説明

家庭内受供給電システム

【課題】単に、太陽電池パネルで昼間発電された電力を夜間に宅内に供給したり、発電量の多い昼間に余剰の電力を電力会社に供給して売却するため、電力の使用効率が悪い。
【解決手段】電力を受給供給する二次電池20と、二次電池20と電力の受供給を行うとともに、外部から電力を受給する配電器18と、自家発電する太陽電池パネル19と、宅内配線を介して、自家発電量と家庭内の機器で消費される家庭内消費電力量とを監視し、自家発電量が家庭内消費電力量よりも多い場合、自家発電量と家庭内消費電力量との差分を二次電池20に供給し、自家発電量が消費電力量よりも小さい場合、二次電池20に電力が充電されている場合は、二次電池20から電力を受給し、二次電池20に電力が充電されていない場合は、外部から電力を受給するよう配電器18を制御する家庭内サーバ11と、からなる家庭内受供給電システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内受給電システムに関し、特に、自家発電量と家庭内消費電力量の大小および二次電池の充電状態に基づき、二次電池および外部との電力の受給電を制御する家庭内受給電システムにおける省電力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自然エネルギー利用発電システムは、例えば太陽光利用発電で、昼間の発電エネルギーを蓄電池に蓄積しておき、夜間にその蓄電池のエネルギーを利用して照明に利用するものや、昼間の余剰の発電エネルギーを電力会社に流して電力を売却するシステムは存在している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図6は、前記非特許文献1に記載された従来の自然エネルギー利用発電システムを示すものである。
【0004】
図6において、二次電池20は、太陽電池パネル19で昼間発電された電力を、夜間に配電器18を経由して宅内100の機器に供給したり、発電量の多い昼間に余剰の電力を配電器18を切り替えて電力会社2に供給して売却する、等の運用を可能にしていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】丹 康雄(北陸先端科学技術大学院大学 教授)著「スマートハウス構築のためのホームネットワーク技術2011」インプレスR&D出版、2011年5月12日 (5.5 アンテナ線通信技術)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、家庭内の発電量と消費電力量の大小や二次電池の蓄積状態に係らず、単に、太陽電池パネルで昼間発電された電力を夜間に宅内に供給したり、発電量の多い昼間に余剰の電力を電力会社に供給して売却するため、電力の使用効率が悪いという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、家庭内受給電システムに関し、特に、自家発電量と家庭内消費電力量の大小および二次電池の充電状態に基づき、二次電池および外部との電力の受給電を制御する家庭内受給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の家庭内受給電システムは、電力を受給および供給する二次電池と、前記二次電池と電力の受供給を行うとともに、外部から電力を受給する配電器と、自家発電する自家発電器と、宅内配線を介して、前記自家発電器で自家発電される自家発電量と、家庭内の1以上の機器で消費される家庭内消費電力量と、とを監視し、前記自家発電量が前記家庭内消費電力量よりも多い場合、前記自家発電量と前記家庭内消費電力量との差分を前記二次電池に供給し、前記自家発電量が前記消費電力量よりも小さい場合、前記二次電池に電力が充電されている場合は、前記二次電池から電力を受給し、前記二次電池に電力が充電されていない場合は、外部から電力を受給するよう前記配電器を制御する家庭内サーバと、からなる。
【0009】
また、本発明の家庭内受給電システムにおける前記家庭内サーバは、家庭内ネットワークを介して、1以上のクライアントと接続され、前記クライアントは、前記機器と接続され、前記自家発電量が前記家庭内消費電力量よりも小さい場合、前記クライアントおよび前記機器を省電力モードに切り替えることを特徴とする。
【0010】
本発明の家庭内受給電システムによれば、自家発電量と家庭内消費電力量の大小および二次電池の充電状態に基づき、二次電池および外部との電力の受給電を制御するので、電力の使用効率が良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の家庭内受給電システムによれば、自家発電量と家庭内消費電力量の大小および二次電池の充電状態に基づき、二次電池および外部との電力の受給電を制御するので、電力の使用効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1における家庭内受給電システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例1における家庭内受給電システムの家庭内サーバの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施例1における家庭内受給電システムの家庭内サーバが保持する電力料金を示す図
【図4】本発明の実施例1における家庭内受給電システムのテレビでの通知内容を示す図
【図5】本発明の実施例1における家庭内受給電システムの動作を示すフローチャート
【図6】従来の自然エネルギー利用発電システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1における家庭内受給電システムの構成を示すブロック図である。なお、図1において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する場合がある。
【0015】
図1において、家庭内受供給電システム1は、STB(家庭内サーバ)11、テレビ12、STB(クライアント)13、テレビ14、エアコン15、電子レンジ16、冷蔵庫17、配電器18、太陽電池パネル19および二次電池20とから構成される。また、家庭内受供給電システム1は、配電器18を介して、電力会社2と送電網で接続されている。
【0016】
STB(家庭内サーバ)11とSTB(クライアント)13は、同軸のCATVケーブルで接続されており、STB(家庭内サーバ)11、STB(クライアント)13には、それぞれテレビ12、テレビ14が、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルで接続され、全体としてMoCA(Multimedia over Coax Alliance)と呼ばれる家庭内ネットワークを形成している。また、STB(家庭内サーバ)11、テレビ12、STB(クライアント)13、テレビ14、エアコン15、電子レンジ16および冷蔵庫17は、太陽電池パネル19、二次電池20、電力会社2のいずれかから、配電器18経由で宅内配線を通じて電源を供給されている。
【0017】
配電器18は、電力会社2、太陽電池パネル19および二次電池20と送電網で接続されており、STB(家庭内サーバ)11からの制御に基づき、電力会社2からの受電、二次電池20との受給電を切り替える機能を有している。
【0018】
図2は、本発明の実施例1における家庭内受給電システムの家庭内サーバの構成を示すブロック図である。
【0019】
また、図3は、本発明の実施例1における家庭内受給電システムの家庭内サーバが保持する電力料金を示す図である。
【0020】
STB(家庭内サーバ)11は、制御部111および記憶部112からなる。
【0021】
制御部111は、STB(家庭内サーバ)11全体を制御する。例えば、制御部111は、配電器18と相互接続が可能なインターフェイスとしてイーサネット(登録商標)を有しており、イーサケーブルで配電器18と接続されている。制御部111は、このイーサケーブルを介して配電器18経由で太陽電池パネル19の発電量(以降、自家発電量ともいう)および二次電池20の充電状態を監視するとともに、宅内配線を通じて、自身も含む家庭内の機器(ここでは、STB(家庭内サーバ)11、テレビ12、STB(クライアント)13、テレビ14、エアコン15、電子レンジ16、冷蔵庫17)で消費される電力量(以降、家庭内消費電力量ともいう)を監視し、記憶部112に保持する昼間・夜間の電力料金と、自家発電量、家庭内消費電力量および二次電池20の充電状態に応じて、二次電池20および電力会社2との電力の受給電を制御する。
【0022】
また、STB(家庭内サーバ)11、テレビ12、STB(クライアント)13およびテレビ14は、通常モードと省エネモードの少なくとも2つの動作モードを持っており、制御部111は、自身とテレビ12、STB(クライアント)13およびテレビ14に対して動作モードの切り替えを指示することができ、また自身とテレビ12、STB(クライアント)13およびテレビ14の画面に、通常の番組表示にかぶせて、任意の時間に任意のテロップを一定時間出力することができる。
【0023】
記憶部112は、図3に示す、昼間および夜間の季節ごとの電力料金を保持している。昼間の電力料金は夜間の電力料金よりも高く、また、夏・冬の電力料金は春・秋の電力料金よりも高くおく料金体系に設定されている。
【0024】
なお、本実施例1において、二次電池20が二次電池の一例に相当し、配電器18が配電器の一例に相当し、太陽電池パネル19が自家発電器の一例に相当し、STB(家庭内サーバ)11が家庭内サーバの一例に相当する。
【0025】
次に、家庭内受供給電システム1の動作について、図1から図5を用いて説明する。
【0026】
図4は、本発明の実施例1における家庭内受給電システムのテレビでの通知内容を示す図である。
【0027】
図5は、本発明の実施例1における家庭内受給電システムの動作を示すフローチャートである。
【0028】
制御部111は、自家発電量と家庭内消費電力量の大小を比較する(ステップS51)。ここで、自家発電量とは、先に述べた通り、太陽電池パネル19の発電量である。また、家庭内消費電力量とは、先に述べた通り、STB(家庭内サーバ)11を含む家庭内の機器(ここでは、STB(家庭内サーバ)11、テレビ12、STB(クライアント)13、テレビ14、エアコン15、電子レンジ16、冷蔵庫17)で消費される電力量である。
【0029】
制御部111は、自家発電量が家庭内消費電力量よりも大きい場合(ステップS51でYes)、二次電池20の充電状態を確認する(ステップS52)。制御部111は、二次電池20の充電状態がフル充電状態(つまり、二次電池20が100%充電されている状態)であると(ステップS52でYes)、自家発電量と家庭内消費電力量の差分を電力会社2に売却する(ステップS53)。一方、制御部111は、二次電池20の充電状態がフル充電状態でない(つまり、二次電池20にまだ充電する余地がある状態)であると(ステップS52でNo)、自家発電量と家庭内消費電力量の差分を二次電池20に供給し、二次電池20の充電を行う。
【0030】
一方、制御部111は、自家発電量が家庭内消費電力量よりも小さい場合(ステップS51でNo)、現在の時刻が昼間か夜間かを確認する(ステップS55)。昼間は、例えば、午前6時から午後6時、夜間は、例えば、午後6時から翌日の午前6時である。
【0031】
制御部111は、現在の時刻が昼間であると判断すると(ステップS55で昼間)、二次電池20の充電状態を確認する(ステップS56)。制御部111は、二次電池20の充電状態が充電残量なしと判断すると(ステップS56でNo)、電力会社2から電力の受給を開始するとともに、家庭内のテレビ12(またはテレビ14、または両方でもよい)の画面に図4(a)のメッセージを表示させる。また、制御部111は、自身を含むテレビ12、STB(クライアント)13およびテレビ14の動作モードを通常モードから省エネモードに変更するように制御する(ステップS57)。一方、制御部111は、二次電池20の充電状態が充電残量ありと判断すると(ステップS56でYes)、二次電池20から電力の受給を開始するとともに、家庭内のテレビ12(またはテレビ14、または両方でもよい)の画面に図4(b)のメッセージを表示させる。また、制御部111は、自身を含むテレビ12、STB(クライアント)13およびテレビ14の動作モードを通常モードから省エネモードに変更するように制御する(ステップS58)。続いて、制御部111は、二次電池20の充電残量が所定の閾値(例えば、フル充電状態の15%)以下になったか否かを監視する(ステップS59)。制御部111は、二次電池20の充電残量が所定の閾値以下になると(ステップS59でYes)、家庭内のテレビ12(またはテレビ14、または両方でもよい)の画面に図4(c)のメッセージを表示させる。
【0032】
また、制御部111は、現在の時刻が夜間であると判断すると(ステップS55で夜間)、ステップS57に進み、ステップS57での動作は既に説明したとおりである。
【0033】
以上、本発明の家庭内受給電システムによれば、家庭内の発電量と消費電力量の大小および二次電池の充電状態に基づき、二次電池および外部との電力の受給電を制御するので、電力の使用効率が良い。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の家庭内受給電システムによれば、家庭内の発電量と消費電力量の大小および二次電池の充電状態に基づき、二次電池および外部との電力の受給電を制御するので、電力の使用効率が良く、家庭内における受給電の制御技術として有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 家庭内受供給電システム
2 電力会社
11 STB(家庭内サーバ)
12 テレビ
13 STB(クライアント)
14 テレビ
15 エアコン
16 電子レンジ
17 冷蔵庫
18 配電器
19 太陽電池パネル
20 二次電池
111 制御部
112 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を受給および供給する二次電池と、
前記二次電池と電力の受供給を行うとともに、外部から電力を受給する配電器と、
自家発電する自家発電器と、
宅内配線を介して、前記自家発電器で自家発電される自家発電量と、家庭内の1以上の機器で消費される家庭内消費電力量と、とを監視し、
前記自家発電量が前記家庭内消費電力量よりも多い場合、
前記自家発電量と前記家庭内消費電力量との差分を前記二次電池に供給し、
前記自家発電量が前記消費電力量よりも小さい場合、
前記二次電池に電力が充電されている場合は、前記二次電池から電力を受給し、
前記二次電池に電力が充電されていない場合は、外部から電力を受給するよう
前記配電器を制御する家庭内サーバと、
からなる家庭内受供給電システム。
【請求項2】
前記家庭内サーバは、
家庭内ネットワークを介して、1以上のクライアントと接続され、
前記クライアントは、前記機器と接続され、
前記自家発電量が前記家庭内消費電力量よりも小さい場合、
前記クライアントおよび前記機器を省電力モードに切り替える
ことを特徴とする請求項1記載の家庭内受供給電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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