説明

室空調装置

【課題】室内温度が上限温度を越えることを確実に防止し、また室内の温度が必要以上に低下することを防止する。
【解決手段】環境温度TOを計測し、またヒータオンとして環境温度TOから上限温度TAになるまでの時間t1を求める。そして、環境温度TOおよび時間t1に基づいて、ヒータオフ時間t2を、例えばROM(テーブル)を参照して取得する。浴室内の温度が上限温度TAに達したとき、ヒータオフとし、またヒータオフ後に、時間t2が経過したとき、ヒータオンとし、これらを交互に繰り返し、浴室内の温度が上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば浴室、洗面所、トイレ等に設置される室空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴室に温風を送出して暖房や洗濯物の乾燥を行う機能を備えた浴室用の空調装置が提供されている。浴室空調装置では、電気ヒータを風路中に配置し、ヒータを加熱することで送風を加温して、温風として送出する構成となっている。
【0003】
このような浴室空調装置では、浴室内の温度を検出し、検出温度が所定温度以上になると、ヒータへの通電を停止し、検出温度が所定温度未満になると、ヒータへの通電を再開する安全装置が備えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−171299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来の浴室空調装置では、温度検知装置は本体内部にあり、熱が逃げにくく、洗い場の温度は低下しても検知している吸い込み温度はほとんど変化しないという状況が発生する。その結果、検出温度が所定温度未満になると、ヒータへの通電を再開する制御を行う場合には、洗い場温度が快適温度を下回り、不快に感じることがあった。
【0006】
この発明の目的は、室内温度が上限温度を越えることを確実に防止し、また室内の温度が必要以上に低下することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る室空調装置は、空気を吸い込み室内に吸い込んだ空気を吹き出す送風手段と、この送風手段から吹き出される空気を加熱する加熱手段と、室内の温度を検出する温度検出手段と、送風手段および加熱手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、温度検出手段で検出される室内の温度に基づき加熱手段による加熱を停止し、設定された所定時間の経過後に加熱手段による加熱を再開することを交互に繰り返すよう制御するものである。
【0008】
また、この発明に係る室空調装置は、空気を吸い込み室内に吸い込んだ空気を吹き出す送風手段と、この送風手段から吹き出される空気を加熱する加熱手段と、室内の温度を検出する温度検出手段と、送風手段および加熱手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、温度検出手段で検出される室内の温度が第1の温度となるに伴い加熱手段による加熱を停止することと、この加熱を停止した後、温度検出手段で検出される室内の温度の変化情報に基づいて設定された所定時間経過後に加熱手段による加熱を再開することとを交互に繰り返し、室内の温度を制御するものである。
【0009】
この発明において、例えば暖房運転または乾燥運転が行われるとき、送風手段によって、空気が吸い込まれ、その後この吸い込まれた空気は室内に吹き出される。そしてこのとき、室内に吹き出される空気は加熱手段によって加熱され、室内には温風が吹き出される。
【0010】
制御手段によって、加熱手段による加熱が間欠的とされ、室内の温度が制御される。この場合、温度検出手段で検出される室内の温度に基づき加熱手段による加熱が停止され、設定された所定時間の経過後に加熱手段による加熱が再開される。またこの場合、温度検出手段で検出される室内の温度が第1の温度となるに伴い加熱手段による加熱が停止され、加熱が停止された後、温度検出手段で検出される室内の温度の変化情報に基づいて設定された所定時間の経過後に加熱手段の加熱が再開される。これにより、室内温度が上限温度を越えることを確実に防止でき、また室内の温度が必要以上に低下することを防止できる。
【0011】
例えば、所定時間は、加熱手段で加熱が行われるときの室内の温度の変化情報に基づいて設定される。
【0012】
例えば、所定時間は、加熱手段による加熱が開始されるときに温度検出手段で検出される環境温度と、加熱手段による加熱が開始され、温度検出手段で検出される室内の温度が環境温度から第1の温度に変化するまでの時間(変化時間)とに基づいて求められる。この場合、例えば、環境温度および変化時間の種々の組み合わせに対する、室内温度が第1の温度から第2の温度に低下するまでの時間が、予め測定あるいは算出されて、ROM(テーブル)に記憶されており、このROMを参照して、所定時間が求められる。
【0013】
また例えば、所定時間は、加熱手段による加熱により、温度検出手段で検出される室内の温度が所定の温度から第1の温度に変化するまでの時間(変化時間)に基づいて求められる。この場合、例えば、種々の変化時間に対する、室内温度が第1の温度から第2の温度に低下するまでの時間が、予め測定あるいは算出されて、ROM(テーブル)に記憶されており、このROMを参照して、所定時間が求められる。
【0014】
また例えば、所定時間は、加熱手段による加熱が停止された後の室内の温度の変化情報に基づいて設定される。
【0015】
例えば、所定時間は、温度検出手段で検出される室内の温度が第1の温度なって加熱手段による加熱が停止され、温度検出手段で検出される室内の温度が第1の温度から所定の温度に変化するまでの時間(変化時間)に基づいて求められる。ここで、所定の温度が第1の温度と第2の温度との中間の温度である場合、所定時間は変化時間の2倍の時間とされる。
【0016】
この場合、加熱手段による加熱を停止することが第m回であるときの所定時間は、加熱手段による加熱を停止することが第m−1回であるときに、温度検出手段で検出される室内の温度が第1の温度から所定の温度に変化するまでの時間に基づいて求められた所定時間とされる。この場合、環境温度が変化した場合にも精度よく制御できる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、第1の温度となるとき室内に吹き出される空気の加熱を停止すること、およびこの加熱を停止した後所定時間の経過後に室内に吹き出される空気の加熱を再開することを交互に繰り返すように制御するものであり、室内温度が上限温度を越えることを確実に防止でき、また室内の温度が必要以上に低下することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1〜図3は、実施の形態としての浴室空調装置1Aの構成を示している。図1は、浴室空調装置1Aの内部構成を示す断面図である。図2は、フロントパネルを取り外した状態の浴室空調装置1Aを下面側から見た平面図である。図3は、浴室空調装置1Aの分解斜視図である。なお、図1Aは、浴室空調装置1Aを図2におけるA−A線で切断した断面図、図1Bは、浴室空調装置1Aを図2のB−B線で切断した断面図である。
【0020】
この浴室空調装置1Aは、空気を循環させる循環ファン部2と、空気を排気する換気ファン部3を備える。
【0021】
循環ファン部2は、送風手段を構成し、回転軸の向きを鉛直方向とした多翼の羽根車4と、この羽根車4を回転駆動する循環ファンモータ5と、風路を形成する循環ファンケース6とを備える。
【0022】
循環ファンケース6には、羽根車4の軸方向に沿った下面に、循環ファン吸込口7としての開口が形成される。また、この循環ファンケース6には、羽根車4の接線方向に沿って吹出風路8が形成されると共に、この吹出風路8と連通した下面に循環ファン吹出口9としての開口が形成される。
【0023】
換気ファン部3は、回転軸の向きを鉛直方向とした多翼の羽根車11と、この羽根車11を回転駆動する換気ファンモータ12と、風路を形成する換気ファンケース13とを備える。
【0024】
換気ファンケース13には、羽根車11の軸方向に沿った下面に、換気ファン吸込口14としての開口が形成される。また、換気ファンケース13には、羽根車11の接線方向に沿って排気風路15が形成されると共に、この排気風路15と連通した一の側面に排気口16としての開口が形成される。
【0025】
また、浴室空調装置1Aは、循環ファン部2にヒータ10を備える。このヒータ10は、加熱手段を構成しており、循環ファン吹出口9の近傍の吹出風路8に配設される。ヒータ10として、例えば、棒状のヒータ部材に長手方向に沿って多数のフィンが取り付けられた構成の、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いることができる。このヒータ10は、吹出風路8を通る空気が放熱フィンの間を通過するように、吹出風路8中に取り付けられる。
【0026】
また、浴室空調装置1Aは、循環ファン部2と換気ファン部3を収容する本体ケース17を備える。本体ケース17は、鉄等の金属部材で構成される。この本体ケース17には、循環ファン部2の上側に換気ファン部3が重なる形態で、これら循環ファン部2および換気ファン部3が取り付けられる。
【0027】
また、浴室空調装置1Aは、排気ダクトジョイント18aを備える。この排気ダクトジョイント18aは、本体ケース17の一の側面に、換気ファン部3の排気口16と連通するように、当該排気口16に取り付けられる。
【0028】
また、浴室空調装置1Aは、副吸収口17aと、副吸込ダクトジョイント18bとを備える。副吸収口17aは、排気口16の形成面以外の本体ケース17の他の側面に形成される。この副吸込口17aに、副吸込ダクトジョイント18bが取り付けられる。
【0029】
また、浴室空調装置1Aは、副吸込風路19を備える。この副吸込風路19は、循環ファン部2の上側に、この循環ファン部2の吹出風路8とは独立して形成される。この副吸込風路19は、副吸込口17aと換気ファン吸込口14とを連通させる。
【0030】
また、浴室空調装置1Aは、換気吸込風路形成部材20を備える。この換気吸込風路形成部材20は、換気ファン部3の下側に取り付けられる。この換気吸込風路形成部材20は、本体ケース17の下面側に換気吸込口20aとしての開口を有すると共に、換気吸込口20aと換気ファン吸込口14を連通させる換気吸込風路20bを有する。
【0031】
また、浴室空調装置1Aは、循環ファン吸込口7に、温度検出手段としての温度センサ21を備える。この温度センサ21は、循環ファン吸込口7から循環ファン部2に吸い込まれる空気の温度、つまり浴室内の温度を検出する。
【0032】
また、浴室空調装置1Aは、本体ケース17の下面にフロントパネル22を備える。フロントパネル22は、本体ケース17に対して着脱可能に構成される。このフロントパネル22には、循環ファン部2の循環ファン吸込口7および換気ファン部3と連通した換気吸込口20aと対向して吸込口グリル22aが形成される。また、フロントパネル22には、循環ファン部2の循環ファン吹出口9と対向して吹出口グリル22bが形成される。
【0033】
<浴室空調装置の設置例>
図4は、浴室空調装置1Aが設置された浴室の構成例を示している。浴室空調装置1Aは、浴室31の天井に設置される。浴室31の天井パネルには、浴室空調装置1Aの本体ケース17が入る開口部が形成されている。浴室空調装置1Aは、この開口部に、フロントパネル22が露出した状態で固定される。
【0034】
この浴室空調装置1Aの排気ダクトジョイント18aには、排気ダクト32が接続される。この排気ダクト32は図示しない建物の外壁33に取り付けた屋外グリル34に接続され、浴室空調装置1Aで浴室31等から吸い込んだ空気を排気ダクト32を介して屋外に排気できるようにされる。
【0035】
また、浴室空調装置1Aの副吸込ダクトジョイント18bには、副吸込ダクト35が接続される。この副吸込ダクト35は例えば洗面所36に設置された副吸込口37に接続され、洗面所36の空気を吸い込みできるようにされる。
【0036】
浴室空調装置1Aは、洗濯物等の被乾燥物を乾燥させる機能も備える。浴室31には、被乾燥物を掛けるランドリパイプ38が配設されている。ここで、浴室空調装置1Aの吹出口グリル22bから吹き出される空気が、浴槽31aから出て洗い場31bに居る入浴者に直接当たると、この入浴者に寒さを感じさせることがある。このため、吹き出し方向がランドリパイプ38側に向くように設定される。
【0037】
浴室31の入口には浴室ドア39が備えられる。この浴室ドア39には空気取入口(ガラリ)39aが形成され、隣接した洗面所36等の空気を浴室31内に取り込み可能とされている。
【0038】
<浴室空調装置の制御機能例>
図5は、浴室空調装置1Aの制御系を示している。浴室空調装置1Aは、CPU(Central Processing Unit)を有する制御部51を備えている。この制御部51に、操作部52、循環ファンモータ5、換気ファンモータ12、ヒータ10および温度センサ21が接続されている。
【0039】
制御部51は、制御手段を構成しており、図示しないメモリ等に格納されたプログラムに従って、例えば暖房運転モード、換気運転モード、乾燥運転モードおよび涼風運転モードを実行する。運転モードは、入浴者等の利用者が操作部52を操作することで選択される。制御部51は、選択された運転モードと、温度センサ21で検出された浴室21内の温度とに基づいて、循環ファンモータ5、換気ファンモータ12およびヒータ10を制御する。
【0040】
操作部52は、浴室空調装置1Aと独立したリモートコントロール装置で、例えば図4に示すように、浴室31に隣接した洗面所36の壁面等に取り付けられ、制御部51とは例えば電気ケーブルで接続される。
【0041】
図6は、操作部52の構成例を示している。操作部52には、表示部53と、各種操作ボタン等が配設されている。操作ボタンとして、暖房運転モードを選択する暖房ボタン54と、乾燥運転モードを選択する乾燥ボタン55と、換気運転モードを選択する換気ボタン56と、涼風運転モードを選択する涼風モードボタン57とがある。なお、選択された運転モードを視認させるため、操作部52には、各ボタンに対応してLED(Light Emitting Diode)等の発光素子58も配設されている。
【0042】
<暖房運転モード、乾燥運転モードの制御動作>
図7のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51の制御動作を示している。
【0043】
ステップST1で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0044】
次に、ステップST2で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0045】
次に、ステップST3で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST4で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0046】
次に、ステップST5で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB、例えば35℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TBに達したとき、ステップST6で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0047】
このステップST6の後、ステップST3に戻り、制御部51は、以下、上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0048】
図8は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m01には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時点m02には上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となる。
【0049】
そして、浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降し、時点m03には下限温度TB、例えば35℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Tbは例えば30℃となる。そして、浴室31内の温度が下限温度TBに達すると、ヒータ10の通電が再開されるので、浴室31内の温度は徐々に上昇し、時点m04には上限温度TAとなる。
【0050】
以下、浴室31内の温度は、上限温度TAから下限温度TBまで下降すること、および下限温度TBから上限温度TAまで上昇することを交互に繰り返し、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御される。
【0051】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。図9は、そのための割り込み制御を示している。
【0052】
ステップST11で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、割り込み制御を開始する。そして、ステップST12で、制御部51は、タイマー時間Tsをセットする。この時間Tsは、操作部52(図6参照)に備えられる図示しない設定キーを用いて、ユーザにより設定可能とされている。
【0053】
次に、ステップST13で、制御部51は、時間Tsが経過したか否かを判定する。時間Tsが経過したとき、制御部51は、ステップST14で、暖房運転モードの制御動作を停止し、つまり暖房運転を停止させ、その後、ステップST15で、割り込み制御の動作を終了する。
【0054】
暖房運転モードで、制御部51が、図7のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように良好に制御される。
【0055】
図10のフローチャートは、乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作を示している。
【0056】
ステップST21で、乾燥ボタン55が押され、乾燥オンとされることで、制御部51は、乾燥運転モードの制御動作を開始する。
【0057】
次に、ステップST22で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、ランドリパイプ38に掛けられた被乾燥物に温風が当たり、その乾燥が行われる。
【0058】
また、このステップST22で、制御部51は、換気ファンモータ12に通電する。この場合、換気ファン部3の羽根車11が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから、換気風路形成部材20によって形成された換気吸込風路20bを介して、換気ファン部3の換気ファン吸込口14に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、換気ファン吸込口14から吸い込まれた空気は、排気風路15によって排気口16へと流れる。そして、排気ダクトジョイント18aに接続された排気ダクト32から、屋外グリル34を介して屋外へ排気される。
【0059】
なお、浴室空調装置1Aで浴室31の空気が吸い込まれると、浴室ドア39の空気取入口39aから洗面所36の空気が浴室31内に取り込まれる。また、副吸込口37から副吸込ダクト35を介して、洗面所36の空気が換気ファン部3に吸い込まれ、屋外へ排気される。ここで、副吸込ダクトジョイント18bに図示しないダンパを備えて、洗面所36からの空気の吸い込みを停止できるようにしてもよい。
【0060】
次に、ステップST23で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA′、例えば50℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TA′に達したとき、ステップST24で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0061】
次に、ステップST25で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB′、例えば45℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TB′に達したとき、ステップST26で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0062】
このステップST26の後、ステップST23に戻り、制御部51は、以下、上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0063】
乾燥運転モードで、制御部51が、図10のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上述した暖房運転モードにおける温度変化と同様に(図8参照)、上限温度TA′と下限温度TB′との間にあるように良好に制御される。この場合、乾燥運転モードにおける上限温度TA′および下限温度TB′は、それぞれ暖房運転モードにおける上限温度TAおよび下限温度TBより高くされているため、被乾燥物の乾燥時間を短縮化できる。なお、暖房運転モードでは、上限温度をTA、下限温度をTBに設定されることで、入浴者にとって快適な温度とされる。
【0064】
なお、詳細説明は省略するが、制御部51は、上述した乾燥運転モードの制御動作を、暖房運転モードの制御動作と同様に、割り込み制御により、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0065】
<暖房運転モード、乾燥運転モードの他の制御動作>
図7に示す暖房運転モードの制御動作、および図10に示す乾燥運転モードの制御動作では、浴室31内の温度が上限温度TA,TA′に達するときヒータ10による加熱を停止し、浴室31内の温度が下限温度TB,TB′に達するときヒータ10による加熱を再開するが、ヒータ10による加熱を停止した後、所定時間経過後にヒータ10による加熱を再開するようにしてもよい。
【0066】
図11のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51の他の制御動作を示している。
【0067】
ステップST31で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0068】
次に、ステップST32で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度を計測する。この場合、浴室31は暖房される前の状態にあり、ここで計測される浴室31内の温度は環境温度TOである。
【0069】
次に、ステップST33で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0070】
次に、ステップST34で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST35で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0071】
次に、ステップST36で、制御部51は、環境温度TOから上限温度TAになるまでの時間t1を算出する。そして、ステップST37で、環境温度TOおよび時間t1に基づいて、ヒータ10への通電を停止する時間(ヒータオフ時間)t2を取得する。この場合、例えば、環境温度TOおよび時間t1の種々の組み合わせに対する、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間が、予め測定あるいは算出されて、ROM(テーブル)に記憶されており、このROMを参照して、時間t2が求められる。この時間t2は、外気温度、浴室断熱性能、浴室サイズ等が考慮されたものとなる。
【0072】
次に、ステップST38で、制御部51は、ステップST35でヒータ10への通電を停止してから時間t2が経過したか否かを判定する。時間t2が経過したとき、ステップST39で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0073】
次に、ステップST40で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST41で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0074】
次に、ステップST42で、制御部51は、ステップST41でヒータ10への通電を停止してから時間t2が経過したか否かを判定する。時間t2が経過したとき、ステップST39に戻り、制御部51は、以下、上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0075】
図12は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m11には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時間t1が経過した時点m12には上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となる。
【0076】
そして、浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、上述した環境温度TOおよび時間t1に基づいて取得された時間(ヒータオフ時間)t2が経過した時点m13で、下限温度TB、例えば35℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Tbは例えば30℃となる。そして、この時点m13で、ヒータ10の通電が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇し、時点m14には上限温度TAとなる。
【0077】
以下、浴室31内の温度は、上限温度TAから下限温度TBまで下降すること、および下限温度TBから上限温度TAまで上昇することを交互に繰り返し、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御される。
【0078】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0079】
暖房運転モードで、制御部51が、図11のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように良好に制御される。この場合、浴室31内の温度が上限温度TAに達するときヒータ10による加熱を停止するものであり、浴室31内の温度が上限温度TAを越えることを確実に防止できる。
【0080】
また、ヒータ10による加熱が停止されて、時間(ヒータオフ時間)t2が経過したときヒータ10による加熱が再開されるものであり、温度センサ21で浴室31内の温度の低下を正しく検出できない場合に、浴室31内の温度が必要以上に低下することを防止できる。
【0081】
なお、乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作は、ステップST33で循環ファンオンおよびヒータオン、さらに換気ファンオンの状態となる他は、図11の暖房運転モードの制御動作と同様である。ただし、上限温度はTA′、例えば50℃とされ、暖房運転モードにおける上限温度TA、例えば40℃より高くされ、また、下限温度はTB′、例えば45℃とされ、暖房運転モードにおける下限温度TB、例えば35℃より高くされる。また、制御部51は、この乾燥運転モードの制御動作も、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0082】
<暖房運転モード、乾燥運転モードのさらに他の制御動作>
図11に示す暖房運転モードの制御動作では、環境温度TOと、環境温度TOから上限温度TAになるまでの時間t1とに基づいて、ヒータ10への通電を停止する時間(ヒータオフ時間)t2を取得するものを示したが、所定の温度、例えば下限温度TBから上限温度TAになるまでの時間t3に基づいて、ヒータ10への通電を停止する時間(ヒータオフ時間)t4を取得するようにしてもよい。
【0083】
図13のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51のさらに他の制御動作を示している。
【0084】
ステップST51で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0085】
次に、ステップST52で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0086】
次に、ステップST53で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB、例えば35℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TBに達したとき、ステップST54で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。
【0087】
浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST55で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0088】
次に、ステップST56で、制御部51は、下限温度TBから上限温度TAになるまでの時間t3を算出する。そして、ステップST57で、制御部51は、時間t3に基づいて、ヒータ10への通電を停止する時間(ヒータオフ時間)t4を取得する。この場合、例えば、種々の時間t3に対する、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間が、予め測定あるいは算出されて、ROM(テーブル)に記憶されており、このROMを参照して、時間t4が求められる。
【0089】
次に、ステップST58で、制御部51は、ステップST55でヒータ10への通電を停止してから時間t4が経過したか否かを判定する。時間t4が経過したとき、ステップST59で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0090】
次に、ステップST60で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST61で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0091】
次に、ステップST62で、制御部51は、ステップST61でヒータ10への通電を停止してから時間t4が経過したか否かを判定する。時間t4が経過したとき、ステップST59に戻り、制御部51は、以下、上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0092】
図14は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m21には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時点m22には下限温度TB、例えば35℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Tbは例えば30℃となる。また、浴室31内の温度は、時点m23には上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となる。
【0093】
そして、浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、浴室31内の温度は、上述した時間t1に基づいて取得された時間(ヒータオフ時間)t4が経過した時点m24で、下限温度TB、例えば35℃となる。そして、この時点m24で、ヒータ10の通電が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇し、時点m25には上限温度TAとなる。
【0094】
以下、浴室31内の温度は、上限温度TAから下限温度TBまで下降すること、および下限温度TBから上限温度TAまで上昇することを交互に繰り返し、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御される。
【0095】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0096】
暖房運転モードで、制御部51が、図13のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように良好に制御される。この場合、浴室31内の温度が上限温度TAに達するときヒータ10による加熱を停止するものであり、浴室31内の温度が上限温度TAを越えることを確実に防止できる。また、ヒータ10による加熱を停止した後、所定の時間(ヒータオフ時間)t4が経過したとき、ヒータ10による加熱を再開するものであり、温度センサ21で浴室31内の温度の低下を正しく検出できない場合に、浴室31内の温度が必要以上に低下することを防止できる。
【0097】
なお、乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作は、ステップST52で循環ファンオンおよびヒータオン、さらに換気ファンオンの状態となる他は、図13の暖房運転モードの制御動作と同様である。ただし、上限温度はTA′、例えば50℃とされ、暖房運転モードにおける上限温度TA、例えば40℃より高くされ、また、下限温度はTB′、例えば45℃とされ、暖房運転モードにおける下限温度TB、例えば35℃より高くされる。また、制御部51は、この乾燥運転モードの制御動作も、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0098】
<暖房運転モード、乾燥運転モードの別の制御動作>
図11、図13に示す暖房運転モードの制御動作では、ヒータ10への通電を停止する時間(ヒータオフ時間)t2,t4が、ヒータ10で加熱が行われるときの浴室31内の温度の変化情報に基づいて設定されるものであったが、このヒータオフ時間を、ヒータ10による加熱が停止された後の浴室31内の温度の変化情報に基づいて設定されるようにしてもよい。
【0099】
図15のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51の別の制御動作を示している。
【0100】
ステップST71で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0101】
次に、ステップST72で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0102】
次に、ステップST73で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB、例えば35℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TBに達したとき、ステップST74で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。
【0103】
浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST75で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0104】
次に、ステップST76で、制御部51は、下限温度TBから上限温度TAになるまでの時間t3を算出する。そして、ステップST77で、制御部51は、時間t3に基づいて、ヒータ10への通電を停止する時間t4を取得する。この場合、例えば、種々の時間t3に対する、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間が、予め測定あるいは算出されて、ROM(テーブル)に記憶されており、このROMを参照して、時間t4が求められる。
【0105】
次に、ステップST78で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度がTCに達したか否かを判定する。ここで、温度TCは、例えば、下限温度TBと上限温度TAとの中間の温度とされる。つまり、TC=TB+(TA−TB)/2である。浴室31内の温度がTCに達したとき、ステップST79で、制御部51は、上限温度TAから温度TCになるまでの時間の2倍の時間t5を算出する。この時間t5は、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間となる。
【0106】
なお、温度TCは下限温度TBと上限温度TAとの中間の温度でなくともよい。その場合、温度TCの値に応じて上限温度TAから温度TCになるまでの時間にかける定数を変化させることで、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間t5を得ることができる。
【0107】
次に、ステップST80で、制御部51は、ステップST75でヒータ10への通電を停止してから時間t4が経過したか否かを判定する。時間t4が経過したとき、ステップST81で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0108】
次に、ステップST82で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST83で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0109】
次に、ステップST84で、制御部51は、ステップST83でヒータ10への通電を停止してから時間t5が経過したか否かを判定する。時間t5が経過したとき、ステップST81に戻り、制御部51は、以下、上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0110】
図16は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m31には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時点m32には下限温度TB、例えば35℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Tbは例えば30℃となる。また、浴室31内の温度は、時点m33には上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となる。
【0111】
浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、時点m34には浴室31内の温度がTCに達し、上限温度TAから温度TCになるまでの時間t5/2が求められる。そして、上述した時間t3に基づいて取得された時間t4が経過した時点m35で、浴室31内の温度は、下限温度TB、例えば35℃となる。そして、この時点m35で、ヒータ10の通電が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇し、時点m36には上限温度TAとなる。
【0112】
浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、時間t5が経過した時点m37で、ヒータ10の通電が再開される。
【0113】
以下、浴室31内の温度は、下限温度TBから上限温度TAまで上昇すること、および上限温度TAから下限温度TBまで下降することを交互に繰り返し、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御される。
【0114】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0115】
暖房運転モードで、制御部51が、図15のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように良好に制御される。この場合、浴室31内の温度が上限温度TAに達するときヒータ10による加熱を停止するものであり、浴室31内の温度が上限温度TAを越えることを確実に防止できる。
【0116】
また、ヒータ10による加熱を停止した後、所定の時間(ヒータオフ時間)t5が経過したとき、ヒータ10による加熱を再開するものであり、温度センサ21で浴室31内の温度の低下を正しく検出できない場合に、浴室31内の温度が必要以上に低下することを防止できる。
【0117】
また、時間(ヒータオフ時間)t5を、ヒータ10による加熱が停止された後の浴室31内の温度の変化情報、すなわち上限温度TAから温度TCになるまでの時間に基づいて求めるものであり、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに達するように、時間t5を精度よく設定できる。
【0118】
なお、乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作は、ステップST72で循環ファンオンおよびヒータオン、さらに換気ファンオンの状態となる他は、図15の暖房運転モードの制御動作と同様である。ただし、上限温度はTA′、例えば50℃とされ、暖房運転モードにおける上限温度TA、例えば40℃より高くされ、また、下限温度はTB′、例えば45℃とされ、暖房運転モードにおける下限温度TB、例えば35℃より高くされる。また、制御部51は、この乾燥運転モードの制御動作も、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0119】
<暖房運転モード、乾燥運転モードのさらに別の制御動作>
図15に示す暖房運転モードの制御動作では、最初に求められた時間(ヒータオフ時間)t5をその後に繰り返し用いるが、このヒータオフ時間が順次更新されるようにしてもよい。
【0120】
図17のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51のさらに別の制御動作を示している。
【0121】
ステップST91で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0122】
次に、ステップST92で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0123】
次に、ステップST93で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB、例えば35℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TBに達したとき、ステップST94で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。
【0124】
浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST95で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0125】
次に、ステップST96で、制御部51は、下限温度TBから上限温度TAになるまでの時間t3を算出する。そして、ステップST97で、制御部51は、時間t3に基づいて、ヒータ10への通電を停止する時間t4を取得する。この場合、例えば、種々の時間t3に対する、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間が、予め測定あるいは算出されて、ROM(テーブル)に記憶されており、このROMを参照して、時間t4が求められる。
【0126】
次に、ステップST98で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度がTCに達したか否かを判定する。ここで、温度TCは、例えば、下限温度TBと上限温度TAとの中間の温度とされる。つまり、TC=TB+(TA−TB)/2である。浴室31内の温度がTCに達したとき、ステップST99で、制御部51は、上限温度TAから温度TCになるまでの時間を2倍して時間t(0)を算出する。この時間t(0)は、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間となる。
【0127】
なお、温度TCは下限温度TBと上限温度TAとの中間の温度でなくともよい。その場合、温度TCの値に応じて上限温度TAから温度TCになるまでの時間にかける定数を変化させることで、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに低下するまでの時間t5を得ることができる。
【0128】
次に、ステップST100で、制御部51は、ステップST95でヒータ10への通電を停止してから時間t4が経過したか否かを判定する。時間t4が経過したとき、ステップST101で、制御部51は、m=0に設定する。そして、ステップST102で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。そして、ステップST103で、制御部51は、mをインクリメントする。
【0129】
次に、ステップST104で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST105で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0130】
次に、ステップST106で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度がTCに達したか否かを判定する。浴室31内の温度が温度TCに達したとき、ステップST107で、制御部51は、上限温度TAから温度TCになるまでの時間を2倍して時間t(m)を算出する。
【0131】
次に、ステップST108で、制御部51は、時間t(m-1)が経過したか否かを判定する。そして、時間t(m-1)が経過したとき、ステップST102に戻り、制御部51は、以下上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0132】
図18は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m41には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時点m42には下限温度TB、例えば35℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Tbは例えば30℃となる。また、浴室31内の温度は、時点m43には上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となる。
【0133】
浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、時点m44には浴室31内の温度がTCに達し、上限温度TAから温度TCになるまでの時間t(0)/2が求められる。そして、上述した時間t3に基づいて取得された時間t4が経過した時点m45で、下限温度TB、例えば35℃となる。そして、この時点m35で、ヒータ10の通電が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇し、時点m46には上限温度TAとなる。
【0134】
浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、時点m47には浴室31内の温度がTCに達し、上限温度TAから温度TCになるまでの時間t(1)/2が求められる。そして、時間t(0)が経過した時点m48で、ヒータ10の通電が再開される。
【0135】
以下、浴室31内の温度は、下限温度TBから上限温度TAまで上昇すること、および上限温度TAから下限温度TBまで下降することを交互に繰り返し、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御される。
【0136】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0137】
暖房運転モードで、制御部51が、図17のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように良好に制御される。この場合、浴室31内の温度が上限温度TAに達するときヒータ10による加熱を停止するものであり、浴室31内の温度が上限温度TAを越えることを確実に防止できる。
【0138】
また、ヒータ10による加熱を停止した後、所定の時間(ヒータオフ時間)t(m-1)が経過したとき、ヒータ10による加熱を再開するものであり、温度センサ21で浴室31内の温度の低下を正しく検出できない場合に、浴室31内の温度が必要以上に低下することを防止できる。
【0139】
また、時間(ヒータオフ時間)t(m-1)を、ヒータ10による加熱が停止された後の浴室31内の温度の変化情報、すなわち上限温度TAから温度TCになるまでの時間に基づいて求めるものであり、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに達するように、ヒータオフ時間t(m-1)を精度よく設定できる。
【0140】
また、時間(ヒータオフ時間)t(m-1)は、ヒータ10による加熱が停止される毎に更新されるものであり、環境温度(外気温度)の変化があっても、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBに達するように、ヒータオフ時間t(m-1)を精度よく設定できる。
【0141】
なお、乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作は、ステップST92で循環ファンオンおよびヒータオン、さらに換気ファンオンの状態となる他は、図17の暖房運転モードの制御動作と同様である。ただし、上限温度はTA′、例えば50℃とされ、暖房運転モードにおける上限温度TA、例えば40℃より高くされ、また、下限温度はTB′、例えば45℃とされ、暖房運転モードにおける下限温度TB、例えば35℃より高くされる。また、制御部51は、この乾燥運転モードの制御動作も、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0142】
<暖房運転モード、乾燥運転モードの別の制御動作>
図7に示す暖房運転モードの制御動作、および図10に示す乾燥運転モードの制御動作では、浴室31内の温度が上限温度TA,TA′に達するときヒータ10による加熱を停止し、浴室31内の温度が下限温度TB,TB′に達するときヒータ10による加熱を再開するが、加熱および停止の双方を時間で制御するようにしてもよい。
【0143】
図19のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51の別の制御動作を示している。
【0144】
ステップST111で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0145】
次に、ステップST112で、制御部51は、循環ファンモータ5に通電し、またヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の羽根車4が回転駆動され、フロントパネル22の吸込口グリル22aから循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0146】
次に、ステップST113で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB、例えば35℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TBに達したとき、ステップST114で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA、例えば40℃に達したか否かを判定する。
【0147】
浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST115で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。そして、ステップST116で、制御部51は、浴室31内の温度が下限温度TBから上限温度TAになるまでの時間t3を算出する。
【0148】
次に、ステップST117で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が下限温度TB、例えば35℃に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が下限温度TBに達したとき、ステップST118で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。そして、ステップST119で、制御部51は、浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBになるまでの時間t6を算出する。
【0149】
次に、ステップST120で、制御部51は、ステップST118でヒータ10への通電を再開してから時間t3が経過したか否かを判定する。時間t3が経過したとき、ステップST121で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。そして、ステップST122で、制御部51は、ステップST121でヒータ10への通電を停止してから時間t6が経過したか否かを判定する。
【0150】
時間t6が経過したとき、ステップST123で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。そして、その後、ステップST120に戻り、制御部51は、以下上述したと同様の動作を繰り返し行う。
【0151】
図20は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m51には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時点m52には下限温度TB、例えば35℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Tbは例えば30℃となる。また、浴室31内の温度は、時点m52から時間t3が経過した時点m53には上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となる。
【0152】
浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、時点m53から時間t6が経過した時点m54には下限温度TBとなる。
【0153】
浴室31内の温度が下限温度TBに達すると、ヒータ10の通電が再開されるので、浴室31内の温度は徐々に上昇する。そして、時点m54から時間t3が経過した時点m55でヒータ10の通電が停止される。この時点m55では、浴室31内の温度は上限温度TAとなる。また、この時点m55から時間t6が経過した時点m56でヒータ10の通電が再開される。この時点m56では、浴室31の温度は、下限温度TBとなる。
【0154】
以下、浴室31内の温度は、下限温度TBから上限温度TAまで上昇すること、および上限温度TAから下限温度TBまで下降することを交互に繰り返し、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように制御される。
【0155】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0156】
暖房運転モードで、制御部51が、図19のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように良好に制御される。この場合、ヒータ10に通電される時間t3を、実際にヒータ10による加熱が行われている状態で浴室31内の温度が下限温度TBから上限温度TAとなる時間とし、またヒータ10の通電が停止される時間t6を、実際にヒータ10による加熱が停止されている状態で浴室31内の温度が上限温度TAから下限温度TBとなる時間として、ヒータのオンオフが間欠的に行われるものであり、外気温度、浴室断熱性能、浴室サイズによらず、浴室31内の温度を上限温度TAと下限温度TBとの間にあるように精度よく制御できる。
【0157】
なお、乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作は、ステップST112で循環ファンオンおよびヒータオン、さらに換気ファンオンの状態となる他は、図19の暖房運転モードの制御動作と同様である。ただし、上限温度はTA′、例えば50℃とされ、暖房運転モードにおける上限温度TA、例えば40℃より高くされ、また、下限温度はTB′、例えば40℃とされ、暖房運転モードにおける下限温度TB、例えば35℃より高くされる。また、制御部51は、この乾燥運転モードの制御動作も、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0158】
<暖房運転モード、乾燥運転モードの別の制御動作>
図7に示す暖房運転モードの制御動作、および図10に示す乾燥運転モードの制御動作では、図11に示す暖房運転モードの制御動作、図13に示す暖房運転モードの制御動作、図15に示す暖房運転モードの制御動作、および図17に示す暖房運転モードの制御動作では、ヒータ10による加熱を停止した後、温度センサ21で検出された浴室31内の温度の変化情報に基づいて設定された所定時間の経過後にヒータ10による加熱を再開するものを示したが、加熱を停止した後、予め設定された所定時間の経過後にヒータ10による加熱を再開するようにしてもよい。
【0159】
図21のフローチャートは、暖房運転モードにおける制御部51の別の制御動作を示している。
【0160】
ステップST131で、暖房ボタン54が押され、暖房オンとされることで、制御部51は、暖房運転モードの制御動作を開始する。
【0161】
次に、ステップST132で、制御部51は、上述の動作と同様に循環ファンモータ5に通電し、ヒータ10に通電する。この場合、循環ファン部2の循環ファン吸込口7に浴室31内の空気が吸い込まれる。そして、循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって、循環ファン吹出口9へと流れる。そして、ヒータ10が通電されると、吹出風路8を通る空気が加熱され、フロントパネル22の吹出口グリル22bから浴室31内に、温風が吹き出される。これにより、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。
【0162】
次に、ステップST133で、制御部51は、温度センサ21の検出出力に基づいて、浴室31内の温度が上限温度TA(例えば、40℃)に達したか否かを判定する。浴室31内の温度が上限温度TAに達したとき、ステップST134で、制御部51は、ヒータ10への通電を停止する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が停止され、浴室31内の温度は徐々に下降していく。
【0163】
次に、ステップST135で、制御部51は、設定された時間t7(例えば、1分)が経過したか否かを判定する。例えば、この所定時間t7は、施工時に施工業者が浴室サイズ等に基づき、操作部52(図6参照)に設けた図示しないディップスイッチや操作部52の設定スイッチ等を操作することで、設定される。これにより、この所定時間t7を浴室サイズ等に対応したものとでき、ヒータ10への通電の停止によって、浴室31内の温度を上限温度TAから所定温度、例えば下限温度TBまで下降させることができる。
【0164】
この時間t7が経過したとき、ステップST136で、制御部51は、ヒータ10への通電を再開する。これにより、浴室31内に吹き出される空気の加熱が再開され、浴室31内の温度は徐々に上昇していく。このステップST136の後、ステップST133に戻り、制御部51は、以下上述と同様の動作を繰り返し行う。
【0165】
図22は、制御部51が上述したように制御動作を行った場合における、浴室31内の温度変化を示している。浴室31内の温度は、最初の時点m61には環境温度TOにあるが、循環ファンモータ5に通電され、またヒータ10に通電されて、循環ファンオンおよびヒータオンの状態となると、徐々に上昇し、時点m62には浴室31内の温度は上限温度TA、例えば40℃となる。なおこの場合、洗い場の温度Taは例えば35℃となるに達する。
【0166】
浴室31内の温度が上限温度TAに達すると、ヒータ10の通電が停止されるので、浴室31内の温度は徐々に下降する。そして、この時点m62から時間t7が経過した時点m63でヒータ10の通電が再開されるので、浴室31内の温度は徐々に上昇する。
【0167】
以下、浴室31内の温度は、ヒータ10の通電停止によって低下した所定温度から上限温度TAまで上昇すること、および上限温度TAからヒータ10の通電停止によって所定温度まで低下することを交互に繰り返す。
【0168】
なお、制御部51は、上述した暖房運転モードの制御動作を、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0169】
暖房運転モードで、制御部51が、図21のフローチャートに示す制御動作を行うことで、浴室31内の温度は、上限温度TAとそれより低い所定温度との間にあるように良好に制御される。
【0170】
乾燥運転モードにおける制御部51の制御動作は、ステップST132で循環ファンオンおよびヒータオン、さらに換気ファンオンの状態となる他は、図21の暖房運転モードの制御動作と同様である。ただし、上限温度はTA′、例えば50℃とされ、暖房運転モードにおける上限温度TA、例えば40℃より高くされる。また、制御部51は、この乾燥運転モードの制御動作も、割り込み制御により(図9参照)、タイマー時間Tsが経過した後に、自動的に停止する。
【0171】
<浴室空調装置の他の運転モードの制御動作>
次に、浴室空調装置1Aの他の運転モードにおける制御部51の制御動作を、各図を参照して説明する。
【0172】
図6に示す操作部52で換気ボタン56が押されると、制御部51は、換気運転モードが選択されたと判断して、換気ファンモータ12を駆動する。
【0173】
換気ファンモータ12が駆動されると、換気ファン部3の羽根車11が回転することで、フロントパネル22の吸込口グリル22aから、換気ファン吸込口14へ浴室31内の空気が吸い込まれる。
【0174】
換気ファン吸込口14から吸い込まれた空気は、排気風路15によって排気口16へと流れる。そして、排気ダクトジョイント18aに接続された排気ダクト32から、屋外グリル34を介して屋外へ排気される。
【0175】
なお、浴室空調装置1Aで浴室31の空気が吸い込まれると、浴室ドア39の空気取入口39aから洗面所36の空気が浴室31内に取り込まれる。また、副吸込口37から副吸込ダクト35を介して、洗面所36の空気が換気ファン部3に吸い込まれ、屋外へ排気される。ここで、副吸込ダクトジョイント18bに図示しないダンパを備えて、洗面所36からの空気の吸い込みを停止できるようにしてもよい。
【0176】
これにより、換気運転モードを実行することで、浴室31内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
【0177】
また、図6に示す操作部52で涼風ボタン57が押されると、制御部51は、涼風運転モードが選択されたと判断して、循環ファンモータ5と換気ファンモータ12を駆動する。なお、涼風運転モードでは、ヒータ10には通電しない。
【0178】
循環ファンモータ5が駆動されると、循環ファン部2の羽根車4が回転することで、フロントパネル22の吸込口グリル22aから、循環ファン吸込口7へ浴室31内の空気が吸い込まれる。
【0179】
循環ファン吸込口7から吸い込まれた空気は、吹出風路8によって循環ファン吹出口9へと流れる。涼風運転モードでは、ヒータ10に通電されていないので、フロントパネル22の吹出口グリル22bから、浴室31内の温度に応じた風(涼風)が吹き出される。
【0180】
また、換気ファンモータ12が駆動されると、換気ファン部3の羽根車11が回転することで、フロントパネル22の吸込口グリル22aから、換気ファン吸込口14へ浴室31内の空気が吸い込まれる。
【0181】
換気ファン吸込口14から吸い込まれた空気は、排気風路15によって排気口16へと流れる。そして、排気ダクトジョイント18aに接続された排気ダクト32から、屋外グリル34を介して屋外へ排気される。
【0182】
なお、浴室空調装置1Aで浴室31の空気が吸い込まれると、浴室ドア39の空気取入口39aから洗面所36の空気が浴室31内に取り込まれる。また、副吸込口37から副吸込ダクト35を介して、洗面所36の空気が換気ファン部3に吸い込まれ、屋外へ排気される。ここで、副吸込ダクトジョイント18bに図示しないダンパを備えて、洗面所36からの空気の吸い込みを停止できるようにしてもよい。
【0183】
これにより、涼風運転モードを実行することで、浴室31内の空気を換気しながら、浴室31内に涼風が吹き出され、浴室空調装置1Aを夏季等に扇風機として使用することができる。
【0184】
ここで、涼風運転モードでは、換気ファン部3は駆動せずに、浴室31内の空気を循環させながら涼風を吹き出すこととしてもよい。
【0185】
<変形例>
なお、上述実施の形態においては、ヒータ10への通電の停止を温度センサ21で検出された室内31内の温度に基づいて制御しているが、ヒータ10への通電からその通電を停止するまでの時間を設定された所定時間となるように制御することも考えられる。その場合、所定時間は、施工時に施工業者が浴室サイズ等に基づき、操作部52(図6参照)に設けた図示しないディップスイッチや操作部52の設定スイッチ等により設定してもよい。
【0186】
また、上述した実施の形態において、図11、図13、図15および図17に示す暖房運転モードの制御動作では、ヒータオフ時間t2,t4をROM(テーブル)を参照して得るものを示したが、近似式により算出するようにしてもよい。
【0187】
また、上述した実施の形態においては、温度センサ21で検出する温度は、ヒータ10の上流側である浴室31の空気の吸い込み温度であるが、温度センサ21で検出する温度は、これに限らず、ヒータ10の下流側で浴室31内に吹き出す空気の温度でもよい。
【0188】
また、上述実施の形態においては、浴室31内の温度が上限温度TAに達したときにヒータ10の通電を停止したが、この温度に基づいていれば、温度に達したときすぐでなく、所定時間が経過した後等で他の要素を踏まえたものであってもよい。また、ヒータの通電が再開する所定時間が経過後とは、所定時間が経過したときすぐでなくともよく、所定時間後であれば、他の要素を踏まえたものであってもよい。
【0189】
また、上述実施の形態における浴室空調装置1Aは、循環ファン部2と換気ファン部3を独立して備えた構成を例に説明したが、単一のファンと、換気と循環で風路を切り替えるダンパを備えた構成の浴室空調装置にも、この発明を適用できる。
【0190】
また、上述実施の形態においては、浴室に設置される浴室空調装置1Aの例を示したが、洗面所、トイレ等の他の室に設置される空調装置にも、この発明を同様に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0191】
この発明は、室内温度が上限温度を越えることを確実に防止でき、また室内の温度が必要以上に低下することを防止できるものであり、浴室等を暖房する機能や洗濯物等の被乾燥物を乾燥させる機能を有する室空調装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】実施の形態としての浴室空調装置の内部構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態としての浴室空調装置のフロントパネルを取り外した状態で下面側から見た平面図である。
【図3】実施の形態としての浴室空調装置の構成を示す分解斜視図である。
【図4】浴室空調装置が設置された浴室の構成例を示す図である。
【図5】浴室空調装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】浴室空調装置の操作部の構成例を示す図である。
【図7】暖房運転モードの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【図9】割り込み制御の制御動作を示すフローチャートである。
【図10】乾燥運転モードの制御動作を示すフローチャートである。
【図11】暖房運転モードの他の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【図13】暖房運転モードのさらに他の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【図15】暖房運転モードの別の制御動作を示すフローチャートである。
【図16】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【図17】暖房運転モードのさらに別の制御動作を示すフローチャートである。
【図18】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【図19】暖房運転モードの別の制御動作を示すフローチャートである。
【図20】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【図21】暖房運転モードの別の制御動作を示すフローチャートである。
【図22】暖房運転モードにおける浴室の温度変化を説明するための図である。
【符号の説明】
【0193】
1A・・・浴室空調装置、2・・・循環ファン部、3・・・換気ファン部、4・・・羽根車、5・・・循環ファンモータ、6・・・循環ファンケース、7・・・循環ファン吸込口、8・・・吹出風路、9・・・循環ファン吹出口、10・・・ヒータ、11・・・羽根車、12・・・換気ファンモータ、13・・・換気ファンケース、14・・・換気ファン吸込口、15・・・排気風路、16・・・排気口、17・・・本体ケース、17a・・・副吸込口、18a・・・排気ダクトジョイント、18b・・・副吸込ダクトジョイント、19・・・副吸込風路、20・・・換気風路形成部材、20a・・・換気吸込口、20b・・・換気吸込風路、21・・・温度センサ、22・・・フロントパネル、22a・・・吸込口グリル、22b・・・吹出口グリル、31・・・浴室、32・・・排気ダクト、34・・・屋外グリル、35・・・副吸込ダクト、36・・・洗面所、37・・・副吸込口、38・・・ランドリパイプ、39・・・浴室ドア、51・・・制御部、52・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込み室内に吸い込んだ空気を吹き出す送風手段と、
上記送風手段から吹き出される空気を加熱する加熱手段と、
上記室内の温度を検出する温度検出手段と、
上記送風手段および上記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、
上記温度検出手段で検出される上記室内の温度に基づき上記加熱手段による加熱を停止し、設定された所定時間の経過後に上記加熱手段による加熱を再開することを交互に繰り返すよう制御する
ことを特徴とする室空調装置。
【請求項2】
空気を吸い込み室内に吸い込んだ空気を吹き出す送風手段と、
上記送風手段から吹き出される空気を加熱する加熱手段と、
上記室内の温度を検出する温度検出手段と、
上記送風手段および上記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、
上記温度検出手段で検出される上記室内の温度が第1の温度となるに伴い上記加熱手段による加熱を停止することと、該加熱を停止した後、上記温度検出手段で検出される上記室内の温度の変化情報に基づいて設定された所定時間の経過後に上記加熱手段による加熱を再開することとを交互に繰り返し、上記室内の温度を制御する
ことを特徴とする室空調装置。
【請求項3】
上記所定時間は、上記加熱手段で加熱が行われるときの上記室内の温度の変化情報に基づいて設定される
ことを特徴とする請求項2に記載の室空調装置。
【請求項4】
上記所定時間は、
上記加熱手段による加熱が開始されるときに上記温度検出手段で検出される環境温度と、上記加熱手段による加熱が開始され、上記温度検出手段で検出される上記室内の温度が上記環境温度から上記第1の温度に変化するまでの時間とに基づいて求められる
ことを特徴とする請求項3に記載の室空調装置。
【請求項5】
上記所定時間は、
上記加熱手段による加熱により、上記温度検出手段で検出される上記室内の温度が所定の温度から上記第1の温度に変化するまでの時間に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項3に記載の室空調装置。
【請求項6】
上記所定時間は、上記加熱手段による加熱が停止された後の上記室内の温度の変化情報に基づいて設定される
ことを特徴とする請求項2に記載の室空調装置。
【請求項7】
上記所定時間は、
上記温度検出手段で検出される上記室内の温度が第1の温度なって上記加熱手段による加熱が停止され、上記温度検出手段で検出される上記室内の温度が上記第1の温度から所定の温度に変化するまでの時間に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項6に記載の室空調装置。
【請求項8】
上記加熱手段による加熱を停止することが第m回であるときの上記所定時間は、上記加熱手段による加熱を停止することが第m−1回であるときに、上記温度検出手段で検出される上記室内の温度が上記第1の温度から所定の温度に変化するまでの時間に基づいて求められた上記所定時間である
ことを特徴とする請求項7に記載の室空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−101010(P2007−101010A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−288805(P2005−288805)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】