安全蓋
【課題】幼児が容易に開栓できかつ、外観から開封されたものであるか否かを容易に判別することを可能にすること。
【解決手段】外蓋2Aと、内蓋4Aとの組合せからなる安全蓋1Aであって、外蓋2Aのスカート壁20の下端には、ブリッジ26を介してTEバンド28が連結されている。TEバンド28の下端面には凹部30が形成され、凹部30によりTEバンド28には、幅広領域Aと、幅狭領域Bと、段部32とが形成される。外蓋2Aを下方に押圧して弾性離隔係合片24を弾性的に撓ませるとTEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。
【解決手段】外蓋2Aと、内蓋4Aとの組合せからなる安全蓋1Aであって、外蓋2Aのスカート壁20の下端には、ブリッジ26を介してTEバンド28が連結されている。TEバンド28の下端面には凹部30が形成され、凹部30によりTEバンド28には、幅広領域Aと、幅狭領域Bと、段部32とが形成される。外蓋2Aを下方に押圧して弾性離隔係合片24を弾性的に撓ませるとTEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外蓋と該外蓋内に収容される内蓋との組合せからなる安全蓋であって、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能を備えた安全蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品やアルコール飲料などを収容するための容器に使用される合成樹脂製の安全蓋として、特許文献1には、幼児が偶発的に容器を開封してしまって許容し得ない自体が発生することを充分確実に回避することができるチャイルドレジスタント機能を備えた安全蓋が開示されている。この安全蓋は、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ外蓋内に収容される内蓋との組合せからなる。内蓋は、側壁内面の雌螺条が、外面に雄螺条が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより容器口部を閉栓する。内蓋の頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起と係合突条とが形成されている。外蓋の天面壁内面には、下方に突出する第2係合突起と、外蓋の天面壁内面と内蓋の頂面壁外面とを相互に離隔させて第1係合突起と第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、外蓋を閉栓方向に回転させる時に内蓋の係合突条と係合して内蓋を回転させるが、外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成されている。
【0003】
上記安全蓋を容器口部に装着するに際し、外蓋を閉栓方向へ回転させると、外蓋の弾性離隔係合片が内蓋の係合突条と係合して内蓋を閉栓方向に一体に回転させ、内蓋が容器口部に螺合して閉栓される。閉栓状態において外蓋を開栓方向へ回転させると、外蓋の弾性離隔係合片が内蓋の係合突条に対し係合しない周方向に回転移動させられるので、外蓋は内蓋に対し空転して安全蓋の閉栓状態が維持される。他方、閉栓状態において外蓋を内蓋に対し押し下げながら開栓方向へ回転させると、弾性離隔係合片が弾性的に撓まされて外蓋の第2係合突起が内蓋の第1係合突起と係合させられるので、内蓋が外蓋と一体に開栓方向へ回転させられて開栓される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平8−588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された安全蓋においては、開栓する際、外蓋を内蓋に対し押し回ししない限り、チャイルドレジスタント機能が働いて幼児が誤って開栓することは防止される。しかしながら、上記安全蓋にはタンパーエビデント機能が備えられていないので、外観から上記安全蓋が開封されたものであるか否かを判別することができなかった。
【0006】
本発明の主目的は、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能を備えた安全蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起と係合突条とが形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、下方に突出する第2係合突起と、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成されている安全蓋において;前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋が提供される。
本発明の他の局面によれば、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁8内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する係合突条が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させかつ前記第1ラチェット爪と前記第2ラチェット爪とを軸方向に離隔させて相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成され、前記外蓋が前記内蓋に対し前記弾性離隔係合片の弾性力に抗して押し下げられると、前記外蓋の前記第2ラチェット爪は、前記内蓋の前記第1ラチェット爪に噛み合うことが可能な軸方向位置に移動させられ、この状態で前記外蓋を開栓方向に回転させると、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪が相互に噛み合って前記内蓋を開栓方向に回転させる安全蓋において;前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋が提供される。
本発明の更に他の局面によれば、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には下方に突出する第2係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面との少なくとも一方には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持すると共に、前記外蓋を押し下げて弾性的に撓ませると前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に係合可能となる弾性離隔片が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪は、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時には相互に噛み合って前記内蓋を回転させ、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には前記外蓋を空転させる形状に形成されている安全蓋において;前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る安全蓋によれば、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、幼児が容易に開栓することを確実に防止できることに加えて、外観から開封されたものであるか否かを容易に判別することが可能となる。また本発明に係る安全蓋によれば、チャイルドレジスタント機能を備えた安全蓋に、簡単な構成及び低コストで、タンパーエビデント機能を付加することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態における内蓋の縦断面図である。
【図2】図1に示す内蓋の上面図である。
【図3】本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態における外蓋を一部断面で示す側面図である。
【図4】図3に示す外蓋の底面図である。
【図5】本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態を一部断面で示す側面図である。
【図6】図5に示す安全蓋を容器口部と共に一部断面で示す側面図である。
【図7】図6に示す安全蓋の開栓工程の一部を示す部分側面図である。
【図8】図6に示す安全蓋の開栓工程の他の一部を示す部分側面図である。
【図9】本発明に従って構成された安全蓋の第2の実施の形態における内蓋の縦断面図である。
【図10】図9に示す内蓋の上面図である。
【図11】本発明に従って構成された安全蓋の第2の実施の形態における外蓋を一部断面で示す側面図である。
【図12】図11に示す外蓋の底面図である。
【図13】本発明に従って構成された安全蓋の第2の実施の形態を一部断面で示す側面図である。
【図14】図13に示す安全蓋を容器口部と共に一部断面で示す側面図である。
【図15】図13のX−X矢視断面図であって、その一部を拡大して示す断面図である。
【図16】本発明に従って構成された安全蓋の第3の実施の形態における内蓋の縦断面図である。
【図17】図16に示す内蓋の上面図である。
【図18】本発明に従って構成された安全蓋の第3の実施の形態における外蓋を一部断面で示す側面図である。
【図19】図18に示す外蓋の底面図である。
【図20】本発明に従って構成された安全蓋の第3の実施の形態を一部断面で示す側面図である。
【図21】図20に示す安全蓋を容器口部と共に一部断面で示す側面図である。
【図22】図20のY−Y矢視断面図であって、その一部を拡大して示す断面図である。
【図23】本発明に従って構成された安全蓋が適用される容器の口部を示す正面図である。
【図24】図23に示す容器口部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された安全蓋の実施の形態を、図1〜図24を参照して説明する。なお、図1〜図24に示す実施の形態において、実質的に同一部分は同一符号で示されている。
【0011】
先ず、図1〜図8を参照して、本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態について説明する。安全蓋1Aは、外蓋2Aと内蓋4Aとの組合せから構成される。外蓋2Aと内蓋4Aとは、例えばポリプロピレン、ポリスチレンなどの適宜の合成樹脂から、射出成形、圧縮成形などの成形法によって成形することができる。
【0012】
図1及び図2から理解される如く、内蓋4Aは、円形頂面壁6と、この頂面壁6の周縁から垂下する円筒形側壁8とを有する。側壁8の内面には雌螺条10が形成されている。頂面壁6の周縁部における外面(上面)には、上方に突出する第1係合突起12が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。第1係合突起12の各々は、一定の半径方向幅及び一定の高さで頂面壁6の周縁に沿って円弧状に延びている。頂面壁6の、第1係合突起12の各々が形成された周縁部よりも半径方向内側における外面(上面)には、上方に延びる係合突条14が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する係合突条14の各々は、開栓方向側に面しかつ頂面壁6の外面から切り立って(ほぼ直角に)一定の高さ突出して半径方向に直線状に延びる開栓側係合面14aと、開栓側係合面14aの上端から閉栓方向側に頂面壁6の外面に向けて緩やかに延びる閉栓側傾斜面14bとからなる。係合突条14の各々の開栓側係合面14a側の下端は頂面壁6の外面よりも低い位置に形成され、開栓側係合面14aの各々の下端から開栓方向側に頂面壁6の外面に向かって傾斜する係合補助傾斜面15が形成されている。頂面壁6の内面には、比較的軟性の合成樹脂から別個に形成された円形パッキング部材16が配設されている。
【0013】
図3及び図4から理解される如く、外蓋2Aは、円形天面壁18と、この天面壁18の周縁から垂下する円筒形スカート壁20とを有する。天面壁18の内面には、下方に突出する第2係合突起22が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。第2係合突起22の各々は、一定の半径方向幅及び一定の高さで天面壁18の周縁に沿って円弧状に延びている。第2係合突起22の各々の周方向位置は、内蓋4Aの第1係合突起12の各々の周方向の間隔内に、周方向に隙間をおいて位置し得るよう設定されている。天面壁18の内面であって、第2係合突起22の各々が形成された周縁部よりも半径方向内側における内面には、下方に突出する弾性離隔係合片24が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する弾性離隔係合片24の各々は、天面壁18の内面から所定の幅及び厚みをもって閉栓方向下方に延び出し、先端面は一定の厚さで半径方向に延びている。弾性離隔係合片24の各々は、外蓋2Aの天面壁18内面と内蓋4の頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態(係合し得ない状態)に弾性的に維持するとともに、外蓋2Aを閉栓方向に回転させる時に先端面が内蓋4Aの係合突条14と係合して内蓋4を一体に回転させるが、外蓋2Aを開栓方向に回転させる時には、空転して係合突条14とは係合しない。スカート壁20の外面には、指の滑りを防止するためのローレット20aが形成されている。スカート壁20の下端部内面には、半径方向内方に突出する環状突条25が形成されている。環状突条25は、内蓋4Aの側壁8の下端部外面であって、下方に向かって外径が徐々に小さくなるよう形成された下端部外面(図1参照)を保持して内蓋4Aの下方への移動を阻止する機能を有している。スカート壁20の内径は、内蓋4Aの側壁8の外径よりも幾分大きく形成されている。
【0014】
外蓋2Aのスカート壁20の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個の破断可能なブリッジ26を介して円形のタンパーエビデントバンド28(以下、TEバンド、と略称する)が連結されている。TEバンド28の下端面には凹部30が少なくとも1個(この実施の形態においては2個)形成されている。これらの凹部30によりTEバンド28には、上端面から下端面までの軸方向幅が広い幅広領域Aと、該軸方向幅が狭い幅狭領域Bと、幅広領域Aと幅狭領域Bとの境界を軸方向に延びる段部32とが形成される。幅広領域Aと幅狭領域Bとはそれぞれ少なくとも1個(この実施の形態においてはそれぞれ2個)配設される。なお、TEバンド28の上端面は、軸に直交する平面上に位置付けられ、下端面は上端面と平行である。
【0015】
上述したとおりの構成を有する内蓋4Aと外蓋2Aとは、図5に示すとおりに組み合わせて使用される。すなわち、内蓋4Aは外蓋2A内に収容される。図5から理解される如く、外蓋2Aのスカート壁20の下端部内面に形成されている環状突条25の内径は、内蓋4の側壁8の下端部外面の外径よりも幾分小さい。従って、外蓋2A内に内蓋4Aを収容する際には、外蓋2Aのスカート壁20の開口側が環状突条25と共に半径方向外方に弾性変形させられて、内蓋4Aが外蓋2Aの環状突条25内を強制的に通過させられる。そして、外蓋2A内に一旦内蓋4Aが収容されると、元の大きさ(内径)に弾性的に復帰した外蓋2Aのスカート壁20の環状突条25が、内蓋4Aの側壁8の下端部外面の下方に対向して位置付けられるので、内蓋4Aの外蓋2Aからの離脱が防止される。
【0016】
図5に明確に示されているように、外蓋2A内に内蓋4Aが収容されると、外蓋2Aの天面壁18の内面に形成されている弾性離隔係合片24の先端部下面が内蓋4Aの頂面壁6の外面に当接し、これによって外蓋2Aの天面壁18の内面と内蓋4Aの頂面壁6の外面とが所定間隔離隔される。この状態において、内蓋4Aの頂面壁6の外面に形成されている第1係合突起12と外蓋2Aの天面壁18の内面に形成されている第2係合突起22とは上下方向(軸方向)に離隔されている。
【0017】
外蓋2Aとその内側に収容された内蓋4Aとの組合せから成る安全蓋1Aは、口部を備えた容器50に適用される。図23及び図24に明確に示されているように、ガラス又は適宜の合成樹脂から形成することができる容器50は、上面が開放された円筒形状の容器口部52を有している。この容器口部52の外周面には雄螺条54が形成され、容器口部52における雄螺条54よりも下方位置、実施形態においては、雄螺条54の下側に配設された環状の突条であるサポート56の下側位置には、外面から半径方向外方に延びる係止突起58が少なくとも1個、この実施の形態においては2個、容器口部52の軸心を挟んだ半径方向対称位置に形成されている。相互に対称形状をなす係止突起58は、一定の周方向幅及び一定の軸方向厚みを有する半径方向に細長い矩形状をなしており、接線方向の横断面は接線方向に細長い矩形をなしている。
【0018】
上記安全蓋1Aを容器口部52に装着して閉栓する際には、図23及び図24に示す容器50の容器口部52に安全蓋1Aを被嵌して外蓋2Aを閉栓方向(図6において上方から見て時計方向)に回転させる。外蓋2Aの閉栓方向への回転により、外蓋2Aの天面壁18の内面に形成されている弾性離隔係合片24の先端面が、内蓋4Aの頂面壁6の外面に形成された係合突条14の切り立った開栓側係合面14aに当接、係合して外蓋2Aの閉栓方向の回転が内蓋4Aに伝えられ、内蓋4Aが外蓋2Aと一体に閉栓方向に回転させられる。内蓋4Aの閉栓方向への回転により、内蓋4Aの側壁8の内面に形成されている雌螺条10が容器口部52の雄螺条54に螺合され、図6に示されているように、容器口部52に安全蓋1Aが締結されて閉栓される。内蓋4Aの頂面壁6の内面に配設されたパッキング部材16が容器口部52の上端に密接させられて容器口部52が密封される。上記閉栓動作中において、外蓋2Aの第2係合突起22の各々の下面は、内蓋4Aの第1係合突起12の各々の上面に対向して位置付けられるので、第1係合突起12の各々と第2係合突起22の各々とが係合して相互に協働することはない。内蓋4Aが外蓋2A内に収容された状態で容器口部52を閉栓した状態において、TEバンド28の最下端である、幅広領域Aの各々の下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面より幾分上方に位置付けられる。
【0019】
このような閉栓状態において、容器口部52から安全蓋1Aを離脱して容器口部52を開封しようとして、外蓋2Aを内蓋4Aに対し押し下げることなく、単に開栓方向(すなわち図6において上方から見て反時計方向)に回転させても、弾性離隔係合片24の各々が、外蓋2Aの天面壁18内面と内蓋4Aの頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、弾性離隔係合片24の各々の先端面が、内蓋4Aの係合突条14が向けられている周方向である開栓方向に回転移動するために、閉栓動作において係合されていた係合突条14との係合が解除される。その結果、外蓋2Aは内蓋4Aに対し開栓方向に空転させられるので、容器口部52から安全蓋1Aを離脱することはできない。この空転の際、弾性離隔係合片24の各々の先端が、係合突条14の緩やかな閉栓側傾斜面14bを通って内蓋4Aの頂面壁6の外面から突出している係合突条14の上端に乗り上げてから係合突条14の切り立った開栓側係合面14a側の係合補助傾斜面15に落下させられるので、空転動作中、カチカチという音が発生し、空転状態が確認される。
【0020】
また、外蓋2Aを内蓋4Aに対し押し下げることなく、単に開栓方向に回転させたとき、TEバンド28の最下端である幅広領域Aの下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面の幾分上方を該上端面に干渉することなく周方向に相対的に回転移動するので、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合することがなく、ブリッジ26が破断することはない。
【0021】
これに対し、外蓋2Aを内蓋4Aに対し押し下げて弾性離隔係合片24を弾性的に撓ませながら開栓方向に回転させると、外蓋2Aの第2係合突起22の各々が、内蓋4Aの第1係合突起12の各々に対し周方向に相対移動させられることにより第1係合突起12の各々間に落下、嵌合して相互に周方向に係合させられ、相互に協働し得る状態となる。同時に、図7に示されているように、TEバンド28の幅広領域Aの下端面が、容器口部52の係止突起58の上方から周方向に相対移動させられて係止突起58を通過すると、段部32に相当する高さだけ軸方向に(下方に)相対移動して、幅狭領域Bの下端面が容器口部52の係止突起58の上面に接触するよう位置付けられるので、段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。その結果、内蓋4Aが第1及び第2係合突起12及び22を介して外蓋2Aと一体に開栓方向に回転させられるとともに、図8に示されているように、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合してTEバンド28の容器口部52に対する相対回転が阻止されるので、ブリッジ26が破断され、TEバンド28を容器口部52に残して安全蓋1Aを容器口部52から離脱させることができる。
【0022】
本発明に係る安全蓋の上記第1の実施の形態(安全蓋1A)によれば、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、幼児が容易に開栓することを確実に防止できることに加えて、外観から開封されたものであるか否かを容易に判別することが可能となる。また本発明に係る安全蓋1Aによれば、外蓋2Aのスカート壁20の下端に、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジ26を介して円形のTEバンド28を連結し、TEバンド28に、幅広領域Aと、幅狭領域Bと、両領域の境界を軸方向に延びる段部32とを配設して、容器口部52に係止突起58を備えた容器50に適用することによりチャイルドレジスタント機能を備えることができるので、簡単な構成及び低コストで、タンパーエビデント機能を付加することが可能である。
【0023】
次に、本発明に係る安全蓋の第2の実施の形態(安全蓋1B)を、図9〜図15を参照して説明する。安全蓋1Bが外蓋2Bと内蓋4Bとの組合せから構成される基本的構成は、第1の実施の形態と同じである。
【0024】
図9及び図10から理解される如く、内蓋4Bは、円形頂面壁6と、この頂面壁6の周縁から垂下する円筒形側壁8とを有する。側壁8の内面には雌螺条10が形成されている。頂面壁6の周縁部における外面(上面)には、係合突条14が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する係合突条14の各々は、それぞれ切り立って延びる開栓側係合面14aと、緩やかな閉栓側傾斜面14bとからなり、係合突条14の各々の開栓側における頂面壁6の外面には係合補助傾斜面15が形成されている。これらの構成は、第1の実施の形態における構成と実質的に同じであるので更なる説明は省略する。内蓋4Bの側壁8外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪34が形成されている。図15をも参照して、相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第1ラチェット爪34の各々は、側壁8外面から半径方向外方に一定の高さ延び出して軸方向に所定の長さだけ延びる第1噛合い面34aと、第1噛合い面34aの先端(半径方向先端)から側壁8外面に向かって内蓋4Bの開栓方向に延びる開栓方向傾斜面34bとを備えている。第1噛合い面34aは内蓋4Bの閉栓方向に向けられている。頂面壁6の内面には、第1の実施の形態における構成と実質的に同じ構成を有する円形パッキング部材16が配設されている。
【0025】
図11及び図12から理解される如く、外蓋2Bは、円形天面壁18と、この天面壁18の周縁から垂下する円筒形スカート壁20とを有する。このスカート壁20内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪36が形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第2ラチェット爪36の各々は、図15に示されているように、スカート壁20内面から半径方向内方に一定の高さ延び出して軸方向に所定の長さだけ延びる第2噛合い面36aと、第2噛合い面36aの先端(半径方向先端)からスカート壁20内面に向かって外蓋2の閉栓方向に緩やかに延びる閉栓方向傾斜面34bとを備えている。第2噛合い面36aは外蓋2の開栓方向に向けられている。スカート壁20内面の直径、すなわち内径は、内蓋4Bの第1ラチェット爪34の各々の先端をとおる仮想円の直径よりも幾分大きく形成されている。スカート壁20の下端部内面には、半径方向内方に突出する環状突条25が形成されている。
【0026】
外蓋2Bの天面壁18の周縁部における内面には、下方に突出する弾性離隔係合片24が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する弾性離隔係合片24の各々は、天面壁18の内面から所定の幅及び厚みをもって閉栓方向下方に延び出し、先端面は一定の厚さで半径方向に延びている。弾性離隔係合片24の各々は、外蓋2Bの天面壁18内面と内蓋4Bの頂面壁6外面とを相互に離隔させかつ第1ラチェット爪34と第2ラチェット爪36とを軸方向に離隔させて相互に協働し得ない状態(噛合うことができない状態)に弾性的に維持する(外蓋2Bの第2ラチェット爪36が内蓋4Bの第1ラチェット爪34に対し軸方向における外蓋2Bの天面壁18側に離隔させられる)とともに、外蓋2Bを閉栓方向に回転させる時に先端面が内蓋4Bの係合突条14と係合して内蓋4Bを一体に回転させるが、外蓋2Bを開栓方向に回転させる時には、空転して係合突条14とは係合しない。スカート壁20の外面には、指の滑りを防止するためのローレット20aが形成されている。
【0027】
外蓋2Bのスカート壁20の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個の破断可能なブリッジ26を介して円形のTEバンド28が連結されている。TEバンド28の構成及び機能は、第1の実施の形態において説明したTEバンド28のそれらと実質的に同じであるので更なる説明は省略する。
【0028】
上述したとおりの構成を有する内蓋4Bと外蓋2Bとは、図13に示すとおりに組み合わせて使用される。すなわち、内蓋4Bは外蓋2B内に収容される。図13から理解される如く、外蓋2Bのスカート壁20の下端部内面に形成されている環状突条25の内径は、内蓋4Bの側壁8の下端部外面の外径よりも幾分小さい。従って、第1の実施の形態におけるのと同じとおりにして、内蓋4Bは外蓋2B内に収容されかつ外蓋2Bからの離脱が防止される。外蓋2Bの天面壁18内面の第2ラチェット爪36と内蓋4Bの頂面壁6外面の第1ラチェット爪34とは、先に述べたとおり、弾性離隔係合片24の各々により軸方向に離隔させられて相互に協働し得ない状態(噛み合うことができない状態)に位置付けられている。
【0029】
図14を参照して、上記安全蓋1Bを容器口部52に装着して閉栓する際には、容器口部52に安全蓋1Bを被嵌して外蓋2Bを閉栓方向(図14において上方から見て時計方向)に回転させる。外蓋2Bの閉栓方向への回転により、外蓋2Bの天面壁18の内面に形成されている弾性離隔係合片24の先端面が、内蓋4Bの頂面壁6の外面に形成された係合突条14の切り立った開栓側係合面14aに当接、係合して外蓋2Bの閉栓方向の回転が内蓋4Bに伝えられ、内蓋4Bが外蓋2Bと一体に閉栓方向に回転させられる。内蓋4Bの閉栓方向への回転により、内蓋4Bの側壁8の内面に形成されている雌螺条10が容器口部52の雄螺条54に螺合され、容器口部52に安全蓋1Bが締結されて閉栓される。内蓋4Bの頂面壁6の内面に配設されたパッキング部材16が容器口部52の上端に密接させられて容器口部52が密封される。上記閉栓動作中において、外蓋2Bのスカート壁20内面の第2ラチェット爪36と内蓋4Bの側壁8外面の第1ラチェット爪34とは、先に述べたとおり、弾性離隔係合片24の各々により軸方向に離隔させられて相互に噛み合うことはない。内蓋4Bが外蓋2B内に収容された状態で容器口部52を閉栓した状態において、TEバンド28の最下端である、幅広領域Aの各々の下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面より幾分上方に位置付けられる。
【0030】
このような閉栓状態において、容器口部52から安全蓋1Bを離脱して容器口部52を開封しようとして、外蓋2Bを内蓋4Bに対し押し下げることなく、単に開栓方向(すなわち図14において上方から見て反時計方向)に回転させても、弾性離隔係合片24の各々が、外蓋2Bの天面壁18内面と内蓋4Bの頂面壁6外面とを相互に離隔させて外蓋2Bのスカート壁20内面の第2ラチェット爪36と内蓋4Bの側壁8外面の第1ラチェット爪34とは、先に述べたとおり、弾性離隔係合片24の各々により軸方向に離隔させられて相互に協働し得ない状態(噛み合うことができない状態)に維持されるとともに、弾性離隔係合片24の各々の先端面が、内蓋4の係合突条14が向けられている周方向である開栓方向に回転移動するために、閉栓動作において係合されていた係合突条14との係合が解除される。その結果、外蓋2Bは内蓋4Bに対し開栓方向に空転させられるので、容器口部52から安全蓋1Bを離脱することはできない。この空転の際、弾性離隔係合片24の各々の先端が、係合突条14の緩やかな閉栓側傾斜面14bを通って内蓋4Bの頂面壁6の外面から突出している係合突条14の上端に乗り上げてから係合突条14の切り立った開栓側係合面14a側の係合補助傾斜面15に落下させられるので、空転動作中、カチカチという音が発生し、空転状態が確認される。
【0031】
また、外蓋2Bを内蓋4Bに対して押し下げることなく、単に開栓方向に回転させたとき、TEバンド28の最下端である幅広領域Aの下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面の幾分上方を該上端面に干渉することなく周方向に相対的に回転移動するので、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合することがなく、ブリッジ26が破断することはない。
【0032】
これに対し、外蓋2Bを下方に押圧して弾性離隔係合片24を弾性的に撓ませながら開栓方向に回転させると、外蓋2の第2ラチェット爪36が、内蓋4の前記第1ラチェット爪34に噛み合うことが可能な軸方向位置に移動させられるので、第2ラチェット爪36の第2噛合い面36a(図15)が第1ラチェット爪34の第1噛合い面34a(図15)に噛み合って内蓋4Bを開栓方向に一体に回転させる。同時に、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じとおりにして、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。その結果、内蓋4Bが第1及び第2ラチェット爪34及び36を介して外蓋2Bと一体に開栓方向に回転させられるとともに、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合してTEバンド28の容器口部52に対する相対回転が阻止されるので、ブリッジ26が破断され、TEバンド28を容器口部52に残して安全蓋1Bを容器口部52から離脱させることができる。
【0033】
本発明に係る安全蓋の上記第2の実施形態においても、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、先に述べた第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ効果を奏することができる。
【0034】
次に、本発明に係る上記安全蓋の第3の実施の形態(安全蓋1C)を、図16〜図22を参照して説明する。安全蓋1Cが外蓋2Cと内蓋4Cとの組合せから構成される基本的構成は、第1及び第2の実施の形態と同じである。
【0035】
図16及び図17から理解される如く、内蓋4Cは、円形頂面壁6と、この頂面壁6の周縁から垂下する円筒形側壁8とを有する。側壁8の内面には雌螺条10が形成されている。頂面壁6の周縁部における外面(上面)には、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ構成を有する第1係合突起12が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。内蓋4Cの側壁8外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪34が形成されている。図22をも参照して、相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第1ラチェット爪34の各々は、側壁8外面から半径方向外方に一定の高さ延び出して軸方向に所定の長さだけ延びる第1噛合い面34aと、第1噛合い面34aの先端から側壁8外面に向かって内蓋4Cの閉栓方向に緩やかに延びる閉栓方向傾斜面34bとを備えている。第1噛合い面34aは内蓋4Cの開栓方向に向けられている。頂面壁6の内面には、第1の実施の形態における構成と実質的に同じ構成を有する円形パッキング部材16が配設されている。
【0036】
図18及び図19から理解される如く、外蓋2Cは、円形天面壁18と、この天面壁18の周縁から垂下する円筒形スカート壁20とを有する。スカート壁20の内面には、周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪38が形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第2ラチェット爪38の各々は、図22に明示されているように、スカート壁20の内面から半径方向内方にかつ閉栓方向に所定の長さだけ延び出す弾性フラップ片からなる。フラップ片の各々は、同じ横断面をもって軸方向に所定の長さ延びている。フラップ片の各々の先端には、軸方向に細長い矩形状の第2噛合い面38aが形成されている。第2噛合い面38aは外蓋2Cの閉栓方向に向けられている。上記説明から明らかなように、第1ラチェット爪34及び第2ラチェット爪38は、外蓋2Cを閉栓方向に回転させる時にはそれぞれ切り立った第1噛合い面34aと第2噛合い面38aとが相互に噛み合って内蓋4Cを回転させ、外蓋2Cを開栓方向に回転させる時には外蓋2Cを空転させる形状に形成されている。また、第1ラチェット爪34及び第2ラチェット爪38は、軸方向の相対位置が変化しても、上記動作が常時可能となるように、相互の軸方向位置が設定されている。
【0037】
外蓋2Cの天面壁18の周縁部における内面には、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ構成を有する第2係合突起22が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。天面壁18の内面であって、第2係合突起22の各々が形成された周縁部よりも半径方向内側における内面には、下方に突出する弾性離隔片40が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する弾性離隔片40の各々は、天面壁18の内面から所定の半径方向幅及び軸方向厚みをもって閉栓方向下方に延び出している。弾性離隔片40の各々は、外蓋2Cの天面壁18内面と内蓋4Cの頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態(係合し得ない状態)に弾性的に維持するとともに、外蓋2Cを押し下げて弾性的に撓ませると第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に係合可能となるよう構成されている。スカート壁20の外面には、指の滑りを防止するためのローレット20aが形成されている。スカート壁20の下端部内面には、半径方向内方に突出する環状突条25が形成されている。スカート壁20の内径は、内蓋4Cの側壁8の外径よりも幾分大きく形成されている。
【0038】
外蓋2Cのスカート壁20の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個の破断可能なブリッジ26を介して円形のTEバンド28が連結されている。TEバンド28の構成及び機能は、第1の実施の形態において説明したTEバンド28のそれらと実質的に同じであるので更なる説明は省略する。
【0039】
上述したとおりの構成を有する内蓋4Cと外蓋2Cとは、図20に示すとおりに組み合わせて使用される。すなわち、内蓋4Cは外蓋2C内に収容される。内蓋4Cを外蓋2C内に収容する際には、外蓋2Cのスカート壁20の開口側が環状突条25と共に半径方向外方に弾性変形させられて、内蓋4Cの下端部が外蓋2Cの環状突条25内を強制的に通過させられる。そして、外蓋2C内に一旦内蓋4Cが収容されると、元の大きさ(内径)に弾性的に復帰した外蓋2Cのスカート壁20の環状突条25が内蓋4Cの側壁8の下端部の下方に対向して位置付けられるので、外蓋2Cからの内蓋4Cの離脱が防止される。
【0040】
上記安全蓋1Cを容器口部52に装着して閉栓する際には、容器口部52に安全蓋1Cを被嵌して外蓋2Cを閉栓方向(図21において上方から見て時計方向)に回転させる。外蓋2Cの閉栓方向への回転により、図22に示されているように、外蓋2Cの第2ラチェット爪38の第2噛合い面38aが内蓋4Cの第1ラチェット爪34の第1噛合い面34aに噛み合って内蓋4Cを一体に閉栓方向へ回転させる。内蓋4Cの閉栓方向への回転により、内蓋4Cの側壁8の内面に形成されている雌螺条10が容器口部52の雄螺条54に螺合され、図21に示されているように、容器口部52に安全蓋1Cが締結されて閉栓される。内蓋4Cの頂面壁6の内面に配設されたパッキング部材16が容器口部52の上端に密接させられて容器口部52が密封される。上記閉栓動作中において、内蓋4Cの第1係合突起12と外蓋2Cの第2係合突起22とは、弾性離隔片40の各々により軸方向に離隔させられて相互に係合することはない。なお、第1及び第2ラチェット爪34及び38が上記したとおりにして噛合った状態において、内蓋4Cの第1係合突起12と外蓋2Cの第2係合突起22とは、相互に対向する位置に位置付けられるので、弾性離隔片40の各々の弾性力に抗して外蓋2Cの天面壁18が内蓋4Cの頂面壁6に向かって相対移動しようとしても、外蓋2Cの第2係合突起22の下面が内蓋4Cの第1係合突起12の上面に突き当たって、両者が係合することはない。内蓋4Cが外蓋2C内に収容された状態で容器口部52を閉栓した状態において、TEバンド28の最下端である、幅広領域Aの各々の下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面より幾分上方に位置付けられる。
【0041】
このような閉栓状態において、容器口部52から安全蓋1Cを離脱して容器口部52を開封しようとして、外蓋2Cを内蓋4Cに対して押し下げることなく、単に開栓方向(すなわち図21において上方から見て反時計方向)に回転させても、弾性離隔片40の各々が、外蓋2Cの天面壁18内面と内蓋4Cの頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、外蓋2Cの第2ラチェット爪38であるフラップ片の各々の先端の第2噛合い面38aが、内蓋4Cの第1ラチェット爪34の各々の第1噛合い面34aが向けられている開栓方向に回転移動するために、閉栓動作において噛合っていた第1噛合い面34aとの係合が解除される。その結果、外蓋2Cは内蓋4Cに対し開栓方向に空転させられるので、容器口部52から安全蓋1Cを離脱することはできない。この空転の際、第2ラチェット爪38であるフラップ片の各々の先端が、内蓋4Cの側壁8の内面から突出している第1ラチェット爪34の各々の第1噛合い面34aの閉栓方向傾斜面34bを通って第1噛合い面34aの先端に乗り上げてから該内面に落下させられるので、空転動作中、カチカチという音が発生し、空転状態が確認される。
【0042】
また、外蓋2Cを内蓋4Cに対して押し下げることなく、単に開栓方向に回転させたとき、TEバンド28の最下端である幅広領域Aの下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面の幾分上方を該上端面に干渉することなく周方向に相対的に回転移動するので、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合することがなく、ブリッジ26が破断することはない。
【0043】
これに対し、外蓋2Cを下方に押圧して弾性離隔片40を弾性的に撓ませながら開栓方向に回転させると、外蓋2Cの第2ラチェット爪38であるフラップ片と内蓋4Cの第1ラチェット爪34の各々とは相互に噛合うことがないが、外蓋2Cの第2係合突起22の各々が内蓋4Cの第1係合突起12の各々間に落下し、嵌合して相互に周方向に係合させられ、相互に協働し得る状態となる。同時に、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じとおりにして、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。その結果、内蓋4Cが第1及び第2係合突起12及び22を介して外蓋2Cと一体に開栓方向に回転させられるとともに、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合してTEバンド28の容器口部52に対する相対回転が阻止されるので、ブリッジ26が破断され、TEバンド28を容器口部52に残して安全蓋1Cを容器口部52から離脱させることができる。
【0044】
本発明に係る安全蓋の上記第3の実施の形態においても、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、先に述べた第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ効果を奏することができる。
【0045】
本発明に係る安全蓋の上記実施の形態において、容器口部52には係止突起58が2個形成され、TEバンド28には凹部30が2個形成されているが、少なくとも1個の係止突起58に対し、多数の凹部30を形成する他の実施形態もある。この実施形態によれば、TEバンド28には多数の段部32が形成されるので、少ない回転で係止突起58に係止させることが可能になる。また、本発明に係る安全蓋の上記実施の形態において、TEバンド28の段部32は軸方向に延びており、容器口部52の係止突起58の周方向の一側面であって、開栓動作時に段部32が当接する一側面も軸方向に延びているが、開栓動作時に係止突起58の周方向の一側面に当接させられる段部32及び/又は係止突起58の周方向の一側面であって、開栓動作時に段部32が当接する一側面を、下方に向かって開栓方向に傾斜させる他の実施形態もある。これらの実施形態によれば、段部32と係止突起58との開栓時における係止力を向上させることが可能になる。本発明に係る安全蓋の上記実施の形態において、弾性離隔片40の各々は、天面壁18の内面から所定の半径方向幅及び軸方向厚みをもって閉栓方向下方に延び出しているが、その機能を満足する限りにおいて、延び出す方向は適宜に設定すればよい。
【符号の説明】
【0046】
1A、1B、1C:安全蓋
2A、2B、2C:外蓋
4A、4B、4C:内蓋
6:頂面壁
8:側壁
12:第1係合突起
14:係合突条
14a:開栓側係合面
14b:閉栓側傾斜面
15:係合補助傾斜面
18:天面壁
20:スカート壁
22:第2係合突起
24:弾性離隔係合片
25:環状突条
28:タンパーエビデントバンド
30:凹部
32:段部
34:第1ラチェット爪
34a:第1噛合い面
34b:開栓方向傾斜面
36:第2ラチェット爪
38:第2ラチェット爪(弾性フラップ片)
36a、38a:第2噛合い面
40:弾性離隔片
50:容器
52:容器口部
58:係止突起
A:幅広領域
B:幅狭領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、外蓋と該外蓋内に収容される内蓋との組合せからなる安全蓋であって、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能を備えた安全蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品やアルコール飲料などを収容するための容器に使用される合成樹脂製の安全蓋として、特許文献1には、幼児が偶発的に容器を開封してしまって許容し得ない自体が発生することを充分確実に回避することができるチャイルドレジスタント機能を備えた安全蓋が開示されている。この安全蓋は、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ外蓋内に収容される内蓋との組合せからなる。内蓋は、側壁内面の雌螺条が、外面に雄螺条が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより容器口部を閉栓する。内蓋の頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起と係合突条とが形成されている。外蓋の天面壁内面には、下方に突出する第2係合突起と、外蓋の天面壁内面と内蓋の頂面壁外面とを相互に離隔させて第1係合突起と第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、外蓋を閉栓方向に回転させる時に内蓋の係合突条と係合して内蓋を回転させるが、外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成されている。
【0003】
上記安全蓋を容器口部に装着するに際し、外蓋を閉栓方向へ回転させると、外蓋の弾性離隔係合片が内蓋の係合突条と係合して内蓋を閉栓方向に一体に回転させ、内蓋が容器口部に螺合して閉栓される。閉栓状態において外蓋を開栓方向へ回転させると、外蓋の弾性離隔係合片が内蓋の係合突条に対し係合しない周方向に回転移動させられるので、外蓋は内蓋に対し空転して安全蓋の閉栓状態が維持される。他方、閉栓状態において外蓋を内蓋に対し押し下げながら開栓方向へ回転させると、弾性離隔係合片が弾性的に撓まされて外蓋の第2係合突起が内蓋の第1係合突起と係合させられるので、内蓋が外蓋と一体に開栓方向へ回転させられて開栓される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平8−588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された安全蓋においては、開栓する際、外蓋を内蓋に対し押し回ししない限り、チャイルドレジスタント機能が働いて幼児が誤って開栓することは防止される。しかしながら、上記安全蓋にはタンパーエビデント機能が備えられていないので、外観から上記安全蓋が開封されたものであるか否かを判別することができなかった。
【0006】
本発明の主目的は、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能を備えた安全蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起と係合突条とが形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、下方に突出する第2係合突起と、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成されている安全蓋において;前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋が提供される。
本発明の他の局面によれば、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁8内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する係合突条が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させかつ前記第1ラチェット爪と前記第2ラチェット爪とを軸方向に離隔させて相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成され、前記外蓋が前記内蓋に対し前記弾性離隔係合片の弾性力に抗して押し下げられると、前記外蓋の前記第2ラチェット爪は、前記内蓋の前記第1ラチェット爪に噛み合うことが可能な軸方向位置に移動させられ、この状態で前記外蓋を開栓方向に回転させると、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪が相互に噛み合って前記内蓋を開栓方向に回転させる安全蓋において;前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋が提供される。
本発明の更に他の局面によれば、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には下方に突出する第2係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面との少なくとも一方には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持すると共に、前記外蓋を押し下げて弾性的に撓ませると前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に係合可能となる弾性離隔片が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪は、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時には相互に噛み合って前記内蓋を回転させ、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には前記外蓋を空転させる形状に形成されている安全蓋において;前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る安全蓋によれば、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、幼児が容易に開栓することを確実に防止できることに加えて、外観から開封されたものであるか否かを容易に判別することが可能となる。また本発明に係る安全蓋によれば、チャイルドレジスタント機能を備えた安全蓋に、簡単な構成及び低コストで、タンパーエビデント機能を付加することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態における内蓋の縦断面図である。
【図2】図1に示す内蓋の上面図である。
【図3】本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態における外蓋を一部断面で示す側面図である。
【図4】図3に示す外蓋の底面図である。
【図5】本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態を一部断面で示す側面図である。
【図6】図5に示す安全蓋を容器口部と共に一部断面で示す側面図である。
【図7】図6に示す安全蓋の開栓工程の一部を示す部分側面図である。
【図8】図6に示す安全蓋の開栓工程の他の一部を示す部分側面図である。
【図9】本発明に従って構成された安全蓋の第2の実施の形態における内蓋の縦断面図である。
【図10】図9に示す内蓋の上面図である。
【図11】本発明に従って構成された安全蓋の第2の実施の形態における外蓋を一部断面で示す側面図である。
【図12】図11に示す外蓋の底面図である。
【図13】本発明に従って構成された安全蓋の第2の実施の形態を一部断面で示す側面図である。
【図14】図13に示す安全蓋を容器口部と共に一部断面で示す側面図である。
【図15】図13のX−X矢視断面図であって、その一部を拡大して示す断面図である。
【図16】本発明に従って構成された安全蓋の第3の実施の形態における内蓋の縦断面図である。
【図17】図16に示す内蓋の上面図である。
【図18】本発明に従って構成された安全蓋の第3の実施の形態における外蓋を一部断面で示す側面図である。
【図19】図18に示す外蓋の底面図である。
【図20】本発明に従って構成された安全蓋の第3の実施の形態を一部断面で示す側面図である。
【図21】図20に示す安全蓋を容器口部と共に一部断面で示す側面図である。
【図22】図20のY−Y矢視断面図であって、その一部を拡大して示す断面図である。
【図23】本発明に従って構成された安全蓋が適用される容器の口部を示す正面図である。
【図24】図23に示す容器口部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された安全蓋の実施の形態を、図1〜図24を参照して説明する。なお、図1〜図24に示す実施の形態において、実質的に同一部分は同一符号で示されている。
【0011】
先ず、図1〜図8を参照して、本発明に従って構成された安全蓋の第1の実施の形態について説明する。安全蓋1Aは、外蓋2Aと内蓋4Aとの組合せから構成される。外蓋2Aと内蓋4Aとは、例えばポリプロピレン、ポリスチレンなどの適宜の合成樹脂から、射出成形、圧縮成形などの成形法によって成形することができる。
【0012】
図1及び図2から理解される如く、内蓋4Aは、円形頂面壁6と、この頂面壁6の周縁から垂下する円筒形側壁8とを有する。側壁8の内面には雌螺条10が形成されている。頂面壁6の周縁部における外面(上面)には、上方に突出する第1係合突起12が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。第1係合突起12の各々は、一定の半径方向幅及び一定の高さで頂面壁6の周縁に沿って円弧状に延びている。頂面壁6の、第1係合突起12の各々が形成された周縁部よりも半径方向内側における外面(上面)には、上方に延びる係合突条14が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する係合突条14の各々は、開栓方向側に面しかつ頂面壁6の外面から切り立って(ほぼ直角に)一定の高さ突出して半径方向に直線状に延びる開栓側係合面14aと、開栓側係合面14aの上端から閉栓方向側に頂面壁6の外面に向けて緩やかに延びる閉栓側傾斜面14bとからなる。係合突条14の各々の開栓側係合面14a側の下端は頂面壁6の外面よりも低い位置に形成され、開栓側係合面14aの各々の下端から開栓方向側に頂面壁6の外面に向かって傾斜する係合補助傾斜面15が形成されている。頂面壁6の内面には、比較的軟性の合成樹脂から別個に形成された円形パッキング部材16が配設されている。
【0013】
図3及び図4から理解される如く、外蓋2Aは、円形天面壁18と、この天面壁18の周縁から垂下する円筒形スカート壁20とを有する。天面壁18の内面には、下方に突出する第2係合突起22が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。第2係合突起22の各々は、一定の半径方向幅及び一定の高さで天面壁18の周縁に沿って円弧状に延びている。第2係合突起22の各々の周方向位置は、内蓋4Aの第1係合突起12の各々の周方向の間隔内に、周方向に隙間をおいて位置し得るよう設定されている。天面壁18の内面であって、第2係合突起22の各々が形成された周縁部よりも半径方向内側における内面には、下方に突出する弾性離隔係合片24が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する弾性離隔係合片24の各々は、天面壁18の内面から所定の幅及び厚みをもって閉栓方向下方に延び出し、先端面は一定の厚さで半径方向に延びている。弾性離隔係合片24の各々は、外蓋2Aの天面壁18内面と内蓋4の頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態(係合し得ない状態)に弾性的に維持するとともに、外蓋2Aを閉栓方向に回転させる時に先端面が内蓋4Aの係合突条14と係合して内蓋4を一体に回転させるが、外蓋2Aを開栓方向に回転させる時には、空転して係合突条14とは係合しない。スカート壁20の外面には、指の滑りを防止するためのローレット20aが形成されている。スカート壁20の下端部内面には、半径方向内方に突出する環状突条25が形成されている。環状突条25は、内蓋4Aの側壁8の下端部外面であって、下方に向かって外径が徐々に小さくなるよう形成された下端部外面(図1参照)を保持して内蓋4Aの下方への移動を阻止する機能を有している。スカート壁20の内径は、内蓋4Aの側壁8の外径よりも幾分大きく形成されている。
【0014】
外蓋2Aのスカート壁20の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個の破断可能なブリッジ26を介して円形のタンパーエビデントバンド28(以下、TEバンド、と略称する)が連結されている。TEバンド28の下端面には凹部30が少なくとも1個(この実施の形態においては2個)形成されている。これらの凹部30によりTEバンド28には、上端面から下端面までの軸方向幅が広い幅広領域Aと、該軸方向幅が狭い幅狭領域Bと、幅広領域Aと幅狭領域Bとの境界を軸方向に延びる段部32とが形成される。幅広領域Aと幅狭領域Bとはそれぞれ少なくとも1個(この実施の形態においてはそれぞれ2個)配設される。なお、TEバンド28の上端面は、軸に直交する平面上に位置付けられ、下端面は上端面と平行である。
【0015】
上述したとおりの構成を有する内蓋4Aと外蓋2Aとは、図5に示すとおりに組み合わせて使用される。すなわち、内蓋4Aは外蓋2A内に収容される。図5から理解される如く、外蓋2Aのスカート壁20の下端部内面に形成されている環状突条25の内径は、内蓋4の側壁8の下端部外面の外径よりも幾分小さい。従って、外蓋2A内に内蓋4Aを収容する際には、外蓋2Aのスカート壁20の開口側が環状突条25と共に半径方向外方に弾性変形させられて、内蓋4Aが外蓋2Aの環状突条25内を強制的に通過させられる。そして、外蓋2A内に一旦内蓋4Aが収容されると、元の大きさ(内径)に弾性的に復帰した外蓋2Aのスカート壁20の環状突条25が、内蓋4Aの側壁8の下端部外面の下方に対向して位置付けられるので、内蓋4Aの外蓋2Aからの離脱が防止される。
【0016】
図5に明確に示されているように、外蓋2A内に内蓋4Aが収容されると、外蓋2Aの天面壁18の内面に形成されている弾性離隔係合片24の先端部下面が内蓋4Aの頂面壁6の外面に当接し、これによって外蓋2Aの天面壁18の内面と内蓋4Aの頂面壁6の外面とが所定間隔離隔される。この状態において、内蓋4Aの頂面壁6の外面に形成されている第1係合突起12と外蓋2Aの天面壁18の内面に形成されている第2係合突起22とは上下方向(軸方向)に離隔されている。
【0017】
外蓋2Aとその内側に収容された内蓋4Aとの組合せから成る安全蓋1Aは、口部を備えた容器50に適用される。図23及び図24に明確に示されているように、ガラス又は適宜の合成樹脂から形成することができる容器50は、上面が開放された円筒形状の容器口部52を有している。この容器口部52の外周面には雄螺条54が形成され、容器口部52における雄螺条54よりも下方位置、実施形態においては、雄螺条54の下側に配設された環状の突条であるサポート56の下側位置には、外面から半径方向外方に延びる係止突起58が少なくとも1個、この実施の形態においては2個、容器口部52の軸心を挟んだ半径方向対称位置に形成されている。相互に対称形状をなす係止突起58は、一定の周方向幅及び一定の軸方向厚みを有する半径方向に細長い矩形状をなしており、接線方向の横断面は接線方向に細長い矩形をなしている。
【0018】
上記安全蓋1Aを容器口部52に装着して閉栓する際には、図23及び図24に示す容器50の容器口部52に安全蓋1Aを被嵌して外蓋2Aを閉栓方向(図6において上方から見て時計方向)に回転させる。外蓋2Aの閉栓方向への回転により、外蓋2Aの天面壁18の内面に形成されている弾性離隔係合片24の先端面が、内蓋4Aの頂面壁6の外面に形成された係合突条14の切り立った開栓側係合面14aに当接、係合して外蓋2Aの閉栓方向の回転が内蓋4Aに伝えられ、内蓋4Aが外蓋2Aと一体に閉栓方向に回転させられる。内蓋4Aの閉栓方向への回転により、内蓋4Aの側壁8の内面に形成されている雌螺条10が容器口部52の雄螺条54に螺合され、図6に示されているように、容器口部52に安全蓋1Aが締結されて閉栓される。内蓋4Aの頂面壁6の内面に配設されたパッキング部材16が容器口部52の上端に密接させられて容器口部52が密封される。上記閉栓動作中において、外蓋2Aの第2係合突起22の各々の下面は、内蓋4Aの第1係合突起12の各々の上面に対向して位置付けられるので、第1係合突起12の各々と第2係合突起22の各々とが係合して相互に協働することはない。内蓋4Aが外蓋2A内に収容された状態で容器口部52を閉栓した状態において、TEバンド28の最下端である、幅広領域Aの各々の下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面より幾分上方に位置付けられる。
【0019】
このような閉栓状態において、容器口部52から安全蓋1Aを離脱して容器口部52を開封しようとして、外蓋2Aを内蓋4Aに対し押し下げることなく、単に開栓方向(すなわち図6において上方から見て反時計方向)に回転させても、弾性離隔係合片24の各々が、外蓋2Aの天面壁18内面と内蓋4Aの頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、弾性離隔係合片24の各々の先端面が、内蓋4Aの係合突条14が向けられている周方向である開栓方向に回転移動するために、閉栓動作において係合されていた係合突条14との係合が解除される。その結果、外蓋2Aは内蓋4Aに対し開栓方向に空転させられるので、容器口部52から安全蓋1Aを離脱することはできない。この空転の際、弾性離隔係合片24の各々の先端が、係合突条14の緩やかな閉栓側傾斜面14bを通って内蓋4Aの頂面壁6の外面から突出している係合突条14の上端に乗り上げてから係合突条14の切り立った開栓側係合面14a側の係合補助傾斜面15に落下させられるので、空転動作中、カチカチという音が発生し、空転状態が確認される。
【0020】
また、外蓋2Aを内蓋4Aに対し押し下げることなく、単に開栓方向に回転させたとき、TEバンド28の最下端である幅広領域Aの下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面の幾分上方を該上端面に干渉することなく周方向に相対的に回転移動するので、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合することがなく、ブリッジ26が破断することはない。
【0021】
これに対し、外蓋2Aを内蓋4Aに対し押し下げて弾性離隔係合片24を弾性的に撓ませながら開栓方向に回転させると、外蓋2Aの第2係合突起22の各々が、内蓋4Aの第1係合突起12の各々に対し周方向に相対移動させられることにより第1係合突起12の各々間に落下、嵌合して相互に周方向に係合させられ、相互に協働し得る状態となる。同時に、図7に示されているように、TEバンド28の幅広領域Aの下端面が、容器口部52の係止突起58の上方から周方向に相対移動させられて係止突起58を通過すると、段部32に相当する高さだけ軸方向に(下方に)相対移動して、幅狭領域Bの下端面が容器口部52の係止突起58の上面に接触するよう位置付けられるので、段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。その結果、内蓋4Aが第1及び第2係合突起12及び22を介して外蓋2Aと一体に開栓方向に回転させられるとともに、図8に示されているように、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合してTEバンド28の容器口部52に対する相対回転が阻止されるので、ブリッジ26が破断され、TEバンド28を容器口部52に残して安全蓋1Aを容器口部52から離脱させることができる。
【0022】
本発明に係る安全蓋の上記第1の実施の形態(安全蓋1A)によれば、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、幼児が容易に開栓することを確実に防止できることに加えて、外観から開封されたものであるか否かを容易に判別することが可能となる。また本発明に係る安全蓋1Aによれば、外蓋2Aのスカート壁20の下端に、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジ26を介して円形のTEバンド28を連結し、TEバンド28に、幅広領域Aと、幅狭領域Bと、両領域の境界を軸方向に延びる段部32とを配設して、容器口部52に係止突起58を備えた容器50に適用することによりチャイルドレジスタント機能を備えることができるので、簡単な構成及び低コストで、タンパーエビデント機能を付加することが可能である。
【0023】
次に、本発明に係る安全蓋の第2の実施の形態(安全蓋1B)を、図9〜図15を参照して説明する。安全蓋1Bが外蓋2Bと内蓋4Bとの組合せから構成される基本的構成は、第1の実施の形態と同じである。
【0024】
図9及び図10から理解される如く、内蓋4Bは、円形頂面壁6と、この頂面壁6の周縁から垂下する円筒形側壁8とを有する。側壁8の内面には雌螺条10が形成されている。頂面壁6の周縁部における外面(上面)には、係合突条14が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する係合突条14の各々は、それぞれ切り立って延びる開栓側係合面14aと、緩やかな閉栓側傾斜面14bとからなり、係合突条14の各々の開栓側における頂面壁6の外面には係合補助傾斜面15が形成されている。これらの構成は、第1の実施の形態における構成と実質的に同じであるので更なる説明は省略する。内蓋4Bの側壁8外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪34が形成されている。図15をも参照して、相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第1ラチェット爪34の各々は、側壁8外面から半径方向外方に一定の高さ延び出して軸方向に所定の長さだけ延びる第1噛合い面34aと、第1噛合い面34aの先端(半径方向先端)から側壁8外面に向かって内蓋4Bの開栓方向に延びる開栓方向傾斜面34bとを備えている。第1噛合い面34aは内蓋4Bの閉栓方向に向けられている。頂面壁6の内面には、第1の実施の形態における構成と実質的に同じ構成を有する円形パッキング部材16が配設されている。
【0025】
図11及び図12から理解される如く、外蓋2Bは、円形天面壁18と、この天面壁18の周縁から垂下する円筒形スカート壁20とを有する。このスカート壁20内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪36が形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第2ラチェット爪36の各々は、図15に示されているように、スカート壁20内面から半径方向内方に一定の高さ延び出して軸方向に所定の長さだけ延びる第2噛合い面36aと、第2噛合い面36aの先端(半径方向先端)からスカート壁20内面に向かって外蓋2の閉栓方向に緩やかに延びる閉栓方向傾斜面34bとを備えている。第2噛合い面36aは外蓋2の開栓方向に向けられている。スカート壁20内面の直径、すなわち内径は、内蓋4Bの第1ラチェット爪34の各々の先端をとおる仮想円の直径よりも幾分大きく形成されている。スカート壁20の下端部内面には、半径方向内方に突出する環状突条25が形成されている。
【0026】
外蓋2Bの天面壁18の周縁部における内面には、下方に突出する弾性離隔係合片24が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する弾性離隔係合片24の各々は、天面壁18の内面から所定の幅及び厚みをもって閉栓方向下方に延び出し、先端面は一定の厚さで半径方向に延びている。弾性離隔係合片24の各々は、外蓋2Bの天面壁18内面と内蓋4Bの頂面壁6外面とを相互に離隔させかつ第1ラチェット爪34と第2ラチェット爪36とを軸方向に離隔させて相互に協働し得ない状態(噛合うことができない状態)に弾性的に維持する(外蓋2Bの第2ラチェット爪36が内蓋4Bの第1ラチェット爪34に対し軸方向における外蓋2Bの天面壁18側に離隔させられる)とともに、外蓋2Bを閉栓方向に回転させる時に先端面が内蓋4Bの係合突条14と係合して内蓋4Bを一体に回転させるが、外蓋2Bを開栓方向に回転させる時には、空転して係合突条14とは係合しない。スカート壁20の外面には、指の滑りを防止するためのローレット20aが形成されている。
【0027】
外蓋2Bのスカート壁20の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個の破断可能なブリッジ26を介して円形のTEバンド28が連結されている。TEバンド28の構成及び機能は、第1の実施の形態において説明したTEバンド28のそれらと実質的に同じであるので更なる説明は省略する。
【0028】
上述したとおりの構成を有する内蓋4Bと外蓋2Bとは、図13に示すとおりに組み合わせて使用される。すなわち、内蓋4Bは外蓋2B内に収容される。図13から理解される如く、外蓋2Bのスカート壁20の下端部内面に形成されている環状突条25の内径は、内蓋4Bの側壁8の下端部外面の外径よりも幾分小さい。従って、第1の実施の形態におけるのと同じとおりにして、内蓋4Bは外蓋2B内に収容されかつ外蓋2Bからの離脱が防止される。外蓋2Bの天面壁18内面の第2ラチェット爪36と内蓋4Bの頂面壁6外面の第1ラチェット爪34とは、先に述べたとおり、弾性離隔係合片24の各々により軸方向に離隔させられて相互に協働し得ない状態(噛み合うことができない状態)に位置付けられている。
【0029】
図14を参照して、上記安全蓋1Bを容器口部52に装着して閉栓する際には、容器口部52に安全蓋1Bを被嵌して外蓋2Bを閉栓方向(図14において上方から見て時計方向)に回転させる。外蓋2Bの閉栓方向への回転により、外蓋2Bの天面壁18の内面に形成されている弾性離隔係合片24の先端面が、内蓋4Bの頂面壁6の外面に形成された係合突条14の切り立った開栓側係合面14aに当接、係合して外蓋2Bの閉栓方向の回転が内蓋4Bに伝えられ、内蓋4Bが外蓋2Bと一体に閉栓方向に回転させられる。内蓋4Bの閉栓方向への回転により、内蓋4Bの側壁8の内面に形成されている雌螺条10が容器口部52の雄螺条54に螺合され、容器口部52に安全蓋1Bが締結されて閉栓される。内蓋4Bの頂面壁6の内面に配設されたパッキング部材16が容器口部52の上端に密接させられて容器口部52が密封される。上記閉栓動作中において、外蓋2Bのスカート壁20内面の第2ラチェット爪36と内蓋4Bの側壁8外面の第1ラチェット爪34とは、先に述べたとおり、弾性離隔係合片24の各々により軸方向に離隔させられて相互に噛み合うことはない。内蓋4Bが外蓋2B内に収容された状態で容器口部52を閉栓した状態において、TEバンド28の最下端である、幅広領域Aの各々の下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面より幾分上方に位置付けられる。
【0030】
このような閉栓状態において、容器口部52から安全蓋1Bを離脱して容器口部52を開封しようとして、外蓋2Bを内蓋4Bに対し押し下げることなく、単に開栓方向(すなわち図14において上方から見て反時計方向)に回転させても、弾性離隔係合片24の各々が、外蓋2Bの天面壁18内面と内蓋4Bの頂面壁6外面とを相互に離隔させて外蓋2Bのスカート壁20内面の第2ラチェット爪36と内蓋4Bの側壁8外面の第1ラチェット爪34とは、先に述べたとおり、弾性離隔係合片24の各々により軸方向に離隔させられて相互に協働し得ない状態(噛み合うことができない状態)に維持されるとともに、弾性離隔係合片24の各々の先端面が、内蓋4の係合突条14が向けられている周方向である開栓方向に回転移動するために、閉栓動作において係合されていた係合突条14との係合が解除される。その結果、外蓋2Bは内蓋4Bに対し開栓方向に空転させられるので、容器口部52から安全蓋1Bを離脱することはできない。この空転の際、弾性離隔係合片24の各々の先端が、係合突条14の緩やかな閉栓側傾斜面14bを通って内蓋4Bの頂面壁6の外面から突出している係合突条14の上端に乗り上げてから係合突条14の切り立った開栓側係合面14a側の係合補助傾斜面15に落下させられるので、空転動作中、カチカチという音が発生し、空転状態が確認される。
【0031】
また、外蓋2Bを内蓋4Bに対して押し下げることなく、単に開栓方向に回転させたとき、TEバンド28の最下端である幅広領域Aの下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面の幾分上方を該上端面に干渉することなく周方向に相対的に回転移動するので、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合することがなく、ブリッジ26が破断することはない。
【0032】
これに対し、外蓋2Bを下方に押圧して弾性離隔係合片24を弾性的に撓ませながら開栓方向に回転させると、外蓋2の第2ラチェット爪36が、内蓋4の前記第1ラチェット爪34に噛み合うことが可能な軸方向位置に移動させられるので、第2ラチェット爪36の第2噛合い面36a(図15)が第1ラチェット爪34の第1噛合い面34a(図15)に噛み合って内蓋4Bを開栓方向に一体に回転させる。同時に、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じとおりにして、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。その結果、内蓋4Bが第1及び第2ラチェット爪34及び36を介して外蓋2Bと一体に開栓方向に回転させられるとともに、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合してTEバンド28の容器口部52に対する相対回転が阻止されるので、ブリッジ26が破断され、TEバンド28を容器口部52に残して安全蓋1Bを容器口部52から離脱させることができる。
【0033】
本発明に係る安全蓋の上記第2の実施形態においても、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、先に述べた第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ効果を奏することができる。
【0034】
次に、本発明に係る上記安全蓋の第3の実施の形態(安全蓋1C)を、図16〜図22を参照して説明する。安全蓋1Cが外蓋2Cと内蓋4Cとの組合せから構成される基本的構成は、第1及び第2の実施の形態と同じである。
【0035】
図16及び図17から理解される如く、内蓋4Cは、円形頂面壁6と、この頂面壁6の周縁から垂下する円筒形側壁8とを有する。側壁8の内面には雌螺条10が形成されている。頂面壁6の周縁部における外面(上面)には、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ構成を有する第1係合突起12が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。内蓋4Cの側壁8外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪34が形成されている。図22をも参照して、相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第1ラチェット爪34の各々は、側壁8外面から半径方向外方に一定の高さ延び出して軸方向に所定の長さだけ延びる第1噛合い面34aと、第1噛合い面34aの先端から側壁8外面に向かって内蓋4Cの閉栓方向に緩やかに延びる閉栓方向傾斜面34bとを備えている。第1噛合い面34aは内蓋4Cの開栓方向に向けられている。頂面壁6の内面には、第1の実施の形態における構成と実質的に同じ構成を有する円形パッキング部材16が配設されている。
【0036】
図18及び図19から理解される如く、外蓋2Cは、円形天面壁18と、この天面壁18の周縁から垂下する円筒形スカート壁20とを有する。スカート壁20の内面には、周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪38が形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する第2ラチェット爪38の各々は、図22に明示されているように、スカート壁20の内面から半径方向内方にかつ閉栓方向に所定の長さだけ延び出す弾性フラップ片からなる。フラップ片の各々は、同じ横断面をもって軸方向に所定の長さ延びている。フラップ片の各々の先端には、軸方向に細長い矩形状の第2噛合い面38aが形成されている。第2噛合い面38aは外蓋2Cの閉栓方向に向けられている。上記説明から明らかなように、第1ラチェット爪34及び第2ラチェット爪38は、外蓋2Cを閉栓方向に回転させる時にはそれぞれ切り立った第1噛合い面34aと第2噛合い面38aとが相互に噛み合って内蓋4Cを回転させ、外蓋2Cを開栓方向に回転させる時には外蓋2Cを空転させる形状に形成されている。また、第1ラチェット爪34及び第2ラチェット爪38は、軸方向の相対位置が変化しても、上記動作が常時可能となるように、相互の軸方向位置が設定されている。
【0037】
外蓋2Cの天面壁18の周縁部における内面には、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ構成を有する第2係合突起22が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。天面壁18の内面であって、第2係合突起22の各々が形成された周縁部よりも半径方向内側における内面には、下方に突出する弾性離隔片40が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。相互に実質的に同じ形状及び大きさを有する弾性離隔片40の各々は、天面壁18の内面から所定の半径方向幅及び軸方向厚みをもって閉栓方向下方に延び出している。弾性離隔片40の各々は、外蓋2Cの天面壁18内面と内蓋4Cの頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態(係合し得ない状態)に弾性的に維持するとともに、外蓋2Cを押し下げて弾性的に撓ませると第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に係合可能となるよう構成されている。スカート壁20の外面には、指の滑りを防止するためのローレット20aが形成されている。スカート壁20の下端部内面には、半径方向内方に突出する環状突条25が形成されている。スカート壁20の内径は、内蓋4Cの側壁8の外径よりも幾分大きく形成されている。
【0038】
外蓋2Cのスカート壁20の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個の破断可能なブリッジ26を介して円形のTEバンド28が連結されている。TEバンド28の構成及び機能は、第1の実施の形態において説明したTEバンド28のそれらと実質的に同じであるので更なる説明は省略する。
【0039】
上述したとおりの構成を有する内蓋4Cと外蓋2Cとは、図20に示すとおりに組み合わせて使用される。すなわち、内蓋4Cは外蓋2C内に収容される。内蓋4Cを外蓋2C内に収容する際には、外蓋2Cのスカート壁20の開口側が環状突条25と共に半径方向外方に弾性変形させられて、内蓋4Cの下端部が外蓋2Cの環状突条25内を強制的に通過させられる。そして、外蓋2C内に一旦内蓋4Cが収容されると、元の大きさ(内径)に弾性的に復帰した外蓋2Cのスカート壁20の環状突条25が内蓋4Cの側壁8の下端部の下方に対向して位置付けられるので、外蓋2Cからの内蓋4Cの離脱が防止される。
【0040】
上記安全蓋1Cを容器口部52に装着して閉栓する際には、容器口部52に安全蓋1Cを被嵌して外蓋2Cを閉栓方向(図21において上方から見て時計方向)に回転させる。外蓋2Cの閉栓方向への回転により、図22に示されているように、外蓋2Cの第2ラチェット爪38の第2噛合い面38aが内蓋4Cの第1ラチェット爪34の第1噛合い面34aに噛み合って内蓋4Cを一体に閉栓方向へ回転させる。内蓋4Cの閉栓方向への回転により、内蓋4Cの側壁8の内面に形成されている雌螺条10が容器口部52の雄螺条54に螺合され、図21に示されているように、容器口部52に安全蓋1Cが締結されて閉栓される。内蓋4Cの頂面壁6の内面に配設されたパッキング部材16が容器口部52の上端に密接させられて容器口部52が密封される。上記閉栓動作中において、内蓋4Cの第1係合突起12と外蓋2Cの第2係合突起22とは、弾性離隔片40の各々により軸方向に離隔させられて相互に係合することはない。なお、第1及び第2ラチェット爪34及び38が上記したとおりにして噛合った状態において、内蓋4Cの第1係合突起12と外蓋2Cの第2係合突起22とは、相互に対向する位置に位置付けられるので、弾性離隔片40の各々の弾性力に抗して外蓋2Cの天面壁18が内蓋4Cの頂面壁6に向かって相対移動しようとしても、外蓋2Cの第2係合突起22の下面が内蓋4Cの第1係合突起12の上面に突き当たって、両者が係合することはない。内蓋4Cが外蓋2C内に収容された状態で容器口部52を閉栓した状態において、TEバンド28の最下端である、幅広領域Aの各々の下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面より幾分上方に位置付けられる。
【0041】
このような閉栓状態において、容器口部52から安全蓋1Cを離脱して容器口部52を開封しようとして、外蓋2Cを内蓋4Cに対して押し下げることなく、単に開栓方向(すなわち図21において上方から見て反時計方向)に回転させても、弾性離隔片40の各々が、外蓋2Cの天面壁18内面と内蓋4Cの頂面壁6外面とを相互に離隔させて第1係合突起12と第2係合突起22とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、外蓋2Cの第2ラチェット爪38であるフラップ片の各々の先端の第2噛合い面38aが、内蓋4Cの第1ラチェット爪34の各々の第1噛合い面34aが向けられている開栓方向に回転移動するために、閉栓動作において噛合っていた第1噛合い面34aとの係合が解除される。その結果、外蓋2Cは内蓋4Cに対し開栓方向に空転させられるので、容器口部52から安全蓋1Cを離脱することはできない。この空転の際、第2ラチェット爪38であるフラップ片の各々の先端が、内蓋4Cの側壁8の内面から突出している第1ラチェット爪34の各々の第1噛合い面34aの閉栓方向傾斜面34bを通って第1噛合い面34aの先端に乗り上げてから該内面に落下させられるので、空転動作中、カチカチという音が発生し、空転状態が確認される。
【0042】
また、外蓋2Cを内蓋4Cに対して押し下げることなく、単に開栓方向に回転させたとき、TEバンド28の最下端である幅広領域Aの下端面は、容器口部52の係止突起58の上端面の幾分上方を該上端面に干渉することなく周方向に相対的に回転移動するので、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合することがなく、ブリッジ26が破断することはない。
【0043】
これに対し、外蓋2Cを下方に押圧して弾性離隔片40を弾性的に撓ませながら開栓方向に回転させると、外蓋2Cの第2ラチェット爪38であるフラップ片と内蓋4Cの第1ラチェット爪34の各々とは相互に噛合うことがないが、外蓋2Cの第2係合突起22の各々が内蓋4Cの第1係合突起12の各々間に落下し、嵌合して相互に周方向に係合させられ、相互に協働し得る状態となる。同時に、第1の実施の形態におけるのと実質的に同じとおりにして、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合可能となる。その結果、内蓋4Cが第1及び第2係合突起12及び22を介して外蓋2Cと一体に開栓方向に回転させられるとともに、TEバンド28の段部32が容器口部52の係止突起58と周方向に係合してTEバンド28の容器口部52に対する相対回転が阻止されるので、ブリッジ26が破断され、TEバンド28を容器口部52に残して安全蓋1Cを容器口部52から離脱させることができる。
【0044】
本発明に係る安全蓋の上記第3の実施の形態においても、チャイルドレジスタント機能に加えてタンパーエビデント機能が備えられているので、先に述べた第1の実施の形態におけるのと実質的に同じ効果を奏することができる。
【0045】
本発明に係る安全蓋の上記実施の形態において、容器口部52には係止突起58が2個形成され、TEバンド28には凹部30が2個形成されているが、少なくとも1個の係止突起58に対し、多数の凹部30を形成する他の実施形態もある。この実施形態によれば、TEバンド28には多数の段部32が形成されるので、少ない回転で係止突起58に係止させることが可能になる。また、本発明に係る安全蓋の上記実施の形態において、TEバンド28の段部32は軸方向に延びており、容器口部52の係止突起58の周方向の一側面であって、開栓動作時に段部32が当接する一側面も軸方向に延びているが、開栓動作時に係止突起58の周方向の一側面に当接させられる段部32及び/又は係止突起58の周方向の一側面であって、開栓動作時に段部32が当接する一側面を、下方に向かって開栓方向に傾斜させる他の実施形態もある。これらの実施形態によれば、段部32と係止突起58との開栓時における係止力を向上させることが可能になる。本発明に係る安全蓋の上記実施の形態において、弾性離隔片40の各々は、天面壁18の内面から所定の半径方向幅及び軸方向厚みをもって閉栓方向下方に延び出しているが、その機能を満足する限りにおいて、延び出す方向は適宜に設定すればよい。
【符号の説明】
【0046】
1A、1B、1C:安全蓋
2A、2B、2C:外蓋
4A、4B、4C:内蓋
6:頂面壁
8:側壁
12:第1係合突起
14:係合突条
14a:開栓側係合面
14b:閉栓側傾斜面
15:係合補助傾斜面
18:天面壁
20:スカート壁
22:第2係合突起
24:弾性離隔係合片
25:環状突条
28:タンパーエビデントバンド
30:凹部
32:段部
34:第1ラチェット爪
34a:第1噛合い面
34b:開栓方向傾斜面
36:第2ラチェット爪
38:第2ラチェット爪(弾性フラップ片)
36a、38a:第2噛合い面
40:弾性離隔片
50:容器
52:容器口部
58:係止突起
A:幅広領域
B:幅狭領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起と係合突条とが形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、下方に突出する第2係合突起と、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成されている安全蓋において;
前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋。
【請求項2】
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁8内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する係合突条が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させかつ前記第1ラチェット爪と前記第2ラチェット爪とを軸方向に離隔させて相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成され、前記外蓋が前記内蓋に対し前記弾性離隔係合片の弾性力に抗して押し下げられると、前記外蓋の前記第2ラチェット爪は、前記内蓋の前記第1ラチェット爪に噛み合うことが可能な軸方向位置に移動させられ、この状態で前記外蓋を開栓方向に回転させると、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪が相互に噛み合って前記内蓋を開栓方向に回転させる安全蓋において;
前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋。
【請求項3】
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には下方に突出する第2係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面との少なくとも一方には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持すると共に、前記外蓋を押し下げて弾性的に撓ませると前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に係合可能となる弾性離隔片が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪は、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時には相互に噛み合って前記内蓋を回転させ、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には前記外蓋を空転させる形状に形成されている安全蓋において;
前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋。
【請求項1】
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起と係合突条とが形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、下方に突出する第2係合突起と、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成されている安全蓋において;
前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋。
【請求項2】
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁8内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する係合突条が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させかつ前記第1ラチェット爪と前記第2ラチェット爪とを軸方向に離隔させて相互に協働し得ない状態に弾性的に維持するとともに、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時に前記内蓋の前記係合突条と係合して前記内蓋を回転させるが、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には、空転して前記係合突条とは係合しない弾性離隔係合片が形成され、前記外蓋が前記内蓋に対し前記弾性離隔係合片の弾性力に抗して押し下げられると、前記外蓋の前記第2ラチェット爪は、前記内蓋の前記第1ラチェット爪に噛み合うことが可能な軸方向位置に移動させられ、この状態で前記外蓋を開栓方向に回転させると、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪が相互に噛み合って前記内蓋を開栓方向に回転させる安全蓋において;
前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔係合片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋。
【請求項3】
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する外蓋と、頂面壁及びこの頂面壁の周縁から垂下し内面に雌螺条が形成された側壁を有しかつ前記外蓋内に収容される内蓋との組合せからなり、前記内蓋は、前記側壁内面の前記雌螺条が、外面に雄螺条が形成されかつ前記雄螺条よりも下方の外面から半径方向外方に延びる係止突起が形成された容器口部の前記雄螺条に螺合されることにより前記容器口部を閉栓し、前記内蓋の前記頂面壁外面には上方に突出する第1係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面には下方に突出する第2係合突起が形成され、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面との少なくとも一方には、前記外蓋の前記天面壁内面と前記内蓋の前記頂面壁外面とを相互に離隔させて前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に協働し得ない状態に弾性的に維持すると共に、前記外蓋を押し下げて弾性的に撓ませると前記第1係合突起と前記第2係合突起とが相互に係合可能となる弾性離隔片が形成され、前記内蓋の前記側壁外面には周方向に間隔を置いて複数個の第1ラチェット爪が形成され、前記外蓋の前記スカート壁内面には周方向に間隔を置いて複数個の第2ラチェット爪が形成され、前記第1ラチェット爪及び前記第2ラチェット爪は、前記外蓋を閉栓方向に回転させる時には相互に噛み合って前記内蓋を回転させ、前記外蓋を開栓方向に回転させる時には前記外蓋を空転させる形状に形成されている安全蓋において;
前記外蓋の前記スカート壁の下端には、周方向に間隔をおいて配設された複数個のブリッジを介して円形のタンパーエビデントバンドが連結され、前記タンパーエビデントバンドの下端面には凹部が形成され、前記凹部により前記タンパーエビデントバンドには、上端面から前記下端面までの軸方向幅が広い幅広領域と、前記軸方向幅が狭い幅狭領域と、前記幅広領域と前記幅狭領域との境界を軸方向に延びる段部とが形成され、前記幅広領域と前記幅狭領域とはそれぞれ少なくとも1個配設され、前記内蓋が前記外蓋内に収容された状態で前記容器口部を閉栓した状態において、前記タンパーエビデントバンドの前記幅広領域の前記下端面は、前記容器口部の前記係止突起の上端面より上方に位置付けられるが、前記外蓋を下方に押圧して前記弾性離隔片を弾性的に撓ませると前記タンパーエビデントバンドの前記段部が前記容器口部の前記係止突起と周方向に係合可能となる、ことを特徴とする安全蓋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−206730(P2012−206730A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72388(P2011−72388)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】
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