穿設によって細かい凹凸を生じ、該細かい凹凸に応力集中が生じて孔あき板ガラス1a、1bは破壊しやすくなる。この場合、緩衝リング14を入れるガラス孔2の加工面にエポキシ樹脂等を充填すると、凹凸が減少し、さらに接触面積が大きくなり孔強度がさらに安定、向上するという効果が得られる。また、前記のように接着剤層を設けることにより、これらのリングのガラス孔2からの脱落を防止できる。
【0031】
図4、5、および6に、本発明に係る孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の参考例の主要断面図を示した。
【0032】
図4の構成においては、シャフト6の右端にはフランジ部6aが形成されており、シャフト6の左端にはネジ部が形成されている。そして、ナット部材6bを前記ネジ部に螺合することで、孔あき合わせガラス1の支持部材7、7への固定がなされる。
【0033】
図5に本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法および連結する方法において、外側リング3に緩衝リングの機能を付与させた場合の要部断面図を示す。孔あき合わせガラス1と接合する構造物の支持部材7は、通常、充分な強度と耐久性を有する材料、たとえば鋼材等、が用いられており、支持部材7と孔あき板ガラス1a、1bとの接触により、孔あき板ガラス1a、1bに板ガラスの強度低下を生じさせるような傷がつくおそれがある。
【0034】
このような板ガラスの傷の発生を抑えるため、支持部材7と孔あき合わせガラス1との間には、孔あき板ガラス1a、1bよりも軟質な材料からなる緩衝部材9(図4、図5参照)を挿入することが望ましい。好ましい材料としては、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等の耐磨耗性に優れたエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0035】
図1〜図5の例では、ガラス孔2を孔径が厚さ方向の全体に亘って均一な直孔として記述しているが、図6に示されるように、孔あき板ガラスに穿設されたガラス孔2の少なくとも一表面側が皿孔状に加工されていても、同様の効果が得られる。
なお、本実施例において、孔あき板ガラスとしては孔あき合わせガラス1の例を説明したが、本発明はこれに限定されず、各種の板ガラスに適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、孔あき板ガラスを取付ける方法および連結する方法ならびに板ガラス構造体に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の実施例の要部断面図。
【図2】本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の他の実施例の内側リングと外側リングとの嵌合部の要部断面図。
【図3】本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の実施例の略正面図。
【図4】本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の参考例の要部断面図。
【図5】本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の参考例の要部断面図。
【図6】本発明の孔あき板ガラスを取付ける方法または連結する方法の参考例の要部断面図。
【符号の説明】
【0038】
1:孔あき合わせガラス
1a、b:孔あき板ガラス
1c:中間膜
2(2a、2b):ガラス孔
3(3a、3b):外側リング
4(4a、4b):内側リング
5:偏心ダブルリング
6:連結シャフト
6a:フランジ部
6b:ナット部材
7:支持部材
8(8a、8b):緩衝リング
9:緩衝部材
10:面取り部
11:オーバーハング
12:突出部
13:緩衝ワッシャ
14(14a、14b):緩衝リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の孔あき板ガラス同士を、ガラス孔を貫通するシャフトを介して連結し構造物の部材に取付ける、孔あき板ガラスを取付ける方法において、
前記孔あき板ガラスのそれぞれのガラス孔に嵌合するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する外側リングと、該外側リングに内接するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する内側リングと、で構成される偏心ダブルリングをそれぞれのガラス孔に挿入し、前記偏心ダブルリングの外側リングと内側リングとを回転させそれぞれのガラス孔内の前記内側リングの孔の中心と構造物の支持部材のシャフトの取付け位置の中心とを一致させた後に、シャフトを貫通させることと、該内側リングの他方のガラスと接する面側の外周コーナー部に所定幅のテーパー状の面取り部が施され、該外側リングには該面取り部に対応する位置および形状のオーバーハングが内周方向に形成されることとを特徴とする、孔あき板ガラスを取付ける方法。
【請求項2】
複数枚の孔あき板ガラス同士をガラス孔を貫通するシャフトを介して連結する、孔あき板ガラスを連結する方法において、
前記孔あき板ガラスのそれぞれのガラス孔に嵌合するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する外側リングと、該外側リングに内接するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する内側リングと、で構成される偏心ダブルリングをそれぞれのガラス孔に挿入し、前記偏心ダブルリングの外側リングと内側リングとを回転させそれぞれのガラス孔内の前記内側リングの孔の中心どうしを一致させた後に、シャフトを貫通させることと、該内側リングの他方のガラスと接する面側の外周コーナー部に所定幅のテーパー状の面取り部が施され、該外側リングには該面取り部に対応する位置および形状のオーバーハングが内周方向に形成されることとを特徴とする、孔あき板ガラスを連結する方法。
【請求項3】
複数枚の孔あき板ガラス同士を、ガラス孔を貫通するシャフトを介して連結し構造物の部材に取付ける、孔あき板ガラスを取付ける方法において、
前記孔あき板ガラスのそれぞれのガラス孔に嵌合するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する外側リングと、該外側リングに内接するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する内側リングと、で構成される偏心ダブルリングをそれぞれのガラス孔に挿入し、前記偏心ダブルリングの外側リングと内側リングとを回転させそれぞれのガラス孔内の前記内側リングの孔の中心と構造物の支持部材のシャフトの取付け位置の中心とを一致させた後に、シャフトを貫通させることと、該外側リングの他方のガラスと接しない面側において該外側リングの外周に沿って板ガラスの表面の一部を覆うようなフランジ状の突出部が形成されることとを特徴とする、孔あき板ガラスを取付ける方法。
【請求項4】
複数枚の孔あき板ガラス同士をガラス孔を貫通するシャフトを介して連結する、孔あき板ガラスを連結する方法において、
前記孔あき板ガラスのそれぞれのガラス孔に嵌合するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する外側リングと、該外側リングに内接するリングであって中心がリング外周の中心と異なる孔を有する内側リングと、で構成される偏心ダブルリングをそれぞれのガラス孔に挿入し、前記偏心ダブルリングの外側リングと内側リングとを回転させそれぞれのガラス孔内の前記内側リングの孔の中心どうしを一致させた後に、シャフトを貫通させることと、該外側リングの他方のガラスと接しない面側において該外側リングの外周に沿って板ガラスの表面の一部を覆うようなフランジ状の突出部が形成されることとを特徴とする、孔あき板ガラスを連結する方法。
【請求項5】
孔あき板ガラスに穿設されたガラス孔の少なくとも一方の表面側が皿孔状に加工されている請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記孔あき板ガラスが、複数枚の孔あき板ガラス同士を中間膜を用いて接着することによって構成される孔あき合わせガラスである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1または3に記載の方法により、複数枚の孔あき板ガラス同士が、ガラス孔を貫通するシャフトを介して連結され構造物の部材に取付けられてなる板ガラス構造体。
【請求項8】
請求項2または4に記載の方法により、複数枚の孔あき板ガラス同士が、ガラス孔を貫通するシャフトを介して連結されてなる板ガラス構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−239457(P2007−239457A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170787(P2007−170787)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【分割の表示】特願2001−12232(P2001−12232)の分割
【原出願日】平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】