説明

害虫駆除剤及び害虫駆除製剤

【課題】本発明は、殺虫成分を含んでいなくても、害虫の駆除効果が高い、害虫駆除剤及び害虫駆除製剤を提供する。
【解決手段】(A)成分:被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、(B)成分:界面活性剤とを含有する水性液であることよりなる。実質的に殺虫成分を含有しないことが好ましく、さらに1価の低級アルコールを10質量%以下含み、低級アルコール以外の有機溶媒を実質的に含まないことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除剤及び害虫駆除製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる家庭用の殺虫剤の分野において、有効成分(殺虫成分)の多くはピレスロイド系化合物である。このような殺虫剤は、ハエ、カ、ゴキブリ等の害虫の駆除を目的としている。ピレスロイド系化合物は、天然のピレスリン及びその誘導体であり、昆虫に対し微量で高い効果を発揮する。その作用機序としては、昆虫の神経系に作用し、刺激伝達物質あるいは伝達機構を阻害することが知られている。
【0003】
近年、殺虫成分に関する関心が高まり、殺虫成分を含まない害虫駆除剤が提案されている。
例えば、噴射後、一時的に初期粘着性を有すると共に、その後非粘着性となる樹脂組成物を有する虫類の捕獲用組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。この捕獲用組成物は、虫類に樹脂組成物が付着することで、飛翔や歩行ができないようにすることで、虫類を捕獲できる。
あるいは、第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤と、25℃で液状の炭化水素と、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エタノール及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒とを含有し、実質的に水及び殺虫成分を含まない殺虫剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−255603号公報
【特許文献2】特開2010−64978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、近距離から比較的大量に散布する必要があり、使用量や即効性の点で満足できるものではなかった。特に、空間を飛び回るハエやカ等の飛翔害虫に対する駆除効果が高く、かつ殺虫成分を実質的に含まない害虫駆除剤が求められていた。
また、特許文献2の発明は、飛翔害虫に対する駆除効果が高められているものの、害虫駆除剤には、さらなる駆除効果の向上が求められている。
そこで、本発明は、殺虫成分を含んでいなくても、害虫の駆除効果が高い、害虫駆除剤及び害虫駆除製剤を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の害虫駆除剤は、(A)成分:被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、(B)成分:界面活性剤とを含有する水性液であることを特徴とする。
実質的に殺虫成分を含有しないことが好ましく、さらに1価の低級アルコールを10質量%以下含有し、前記の1価の低級アルコール以外の有機溶媒を実質的に含有しないことがより好ましく、前記(A)成分は、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体及び/又はN,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン=N−オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体であることが好ましく、前記(B)成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0007】
本発明の害虫駆除製剤は、本発明の前記害虫駆除剤をトリガースプレー式容器に充填してなることを特徴とする。
本発明の害虫駆除製剤は、本発明の前記害虫駆除剤と、噴射剤とを内容物としてエアゾール式容器に充填してなることを特徴とする。
前記噴射剤はジメチルエーテルを含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の害虫駆除剤及び害虫駆除製剤は、殺虫成分を含んでいなくても、害虫の駆除効果の向上が図れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(害虫駆除剤)
本発明の害虫駆除剤は、(A)成分:被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と(B)成分:界面活性剤とを含有する水性液である。水性液とは、(A)成分及び/又は(B)成分が水に溶解した水溶液、(A)成分及び/又は(B)成分が水に分散した分散液を包含する概念である。
【0010】
害虫駆除剤の粘度は、その使用形態に応じて決定でき、例えば、害虫駆除剤をトリガースプレー式容器に充填し、トリガースプレー害虫駆除製剤とする場合には、60mPa・s以下とされる。また、例えば、害虫駆除剤をエアゾール式容器に充填し、エアゾール害虫駆除製剤とする場合には、60mPa・s以下とされる。なお、害虫駆除剤の粘度は、B型粘度計(No.2ローター、60rpm)で測定した値を意味する。
【0011】
害虫駆除剤の表面張力は、特に限定されないが、例えば、60mN/m以下が好ましい。60mN/m超であると、噴射された害虫駆除剤の粒径が過度に大きくなり、害虫駆除剤が噴射対象の気管や気門に進入しにくく、駆除効果が低下するおそれがある。
【0012】
<(A)成分:被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体>
本発明の(A)成分は、被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体である。(A)成分は、被膜形成能を有する高分子化合物として毛髪化粧料等に用いられる共重合体である。(A)成分としては、例えば、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(例えば、BASF社製:ウルトラホールドストロング等)、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液(例えば、互応化学工業株式会社製:プラスサイズAR−1005、L−9700等、大阪有機化学工業株式会社製:アニセットL−1000、HS−3000等)、ビニルピロリドン・アクリル酸ブチル・メタクリル酸共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコーン共重合体(例えば、BASF社製:ルビフレックスシルク等)等の陰イオン性高分子化合物、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(例えば、三菱化学株式会社製:ユカフォーマー202、ユカフォーマー104D、ユカフォーマーAMPHOSET、ユカフォーマーR205S、ユカフォーマーSM等)、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(例えば、日本エヌエスシー株式会社製:アンフォーマーSH701等)、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアミノエチル−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(例えば、大阪有機化学工業株式会社製:RAMレジン等)等の両性高分子化合物、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン=N−オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(例えば、三菱化学株式会社製:ダイヤフォーマーZ−711、ダイヤフォーマーZ−712、ダイヤフォーマーZ−631、ダイヤフォーマーZ−632、ダイヤフォーマーZ−651等)等が挙げられる。中でも、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン=N−オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体が好ましい。
(A)成分を含有することで、害虫駆除剤を飛翔害虫に噴射した際、飛翔害虫の翅の柔軟性を低下させ、飛翔能力を失わせたり、歩行害虫の歩行を困難にすることができる。また、害虫駆除剤が害虫の気門や気管に付着し、(A)成分が気門又は気管を塞ぐ被膜となり、害虫を窒息させる。
これらの(A)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0013】
害虫駆除剤中の(A)成分の含有量は、(A)成分の種類、用途等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜7質量%がより好ましく、0.3〜3質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が0.1質量%未満であると、駆除効果が不十分となるおそれがある。15質量%を超えると、害虫駆除剤の粘度が上昇し、害虫駆除剤を霧状に噴射できないおそれがある。加えて、害虫駆除剤を噴射した空間(噴射環境)、例えば、居住空間の床、壁、窓等を汚染したり、害虫駆除剤の保存安定性が損なわれるおそれがある。
【0014】
<(B)成分:界面活性剤>
本発明の(B)成分は、界面活性剤である。(B)成分を配合することで、(A)成分を水中に溶解又は分散すると共に、害虫駆除剤を害虫の気門や気管へ容易に進入させることができる。
【0015】
(B)成分としては、(A)成分を水に溶解又は分散できるものであればよく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤、カチオン性界面剤等が挙げられ、中でも、水に溶解しやすいことから、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、半極性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドがより好ましい。
【0016】
害虫駆除剤中の(B)成分の含有量は、(A)成分の含有量、(B)成分の種類等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜2.5質量%が好ましく、0.2〜1.8質量%がより好ましい。0.1質量%未満では、駆除効果が不十分となるおそれがある。2.5質量%を超えると、噴射環境を汚染したり、害虫駆除剤の保存安定性が損なわれるおそれがある。
【0017】
害虫駆除剤中の(A)成分と(B)成分との配合比率は、(A)成分の種類と(B)成分の種類とを勘案して決定でき、例えば、(A)/(B)で表される質量比(以下(A)/(B)比)は、0.03〜17が好ましく、0.08〜10がより好ましく、0.4〜5がさらに好ましい。0.03未満であると、害虫駆除剤の効力が低下するおそれがあり、17超であると、害虫駆除剤が散布された空間を汚染するおそれがある。
【0018】
<(C)成分:水>
害虫駆除剤における分散媒には、(C)成分:水が用いられる。害虫駆除剤は、(C)成分を分散媒とする水性液であることで、エアゾール害虫駆除製剤、トリガースプレー害虫駆除製剤等、各種の剤形に適用できる。加えて、害虫駆除剤を水性液とすることで、害虫駆除剤への引火を抑制できる。
(C)成分は、特に限定されず、水道水、井水や、蒸留、イオン交換、ろ過又はこれらを組み合わせて処理した精製水等が挙げられる。
【0019】
害虫駆除剤中の(C)成分の含有量は、(A)成分や(B)成分の溶解度等を勘案して決定でき、例えば、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が好ましい。害虫駆除剤中の(C)成分の含有量が多いほど、害虫駆除剤への引火を抑制できる。
【0020】
<(D)成分:低級アルコール>
本発明の害虫駆除剤には、低級アルコール(以下、(D)成分)を配合できる。(D)成分を配合することで、(A)成分及び(B)成分の(C)成分への親和性を高め、害虫駆除剤の保存安定性をより向上できる。
【0021】
(D)成分は、炭素数1〜6の1価のアルコールであり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。中でも、取り扱いが容易なことから、エタノールが好ましい。
【0022】
害虫駆除剤中の(D)成分の含有量は、(A)成分の種類や(B)成分の種類等を勘案して決定でき、例えば、10質量%以下が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましく、含有されていなくてもよい。10質量%以下であれば、害虫駆除剤への引火を抑制できる。0.1質量%以上であれば、(D)成分の配合効果を得られやすく、1質量%以上であれば、害虫駆除剤の増粘を抑制できる。
【0023】
<任意成分>
本発明の害虫駆除剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、安息香酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸等のハイドロトロープ剤等を配合してもよい。
【0024】
本発明の害虫駆除剤は、実質的に殺虫成分を含有しないことが好ましい。
ここで「殺虫成分」とは、殺虫剤指針の医薬品各条に収載されている有効成分、及び医薬品、医薬部外品、雑貨で承認・配合実績のある有効成分を意味する。
殺虫成分としては、公知の殺虫成分が挙げられ、例えば、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫成分、カーバメート系殺虫成分が挙げられる。
ピレスロイド系殺虫剤としては、例えば、メトフルトリン、dl,d−T80−アレスリン、フタルスリン、d−T80−フタルスリン、d,d−T80−プラレトリン、d,d−T98−プラレトリン、d−T80−レスメトリン、トランスフルトリン、イミプロトリン、シフェノトリン、d,d−T−シフェノトリン、エンペントリン、ペルメトリン、フェノトリン、エトフェンプロックス、ピレトリン等が挙げられる。
また、ピレスロイド系殺虫剤以外の殺虫成分として、例えば、フェニトロチオン、マラチオン等の有機リン系殺虫剤、プロポクスル、カルバリル等のカーバメート系殺虫剤、ケルセン、キノメチオネート、ヘキサチアゾクス等の殺ダニ剤、イミダクロプリド、ジノテフラン、クロチアジニン等のネオニコチノイド系殺虫剤等が挙げられる。
【0025】
本発明の害虫駆除剤は、(D)成分以外の有機溶媒を実質的に含有しないことが好ましい。害虫駆除剤は、有機溶媒を含有すると、引火しやすくなる。
このような有機溶媒としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル等の脂肪酸アルキルエステル、カプリル酸プロピレングリコール等の多価アルコール脂肪酸エステル、カルボキシル基を2つ以上有する脂肪酸と1価のアルコールからなるエステルである多塩基酸エステル、分子内に水酸基を有するヒドロキシ酸と1価のアルコールとのエステルであるヒドロキシ酸エステル、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、流動イソパラフィン、流動ポリイソブチレン、軽質流動イソパラフィン、流動ポリイソプレン、灯油、ケロシン、スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素等が挙げられる。
【0026】
<害虫駆除剤の製造方法>
本発明の害虫駆除剤は、常法によって製造することができ、例えば、各成分を混合して製造される。
【0027】
<使用方法>
本発明の害虫駆除剤の使用方法は、例えば、害虫駆除剤を霧状、シャワー状の液滴として、対象となる害虫に直接塗布するものである。
本発明の害虫駆除剤の使用形態としては、エアゾール式容器、トリガースプレー式容器、あるいは手押しポンプ、スクイズ等の吐出部材を備えた容器に害虫駆除剤を充填した害虫駆除製剤等が挙げられる。中でも、エアゾール式容器に害虫駆除剤を充填したエアゾール害虫駆除製剤、又はトリガースプレー式容器に害虫駆除剤を充填したトリガースプレー害虫駆除製剤とすることで、動きの速い害虫を容易に駆除することができる。
【0028】
≪エアゾール害虫駆除製剤≫
エアゾール害虫駆除製剤は、エアゾール式容器に害虫駆除剤と噴射剤とを内容物として充填したものである。エアゾール式容器としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、特開2008−63317号公報に記載のエアゾール式容器が挙げられる。
【0029】
噴射剤としては、化学工業用、医薬用、化粧品用等で通常使用されるものであれば特に限定されない。噴射剤としては、例えば、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ハロゲン化炭化水素等の液化ガス、窒素、圧縮空気、炭酸ガス、亜酸化窒素、アルゴン、ヘリウム等の圧縮ガスが挙げられ、中でも、DME、又はDMEとLPGの混合物が好ましい。これらの噴射剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、噴射剤をDMEとLPGとの混合物とする場合、噴射剤中のDMEの含有量は70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。70質量%未満であると、内容物が霧状にならない等、良好な噴射状態を得られないおそれがある。加えて、噴射剤中のLPGの含有量が多すぎると、害虫駆除剤は、噴射直後に泡を形成して飛散し、噴射環境を汚染すると共に、駆除対象に付着しにくくなる。これは、DMEが、水性液に対する高い相溶性を有し、噴射された害虫駆除剤の液滴中でガス化しないのに対し、LPGが、水性液に対し低い相溶性を有し、噴射された害虫駆除剤の液滴中でガス化して、害虫駆除剤を泡立てるためと考えられる。
【0030】
エアゾール害虫駆除製剤における害虫駆除剤と噴射剤との質量比は、噴射剤の種類等を勘案して決定できる。例えば、噴射剤として液化ガスを用いる場合、内容物中の噴射剤の含有量は、10〜40質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、内容物を霧状に噴射できる。
【0031】
噴射剤として圧縮ガスを用いる場合、圧縮ガスの含有量は、エアゾール式容器内の害虫駆除剤を霧状に噴射できる圧力になる量とされる。
【0032】
≪トリガースプレー害虫駆除製剤≫
トリガースプレー害虫駆除製剤は、トリガースプレー式容器に、害虫駆除剤を充填したものである。トリガースプレー式容器としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、特開2004−322078号公報に記載のトリガースプレー式容器が挙げられる。
【0033】
本発明の害虫駆除剤の適用対象は、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ等のゴキブリ類、アカイエカ、チカイエカ、コガタイエカ、ハマダラカ等の蚊成虫、ハエ成虫、ムカデ、クモ、ケムシ、アブ、ゲジ、ヤスデ、ワラジムシ、クロアリ、アカアリ、ダンゴムシ、カメムシ、シバンムシ、ユスリカ、チョウバエ、ユコバイ、ガ、チャタテムシ、ハサミムシ、ゴミムシ、カツオブシムシ、ノミ、トコジラミ(ナンキンムシ)等が挙げられる。中でも、主に飛翔によって移動する蚊成虫、ハエ成虫等の飛翔害虫に対し好適である。
【0034】
上述のとおり、本発明によれば、(A)成分が飛翔害虫の翅に付着することで、飛翔害虫の飛翔能力を失わせることができる。飛翔害虫は、翅を柔軟にしならせながら飛翔するため、(A)成分が翅に付着し被膜を形成すると、翅がしならなくなり飛翔能力を失う。こうして、飛翔能力を失った飛翔害虫は、落下する。落下した飛翔害虫、例えば蚊成虫等は餌を接種できず餓死する。また、(A)成分が歩行害虫に付着することで、歩行害虫の歩行を困難にできる。さらに、害虫の気門や気管に付着した(A)成分は、被膜を形成して気門又は気管を塞ぎ、害虫を窒息させる。
界面活性剤である(B)成分を含有することで、害虫駆除剤を水性液とすることができ、各種の剤形に適用できる。加えて、(B)成分を含有することで、害虫駆除剤を害虫の気門や気管へ容易に進入させることができ、害虫の駆除効率を向上できる。
ピレスロイド系化合物等の殺虫成分を含有しないため、安全に害虫を駆除できる。
【0035】
また、本発明によれば、トリガースプレー害虫駆除製剤又はエアゾール害虫駆除製剤とすることで、飛翔害虫を容易に駆除できる。
加えて、エアゾール害虫駆除製剤の噴射ガスがDMEを含有するため、害虫駆除剤を良好な霧状に噴射でき、飛翔害虫の駆除効果の向上が図れる。
【実施例】
【0036】
本発明について、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分:被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体>
A−1:ユカフォーマー202(N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、固形分;30質量%、溶媒;エタノール、粘度;100mPa・s/25℃、三菱化学株式会社製)
A−2:ユカフォーマー104D(N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、固形分;30質量%、溶媒;エタノール、粘度;180mPa・s/25℃、三菱化学株式会社製)
A−3:ユカフォーマーAMPHOSET(N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、固形分;50質量%、溶媒;エタノール、粘度;9000mPa・s/25℃、三菱化学株式会社製)
A−4:ユカフォーマーR205(N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、固形分;30質量%、溶媒;エタノール、粘度;140mPa・s/25℃、三菱化学株式会社製)
A−5:ユカフォーマーSM(N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、固形分;30質量%、溶媒;エタノール、粘度;700mPa・s/25℃、三菱化学株式会社製)
A−1〜A−5の粘度は、B型粘度計により求めた値である。
【0037】
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
A’−1:キサンタンガム(ケルザンT、ケルコ社製)
A’−2:ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(サンジェロース90L、大同化成工業株式会社製)
A’−3:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H、日本曹達株式会社製)
A’−4:カルボキシビニルポリマー(カーボポール980、BFグットリッチ社製)
A’−5:ゼラチン末(鹿1級、純正化学株式会社製)
【0038】
<(B)成分:界面活性剤>
B−1:ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル硫酸Na、平均EO鎖長2モル、原料高級アルコール;ネオドール23(商品名、シェルケミカルズ社製)
B−2:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(C14)(ライオン株式会社製)
B−3:ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル、平均EO付加モル数15モル、原料高級アルコール;ネオドール23、シェルケミカルズ社製)
B−4:ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド(アミゾール2L(商品名)、平均EO付加モル数2モル、川研ファインケミカル株式会社製)
B−5:ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキサイド(ライオンアクゾ株式会社製)
【0039】
<(C)成分:水>
C−1:精製水
【0040】
<(D)成分:低級アルコール>
D−1:エタノール
【0041】
<任意成分>
安息香酸ナトリウム:東亜合成化学株式会社製
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業株式会社製
【0042】
<噴射剤>
DME:ジメチルエーテル
LPG:液化石油ガス、0.15MPa/25℃
【0043】
(実施例1〜17、比較例1〜7)
表1〜2の組成に従い、各原料を混合して害虫駆除剤を調製した。調製した害虫駆除剤について、以下の基礎効力試験を行い、害虫駆除剤の効力を評価した。その結果を表1〜2に示す。なお、表中の配合量は、純分として記載されたものである。
表中の(D)成分の配合量は、(A)成分又は(A’)成分に由来するエタノール量を含むものとする。また、(A)成分又は(A’)の配合量は、固形分量(有効成分量)を記載した(以降において同じ)。
【0044】
<基礎効力試験>
≪試験方法≫
チカイエカ(メス、羽化後5日齢)1匹を氷冷麻酔後、電動微量滴下装置(Burkard Manufacturing Co.Ltd製)にセットした。チカイエカの再生状態を確認後、各例の害虫駆除剤0.5μLを翅上に滴下した。滴下後、砂糖水を含浸した脱脂綿入りのラミコンカップ(口径φ123×高さ95mm)内に移し、24時間後のチカイエカの状態を下記判定基準に従って採点した。各例の害虫駆除剤について、同様の試験を10回繰り返し、その合計点により下記判定基準に従って評価した。合計点が31点以上を有効と判断した。
【0045】
[判定基準]
5点 致死
4点 ノックダウン状態(仰天)
3点 ノックダウンはしないが、飛翔できない
2点 極短時間飛翔可能だが、すぐ係留する
1点 正常に飛翔する
【0046】
[評価基準]
45〜50点:極めて高い効力を示す
40〜44点:かなり高い効力を示す
31〜39点:高い効力を示す
21〜30点:やや効力が低い
10〜20点:効力が低い
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
表1〜2に示すように、(A)成分及び(B)成分を含有する実施例1〜17の害虫駆除剤は、基礎効力試験の結果がいずれも32点以上であり、害虫に対して良好な駆除効果を示した。一方、(A)成分を含有しない比較例1は、基礎効力試験の結果が26点であった。(B)成分を含有しない比較例2は、基礎効力試験の結果が20点であった。(A)成分に換えて(A’)成分を含有する比較例3〜7は、基礎効力試験の結果が24〜27点であった。また、比較例3、4は、固形物が析出していた。以上の結果から、(A)及び(B)成分を含有する本発明の害虫駆除剤は、液安定性に優れ、極めて高い駆除効果を発揮することが判った。
【0050】
(実施例18〜47、49、比較例8〜14)
表3〜5の組成に従い、各原料を混合し害虫駆除剤を調製した。調製した害虫駆除剤を表中の噴射剤と共に、下記仕様のエアゾール式容器に充填して、各例のエアゾール害虫駆除製剤とした。得られたエアゾール害虫駆除製剤について、準実地効力試験と汚染性の評価とを行い、その結果を表3〜5に示す。
【0051】
<エアゾール式容器の仕様>
バルブ:S13−N78HG7033’’31’’×135R(三谷バルブ株式会社製)
噴射ボタン:NB−61(三谷バルブ株式会社製)
【0052】
<準実地効力試験(飛行害虫)>
≪試験方法≫
6畳相当の実験室に、高さ約90cmの台上からクリーンカップ(φ76×高さ38mm)に入れたチカイエカ(メス、羽化後5日齢)1匹を実験室内に放った。飛び立ったチカイエカに対し、60cmの距離からエアゾール害虫駆除製剤を2秒間噴射した。噴射後、チカイエカの状態を下記判定基準に従い採点した。落下したチカイエカは、共栓付き試験管(φ15×83mm)に回収し、チカイエカの状態を下記判定基準により採点した。各例のエアゾール害虫駆除製剤について、同様の試験を5回繰り返し、その合計点を下記評価基準に従って評価した。合計点16点以上を有効と判断した。
【0053】
[判定基準]
5点:落下し、24時間以内に致死する
4点:落下し、24時間後においてもノックダウン状態(仰天)
3点:落下もしくは壁に係留し、24時間後においてノックダウンはしないが飛翔できない
2点:落下するが、24時間以内に再び飛翔する
1点:正常に飛翔する(落下しない)
【0054】
[評価基準]
23〜25点:極めて高い効力を示す
20〜22点:かなり高い効力を示す
16〜19点:高い効力を示す
10〜15点:やや効力が低い
5〜9点:効力が低い
【0055】
<準実地効力試験(歩行害虫)>
≪試験方法≫
6畳相当の実験室に、高さ約90cmの台上からクリーンカップ(φ76×高さ38mm)に入れたチャバネゴキブリ(オス)1匹を実験室内に放った。チャバネゴキブリに対し、60cmの距離からエアゾール害虫駆除製剤を2秒間噴射した。噴射後、チャバネゴキブリの状態を下記判定基準に従い採点した。各例のエアゾール害虫駆除製剤について、同様の試験を5回繰り返し、その合計点を下記評価基準に従って評価した。合計点16点以上を有効と判断した。
【0056】
[判定基準]
5点:歩行を停止し、10分以内に致死する
4点:歩行を停止し、10分後においてノックダウン状態(仰天)で、24時間後においてノックダウン状態又は致死
3点:歩行を停止し、10分後においてノックダウン状態で、24時間後において歩行するが衰弱している
2点:歩行を停止するが、24時間以内に試験前の状態に回復する
1点:歩行を停止しない
【0057】
[評価基準]
23〜25点:極めて高い効力を示す
20〜22点:かなり高い効力を示す
16〜19点:高い効力を示す
10〜15点:やや効力が低い
5〜9点:効力が低い
【0058】
<汚染性の評価>
5人のモニターが、ガラス板に向け各例のエアゾール害虫駆除製剤を1秒間噴射し、ガラス板の状態を下記判定基準に従い判定した。この際、ガラス板とエアゾール害虫駆除製剤との距離を2mとした。モニター5人の平均値(有効数字1桁)を算出し、平均値が3点以上を許容範囲と判定した。なお、汚染性の評価は、5回の準実地効力試験(飛翔害虫)又は5回の準実地効力試験(歩行害虫)の合計点が16点以上の例について行った。
【0059】
≪判定基準≫
5点:全く汚染されておらず、拭き取りの必要性を感じない
4点:わずかに汚染されているが、拭き取りの必要性を感じない
3点:やや汚染されているが、直ちに拭き取る必要性を感じない
2点:かなり汚染されており、拭き取る必要性を感じる
1点:非常に汚染されており、直ちに拭き取る必要性を感じる
【0060】
(実施例48)
表5の組成に従い、各原料を混合し害虫駆除剤を調製した。調製した害虫駆除剤を下記仕様のトリガースプレー式容器に充填して、トリガースプレー害虫駆除製剤とした。得られたトリガースプレー害虫駆除製剤について、準実地効力試験と汚染性の評価とを行い、その結果を表5に示す。なお、準実地効力試験(飛翔害虫)は、エアゾール害虫駆除製剤の2秒間の噴射に換えて、トリガースプレー害虫駆除製剤の2回のトリガー操作(噴射)とした。準実地効力試験(歩行害虫)は、エアゾール害虫駆除製剤の2秒間の噴射に換えて、トリガースプレー害虫駆除剤の4回のトリガー操作(噴射)とした。また、汚染性の評価では、エアゾール害虫駆除製剤の1秒間の噴射に換えて、トリガースプレー害虫駆除製剤のトリガー操作を2回とした。
【0061】
<トリガースプレー式容器の仕様>
AKSRMトリガー:噴口径=0.45mm、容量=300mL、吉野工業所株式会社製)
【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
エアゾール害虫駆除製剤又はトリガースプレー害虫駆除製剤で噴射できた実施例又は比較例においては、実施例46、47を除き、いずれも準実地効果試験(飛翔害虫)でチカイエカが落下した。従って、準実地効力試験の評価は、共栓付き試験管に回収したチカイエカを観察したものである。
表3〜5に示すとおり、(A)成分及び(B)成分を含有する実施例18〜49は、準実地効果試験(歩行害虫)の結果がいずれも16点以上であった。加えて、エアゾール害虫駆除製剤のうち、噴射剤中のDME含有量が70質量%以上である実施例18〜41、43〜45は、準実地効力試験(飛翔害虫)の結果がいずれも16点以上であった。
噴射剤中のLPG含有量が40質量%である実施例46において、準実地効力試験(飛翔害虫)5回の結果は、4点、4点、2点、1点、1点(計12点)であった。即ち、準実地効力試験(飛翔害虫)5回中、2回は、チカイエカが落下しないものであった。この実施例46の結果は、内容物が噴射直後に泡立ち、飛翔害虫へ害虫駆除剤を良好に噴射できなかったためである。
また、噴射剤をLPG100質量%とした実施例47において、準実地効力試験(飛翔害虫)5回の結果は、4点、2点、1点、1点、1点(計9点)であった。即ち、準実地効力試験(飛翔害虫)5回中、3回は、チカイエカが落下しないものであった。この実施例47の結果は、内容物が噴射直後に泡立ち、飛翔害虫へ害虫駆除剤を良好に噴射できなかったためである。
表5に示すとおり、(A)成分を含有しない比較例8は、準実地効力試験(飛翔害虫)の結果が11点、準実地効力試験(歩行害虫)の結果が10点であった。また、(A)成分に換えて(A’)成分を含有する比較例10、11、13は、準実地効力試験(飛翔害虫)の結果が10〜11点、準実地効力試験(歩行害虫)の結果が10〜11点であった。
なお、比較例9、12については、内容物を噴射できなかった。
以上の結果から、(A)及び(B)成分を含有する本発明のエアゾール害虫駆除製剤は、液安定性に優れ、極めて高い駆除効果を発揮することが判った。加えて、噴射剤中のLPG含有量を30質量%以下とすることで、飛翔害虫に対する駆除効果を向上できることが判った。さらに、本発明の害虫駆除剤は、その駆除効果が維持されたまま、LPGやDMEを用いない剤形である、トリガースプレー害虫駆除製剤又は窒素ガスを噴射剤としたエアゾール害虫駆除剤へ適用できることが判った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:被膜形成能を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、
(B)成分:界面活性剤とを含有する水性液である害虫駆除剤。
【請求項2】
実質的に殺虫成分を含有しない、請求項1に記載の害虫駆除剤。
【請求項3】
さらに、1価の低級アルコールを10質量%以下含有し、前記の1価の低級アルコール以外の有機溶媒を実質的に含有しない、請求項1又は2に記載の害虫駆除剤。
【請求項4】
前記(A)成分は、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体及び/又はN,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン=N−オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の害虫駆除剤。
【請求項5】
前記(B)成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の害虫駆除剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の害虫駆除剤をトリガースプレー式容器に充填してなる害虫駆除製剤。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の害虫駆除剤と、噴射剤とを内容物としてエアゾール式容器に充填してなる害虫駆除製剤。
【請求項8】
前記噴射剤はジメチルエーテルを含有する、請求項7に記載の害虫駆除製剤。


【公開番号】特開2012−97004(P2012−97004A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244018(P2010−244018)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】