説明

定着装置及び画像形成装置

【課題】ベアリングとの転がり摩擦による異音の発生やベアリングとの離脱を防止できる、高価でない定着装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】一例の定着装置は、記録媒体のトナー像を載置された表面または記録媒体の裏面に当接する第1のローラと、第1のローラに対向して設けられた第2のローラを備える。第1のローラは、アルミニウム合金から成り回転可能な軸芯部と、この軸芯部と一体にこの軸芯部の両端部を除いてこの軸芯部の周囲に設けられたアルミニウム合金からなる圧接回転部と、前記軸芯部の両端部に設けられた凹部にはめ込まれた、複数のへこみを有しアルミニウム合金より硬度の高い材料から成り湾曲形状の湾曲部材と、この湾曲部材の前記へこみに供給されるグリスと、前記へこみを有する湾曲部材をはめ込まれた前記軸芯部を回転可能に支持し、ボールベアリングを内蔵する支持部材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像複合装置(MFP)に用いられる定着装置は、回転する加熱ローラと圧接ローラを有し、これらのローラの間にトナー像を有する記録紙を通すことにより加熱、定着を行う。
【0003】
加熱ローラと圧接ローラはモータの駆動によって回転する。従来、加熱ローラや圧接ローラをすべり軸受けにより回転させていた。しかし、すべり軸受けにより回転させると、抵抗が大きい。そこで、ころがり軸受けではころがり摩擦があり、すべり摩擦よりも抵抗が低いのでころがり摩擦の方が好まれる。
【0004】
このような転がり摩擦を利用する場合には、ローラの軸受けには汎用のベアリングが用いられ、ローラの軸にはアルミニウムなどの比較的硬度の低い金属が用いられることが多い。
【0005】
しかし、ベアリングを使用すると、軸が摩耗したりかじりついて、ベアリングが抜けなくなったりし、異音を発生することがある。これらの問題を防止するためにローラ軸とベアリングの間に、プラスチックのカラー(collar)を介在させることが一般的であった。
【0006】
しかし、定着のために用いる加熱ローラや圧接ローラは、高温や高い荷重に耐える必要があり、また導電性が要求されるので、カラーに用いるプラスチックとして高価なものとなってしまう問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−75223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ベアリングとの転がり摩擦による異音の発生やベアリングとの離脱を防止できる、高価でない定着装置及び画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によれば、アルミニウム合金から成り回転可能な軸芯部と、この軸芯部と一体にこの軸芯部の両端部を除いてこの軸芯部の周囲に設けられたアルミニウム合金からなる圧接回転部と、前記軸芯部の両端部に設けられた凹部にはめ込まれた、複数のへこみを有しアルミニウム合金より硬度の高い材料から成り湾曲形状の湾曲部材と、この湾曲部材の前記へこみに供給されるグリスと、前記へこみを有する湾曲部材をはめ込まれた前記軸芯部を回転可能に支持し、ボールベアリングを内蔵する支持部材を有し、記録媒体のトナー像を載置された表面または記録媒体の裏面に当接する第1のローラと、前記第1のローラに対向して設けられた第2のローラを備えたことを特徴とする定着装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の定着装置を搭載したMFPを示す概略構成図及び定着ユニットの制御を主体とした概略ブロック図である。
【図2】一実施形態の定着装置のプレスローラの一端部を中心とした構造を示す斜視図である。
【図3】一実施形態の定着装置のプレスローラの一端部を中心とした構造を示す断面図である。
【図4】孔あき湾曲部材の一例の斜視図である。
【図5】図4に示す孔あき湾曲部材の製造方法を説明するための図である。
【図6】支持部材が軸芯部に対して斜めになった状態を示す図である。
【図7】他の孔あき湾曲部材の例の製造方法を説明するための図である。
【図8】他の湾曲部材の例の断面を示す図である。
【図9】一実施形態の定着装置の定着ローラの一端部を中心とした構造を示す断面図である。
【図10】一実施形態の定着装置のヒートローラの一端部を中心とした構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について説明する。
【0012】
図1は、一実施形態の定着装置を搭載したタンデム方式の画像形成装置であるカラーのMFP(Multi Functional Peripheral)1を示す概略構成図である。MFP1は、画像形成部であるプリンタ部10、給紙部11、排紙部12、スキャナ13を備える。
【0013】
プリンタ部10は、中間転写ベルト15に沿って並列に配置される、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4組の画像形成ステーション16Y、16M、16C及び16Kを備える。各画像形成ステーション16Y、16M、16C及び16Kは、感光体ドラム17Y、17M、17C及び17Kをそれぞれ備える。
【0014】
各画像形成ステーション16Y、16M、16C及び16Kは、矢印a方向(時計回り方向)に回転する感光体ドラム17Y、17M、17C及び17Kの周囲に、チャージャ18Y、18M、18C及び18K、現像装置20Y、20M、20C及び20K、及び感光体クリーナ21Y、21M、21C及び21Kを備える。プリンタ部10は、画像形成ユニットを構成するレーザ露光装置22を備える。
【0015】
レーザ露光装置22は、各感光体ドラム17Y、17M、17C及び17Kに、各色に対応したレーザ光22Y、22M、22C及び22Kを照射する。レーザ露光装置22はレーザ光を照射して、各感光体ドラム17Y、17M、17C及び17Kに静電潜像を形成する。
【0016】
プリンタ部10は、中間転写ベルト15を支持するバックアップローラ24及び従動ローラ25を備え、中間転写ベルト15は矢印b方向に走行する。プリンタ部10は、中間転写ベルト15を介して、各感光体ドラム17Y、17M、17C及び17Kと対向する位置に、1次転写ローラ23Y、23M、23C及び23Kを夫々備える。
【0017】
各1次転写ローラ23Y、23M、23C及び23Kは、各感光体ドラム17Y、17M、17C及び17Kに形成されるトナー像を中間転写ベルト15に1次転写して順次重ねる。各感光体クリーナ21Y、21M、21C及び21Kは、1次転写後に各感光体ドラム17Y、17M、17C及び17K上に残留するトナーを除去する。
【0018】
プリンタ部10は、中間転写ベルト15を介してバックアップローラ24と対向する位置に2次転写ローラ26を備える。2次転写ローラ26は、中間転写ベルト15に従動して矢印c方向(時計回り方向)に回転する。プリンタ部10は、ピックアップローラ27により給紙部11からシートPを取り出し、中間転写ベルト15のトナー像が2次転写ローラ26位置に到達するタイミングに合わせて、搬送路28に沿ってシートPを2次転写ローラ26位置に給紙する。2次転写時、プリンタ部10は、中間転写ベルト15と2次転写ローラ31のニップに転写バイアスを形成して、中間転写ベルト15のトナー像を、シートPに一括2次転写する。
【0019】
プリンタ部10は、定着装置29にて、記録媒体であるシートPにトナー像を定着し、排紙ローラ対30によりシートPを排紙部12に排紙する。定着装置29は、シートPの裏面から圧力を加えるプレスローラ29aと、加熱されるヒートローラ29bと、このヒートローラ29bの熱を伝える定着ベルト29cと、この定着ベルトの熱をトナー像に与えてシートP上に定着させる定着ローラ29dと、を備える。定着ローラ29dは第1のローラでもあり、プレスローラ29aは第2のローラでもある。
【0020】
ヒートローラ29bは、例えば誘導電流発生コイル29eに流れる電流により、加熱される。定着ベルト29cは、ヒートローラ29bと定着ベルト29cに巻回されており、加熱されて発生した熱はこの定着ベルト29cに伝達される。更に定着ベルト29cの熱は、シートP上のトナー像に与えられて、定着ローラ29dとプレスローラ29aに挟まれて、トナー像が溶融しシートP上に定着する。
【0021】
なお、画像形成装置は上述のようなタンデム方式に限らないし、現像装置の数も限定されない。画像形成装置は、感光体から直接、記録媒体にトナー像を転写する直接転写方式の装置であってもよい。
【0022】
一般に定着装置は、記録媒体のトナーが載置された面に当接されトナーに熱を加え、像を定着させる定着ローラと記録媒体の裏面から圧力を加えるプレスローラを有する。実際の定着装置では、上記定着ローラが熱を直接発生するものもあり、また熱を発生するヒートローラを別に有し、この加熱ローラで発生した熱を上記定着ローラに伝える定着装置もある。本発明はこれらプレスローラ、定着ローラ及びヒートローラのいずれにも適用することができる。
【0023】
上述の定着装置29は、このように定着ローラの他に熱を発生するヒートローラを有するタイプの定着装置であり、以下ではこの定着装置29のプレスローラ29aに本発明を適用した実施形態について述べる。
【0024】
定着装置29におけるプレスローラ29aと、定着ローラ29d及びヒートローラ29bの軸部付近の拡大斜視図を図2に示す。この実施形態は、プレスローラ29aに実施形態のカラーを適用した場合である。
【0025】
プレスローラ29aは左右対称であるので、その左右一方の左端の部分の断面図を図3に示す。プレスローラ29aは、その回転の中心となる軸芯部31と、この軸芯部31の、両端部を除く中央の回りに設けられた回転圧接部32と、回転圧接部32の設けられてない両端近くに軸芯部31の周囲を一部切欠いて設けられた凹部33に、はめ込まれた金属製の孔あき湾曲部材(カラー)34と、この孔あき湾曲部材34と凹部33の間に塗布されたグリス35と、孔あき湾曲部材34の上に設けられ軸芯部31を両端で支持するリング状の支持部材36とを有する。
【0026】
軸芯部31は、回転圧接部32と一体に形成されており、比較的硬度の低い金属、例えばアルミニウム合金から成る。
【0027】
次に実施形態の上記孔あき湾曲部材34について説明する。孔あき湾曲部材の一例の形状の斜視図を図4に示す。この孔あき湾曲部材34は、例えば、ステンレス鋼(SUS)42から製造され、その両端が近接した湾曲形状をしており、その中央一列に、ほぼ均等に複数の貫通孔43を有する。
【0028】
本発明の実施形態で用いるステンレス鋼は、クロムやニッケルを含ませた合金鋼である。ステンレス鋼は、含有するクロムが空気中で酸素と結合して表面に不動態被膜を形成し、耐食性が高く、また普通鋼より硬度が高い。ステンレス鋼板の厚さは例えば0.3mmであり、孔がグリス溜まりを形成する必要性やその工作の容易性などから、0.1から0.5mm程度が好ましい。
【0029】
孔あき湾曲部材34にはほぼ円形の孔が設けられておりこの穴に上記グリス35が塗られ、グリス溜まりを形成する。したがって、軸芯部31が回転するに伴ってグリス35が溶解し潤滑剤として働く。
【0030】
図3に示すように、支持部材36は、その内側円筒部36aとこれに対向した外側円筒部36bの間にボールベアリング36cが回転可能に保持されて、周囲に配置されており、内側円筒部36aが回転しても外側円筒部36bは回転せず固定される。
【0031】
軸芯部31及び回転圧接部32は駆動モータにより回転させられる。このとき軸芯部31の両端近くの凹部33に、はめ込まれた孔あき湾曲部材34は滑りながら回転する。支持部材36は、通常は図3に示すように、軸芯部31の中心に対して垂直に、即ち孔あき湾曲部材34及び軸芯部31の凹部33に正しく当接している。
【0032】
しかし、軸芯部31の回転の状況によっては、図6に示すように、支持部材36が軸芯部31の中心に対して斜めになることがある。このような場合においても、孔あき湾曲部材34が設けられ、更にこの部材の貫通孔43にグリス35が供給されているので、プレスローラ29aの軸芯部31が支持部材36から外れることはなく、またこの傾きにより異音が発生することもほとんどない。
【0033】
上記孔あき湾曲部材34の製造方法を、図5を用いて説明する。図5に示すように、ステンレス合金52を長方形状とし、このステンレス合金の長手方向の中央にほぼ均等に貫通孔53を設ける。この孔を設けられたステンレス合金を、プレスローラ29aの凹部33に合わせて丸く湾曲させて図4に示すような、孔あき湾曲部材34を製造する。このとき、孔あき湾曲部材34の両端34a,34b間の距離dは、動作時にこの部材が膨張した時にも、ゼロよりも大きくすることが望ましい。なぜなら、ゼロあるいはこれより小さい(負の状態)と、動作時に孔あき湾曲部材34の両端34a,34bがぶつかったり重なったりして、軸芯部31の回転が不安定となるおそれがあるからである。ただし上記距離dがあまり大きすぎると、孔あき湾曲部材34の両端34a,34bが空きすぎて、軸芯部31の回転時に、軸芯部31の凹部33が、支持部材36の内側円筒部36aに直接接触する可能性がある。したがって、上記距離dは動作時で数ミリ程度以下であることが望ましい。
【0034】
ところで、図5に示すように、上記孔あき湾曲部材34に設けられる貫通孔43は7つ設けられていた。この貫通孔の数は、これらの孔の形状やこれらの孔に入れられるグリスの材料やその必要量等に応じて適宜決められる。但し通常、貫通孔は1つでは足りず複数、例えば3個以上10個以下程度くらい、設けることが好ましい。
【0035】
図5に示すように、上記孔あき湾曲部材34に設けられる貫通孔43は楕円形をしていた。しかし、このように貫通孔43は楕円形に限られない。図7に孔あき湾曲部材34の貫通孔の他の実施形態を示す。このように、孔あき湾曲部材34を形成するステンレス鋼板72に四角形状の貫通孔73を設けた後、湾曲させて、孔あき湾曲部材34を形成してもよい。
【0036】
また、孔あき湾曲部材34にグリス溜まりのために設けるものは貫通孔でなくてもよい。あるいは上記貫通孔を設けた位置にへこみを設けてグリス溜まりを形成してもよい。
【0037】
図8に、孔あき湾曲部材34の他の実施形態の断面図を示す。この例では、ステンレス鋼板82の側面に近い部分84a,84bにテーパ(へこみ)を設けてこの部分の厚さを薄くし、この部分にグリスが供給されるようにする。このように、グリスが供給される部位は、孔あき湾曲部材34の中央付近とは限らない。なお、図8においステンレス鋼板の一方の側端部付近についてのみテーパを設けるようにしてもよい。
【0038】
したがって、ここでは、貫通孔以外の場合も含めて、へこみを有する湾曲部材という。
【0039】
ところで、前記実施形態では、定着装置において、記録媒体のトナーが載置される面とは反対の面に当接されるプレスローラに、本発明を適用する場合について説明した。しかし、本発明は、定着装置において、記録媒体のトナー像が載置される面に当接される定着ローラあるいは、熱を発生させる加熱ローラに本発明を適用することも可能である。
【0040】
本発明のローラの構造を、図1に示す転写ローラ29dに適用した実施形態について説明する。熱を発生したヒートローラ29bから定着ベルト29cに熱が伝えられこの熱は定着ローラ29dに伝えられる。定着ローラ29dはシートPの表面であるトナー像の載置面に当接され、トナー像を加熱して定着させる。この定着ローラ29dでの一端部付近の構造を図9に示す。この図は、プレスローラ29aの一端部付近の構造を示した図3に類似する。
【0041】
図9に示すように、定着ローラ29dは、その回転の中心となる軸芯部91と、この軸芯部91の、両端部を除く中央の回りに設けられた回転圧接部92と、回転圧接部92の設けられてない両端近くに軸芯部91の周囲を一部切欠いて設けられた凹部93に、はめ込まれた金属製の孔あき湾曲部材94と、この孔あき湾曲部材94と凹部93の間に塗布されたグリス95と、孔あき湾曲部材94の上に設けられ軸芯部91を両端で支持するリング状の支持部材96とを有する。
【0042】
軸芯部91は、回転圧接部92と一体に形成されており、比較的硬度の低い金属、例えばアルミニウム合金から成る。
【0043】
ここで上記孔あき湾曲部材94について簡単に説明する。孔あき湾曲部材の一例の形状の斜視図を図4に示してある。この孔あき湾曲部材94は、例えば、ステンレス鋼(SUS)42から製造され、その両端が近接した湾曲形状をしており、その中央一列に、ほぼ均等に複数の貫通孔43を有する。
【0044】
本発明のローラの構造を、図1に示すヒートローラ29bに適用した実施形態について説明する。熱を発生したヒートローラ29bから定着ベルト29cに熱が伝えられこの熱は定着ローラ29dに伝えられる。定着ローラ29dはシートPの表面であるトナー像の載置面に当接され、トナー像を加熱して定着させる。ヒートローラ29bでの一端部付近の構造を図10に示す。この図は、プレスローラ29aの一端部付近の構造を示した図3に類似する。
【0045】
図10に示すように、ヒートローラ29bは、その回転の中心となる軸芯部101と、この軸芯部101の、両端部を除く中央の回りに設けられた回転圧接部102と、回転圧接部102の設けられてない両端近くに軸芯部101の周囲を一部切欠いて設けられた凹部103に、はめ込まれた金属製の孔あき湾曲部材104と、この孔あき湾曲部材104と凹部103の間に塗布されたグリス105と、孔あき湾曲部材104の上に設けられ軸芯部101を両端で支持するリング状の支持部材106とを有する。
【0046】
軸芯部101は、回転圧接部102と一体に形成されており、比較的硬度の低い金属、例えばアルミニウム合金から成る。
【0047】
ここで上記孔あき湾曲部材104について簡単に説明する。孔あき湾曲部材の一例の形状の斜視図を図4に示してある。この孔あき湾曲部材104は、例えば、ステンレス鋼(SUS)42から製造され、その両端が近接した湾曲形状をしており、その中央一列に、ほぼ均等に複数の貫通孔43を有する。
【0048】
以上述べたように、本発明は、定着装置29のプレスローラ29aにも、定着ローラ29dにもヒートローラ29bにも同様に適用できる。
【0049】
前記実施形態においては、孔あき湾曲部材として、ステンレス合金を用いる場合について述べた。しかし、孔あき湾曲部材としては、ステンレス合金に限られず、軸芯部を構成するアルミニウム合金よりも少なくとも硬度の高いものであればよい。
【0050】
また、湾曲部材としては、貫通孔を有する孔あき湾曲部材だけでなく、図8に示すようにテーパを有していてもよく一般的には、へこみを有する湾曲部材で有ればよい。
【0051】
上記実施形態によれば、定着装置のプレスローラや定着ローラ又はヒートローラのローラ軸に、ステンレス鋼を用いたカラーをはめ込み、ベアリングとの転がり摩擦による、異音の発生やベアリングとの離脱を防止できる高価でない定着装置及び画像形成装置が得られる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したがこれらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
29・・・・定着装置、
29a・・・・プレスローラ、
29b・・・・ヒートローラ、
29c・・・・定着ベルト、
29d・・・・定着ローラ、
31・・・・軸芯部、
32・・・・回転圧接部、
33・・・・凹部、
34・・・・孔あき湾曲部材(カラー)、
35・・・・グリス、
36・・・・支持部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金から成り回転可能な軸芯部と、
この軸芯部と一体にこの軸芯部の両端部を除いてこの軸芯部の周囲に設けられたアルミニウム合金からなる圧接回転部と、
前記軸芯部の両端部に設けられた凹部にはめ込まれた、複数のへこみを有しアルミニウム合金より硬度の高い材料から成り湾曲形状の湾曲部材と、
この湾曲部材の前記へこみに供給されるグリスと、前記へこみを有する湾曲部材をはめ込まれた前記軸芯部を回転可能に支持し、ボールベアリングを内蔵する支持部材を有し、記録媒体のトナー像を載置された表面または記録媒体の裏面に当接する第1のローラと、
前記第1のローラに対向して設けられた第2のローラを備えたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記湾曲部材に当接する内側円筒部と、この内側円筒部に対向して外側に設けられた外側円筒部と、この外側円筒部と内側円筒部の間に設けられた複数のボールベアリングとを備えることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記へこみを有する湾曲部材は、側端部において薄くなるテーパを有することを特徴とする請求項2記載の定着装置。
【請求項4】
記録媒体のトナー像を載置された表面に当接され前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着ローラと、
アルミニウム合金から成り回転可能な軸芯部と、
この軸芯部と一体にこの軸芯部の両端部を除いてこの軸芯部の周囲に設けられたアルミニウム合金からなる圧接回転部と、
前記軸芯部の両端部に設けられた凹部にはめ込まれた、複数のへこみを有しアルミニウム合金より硬度の高い材料から成り湾曲形状の湾曲部材と、
この湾曲部材の前記へこみに供給されるグリスと、前記へこみを有する湾曲部材をはめ込まれた前記軸芯部を回転可能に支持し、ボールベアリングを内蔵する支持部材とを有し、前記定着ローラに伝える熱を発生する加熱ローラと、
前記定着ローラに対向して設けられ、前記記録媒体の裏面に当接されてこの記録媒体に加圧するプレスローラと、を備えたことを特徴とする定着装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記湾曲部材に当接する内側円筒部と、この内側円筒部に対向して外側に設けられた外側円筒部と、この外側円筒部と内側円筒部の間に設けられた複数のボールベアリングとを備えることを特徴とする請求項4記載の定着装置。
【請求項6】
前記へこみを有する湾曲部材は、その中央で一列に複数の貫通孔を有する孔あき湾曲部材であることを特徴とする請求項5記載の定着装置。
【請求項7】
回転可能な感光体と、
この感光体上に露光することにより形成した潜像をトナーにより現像する現像部と、
この現像部により現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写部と、
アルミニウム合金から成り回転可能な軸芯部と、
この軸芯部と一体にこの軸芯部の両端部を除いてこの軸芯部の周囲に設けられたアルミニウム合金からなる圧接回転部と、
前記軸芯部の両端部に設けられた凹部にはめ込まれた、複数のへこみを有しアルミニウム合金より硬度の高い材料から成り湾曲形状の湾曲部材と、
この湾曲部材の前記へこみに供給されるグリスと、前記へこみを有する湾曲部材をはめ込まれた前記軸芯部を回転可能に支持し、ボールベアリングを内蔵する支持部材とを有し、記録媒体のトナー像を載置された表面または記録媒体の裏面に当接する第1のローラと、
前記第1のローラに対向して設けられた第2のローラを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記へこみを有する湾曲部材は、ステンレス鋼により構成されていることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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