説明

安定化された除草剤製剤および使用方法

本発明は、活性のある除草剤、特に、シクロヘキサンジオンオキシム除草剤と安定剤との組み合わせを含む製剤に関する。製剤は、例えば、安定性が改善された。本発明は、雑草木を防除する方法にさらに関する。本発明は、安定化された除草剤組成物を製造するための方法をさらに提供する。例えば、組成物は、シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩;およびエポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む有効な量の安定剤を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年7月20日に出願された出願番号第12/505,872号に対する優先権を主張し、出願番号第12/505,872号はその全体において本明細書中で参考として明確に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、活性のある除草剤、特に、シクロヘキサンジオンオキシム除草剤と安定剤との組み合わせを含む製剤に関する。上記製剤は、例えば、安定性が改善された。本発明は、雑草木を防除する方法にさらに関する。本発明は、安定化された除草剤組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【背景技術】
【0003】
序論
本発明は、保存安定性が改善されており、活性化合物としてのシクロヘキサンジオンオキシムおよび安定剤を含む、除草剤組成物に関する。
【0004】
特定のシクロヘキサンジオンオキシムは、多様な発芽後の(post−emergent)草木性雑草木(grass weed)に対する除草剤活性を有する。シクロヘキサンジオンオキシムの例としては、クレトジム、セトキシジム、シクロキシジム、アロキシジム、トラルコキシジム、テプラロキシジム、クレフォキシジム(clefoxydim)、クレフォキシフィム(clefoxyfim)、ブトロキシジム(butroxydim)、およびプロフォキシジム(profoxydim)が挙げられる。
【0005】
クレトジムの化学構造は、下の式I:
【0006】
【化1】

において示される。
【0007】
クレトジムは、シクロヘキサンジオンオキシム類の中での重要な市販の除草剤である。それは、多種多様な広葉作物(例えば、ダイズ、ワタ、アマ、ピーナッツ、ヒマワリ、テンサイ、ジャガイモ、アルファルファ、および大部分の野菜が挙げられる)における一年草および多年草を防除するために使用される選択的な発芽後(post−emergence)シクロヘキセノン除草剤である。しかしながら、環境要因、例えば、土壌の水分、上昇した温度、UVおよびプロトン性化合物は、クレトジムの分解の一因となる。水およびプロトン性化合物は、分解プロセスを加速する。プロトン性化合物、例えば、HOCALの分解産物であるクロロプロペノール(chloropropenol)、O−(3−クロロ−2−プロペニル)ヒドロキシルアミン(クレトジムにおける不純物)、およびクレトジムは、分解を加速する。クレトジムは、大部分の土壌において持続性が低いものであり、寿命が短い。クレトジムの崩壊は、熱、すなわち太陽光、高温によって、主にもたらされる。土壌における主要な崩壊生成物は、スルホキシド、スルホン、およびオキサゾールスルホンである。クレトジムはまた、葉の表面上の水の存在下において酸によって触媒された反応および光分解による塩酸の形成に起因して、急速に分解され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、とりわけ、シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩;および有効な量の安定剤を含む組成物を提供する。1つの実施形態において、安定剤は、エポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む。別の実施形態において、組成物は希釈剤をさらに含む。別の実施形態において、組成物は、1つまたはそれより多くのアジュバントをさらに含む。
【0009】
上記希釈剤は、非極性溶媒であり得る。1つの実施形態において、非極性溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、またはアルキルエステルである。別の実施形態において、非極性溶媒は、芳香族炭化水素である。さらなる実施形態において、芳香族炭化水素は、ベンゼン、トルエン、キシレン、置換または非置換のナフタレン、モノアルキル化芳香族、ポリアルキル化芳香族、またはそれらの混合物である。さらに別の実施形態において、上記非極性溶媒は、アルキルエステルである。追加の実施形態において、アルキルエステルは、メチルエステルである。さらに、さらなる実施形態において、アルキルエステルは、植物油のメチルエステルである。さらに、さらなる実施形態において、植物油は、カノーラ(canola)油、アマニ油、ベニバナ油、ダイズ油、またはヒマワリ油である。
【0010】
アジュバントとしては、作物油(crop oil)が挙げられ得る。アジュバントとしてはまた、界面活性剤が挙げられ得る。1つの実施形態において、界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはそれらの混合物が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、14個〜22個の炭素原子を有する長鎖アルコールのリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルならびにそれらの塩、14個〜22個の炭素原子を有する長鎖アルコールのアルキレンオキシド付加生成物のリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルならびにそれらの塩、14個〜22個の炭素原子を有するアルキルスルフェート、14個〜22個の炭素原子を有するアルコールのポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフェート、14個〜22個の炭素原子を有するアルカンスルホネート、または14個〜22個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、エトキシ化脂肪酸、アルコールエトキシレート、トリスチリルフェノールエトキシレート、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、およびそれらの混合物が挙げられる。さらなる実施形態において、非イオン性界面活性剤は、エトキシ化脂肪酸である。さらに、さらなる実施形態において、上記エトキシ化脂肪酸は、ヒマシ油エトキシレートである。
【0011】
本発明は、0.1重量%と95重量%との間の前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩もしくは金属錯体を含む組成物をさらに提供する。1つの実施形態において、組成物は、0.1重量%と15重量%との間の前記安定剤を含む。別の実施形態において、組成物は、0.1重量%〜約30重量%の前記界面活性剤を含む。
【0012】
特定の実施形態において、シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩は、メチル(E)−(RS)−3−[1−(アロキシイミノ)ブチル]−4−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エンカルボキシ−レート)(methyl(E)−(RS)−3−[1−(alloxyimino)butyl]−4−hydroxy−6,6−dimethyl−2−oxocyclohex−3−enecarboxy−late))、5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[1−(エトキシイミノ)ブチル]−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−(EZ)−2−(1−エトキシイミノブチル)−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(EZ)−(RS)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシ−イミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロ−ヘキサ−2−エン−1−オン)、2−[1−(エトキシイミノ)プロピル]−3−ヒドロキシ−5−メシチルシクロヘキサ−2−エノン)、および2−[1−[[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシ]イミノ]ブチル]−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル)−2−シクロヘキセン−1−オンから選択される。1つの実施形態において、上記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩は、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、またはその塩を含む。特定の実施形態において、組成物は、乳化可能濃縮物(emulsifiable concentrate)、水和剤、粒剤、ペレット剤、粉剤(dust)、油剤、またはエアゾール剤を構成する。
【0013】
本発明はまた、雑草木を防除する方法を提供する。1つの実施形態において、方法は、シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩、およびエポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む有効な量の安定剤を含む組成物を、雑草木、作物、または生育地区域に適用する工程を含む。上記方法において、適用可能な組成物は、追加の構成要素、例えば、希釈剤、および1つまたはそれより多くのアジュバントをさらに含み得る。
【0014】
特定の実施形態において、方法は、メチル(E)−(RS)−3−[1−(アロキシイミノ)ブチル]−4−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エンカルボキシ−レート)(methyl(E)−(RS)−3−[1−(alloxyimino)butyl]−4−hydroxy−6,6−dimethyl−2−oxocyclohex−3−enecarboxy−late))、5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[1−(エトキシイミノ)ブチル]−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−(EZ)−2−(1−エトキシイミノブチル)−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(EZ)−(RS)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシ−イミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロ−ヘキサ−2−エン−1−オン)、2−[1−(エトキシイミノ)プロピル]−3−ヒドロキシ−5−メシチルシクロヘキサ−2−エノン)、および2−[1−[[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシ]イミノ]ブチル]−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル)−2−シクロヘキセン−1−オンから選択されるシクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩を含む組成物を適用する工程を含む。特定の実施形態において、方法は、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、またはその塩を含む組成物を適用する工程を含む。
【0015】
本発明の方法は、雑草木(例えば草植物(grass plant))の防除を含む。特定の実施形態において、上記草植物は、オオムギ(Barley)、イヌビエ(Barnyard grass)、ギョウギシバ(Bermudagrass)、広葉シグナルグラス(Broadleaf Signalgrass)、スズメノチャヒキ類(Bromes)、トウモロコシ(Corn)、メヒシバ類(Crabgrasses)、オヒシバ類(Crowfootgrass)、オオクサキビ(Fall Panicum)、フェスク(Fescue)、ホソノゲムギ(Foxtail Barley)、フォックステイル類(Foxtails)、エノコログサ(Green foxtail)、オヒシバ(Goosegrass)、グレインソルガム(Grain Sorghum)、ツノアイアシ(Itchgrass)、コヒメビエ(Junglerice)、オニメヒシバ(Large Crabgrass)、ラブグラス(Lovegrass)、エンバク(Oats)、オーチャードグラス(Orchardgrass)、多年草(Perennial grasses)、シバムギ(Quackgrass)、ペルジアンダーネル(Persian Darnel)、キビ(Proso Millet)、アカマイ(Red Rice)、根茎ジョンソングラス(Rhizome Johnsongrass)、ライムギ(Rye)、ライグラス類(Rygrasses)、実生ジョンソングラス(Seedling Johnsongrass)、モロコシ(Shattercane)、キタメヒシバ(Smooth Crabgrass)、サウスウェスタンカップグラス(Southwestern Cupgrass)、アゼガヤ類(Sprangetops)、テキサスパニカム(Texas Panicum)、自生オオムギ(Volunteer Barley)、自生エンバク(Volunteer Oats)、自生トウモロコシ(Volunteer Corn)、自生カナリーシード(Volunteer Canary Seed)、自生コムギ(Volunteer Wheat)、コムギ(Wheat)、野生エンバク(Wild Oats)、野生キビ(Wild Proso Millet)、ハナクサキビ(Witchgrass)、ウーリーカップグラス(Woolly Cupgrass)、ワイヤステムマーリー(Wirestem Muhly)、およびキンエノコロ(Yellow Foxtail)からなる群から選択される。
【0016】
組成物は、発芽後処理または発芽前(pre−emergence)処理として適用され得る。1つの実施形態において、組成物は、雑草木防除の必要があるかまたは望ましくない雑草木のリスクがある作物植物(crop plant)に適用される。このような作物植物は、例えば、カノーラ、アマ、エンドウ、レンズマメ、マメ、リノーラ(linola)、カラシ類、ヒヨコマメ、ヒマワリ、ジャガイモ、実生アルファルファ、タマネギ、およびダイズのいずれかであり得る。
【0017】
本発明はまた、安定化された除草剤組成物を製造する方法を提供する。1つの実施形態において、方法は、シクロヘキサンジオンオキシムを1つまたはそれより多くの安定剤と混合し、それにより安定化された除草剤組成物を製造する工程を含む。別の実施形態において、方法は、(a)1つまたはそれより多くの安定剤を希釈剤と混合して、第一の混合物を形成する工程;(b)1つまたはそれより多くのアジュバントを上記第一の混合物に添加して、第二の混合物を形成する工程;および(c)シクロヘキサンジオンオキシムを上記第二の混合物に添加し、それにより安定化された除草剤組成物を製造する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、クレトジムの化学構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は、とりわけ、安定化された除草剤組成物を提供する。1つの実施形態において、組成物は、除草剤シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩、およびエポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む有効な量の安定剤を含む。
【0020】
種々の局面において、除草剤シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩は、アロキシジム(メチル(E)−(RS)−3−[1−(アロキシイミノ)ブチル]−4−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エンカルボキシ−レート)(methyl(E)−(RS)−3−[1−(alloxyimino)butyl]−4−hydroxy−6,6−dimethyl−2−oxocyclohex−3−enecarboxy−late))または塩、ブトロキシジム(5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)または塩、BAS 625Hとしても知られるクレフォキシジム(2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)または塩、クレトジム((±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)または塩、シクロキシジム((±)−2−[1−(エトキシイミノ)ブチル]−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)または塩、プロフォキシジム2−[1−[[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシ]イミノ]ブチル]−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル)−2−シクロヘキセン−1−オンまたは塩、セトキシジム((±)−(EZ)−2−(1−エトキシイミノブチル)−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)または塩、テプラロキシジム((EZ)−(RS)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシ−イミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロ−ヘキサ−2−エン−1−オン)または塩、およびトラルコキシジム(2−[1−(エトキシイミノ)プロピル]−3−ヒドロキシ−5−メシチルシクロヘキサ−2−エノン)またはその塩からなる群から選択される。
【0021】
シクロヘキサンジオンオキシムは、市販されている。例えば、クレトジムは、Valent U.S.A.CorporationおよびArysta LifeScience North Americaによって提供され、セトキシジムおよびアロキシジムは、Nippon Soda CompanyまたはBASF Corporationによって製造され、シクロキシジムおよびプロフォキシジムは、BASF Corporationによって製造され、そしてブトロキシジムは、CropCare Australiaによって製造される。
【0022】
製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの濃度は、百分率またはグラム/リットルの単位で表現され得る。本発明の製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率(または「重量パーセント」)は、変動し得る。特定の実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、0.1%と95%との間である。他の実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、0.5%と90%との間である。追加の実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、10%と70%との間である。さらなる実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、10%と25%との間である。さらに他の実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、26%と40%との間である。さらに、さらなる実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、41%と60%との間である。さらに、さらなる実施形態において、上記製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムの重量による百分率は、61%と90%との間である。同様に、本発明の製剤におけるシクロヘキサンジオンオキシムのグラム/リットルは、20g/L〜800g/L、または100g/L〜400g/Lの範囲に及び得る。
【0023】
エポキシ化油またはエステルとしては、動物性または植物性の脂肪酸が挙げられ、動物性または植物性の脂肪酸から誘導され得る。動物性脂肪酸の非限定的な例としては、バター、ラード、獣油、グリース、ニシン、メンヘーデン、ピルチャード、イワシ、およびババスが挙げられる。植物性脂肪酸の非限定的な例としては、ヒマ、ココナッツ、トウモロコシ、綿実、ホホバ、アマニ、オイチシカ、オリーブ、パーム(palm)、パーム核(palm kernel)、ピーナッツ、ナタネ、ベニバナ、ダイズ(soya)、ヒマワリ、トール(tall)、およびアブラギリ(tung)が挙げられる。一般のエポキシ化植物油脂肪酸およびエステルとしては、ダイズ油およびアマニ油が挙げられ、ダイズ油およびアマニ油から誘導され得る。エポキシ化油の具体的な非限定的な例は、Hallstar Company (120 S.Riverside Plaza、Suite 1620、Chicago、IL)によって製造されるPARAPLEX(登録商標)G−60(エポキシ化ダイズ油)およびPARAPLEX(登録商標)G−62(エポキシ化ダイズ油)である。
【0024】
脂肪酸の適切なエポキシ化エステルとしては、例えば、脂肪酸のモノエステルおよびジエステルが挙げられる。適切なエステルへと誘導され得るグリコールの例としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、およびジエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
植物油から誘導される脂肪酸としては、約2個〜約24個の炭素、約12個〜約24個の炭素、または約16個〜約18個の炭素の炭素鎖を含む脂肪酸が挙げられる。脂肪酸は、不飽和であり得る。1つまたはそれより多くの不飽和部位は、当該分野において公知の方法によってエポキシ化され得る。脂肪酸鎖は、1つまたはそれより多くのオキシラン環を有し得る。従って、複数の不飽和部位を有する脂肪酸は、より高い程度にエポキシ化され得る(すなわち、任意の位置に2個、3個、4個、5個、6個、またはそれより多くのエポキシドを有する)。しかしながら、脂肪酸鎖の全ての二重結合がエポキシ化されなければならないわけではない。炭素鎖の2つの隣接する炭素間で形成される1つのオキシラン環を含む脂肪酸鎖は、適切なエステルへと誘導され得る脂肪酸である。複数の不飽和部位を有する脂肪酸は、上に記載されるように少なくとも1つのオキシラン環が隣接する炭素に結合(embed)される限り、1つまたはそれより多くの二重結合を有し得る。脂肪酸は、1つまたはそれより多くのエポキシド(またはエポキシド基)を含み得る。上記エポキシドは、脂肪酸炭素鎖上の任意の位置に配置され得る。例えば、エポキシドは、脂肪酸炭素鎖のC−9(すなわち9,10−エポキシド)またはC−12(すなわち、12,13−エポキシド)に配置され得る。脂肪酸の具体的な非限定的な例としては、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、パルミトレイン酸(9−ヘキサデセン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、オレイン酸(9−オクタデセン酸)、リシノール酸(12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸)、バクセン酸(11−オクタデセン酸)、リノール酸(9,12−オクタデカジエン酸)、α−リノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸)、γ−リノレン酸(6,9,12−オクタデカトリエン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、ガドレイン酸(9−エイコセン酸)、アラキドン酸(5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)、およびエルカ酸(13−ドコセン酸)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書中で用いられる場合、用語「エポキシド」は、3員環状エーテル(オキシランまたはアルキレンオキシドとも呼ばれる)であって、酸素原子が、互いに結合される2個の炭素原子のそれぞれに繋がれているものを指す。エポキシドは、温和な条件下で、そして他のエーテルよりも急速に、反応(例えば、C−O結合開裂、求核付加、加水分解、および還元)を受ける。エポキシドは、過酸でのアルケンの何らかの酸化反応によって形成される。エポキシの官能性は、(例えば、熱および光に対する)安定性の一因であると考えられている。
【0027】
特定の実施形態において、安定剤は、油脂肪酸の、プロピレングリコールモノエステル、メチルエステル、またはアリルエステルである。追加の実施形態において、安定剤は、プロピレングリコールでの9−オクタデセン酸(Z)−(エポキシ化)エステルである。さらなる実施形態において、安定剤は、脂肪酸、ダイズ(soya)、エポキシ化、または2−エチルヘキシルのエステルである。
【0028】
本発明の製剤における安定剤の重量による百分率は、約0.1%と約15%との間、約1%と約10%との間、または約1%と約5%との間であり得る。代表的に、(例えば、重量による)安定剤の量は、除草剤活性成分の量よりも少ない。しかしながら、上記量は、特定の安定剤および活性成分に基づいて、必要に応じて他の成分(例えば、溶媒/希釈剤およびアジュバント)と組み合わせて、決定され得る。代表的に、3%〜8%のアジュバントを有する製剤は、1%〜5%の安定剤を含み得;8%〜16%のアジュバントを有する製剤は、1%〜10%の安定剤を含み得;そして17%〜30%のアジュバントを有する製剤は、1%〜15%の安定剤を含み得る。
【0029】
本明細書中で用いられる場合、用語「安定化」または「安定化された」は、安定化されていない除草剤組成物と比較して、化学的および/または物理的安定性が増大したか、または分解が低減された除草剤組成物を指す。安定化の程度は、除草剤の活性、または活性のある(分解されていない)除草剤の量によって測定され得る。例えば、安定化された除草剤は、除草剤の分解によって活性の低減をもたらす熱、光、水分(水)または他の条件に曝された保存期間後に、1つまたはそれより多くの雑草木に対して安定化されていない除草剤よりも大きな活性を示す。特定の実施形態において、本発明の製剤に含まれるシクロヘキサンジオンオキシムの分解は、24ヶ月の期間内に約25%以下である。他の実施形態において、本発明の製剤に含まれるシクロヘキサンジオンオキシムの分解は、24ヶ月の期間内に約15%以下である。さらなる実施形態において、本発明の製剤に含まれるシクロヘキサンジオンオキシムの分解は、24ヶ月の期間内に約10%以下である。さらに他の実施形態において、本発明の製剤に含まれるシクロヘキサンジオンオキシムの分解は、24ヶ月の期間内に約6%以下である。追加の実施形態において、本発明の製剤に含まれるシクロヘキサンジオンオキシムの分解は、24ヶ月の期間内に約3%以下である。
【0030】
本明細書中で用いられる場合、安定剤に関して用いられるときの用語「有効な量」は、1つまたはそれより多くの外部環境作用、例えば、太陽光(UV)、水分(例えば、湿度、水)、および熱への曝露に起因する組成物における活性成分(例えば、除草剤)の分解を阻害、低減、または防ぐのに必要な安定剤の量である。代表的に、安定剤の有効な量は、活性成分が、長期間(例えば、2年の期間)におけるUV、水分、または熱の曝露に起因して25%以下分解することを防ぐ。他の実施形態において、有効な量の安定剤は、活性成分が2年の期間におけるUV、水分(例えば、湿度、水)、または熱の曝露に起因して15%以下分解することを防ぐ。
【0031】
本発明の製剤は、1つまたはそれより多くの溶媒を含み得る。製剤における溶媒の量は、1%〜99%、または30%〜80%の範囲に及び得る。適切な溶媒としては、例えば、非極性水不混和性溶媒、または極性非プロトン性水混和性有機溶媒が挙げられる。非極性溶媒としては、例えば、置換もしくは非置換の、脂肪族もしくは芳香族の、炭化水素、および植物油のエステル、またはそれらの混合物が挙げられる。芳香族炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼンまたは置換ベンゼン誘導体(例えば、トルエン、キシレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、ナフタレン、またはそれらの混合物)が挙げられる。1つの実施形態において、溶媒としては、ナフタレンと1,2,4−トリメチルベンゼンとの混合物が挙げられる。別の実施形態において、溶媒は、<10%のナフタレンおよび<1.7%の1,2,4−トリメチルベンゼンを含む重質芳香族ナフサ溶媒(heavy aromatic naptha solvent)であるAromatic 150である。
【0032】
アルキルエステルもまた、非極性水不混和性溶媒として使用され得る。植物油は、種々のアルコールでエステル化され得、植物油のアルキルエステルを形成し得る。これらの植物油の脂肪酸は、5個〜20個、または6個〜15個の炭素原子を有する。植物油のアルキルエステルとしては、限定されることなく、カノーラ(B.napus)油、アマニ油、ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)油、ダイズ油およびヒマワリ油のメチルエステル、エチルエステルおよびブチルエステルが挙げられる。1つの実施形態において、上記溶媒は、メチルエステルの混合物である。メチルエステルの具体的な非限定的な例は、Stepan Company(22 W.Frontage Road、Northfield、Illinois)によって製造されるAgent 2416−21である。
【0033】
水混和性極性非プロトン性溶媒としては、例えば、アルキルラクテート、イソプロピルラクテート、アルキルカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、およびポリプロピレングリコールアルキルエーテル、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
上記組成物は、1つまたはそれより多くのアジュバントを含み得る。アジュバントは、例えば、除草剤性能を増大または改善し得る。アジュバントは、製剤化の時に上記組成物に、または処理の前にアプリケーター(applicator)によって混合物に添加され得る。アジュバントとしては、例えば、界面活性剤(乳化剤)、作物油、肥料、分散剤、適合剤(compatibility agent)、発泡活性化剤(foaming activator)、抑泡剤(foam suppressant)、矯正剤(corrective)、およびスプレー着色料(色素)が挙げられる。アジュバントは、任意の所望される量で存在し得る。例えば、製剤は、1%〜3%のアジュバント、3%〜8%のアジュバント、8%〜16%のアジュバント、17%〜30%のアジュバント、または30%もしくは(例えば、40%もしくはそれより多く)それより多くのアジュバントを含み得る。
【0035】
界面活性剤は、液剤中の活性成分の溶解度を増加させ得る。界面活性剤はまた、スプレー保持、飛沫拡散、および乾燥の速度に影響し得る。界面活性剤は、アニオン性または非イオン性であり得る。アニオン性界面活性剤の例としては、14個〜22個の炭素原子を有する長鎖アルコールのリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルならびにそれらの塩;14個〜22個の炭素原子を有する長鎖アルコールのアルキレンオキシド付加生成物のリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルならびにそれらの塩;14個〜22個の炭素原子を有するアルキルスルフェート、14個〜22個の炭素原子を有するアルコールのポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフェート、14個〜22個の炭素原子を有するアルカンスルホネート;ならびに14個〜22個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。
【0036】
適切な非イオン性界面活性剤としては、例えば、エトキシ化脂肪酸、アルコールエトキシレート、トリスチリルフェノールエトキシレート、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、またはそれらの混合物が挙げられる。エトキシ化脂肪酸としては、少なくとも25個、好ましくは27個〜37個のエトキシ単位を有するヒマシまたはカノーラ油エトキシレートが挙げられる(例えば、Uniqema(以前はICI Surfactants)のSunaptol.RTM.CA350(35個のエトキシ単位を有するヒマシ油エトキシレート)、Henkel KGaAのMergital.RTM.EL33(33個のエトキシ単位を有するヒマシ油エトキシレート)、Henkel KGaAのEumulgin.RTM.C03373(30個のエトキシ単位を有するカノーラ油エトキシレート)、およびUniqemaのUkanil.RTM.2507(ヒマシ油エトキシレート))。
【0037】
界面活性剤は、任意の所望される量で存在し得る。例えば、界面活性剤は、上記製剤中に約0.1重量%〜約30重量%の量で存在し得る。特定の実施形態において、界面活性剤は、上記製剤中に約1重量%〜約9重量%の量で存在する。別の実施形態において、界面活性剤は、上記製剤中に約10重量%〜約20重量%の量で存在する。
【0038】
乳化剤は、乳濁液をよく分散された状態に保つために代表的に使用されるタイプの界面活性剤である。乳化剤の非限定的な例としては、Agent 2201−76、Agent 2416−20、Emulpon CO−360、T−Det C−40(登録商標)、およびAgniqueTM SBO−10が挙げられる。Agent 2201−76は、Stepan Company(22 W.Frontage Road,Northfield,Illinois)によって製造され、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤(82%)とのブレンドである。Agent 2201−76中の成分は、アルキルベンゼンスルホネートおよび脂肪酸エトキシレート、芳香族石油炭化水素、1−ヘキサノール、およびナフタレンである。Agent 2416−20もまた、Stepan Company(22 W.Frontage Road,Northfield,Illinois)によって製造され、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤(35%〜37%)とのブレンドである。Agent 2416−20もまた、芳香族石油炭化水素(57%〜58%)、およびナフタレン(6%〜7%)を含む。Emulpon CO−360は、Akzo Nobel Chemicals Ltd.(525 West Van Buren,Chicago,Illinois)によって製造され、エトキシ化ヒマシ油(100重量%)およびオキシラン(<0.001重量%)を含む。T−Det C−40(登録商標)は、Harcros Organics(5200 Speaker Road.,P.O.Box 2930,Kansas City,Kansas)、またはAkzo Nobel Chemicals Ltd.(525 West Van Buren,Chicago,Illinois)から購入され得、非イオン性乳化剤であり、エトキシ化(ポリエトキシ化)ヒマシ油の一銘柄である。AgniqueTM SBO−10は、Cognix GmbH(Monheim,Germanyに本部を置く)によって製造され、エトキシ化ダイズ油としてアルコキシ化トリグリセリドを含む。
【0039】
作物油、または作物油濃縮物は、除草剤製剤の効力を増加させるために使用され得る。あらゆる特定の理論によって結び付けられることを望まないが、作物油は、水よりも長く葉の表面湿気を保つと考えられており、このことは次に除草剤がより長い時間浸透するのを可能にし、それにより、植物(例えば、雑草木)に入り込む除草剤の量を増加させる。作物油は、植物(例えば、雑草木)による除草剤の取り込みを改善し得る。作物油は、従って、除草剤の効力または活性を改善、増大、増加、または促進し得る。作物油は、上記製剤中に1重量%〜40重量%、または1重量%〜20重量%含まれ得る。作物油は、石油油または植物油のいずれかに由来し得る。作物油の非限定的な例としては、ダイズ油および石油ベースの油が挙げられる。
【0040】
除草剤組成物は、通例の製剤であり得る。非限定的な例としては、液剤、乳剤、懸濁剤、水和剤、粉末剤(powder)、粉剤、ペースト剤、可溶性粉末剤、粒剤、ペレット剤、乳化可能濃縮物、油スプレー剤、エアゾール剤、活性化合物が含浸される天然および合成の材料、ならびに非常に微細なカプセル剤(例えば、ポリマー物質における)が挙げられる。特定の実施形態において、上記組成物は、乳化可能濃縮物、水和剤、粒剤、粉剤、油スプレー剤、またはエアゾール剤の形態である。
【0041】
上記製剤は、必要に応じて、付着性コーティング剤(adherent coating)を含み得る。このようなコーティング剤としては、意図する環境(例えば、雑草木)に活性成分が付着するのを補助するものが挙げられる。付着性コーティング剤としては、カルボキシメチルセルロース、種々の形態(例えば、粉末、顆粒、またはラテックス)での天然および合成ポリマーが挙げられる。他の付着性コーティング剤としては、アラビアガム、ポリビニルアルコール、およびポリ酢酸ビニルが挙げられる。リン脂質(例えば、セファリンおよびレシチン)および合成リン脂質もまた、付着性コーティング剤の例である。さらなる添加剤は、鉱油および植物油であり得る。
【0042】
着色料もまた、上記製剤に含まれ得る。非限定的な例は、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、およびプルシアンブルー)および有機染料(例えば、アリザリン染料、アゾ染料、および金属フタロシアニン染料)、ならびに微量栄養素(例えば、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン、および亜鉛の塩)である。
【0043】
本発明に従う除草剤組成物は、レディーミックスの形態で適用され得る。除草剤組成物はまた、個々に製剤化されて、使用の際に混合され得る(すなわち、タンクミックス(tank mix)の形態で適用され得る)。
【0044】
本発明の除草剤組成物は、そのままで、またはそれらの製剤の形態で使用され得、そしてさらに他の除草剤、レディーミックス、またはタンクミックスとの混合物としても使用され得る。除草剤組成物はまた、他の活性化合物(例えば、殺真菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、線虫駆除剤、鳥忌避剤、成長物質、植物栄養素、および土壌構造を改善する薬剤)と混合され得る。特定の適用目的のために、特に発芽後に適用されるとき、製剤(例えば、植物によって許容される鉱油または植物油(例えば、市販の製品「Oleo DuPont 11E」))、またはアンモニウム塩(例えば、硫酸アンモニウムまたはチオシアン酸アンモニウム)は、さらなる添加物として含まれ得る。
【0045】
本発明の除草剤組成物はまた、前述のもののいずれかを排除し得る。例えば、他の除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、線虫駆除剤、鳥忌避剤、成長物質、植物栄養素、および土壌構造を改善する薬剤は、本発明の組成物から排除または除外され得る。
【0046】
除草剤組成物は、そのままで、それらの製剤の形態で、または濃縮された形態の希釈によってそれらから調製される形態で、使用され得る(例えば、使用準備済(ready−to−use)または濃縮された液体、液剤、懸濁剤、乳剤、または固体(例えば、粉末剤、ペースト剤、粒剤、およびペレット剤))。それらは、通例の様式で(例えば、散水、スプレー、噴霧、散布、または散乱によって)分散される。
【0047】
本発明の製剤は、1つまたはそれより多くの安定剤、活性成分、および必要に応じてアジュバント、希釈剤、または溶媒を混合または懸濁することによって製造され得る。特定の実施形態において、本発明の製剤は、例えば、1つまたはそれより多くの安定剤を希釈剤または溶媒と最初に混合または懸濁することによって製造され得る。次に、適切な量のアジュバントが、安定剤を含む、結果として生じる混合物に組み合わせられる。活性成分であるシクロヘキサンジオンオキシムは、最後に添加され得、製剤がほとんど均質または完全に均質になるまでブレンドされ得る。
【0048】
1つの実施形態において、安定化された除草剤組成物を製造するための方法は、シクロヘキサンジオンオキシムを1つまたはそれより多くの安定剤と混合し、それにより安定化された組成物を製造する工程を含む。別の実施形態において、方法は、a)1つまたはそれより多くの安定剤を希釈剤と混合して、第一の混合物を形成する工程;b)1つまたはそれより多くのアジュバントを上記第一の混合物に添加して、第二の混合物を形成する工程;およびc)シクロヘキサンジオンオキシムを上記第二の混合物に添加し、それにより安定化された組成物を製造する工程を含む。
【0049】
望ましい植物は、一般に、本明細書中で「作物植物」と称される。本明細書中で用いられる場合、用語「作物植物」は、商業的な使用のために植えられ、栽培される、任意の食用または非食用の植物(商業的な価値を有する装飾用植物種が挙げられる)を包含する。従って、作物植物としては、顕花植物および隠花植物、木、野菜植物、芝、およびグランドカバーが挙げられる。作物植物の非限定的な具体的な例としては、カノーラ、アマ、エンドウ、レンズマメ、マメ、リノーラ、カラシ類、ヒヨコマメ、ヒマワリ、ジャガイモ、実生アルファルファ、タマネギ、ダイズ、および芝草が挙げられる。用語「植物」は、発芽する種子(germinant seed)、発芽中の実生(emerging seedling)、および確立された草木(根および地上部(例えば、葉、茎、花、果実、枝、大枝、根など)を含む)を包含することを意図する。
【0050】
本明細書中で用いられる場合、用語「芝」は、それらが所望されるか、または意図的に計画され、維持される区域(例えば、芝生)で育つ草を指す。芝はまた、地表面層が草および草の根のマットからなる芝地を指す。
【0051】
本発明の組成物としては、雑草木の1つまたはそれより多くの種に対して活性のある除草剤が挙げられる。最も広義では、用語「雑草木」は、それらが所望されない場所で育つ植物を指す。換言すると、雑草木とは、水、栄養素、太陽光、土壌などについての競争に起因して、作物にとって望ましくない植物である。草植物は、雑草木の一例である。
【0052】
雑草木は、本発明の組成物を用いて防除され得る。本発明は、従って、雑草木を防除するための方法を提供する。1つの実施形態において、方法は、シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩、およびエポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む有効な量の安定剤を含む組成物を、雑草木、作物、または植物生育地もしくは区域に適用する(接触させる)工程を含む。このような方法は、植物に適用可能であり、この植物としては、本明細書中に記載される1つまたはそれより多くの雑草木が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明の除草剤組成物は、上記雑草木が発芽する前(発芽前)または上記雑草木が発芽した後(発芽後)に適用され得る。それらは、雑草木、作物、または生育地区域の全てまたは一部に適用され得る。
【0054】
雑草木は、緑色植物、または草木性雑草木であり得る。防除されるべき草植物は、除草剤組成物の適用(接触)時に発芽前の(pre−emergent)または発芽後の成長段階にある。
【0055】
本発明の方法において、「防除」および「防除すること」は、植物の自然な生存、成長または発達からのあらゆる逸脱を含むあらゆる不利な改変作用または有害作用を含む。特定の非限定的な例としては、雑草木の全てまたは任意の部分(根、幹、茎、葉、花、枝など)の成長、雑草木の発芽(germination)、雑草木の成熟、雑草木の広がりを阻害するか、低減するか、または防ぐこと、あるいは雑草木を殺すことが挙げられる。
【0056】
本発明の方法は、1つまたはそれより多くの草を防除するために使用され得る。本発明の組成物および方法が使用され得る草植物種の例としては、以下:オオムギ(Hordeum vulgare)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、広葉シグナルグラス(Brachiaria platphylla)、スズメノチャヒキ類(チャヒキ属の種(Bromus species))、トウモロコシ(Zea mays)、メヒシバ類(メヒシバ属の種(Digitaria species))、オヒシバ類(Dactyloctenium aegyptium)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、フェスク(Festuca arundinacea)、ホソノゲムギ(Hordeum jubatum)、フォックステイル類(エノコログサ属の種(Setaria species))、エノコログサ、オヒシバ(Eleusine indica)、グレインソルガム(Sorghum bicolor)、ツノアイアシ(Rottboellia exaltata)、コヒメビエ(Echinochloa colona)、オニメヒシバ、ラブグラス(Eragrostis cilanensis)、エンバク(Avena sativa)、オーチャードグラス(Dactylis glomerata)、多年草、シバムギ(Agropyron repens)、ペルジアンダーネル、キビ、アカマイ(Oryza sativa)、根茎ジョンソングラス(Sorghum halepense)、ライムギ(Secale cereale)、ライグラス類(ドクムギ属の種(Lolium species))、実生ジョンソングラス(Sorghum halepense)、モロコシ(Sorghum bicolor)、キタメヒシバ、サウスウェスタンカップグラス(Eriochlola gracillis)、アゼガヤ類(アゼガヤ属の種(Leptochloa species))、テキサスパニカム(Panicum texanum)、自生オオムギ、自生エンバク、自生トウモロコシ、自生カナリーシード、自生コムギ、コムギ(Triticum aestivum)、野生エンバク(Avena fatua)、野生キビ(Panicum miliaceum)、ハナクサキビ(Panicum capillare)、ウーリーカップグラス(Eriochloa villosa)、ワイヤステムマーリー(Muhlenbergia frondisa)、およびキンエノコロが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
適用比率は、例えば、作物または標的とされる雑草木に依存して変動する。一般に、適用比率は、0.01kg/ha〜5.00kg/haまたは0.03kg/ha〜3.00kg/haの活性成分である。
【0058】
本明細書中で用いられる場合、用語「組成物」および「製剤」は、交換可能である。
【0059】
そうでないと定義されない限り、本明細書中で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと同様または等価の方法および材料は本発明の実施または試験に使用され得るが、適切な方法および材料は本明細書中に記載される。
【0060】
本明細書中で引用される全ての出願、刊行物、特許および他の参考文献、引用は、それらの全体が参考として援用される。矛盾がある場合、本明細書(定義を含む)が支配する。
【0061】
本明細書中で用いられる場合、単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈がそうでないと明瞭に示さない限り、複数の指示対象を含む。
【0062】
本明細書中で用いられる場合、全ての数値または数値範囲は、文脈がそうでないと明瞭に示さない限り、その範囲内の整数および範囲内の値または整数の小数(fraction)を含む。従って、例えば、90%〜100%の範囲への言及は、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%など、ならびに91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%など、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%などを包含する。90%〜100%の範囲への言及は、92.2%〜97.5%、91.5〜94.5などを包含する。一連の範囲、例えば、0.1%と15%との間、および1%と10%との間の一部重なる範囲への言及は、0.1%と1%との間、0.1%と10%との間、1%と15%との間、および10%と15%との間の範囲を包含する。
【0063】
本発明は、数多くの実施形態を記載するために断言的な言葉を用いて本明細書中で一般に開示される。本発明はまた、特定の主題(例えば、物質または材料、方法工程および条件、プロトコル、手順、アッセイまたは分析)が完全にまたは部分的に排除される実施形態を具体的に含む。従って、本発明は、本発明が何を含まないかに関して本明細書中で一般に明示しないが、それにもかかわらず本発明に明示的に含まれない局面が本明細書中で開示される。
【0064】
本発明の多数の実施形態が記載されている。それにもかかわらず、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく種々の改変が行われ得ることが理解される。従って、以下の実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を説明するが、限定しないことを意図する。
【0065】
本発明を説明するために、具体的な実施例が下に明記される。これらの実施例は、単に例示であり、どんな様式においても本発明の範囲および基礎となる原理を限定するものとして理解されるべきではない。本明細書中で示され、記載されるものの他に、本発明の種々の改変は、以下の実施例および前述の記載から当業者にとって明らかとなる。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【実施例】
【0066】
以下の実施例において、本発明の例示的な除草剤製剤、および他の防除除草剤製剤を、それらの保存安定性について調査する。多くの場合において、活性成分としてクレトジムを含む類似の市販の除草剤製剤に対する比較を行う。
【0067】
比較目的のために使用される1つのこのような市販の除草剤製剤は、Arysta LifeScience North America Corporationの製品であるArysta Select 1Eである。比較目的のために使用される別の市販の除草剤製剤は、Valent U.S.A. Corporationの製品であるValent Select MaxTMである。比較目的のために使用される別の市販の除草剤製剤は、Helena Chemical Companyの製品であるHelena Clethodim 1Eである。
【0068】
本発明のいくつかの例示的な除草剤製剤を、以下の実施例において、調製および/または調査した。これらの除草剤製剤は、以下の構成物質から構成される:
【0069】
【化2】

【0070】
【化3】

【0071】
【化4】

(実施例1)
安定化されたクレトジム製剤の安定性の評価(14日の期間)
上に記載される製剤A〜Cを、2年間についての50℃での安定性試験に供した。製剤を50℃±2℃で保存し、2日間、7日間、および14日間で評価した。活性成分クレトジムの重量によるパーセントを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって、各時間間隔において決定した。HPLC分析を以下の条件下で行った。
機器
Mettler AE 200分析天秤、S/N P49480
液体クロマトグラフ、Shimadzu LC−2010A HT、S/N C21244404636LP
Luna C−18(2)、(150mm×4.6mm、5μm)i.d.、SN 461773−5
測容ガラス器具、クラスA
ソニケーター、VWR Scientific
HPLCパラメーター
移動相:アセトニトリル65%、酢酸で緩衝化された緩衝化HPLC水35%(pH=3.0)、(v/v)%
流量:1.5mL/分
注入体積:10μl
実行時間:15分
検出器(dectector):270nmでのUV吸収
活性成分パーセント(AI%)およびクレトジムの残存百分率を表1に例示する。残存百分率を、0日間での分析(zero day analysis)による存在するクレトジムの初期量と比較して計算する。
【0072】
【表1】

(実施例2)
安定化されたクレトジム製剤の安定性の評価(24ヶ月の期間)
上に記載される製剤A〜Cを、2年間を模倣した、54℃で2週間の安定性試験に供した。比較目的のために、安定剤を含まない市販の除草剤クレトジム製剤もまた調査した。上記製剤を54℃±2℃で保存し、0日間、7日間、および14日間で評価し、その結果を判断の基礎として、他の加速調査に対する直接的な比較のために、8ヶ月間、16ヶ月間、および24ヶ月間を模倣した。活性成分クレトジムの重量によるパーセントを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって、各時間間隔において決定した。HPLC分析を以下の条件下で行った。
機器
Mettler AE 200分析天秤、S/N P49480
液体クロマトグラフ、Shimadzu LC−2010A HT、S/N C21244404636LP
Luna C−18(2)、(150mm×4.6mm、5μm)i.d.、SN 461773−5
測容ガラス器具、クラスA
ソニケーター、VWR Scientific
HPLCパラメーター
移動相:アセトニトリル/酢酸で緩衝化されたHPLC水(65135)(v/v)
流量:1.5mL/分
注入体積:10μl
実行時間:15分
検出器:270nmでのUV吸収
活性成分パーセント(AI%)およびクレトジムの残存百分率を表1に例示する。残存百分率を、0日間での分析による存在するクレトジムの初期量と比較して計算する。
【0073】
【表2−1】

【0074】
【表2−2】

安定剤であるParaplex G−60またはParaplex G−62を含む製剤において、活性成分クレトジムの著しい損失がないことを実施例1および2に例示する。従って、クレトジムおよびParaplex G−60またはParaplex G−62を含む製剤は、少なくとも2年間安定であることがここに実証されている。
【0075】
(実施例3)
下は、安定化されていないクレトジムでの安定性調査の例である。
【0076】
調査1
クレトジム(Select 2E)(26.4%の活性成分)の保存安定性を報告した。結果は、保存期間の最初の年の間に6.49%の活性成分および保存期間の2年目の間に9.44%の活性成分の、クレトジムの損失または分解を示唆する。
【0077】
調査2
クレトジム(technical)(95.3%の活性成分)の太陽光(UV)における安定性を報告した。結果は、保存期間の2年目終了後に42.33%の活性成分のクレトジムの損失または分解を示唆する。結果はまた、クレトジムtechnicalの半減期が、20℃、38℃、および50℃でそれぞれ8.4ヶ月、1.2ヶ月、および0.7ヶ月であることを示唆する。
【0078】
調査3
クレトジム(Select 1E)−安定化されていない
1年後に7.97%a.i.の損失
2年後に21.8%a.i.の損失

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩;および
エポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む有効な量の安定剤
を含む、組成物。
【請求項2】
希釈剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1つまたはそれより多くのアジュバントをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記希釈剤が非極性溶媒である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記非極性溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、またはアルキルエステルである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記非極性溶媒が芳香族炭化水素である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記芳香族炭化水素が、ベンゼン、トルエン、キシレン、置換または非置換のナフタレン、モノアルキル化芳香族、ポリアルキル化芳香族、またはそれらの混合物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記非極性溶媒がアルキルエステルである、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
前記アルキルエステルがメチルエステルである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記アルキルエステルが植物油のメチルエステルである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記植物油が、カノーラ油、アマニ油、ベニバナ油、ダイズ油、またはヒマワリ油である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記1つまたはそれより多くのアジュバントが作物油を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
前記1つまたはそれより多くのアジュバントが界面活性剤を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはそれらの混合物を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記アニオン性界面活性剤が、14個〜22個の炭素原子を有する長鎖アルコールのリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルならびにそれらの塩、14個〜22個の炭素原子を有する長鎖アルコールのアルキレンオキシド付加生成物のリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルならびにそれらの塩、14個〜22個の炭素原子を有するアルキルスルフェート、14個〜22個の炭素原子を有するアルコールのポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフェート、14個〜22個の炭素原子を有するアルカンスルホネート、ならびに14個〜22個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記非イオン性界面活性剤が、エトキシ化脂肪酸、アルコールエトキシレート、トリスチリルフェノールエトキシレート、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記非イオン性界面活性剤がエトキシ化脂肪酸である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記エトキシ化脂肪酸がヒマシ油エトキシレートである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
0.1重量%と95重量%との間の前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩もしくは金属錯体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
20g/L〜800g/Lの前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩もしくは金属錯体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
0.1重量%と15重量%との間の前記安定剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
0.1重量%と約30重量%との間の前記界面活性剤を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項23】
1重量%と99重量%との間の前記溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
30重量%と80重量%との間の前記溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩が、メチル(E)−(RS)−3−[1−(アロキシイミノ)ブチル]−4−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エンカルボキシ−レート)、5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[1−(エトキシイミノ)ブチル]−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−(EZ)−2−(1−エトキシイミノブチル)−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(EZ)−(RS)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシ−イミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロ−ヘキサ−2−エン−1−オン)、2−[1−(エトキシイミノ)プロピル]−3−ヒドロキシ−5−メシチルシクロヘキサ−2−エノン)、および2−[1−[[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシ]イミノ]ブチル]−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル)−2−シクロヘキセン−1−オンからなる群から選択される、請求項1〜24に記載の組成物。
【請求項26】
前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩が、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、またはその塩を含む、請求項1〜24に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が乳化可能濃縮物、水和剤、粒剤、ペレット剤、粉剤、油剤、またはエアゾール剤を構成する、請求項1〜24に記載の組成物。
【請求項28】
雑草木を防除する方法であって、シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩、およびエポキシ化油脂肪酸または脂肪酸のエポキシ化エステルを含む有効な量の安定剤を含む組成物を、雑草木、作物、または生育地区域に適用する工程を含む、方法。
【請求項29】
前記組成物が、希釈剤をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、1つまたはそれより多くのアジュバントをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩が、メチル(E)−(RS)−3−[1−(アロキシイミノ)ブチル]−4−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エンカルボキシ−レート)、5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−2−[1−(エトキシイミノ)ブチル]−3−ヒドロキシ−5−チアン−3−イルシクロヘキサ−2−エノン)、(±)−(EZ)−2−(1−エトキシイミノブチル)−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)、(EZ)−(RS)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシ−イミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロ−ヘキサ−2−エン−1−オン)、2−[1−(エトキシイミノ)プロピル]−3−ヒドロキシ−5−メシチルシクロヘキサ−2−エノン)、および2−[1−[[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシ]イミノ]ブチル]−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル)−2−シクロヘキセン−1−オンからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記シクロヘキサンジオンオキシムまたはその農業上許容可能な塩が、(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エノン)またはその塩を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記雑草木が草植物である、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記草植物が、オオムギ、イヌビエ、ギョウギシバ、広葉シグナルグラス、スズメノチャヒキ類、トウモロコシ、メヒシバ類、オヒシバ類、オオクサキビ、フェスク、ホソノゲムギ、フォックステイル類、エノコログサ、オヒシバ、グレインソルガム、ツノアイアシ、コヒメビエ、オニメヒシバ、ラブグラス、エンバク、オーチャードグラス、多年草、シバムギ、ペルジアンダーネル、キビ、アカマイ、根茎ジョンソングラス、ライムギ、ライグラス類、実生ジョンソングラス、モロコシ、キタメヒシバ、サウスウェスタンカップグラス、アゼガヤ類、テキサスパニカム、自生オオムギ、自生エンバク、自生トウモロコシ、自生カナリーシード、自生コムギ、コムギ、野生エンバク、野生キビ、ハナクサキビ、ウーリーカップグラス、ワイヤステムマーリー、およびキンエノコロからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物が、発芽後処理として適用される、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が、雑草木防除の必要があるかまたは所望しない雑草木のリスクがある作物植物に適用される、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記作物植物が、カノーラ、アマ、エンドウ、レンズマメ、マメ、リノーラ、カラシ類、ヒヨコマメ、ヒマワリ、ジャガイモ、実生アルファルファ、タマネギ、およびダイズのいずれかである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
シクロヘキサンジオンオキシムを1つまたはそれより多くの安定剤と混合し、それにより安定化された組成物を製造する工程を含む、安定化された除草剤組成物を製造するための方法。
【請求項39】
安定化された組成物を製造するための方法であって、
a)1つまたはそれより多くの安定剤を希釈剤と混合して、第一の混合物を形成する工程;
b)1つまたはそれより多くのアジュバントを該第一の混合物に添加して、第二の混合物を形成する工程;および
c)シクロヘキサンジオンオキシムを該第二の混合物に添加し、それにより安定化された組成物を製造する工程
を包含する、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−533628(P2012−533628A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521687(P2012−521687)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042179
【国際公開番号】WO2011/011265
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(509041371)アリスタ ライフサイエンス ノース アメリカ, エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】