学習ナビゲーションシステム
【課題】学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】教材または該教材に関するテストを表示する手段と、メモ帳を表示する手段と、利用者による、前記教材の閲覧情報及び前記メモ帳への入力情報を収集する手段と、前記収集した情報に基づき、前記利用者の学習状態を判定する手段と、
前記判定結果に応じた教材を記憶手段から検索して表示する手段とを有し、これらの手段により、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することができる。
【解決手段】教材または該教材に関するテストを表示する手段と、メモ帳を表示する手段と、利用者による、前記教材の閲覧情報及び前記メモ帳への入力情報を収集する手段と、前記収集した情報に基づき、前記利用者の学習状態を判定する手段と、
前記判定結果に応じた教材を記憶手段から検索して表示する手段とを有し、これらの手段により、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習者がネットワーク上で電子教材を学習する学習ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術の発展により、学習者の時間・場所を限定しない学習方法である、e-learningシステムが着目されている。しかし、学習を監督し適切にナビゲーションを行う、教師に該当する機能がe-learningは存在しないため学習者のモチベーションの維持が難しい。e-learningの時間・場所の制約を限定しない利点を活かし、学習者を監視誘導する仕組みが検討されている。
【0003】
特許文献1では、個人の学習の習熟度を把握する特許が申請され、学習者の状況を把握する手法が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-023506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の学習状態の把握手法では、学習終了後のテストなどのテストの結果などから、状態を把握していた。このため、学習者にとっては簡単すぎる教材や、難しすぎる教材を提示してしまい、学習者の意欲を減衰する場合がある。対面型の学習であれば、教師が学習者の状態を監視・推定し、適切な学習方法を導くことができるが、e-learningにおいては学習者を監視する方法がない。
【0006】
本発明の目的は、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、利用者がネットワーク上で教材を学習可能な学習ナビゲーションシステムであって、前記教材または該教材に関するテストを表示する手段と、メモ帳を表示する手段と、前記利用者による、前記教材の閲覧情報及び前記メモ帳への入力情報を収集する手段と、前記収集した情報に基づき、前記利用者の学習状態を判定する手段と、前記判定結果に応じた教材を記憶手段から検索して表示する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図である。
【図2】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図の中の、11のWebサーバの構成例を示す図である。
【図3】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図の中の、12のDBサーバの構成例を示す図である。
【図4】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図の中の、13のクライアント端末の構成例を示す図である。
【図5】クライアント端末図の412における、教材の登録画面図である。
【図6】クライアント端末図の413における、補助教材表示画面例を示す図である。
【図7】図6の学習状態推定エージェントが動作するブラウザ画面である。
【図8】図7の学習状態推定エージェント使用時に表示される、ポップアップ画面である。
【図9】クライアント端末図の413における、教材選択画面例を示す図である。
【図10】教材ごとの項目情報を管理する、教材項目DB218の構成例を示す図である。
【図11】図23のテスト中の学習者の状態推定を行う際に使用される、テストの画面図である。
【図12】ユーザ毎の学習状況を管理する教材学習状況DB211の構成例を示す図である。
【図13】教材ごとにどのような内容がメモされたかを示す、メモDB212の構成例を示す図である。
【図14】教材ごとに、設定される知識レベルと知識体系と左記に関連する設問を登録した設問情報DB213の構成例を示す図である。
【図15】教材ごとに設定されたテストの情報を管理する、テストDB214の構成例を示す図である。
【図16】教材ごとに設定されたテスト項目単位の情報を管理する、テスト項目DB215の構成例を示す図である。
【図17】ユーザ情報を管理する、クライアント情報DB216の構成例を示す図である。
【図18】教材の情報を管理する、教材DB217の構成例を示す図である。
【図19】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図20】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図21】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図22】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図23】図3の教材Webサーバの303における、テスト及び学習操作をインプットとした場合の、学習状態推定システムの処理フローチャート図の一部である。
【図24】図3の教材Webサーバの303における、テスト及び学習操作をインプットとした場合の、学習状態推定システムの処理フローチャート図の一部である。
【図25】図3の教材Webサーバの303における、テスト及び学習操作をインプットとした場合の、学習状態推定システムの処理フローチャート図の一部である。
【図26】クライアント端末図の411における、教材を学習中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図27】クライアント端末図の411における、教材を学習中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図28】クライアント端末図の411における、教材を学習中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のe-learningシステムを実現するための形態を図を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明によるクライアント端末の利用システムを示すシステム構成図であって、10は教材DBサーバ、11は教材Webサーバ、12はクライアント端末である。
【0012】
同図において、教材データベースサーバ10(以下、「データベース」は「DB」と記す)と教材Webサーバ11と複数のクライアント端末101とがインターネットやイントラネットなどのネットワークを介して接続されており、これにより、システムが構成されている。
【0013】
図2は、教材DBサーバ10のハードウェア構成例を示す図である。図2に示すように、教材DBサーバ10は、CPU等の制御部222と、クライアントがサービスを利用するための教材データや、教材WEBサーバ11がクライアントの学習状態を判定するために使用する各種学習履歴情報等が格納された記憶部225と、ネットワークインタフェース部223とを具備する。各部は、BUS(バス)224等により接続されている。
【0014】
記憶部225には、教材学習状況DB211とメモDB212と設問情報DB213とテストDB214とテスト項目DB215とクライアント情報DB216と教材DB217と教材項目DB218とが格納されている。次に、各DBの構成について説明する。
【0015】
図12は、教材学習状況DB211の構成例を示す図である。教材学習状況DB211は、クライアントが学習内容を理解できているどうか、クライアント毎の学習状況を管理するDBである。図12に示すように、教材学習状態DB211は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1201とユーザID1202と学習状態フラグ1203と採点結果1204とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0016】
教材ID1201は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。また、教材ID1201は合わせてクライアントが解答するテストを一意に識別するための情報である。クライアントID1202は、クライアントを一意に識別するための情報である。学習状態フラグ1203は、クライアントの学習状態を示す情報である。本実施形態では、フラグが「1」の場合は、「流し読みしていた状態」を示し、フラグが「2」の場合は、「学習完了状態」を示し、フラグが「3」の場合は、「勘で解答した可能性がある」を示す。採点結果1204は、教材IDごとの、テストの採点結果を示す。
【0017】
図13は、メモDB212の構成例を示す図である。メモDB212は、教材毎に、クライアントにより学習中に入力された文字列を管理するDBである。図13に示すように、メモDB212は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1301とクライアントID1302とメモ内容1303とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0018】
教材ID1301は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。クライアントID1302は、クライアントを一意に識別するための情報である。メモ内容1303は、本システムに搭載されているメモ帳システムに記載された内容を記録するものである。
【0019】
図14は、設問情報DB213の構成例を示す図である。設問情報DB213は、教材毎に学習中の教材に関係する知識レベル、知識体系をもつ設問情報を管理するDBである。図14に示すように、設問情報DB213は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1401と設問ID1402と知識体系1403と知識レベル1404と設問1405と正解1406とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0020】
教材ID1401は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。設問ID1402は、クライアントが教材学習時に出題される設問を一意に識別するための情報である。知識体系1403は、該当の設問に回答する上で必要な知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。
【0021】
知識レベル1404は、知識体系1403における知識のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。設問1405は、知識体系1403と知識レベル1404に関連する設問自体を示す。正解1406は、設問1405に対する正解を示す。
【0022】
図15は、テストDB214の構成例を示す図である。テストDB214は、学習終了後に実施する教材毎のテストの情報を管理するDBである。図15に示すように、テストDB214は複数のレコードを有し、各レコードには、テストID1501と知識体系1502と知識レベル1503と平均解答時間1504と解答時間1505と合格点1506と正解1507とテスト1508と教材ID1509を示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0023】
テストID1501は、クライアントがテストを実施する教材を一意に識別するための情報である。知識体系1502は、該当のテストに回答する上で必要な知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。知識レベル1503は、知識体系1502のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均解答時間1504は、テストID1501ごとに、テストを行ったクライアントがテストを終了するまでの時間をカウントし、平均時間を記録した情報を示す。解答時間1505は、各クライアントがテストID1501に該当するテストの規定の解答時間を示す。合格点1506は、テストID1501ごとにテストが合格と判定されるために必要な点数を示す情報である。正解1507は、テスト1508の問題の正解を示す情報である。テスト1508は、テストIDのテスト内容を示す情報である。教材ID1509は、当該テストがどの教材の学習終了後に実施するテストかを示す情報である。
【0024】
図16は、テスト項目DB215の構成例を示す図である。テスト項目DB215は、教材毎のテスト項目の情報を管理するDBである。図16に示すように、テスト項目DB215は複数のレコードを有し、各レコードには、テストID1601と項目ID1602と知識体系1603と知識レベル1604と平均解答時間1605と解答時間1606と正解1607と項目テスト1608と教材ID1609を示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0025】
テストID1601は、クライアントがテストを実施する教材を一意に識別するための情報である。項目ID1602は、テストIDごとのテスト項目を示す。知識体系1603は、該当のテスト項目に回答する上で必要な知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。知識レベル1604は、知識体系1603のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均解答時間1605は、テストID1601及び項目ID1602ごとに、テスト問題の解答時間をカウントし、これらの平均時間を記録した情報を示す。解答時間1606は、各クライアントがテストID1601及びテスト項目IDに設定された、規定の解答時間を示す。正解1607は、項目テスト1608の正解を示す。項目テスト1608は、テストIDの項目ID1602の問題内容を示す。
【0026】
図17は、クライアント情報DB216の構成を示す図である。クライアント情報DB216は、クライアントに関する情報を管理するDBである。図17に示すように、クライアント情報情報DB216は複数のレコードを有し、各レコードには、クライアントID1701とパスワード1702と平均学習時間1703と教材及びテスト毎の学習時間1704と教材及びテストごとの教材ID1705をを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0027】
クライアントID1701は、クライアントを一意に識別するための情報である。クライアントID1701とパスワード1702の組合せで、クライアントを認証するための認証情報を示す。平均学習時間1703は、クライアントのごとの教材を学習するの要する平均学習時間を示す。学習時間1704は、教材及びテスト毎の学習時間を示す。教材ID1705は、教材IDとテストIDが記録される。
【0028】
図18は、教材DB217の構成を示す図である。教材DB217は、教材の情報を管理すDBである。図18に示すように、教材DB217は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1801と教材名1802と知識体系1803と知識レベル1804と平均解答時間1805と学習時間1806と教材1807とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0029】
教材ID1801は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。教材名1802は、教材IDごとの教材の名称を示す。知識体系1803は、該当の教材を学習する事で得ることのできる知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。知識レベル1804は、知識体系1803のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均学習時間1805は、教材ID1801ごとに、教材の学習終了までに要した時間をカウントし、平均時間を記録した情報を示す。学習時間1806は、各クライアントが教材ID1801ごとに設定された規定の学習時間を示す。教材1807は、格納されている教材の内容を示す。
【0030】
図10は、教材項目DB218の構成を示す図である。教材項目DB218は、教材毎の項目情報を管理するDBである。図10に示すように、教材DB218は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1901と項目ID1902と知識体系1903と知識レベル1904と平均解答時間1905と学習時間1906と表示回数1907とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0031】
教材ID1901は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。項目ID1902は、教材IDごとの教材を構成する一段落単位(項目)を示す。知識体系1903は、該当の教材IDの項目ID単位に、学習する事で得ることのできる知識を示す情報である。知識レベル1904は、知識体系1903のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均学習時間1905は、教材ID1901ごとに、教材の学習終了までに特定の項目の学習に要した時間をカウントし、これらの平均時間を記録した情報を示す。学習時間1906は、各クライアントが教材ID1901ごとの項目ID1902設定された規定の学習時間を示す。表示回数1907は、教材IDの項目IDが示す箇所を、何回表示させて学習を行ったかを示す
図3は、教材WEBサーバ11のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すように、教材WEBサーバ11は、CPU等の制御部305と、記憶部302と、ネットワークインタフェース部306とを具備する。各部はBUS等307により接続されている。
【0032】
記憶部302には、学習状態判定プログラム303と教材登録プログラム304と教材登録画面表示プログラム308と補助教材画面表示プログラム309と教材選択画面表示プログラム310が格納されている。学習状態判定プログラム303は、クライアント端末12から送信される入力情報をもとに、教材を学習中のクライアント(学習者)の学習状態を判定する機能を有する。教材登録プログラム304は、クライアントが学習する教材をDBに登録する機能を有する。教材登録画面表示プログラム308は、学習状態の推定に用いられる学習教材を登録するために、クライアントが利用するWeb画面を生成し、クライアントに送信する機能を有する。補助教材画面表示プログラム309は、クライアントが利用する補助教材表示画面を生成し、クライアントに送信する機能を有する。教材選択画面表示プログラム310は、クライアントが利用する教材選択画面を生成し、クライアントに送信する機能を有する。
【0033】
図4は、クライアント端末12のハードウェア構成例を示す図である。図4に示すように、クライアント端末12は、CPU等の制御部400と、記憶部401と、キーボード、マウス等の入力部402と、ディスプレイ等の表示部403と、ネットワークインタフェース部404とを具備する。
【0034】
記憶部401には、学習状態監視エージェントプログラム411と教材登録画面プログラム412が格納されている。学習状態監視エージェントプログラム411は、学習者の状態を入力部402から取得可能な情報を、教材Webサーバ302に送信する機能を有する。
【0035】
図5は、クライアント端末12の表示部403に表示される教材登録画面の例を示す図である。図5に示すように、教材登録画面は、教材名501、知識体系502、知識レベル503、平均学習時間504、教材コンテンツ505の各入力エリアと、教材登録ボタン506と、終了ボタン507とを有する。クライアントが、入力部402を用いて、上記入力エリアに必要な情報を入力後、教材登録ボタン506を押する操作を行うと、入力情報が教材DB217に登録される。
【0036】
図7は、教材の学習画面の例を示す図である。図7に示すように、教材を学習する機能は教材の学習(ブラウザ)画面701に展開され、教材表示領域702に表示される。この際、教材表示領域702では、クライアントが教材のどの部分を確認しているかを判別するために、現在表示されている教材表示領域以外を黒く塗りつぶし、表示されないようにする。これにより現在表示中の画面を、学習中の箇所と判断し、エリアごとに学習時間及び表示回数が教材項目DB218に)記録される。なお、教材表示領域702上の学習したい箇所を入力部を用いてクリックする操作を行うと、教材が出力部の画面に表示される。
【0037】
次に図7の教材画面を用いて、図19、図20、図21、図22のフローチャートより、実際に本e-learningシステムを用いて教材を学習する際の利用形態を説明する。先ず、クライアントは最初にクライアント端末12の表示部に表示されたログイン画面からクライアントID、パスワード等の認証情報を入力することで、この情報を教材WEBサーバ11の制御部305が受信し、予め記憶されている認証情報と照合し、認証処理を行う(ステップS601)。認証成功後、制御部305は、教材選択画面をクライアント端末12の表示部に表示する制御を行う。
【0038】
そして、学習者がクライアント端末12の表示部に表示された教材選択画面から、入力部402を用いて所望の教材を選択すると、教材WEBサーバ11の制御部305は、その教材IDに基づき教材DB217(図18)を検索し、該当教材1807を取得する(ステップS602)。
【0039】
次に、クライアントが選択した教材を学習中に、制御部305は、メモ帳に記録された情報がないかを、ステップS701で受信したクライアントIDと上記教材IDとメモ帳DB212(図13)に基づき判断する。具体的には、制御部305は、クライアントIDおよび教材IDに基づきメモDB212を検索し、該当レコードのメモ情報1303を取得する(ステップS603)。
【0040】
次に、制御部305は、ステップ601、ステップ602で取得した教材情報とメモ情報1303を、本システムを利用する教材画面上に展開する(ステップS604)。教材が教材画面上に展開されると、図7に示すような画面がクライアント端末12の表示部に表示される。
【0041】
制御部305は、ステップS604で教材を展開した後に、どの項目を学習していても記録される、全ての学習時間の記録教材DB217の学習時間1806に、各学習項目単位の学習時間の記録を 教材項目DB218(図10)の学習時間1906に(1806は、学習教材全体、1906は項目単位に記録)始める(ステップS605)。次に、制御部305は、学習時間1906が教材DB217より取得した平均学習時間1905を超過するかを判定する(ステップS606)。学習時間を超過している場合は、制御部305は、学習者がメモ帳に文字を入力し、学習を行っているかを判定する(図21、ステップS612)。文字が入力されている場合は、制御部305は、学習者が学習中と判断し(ステップS613)、再度ステップS605に戻る。
【0042】
一方、ステップS612において、学習者がメモ帳に文字を入力していない場合は、学習者が学習に行き詰っている可能性を判定するため、制御部305は、現在学習者が学習している教材項目DBの教材IDから、教材DB218を検索し、知識体系と知識レベルを取得する。ト取得した知識体系と知識レベルをキーに、設問情報DB213を検索し、該当レコードから設問IDを取得する(ステップ615)
そして、制御部305は、設問エリア801に上記教材IDおよび上記取得した設問IDに基づき設問情報DB213を検索し、該当レコードから設問1405を取得して、図8に示すような検索結果画面をクライアント端末12の表示部に表示させ、学習者に解答をさせ、クライアント端末12からの応答の有無を判定する(ステップS616)。クライアント端末12から項目に対する応答(回答結果)がない場合は、制御部305は、学習者が学習を放棄しているとみなして、教材を強制終了する(ステップS624)。
【0043】
一方、ステップS616において、クライアント端末12から項目に対する応答があった場合、制御部305は、設問情報DB213の上記該当レコードから正解情報1406を取得し、図8の801で選択・入力された解答と照合し、解答結果が正解か不正解かを判定する(ステップS617)。
【0044】
ステップS617の判定の結果、回答結果が正解の場合、制御部305は、通常に学習が行えていると判断し、ステップS605に戻り学習を再度続行する。
【0045】
一方、ステップS617の判定の結果、回答結果が不正解だった場合は、教材ID1401、不正解の設問ID1402に基づき設問情報DB213を検索して得られる知識体系1403、知識レベル1404をキーに、教材DB217から教材ID1801を検索する(ステップS618)。
【0046】
次に、制御部305は、検索された教材ID101から、教材名1802及び知識体系1803及び知識レベル1804及び平均学習時間1805を取得し、図6の現在学習中の教材の補助教材の情報を補助教材表示画面を生成し、クライアント端末12の表示部へ表示し図6、学習を行うかを選択させる(ステップS619)。図6に示す補助教材表示画面で学習者により学習継続ボタン2007が押下された場合は学習者は現在の学習を継続するため、制御部305は、図6、ステップS605に戻り学習を継続する。一方、補助教材学習ボタン2008が押下された場合は、制御部305は、選択された補助教材学習画面に遷移し(ステップS620)、ステップS602に戻り、選択された補足教材の教材IDをキーに、スッテプS602で教材DB217から教材を選択、ステップ603でクライアントID1701および教材ID1801をキーにメモ帳情報を取得し、ステップ604で再度教材を画面上に展開し、学習を再開する。
【0047】
なお、ステップS606にの学習時間超過せず、入力部402を用いて終了ボタン704を押下する操作を行うと、制御部305は、学習の終了を検知し(ステップS607)、図7上で展開されている教材情報を非表示にすることにより、学習が終了する(ステップS608)。なお、中断ボタン705が押された場合は、学習時間の記録を行う処理が停止する。 学習終了後、制御部305は、上記教材IDおよび項目IDをキーに教材項目DB218を検索し、教材IDおよび項目ID単位に、学習者の学習時間1906が平均学習時間1905の一定値(例えば、1/2)以下かどうかを判定する(ステップS609)。判定の結果、学習時間1906が平均学習時間1905の一定値以下の場合、制御部305は、学習者が学習を流し読みした可能性があると判断し、教材学習状況DB211に、教材IDとクライアントIDと「流し読みした可能性がある状況」を示す学習状態フラグ(「1」)とをそれぞれ対応付けて書き込む(ステップS614)。
【0048】
一方、ステップS609の判定の結果、学習時間が一定値以上の場合は、制御部305は、学習状態フラグを「学習完了状態」(フラグ=「2」)として、教材学習状況DB211に教材IDとユーザIDと共に書き込みを行う(ステップS610)。
【0049】
なお、学習者は学習中は任意のタイミングでメモ帳ボタン706を押下する事で、メモ帳を表示し、入力項目であるメモ内容に任意の文字列を入力し、保存する事が出来る。
【0050】
また、学習終了後、メモ帳に記載されている内容をクライアントIDと教材IDとメモ内容を元に、メモDB212に書き込みを行う(ステップS611)。
【0051】
ステップS614において、書き込み終了後、制御部305は、上記クライアントIDと上記教材IDから、メモ帳DB212にメモリ内容を保存する(ステップS611)。なお、メモ帳に記載がなかった場合でも、空白の文字列としてメモ帳DB212にメモ内容を保存する。次に、制御部305は、教材DB217を参照し、メモ帳の内容と教材DB217の知識体系1903の文字列とを照合する(ステップS623)。照合の結果、メモ内容に一致する知識体系1903があった場合、該当レコードから教材ID1801と教材名1802を取得して(ステップS621)、取得した情報を補助教材として図6の補助教材表示画面に展開し、クライアント端末12の表示部へ表示する(ステップS622)。
【0052】
学習者が不足知識を補うべく補助教材を選択した場合は、制御部305はステップS620に遷移することにより、選択された補足教材の教材IDをキーに、教材DB217から教材を取得し、ブラウザ上に展開した後に、学習者は再度学習を続ける。補助教材を学習せず学習を終了する場合は、補助教材表示画面の終了ボタン2009を押すと、制御部305が検知し、学習を終了させる。なお、ステップS623において、メモ内容と一致する知識体系がなかった場合、学習を終了する。
【0053】
図19、図20、図21、図22に示す処理フローに従って、学習者が学習を終了すると、次に、学習が終了した学習者に対して、教材に関連したテストを実施し、テスト結果による学習者の状態推定を行う。図11に、その際に使用するテスト用の画面の例を示す。テスト実施時も、図7と同様に、画面上に情報を展開し、現在回答中以外の設問は全て表示されないようにする事で、現在学習者がどの項目を回答しているかを判別する。例えば、図11において、現在回答中のテスト項目がテスト項目A1101の場合には、現在回答していない項目(例えば、1102、1103等)は表示されないようにすることで、現在学習者がテスト項目A1101を回答しているのかがわかる。
【0054】
次に、図11を用いてテストによる学習状態の推定を行うフローについて図23、図24、図25で示す。制御部305は、直前に学習していた教材ID1401をキーに、テストDB215を検索し、テスト1608を取得する(ステップS901)。次に、制御部305は、学習が終了した教材IDとクライアントIDに基づきメモ帳DB212を検索し、テスト中に利用できるようにメモ内容1303を取得する(ステップS902)。
【0055】
制御部305は、ステップ901及びステップ902で取得したメモ内容をブラウザ上に表示する(ステップS903)。制御部305は、当該テストの解答時間(各項目ごとの解答時間の合計)を、テストDB214の該当レコードの解答時間1505に、当該テストID及び項目ID単位の解答時間を テスト項目DB215の該当レコードの解答時間1606に記録する(ステップS904)。
【0056】
制御部305は、クライアント情報DB216の学習時間1704に解答時間と当該のテストIDを教材ID1705に記録し、テスト全体の解答時間及び特定のテスト項目の解答時間がテストDB214に格納されている平均解答時間1504を超過したかの判定を行う(ステップS905)。なお、ステップS905において、例えば、問題が10問あり、1問10秒で回答されるべきテスト構成であった場合、1問だけ90秒で残りを1秒で回答した可能性もあるため、テスト全体の解答時間と特定のテスト項目の解答時間の各々について、ストDB214に格納されている平均解答時間1504を超過したかの判定を行っている。この場合、制御部305は、解答時間が平均解答時間1504を超過するまでステップS904とステップS905の処理を繰り返す。
【0057】
制御部305は、特定の項目ID1602が、テストDB214に格納されている平均解答時間を超過した場合、ユーザ端末12のキーボードやマウスの入力部402に、キー入力やマウスのクリックや移動などの入力があったかどうかを判定する(ステップS910)。これは、学習者が、学習を放棄しているのか、テストに回答するために他のWebブラウザからインターネット上から情報を検索している可能性や特定の電子ファイルのドキュメントを参考資料として確認している場合のような、当該システム以外の手段で学習を行っている可能性があるかなど、テストに対して検討中かをの判定を行うために実施する。ユーザ端末12のキーボードやマウスの入力部402に、キー入力やマウスのクリックや移動などの入力がある場合、テストに対して検討中と判断し、再度学習時間の記録(ステップS904)に戻り監視を続ける(ステップS911)。
【0058】
制御部305は、ステップS910条の判定で平均学習時間1703を超過して、キーボードやマウスなどの入力部402に入力がなかった場合、学習者が学習を放棄したと判断し、テストを強制終了し停止に至るまでの学習時間の記録を破棄し、テストを強制終了する(ステップS914)。
【0059】
また、ステップS905の判定で、特定のテスト項目の解答時間が平均解答時間を超過し、学習者が学習中に学習放棄と判定される事なく、全てのテスト項目に解答し、図11の終了ボタン1104を押して、ブラウザを非表示にして学習を終了させてことを制御部305が検知した場合には(ステップS906)、テスト項目DB215の正解1607と図11の各テスト項目の解答結果とを照合し、テスト項目IDごとに採点を行う(ステップS907)。
【0060】
制御部305は、採点終了後、テスト全体の解答時間1506が教材に設定された平均解答時間の一定値(例えば、1/2)以下かどうかを判定し(ステップS908)、判定の結果、一定値以下の場合には、「勘で解答した可能性がある」と判断し、教材学習状況DB211にテストID、クライアントIDと学習状態フラグを「勘で解答した可能性がある」(フラグ「3」)という情報をキーに書き込みを行う(ステップS912)。一方、ステップS908の判定の結果、学習時間が一定値以下ではない場合には、制御部305は、学習を適切に実施したと判断し、学習状態フラグを「学習完了状態」(フラグ1)として、教材学習状況DB211にテストIDとクライアントIDと共に書き込みを行う(ステップS909)。
【0061】
次に、図11に示すテスト画面において、クライアントが終了ボタン1104を押下することにより、教材及び教材IDに関連するテストがブラウザ上から非表示になり、学習者によるテスト終了後に、学習状態を推定する方法を図26、図27、図28を用いて示す。
【0062】
まず、制御部305は、ステップS907で採点された結果を集計し、教材学習状況DB211に、ステップS907での採点結果とクライアントIDと教材IDとを対応付けて書き込みを行う(ステップS1003)。次に、制御部305は、学習中のテストIDに基づきテストDB214を検索して該当レコードから合格点1506を取得し、ステップS1003で教材学習状況DB211に書き込んだ採点結果1204が合格点1506に達しているかの判定を行う(ステップS1004)。
【0063】
判定の結果、採点結果1204が合格点1506に達していない場合、制御部305は、解答結果が不正解のテスト項目IDに基づきテスト項目DB215を検索し、該当レコードから知識体系1603と知識レベル1604を抽出する(ステップS1015)。
【0064】
制御部305は、検索結果の知識体系1603と知識レベル1604が、学習者の不足している知識と判断し、知識体系1604と知識レベル1603に基づき教材DB217を検索し、該当レコードから教材ID1801を抽出する(ステップS1016)。
【0065】
制御部305は、抽出した教材ID1801を元に、不足している知識体系を学習可能な教材情報を、図9に示す教材選択画面に表示し、学習者に再度学習を促す(ステップS1017)。学習者は教材選択画面(図9)で表示されている教材に対して、学習ボタン2107を押し、表示された教材に対して再度学習を行う。
【0066】
また、ステップS1004において、採点結果が合格点に達していた場合は、制御部305は、教材学習状況DB211から、学習中の教材ID1201に基づき教材学習情報DB211を検索し、学習中やテスト中に判定した学習状態フラグ1203を確認する(ステップS1005)。確認の結果、学習状態フラグ1203が「1」(流し読みをしていた可能性がある状況」を示す場合、制御部305は、教材ID1201に基づき、教材DB217を検索し、教材が保有している知識体系1803、知識レベル1804を取得する(ステップS1006)取得した知識レベル1804と知識体系1803に基づき、テスト項目DB215を検索し、テスト項目ID1601の一覧を取得する。そして、制御部305は、その中からランダムに一つテスト項目ID1601を取得し、該当レコードの項目テスト1608を図8の801に示すようにポップアップを表示させる(ステップS1020)。
【0067】
次に、学習者が表示されたテスト項目に対して解答を行うと、制御部305はその解答結果を受信し、正解か不正解かを判定する(ステップS1007)。判定の結果、問題に正解している場合は、制御部305は、学習者が教材を理解していると判断し、学習状態フラグ1203を「学習完了状態」(フラグ「2」)に更新し(ステップS1018)、ステップS1010の判定処理に遷移する。一方、ステップS1007の判定の結果、問題に不正解だった場合は、制御部305は、不正解のテスト項目ID1601の知識体系1603と知識レベル1604に基づき教材DB217に検索を行い、教材ID1801を取得する(ステップS1008)。
【0068】
次に、制御部305は、取得した教材ID1801の教材の内容に関する知識が、学習者に不足していると判断し、図9の教材選択画面に教材を展開し、学習者に再度学習を促す(ステップS1009)。
【0069】
また、ステップS1010において、学習状態フラグ1203が「3」(勘で解答した可能性がある」を示す場合、
制御部305は、教材ID1201に基づき、教材DB217を検索し、教材が保有している知識体系1803、知識レベル1804を取得する(ステップS1011)。次に、制御部305は、取得した知識レベル1804と知識体系1803に基づき、テスト項目DB215を検索し、テスト項目ID1601の一覧を取得する。そして、制御部305は、その中からランダムに一つテスト項目ID1601を取得し、該当レコードの項目テストを図8の801に示すようにポップアップを表示させる(ステップS1021)。
【0070】
次に、学習者が表示されたテスト項目に対して解答を行うと、制御部305はその解答結果を受信し、正解か不正解かを判定する(ステップS1012)。
【0071】
問題に正解している場合は、制御部305は、教材を理解していると判断し、学習状態フラグ1203を「学習完了状態」(フラグ「2」)に更新し、処理を終了する(ステップS1019)。一方、ステップ1012において、問題に不正解だった場合は、制御部305は、不正解のテスト項目ID1601の知識体系1603と知識レベル1604に基づき教材DB217を検索し、教材ID1801を取得する(ステップS1013)。
【0072】
制御部305は、取得した教材ID1801の教材の内容に関する知識が、学習者に不足していると判断し、図9の教材選択画面に教材を展開し、学習者に再度学習を促す(ステップS1014)。
【0073】
制御部305は、ステップS1010において学習状態フラグ1203が、「完了状態」と判断された学習者に対しては、教材を非表示とし学習を終了する。
【0074】
以下、教材ごとに図19、図20、図21、図22及び図23、図24、図25、図26、図27、図28のフローを繰り返し学習を実施し、学習者の状態を推定する。
【0075】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態によれば、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することができる。上記実施形態をe-learningシステムに適用する事により、実際に教師が授業を行っているように、リアルタイムに状態を判定する事で、学習者に適合した教材を提供する事が可能となる。これにより、学習者のレベルに適した教材を学習する事が可能となり、教材に興味が沸かない場合や、内容が簡単・難しすぎるケースを排除する事が出来る。
【0076】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0077】
10・・・教材DBサーバ、11・・・教材Webサーバ、12、ユーザ端末、403・・・表示部、402・・・入力部、222、305、400・・・制御部、223、306、404・・・ネットワークインタフェース部、225、302、401・・・記憶部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習者がネットワーク上で電子教材を学習する学習ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術の発展により、学習者の時間・場所を限定しない学習方法である、e-learningシステムが着目されている。しかし、学習を監督し適切にナビゲーションを行う、教師に該当する機能がe-learningは存在しないため学習者のモチベーションの維持が難しい。e-learningの時間・場所の制約を限定しない利点を活かし、学習者を監視誘導する仕組みが検討されている。
【0003】
特許文献1では、個人の学習の習熟度を把握する特許が申請され、学習者の状況を把握する手法が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-023506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の学習状態の把握手法では、学習終了後のテストなどのテストの結果などから、状態を把握していた。このため、学習者にとっては簡単すぎる教材や、難しすぎる教材を提示してしまい、学習者の意欲を減衰する場合がある。対面型の学習であれば、教師が学習者の状態を監視・推定し、適切な学習方法を導くことができるが、e-learningにおいては学習者を監視する方法がない。
【0006】
本発明の目的は、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、利用者がネットワーク上で教材を学習可能な学習ナビゲーションシステムであって、前記教材または該教材に関するテストを表示する手段と、メモ帳を表示する手段と、前記利用者による、前記教材の閲覧情報及び前記メモ帳への入力情報を収集する手段と、前記収集した情報に基づき、前記利用者の学習状態を判定する手段と、前記判定結果に応じた教材を記憶手段から検索して表示する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図である。
【図2】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図の中の、11のWebサーバの構成例を示す図である。
【図3】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図の中の、12のDBサーバの構成例を示す図である。
【図4】e-laerningにおける学習状態推定システムの全体の構成例を示す図の中の、13のクライアント端末の構成例を示す図である。
【図5】クライアント端末図の412における、教材の登録画面図である。
【図6】クライアント端末図の413における、補助教材表示画面例を示す図である。
【図7】図6の学習状態推定エージェントが動作するブラウザ画面である。
【図8】図7の学習状態推定エージェント使用時に表示される、ポップアップ画面である。
【図9】クライアント端末図の413における、教材選択画面例を示す図である。
【図10】教材ごとの項目情報を管理する、教材項目DB218の構成例を示す図である。
【図11】図23のテスト中の学習者の状態推定を行う際に使用される、テストの画面図である。
【図12】ユーザ毎の学習状況を管理する教材学習状況DB211の構成例を示す図である。
【図13】教材ごとにどのような内容がメモされたかを示す、メモDB212の構成例を示す図である。
【図14】教材ごとに、設定される知識レベルと知識体系と左記に関連する設問を登録した設問情報DB213の構成例を示す図である。
【図15】教材ごとに設定されたテストの情報を管理する、テストDB214の構成例を示す図である。
【図16】教材ごとに設定されたテスト項目単位の情報を管理する、テスト項目DB215の構成例を示す図である。
【図17】ユーザ情報を管理する、クライアント情報DB216の構成例を示す図である。
【図18】教材の情報を管理する、教材DB217の構成例を示す図である。
【図19】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図20】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図21】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図22】図3の教材Webサーバの303における、テストを実施中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図23】図3の教材Webサーバの303における、テスト及び学習操作をインプットとした場合の、学習状態推定システムの処理フローチャート図の一部である。
【図24】図3の教材Webサーバの303における、テスト及び学習操作をインプットとした場合の、学習状態推定システムの処理フローチャート図の一部である。
【図25】図3の教材Webサーバの303における、テスト及び学習操作をインプットとした場合の、学習状態推定システムの処理フローチャート図の一部である。
【図26】クライアント端末図の411における、教材を学習中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図27】クライアント端末図の411における、教材を学習中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【図28】クライアント端末図の411における、教材を学習中の学習者の学習状態推定エージェントの処理フローチャート図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のe-learningシステムを実現するための形態を図を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明によるクライアント端末の利用システムを示すシステム構成図であって、10は教材DBサーバ、11は教材Webサーバ、12はクライアント端末である。
【0012】
同図において、教材データベースサーバ10(以下、「データベース」は「DB」と記す)と教材Webサーバ11と複数のクライアント端末101とがインターネットやイントラネットなどのネットワークを介して接続されており、これにより、システムが構成されている。
【0013】
図2は、教材DBサーバ10のハードウェア構成例を示す図である。図2に示すように、教材DBサーバ10は、CPU等の制御部222と、クライアントがサービスを利用するための教材データや、教材WEBサーバ11がクライアントの学習状態を判定するために使用する各種学習履歴情報等が格納された記憶部225と、ネットワークインタフェース部223とを具備する。各部は、BUS(バス)224等により接続されている。
【0014】
記憶部225には、教材学習状況DB211とメモDB212と設問情報DB213とテストDB214とテスト項目DB215とクライアント情報DB216と教材DB217と教材項目DB218とが格納されている。次に、各DBの構成について説明する。
【0015】
図12は、教材学習状況DB211の構成例を示す図である。教材学習状況DB211は、クライアントが学習内容を理解できているどうか、クライアント毎の学習状況を管理するDBである。図12に示すように、教材学習状態DB211は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1201とユーザID1202と学習状態フラグ1203と採点結果1204とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0016】
教材ID1201は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。また、教材ID1201は合わせてクライアントが解答するテストを一意に識別するための情報である。クライアントID1202は、クライアントを一意に識別するための情報である。学習状態フラグ1203は、クライアントの学習状態を示す情報である。本実施形態では、フラグが「1」の場合は、「流し読みしていた状態」を示し、フラグが「2」の場合は、「学習完了状態」を示し、フラグが「3」の場合は、「勘で解答した可能性がある」を示す。採点結果1204は、教材IDごとの、テストの採点結果を示す。
【0017】
図13は、メモDB212の構成例を示す図である。メモDB212は、教材毎に、クライアントにより学習中に入力された文字列を管理するDBである。図13に示すように、メモDB212は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1301とクライアントID1302とメモ内容1303とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0018】
教材ID1301は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。クライアントID1302は、クライアントを一意に識別するための情報である。メモ内容1303は、本システムに搭載されているメモ帳システムに記載された内容を記録するものである。
【0019】
図14は、設問情報DB213の構成例を示す図である。設問情報DB213は、教材毎に学習中の教材に関係する知識レベル、知識体系をもつ設問情報を管理するDBである。図14に示すように、設問情報DB213は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1401と設問ID1402と知識体系1403と知識レベル1404と設問1405と正解1406とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0020】
教材ID1401は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。設問ID1402は、クライアントが教材学習時に出題される設問を一意に識別するための情報である。知識体系1403は、該当の設問に回答する上で必要な知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。
【0021】
知識レベル1404は、知識体系1403における知識のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。設問1405は、知識体系1403と知識レベル1404に関連する設問自体を示す。正解1406は、設問1405に対する正解を示す。
【0022】
図15は、テストDB214の構成例を示す図である。テストDB214は、学習終了後に実施する教材毎のテストの情報を管理するDBである。図15に示すように、テストDB214は複数のレコードを有し、各レコードには、テストID1501と知識体系1502と知識レベル1503と平均解答時間1504と解答時間1505と合格点1506と正解1507とテスト1508と教材ID1509を示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0023】
テストID1501は、クライアントがテストを実施する教材を一意に識別するための情報である。知識体系1502は、該当のテストに回答する上で必要な知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。知識レベル1503は、知識体系1502のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均解答時間1504は、テストID1501ごとに、テストを行ったクライアントがテストを終了するまでの時間をカウントし、平均時間を記録した情報を示す。解答時間1505は、各クライアントがテストID1501に該当するテストの規定の解答時間を示す。合格点1506は、テストID1501ごとにテストが合格と判定されるために必要な点数を示す情報である。正解1507は、テスト1508の問題の正解を示す情報である。テスト1508は、テストIDのテスト内容を示す情報である。教材ID1509は、当該テストがどの教材の学習終了後に実施するテストかを示す情報である。
【0024】
図16は、テスト項目DB215の構成例を示す図である。テスト項目DB215は、教材毎のテスト項目の情報を管理するDBである。図16に示すように、テスト項目DB215は複数のレコードを有し、各レコードには、テストID1601と項目ID1602と知識体系1603と知識レベル1604と平均解答時間1605と解答時間1606と正解1607と項目テスト1608と教材ID1609を示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0025】
テストID1601は、クライアントがテストを実施する教材を一意に識別するための情報である。項目ID1602は、テストIDごとのテスト項目を示す。知識体系1603は、該当のテスト項目に回答する上で必要な知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。知識レベル1604は、知識体系1603のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均解答時間1605は、テストID1601及び項目ID1602ごとに、テスト問題の解答時間をカウントし、これらの平均時間を記録した情報を示す。解答時間1606は、各クライアントがテストID1601及びテスト項目IDに設定された、規定の解答時間を示す。正解1607は、項目テスト1608の正解を示す。項目テスト1608は、テストIDの項目ID1602の問題内容を示す。
【0026】
図17は、クライアント情報DB216の構成を示す図である。クライアント情報DB216は、クライアントに関する情報を管理するDBである。図17に示すように、クライアント情報情報DB216は複数のレコードを有し、各レコードには、クライアントID1701とパスワード1702と平均学習時間1703と教材及びテスト毎の学習時間1704と教材及びテストごとの教材ID1705をを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0027】
クライアントID1701は、クライアントを一意に識別するための情報である。クライアントID1701とパスワード1702の組合せで、クライアントを認証するための認証情報を示す。平均学習時間1703は、クライアントのごとの教材を学習するの要する平均学習時間を示す。学習時間1704は、教材及びテスト毎の学習時間を示す。教材ID1705は、教材IDとテストIDが記録される。
【0028】
図18は、教材DB217の構成を示す図である。教材DB217は、教材の情報を管理すDBである。図18に示すように、教材DB217は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1801と教材名1802と知識体系1803と知識レベル1804と平均解答時間1805と学習時間1806と教材1807とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0029】
教材ID1801は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。教材名1802は、教材IDごとの教材の名称を示す。知識体系1803は、該当の教材を学習する事で得ることのできる知識(特許技術、ビジネスマナーなどの文字列として格納される)を示す情報である。知識レベル1804は、知識体系1803のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均学習時間1805は、教材ID1801ごとに、教材の学習終了までに要した時間をカウントし、平均時間を記録した情報を示す。学習時間1806は、各クライアントが教材ID1801ごとに設定された規定の学習時間を示す。教材1807は、格納されている教材の内容を示す。
【0030】
図10は、教材項目DB218の構成を示す図である。教材項目DB218は、教材毎の項目情報を管理するDBである。図10に示すように、教材DB218は複数のレコードを有し、各レコードには、教材ID1901と項目ID1902と知識体系1903と知識レベル1904と平均解答時間1905と学習時間1906と表示回数1907とを示す情報がそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0031】
教材ID1901は、クライアントが学習する教材を一意に識別するための情報である。項目ID1902は、教材IDごとの教材を構成する一段落単位(項目)を示す。知識体系1903は、該当の教材IDの項目ID単位に、学習する事で得ることのできる知識を示す情報である。知識レベル1904は、知識体系1903のレベルを示す。レベルは5段階で定義されており、「1」が最もレベルが低く、「5」が最もレベルが高い。平均学習時間1905は、教材ID1901ごとに、教材の学習終了までに特定の項目の学習に要した時間をカウントし、これらの平均時間を記録した情報を示す。学習時間1906は、各クライアントが教材ID1901ごとの項目ID1902設定された規定の学習時間を示す。表示回数1907は、教材IDの項目IDが示す箇所を、何回表示させて学習を行ったかを示す
図3は、教材WEBサーバ11のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すように、教材WEBサーバ11は、CPU等の制御部305と、記憶部302と、ネットワークインタフェース部306とを具備する。各部はBUS等307により接続されている。
【0032】
記憶部302には、学習状態判定プログラム303と教材登録プログラム304と教材登録画面表示プログラム308と補助教材画面表示プログラム309と教材選択画面表示プログラム310が格納されている。学習状態判定プログラム303は、クライアント端末12から送信される入力情報をもとに、教材を学習中のクライアント(学習者)の学習状態を判定する機能を有する。教材登録プログラム304は、クライアントが学習する教材をDBに登録する機能を有する。教材登録画面表示プログラム308は、学習状態の推定に用いられる学習教材を登録するために、クライアントが利用するWeb画面を生成し、クライアントに送信する機能を有する。補助教材画面表示プログラム309は、クライアントが利用する補助教材表示画面を生成し、クライアントに送信する機能を有する。教材選択画面表示プログラム310は、クライアントが利用する教材選択画面を生成し、クライアントに送信する機能を有する。
【0033】
図4は、クライアント端末12のハードウェア構成例を示す図である。図4に示すように、クライアント端末12は、CPU等の制御部400と、記憶部401と、キーボード、マウス等の入力部402と、ディスプレイ等の表示部403と、ネットワークインタフェース部404とを具備する。
【0034】
記憶部401には、学習状態監視エージェントプログラム411と教材登録画面プログラム412が格納されている。学習状態監視エージェントプログラム411は、学習者の状態を入力部402から取得可能な情報を、教材Webサーバ302に送信する機能を有する。
【0035】
図5は、クライアント端末12の表示部403に表示される教材登録画面の例を示す図である。図5に示すように、教材登録画面は、教材名501、知識体系502、知識レベル503、平均学習時間504、教材コンテンツ505の各入力エリアと、教材登録ボタン506と、終了ボタン507とを有する。クライアントが、入力部402を用いて、上記入力エリアに必要な情報を入力後、教材登録ボタン506を押する操作を行うと、入力情報が教材DB217に登録される。
【0036】
図7は、教材の学習画面の例を示す図である。図7に示すように、教材を学習する機能は教材の学習(ブラウザ)画面701に展開され、教材表示領域702に表示される。この際、教材表示領域702では、クライアントが教材のどの部分を確認しているかを判別するために、現在表示されている教材表示領域以外を黒く塗りつぶし、表示されないようにする。これにより現在表示中の画面を、学習中の箇所と判断し、エリアごとに学習時間及び表示回数が教材項目DB218に)記録される。なお、教材表示領域702上の学習したい箇所を入力部を用いてクリックする操作を行うと、教材が出力部の画面に表示される。
【0037】
次に図7の教材画面を用いて、図19、図20、図21、図22のフローチャートより、実際に本e-learningシステムを用いて教材を学習する際の利用形態を説明する。先ず、クライアントは最初にクライアント端末12の表示部に表示されたログイン画面からクライアントID、パスワード等の認証情報を入力することで、この情報を教材WEBサーバ11の制御部305が受信し、予め記憶されている認証情報と照合し、認証処理を行う(ステップS601)。認証成功後、制御部305は、教材選択画面をクライアント端末12の表示部に表示する制御を行う。
【0038】
そして、学習者がクライアント端末12の表示部に表示された教材選択画面から、入力部402を用いて所望の教材を選択すると、教材WEBサーバ11の制御部305は、その教材IDに基づき教材DB217(図18)を検索し、該当教材1807を取得する(ステップS602)。
【0039】
次に、クライアントが選択した教材を学習中に、制御部305は、メモ帳に記録された情報がないかを、ステップS701で受信したクライアントIDと上記教材IDとメモ帳DB212(図13)に基づき判断する。具体的には、制御部305は、クライアントIDおよび教材IDに基づきメモDB212を検索し、該当レコードのメモ情報1303を取得する(ステップS603)。
【0040】
次に、制御部305は、ステップ601、ステップ602で取得した教材情報とメモ情報1303を、本システムを利用する教材画面上に展開する(ステップS604)。教材が教材画面上に展開されると、図7に示すような画面がクライアント端末12の表示部に表示される。
【0041】
制御部305は、ステップS604で教材を展開した後に、どの項目を学習していても記録される、全ての学習時間の記録教材DB217の学習時間1806に、各学習項目単位の学習時間の記録を 教材項目DB218(図10)の学習時間1906に(1806は、学習教材全体、1906は項目単位に記録)始める(ステップS605)。次に、制御部305は、学習時間1906が教材DB217より取得した平均学習時間1905を超過するかを判定する(ステップS606)。学習時間を超過している場合は、制御部305は、学習者がメモ帳に文字を入力し、学習を行っているかを判定する(図21、ステップS612)。文字が入力されている場合は、制御部305は、学習者が学習中と判断し(ステップS613)、再度ステップS605に戻る。
【0042】
一方、ステップS612において、学習者がメモ帳に文字を入力していない場合は、学習者が学習に行き詰っている可能性を判定するため、制御部305は、現在学習者が学習している教材項目DBの教材IDから、教材DB218を検索し、知識体系と知識レベルを取得する。ト取得した知識体系と知識レベルをキーに、設問情報DB213を検索し、該当レコードから設問IDを取得する(ステップ615)
そして、制御部305は、設問エリア801に上記教材IDおよび上記取得した設問IDに基づき設問情報DB213を検索し、該当レコードから設問1405を取得して、図8に示すような検索結果画面をクライアント端末12の表示部に表示させ、学習者に解答をさせ、クライアント端末12からの応答の有無を判定する(ステップS616)。クライアント端末12から項目に対する応答(回答結果)がない場合は、制御部305は、学習者が学習を放棄しているとみなして、教材を強制終了する(ステップS624)。
【0043】
一方、ステップS616において、クライアント端末12から項目に対する応答があった場合、制御部305は、設問情報DB213の上記該当レコードから正解情報1406を取得し、図8の801で選択・入力された解答と照合し、解答結果が正解か不正解かを判定する(ステップS617)。
【0044】
ステップS617の判定の結果、回答結果が正解の場合、制御部305は、通常に学習が行えていると判断し、ステップS605に戻り学習を再度続行する。
【0045】
一方、ステップS617の判定の結果、回答結果が不正解だった場合は、教材ID1401、不正解の設問ID1402に基づき設問情報DB213を検索して得られる知識体系1403、知識レベル1404をキーに、教材DB217から教材ID1801を検索する(ステップS618)。
【0046】
次に、制御部305は、検索された教材ID101から、教材名1802及び知識体系1803及び知識レベル1804及び平均学習時間1805を取得し、図6の現在学習中の教材の補助教材の情報を補助教材表示画面を生成し、クライアント端末12の表示部へ表示し図6、学習を行うかを選択させる(ステップS619)。図6に示す補助教材表示画面で学習者により学習継続ボタン2007が押下された場合は学習者は現在の学習を継続するため、制御部305は、図6、ステップS605に戻り学習を継続する。一方、補助教材学習ボタン2008が押下された場合は、制御部305は、選択された補助教材学習画面に遷移し(ステップS620)、ステップS602に戻り、選択された補足教材の教材IDをキーに、スッテプS602で教材DB217から教材を選択、ステップ603でクライアントID1701および教材ID1801をキーにメモ帳情報を取得し、ステップ604で再度教材を画面上に展開し、学習を再開する。
【0047】
なお、ステップS606にの学習時間超過せず、入力部402を用いて終了ボタン704を押下する操作を行うと、制御部305は、学習の終了を検知し(ステップS607)、図7上で展開されている教材情報を非表示にすることにより、学習が終了する(ステップS608)。なお、中断ボタン705が押された場合は、学習時間の記録を行う処理が停止する。 学習終了後、制御部305は、上記教材IDおよび項目IDをキーに教材項目DB218を検索し、教材IDおよび項目ID単位に、学習者の学習時間1906が平均学習時間1905の一定値(例えば、1/2)以下かどうかを判定する(ステップS609)。判定の結果、学習時間1906が平均学習時間1905の一定値以下の場合、制御部305は、学習者が学習を流し読みした可能性があると判断し、教材学習状況DB211に、教材IDとクライアントIDと「流し読みした可能性がある状況」を示す学習状態フラグ(「1」)とをそれぞれ対応付けて書き込む(ステップS614)。
【0048】
一方、ステップS609の判定の結果、学習時間が一定値以上の場合は、制御部305は、学習状態フラグを「学習完了状態」(フラグ=「2」)として、教材学習状況DB211に教材IDとユーザIDと共に書き込みを行う(ステップS610)。
【0049】
なお、学習者は学習中は任意のタイミングでメモ帳ボタン706を押下する事で、メモ帳を表示し、入力項目であるメモ内容に任意の文字列を入力し、保存する事が出来る。
【0050】
また、学習終了後、メモ帳に記載されている内容をクライアントIDと教材IDとメモ内容を元に、メモDB212に書き込みを行う(ステップS611)。
【0051】
ステップS614において、書き込み終了後、制御部305は、上記クライアントIDと上記教材IDから、メモ帳DB212にメモリ内容を保存する(ステップS611)。なお、メモ帳に記載がなかった場合でも、空白の文字列としてメモ帳DB212にメモ内容を保存する。次に、制御部305は、教材DB217を参照し、メモ帳の内容と教材DB217の知識体系1903の文字列とを照合する(ステップS623)。照合の結果、メモ内容に一致する知識体系1903があった場合、該当レコードから教材ID1801と教材名1802を取得して(ステップS621)、取得した情報を補助教材として図6の補助教材表示画面に展開し、クライアント端末12の表示部へ表示する(ステップS622)。
【0052】
学習者が不足知識を補うべく補助教材を選択した場合は、制御部305はステップS620に遷移することにより、選択された補足教材の教材IDをキーに、教材DB217から教材を取得し、ブラウザ上に展開した後に、学習者は再度学習を続ける。補助教材を学習せず学習を終了する場合は、補助教材表示画面の終了ボタン2009を押すと、制御部305が検知し、学習を終了させる。なお、ステップS623において、メモ内容と一致する知識体系がなかった場合、学習を終了する。
【0053】
図19、図20、図21、図22に示す処理フローに従って、学習者が学習を終了すると、次に、学習が終了した学習者に対して、教材に関連したテストを実施し、テスト結果による学習者の状態推定を行う。図11に、その際に使用するテスト用の画面の例を示す。テスト実施時も、図7と同様に、画面上に情報を展開し、現在回答中以外の設問は全て表示されないようにする事で、現在学習者がどの項目を回答しているかを判別する。例えば、図11において、現在回答中のテスト項目がテスト項目A1101の場合には、現在回答していない項目(例えば、1102、1103等)は表示されないようにすることで、現在学習者がテスト項目A1101を回答しているのかがわかる。
【0054】
次に、図11を用いてテストによる学習状態の推定を行うフローについて図23、図24、図25で示す。制御部305は、直前に学習していた教材ID1401をキーに、テストDB215を検索し、テスト1608を取得する(ステップS901)。次に、制御部305は、学習が終了した教材IDとクライアントIDに基づきメモ帳DB212を検索し、テスト中に利用できるようにメモ内容1303を取得する(ステップS902)。
【0055】
制御部305は、ステップ901及びステップ902で取得したメモ内容をブラウザ上に表示する(ステップS903)。制御部305は、当該テストの解答時間(各項目ごとの解答時間の合計)を、テストDB214の該当レコードの解答時間1505に、当該テストID及び項目ID単位の解答時間を テスト項目DB215の該当レコードの解答時間1606に記録する(ステップS904)。
【0056】
制御部305は、クライアント情報DB216の学習時間1704に解答時間と当該のテストIDを教材ID1705に記録し、テスト全体の解答時間及び特定のテスト項目の解答時間がテストDB214に格納されている平均解答時間1504を超過したかの判定を行う(ステップS905)。なお、ステップS905において、例えば、問題が10問あり、1問10秒で回答されるべきテスト構成であった場合、1問だけ90秒で残りを1秒で回答した可能性もあるため、テスト全体の解答時間と特定のテスト項目の解答時間の各々について、ストDB214に格納されている平均解答時間1504を超過したかの判定を行っている。この場合、制御部305は、解答時間が平均解答時間1504を超過するまでステップS904とステップS905の処理を繰り返す。
【0057】
制御部305は、特定の項目ID1602が、テストDB214に格納されている平均解答時間を超過した場合、ユーザ端末12のキーボードやマウスの入力部402に、キー入力やマウスのクリックや移動などの入力があったかどうかを判定する(ステップS910)。これは、学習者が、学習を放棄しているのか、テストに回答するために他のWebブラウザからインターネット上から情報を検索している可能性や特定の電子ファイルのドキュメントを参考資料として確認している場合のような、当該システム以外の手段で学習を行っている可能性があるかなど、テストに対して検討中かをの判定を行うために実施する。ユーザ端末12のキーボードやマウスの入力部402に、キー入力やマウスのクリックや移動などの入力がある場合、テストに対して検討中と判断し、再度学習時間の記録(ステップS904)に戻り監視を続ける(ステップS911)。
【0058】
制御部305は、ステップS910条の判定で平均学習時間1703を超過して、キーボードやマウスなどの入力部402に入力がなかった場合、学習者が学習を放棄したと判断し、テストを強制終了し停止に至るまでの学習時間の記録を破棄し、テストを強制終了する(ステップS914)。
【0059】
また、ステップS905の判定で、特定のテスト項目の解答時間が平均解答時間を超過し、学習者が学習中に学習放棄と判定される事なく、全てのテスト項目に解答し、図11の終了ボタン1104を押して、ブラウザを非表示にして学習を終了させてことを制御部305が検知した場合には(ステップS906)、テスト項目DB215の正解1607と図11の各テスト項目の解答結果とを照合し、テスト項目IDごとに採点を行う(ステップS907)。
【0060】
制御部305は、採点終了後、テスト全体の解答時間1506が教材に設定された平均解答時間の一定値(例えば、1/2)以下かどうかを判定し(ステップS908)、判定の結果、一定値以下の場合には、「勘で解答した可能性がある」と判断し、教材学習状況DB211にテストID、クライアントIDと学習状態フラグを「勘で解答した可能性がある」(フラグ「3」)という情報をキーに書き込みを行う(ステップS912)。一方、ステップS908の判定の結果、学習時間が一定値以下ではない場合には、制御部305は、学習を適切に実施したと判断し、学習状態フラグを「学習完了状態」(フラグ1)として、教材学習状況DB211にテストIDとクライアントIDと共に書き込みを行う(ステップS909)。
【0061】
次に、図11に示すテスト画面において、クライアントが終了ボタン1104を押下することにより、教材及び教材IDに関連するテストがブラウザ上から非表示になり、学習者によるテスト終了後に、学習状態を推定する方法を図26、図27、図28を用いて示す。
【0062】
まず、制御部305は、ステップS907で採点された結果を集計し、教材学習状況DB211に、ステップS907での採点結果とクライアントIDと教材IDとを対応付けて書き込みを行う(ステップS1003)。次に、制御部305は、学習中のテストIDに基づきテストDB214を検索して該当レコードから合格点1506を取得し、ステップS1003で教材学習状況DB211に書き込んだ採点結果1204が合格点1506に達しているかの判定を行う(ステップS1004)。
【0063】
判定の結果、採点結果1204が合格点1506に達していない場合、制御部305は、解答結果が不正解のテスト項目IDに基づきテスト項目DB215を検索し、該当レコードから知識体系1603と知識レベル1604を抽出する(ステップS1015)。
【0064】
制御部305は、検索結果の知識体系1603と知識レベル1604が、学習者の不足している知識と判断し、知識体系1604と知識レベル1603に基づき教材DB217を検索し、該当レコードから教材ID1801を抽出する(ステップS1016)。
【0065】
制御部305は、抽出した教材ID1801を元に、不足している知識体系を学習可能な教材情報を、図9に示す教材選択画面に表示し、学習者に再度学習を促す(ステップS1017)。学習者は教材選択画面(図9)で表示されている教材に対して、学習ボタン2107を押し、表示された教材に対して再度学習を行う。
【0066】
また、ステップS1004において、採点結果が合格点に達していた場合は、制御部305は、教材学習状況DB211から、学習中の教材ID1201に基づき教材学習情報DB211を検索し、学習中やテスト中に判定した学習状態フラグ1203を確認する(ステップS1005)。確認の結果、学習状態フラグ1203が「1」(流し読みをしていた可能性がある状況」を示す場合、制御部305は、教材ID1201に基づき、教材DB217を検索し、教材が保有している知識体系1803、知識レベル1804を取得する(ステップS1006)取得した知識レベル1804と知識体系1803に基づき、テスト項目DB215を検索し、テスト項目ID1601の一覧を取得する。そして、制御部305は、その中からランダムに一つテスト項目ID1601を取得し、該当レコードの項目テスト1608を図8の801に示すようにポップアップを表示させる(ステップS1020)。
【0067】
次に、学習者が表示されたテスト項目に対して解答を行うと、制御部305はその解答結果を受信し、正解か不正解かを判定する(ステップS1007)。判定の結果、問題に正解している場合は、制御部305は、学習者が教材を理解していると判断し、学習状態フラグ1203を「学習完了状態」(フラグ「2」)に更新し(ステップS1018)、ステップS1010の判定処理に遷移する。一方、ステップS1007の判定の結果、問題に不正解だった場合は、制御部305は、不正解のテスト項目ID1601の知識体系1603と知識レベル1604に基づき教材DB217に検索を行い、教材ID1801を取得する(ステップS1008)。
【0068】
次に、制御部305は、取得した教材ID1801の教材の内容に関する知識が、学習者に不足していると判断し、図9の教材選択画面に教材を展開し、学習者に再度学習を促す(ステップS1009)。
【0069】
また、ステップS1010において、学習状態フラグ1203が「3」(勘で解答した可能性がある」を示す場合、
制御部305は、教材ID1201に基づき、教材DB217を検索し、教材が保有している知識体系1803、知識レベル1804を取得する(ステップS1011)。次に、制御部305は、取得した知識レベル1804と知識体系1803に基づき、テスト項目DB215を検索し、テスト項目ID1601の一覧を取得する。そして、制御部305は、その中からランダムに一つテスト項目ID1601を取得し、該当レコードの項目テストを図8の801に示すようにポップアップを表示させる(ステップS1021)。
【0070】
次に、学習者が表示されたテスト項目に対して解答を行うと、制御部305はその解答結果を受信し、正解か不正解かを判定する(ステップS1012)。
【0071】
問題に正解している場合は、制御部305は、教材を理解していると判断し、学習状態フラグ1203を「学習完了状態」(フラグ「2」)に更新し、処理を終了する(ステップS1019)。一方、ステップ1012において、問題に不正解だった場合は、制御部305は、不正解のテスト項目ID1601の知識体系1603と知識レベル1604に基づき教材DB217を検索し、教材ID1801を取得する(ステップS1013)。
【0072】
制御部305は、取得した教材ID1801の教材の内容に関する知識が、学習者に不足していると判断し、図9の教材選択画面に教材を展開し、学習者に再度学習を促す(ステップS1014)。
【0073】
制御部305は、ステップS1010において学習状態フラグ1203が、「完了状態」と判断された学習者に対しては、教材を非表示とし学習を終了する。
【0074】
以下、教材ごとに図19、図20、図21、図22及び図23、図24、図25、図26、図27、図28のフローを繰り返し学習を実施し、学習者の状態を推定する。
【0075】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態によれば、学習者の状態をリアルタイムに推定して、適切な学習のナビゲーションを実施する学習ナビゲーションシステムを提供することができる。上記実施形態をe-learningシステムに適用する事により、実際に教師が授業を行っているように、リアルタイムに状態を判定する事で、学習者に適合した教材を提供する事が可能となる。これにより、学習者のレベルに適した教材を学習する事が可能となり、教材に興味が沸かない場合や、内容が簡単・難しすぎるケースを排除する事が出来る。
【0076】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0077】
10・・・教材DBサーバ、11・・・教材Webサーバ、12、ユーザ端末、403・・・表示部、402・・・入力部、222、305、400・・・制御部、223、306、404・・・ネットワークインタフェース部、225、302、401・・・記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者がネットワーク上で教材を学習可能な学習ナビゲーションシステムであって、
前記教材または該教材に関するテストを表示する手段と、
メモ帳を表示する手段と、
前記利用者による、前記教材の閲覧情報及び前記メモ帳への入力情報を収集する手段と、
前記収集した情報に基づき、前記利用者の学習状態を判定する手段と、
前記判定結果に応じた教材を記憶手段から検索して表示する手段と、を有する、
ことを特徴とする学習ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記利用者が前記教材を学習中か前記教材に関するテストを実施中かを判定し、
前記表示手段は、前記判定結果に基づき、前記利用者が前記教材に興味がない、または、前記教材が難しいと判断された場合、知識レベルに適した教材を前記記憶手段から検索して表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習ナビゲーションシステム。
【請求項1】
利用者がネットワーク上で教材を学習可能な学習ナビゲーションシステムであって、
前記教材または該教材に関するテストを表示する手段と、
メモ帳を表示する手段と、
前記利用者による、前記教材の閲覧情報及び前記メモ帳への入力情報を収集する手段と、
前記収集した情報に基づき、前記利用者の学習状態を判定する手段と、
前記判定結果に応じた教材を記憶手段から検索して表示する手段と、を有する、
ことを特徴とする学習ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記利用者が前記教材を学習中か前記教材に関するテストを実施中かを判定し、
前記表示手段は、前記判定結果に基づき、前記利用者が前記教材に興味がない、または、前記教材が難しいと判断された場合、知識レベルに適した教材を前記記憶手段から検索して表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習ナビゲーションシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−103524(P2012−103524A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252435(P2010−252435)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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