室内空気を浄化するコーティング溶剤
【課題】室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去と，室内の消臭・抗菌・防かびに関し，例えば室内の明るさなど，室内の諸条件に効果が左右されることなく，即効性と持続性を併せ持つ，人体に安全な室内コーティング溶剤とコーティング様式を提供する。
【解決手段】室内コーティング溶剤として，フィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物を混合することにより浄化効果および即効性と持続性，そして適合性を高めるとともに，簡易な各種スプレー（エアゾールなど）によるコーティング皮膜形成を可能にした。
【解決手段】室内コーティング溶剤として，フィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物を混合することにより浄化効果および即効性と持続性，そして適合性を高めるとともに，簡易な各種スプレー（エアゾールなど）によるコーティング皮膜形成を可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は，揮発性汚染化学物質の分解除去，および，消臭・抗菌・防かびに効果を発揮する，室内コーティング溶液に関する。
【背景技術】
【０００２】
室内で発生する汚染化学物質が原因で発症する化学物質過敏症に対し，発症原因の汚染化学物質を捕らえて除去するための有効な手段が乏しく，室内空気を換気によって希釈する措置や，原因物質を発生する建材等を除去するなどの措置が行われているに過ぎない。
【０００３】
また，汚染化学物質の分解除去，および，消臭・抗菌・防かびに，即座に効果を発揮するとともに，長期に渡って効果を持続する有効な措置がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去と，室内の消臭・抗菌・防かびに関し，例えば室内の明るさなど，室内の諸条件に効果が左右されることなく，即効性と持続性を併せ持つ，人体に安全な室内コーティング溶剤とコーティング様式を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
室内空気を浄化する室内コーティング溶剤の即効性成分として，多種類の天然植物の茎や葉などから，ごく微量に大気に放出されている成分を総称する，フィトンチッドに着目した。このフィトンチッドは，人間に適合するように複合的な働きをするのが特徴で，室内の消臭・抗菌・防かび，そして，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去の効用を有し，副作用のない環境に無害な物質である。
【０００６】
光の当たる明るい室内部分で，室内空気を長期に渡り浄化する室内コーティング溶剤の成分として，光触媒の酸化チタン（ＴｉＯ２）に着目した。この酸化チタンは，そのものの化学的な変化によるものでなく，光（紫外線）エネルギーにより活性化する光触媒として，光と水，酸素のある限り，強い酸化力のもとに，室内の消臭・抗菌・防かび，そして，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去を永続的に行う特性を有し，かつ，分解による副生物が，水と酸素という環境に無害な物質である。
【０００７】
光の届きにくい室内部分で，室内空気を長期に渡り浄化する室内コーティング溶剤の成分として，リン酸チタニア化合物（Ｔｉｔａｎｉｕｍ ｐｈｏｓｐｂａｔｅ ｃｏｍｐｏｕｎｄｓ）に着目した。酸化チタンが光（紫外線）を必要とする光触媒であるのに対し，このリン酸チタニア化合物は，酸素と水があれば活性化する触媒であり，酸化チタンと類似する特性を有し，強い酸化力のもとに，室内の消臭・抗菌・防かび，そして，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去を永続的に行い，かつ，分解による副生物が，水と酸素という環境に無害な物質である。
【０００８】
室内コーティング溶剤の成分として着目した，フィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物を混合することにより，室内空気の浄化効果の即効性と長期持続性と，例えば室内の明るさなどに効果が左右されない，適合性の高い室内コーティング溶剤を見出すとともに，それぞれを単体で用いた以上の相乗的な効果が認められ，優れた浄化効果を発揮することを発見するに至った。
【０００９】
室内コーティング溶剤の成分として，上記のフィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物のほかに，例えば，浄化目的の抗菌を強化するなどと特定し，銀イオンや，酸化亜鉛，酸化錫などの金属酸化物を追加混合することにより，より効果的な室内空気の浄化が行えることを確認するに至った。
【００１０】
本発明の室内コーティング溶剤は，例えば，天井，壁面などと，室内の空気が接する面に霧状に噴霧することによって，表面に室内の空気を浄化するコーティング皮膜を形成するもので，室内空気の浄化目的や用途面などを考察した上で，コーティング溶剤の噴霧を，エアーガンによる溶剤噴霧とともに，簡易な方式の各種スプレー（エアゾール）による溶剤噴霧を可能とするに至った。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の室内コーティング溶液は，室内で発生する汚染化学物質の分解除去，および，消臭・抗菌・防かびに，優れた浄化効果を有するもので，即効性と長期に渡る持続性を併せ持ち，例えば室内の明るさなどに効果が左右されない適合性の高い溶剤であり，浄化目的や用途に応じて，エアーガンによる溶剤噴霧とともに，簡易な方式の各種スプレーによる溶剤噴霧も行えることで，より広い活用が可能となり，より優れた室内空気浄化効果が発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明の室内コーティング溶液は，より細かな霧状にして噴霧することで，コーティング皮膜を形成することができ，霧状噴霧可能なエアーガンや各種スプレー（エアゾール）を用い，例えば，天井，壁面などと，室内の空気が接する面に噴霧することにより，室内空気の浄化効果が得られる。
【実施例】
【００１３】
一般住宅の玄関，廊下，キッチン，トイレ，風呂，居室のすべて，そして，下駄箱など，消臭・抗菌を行いたい家具内などに，本発明の室内コーティング溶液を噴霧し，コーティング皮膜を形成したところ，フィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物の効果により，快適な室内環境が得られた。
【００１４】
シックスクール問題で，厚生労働省が定めた室内汚染化学物質と濃度指針値を超えた教室に，本発明の室内コーティング溶液を噴霧し，コーティング皮膜を形成したところ，すべての室内汚染化学物質の濃度が指針値以下となり，快適な教室環境が得られた。
【技術分野】
【０００１】
本発明は，揮発性汚染化学物質の分解除去，および，消臭・抗菌・防かびに効果を発揮する，室内コーティング溶液に関する。
【背景技術】
【０００２】
室内で発生する汚染化学物質が原因で発症する化学物質過敏症に対し，発症原因の汚染化学物質を捕らえて除去するための有効な手段が乏しく，室内空気を換気によって希釈する措置や，原因物質を発生する建材等を除去するなどの措置が行われているに過ぎない。
【０００３】
また，汚染化学物質の分解除去，および，消臭・抗菌・防かびに，即座に効果を発揮するとともに，長期に渡って効果を持続する有効な措置がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去と，室内の消臭・抗菌・防かびに関し，例えば室内の明るさなど，室内の諸条件に効果が左右されることなく，即効性と持続性を併せ持つ，人体に安全な室内コーティング溶剤とコーティング様式を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
室内空気を浄化する室内コーティング溶剤の即効性成分として，多種類の天然植物の茎や葉などから，ごく微量に大気に放出されている成分を総称する，フィトンチッドに着目した。このフィトンチッドは，人間に適合するように複合的な働きをするのが特徴で，室内の消臭・抗菌・防かび，そして，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去の効用を有し，副作用のない環境に無害な物質である。
【０００６】
光の当たる明るい室内部分で，室内空気を長期に渡り浄化する室内コーティング溶剤の成分として，光触媒の酸化チタン（ＴｉＯ２）に着目した。この酸化チタンは，そのものの化学的な変化によるものでなく，光（紫外線）エネルギーにより活性化する光触媒として，光と水，酸素のある限り，強い酸化力のもとに，室内の消臭・抗菌・防かび，そして，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去を永続的に行う特性を有し，かつ，分解による副生物が，水と酸素という環境に無害な物質である。
【０００７】
光の届きにくい室内部分で，室内空気を長期に渡り浄化する室内コーティング溶剤の成分として，リン酸チタニア化合物（Ｔｉｔａｎｉｕｍ ｐｈｏｓｐｂａｔｅ ｃｏｍｐｏｕｎｄｓ）に着目した。酸化チタンが光（紫外線）を必要とする光触媒であるのに対し，このリン酸チタニア化合物は，酸素と水があれば活性化する触媒であり，酸化チタンと類似する特性を有し，強い酸化力のもとに，室内の消臭・抗菌・防かび，そして，室内で発生する揮発性汚染化学物質の分解除去を永続的に行い，かつ，分解による副生物が，水と酸素という環境に無害な物質である。
【０００８】
室内コーティング溶剤の成分として着目した，フィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物を混合することにより，室内空気の浄化効果の即効性と長期持続性と，例えば室内の明るさなどに効果が左右されない，適合性の高い室内コーティング溶剤を見出すとともに，それぞれを単体で用いた以上の相乗的な効果が認められ，優れた浄化効果を発揮することを発見するに至った。
【０００９】
室内コーティング溶剤の成分として，上記のフィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物のほかに，例えば，浄化目的の抗菌を強化するなどと特定し，銀イオンや，酸化亜鉛，酸化錫などの金属酸化物を追加混合することにより，より効果的な室内空気の浄化が行えることを確認するに至った。
【００１０】
本発明の室内コーティング溶剤は，例えば，天井，壁面などと，室内の空気が接する面に霧状に噴霧することによって，表面に室内の空気を浄化するコーティング皮膜を形成するもので，室内空気の浄化目的や用途面などを考察した上で，コーティング溶剤の噴霧を，エアーガンによる溶剤噴霧とともに，簡易な方式の各種スプレー（エアゾール）による溶剤噴霧を可能とするに至った。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の室内コーティング溶液は，室内で発生する汚染化学物質の分解除去，および，消臭・抗菌・防かびに，優れた浄化効果を有するもので，即効性と長期に渡る持続性を併せ持ち，例えば室内の明るさなどに効果が左右されない適合性の高い溶剤であり，浄化目的や用途に応じて，エアーガンによる溶剤噴霧とともに，簡易な方式の各種スプレーによる溶剤噴霧も行えることで，より広い活用が可能となり，より優れた室内空気浄化効果が発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明の室内コーティング溶液は，より細かな霧状にして噴霧することで，コーティング皮膜を形成することができ，霧状噴霧可能なエアーガンや各種スプレー（エアゾール）を用い，例えば，天井，壁面などと，室内の空気が接する面に噴霧することにより，室内空気の浄化効果が得られる。
【実施例】
【００１３】
一般住宅の玄関，廊下，キッチン，トイレ，風呂，居室のすべて，そして，下駄箱など，消臭・抗菌を行いたい家具内などに，本発明の室内コーティング溶液を噴霧し，コーティング皮膜を形成したところ，フィトンチッド，酸化チタン，リン酸チタニア化合物の効果により，快適な室内環境が得られた。
【００１４】
シックスクール問題で，厚生労働省が定めた室内汚染化学物質と濃度指針値を超えた教室に，本発明の室内コーティング溶液を噴霧し，コーティング皮膜を形成したところ，すべての室内汚染化学物質の濃度が指針値以下となり，快適な教室環境が得られた。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
室内空気の浄化を行う，酸化チタン，リン酸チタニア化合物，フィトンチッドによる室内コーティング溶剤。
【請求項２】
請求項１に記載の３成分に，銀イオンや，酸化亜鉛，酸化錫などの金属酸化物を混合する室内コーティング溶液。
【請求項３】
請求項１および２を充填した室内コーティング溶剤エアゾール。
【請求項１】
室内空気の浄化を行う，酸化チタン，リン酸チタニア化合物，フィトンチッドによる室内コーティング溶剤。
【請求項２】
請求項１に記載の３成分に，銀イオンや，酸化亜鉛，酸化錫などの金属酸化物を混合する室内コーティング溶液。
【請求項３】
請求項１および２を充填した室内コーティング溶剤エアゾール。
【公開番号】特開２００６−４３３６３（Ｐ２００６−４３３６３Ａ）
【公開日】平成１８年２月１６日（２００６．２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２４７５６８（Ｐ２００４−２４７５６８）
【出願日】平成１６年７月３０日（２００４．７．３０）
【出願人】（５０４３２６４０２）株式会社スケッチ (3)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月１６日（２００６．２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月３０日（２００４．７．３０）
【出願人】（５０４３２６４０２）株式会社スケッチ (3)
【Ｆターム（参考）】
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