完全自動ツイストロック
【課題】 本発明は、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置(1)に関する。
【解決手段】 このカプリング装置は、ハウジング(2)と、前記コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、また、そこから解放できる係合部(3)とを含む。係合部(3)は、前記コーナ取付金具と共にそれを案内するガイド部(4)を有し、さらに、この前記係合部(3)が、前記ハウジング(2)内に延びる軸部分(5)によって前記ハウジング内に回転可能に装着してある。ガイド部(4)が水平方向においてコーナ取付金具に関して係合部(3)を案内する並進案内路を有し、この並進案内路が前記軸部分(5)の軸線(7)に関して回転非対称である。
【解決手段】 このカプリング装置は、ハウジング(2)と、前記コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、また、そこから解放できる係合部(3)とを含む。係合部(3)は、前記コーナ取付金具と共にそれを案内するガイド部(4)を有し、さらに、この前記係合部(3)が、前記ハウジング(2)内に延びる軸部分(5)によって前記ハウジング内に回転可能に装着してある。ガイド部(4)が水平方向においてコーナ取付金具に関して係合部(3)を案内する並進案内路を有し、この並進案内路が前記軸部分(5)の軸線(7)に関して回転非対称である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置およびコンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置を連結、解放する方法に関する。このカプリング装置は、ハウジングと、コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそれから解放することできる係合部とを含む。この係合部は、それをコーナ取付金具と共に案内するガイド部分を有する。
【背景技術】
【0002】
貨物船、列車、トラックなどで貨物を運ぶ場合、可なりの割合で、分割積載コンテナ、貨物輸送用コンテナおよび温度調節コンテナが使用される。これらのコンテナは、サイズが標準化されてあるし、複数のコンテナを積み重ねることができる頑丈な構造となっているために、荷積み、荷卸しで取り扱いが容易である。コンテナは保管のときでもコンテナ輸送中でも積み重ねられる。このコンテナ設計は、しばしばISOコンテナとも呼ばれ、輸送貨物を輸送中でも荷積み、荷卸しのときでも申し分なく保護できる。
【0003】
上記タイプのコンテナは、普通、矩形となっていて、床、屋根、2つの側壁および2つの端壁を持つ。一方の端壁は、通常、しばしば一対のドアとして形成されるドア部分からなる。普通、コンテナのコーナには楕円形の穴を有するコーナ取付金具が配置してあり、コンテナの連結、固縛を行えるようになっている。
【0004】
2つ以上のコンテナを連結して固縛するためには、ISOコンテナのコーナ取付金具に挿入し、錠止できる錠止可能なカプリングを含む装置を使用する。WO2004/020316が2つのコンテナを互いに連結するフック状カプリングを開示している。ここでは、これらのコンテナを互いに連結するために、上方コンテナを下降させると同時にそれを垂直方向中心軸線まわりに回転させ、コンテナの4つのコーナすべてのところでフック状カプリングの幾何学的構造に対応する運動を同時に行わせる。上方コンテナは、上方コンテナを持ち上げると同時に垂直方向中心軸線まわりに回転させて解放される。このようにして、4つのフックすべてを同時に解放し、2つのコンテナを連結するときの運動と逆の運動を行わせる。
【0005】
今日の輸送システム、たとえば、船舶では、数千個ものコンテナを積載することができ、その場合、コンテナを積み重ねて利用可能なスペースを有効活用する。輸送時に安全なように荷積みを行うこの方法では、各コンテナは、たとえば錠止可能なカプリングによって少なくとも1つの隣接したコンテナや輸送船に連結される。その結果、積み重なったコンテナが互いに、そして、輸送船に錠止され、安定して連結した三次元輸送積み重ね体となる。
【0006】
現今、数千個ものコンテナを一隻の船で使用するのが普通である。このことは、各コンテナの取扱いに要する時間の短縮が小さくてもかなり大きな時間の節減になり、結局は経済的な利益を得ることができることを意味する。
【0007】
コンテナの迅速かつ能率の良い荷積み、荷卸しを行うのが望ましいし、コンテナの荷積み、荷卸しにかかる作業員の数を最小限に抑えることも望ましい。現在、2つのコンテナの連結、分離の最中やその後に手動操作する必要のないコンテナ・カプリングがある。しかしながら、この種のコンテナ・カプリングには問題がある。たとえば荷積みや荷卸しをしている船が荷積み、荷卸しの最中に傾いた場合、コンテナの4つのコーナすべてでカプリングが同時に係合しなければならないから、コンテナを連結するのが問題となる。クレ
ーンの移動があまり正確でない場合にも同じ問題が生じる。
【0008】
上記のコンテナ・カプリングは、従来技術によれば、たとえば(波や風などにより)海上でコンテナが変位したとき、コーナ取付金具の穴の片側にしか連結したコンテナ間の力が伝わらない。
【0009】
したがって、積卸し中に迅速かつ能率良く扱えるカプリングあれば望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、取り扱い容易な急速カプリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的および以下の説明から明らかとなる他の目的は、添付特許請求の範囲に記載の、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置によって達成される。
【0012】
本発明の一態様によれば、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置は、ハウジングと、前記コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそこから解放できる係合部とを含み、この係合部がそれを前記コーナ取付金具と共に案内するガイド部を有し、また、前記係合部はハウジング内へ延びる軸部分によって前記ハウジング内に回転可能に装着してあり、前記ガイド部が、水平方向において、前記コーナ取付金具に対して係合部を案内する並進案内路を有し、この並進案内路が前記軸部分の軸線に対して回転非対称となっている。
【0013】
並進案内路の主機能は、コーナ取付金具からカプリングを解放するときにカプリングを水平方向に案内、移動させることにある。これは非対称のまたは偏心した並進案内路によって達成される。
【0014】
この発明概念の利点は、コンテナの固縛、離脱中に自動的に作動する完全自動カプリングを得ることができるということにある。本発明によるカプリングでは、連結、取扱中の運動の精度および許容限度、最終的にはコンテナの傾きについての要求が少ない。
【0015】
本発明のさらに別の利点は、コーナ取付金具の楕円形穴の両側部へ固縛荷重を伝えるように係合部を設けたことにある。これは従来技術によるカプリングと異なり、強度上の問題を引き起こすことがない。
【0016】
好ましくは、カプリング装置の前記ガイド部は係合部を回転させる回転案内路を有する。この回転案内路は、係合部を強制的に回転させ、この回転を利用してカプリングの自動的な解放、固縛を達成する。
【0017】
並進案内経路および回転案内経路の有形化には種々の機械的構成要素の組み合わせが考えられる。たとえば、以下の詳細な説明で説明するカムとねじの種々の組み合わせを使用できる。
【0018】
まず、並進案内路としてカム、ねじの表面の組み合わせを使用し、回転案内路としてねじフランジの表面の組み合わせを使用できる。これが本発明の実施形態に記載した例である。
【0019】
第2の選択肢では、カム面のみを並進案内路として設け、ねじフランジが回転案内路と
して作用する。この場合、並進案内路として作用することがないので、回転案内路が偏心していたり、非対称であったりする必要はない。
【0020】
第3の選択肢では、並進案内路としても回転案内路としてもねじの表面を利用することができ、これは係合部とガイド部の幾何学的構造を異ならせることになる。
【0021】
好ましい実施形態においては、前記回転案内路は、回転中に、前記軸の軸線に対して平行な垂直軸線方向に前記コーナ取付金具に関して係合部を駆動するピッチを有する。このピッチは、ねじフランジとしてまたはねじフランジの一部として設けるとよい。ねじのピッチと同じ効果を達成するのに他の幾何学的な形状を利用することも可能である。
【0022】
さらに、前記回転案内路は、前記コーナ取付金具との連結時に係合部を回転させる第1の案内面と、前記コーナ取付金具からの解放時に係合部を回転させる第2の案内面とを有する。本発明は、解放時にカプリングを自動的に作動させる特性を得るために第2案内面を非対称的または偏心した幾何学的構造と組み合わせて使用するというアイディアに基づいている。
【0023】
さらに、前記ガイド部がねじの形状またはねじに類似した幾何学的構造を有すると好ましい。たとえば、短いねじフランジ、すなわち、コアの周縁の一部のみを設けてもよい。好ましくは、前記ねじのねじ山は、前記第1、第2の案内面を構成する上下のねじ側面を備える。
【0024】
好ましい実施形態においては、係合部は、前記コーナ取付金具との連結時に中立位置から一方向へばね作用に抗して回転可能であり、そして、前記コーナ取付金具からの解放時に中立位置から反対方向へばね作用に抗して回転可能である。その結果、カプリングおよび係合部は、中立位置からそれぞれ時計回り、反時計回りの回転中に異なった特性を有する。ばねは係合部を中立位置に戻そうとする。
【0025】
好ましくは、前記係合部は並進案内路を備えるカムを有し、この並進案内路は、前記係合部のコーナ取付金具からの解放時に、回転案内路と協働しながら、前記コーナ取付金具と相互作用を行い、水平方向成分を持ってハウジングを強制的に動かす。前記カムを前記軸、前記ガイド部間で係合部上に固定設置すると有利である。
【0026】
好ましい実施形態において、カプリング装置のガイド部は円錐形の外形を有する。この円錐形により、コンテナの連結時にカプリングの係合部がコーナ取付金具の穴に入りやすくなる。
【0027】
さらに好ましくは、係合部は、それぞれ連結時、解放時に前記コーナ取付金具の少なくとも2つの互いに反対側の縁を案内する2つの第1案内面および2つの第2案内面を備える。これは、カプリングが穴の2つの接触点に固縛荷重をかけるのを助け、カプリングがコーナ取付金具の穴と接触する少なくとも2つの接触点を有するためにカプリングがさらに傾くのを防ぐことができる。
【0028】
好ましい実施形態において、カプリング装置は、また、第2のコンテナの隣接したコーナ取付金具に連結できる第2の連結手段も備える。この第2の連結手段は既知の技術や新しい技術に従って設計できる。その目的とするところは、第1のコンテナのコーナ取付金具内にカプリングおよびハウジングを保持すること、コンテナの固縛、輸送時に荷重を受けることにある。好ましくは、前記ハウジングは前記コーナ取付金具の穴に緊密に嵌合する。
【0029】
前記ガイド部、前記軸および前記第2連結手段を含む前記係合部を一体片に形成すると有利である。これは製作上の観点から有利である。さらに、少数の部品とほんの少しの可動部分があるだけなので操作が容易となる。
【0030】
本発明によれば、ハウジングと、前記第2の容器のコーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそこから解放できる係合部とを含むカプリング装置によって連結した第2のコンテナから第1のコンテナを解放することを目的とする方法を得ることができる。この方法は、第1のコンテナを解放する初期ステップで垂直方向に第1のコンテナを持ち上げるステップと、前記係合部の回転時にカプリング装置のハウジングをコーナ取付金具から水平、垂直方向に動かすステップと、カプリング装置のハウジングを水平、垂直方向に動かしているときに係合部をさらに回転させることによって第2のコンテナのコーナ取付金具から前記カプリング装置を解放し、前記係合部をコーナ取付金具の穴を通って解放位置に移動させるステップとを含む。
【0031】
第1のコンテナを本発明によるカプリング装置によって連結した第2のコンテナと連結する方法は、前記カプリングを備えた第1のコンテナを第2のコンテナに向かって下降させるステップと、第2のコンテナのコーナ取付金具と相互作用させることによって係合部を回転させるステップと、第1のコンテナを垂直方向にさらに移動させることによって第2のコンテナのコーナ取付金具に前記カプリング装置を連結し、前記係合部をコーナ取付金具の穴を通って係合位置に移動させるステップと、ハウジング、前記係合部間に連結したばねによって中立位置へ係合部を回転させるステップとを含む。
【0032】
好ましくは、カプリングの解放時に本発明によるハウジングを移動させるステップが、さらに、係合部とコーナ取付金具の穴との相互作用の下に前記係合部の並進案内路および回転案内路によって前記水平方向、垂直方向の動きを強制的に行うステップを含む。
【0033】
さらに、ハウジングを移動させるステップが、さらに、前記カプリング装置の作動時に前記回転案内路のピッチが係合部を強制的に回転させるステップを含む。
【0034】
本方法は、さらに、第1のコンテナの垂直方向中心軸線まわりに第1のコンテナを持ち上げると同時に回転させることによって第1のコンテナを解放するステップを含むと有利である。この特徴は、コンテナの4つのコーナすべてでカプリングを各コーナ取付金具に関して同じ向きに装着することで達成される。
【0035】
カプリングは、70度〜120度、好ましくは80度〜110度、最も好ましくは90度の間隔で解放時に係合部を強制回転させるように設計してもよい。荷積み時の係合部の回転角度についての対応する設計では、90度〜120度、好ましくは100度〜115度、最も好ましくは110度であると有利である。
【0036】
本発明によるカプリングは、自動連結作用で1つのコンテナを別のコンテナ上へ真っすぐに下ろすことを可能にするという利点を有する。さらに、荷積み時の精度についての要求が小さく、荷積み時にコンテナのコーナを一度に1つずつ連結することが可能である。これは従来技術のカプリングでは不可能であった。
【0037】
以下、添付図面を参照しながら好ましい実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるカプリング装置の斜視展開図を示している。
図2は、ハウジングの断面と共にカプリング装置を斜視図で示している。
図3は、カプリング装置の係合部を側面図で示している。
図4a〜4cは、上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
図5a〜5dは、第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
図6a〜6dは、第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、例示の目的で、本発明を添付図面を参照しながら実施例によって詳しく説明する。本発明によるカプリング装置1の一実施形態(図1に示すカプリング装置1)は、ISOコンテナの既存のコーナ取付金具に連結するようになっている。このカプリング装置1は、普通、ハウジング2と、コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、また解放できる係合部3とを含む。係合部3は、コーナ取付金具の楕円形穴の内外へ係合部を案内するガイド部4を有する。
【0039】
図2に示すカプリング装置は、ハウジング2と、ハウジング2内に延びる軸部分5でハウジング内に回転可能に装着した係合部3とを示している。係合部3は、前記コーナ取付金具と共にそれを案内するガイド部4を有する。このガイド部4は、そのコア6が軸5の軸線7に関して偏心位置する形状となっている。さらに、コア6から半径方向に突出する2つのねじ状フランジがあり、第1の上方案内面8、8’と第2の下方案内面9、9’がある。これらのフランジは、周縁で傾斜しており、下方に行くにつれて半径方向で幅が狭くなっている。傾斜している回転案内面の角度は、回転時に係合部3が穴の縁とかみ合ってしまうのを避けるに充分な大きさでなければならない。
【0040】
ガイド部4の直ぐ上にはカム部分10が形成してあり、このカム10の偏心部は、軸5の軸線7に関して、ガイド部4の偏心方向とほぼ同じ突出方向を有する。製造上の理由によって、係合部3は一体材料片から作る。
【0041】
本発明のこの実施形態においては、ハウジング2は半分にした2つの部分からなる。これら2つのハウジング部分を係合部3の軸5まわりに組み立てる。ハウジング2のこの設計によって、係合部2は軸5の軸線7まわりに回転できる。さらに、第2の連結手段11が、第1の上方コンテナのコーナ取付金具と連結できるようにハウジング2から突出している。この第2の連結手段11は、係合部3の回転によってハウジング2内へ引っ込むことができ、カプリング1を第1のコンテナに連結するのを可能にする。
【0042】
ハウジング2の下部には面取り部13が設けてあって、荷卸し時にカプリングおよびハウジングを上向き側方へ移動させることができるようになっている。この面取り部13は、ハウジング2がコーナ取付金具にある穴の縁と衝突するのを防ぐ。さらに、ハウジングは、そのまわりに水平方向に延びる凹所または隆起14を備えており、コンテナのコーナ取付金具の穴に対してハウジング2を位置決めすることができるようになっている。
【0043】
ガイド部4のねじ状のフランジは、複動式ねじりコーンと言うこともできる。それは、係合部3の回転軸線7に関して非対称の向きとなっている。この複動式ねじりコーンは、カプリング1のコーナ取付金具との係合時およびそこからの解放時に係合部を強制的に回転させる。この場合、カプリング1の垂直移動は、部分的に、係合部3の強制回転に変換される。コンテナの荷卸し時、カム10と組み合わせた複動式ねじりコーンの偏心位置がコンテナを強制的に側方へ移動させる。一方、カム10および偏心ねじりコーンは、回転が反対方向なので、荷積み中は異なった動作を行う。
【0044】
本発明のカップリング1は二つのコンテナを互いに結合するためのものとして記載されているが、本発明は他の応用のために用いることもできる。例えば輸送車輛のコンテナの結合、船舶の床の結合、または自動カップリングが望まれる結合または応用にもちいられる。
【0045】
図4aは、四つのカップリング装置1によって第2の下部コンテナに安全に積み重ねられ、カップルされた第1の上部コンテナを示す。
図4bは、例えば荷積みされた船の非常な傾斜によって傾斜したコンテナの最初の段階を示す。
図4cは、コンテナの一方の長辺上のカップリングが引き離され、そしてその係合部が回転を始める時の、傾斜の間の経過をを示す。しかしながら反対側のカップリングは押し付けられ第1の上部コンテナが水平位置から移動するのを防ぎ、こうしてコンテナは安全に結合されたままに止まる。
【0046】
例えば海で船舶が風や波のためにローリングしてコンテナの積み重ねが傾斜したとき(図4a−c)、コンテナは結合されたままであることが求められる。この場合、通常コンテナと船舶の長手方向に関してコンテナーのそれぞれは傾斜し、かくして長辺上の二つのカップリングは押し付けられ、そして反対側の二つのカップリングは図4cに示したように押し離される。この押し離された二つのカップリングは、荷下ろし時に最初は同様に動くが、ハウジングが第一および第二コンテナのコーナ取付金具の両方に取り付いて、押し付けられたカップリングはコンテナーを水平方向に移動するのを防ぐために、押し離されるカップリングの係合部3はガイド部4の形状によって強制されるその水平動作を行うことが出来ず、かくしてコンテナは安全に結合されたままとなる。
【0047】
ガイド部4の回転経路から引き離されたカプリングは、下から見て反時計方向に係合部を回転させ始め、そして、カムの並進案内路10が穴の一方の長辺の縁と接触することになる。さらに、カム10およびガイド部の偏心構造がハウジング2を水平方向に駆動しよ
うとすると同時に回転案内路のピッチが係合部3およびハウジング2を上方に駆動しようとする。しかしながら、この移動が水平方向移動を阻止する押しつけられたカプリング対によっては行われ得ないので、引き離された2つのカプリングはコーナ取付金具
の穴からの解放を継続することができない。
【0048】
図5aは、第2のコンテナに連結した第1の上方コンテナの荷卸し中の初期段階を示している。
【0049】
図5bは、第1の持ち上げられたコンテナを持ち上げ中に強制的に回転させるカプリング1の係合部3の形状および特性によって第1の持ち上げられたコンテナが幾何学的に案内される前の段階を示している。
【0050】
図5cには、持ち上げられたコンテナの解放時のさらに別の段階を示している。係合部3は、係合部がコーナ取付金具の穴を通過できる位置まで(ほぼ90度)回転してしまっている。
【0051】
図5dは、係合部3がばね12によって回転させられて中立位置に戻っている解放状態にある第1のコンテナを示している。
【0052】
第2のコンテナに連結した第1のコンテナの荷卸し時(図5a〜5d)、持上げ装置を用いて第1のコンテナを第2のコンテナから持ち上げる。第1のコンテナおよび4つのカプリング装置1の持ち上げ時、ガイド部4の第2案内面9のピッチが係合部3を下から見て反時計方向に回転させることになる。係合部3が回転すると、カムの並進経路が穴の長辺と相互作用を行ってハウジング2を側方へ押すことができる(図5b〜5c)。ガイド部4のコアは、穴の長軸方向と平行な、軸線7を通る線に対してほぼ45度の線上に位置しており、また、回転軸線7から18mm離れて偏心状態でも位置する。上記し、図3に示したガイド部4の45度偏心して位置したコアにより、荷卸し時、ハウジング2および第1のコンテナは、このコンテナの短辺に対してほぼ平行な方向において水平方向成分を持って強制的に移動させられることになる。
【0053】
カプリング装置1は、第2の連結手段11を用いて第1のコンテナのコーナ取付金具内に連結しているので、持ち上げられたコンテナに追従することになる。こうして、4つのカプリングすべてが同時に上方かつ側方へ移動することになり、また、必要に応じて互いに待機することになる。
【0054】
係合部3の初期回転中、係合部は、ハウジング2および第1のコンテナを上方かつ水平方向に強制的に移動させる(図5b)。これは、ガイド部4の偏心位置、カム10の並進経路の両方によって行われる。カム10および偏心位置が、共に、コーナ取付金具の楕円形の穴の縁との相互作用を行い、そして、係合部3が、ほぼ90度回転し、ガイド部4を第2のコンテナからカプリング1の解放位置まで案内することになる。第1のコンテナの荷卸し時に、カプリングの4つ係合部すべてがほぼ同時に回転し、解放されることになる。このとき、解放が完全に自動なので、第1のコンテナを持ち上げる前にカプリング1を手動操作する必要はない。
【0055】
カプリング1の解放時、ガイド部4の案内面9のピッチが、垂直持上げ運動を係合部3の駆動回転に変換し、そして、この駆動回転が、ガイド部4の幾何学構造、すなわち、偏心して位置したねじフランジおよび非対称的なカム幾何学的構造によって活用されてハウジング2を水平方向成分の方向に強制移動させる。
【0056】
第1のコンテナが解放され、カプリング1の係合部3がコーナ取付金具の穴から離脱す
ると、ハウジング2、係合部3間に連結したばね12が係合部を回転させて中立位置(図5d)へ戻すことになる。
【0057】
この中立回転位置は、軸5にある凹所およびハウジング2にある凹所両方の側部に作用しているばね12によって達成される。これにより、係合部3が回転位置から中立位置へ時計方向へ戻り、そして、中立位置から反時計方向へ戻る。
【0058】
コンテナの4つのカプリングは、4つすべてのコーナ取付金具内に同じ向きで装着してもよいし、または、各コーナ取付金具に関して同じ向きで装着してもよい。最初に述べた向きによれば、第1のコンテナは、持ち上げ運動によって持上げ装置からコンテナの長さ方向に対して側方へ下ろされる。後に述べた向きによれば、コンテナを持ち上げると同時に、荷卸し移動によってコンテナが垂直中心軸線まわりに回転する(図5b〜5c)。
【0059】
図6aは、第2のコンテナとその上方にある第1のコンテナとを互いに連結しようとしている位置で示している。
【0060】
図6bにおいて、第1のコンテナを第2のコンテナに向かって真っすぐに下降させると、カプリングの係合部3が案内面8、8’とコーナ取付金具の穴の縁と接触することによって回転することになる。
【0061】
図6cは、係合部3がコーナ取付金具の楕円形の穴内へどのようにして下降移動するかを示している。係合部3は、回転時に、ほぼ楕円形の穴の長手方向に弧を描いて移動する。カプリングが第2のコンテナと係合すると(図6d)、ばね12が、係合部3を下から見て反時計方向へ強制的に回転させ、中立位置に戻す。
【0062】
荷積み時(図6a〜6d)、通常通りに1つのコンテナ上に別のコンテナを積み重ねるとき、本発明によるカプリング装置は、第2の連結手段11を用いて、荷積みしようとしているコンテナの下にある4つのコーナ取付金具の穴内に装着される。クレーンその他の持上げ装置が第2のコンテナ上方まで第1のコンテナを持ち上げて運び、第1のコンテナを第2のコンテナ上へ真っすぐに下降させる。第1のコンテナの下降時、カプリング装置1の係合部3は、穴の縁と係合部3の回転案内経路との接触によって下から見て時計方向に回転することになる。ガイド部4が中立位置から回転し、その結果、コーナ取付金具の楕円形穴のほぼ長手方向における移動が生じることになる。これは、ガイド部4のコア6が軸5の回転軸線7から18mm離れて偏心位置しており(図3)、また、穴の長軸方向と平行である、軸線7を通る線に対してほぼ45度の線上に位置しているからである。ガイド部4が穴のほぼ長軸方向に移動するため、第1のコンテナは、係合部3と第2コンテナの上方コーナ取付金具の穴との係合時に第2のコンテナ上へ垂直方向に真っすぐに下降できる。
【0063】
係合部3がコーナ取付金具と係合した初期段階で、第2のコンテナのコーナ取付金具の穴内へガイド部4の円錐形部分が入ることによって、第1のコンテナが第2のコンテナ上を所定位置に案内される(図6b)。連結シーケンスの次の段階で、コーナ取付金具の穴の平行な縁が回転案内路の第1案内面8のためのガイドとして作用する(図6c)。第1のコンテナがこの位置から下降すると、第1案内面のピッチによって係合部3が回転し始め、穴内を案内されることになる。ねじ状の第1案内面は係合部3を中立位置からほぼ110度強制的に回転させる。この回転時、カム10の半径方向に延びる非対称部分が係合部3の係合回転時に穴の長軸方向に向いているので、カム10は不作動である。
【0064】
係合部3のガイド部4が完全にコーナ取付金具に入ったときの2つのコンテナの最終連結段階では、ハウジング2と係合部3の間に設けたばね12は、係合部を(ほぼ110度
)回転させて中立位置に戻すことになる。それ故、第1、第2のコンテナを相互に錠止することになる(図6d)。これは、ガイド部が偏心して位置している(図3)からであるが、ガイド部4が、水平横断面で、コーナの取付金具の楕円形の穴を通過できない楕円形状を持っているからでもある。
【0065】
こうして、本発明によるカプリング1によって2つのコンテナの荷積み、相互の連結を完全に自動的に行うことができ、カプリングを第1のコンテナに連結すること以外にカプリングを手動操作する必要がまったくない。2つのコンテナの連結時に4つのカプリング装置を個別に係合させることができる。すなわち、第2のコンテナの4つすべてのコーナでカプリング装置を同時に係合させる必要がない。これは、たとえば、船の荷積みが非対称で行われたことなどにより荷積み中に船が傾いた場合が当てはまる。この場合でも、クレーン・オペレータは、連結のために第1のコンテナの4つすべてのコーナを同時に下降させる必要はない。本カプリングがなんら手作業による操作なしに自動的に2つのコンテナの係合を行うことになる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明によるカプリング装置の斜視展開図を示している。
【図2】ハウジングの断面と共にカプリング装置を斜視図で示している。
【図3】カプリング装置の係合部を側面図で示している。
【図4a】上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
【図4b】上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
【図4c】上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
【図5a】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図5b】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図5c】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図5d】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図6a】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【図6b】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【図6c】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【図6d】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置およびコンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置を連結、解放する方法に関する。このカプリング装置は、ハウジングと、コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそれから解放することできる係合部とを含む。この係合部は、それをコーナ取付金具と共に案内するガイド部分を有する。
【背景技術】
【0002】
貨物船、列車、トラックなどで貨物を運ぶ場合、可なりの割合で、分割積載コンテナ、貨物輸送用コンテナおよび温度調節コンテナが使用される。これらのコンテナは、サイズが標準化されてあるし、複数のコンテナを積み重ねることができる頑丈な構造となっているために、荷積み、荷卸しで取り扱いが容易である。コンテナは保管のときでもコンテナ輸送中でも積み重ねられる。このコンテナ設計は、しばしばISOコンテナとも呼ばれ、輸送貨物を輸送中でも荷積み、荷卸しのときでも申し分なく保護できる。
【0003】
上記タイプのコンテナは、普通、矩形となっていて、床、屋根、2つの側壁および2つの端壁を持つ。一方の端壁は、通常、しばしば一対のドアとして形成されるドア部分からなる。普通、コンテナのコーナには楕円形の穴を有するコーナ取付金具が配置してあり、コンテナの連結、固縛を行えるようになっている。
【0004】
2つ以上のコンテナを連結して固縛するためには、ISOコンテナのコーナ取付金具に挿入し、錠止できる錠止可能なカプリングを含む装置を使用する。WO2004/020316が2つのコンテナを互いに連結するフック状カプリングを開示している。ここでは、これらのコンテナを互いに連結するために、上方コンテナを下降させると同時にそれを垂直方向中心軸線まわりに回転させ、コンテナの4つのコーナすべてのところでフック状カプリングの幾何学的構造に対応する運動を同時に行わせる。上方コンテナは、上方コンテナを持ち上げると同時に垂直方向中心軸線まわりに回転させて解放される。このようにして、4つのフックすべてを同時に解放し、2つのコンテナを連結するときの運動と逆の運動を行わせる。
【0005】
今日の輸送システム、たとえば、船舶では、数千個ものコンテナを積載することができ、その場合、コンテナを積み重ねて利用可能なスペースを有効活用する。輸送時に安全なように荷積みを行うこの方法では、各コンテナは、たとえば錠止可能なカプリングによって少なくとも1つの隣接したコンテナや輸送船に連結される。その結果、積み重なったコンテナが互いに、そして、輸送船に錠止され、安定して連結した三次元輸送積み重ね体となる。
【0006】
現今、数千個ものコンテナを一隻の船で使用するのが普通である。このことは、各コンテナの取扱いに要する時間の短縮が小さくてもかなり大きな時間の節減になり、結局は経済的な利益を得ることができることを意味する。
【0007】
コンテナの迅速かつ能率の良い荷積み、荷卸しを行うのが望ましいし、コンテナの荷積み、荷卸しにかかる作業員の数を最小限に抑えることも望ましい。現在、2つのコンテナの連結、分離の最中やその後に手動操作する必要のないコンテナ・カプリングがある。しかしながら、この種のコンテナ・カプリングには問題がある。たとえば荷積みや荷卸しをしている船が荷積み、荷卸しの最中に傾いた場合、コンテナの4つのコーナすべてでカプリングが同時に係合しなければならないから、コンテナを連結するのが問題となる。クレ
ーンの移動があまり正確でない場合にも同じ問題が生じる。
【0008】
上記のコンテナ・カプリングは、従来技術によれば、たとえば(波や風などにより)海上でコンテナが変位したとき、コーナ取付金具の穴の片側にしか連結したコンテナ間の力が伝わらない。
【0009】
したがって、積卸し中に迅速かつ能率良く扱えるカプリングあれば望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、取り扱い容易な急速カプリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的および以下の説明から明らかとなる他の目的は、添付特許請求の範囲に記載の、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置によって達成される。
【0012】
本発明の一態様によれば、コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置は、ハウジングと、前記コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそこから解放できる係合部とを含み、この係合部がそれを前記コーナ取付金具と共に案内するガイド部を有し、また、前記係合部はハウジング内へ延びる軸部分によって前記ハウジング内に回転可能に装着してあり、前記ガイド部が、水平方向において、前記コーナ取付金具に対して係合部を案内する並進案内路を有し、この並進案内路が前記軸部分の軸線に対して回転非対称となっている。
【0013】
並進案内路の主機能は、コーナ取付金具からカプリングを解放するときにカプリングを水平方向に案内、移動させることにある。これは非対称のまたは偏心した並進案内路によって達成される。
【0014】
この発明概念の利点は、コンテナの固縛、離脱中に自動的に作動する完全自動カプリングを得ることができるということにある。本発明によるカプリングでは、連結、取扱中の運動の精度および許容限度、最終的にはコンテナの傾きについての要求が少ない。
【0015】
本発明のさらに別の利点は、コーナ取付金具の楕円形穴の両側部へ固縛荷重を伝えるように係合部を設けたことにある。これは従来技術によるカプリングと異なり、強度上の問題を引き起こすことがない。
【0016】
好ましくは、カプリング装置の前記ガイド部は係合部を回転させる回転案内路を有する。この回転案内路は、係合部を強制的に回転させ、この回転を利用してカプリングの自動的な解放、固縛を達成する。
【0017】
並進案内経路および回転案内経路の有形化には種々の機械的構成要素の組み合わせが考えられる。たとえば、以下の詳細な説明で説明するカムとねじの種々の組み合わせを使用できる。
【0018】
まず、並進案内路としてカム、ねじの表面の組み合わせを使用し、回転案内路としてねじフランジの表面の組み合わせを使用できる。これが本発明の実施形態に記載した例である。
【0019】
第2の選択肢では、カム面のみを並進案内路として設け、ねじフランジが回転案内路と
して作用する。この場合、並進案内路として作用することがないので、回転案内路が偏心していたり、非対称であったりする必要はない。
【0020】
第3の選択肢では、並進案内路としても回転案内路としてもねじの表面を利用することができ、これは係合部とガイド部の幾何学的構造を異ならせることになる。
【0021】
好ましい実施形態においては、前記回転案内路は、回転中に、前記軸の軸線に対して平行な垂直軸線方向に前記コーナ取付金具に関して係合部を駆動するピッチを有する。このピッチは、ねじフランジとしてまたはねじフランジの一部として設けるとよい。ねじのピッチと同じ効果を達成するのに他の幾何学的な形状を利用することも可能である。
【0022】
さらに、前記回転案内路は、前記コーナ取付金具との連結時に係合部を回転させる第1の案内面と、前記コーナ取付金具からの解放時に係合部を回転させる第2の案内面とを有する。本発明は、解放時にカプリングを自動的に作動させる特性を得るために第2案内面を非対称的または偏心した幾何学的構造と組み合わせて使用するというアイディアに基づいている。
【0023】
さらに、前記ガイド部がねじの形状またはねじに類似した幾何学的構造を有すると好ましい。たとえば、短いねじフランジ、すなわち、コアの周縁の一部のみを設けてもよい。好ましくは、前記ねじのねじ山は、前記第1、第2の案内面を構成する上下のねじ側面を備える。
【0024】
好ましい実施形態においては、係合部は、前記コーナ取付金具との連結時に中立位置から一方向へばね作用に抗して回転可能であり、そして、前記コーナ取付金具からの解放時に中立位置から反対方向へばね作用に抗して回転可能である。その結果、カプリングおよび係合部は、中立位置からそれぞれ時計回り、反時計回りの回転中に異なった特性を有する。ばねは係合部を中立位置に戻そうとする。
【0025】
好ましくは、前記係合部は並進案内路を備えるカムを有し、この並進案内路は、前記係合部のコーナ取付金具からの解放時に、回転案内路と協働しながら、前記コーナ取付金具と相互作用を行い、水平方向成分を持ってハウジングを強制的に動かす。前記カムを前記軸、前記ガイド部間で係合部上に固定設置すると有利である。
【0026】
好ましい実施形態において、カプリング装置のガイド部は円錐形の外形を有する。この円錐形により、コンテナの連結時にカプリングの係合部がコーナ取付金具の穴に入りやすくなる。
【0027】
さらに好ましくは、係合部は、それぞれ連結時、解放時に前記コーナ取付金具の少なくとも2つの互いに反対側の縁を案内する2つの第1案内面および2つの第2案内面を備える。これは、カプリングが穴の2つの接触点に固縛荷重をかけるのを助け、カプリングがコーナ取付金具の穴と接触する少なくとも2つの接触点を有するためにカプリングがさらに傾くのを防ぐことができる。
【0028】
好ましい実施形態において、カプリング装置は、また、第2のコンテナの隣接したコーナ取付金具に連結できる第2の連結手段も備える。この第2の連結手段は既知の技術や新しい技術に従って設計できる。その目的とするところは、第1のコンテナのコーナ取付金具内にカプリングおよびハウジングを保持すること、コンテナの固縛、輸送時に荷重を受けることにある。好ましくは、前記ハウジングは前記コーナ取付金具の穴に緊密に嵌合する。
【0029】
前記ガイド部、前記軸および前記第2連結手段を含む前記係合部を一体片に形成すると有利である。これは製作上の観点から有利である。さらに、少数の部品とほんの少しの可動部分があるだけなので操作が容易となる。
【0030】
本発明によれば、ハウジングと、前記第2の容器のコーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそこから解放できる係合部とを含むカプリング装置によって連結した第2のコンテナから第1のコンテナを解放することを目的とする方法を得ることができる。この方法は、第1のコンテナを解放する初期ステップで垂直方向に第1のコンテナを持ち上げるステップと、前記係合部の回転時にカプリング装置のハウジングをコーナ取付金具から水平、垂直方向に動かすステップと、カプリング装置のハウジングを水平、垂直方向に動かしているときに係合部をさらに回転させることによって第2のコンテナのコーナ取付金具から前記カプリング装置を解放し、前記係合部をコーナ取付金具の穴を通って解放位置に移動させるステップとを含む。
【0031】
第1のコンテナを本発明によるカプリング装置によって連結した第2のコンテナと連結する方法は、前記カプリングを備えた第1のコンテナを第2のコンテナに向かって下降させるステップと、第2のコンテナのコーナ取付金具と相互作用させることによって係合部を回転させるステップと、第1のコンテナを垂直方向にさらに移動させることによって第2のコンテナのコーナ取付金具に前記カプリング装置を連結し、前記係合部をコーナ取付金具の穴を通って係合位置に移動させるステップと、ハウジング、前記係合部間に連結したばねによって中立位置へ係合部を回転させるステップとを含む。
【0032】
好ましくは、カプリングの解放時に本発明によるハウジングを移動させるステップが、さらに、係合部とコーナ取付金具の穴との相互作用の下に前記係合部の並進案内路および回転案内路によって前記水平方向、垂直方向の動きを強制的に行うステップを含む。
【0033】
さらに、ハウジングを移動させるステップが、さらに、前記カプリング装置の作動時に前記回転案内路のピッチが係合部を強制的に回転させるステップを含む。
【0034】
本方法は、さらに、第1のコンテナの垂直方向中心軸線まわりに第1のコンテナを持ち上げると同時に回転させることによって第1のコンテナを解放するステップを含むと有利である。この特徴は、コンテナの4つのコーナすべてでカプリングを各コーナ取付金具に関して同じ向きに装着することで達成される。
【0035】
カプリングは、70度〜120度、好ましくは80度〜110度、最も好ましくは90度の間隔で解放時に係合部を強制回転させるように設計してもよい。荷積み時の係合部の回転角度についての対応する設計では、90度〜120度、好ましくは100度〜115度、最も好ましくは110度であると有利である。
【0036】
本発明によるカプリングは、自動連結作用で1つのコンテナを別のコンテナ上へ真っすぐに下ろすことを可能にするという利点を有する。さらに、荷積み時の精度についての要求が小さく、荷積み時にコンテナのコーナを一度に1つずつ連結することが可能である。これは従来技術のカプリングでは不可能であった。
【0037】
以下、添付図面を参照しながら好ましい実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるカプリング装置の斜視展開図を示している。
図2は、ハウジングの断面と共にカプリング装置を斜視図で示している。
図3は、カプリング装置の係合部を側面図で示している。
図4a〜4cは、上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
図5a〜5dは、第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
図6a〜6dは、第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、例示の目的で、本発明を添付図面を参照しながら実施例によって詳しく説明する。本発明によるカプリング装置1の一実施形態(図1に示すカプリング装置1)は、ISOコンテナの既存のコーナ取付金具に連結するようになっている。このカプリング装置1は、普通、ハウジング2と、コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、また解放できる係合部3とを含む。係合部3は、コーナ取付金具の楕円形穴の内外へ係合部を案内するガイド部4を有する。
【0039】
図2に示すカプリング装置は、ハウジング2と、ハウジング2内に延びる軸部分5でハウジング内に回転可能に装着した係合部3とを示している。係合部3は、前記コーナ取付金具と共にそれを案内するガイド部4を有する。このガイド部4は、そのコア6が軸5の軸線7に関して偏心位置する形状となっている。さらに、コア6から半径方向に突出する2つのねじ状フランジがあり、第1の上方案内面8、8’と第2の下方案内面9、9’がある。これらのフランジは、周縁で傾斜しており、下方に行くにつれて半径方向で幅が狭くなっている。傾斜している回転案内面の角度は、回転時に係合部3が穴の縁とかみ合ってしまうのを避けるに充分な大きさでなければならない。
【0040】
ガイド部4の直ぐ上にはカム部分10が形成してあり、このカム10の偏心部は、軸5の軸線7に関して、ガイド部4の偏心方向とほぼ同じ突出方向を有する。製造上の理由によって、係合部3は一体材料片から作る。
【0041】
本発明のこの実施形態においては、ハウジング2は半分にした2つの部分からなる。これら2つのハウジング部分を係合部3の軸5まわりに組み立てる。ハウジング2のこの設計によって、係合部2は軸5の軸線7まわりに回転できる。さらに、第2の連結手段11が、第1の上方コンテナのコーナ取付金具と連結できるようにハウジング2から突出している。この第2の連結手段11は、係合部3の回転によってハウジング2内へ引っ込むことができ、カプリング1を第1のコンテナに連結するのを可能にする。
【0042】
ハウジング2の下部には面取り部13が設けてあって、荷卸し時にカプリングおよびハウジングを上向き側方へ移動させることができるようになっている。この面取り部13は、ハウジング2がコーナ取付金具にある穴の縁と衝突するのを防ぐ。さらに、ハウジングは、そのまわりに水平方向に延びる凹所または隆起14を備えており、コンテナのコーナ取付金具の穴に対してハウジング2を位置決めすることができるようになっている。
【0043】
ガイド部4のねじ状のフランジは、複動式ねじりコーンと言うこともできる。それは、係合部3の回転軸線7に関して非対称の向きとなっている。この複動式ねじりコーンは、カプリング1のコーナ取付金具との係合時およびそこからの解放時に係合部を強制的に回転させる。この場合、カプリング1の垂直移動は、部分的に、係合部3の強制回転に変換される。コンテナの荷卸し時、カム10と組み合わせた複動式ねじりコーンの偏心位置がコンテナを強制的に側方へ移動させる。一方、カム10および偏心ねじりコーンは、回転が反対方向なので、荷積み中は異なった動作を行う。
【0044】
本発明のカップリング1は二つのコンテナを互いに結合するためのものとして記載されているが、本発明は他の応用のために用いることもできる。例えば輸送車輛のコンテナの結合、船舶の床の結合、または自動カップリングが望まれる結合または応用にもちいられる。
【0045】
図4aは、四つのカップリング装置1によって第2の下部コンテナに安全に積み重ねられ、カップルされた第1の上部コンテナを示す。
図4bは、例えば荷積みされた船の非常な傾斜によって傾斜したコンテナの最初の段階を示す。
図4cは、コンテナの一方の長辺上のカップリングが引き離され、そしてその係合部が回転を始める時の、傾斜の間の経過をを示す。しかしながら反対側のカップリングは押し付けられ第1の上部コンテナが水平位置から移動するのを防ぎ、こうしてコンテナは安全に結合されたままに止まる。
【0046】
例えば海で船舶が風や波のためにローリングしてコンテナの積み重ねが傾斜したとき(図4a−c)、コンテナは結合されたままであることが求められる。この場合、通常コンテナと船舶の長手方向に関してコンテナーのそれぞれは傾斜し、かくして長辺上の二つのカップリングは押し付けられ、そして反対側の二つのカップリングは図4cに示したように押し離される。この押し離された二つのカップリングは、荷下ろし時に最初は同様に動くが、ハウジングが第一および第二コンテナのコーナ取付金具の両方に取り付いて、押し付けられたカップリングはコンテナーを水平方向に移動するのを防ぐために、押し離されるカップリングの係合部3はガイド部4の形状によって強制されるその水平動作を行うことが出来ず、かくしてコンテナは安全に結合されたままとなる。
【0047】
ガイド部4の回転経路から引き離されたカプリングは、下から見て反時計方向に係合部を回転させ始め、そして、カムの並進案内路10が穴の一方の長辺の縁と接触することになる。さらに、カム10およびガイド部の偏心構造がハウジング2を水平方向に駆動しよ
うとすると同時に回転案内路のピッチが係合部3およびハウジング2を上方に駆動しようとする。しかしながら、この移動が水平方向移動を阻止する押しつけられたカプリング対によっては行われ得ないので、引き離された2つのカプリングはコーナ取付金具
の穴からの解放を継続することができない。
【0048】
図5aは、第2のコンテナに連結した第1の上方コンテナの荷卸し中の初期段階を示している。
【0049】
図5bは、第1の持ち上げられたコンテナを持ち上げ中に強制的に回転させるカプリング1の係合部3の形状および特性によって第1の持ち上げられたコンテナが幾何学的に案内される前の段階を示している。
【0050】
図5cには、持ち上げられたコンテナの解放時のさらに別の段階を示している。係合部3は、係合部がコーナ取付金具の穴を通過できる位置まで(ほぼ90度)回転してしまっている。
【0051】
図5dは、係合部3がばね12によって回転させられて中立位置に戻っている解放状態にある第1のコンテナを示している。
【0052】
第2のコンテナに連結した第1のコンテナの荷卸し時(図5a〜5d)、持上げ装置を用いて第1のコンテナを第2のコンテナから持ち上げる。第1のコンテナおよび4つのカプリング装置1の持ち上げ時、ガイド部4の第2案内面9のピッチが係合部3を下から見て反時計方向に回転させることになる。係合部3が回転すると、カムの並進経路が穴の長辺と相互作用を行ってハウジング2を側方へ押すことができる(図5b〜5c)。ガイド部4のコアは、穴の長軸方向と平行な、軸線7を通る線に対してほぼ45度の線上に位置しており、また、回転軸線7から18mm離れて偏心状態でも位置する。上記し、図3に示したガイド部4の45度偏心して位置したコアにより、荷卸し時、ハウジング2および第1のコンテナは、このコンテナの短辺に対してほぼ平行な方向において水平方向成分を持って強制的に移動させられることになる。
【0053】
カプリング装置1は、第2の連結手段11を用いて第1のコンテナのコーナ取付金具内に連結しているので、持ち上げられたコンテナに追従することになる。こうして、4つのカプリングすべてが同時に上方かつ側方へ移動することになり、また、必要に応じて互いに待機することになる。
【0054】
係合部3の初期回転中、係合部は、ハウジング2および第1のコンテナを上方かつ水平方向に強制的に移動させる(図5b)。これは、ガイド部4の偏心位置、カム10の並進経路の両方によって行われる。カム10および偏心位置が、共に、コーナ取付金具の楕円形の穴の縁との相互作用を行い、そして、係合部3が、ほぼ90度回転し、ガイド部4を第2のコンテナからカプリング1の解放位置まで案内することになる。第1のコンテナの荷卸し時に、カプリングの4つ係合部すべてがほぼ同時に回転し、解放されることになる。このとき、解放が完全に自動なので、第1のコンテナを持ち上げる前にカプリング1を手動操作する必要はない。
【0055】
カプリング1の解放時、ガイド部4の案内面9のピッチが、垂直持上げ運動を係合部3の駆動回転に変換し、そして、この駆動回転が、ガイド部4の幾何学構造、すなわち、偏心して位置したねじフランジおよび非対称的なカム幾何学的構造によって活用されてハウジング2を水平方向成分の方向に強制移動させる。
【0056】
第1のコンテナが解放され、カプリング1の係合部3がコーナ取付金具の穴から離脱す
ると、ハウジング2、係合部3間に連結したばね12が係合部を回転させて中立位置(図5d)へ戻すことになる。
【0057】
この中立回転位置は、軸5にある凹所およびハウジング2にある凹所両方の側部に作用しているばね12によって達成される。これにより、係合部3が回転位置から中立位置へ時計方向へ戻り、そして、中立位置から反時計方向へ戻る。
【0058】
コンテナの4つのカプリングは、4つすべてのコーナ取付金具内に同じ向きで装着してもよいし、または、各コーナ取付金具に関して同じ向きで装着してもよい。最初に述べた向きによれば、第1のコンテナは、持ち上げ運動によって持上げ装置からコンテナの長さ方向に対して側方へ下ろされる。後に述べた向きによれば、コンテナを持ち上げると同時に、荷卸し移動によってコンテナが垂直中心軸線まわりに回転する(図5b〜5c)。
【0059】
図6aは、第2のコンテナとその上方にある第1のコンテナとを互いに連結しようとしている位置で示している。
【0060】
図6bにおいて、第1のコンテナを第2のコンテナに向かって真っすぐに下降させると、カプリングの係合部3が案内面8、8’とコーナ取付金具の穴の縁と接触することによって回転することになる。
【0061】
図6cは、係合部3がコーナ取付金具の楕円形の穴内へどのようにして下降移動するかを示している。係合部3は、回転時に、ほぼ楕円形の穴の長手方向に弧を描いて移動する。カプリングが第2のコンテナと係合すると(図6d)、ばね12が、係合部3を下から見て反時計方向へ強制的に回転させ、中立位置に戻す。
【0062】
荷積み時(図6a〜6d)、通常通りに1つのコンテナ上に別のコンテナを積み重ねるとき、本発明によるカプリング装置は、第2の連結手段11を用いて、荷積みしようとしているコンテナの下にある4つのコーナ取付金具の穴内に装着される。クレーンその他の持上げ装置が第2のコンテナ上方まで第1のコンテナを持ち上げて運び、第1のコンテナを第2のコンテナ上へ真っすぐに下降させる。第1のコンテナの下降時、カプリング装置1の係合部3は、穴の縁と係合部3の回転案内経路との接触によって下から見て時計方向に回転することになる。ガイド部4が中立位置から回転し、その結果、コーナ取付金具の楕円形穴のほぼ長手方向における移動が生じることになる。これは、ガイド部4のコア6が軸5の回転軸線7から18mm離れて偏心位置しており(図3)、また、穴の長軸方向と平行である、軸線7を通る線に対してほぼ45度の線上に位置しているからである。ガイド部4が穴のほぼ長軸方向に移動するため、第1のコンテナは、係合部3と第2コンテナの上方コーナ取付金具の穴との係合時に第2のコンテナ上へ垂直方向に真っすぐに下降できる。
【0063】
係合部3がコーナ取付金具と係合した初期段階で、第2のコンテナのコーナ取付金具の穴内へガイド部4の円錐形部分が入ることによって、第1のコンテナが第2のコンテナ上を所定位置に案内される(図6b)。連結シーケンスの次の段階で、コーナ取付金具の穴の平行な縁が回転案内路の第1案内面8のためのガイドとして作用する(図6c)。第1のコンテナがこの位置から下降すると、第1案内面のピッチによって係合部3が回転し始め、穴内を案内されることになる。ねじ状の第1案内面は係合部3を中立位置からほぼ110度強制的に回転させる。この回転時、カム10の半径方向に延びる非対称部分が係合部3の係合回転時に穴の長軸方向に向いているので、カム10は不作動である。
【0064】
係合部3のガイド部4が完全にコーナ取付金具に入ったときの2つのコンテナの最終連結段階では、ハウジング2と係合部3の間に設けたばね12は、係合部を(ほぼ110度
)回転させて中立位置に戻すことになる。それ故、第1、第2のコンテナを相互に錠止することになる(図6d)。これは、ガイド部が偏心して位置している(図3)からであるが、ガイド部4が、水平横断面で、コーナの取付金具の楕円形の穴を通過できない楕円形状を持っているからでもある。
【0065】
こうして、本発明によるカプリング1によって2つのコンテナの荷積み、相互の連結を完全に自動的に行うことができ、カプリングを第1のコンテナに連結すること以外にカプリングを手動操作する必要がまったくない。2つのコンテナの連結時に4つのカプリング装置を個別に係合させることができる。すなわち、第2のコンテナの4つすべてのコーナでカプリング装置を同時に係合させる必要がない。これは、たとえば、船の荷積みが非対称で行われたことなどにより荷積み中に船が傾いた場合が当てはまる。この場合でも、クレーン・オペレータは、連結のために第1のコンテナの4つすべてのコーナを同時に下降させる必要はない。本カプリングがなんら手作業による操作なしに自動的に2つのコンテナの係合を行うことになる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明によるカプリング装置の斜視展開図を示している。
【図2】ハウジングの断面と共にカプリング装置を斜視図で示している。
【図3】カプリング装置の係合部を側面図で示している。
【図4a】上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
【図4b】上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
【図4c】上方コンテナを傾いても安全に固着する状態を順を追って示している。
【図5a】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図5b】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図5c】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図5d】第1の上方コンテナを第2のコンテナから下ろしている状態を順を追って示している。
【図6a】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【図6b】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【図6c】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【図6d】第2のコンテナの上に第1の上方コンテナを積んでいる状態を順を追って示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置(1)であって、ハウジング(2)と、該コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、また、そこから解放できる係合部(3)とを含み、該係合部(3)が該コーナ取付金具と共にそれを案内するガイド部(4)を有するカプリング装置(1)において、該係合部(3)が、該ハウジング(2)内に延びる軸部分(5)によって該ハウジング内に回転可能に装着してあり、該ガイド部(4)が、水平方向において該コーナ取付金具に関して係合部(3)を案内する並進案内路(10、10’)を有し、この並進案内路が該軸部分(5)の軸線(7)に関して回転非対称であることを特徴とするカプリング装置(1)。
【請求項2】
ガイド部(4)が係合部(3)を回転させる回転案内路(8、9)を有する、請求項1に記載のカプリング装置(1)。
【請求項3】
回転案内路が、回転時に、軸(5)の軸線(7)に対して平行な垂直軸線方向においてコーナ取付金具に関して係合部(3)を駆動するピッチを有する、請求項2に記載のカプリング装置(1)。
【請求項4】
回転案内路が、コーナ取付金具との連結時に係合部(3)を回転させる第1の案内面(8)と、コーナ取付金具からの解放時に係合部(3)を回転させる第2の案内面(9)とを有する、請求項2または3に記載のカプリング装置(1)。
【請求項5】
ガイド部(4)がねじの形状となっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項6】
ねじのねじ山が第1、第2の案内面(8、9)を構成する上下のねじ側面を備えている、請求項5に記載のカプリング装置(1)。
【請求項7】
係合部(3)が、コーナ取付金具との連結時にばね作用に抗して中立位置から一方向へ回転可能であり、また、該コーナ取付金具からの解放時にばね作用に抗して中立位置から反対方向へ回転可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項8】
係合部(3)が並進案内路を備えるカム(10)を有し、この並進案内路が、該係合部(3)のコーナ取付金具からの解放時に、回転案内路と協働しながら、該コーナ取付金具との相互作用を行い、水平方向成分を持ってハウジング(2)を強制的に移動させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項9】
カム(10)が軸(5)とガイド部(4)との間で係合部(3)に固定してある、請求項8に記載のカプリング装置(1)。
【請求項10】
ガイド部(4)が円錐形の外形を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項11】
係合部(3)が、連結時、解放時のそれぞれでコーナ取付金具の少なくとも2つの互いに反対方向に向いた縁を案内する2つの第1案内面(8、8’)と2つの第2案内面(9、9’)を備えている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項12】
カプリング装置が、また、第2のコンテナの隣接したコーナ取付金具に連結するための第2の連結手段(11)を備えている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のカプリン
グ装置(1)。
【請求項13】
ガイド部(4)、軸(5)および第2の連結手段(11)からなる係合部(3)が一体として形成してある、請求項12に記載のカプリング装置(1)。
【請求項14】
ハウジングがコーナ取付金具の穴内に緊密に嵌合している、請求項1〜13のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項15】
ハウジング(2)と、第2の容器のコーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそこから解放できる係合部(3)とを含むカプリング装置(1)によって連結した第2のコンテナから第1のコンテナを解放する方法であって、第1のコンテナを解放する初期ステップで垂直方向に第1のコンテナを持ち上げるステップと、該係合部(3)の回転時にカプリング装置のハウジングをコーナ取付金具から水平、垂直方向に動かすステップと、カプリング装置のハウジングを水平、垂直方向に動かしているときに係合部をさらに回転させることによって第2のコンテナのコーナ取付金具から該カプリング装置を解放し、該係合部(3)をコーナ取付金具の穴を通って解放位置に移動させるステップとからなることを特徴とする方法。
【請求項16】
ハウジングを移動させるステップの水平方向、垂直方向の移動が、さらに、係合部とコーナ取付金具の穴との相互作用の下に係合部(3)の並進案内路(10、10’)と回転案内路(9、9’)とによって行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ハウジングを移動させるステップが、さらに、カプリング装置の作動時に回転案内路(9、9’)のピッチが係合部(3)を駆動して回転させることからなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、コンテナの垂直方向中心軸線まわりにコンテナを持ち上げると同時に回転させることによって第1のコンテナを解放するステップを含む、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
コンテナのコーナ取付金具に連結するようになっているカプリング装置(1)であって、ハウジング(2)と、該コーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、また、そこから解放できる係合部(3)とを含み、該係合部(3)が該コーナ取付金具と共にそれを案内するガイド部(4)を有するカプリング装置(1)において、該係合部(3)が、該ハウジング(2)内に延びる軸部分(5)によって該ハウジング内に回転可能に装着してあり、該ガイド部(4)が、水平方向において該コーナ取付金具に関して係合部(3)を案内する並進案内路(10、10’)を有し、この並進案内路が該軸部分(5)の軸線(7)に関して回転非対称であることを特徴とするカプリング装置(1)。
【請求項2】
ガイド部(4)が係合部(3)を回転させる回転案内路(8、9)を有する、請求項1に記載のカプリング装置(1)。
【請求項3】
回転案内路が、回転時に、軸(5)の軸線(7)に対して平行な垂直軸線方向においてコーナ取付金具に関して係合部(3)を駆動するピッチを有する、請求項2に記載のカプリング装置(1)。
【請求項4】
回転案内路が、コーナ取付金具との連結時に係合部(3)を回転させる第1の案内面(8)と、コーナ取付金具からの解放時に係合部(3)を回転させる第2の案内面(9)とを有する、請求項2または3に記載のカプリング装置(1)。
【請求項5】
ガイド部(4)がねじの形状となっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項6】
ねじのねじ山が第1、第2の案内面(8、9)を構成する上下のねじ側面を備えている、請求項5に記載のカプリング装置(1)。
【請求項7】
係合部(3)が、コーナ取付金具との連結時にばね作用に抗して中立位置から一方向へ回転可能であり、また、該コーナ取付金具からの解放時にばね作用に抗して中立位置から反対方向へ回転可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項8】
係合部(3)が並進案内路を備えるカム(10)を有し、この並進案内路が、該係合部(3)のコーナ取付金具からの解放時に、回転案内路と協働しながら、該コーナ取付金具との相互作用を行い、水平方向成分を持ってハウジング(2)を強制的に移動させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項9】
カム(10)が軸(5)とガイド部(4)との間で係合部(3)に固定してある、請求項8に記載のカプリング装置(1)。
【請求項10】
ガイド部(4)が円錐形の外形を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項11】
係合部(3)が、連結時、解放時のそれぞれでコーナ取付金具の少なくとも2つの互いに反対方向に向いた縁を案内する2つの第1案内面(8、8’)と2つの第2案内面(9、9’)を備えている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項12】
カプリング装置が、また、第2のコンテナの隣接したコーナ取付金具に連結するための第2の連結手段(11)を備えている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のカプリン
グ装置(1)。
【請求項13】
ガイド部(4)、軸(5)および第2の連結手段(11)からなる係合部(3)が一体として形成してある、請求項12に記載のカプリング装置(1)。
【請求項14】
ハウジングがコーナ取付金具の穴内に緊密に嵌合している、請求項1〜13のいずれか1項に記載のカプリング装置(1)。
【請求項15】
ハウジング(2)と、第2の容器のコーナ取付金具に少なくとも部分的に挿入することができ、またそこから解放できる係合部(3)とを含むカプリング装置(1)によって連結した第2のコンテナから第1のコンテナを解放する方法であって、第1のコンテナを解放する初期ステップで垂直方向に第1のコンテナを持ち上げるステップと、該係合部(3)の回転時にカプリング装置のハウジングをコーナ取付金具から水平、垂直方向に動かすステップと、カプリング装置のハウジングを水平、垂直方向に動かしているときに係合部をさらに回転させることによって第2のコンテナのコーナ取付金具から該カプリング装置を解放し、該係合部(3)をコーナ取付金具の穴を通って解放位置に移動させるステップとからなることを特徴とする方法。
【請求項16】
ハウジングを移動させるステップの水平方向、垂直方向の移動が、さらに、係合部とコーナ取付金具の穴との相互作用の下に係合部(3)の並進案内路(10、10’)と回転案内路(9、9’)とによって行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ハウジングを移動させるステップが、さらに、カプリング装置の作動時に回転案内路(9、9’)のピッチが係合部(3)を駆動して回転させることからなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、コンテナの垂直方向中心軸線まわりにコンテナを持ち上げると同時に回転させることによって第1のコンテナを解放するステップを含む、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【公開番号】特開2007−1661(P2007−1661A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221719(P2005−221719)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(505287128)オール・ディス・アンド・オール・ザット・アクチエボラーグ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(505287128)オール・ディス・アンド・オール・ザット・アクチエボラーグ (2)
【Fターム(参考)】
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