説明

定着ユニット及び定着ユニットが組み込まれた画像形成装置

【課題】ベルトの蛇行を十分に抑制するための構造を有する定着ユニット及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート上に形成されたトナー画像を定着させる定着ユニットであって、前記シートに圧接されるベルトを含むベルトユニットと、前記ベルトと協働して前記シートを挟む基準ローラと、前記ベルトユニットと前記基準ローラとを支持する支持要素と、を備え、前記ベルトユニットは、前記ベルトに巻回される第1ローラ及び第2ローラを備え、前記支持要素は、前記第1ローラ、前記第2ローラ及び前記基準ローラを支持する支持板を含むことを特徴とする定着ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像をシートに定着させる定着ユニット及び定着ユニットが組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ装置やプリンタといった画像形成装置は、典型的には、トナー画像をシートに定着させる定着ユニットを備える。ある種の定着ユニットは、加熱ローラと、加熱ローラに圧接される加圧ローラとを含む。トナー画像を担持したシートが加熱ローラと加圧ローラとの間のニップ部を通過する間、トナー画像はシートに定着される。
【0003】
他の種の定着ユニットは、加熱されたベルトと、ベルトに圧接される加圧ローラとを備える。シートがベルトと加圧ローラとの間のニップ部を通過する間、トナー画像はシートに定着される。特許文献1は、このようなベルトタイプの定着ユニットを開示する。
【0004】
特許文献1の定着ユニットは、上述のベルト及び加圧ローラに加えて、ベルトに巻回される加熱ローラと、加圧ローラと協働してベルトを挟む定着ローラとを備える。ベルトは、加熱ローラ及び定着ローラに巻回される。特許文献1の定着ユニットは、ベルトの走行の安定化を図るためのブッシュが形成された加熱ローラを含む。ベルトの側縁に接触するブッシュは、ベルトの蛇行を規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−86267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ベルトの蛇行(ベルトの横方向の走行位置の変動)は、定着されるトナー画像の質や定着処理後のシートの搬送に悪影響を及ぼす。特許文献1によれば、加圧ローラを支持するフレームと、ベルトが巻回される加熱ローラ並びに定着ローラを支持するフレームは別体に設けられる。これらフレーム間の取付誤差及び各フレームに対する製作誤差は、ベルトの蛇行に影響を与える。これら誤差因子の蓄積は、特許文献1のブッシュよっては解決できないベルトの蛇行を生じさせる。
【0007】
本発明は、ベルトの蛇行を十分に抑制するための構造を有する定着ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る定着ユニットは、シート上に形成されたトナー画像を定着させる定着ユニットであって、前記シートに圧接されるベルトを含むベルトユニットと、前記ベルトと協働して前記シートを挟む基準ローラと、前記ベルトユニットと前記基準ローラとを支持する支持要素と、を備え、前記ベルトユニットは、前記ベルトに巻回される第1ローラ及び第2ローラを備え、前記支持要素は、前記第1ローラ、前記第2ローラ及び前記基準ローラを支持する支持板を含むことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
上記構成によれば、シート上に形成されたトナー画像を定着させる定着ユニットは、シートに圧接されるベルトを含むベルトユニットと、ベルトと協働して前記シートを挟む基準ローラと、ベルトユニットと基準ローラとを支持する支持要素と、を備える。ベルトユニットは、ベルトに巻回される第1ローラ及び第2ローラを備える。第1ローラ、第2ローラ及び基準ローラは、支持要素の支持板によって支持される。ベルトの走行の安定性に寄与する第1ローラ、第2ローラ及び基準ローラは、共通の支持板によって支持されるので、比較的高い精度に保たれる。かくして、ベルトの蛇行は十分に抑制される。
【0010】
上記構成において、前記第1ローラは、前記基準ローラと協働して前記ベルトを圧縮する第1胴部と、該第1胴部から延出する第1ジャーナルとを備え、前記支持板は、前記第1胴部を収容するための収容空間を規定する第1支持板及び第2支持板と、を含み、前記第1支持板は、前記第2支持板と対向し、前記第1ジャーナルは、前記第1胴部に対して、少なくとも部分的に着脱自在であり、少なくとも部分的に前記第1ジャーナルが取り除かれた前記第1ローラは、前記第1支持板と前記第2支持板との間の距離よりも短くなることが好ましい(請求項2)。
【0011】
上記構成によれば、第1ローラは、基準ローラと協働してベルトを圧縮する第1胴部と、第1胴部から延出する第1ジャーナルとを備える。支持板は、第1胴部を収容するための収容空間を規定する第1支持板及び第2支持板と、を含む。第1支持板は、第2支持板と対向する。第1ジャーナルは、第1胴部に対して、少なくとも部分的に着脱自在である。少なくとも部分的に第1ジャーナルが取り除かれた第1ローラは、第1支持板と第2支持板との間の距離よりも短くなる。したがって、ベルトユニットが支持板に取り付けられるときの第1ジャーナルと支持板との間の干渉が好適に抑制される。
【0012】
上記構成において、前記第1ジャーナルは、前記第1胴部に接続されたベースジャーナルと、該ベースジャーナルに対して着脱自在に取り付けられる分離ジャーナルとを含むことが好ましい(請求項3)。
【0013】
上記構成によれば、第1ジャーナルは、第1胴部に対して一体的に接続されたベースジャーナルと、ベースジャーナルに対して着脱自在に取り付けられる分離ジャーナルとを含む。分離ジャーナルの着脱によって、第1支持板と第2支持板との間の距離よりも短くなる。したがって、ベルトユニットが支持板に取り付けられるときの第1ジャーナルと支持板との間の干渉が好適に抑制される。
【0014】
上記構成において、前記支持板は、前記第1ジャーナルが挿通される貫通穴を規定する規定縁を含み、前記分離ジャーナルは、前記貫通穴を介して着脱されることが好ましい(請求項4)。
【0015】
上記構成によれば、支持板は、前記第1ジャーナルが挿通される貫通穴を規定する規定縁を含む。分離ジャーナルは、貫通穴を介して着脱される。かくして、ベースジャーナルと分離ジャーナルとの組立及び/又は分解が好適になされることとなる。
【0016】
上記構成において、前記ベルトユニットを前記基準ローラに向かう加圧方向に付勢する付勢構造体を更に備え、前記加圧方向に延びる前記貫通穴を規定する前記規定縁は、前記加圧方向に交差する方向の前記ベルトユニットの変位を規制することが好ましい(請求項5)。
【0017】
上記構成によれば、付勢構造体は、ベルトユニットを基準ローラに向かう加圧方向に付勢する。支持板に形成された貫通穴は、加圧方向に延びる。かくして、ベルトユニットと基準ローラとの間のシートは、トナー画像の定着に十分な圧力を受ける。また、規定縁は、加圧方向に交差する方向のベルトユニットの変位を規制する。したがって、第1ローラの回転中心軸と基準ローラの回転中心軸との間の平行度が適切に決定される。
【0018】
上記構成において、前記第2ローラは、前記ベルトに巻回される第2胴部と、該第2胴部から延出する第2ジャーナルとを備え、前記支持板は、前記第2ジャーナルを支持する周縁を含み、該周縁は、前記第2ジャーナルを収容する切り欠き部を規定することが好ましい(請求項6)。
【0019】
上記構成によれば、第2ローラは、ベルトに巻回される第2胴部と、第2胴部から延出する第2ジャーナルとを備える。支持板は、第2ジャーナルを支持する周縁を含む。周縁は、第2ジャーナルを収容する切り欠き部を規定する。かくして、使用者は、支持板の周縁に第2ジャーナルを支持させつつ、貫通穴を介して第1ジャーナルの組立及び/又は分解をすることができる。
【0020】
上記構成において、前記基準ローラは、前記シートに圧接される第3胴部と、該第3胴部から延出する第3ジャーナルと、を備え、前記支持板には、前記第3ジャーナルを収容する開口部が形成され、前記貫通穴、前記切り欠き部及び前記開口部は直線上に整列することが好ましい(請求項7)。
【0021】
上記構成によれば、基準ローラは、シートに圧接される第3胴部と、第3胴部から延出する第3ジャーナルと、を備える。支持板には、第3ジャーナルを収容する開口部が形成される。貫通穴、切り欠き部及び開口部は直線上に整列する。したがって、第1ローラの回転中心軸、基準ローラの回転中心軸及び第2ローラの回転中心軸との間の平行度が適切に決定される。
【0022】
上記構成において、前記支持要素は、前記第1支持板及び前記第2支持板と協働して、前記収容空間を規定するフレーム板を含み、該フレーム板と前記第1支持板との間及び前記フレーム板と前記第2支持板との間には、折り曲げ部が形成されることが好ましい(請求項8)。
【0023】
上記構成によれば、フレーム板は、第1支持板及び第2支持板と協働して、収容空間を規定する。フレーム板と第1支持板との間及びフレーム板と第2支持板との間には、折り曲げ部が形成される。フレーム板、第1支持板及び第2支持板は、共通の板材から形成されるので、定着ユニットの比較的高い加工精度が維持される。かくして、ベルトの蛇行は十分に抑制される。
【0024】
上記構成において、前記フレーム板には、前記シートを通過させるための通過口が形成されることが好ましい(請求項9)。
【0025】
上記構成によれば、フレーム板とシートとの間の干渉が好適に抑制される。
【0026】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上述の定着ユニットを備えることを特徴とする(請求項10)。
【0027】
上記構成によれば、画像形成装置は、上述の定着ユニットを備えるので、ベルトの蛇行を十分に抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述の如く、本発明に係る定着ユニット並びに定着ユニットが組み込まれた画像形成装置は、ベルトの蛇行を十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る定着ユニットを組み込む画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示される画像形成装置が備える定着ユニットの概略的な断面図である。
【図3】図2に示される定着ユニットが備えるプラットフォームを概略的に示す図である。
【図4】図2に示される定着ユニットが備えるIHコイルユニットを概略的に示す図である。
【図5】図4に示されるIHコイルユニットのセンタコアの概略的な断面図である。
【図6】図4に示されるIHコイルユニットの概略的な断面図である。
【図7】図5に示されるセンタコア用の駆動機構の概略的なブロック図である。
【図8】図4に示されるセンタコアの回転による温度制御を概略的に説明する図である。
【図9】図2に示される定着ユニットが備えるローラユニットの概略的な斜視図である。
【図10】図9に示されるローラユニットのベルトユニット及び基準ローラを概略的に示す斜視図である。
【図11】図10に示されるベルトユニットの概略的な斜視図である。
【図12】図11に示されるベルトユニットが取り付けられる前のローラユニットの概略的な斜視図である。
【図13】図11に示されるベルトユニットが取り付けられた後のローラユニットの概略的な断面図である。
【図14】図11に示されるベルトユニットを基準ローラに付勢する付勢構造体を概略的に示す模式図である。
【図15】図9に示されるローラユニットの支持枠の概略的な斜視図である。
【図16】図10に示される基準ローラに対するベルトユニットの取付公差が与えるベルトの蛇行への影響を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施例について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【0031】
<画像形成装置>
図1は、定着ユニットを備える画像形成装置の構成を示す概略図である。図1に示される画像形成装置は、タンデム型のカラープリンタである。尚、本実施形態に係る原理は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機或いは外部から入力された画像情報に基づいて印刷シート等の印刷媒体の表面にトナー画像を転写して印刷を行う他の装置に適用されてもよい。
【0032】
画像形成装置1は、四角箱状の筐体2を備える。筐体2内部で、カラー画像がシート上に形成される。筐体2の上面部には、シート排出部3が設けられる。シート排出部3には、カラー画像が印刷されたシートが排出される。
【0033】
筐体2は、シートを供給する給紙カセット5及び画像形成部7を収容する。また、筐体2には、シートを手差し式に供給するスタックトレイ6が取り付けられる。スタックトレイ6は、給紙カセット5の上方に配設される。スタックトレイ6の上方に配設される画像形成部7は、画像形成装置1の外部から送信されてくる文字や絵柄などの画像データに基づいてシートに画像を形成する。
【0034】
図1に示される筐体2の左部には、第1の搬送路9が形成される。給紙カセット5から繰り出されたシートは、第1の搬送路9を通じて、画像形成部7に搬送される。第2の搬送路10は、給紙カセット5の上方に形成される。スタックトレイ6から送られたシートは、第2の搬送路10を通じて、筐体2の左方から右方に向けて移動し、画像形成部7に到達する。筐体2内の左上部には、画像形成部7によって画像形成処理が施与されたシートに対して定着処理を行う定着ユニット500と、定着処理後のシートをシート排出部3に搬送する第3の搬送路11が設けられている。
【0035】
給紙カセット5は、筐体2の外部(例えば、図1の右側)に引き出し可能に形成される。使用者は、給紙カセット5を引き出し、シートを補充することができる。給紙カセット5は、収納部16を備える。使用者は、収納部16に、様々なサイズのシートを選択的に収納可能である。収納部16に収納されているシートは、給紙ローラ17及び捌きローラ18により1枚ずつ第1の搬送路9に向けて繰り出される。
【0036】
スタックトレイ6は、筐体2の外面に沿う閉位置と筐体2の外面から突出する開位置(図1に示される)との間を上下に回動可能に形成される。スタックトレイ6の手差し部19にはシートが1枚ずつ載置される。代替的に、使用者は、複数枚のシートを手差し部19に載置してもよい。手差し部19に載置されたシートはピックアップローラ20及び捌きローラ21により1枚ずつ第2の搬送路10に向けて繰り出される。
【0037】
第1の搬送路9と第2の搬送路10は、レジストローラ22の手前で合流する。レジストローラ22に到達したシートは、レジストローラ22によって一時的に停止される。レジストローラ22は、その後、シートに対してスキュー調整及びタイミング調整を行う。スキュー調整及びタイミング調整の後、レジストローラ22は、二次転写部23に向けてシートを送出する。二次転写部23に送出されたシートには、中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像が二次転写される。二次転写の後、シートは、定着ユニット500に送られる。定着ユニット500は、トナー画像をシート上に定着させる。必要に応じて、トナー画像がシートの一方の面に定着された後に、二次転写部23は他のもう一方の面に新たなフルカラーのトナー画像が形成されてもよい(両面印刷)。両面印刷が行われる場合には、トナー画像がシートの一方の面に定着された後に、シートは第4の搬送路12に送り出され、反転される。二次転写部23によって他のもう一方の面に形成された新たなトナー画像は、定着ユニット500によって定着される。その後、シートは、第3の搬送路11を通って排出ローラ24によりシート排出部3に排出される。
【0038】
画像形成部7は、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)及びマゼンタ(M)のトナー画像をそれぞれ形成する4つの画像形成ユニット26〜29を備える。画像形成部7は、中間転写部30を更に備える。中間転写部30は、これら画像形成ユニット26〜29で形成されたトナー画像を合成して担持する。
【0039】
各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32と、感光体ドラム32の周面に対向して配設された帯電部33とを備える。各画像形成ユニット26〜29は、画像形成装置1の外部から送信されてくる文字や絵柄などの画像データに従って、各感光体ドラム32の周面にレーザビームを出射するレーザ走査ユニット34を備える。レーザ走査ユニット34からのレーザビームは、帯電部33の下流の感光体ドラム32の周面に照射される。各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32の周面に対向して配設された現像部35を更に備える。現像部35は、レーザビームの照射によって形成された静電潜像を担持する感光体ドラム32の周面にトナーを供給し、トナー画像を形成する。感光体ドラム32の周面に形成されたトナー画像は中間転写部30へ転写される(一次転写)。各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32の周面に対向して配設されたクリーニング部36を更に備える。クリーニング部36は、一次転写後の感光体ドラム32の周面を清掃する。
【0040】
図1に示される各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32は、駆動モータ(図示せず)により反時計回り方向に回転する。各画像形成ユニット26〜29の現像部35の各トナーボックス51内には、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーがそれぞれ収納される。
【0041】
中間転写部30は、画像形成ユニット26の近傍位置に配設された後ローラ(駆動ローラ)38と、画像形成ユニット29の近傍位置に配設された前ローラ(従動ローラ)39と、後ローラ38と前ローラ39の間で延びる中間転写ベルト40とを備える。中間転写部30は、中間転写ベルト40を各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32に押しつける4つの転写ローラ41を更に含む。転写ローラ41は、現像部35によって形成されたトナー画像を担持する感光体ドラム32の周面に中間転写ベルト40を押しつけ、中間転写ベルト40へのトナー画像の転写(一次転写)を達成する。
【0042】
中間転写ベルト40へのトナー画像の転写の結果、中間転写ベルト40上で、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーによって形成されたトナー画像が重ね合わせられ、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0043】
第1の搬送路9は、中間転写部30に向けて延びる。給紙カセット5から送られたシートは、第1の搬送路9を通じて、中間転写部30に到達する。第1の搬送路9に沿って、シートを搬送するための複数の搬送ローラ43が適切に配置される。また、中間転写部30の上流に配設されるレジストローラ22は、第1の搬送路9を通過するシートの給紙タイミングを画像形成部7の画像形成動作に合わせて調整する。
【0044】
定着ユニット500は、シートを加熱及び加圧する。この結果、シート上に形成された二次転写直後の未定着のトナー画像は定着される。定着ユニット500は、シートに圧接されるベルト511を含むベルトユニット510と、ベルト511と協働してシートを挟む基準ローラ520とを備える。ベルトユニット510は、ベルト511に巻回される第1ローラ512及び第2ローラ513を備える。
【0045】
定着ユニット500の下流には、搬送ローラ49が配設される。筐体2内には、二次転写部23から搬送ローラ49に向けて延びる搬送路47が形成される。中間転写部30を通って搬送されたシートは、搬送路47を通じて、基準ローラ520とベルト511との間に形成されたニップ部に導入される。ニップ部で、トナー画像はシート上に定着される。基準ローラ520とベルト511との間を通過したシートは、その後、搬送路47を通じて第3の搬送路11に案内される。
【0046】
搬送ローラ49は、第3の搬送路11にシートを送り出す。第3の搬送路11は、定着ユニット500で定着処理が行われたシートをシート排出部3に案内する。また、第3の搬送路11の出口に配設された排出ローラ24は、シート排出部3へシートを排出する。
【0047】
<定着ユニット>
図2は、定着ユニット500の概略的な断面図である。図1及び図2を用いて、定着ユニット500が説明される。
【0048】
定着ユニット500は、上述のベルトユニット510及び基準ローラ520に加えて、ベルト511及び第2ローラ513を加熱するIHコイルユニット530を含む。尚、シートS上のトナー画像を定着させるための熱源として、IHコイルユニット530以外の要素が用いられてもよい。例えば、第1ローラ512内に配設された通電発熱体が熱源として用いられてもよい。本実施形態において、IHコイルユニット530に加えて、基準ローラ520内に配設されたハロゲンヒータ521が熱源として用いられている。
【0049】
IHコイルユニット530は、ベルト511及び第2ローラ513を誘導加熱するコイル531と、コイル531を支持するプラットフォーム200とを備える。IHコイルユニット530は、コイル531によって発生する磁界中の磁力線の経路を規定するサイドコア533、アーチコア534及びセンタコア535更に備える。サイドコア533、アーチコア534及びセンタコア535は、プラットフォーム200によって支持される。
【0050】
(IHコイルユニット)
図3は、プラットフォーム200を概略的に示す。図3(a)は、コイル531を支持するコイル支持面側から見たプラットフォーム200を概略的に示す平面図である。図3(b)は、プラットフォーム200の側面図である。図3(c)は、図3(a)に示されるA−A線に沿うプラットフォーム200の断面図である。図2及び図3を用いて、IHコイルユニット530が説明される。
【0051】
プラットフォーム200は、略矩形状のコイル支持部201を備える(図3(a)参照)。コイル支持部201は、ベルト511及び第2ローラ513を誘導加熱するための磁界を生じさせるコイル531を支持する。コイル支持部201は、第2ローラ513の周面に沿う湾曲面を含む(図3(c)参照)。コイル支持部201は、プラットフォーム200の長手方向軸L1に沿って延びる位置決め壁212を含む。センタコア535に向けて突出する位置決め壁212は、コイル支持部201上で巻回されるコイル531によって形成されるコイル面532の内縁を規定する。コイル面532を形成するコイル531と接触する位置決め壁212は、コイル面532を位置決めする。
【0052】
プラットフォーム200は、位置決め壁212と協働して、中央の略矩形状の領域211を区画する第1立ち壁213と、第2立ち壁213に対向する第2立ち壁214とを含む。プラットフォーム200の長手方向軸L1に沿って整列する第1立ち壁213及び第2立ち壁214は、位置決め壁212と協働して、コイル面532の内縁を規定する。位置決め壁212よりもセンタコア535に向けて大きく突出する第1立ち壁213及び第2立ち壁214には、センタコア535が取り付けられる。したがって、センタコア535は、領域211に沿って横たわる。
【0053】
プラットフォーム200は、領域211の長手方向軸L1に対して平行なコイル支持部201の外縁291に隣接するコア支持部202を含む。コア支持部202の平坦な面上にサイドコア533が固定される。プラットフォーム200は、コア支持部202の外縁に沿って形成された位置決め壁221を含む。コア支持部202から突出する位置決め壁221は、コア支持部202上のサイドコア533を位置決めする役割を担う。位置決め壁221は、コア支持部202を取り囲む矩形領域を形成する。
【0054】
プラットフォーム200は、第2立ち壁214に対向する第3立ち壁222を含む。第2立ち壁214と第3立ち壁222の間をコイル支持部201が通過する。第2立ち壁214は、コイル支持部201上に形成されたコイル面532の内縁に隣接する。また、第3立ち壁222はコイル支持部201上に形成されたコイル面532の外縁に隣接する。
【0055】
プラットフォーム200は、第4立ち壁203を含む。第4立ち壁203は、第3立ち壁222が形成されたコイル支持部201の端部と反対側の端部に隣接して形成される。第4の立ち壁203には、略U字形状の切り欠き部204が形成される。第4立ち壁203の切り欠き部204を通じて、電力線(図示せず)はコイル支持部201上のコイル531に向けて延設される。電力線を通じて、コイル531に磁界を発生させるための電力が供給される。プラットフォーム200は、非導電性の耐熱性樹脂(例えばPPS、PET、LCP)から一体的に形成される。プラットフォーム200上に形成されたコイル面532の内径の長軸寸法は、例えば、約360mmとされてもよい。また、第1立ち壁213と第2立ち壁214との間の距離は、例えば、約350mmとされてもよい。センタコア535の長手方向の寸法は、例えば、約340mmとされてもよい。
【0056】
図4は、プラットフォーム200上に載置されたコイル531、サイドコア533、アーチコア534及びセンタコア535を概略的に示す。図2及び図4を用いて、IHコイルユニット530が更に説明される。
【0057】
第2ローラ513上のベルト511を取り囲むIHコイルユニット530は、第1ローラ512の回転中心軸C1、第2ローラ513の回転中心軸C2及び基準ローラ520の回転中心軸C3を結ぶ直線L2に対して対称に配設された一対のサイドコア533及び一対のアーチコア534を含む。コイル531は、プラットフォーム200のコイル支持部201、サイドコア533及びアーチコア534で囲まれる空間内でループ状のコイル面532を形成する。一対のサイドコア533上にそれぞれ取り付けられた一対のアーチコア534の間にセンタコア535が配設される。
【0058】
プラットフォーム200のコイル支持部201上に配置されたコイル531は、互いに絶縁された複数のエナメル線を撚り合わせてなる。コイル531への電力供給に伴い、コイル531は、第2ローラ513上のベルト511を誘導加熱するための磁界/磁束を発生させる。
【0059】
上述の如く、コイル支持部201は、第2ローラ513上のベルト511の円弧状の外面に沿うように形成される。コイル531は、コイル支持部201を取り巻くように配置される。この結果、コイル531は、湾曲したコイル支持部201に沿って連設され、略円弧状の断面を有するループ状のコイル面532を形成する。図2に示される第2ローラ513の略半分は、コイル531に取り囲まれている。
【0060】
第1ローラ512の回転中心軸C1、第2ローラ513の回転中心軸C2及び基準ローラ520の回転中心軸C3を結ぶ直線L2上に位置するセンタコア535は、第2ローラ513に近接して配置される。センタコア535は、プラットフォーム200の領域211に沿って配設される。
【0061】
一対のアーチコア534は、センタコア535に対して対称に配設される。同様に、一対のサイドコア533は、センタコア535に対して対称に配設される。アーチコア534は、断面アーチ状に成型されたフェライト製コアである。アーチコア534は、コイル面532よりも長い。サイドコア533は、ブロック形状に成形されたフェライト製のコアである。アーチコア534及びサイドコア533はコイル面532の外側を部分的に取り囲む。コイル面532は、ベルト511の外面、サイドコア533、アーチコア534及びセンタコア535により取り囲まれることとなる。
【0062】
アーチコア534は、例えば、センタコア535の長手方向に間隔をおいて複数箇所に配置されるアーチコア片537を含む。アーチコア片537は、例えば、約幅10mmの略L字形状をなすフェライト部材であってもよい。アーチコア片537の高い配設密度は、加熱効率を向上させる。一方で、アーチコア片537の配設密度の低減は、製造コストの低減並びに定着ユニット500の軽量化に貢献する。したがって、加熱効率、製造コスト及び/又は軽量化に基づいて、アーチコア片537の配設密度が適切に決定されることが好ましい。図4に示される複数のアーチコア片537は、等ピッチで整列されている。代替的に、センタコア535の長手方向中心位置付近で、アーチコア片537の配設密度が低くされ、センタコア535の端部付近で、アーチコア片537の配設密度が高くされてもよい。アーチコア片537間の間隙は、例えば、アーチコア片537の幅の1/3以上1/2以下の範囲で定められてもよい。
【0063】
サイドコア533は、上述の如く、プラットフォーム200のコア支持部202上に配設される。サイドコア533は、例えば、連続的に配設された30mm以上60mm以下の複数のフェライト板から形成されてもよい。アーチコア534及びサイドコア533の配置は、例えば、コイル531から発生される磁界の磁束密度(磁界強度)分布に合わせて決定されてもよい。アーチコア片537が存在しない部分では、サイドコア533が磁界の集束効果を補い、長手方向(図3に示される長手方向軸L1に沿う方向)での磁束密度分布(温度差)を均一化する。アーチコア534及びサイドコア533は、センタコア535の磁性筒(後述される)と協働して、第2ローラ513、ベルト511及びコイル面532を少なくとも部分的に取り囲む。
【0064】
図5は、センタコア535の長手方向の断面図である。図2、図3及び図5を用いて、IHコイルユニット530が更に説明される。
【0065】
センタコア535は、円柱状の導電性シャフト538と、導電性シャフト538を被覆する円筒形状の磁性筒539を備える。磁性筒539は、例えば、シリコン系接着剤を用いて、導電性シャフト538に接着される。磁性筒539は、例えば、外径14mm以上20mm以下の円筒形状をなす。導電性シャフト538は、円筒形状の磁性筒539と嵌合する胴部541と、一対のジャーナル542,543とを含む。ジャーナル542は、IHコイルユニット530の駆動側に配設される。また、ジャーナル543は、第1立ち壁213に支持され、従動回転する。ジャーナル542,543は、胴部541よりも細く形成される。胴部541に同軸に形成されたジャーナル542,543は、磁性筒539から外方に突出する。導電性シャフト538は、好ましくは、非磁性のステンレス鋼から形成される。ステンレス鋼製の導電性シャフト538は、センタコア535の変形を抑制する。
【0066】
磁性筒539は、略円筒形状の複数の磁性筒片544を含む。磁性筒片544は、例えば、フェライトから成型される。複数の磁性筒片544は、導電性シャフト538に沿って連設される。導電性シャフト538の長手方向中心位置に配される磁性筒片544の外径は、導電性シャフト538の胴部541左右端に位置する磁性筒片544の外径よりも大きい。導電性シャフト538の中心に位置する磁性筒片544と導電性シャフト538の左右端に位置する磁性筒片544間の段差を補うように、磁気遮蔽板545が小径の磁性筒片544の外周面を部分的に被覆する。
【0067】
磁気遮蔽板545は、好ましくは、非磁性かつ良導電性の材料(例えば、無酸素銅)から形成される。磁気遮蔽板545の面に垂直な磁界の貫通は、誘導電流を発生させる。この誘導電流は、逆磁界を発生させ、錯交磁束(垂直な貫通磁界)をキャンセルする。この結果、磁気遮蔽板545は、磁界を遮蔽することが可能となる。良導電性部材から形成された磁気遮蔽板545は、更に、誘導電流に起因するジュール発熱を抑制し、効率よく磁界を遮蔽することができる。小さな固有抵抗を有する材料で形成された磁気遮蔽板545及び/又は厚い磁気遮蔽板545は、高い導電性を有する。磁気遮蔽板545の板厚は、好ましくは、0.5mm以上である。本実施形態において、約1mmの厚さの磁気遮蔽板545が用いられている。
【0068】
図6は、IHコイルユニット530の概略的な断面図である。図2、図3、図5及び図6を用いて、IHコイルユニット530が更に説明される。
【0069】
センタコア535のジャーナル543は、上述の如く、プラットフォーム200の第1立ち壁213に支持される。ジャーナル543の先端部は非導電性のキャップ部材546によって被覆される。キャップ部材546は、コイル面532に供給される電流の導電性シャフト538への伝達を好適に抑制する。
【0070】
センタコア535のジャーナル542は、プラットフォーム200の第2立ち壁214に支持される。第2立ち壁214に形成された貫通穴に挿通されたジャーナル542は、第2立ち壁214内で、非導電性のブリッジ547と連結される。略円柱形状のブリッジ547は、第2立ち壁214と第3立ち壁222との間で懸架される。ブリッジ547は、コイル面532に供給される電流の導電性シャフト538への伝達を好適に抑制する。
【0071】
第3立ち壁222に隣接して、ハウジング548が形成される。ブリッジ547の先端部は、ハウジング548内に収容される。ブリッジ547の先端部には、ギア549が形成される。ハウジング548内には、センタコア535を回転させるための駆動力をギア549へ伝達するためのギア構造体(図示せず)が形成される。ギア549へ伝達された駆動力は、第2立ち壁214内でブリッジ547の基端部と噛み合うジャーナル542に伝達される。この結果、導電性シャフト538、導電性シャフト538の胴部541を被覆する磁性筒539及び磁性筒539に取り付けられた磁気遮蔽板545は一体的に回転する。
【0072】
図7は、センタコア535に接続される駆動機構の構成を示す模式図である。図1、図6及び図7を用いて、センタコア535を回転させる駆動機構が説明される。
【0073】
駆動機構64は、例えば、図6に示されるプラットフォーム200のハウジング548内に構築されてもよい。駆動機構64は、ブリッジ547を通じて、センタコア535を回転させる。センタコア535の回転により、磁気遮蔽板545の位置が変更される。磁気遮蔽板545の移動に伴い、コイル531への電力供給によって生じた磁界或いは磁気の経路の切替がなされる。
【0074】
駆動機構64は、例えば、ハウジング548内に配設されるステッピングモータ66と、ステッピングモータ66の回転を減速する減速機68とを備える。減速機68にセンタコア535のジャーナル542に噛み合うブリッジ547のギア549が噛み合う。ステッピングモータ66は、ブリッジ547を駆動し、センタコア535を回転させる。減速機68として、例えば、ウォームギアが用いられてもよい。駆動機構64は、更に、ブリッジ547の端部に固定されるスリット付ディスク72と、スリット付ディスク72の回転角(即ち、センタコア535の回転角(基準位置からの回転変位量))を検出するフォトインタラプタ74とを備える。
【0075】
センタコア535の回転角は、例えば、ステッピングモータ66に印加する駆動パルス数によって制御される。駆動機構64はステッピングモータ66の回転を制御する制御回路640を備える。制御回路640は、例えば、制御用IC641、入力ドライバ642、出力ドライバ643及び半導体メモリ644を備える。フォトインタラプタ74からの検出信号は、入力ドライバ642を通じて、制御用IC641に入力される。入力された信号に基づいて、制御用IC641が、現在のセンタコア535の回転角(位置)を検出する。一方、制御用IC641には、図1に示される画像形成装置1が備える画像形成制御部650から現在のシートサイズに関する情報信号が送信される。画像形成制御部650からの情報信号を受信した後、制御用IC641は、半導体メモリ(ROM)644からシートサイズに適した回転角の情報を読み出し、目標とする回転角に到達する分の駆動パルスを一定周期で出力する。駆動パルスは、出力ドライバ643を通じて、ステッピングモータ66に印加される。駆動パルスにしたがって、ステッピングモータ66が作動する。なお、ステッピングモータ66の制御に際して基準位置だけを検出する必要がある場合には、スリット付ディスク72がインデックス部材として用いられてもよい。基準位置において、インデックス部材がフォトインタラプタ74に検出されてもよい。
【0076】
(ベルトユニット及び基準ローラ)
図2を再度用いて、ベルトユニット510及び基準ローラ520が説明される。
【0077】
ベルトユニット510は、第1ローラ512と、IHコイルユニット530と第1ローラ512との間に配設される第2ローラ513と、第1ローラ512及び第2ローラ513を巻回するベルト511とを含む。基準ローラ520は、第1ローラ512と協働して、ベルト511を挟む。基準ローラ520とベルト511との間には、フラットニップが形成される。
【0078】
ベルト511は、例えば、厚さ寸法約30μm以上約50μm以下のニッケル電鋳基材と、ニッケル電鋳基材上に積層されるシリコンゴム層と、シリコンゴム層上に形成される離型層(例えば、PFA層)を含む。第2ローラ513は、例えば、外径30mmの円筒状に形成される。第2ローラ513は、円筒形状の鉄基材と、鉄基材外周面に形成される肉厚寸法0.2mm以上1.0mm以下の離型層(例えば、PFA層)を含む。第1ローラ512は、例えば、円柱状に形成される。第1ローラ512は、ステンレス鋼からなる外径45mmの芯金ローラと、芯金ローラの外周面を被覆する厚さ5mm以上10mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層を含む。基準ローラ520は、例えば、外径50mmの円柱状に形成される。基準ローラ520は、ステンレス鋼からなる芯金ローラ、芯金ローラ外周面を被覆する厚さ2mm以上5mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層及び離型層(例えば、PFA層)を含む。基準ローラ520の金属製の芯材は、例えば、FeやAlを用いて形成されてもよい。この芯材上にSiゴム層が形成されてもよい。さらにSiゴム層の表層にフッ素樹脂層が形成されてもよい。
【0079】
定着ユニット500は、ベルト511に張力を与えるテンションローラ540を更に備える。テンションローラ540は、第2ローラ513から第1ローラ512へ向かうベルト511の内面に当接するように配設される。テンションローラ540は、走行中のベルト511の撓みの抑制並びにベルト511の走行の安定化に寄与する。
【0080】
定着ユニット500は、非接触式にベルト511の温度を測定するサーミスタ62を備える。ベルト511の外部に配設されるサーミスタ62は、好ましくは、誘導加熱による発熱量が大きい部分に配置される。尚、サーミスタに代えて、サーモスタットを用いて、ベルト511の温度が測定されてもよい。代替的に、第2ローラ513の内部にサーミスタ62又はサーモスタットが配置されてもよい。サーミスタやサーモスタットといった温度測定要素の配設は、異常温度上昇時の安全性を向上に貢献する。
【0081】
(ベルトユニットに対する熱量制御)
図8は、ベルトユニット510に対する熱量制御を概略的に説明する。図8(a)は、第2ローラ513から最も離間した退却位置に配設された磁気遮蔽板545を備える定着ユニット500を概略的に示す断面図である。図8(b)は、第2ローラ513から最も近接した近接位置に配設された磁気遮蔽板545を備える定着ユニット500を概略的に示す断面図である。図2、図7及び図8を用いて、ベルトユニット510に対する熱量制御が説明される。
【0082】
駆動機構64によるセンタコア535の回転は、ベルトユニット510に対する熱量制御に用いられる。大きなサイズのシートSに対する定着処理は、比較的広い範囲での熱量供給を要求する。一方、小さなサイズのシートSに対する定着処理は、比較的狭い範囲での熱量供給を要求する。大きなサイズのシートSが定着ユニット500を通過するとき、駆動機構64は、磁気遮蔽板545が退却位置に至るようにセンタコア535を回転させる。小さなサイズのシートSが定着ユニット500を通過するとき、駆動機構64は、磁気遮蔽板545が近接位置に至るようにセンタコア535を回転させる。
【0083】
磁気遮蔽板545が退却位置にあるとき、コイル531が発生させた磁界の磁力線は、サイドコア533、アーチコア534及びセンタコア535を通過する第1の経路(図中の太い実線)を介して、第2ローラ513及びベルト511を通過する。この結果、強磁性体のベルト511及び第2ローラ513に渦電流が発生する。渦電流は、それぞれの材料の固有の抵抗に応じたジュール熱を発生させる。かくして、ベルト511及び第2ローラ513は磁気遮蔽板545に妨げられることなく全体的に加熱される。
【0084】
近接位置にある磁気遮蔽板545は、図8(a)において実線で示された第1の経路上に位置している。磁気遮蔽板545が、センタコア535を経由してベルト511や第2ローラ513に向かう経路上に磁界の通過を妨げる遮蔽面を形成するため、磁力線の経路はセンタコア535を通らない第2の経路(図中の太い破線)に切り替えられる。この結果、磁気遮蔽板545が配設されたセンタコア535の両端部に対向するベルト511及び第2ローラ513の発熱量が低減される。
【0085】
(ローラユニット)
図9は、ベルトユニット510と基準ローラ520とを含むローラユニット700の斜視図である。図1、図2、図6及び図9を参照しつつ、ローラユニット700が説明される。
【0086】
IHコイルユニット530及びローラユニット700は、画像形成装置1の筐体2内部にそれぞれ別体に取り付けられてもよい。筐体2内におけるIHコイルユニット530及びローラユニット700間の相対位置(例えば、センタコア535の回転中心軸と基準ローラ520の回転中心軸との間の距離)は、好ましくは、比較的慎重に調整される。
【0087】
ローラユニット700は、ベルトユニット510及び基準ローラ520を支持する支持枠710を備える。本実施形態において、支持枠710は、ベルトユニット510と基準ローラ520とを支持する支持要素として例示される。
【0088】
支持枠710は、第1ローラ512、第2ローラ513及び基準ローラ520を支持する支持板720を含む。支持板720は、第1支持板721と、第1支持板721に対向する第2支持板722とを含む。第2支持板722の外面には、基準ローラ520を駆動するモータ730が配設される。第2支持板722の外面には、モータ730からの駆動力を基準ローラ520及びベルトユニット510へ伝達するためのギア構造体(図示せず)が構築されてもよい。
【0089】
支持枠710は、第1支持板721と第2支持板722との間のフレーム板740を含む。フレーム板740の中央には、略矩形状の通過口741が形成される。ベルトユニット510と基準ローラ520との間に形成されるニップ部を通過したシートSは、通過口741を通じて、定着ユニット500から排出される。
【0090】
支持枠710は、好ましくは、1枚の金属板から形成される。金属板に折り曲げ加工が施与されることにより、第1支持板721とフレーム板740との間の境界並びに第2支持板722とフレーム板740との間の境界をそれぞれ規定する略直線状の折り曲げ部723が形成される。
【0091】
支持枠710は、支持板720の縁部から延びるベース板750を含む。ベース板750は、例えば、画像形成装置1の筐体2との接続に用いられる。上述の折り曲げ加工により、支持板720とベース板750との間の境界を規定する略直線状の折り曲げ部724が形成される。支持板720とベース板750との間の折り曲げ部724の延出方向は、フレーム板740と支持板720との間の折り曲げ部723の延出方向に対して略直交する。
【0092】
図10は、支持枠710によって支持されるベルトユニット510及び基準ローラ520の斜視図である。図2、図9及び図10を用いて、ベルトユニット510及び基準ローラ520が説明される。
【0093】
ベルトユニット510の第1ローラ512は、ベルト511の巻回される略円筒形状の第1胴部514を備える。第1胴部514は、上述の略円筒形状の芯金ローラ515と、芯金ローラ515の外周面を覆うスポンジ層516とを含む。第1胴部514は、基準ローラ520と協働して、ベルト511を圧縮する。
【0094】
芯金ローラ515の端面の中央部には開口部517が形成される。開口部517に、第1ジャーナル551が取り付けられる。図9に示されるように、第1胴部514から延出する第1ジャーナル551は、支持板720に形成された略矩形状の貫通穴725から外方に突出する。
【0095】
ベルトユニット510の第2ローラ513は、ベルト511の巻回される略円筒形状の第2胴部518を備える。第2胴部518は、ベルト511の両縁部にそれぞれ隣接する一対の略円板形状のフランジ519を含む。第2ローラ513は、一対のフランジ519それぞれの略中央から外方に突出する一対の第2ジャーナル552を更に含む。第2胴部518より大径のフランジ519は、ベルト511の走行の最大の振れ幅を規定する。フランジ519によって、ベルト511の横位置は、一対のフランジ519の間に適切に収められる。
【0096】
図9に示されるように、第2ジャーナル552は、折り曲げ部724と反対側の支持板720の縁部726に凹設された略U字形状の切り欠き部727に収容される。かくして、ベルトユニット510は支持枠710に適切に支持される。本実施形態において、支持板720の縁部726は、第2ジャーナル552を支持する周縁として例示される。
【0097】
基準ローラ520は、略円筒形状の第3胴部522を含む。第3胴部522は、上述の芯金ローラ523と、芯金ローラ523の周面を被覆するスポンジ層529とを含む。第3胴部522は、スポンジ層529とベルト511との間を通過するシートSに圧接される。
【0098】
基準ローラ520は、芯金ローラ523の端面から突出する第3ジャーナル524を含む。図9に示される如く、第3ジャーナル524は、支持板720の外面に現れる円板部525を含む。円板部525と第3胴部522との間には、環状の溝部526が形成される。
【0099】
図9に示される如く、第3ジャーナル524は、支持板720に形成された開口部に嵌め込まれる。第3ジャーナル524が嵌め込まれる開口部の輪郭を規定する支持板720の縁部は、第3ジャーナル524に形成された溝部526に嵌り込む。
【0100】
図9に示される、第1支持板721、第2支持板722及びフレーム板740は、第1胴部514、第2胴部518及び第3胴部522を収容するための収容空間を規定する。
【0101】
図11は、ベルトユニット510の概略的な斜視図である。図2、図10及び図11を用いて、ベルトユニット510が説明される。
【0102】
ベルトユニット510は、ベルト511、第1ローラ512、第2ローラ513及びテンションローラ540を一体的に保持する保持フレーム553を備える。保持フレーム553は、第1胴部514及び第2胴部518の端面に沿う一対の側壁554と、一対の側壁554の間で延びる入口壁555及び出口壁556とを含む。入口壁555は、出口壁556に対してシートSの搬送方向において上流側に位置する。一対の側壁554は、第1ローラ512の回転中心軸及び第2ローラ513の回転中心軸が平行になるように、第1ローラ512及び第2ローラ513を支持する。第1ローラ512の第1ジャーナル551及び第2ローラ513の第2ジャーナル552は、一対の側壁554に対して外方に突出する。
【0103】
図12は、ベルトユニット510が取り付けられる前のローラユニット700の概略的な斜視図である。図13は、ベルトユニット510が取り付けられたローラユニット700の概略的な断面図である。図10乃至図13を用いて、ローラユニット700へのベルトユニット510の取付が説明される。
【0104】
第1支持板721及び第2支持板722の縁部726には、略U字形状の切り欠き部727が形成される。切り欠き部727には、第2ローラ513の第2ジャーナル552が収容される。
【0105】
第1支持板721及び第2支持板722には、略矩形状の貫通穴725が形成される。第1ジャーナル551は、第1胴部514の端面に形成された開口部517に嵌入されるベースジャーナル557と、ベースジャーナル557の先端部に対して着脱自在な分離ジャーナル558とを含む。ベースジャーナル557と分離ジャーナル558との接続は、適切な固定具559(例えば、ボルト)を用いて達成される。
【0106】
第1胴部514にベースジャーナル557のみを取り付けたとき、第1ローラ512の全長は、第1支持板721と第2支持板722との間の距離よりも短くなる。したがって、図11に示されるベルトユニット510を、支持枠710の上方から、第1支持板721、第2支持板722及びフレーム板740によって規定される収容空間内に収容するとき、第1ローラ512と支持板720との間の干渉が好適に抑制される。
【0107】
第2ローラ513の第2ジャーナル552が切り欠き部727を規定する切り欠き縁728に支持された後、分離ジャーナル558は、貫通穴725に挿通される。その後、固定具559によって、分離ジャーナル558は、ベースジャーナル557に固定される。
【0108】
使用者は、固定具559を除去することによって、分離ジャーナル558をベースジャーナル557から取り外すことができる。その後、使用者は、ベルトユニット510を支持枠710から容易に取り外すことができる。本実施形態において、ベースジャーナル557は、第1胴部514から取り外すことが可能である。代替的に、ベースジャーナル557は、第1胴部514と一体的に形成されてもよい。
【0109】
上述の如く、第1胴部514から少なくとも部分的に着脱可能な第1ジャーナル551によって、ベルトユニット510と支持枠710の着脱が容易に達成される。
【0110】
(付勢構造体)
図14は、ベルトユニット510を、基準ローラ520へ向かう加圧方向に付勢する付勢構造体を例示する概略的な模式図である。図1、図2、図11、図12及び図14を用いて、付勢構造体が説明される。尚、図14は、付勢構造体の原理を例示するものであり、他の構造が付勢構造体として適用されてもよい。
【0111】
付勢構造体800は、シートSへのトナー画像の定着に要求される圧力をベルトユニット510と基準ローラ520との間に生じさせる。付勢構造体800は、保持フレーム553の側壁554と回動可能に接続された第1端部812を含むレバー要素810を備える。第1端部812は、例えば、保持フレーム553の側壁554の外面から突出するピン901(図11及び/又は図13を合わせて参照)と回動可能に接続されてもよい。レバー要素810は、保持要素820と回動可能に接続される支軸部811を含む。保持要素820は、例えば、保持フレーム553に取り付けられたブラケット、支持枠710に取り付けられたブラケット、画像形成装置1の筐体2に取り付けられたブラケットや画像形成装置1の筐体2自体であってもよい。
【0112】
付勢構造体800は、保持要素820に接続される基端部と、レバー要素810に接続される先端部とを含む付勢要素890(例えば、バネ)を更に備える。付勢要素890の先端部は、第1端部812と反対側の第2端部813に接続される。レバー要素810の支軸部811は、第1端部812と第2端部との間に設けられる。
【0113】
付勢要素890は、ベルトユニット510を基準ローラ520へ向わせる加圧方向Pと反対側へ第2端部813を付勢する。この結果、ベルトユニット510と基準ローラ520との間に、シートSへのトナー画像の定着に要求される圧力が生ずる。
【0114】
(支持枠)
図15は、支持枠710の概略的な斜視図である。図2、図10、図14及び図15を用いて、支持枠710が説明される。
【0115】
支持枠710の支持板720には、基準ローラ520の第3ジャーナル524が取り付けられるための開口部729が形成される。開口部729の上方には、規定縁731によって輪郭を定められる略矩形状の貫通穴725及び略U字形状の切り欠き部727が形成される。開口部729、貫通穴725及び切り欠き部727は略直線上に整列する。
【0116】
基準ローラ520に対するベルトユニット510の加圧方向Pに沿う規定縁731及び切り欠き縁728は、加圧方向Pに交差する方向(シートSの搬送方向)でのベルトユニット510の変位を規制する。したがって、貫通穴725並びに切り欠き部727は、開口部729を基準として、比較的高い精度で形成されることが好ましい。
【0117】
上述の如く、本実施形態の支持枠710は、1枚の金属板から形成される。したがって、基準ローラ520の回転中心軸を基準とした第1ローラ512の回転中心軸及び/又は第2ローラ513の回転中心軸の平行度の公差は、通常の穿穴加工及び/又は折り曲げ加工の下、0.1mm以内の範囲に収められる。
【0118】
上述の如く、本実施形態の支持枠710は、シートSの搬送方向において基準ローラ520、第1ローラ512及び第2ローラ513間の回転中心軸のずれを好適に抑制する。一方で、貫通穴725及び切り欠き部727は、加圧方向Pに沿って延びるので、付勢構造体800によるベルトユニット510と基準ローラ520との間の圧力の発生をほとんど阻害しない。
【0119】
図16は、基準ローラ520、第1ローラ512及び第2ローラ513間の回転中心軸のずれが与えるベルト511の蛇行への影響を示すグラフである。図16のグラフの横軸は、基準ローラ520の回転中心軸に対する第1ローラ512及び第2ローラ513の回転中心軸に対するズレ量(mm)を表す。図16のグラフの縦軸は、ベルト511の走行方向に対して直交する方向に加わるベルト511に対する力(N)を表す。図9及び図16を用いて、基準ローラ520、第1ローラ512及び第2ローラ513間の回転中心軸のずれが与えるベルト511の蛇行への影響が説明される。
【0120】
図16のグラフ中には2つの回帰直線a,bが示されている。回帰直線aは、図9に示される矢印A方向(加圧方向Pに沿う方向)から見た基準ローラ520、第1ローラ512及び第2ローラ513間の回転中心軸のずれ量の変化に伴うベルト511に加わる力の変動を示す。回帰直線bは、図9に示される矢印B方向(シートSの搬送方向に沿う方向)から見た基準ローラ520、第1ローラ512及び第2ローラ513間の回転中心軸のずれ量の変化に伴うベルト511に加わる力の変動を示す。
【0121】
図16のグラフから明らかな如く、加圧方向Pに交差する方向のベルトユニット510のずれが低減されると、ベルト511に加わる力は大きく低減される。かくして、加圧方向Pに交差する方向の低い寸法公差は、ベルト511の蛇行量の低減に大きく貢献する。一方、加圧方向Pに沿う方向のベルトユニット510のずれは、ベルト511の蛇行量に影響をほとんど与えない。したがって、加圧方向Pに沿う方向のベルトユニット510の変位が許容されても、トナー画像の定着工程並びにその後のシートSの搬送工程はほとんど影響を受けないことが分かる。
【0122】
かくして、本実施形態の定着ユニット500は、適切に、ベルト511の蛇行を抑制する。
【0123】
本実施形態の定着ユニット500は、IHコイルユニット530を備える。代替的に、ベルト511及び/又は第2ローラ513を加熱することができる他の加熱機構がIHコイルユニット530に代えて用いられてもよい。
【0124】
本実施形態の定着ユニット500は、レバー構造を有する付勢構造体800を含む。代替的に、ベルトユニット510と基準ローラ520との間で圧力を生じさせることができる他の既知の機構が付勢構造体800の代わりに用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、カラープリンタ、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機などの各種の画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0126】
1・・・・・画像形成装置
500・・・定着ユニット
510・・・ベルトユニット
511・・・ベルト
512・・・第1ローラ
513・・・第2ローラ
514・・・第1胴部
518・・・第2胴部
520・・・基準ローラ
522・・・第3胴部
524・・・第3ジャーナル
551・・・第1ジャーナル
552・・・第2ジャーナル
557・・・ベースジャーナル
558・・・分離ジャーナル
710・・・支持枠(支持要素)
720・・・支持板
721・・・第1支持板
722・・・第2支持板
723・・・折り曲げ部
725・・・貫通穴
726・・・縁部(周縁)
727・・・切り欠き部
729・・・開口部
731・・・規定縁
740・・・フレーム板
741・・・通過口
800・・・付勢構造体
S・・・・・シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に形成されたトナー画像を定着させる定着ユニットであって、
前記シートに圧接されるベルトを含むベルトユニットと、
前記ベルトと協働して前記シートを挟む基準ローラと、
前記ベルトユニットと前記基準ローラとを支持する支持要素と、を備え、
前記ベルトユニットは、
前記ベルトに巻回される第1ローラ及び第2ローラを備え、
前記支持要素は、前記第1ローラ、前記第2ローラ及び前記基準ローラを支持する支持板を含むことを特徴とする定着ユニット。
【請求項2】
前記第1ローラは、前記基準ローラと協働して前記ベルトを圧縮する第1胴部と、該第1胴部から延出する第1ジャーナルとを備え、
前記支持板は、前記第1胴部を収容するための収容空間を規定する第1支持板及び第2支持板と、を含み、
前記第1支持板は、前記第2支持板と対向し、
前記第1ジャーナルは、前記第1胴部に対して、少なくとも部分的に着脱自在であり、
少なくとも部分的に前記第1ジャーナルが取り除かれた前記第1ローラは、前記第1支持板と前記第2支持板との間の距離よりも短くなることを特徴とする請求項1に記載の定着ユニット。
【請求項3】
前記第1ジャーナルは、前記第1胴部に接続されたベースジャーナルと、該ベースジャーナルに対して着脱自在に取り付けられる分離ジャーナルとを含むことを特徴とする請求項2に記載の定着ユニット。
【請求項4】
前記支持板は、前記第1ジャーナルが挿通される貫通穴を規定する規定縁を含み、
前記分離ジャーナルは、前記貫通穴を介して着脱されることを特徴とする請求項3に記載の定着ユニット。
【請求項5】
前記ベルトユニットを前記基準ローラに向かう加圧方向に付勢する付勢構造体を更に備え、
前記加圧方向に延びる前記貫通穴を規定する前記規定縁は、前記加圧方向に交差する方向の前記ベルトユニットの変位を規制することを特徴とする請求項4に記載の定着ユニット。
【請求項6】
前記第2ローラは、前記ベルトに巻回される第2胴部と、該第2胴部から延出する第2ジャーナルとを備え、
前記支持板は、前記第2ジャーナルを支持する周縁を含み、
該周縁は、前記第2ジャーナルを収容する切り欠き部を規定することを特徴とする請求項4又は5に記載の定着ユニット。
【請求項7】
前記基準ローラは、前記シートに圧接される第3胴部と、該第3胴部から延出する第3ジャーナルと、を備え、
前記支持板には、前記第3ジャーナルを収容する開口部が形成され、
前記貫通穴、前記切り欠き部及び前記開口部は直線上に整列することを特徴とする請求項6に記載の定着ユニット。
【請求項8】
前記支持要素は、前記第1支持板及び前記第2支持板と協働して、前記収容空間を規定するフレーム板を含み、
該フレーム板と前記第1支持板との間及び前記フレーム板と前記第2支持板との間には、折り曲げ部が形成されることを特徴とする請求項2乃至7いずれか1項に記載の定着ユニット。
【請求項9】
前記フレーム板には、前記シートを通過させるための通過口が形成されることを特徴とする請求項8に記載の定着ユニット。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれか1項に記載の定着ユニットを備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−13780(P2012−13780A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147820(P2010−147820)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】