家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法
【課題】 市販のキッチン容器を用いて、家庭内環境で出来る安価で、かつ容易に、効率よく播種・育苗する。
【解決手段】透明の蓋2と容器本体3とからなる箱状のキッチン容器1の容器本体3に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざる4を、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播いた後、蓋をして発芽させ、発芽すると蓋を開けておく時間を徐々に長くし、十分に発芽して苗になると、用土の入った水切り用のざるを水に浸した後、苗を抜き、この苗を十分に吸水させた用土の入った調理用バットに収まるよう分割・切断したプラグトレイに移植し、移植後、プラグトレイ内に根の回った苗を抜き、ポットに定植する。
【解決手段】透明の蓋2と容器本体3とからなる箱状のキッチン容器1の容器本体3に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざる4を、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播いた後、蓋をして発芽させ、発芽すると蓋を開けておく時間を徐々に長くし、十分に発芽して苗になると、用土の入った水切り用のざるを水に浸した後、苗を抜き、この苗を十分に吸水させた用土の入った調理用バットに収まるよう分割・切断したプラグトレイに移植し、移植後、プラグトレイ内に根の回った苗を抜き、ポットに定植する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内環境が植物の発芽環境(20℃前後)に最適である事に着目してなされたもので、市販のキッチン容器を用いて、家庭内環境において容易に、安価でかつ効率よく省スペース、省エネルギーで草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗を行なうことができる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
草花、野菜、ハーブ等を播種・育苗するために、家庭内環境で水や用土を使用すると、汚れたり、不衛生になったりする。また、従来の方法では播種・育苗に広い場所を必要とする。また、容器が大型化して重くなり、移動が大変であるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−148943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)解決しようとする問題点は、従来の方法による屋外での播種・育苗では季節や天候に大きく影響され、またビニールハウス等での播種・育苗では大掛かりな場所・設備・コストが必要となる。
(2)播種専用用土内には乾燥ピートモス等の素材があり吸水処理に時間を要しまた、労力、コストも要した。
(3)従来の播種・育苗法では種子の発芽率の問題からプラグトレイに多めに播種し、発芽後に間引く手法を用いた為効率が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)栽培容器を家庭内環境に合わせる事で上記の課題は解決した。
(2)本発明は、太陽光を通す透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器と、この容器内に納まる水切り用のざるとを用いて、家庭内環境で出来る播種・育苗することを最も主要な特徴とする。
(3)熱湯・吸水等、水の温度差と水の性質をうまく利用する事で、容器内の雑菌の繁殖を抑え、繊細な根を傷めず、移植がスムースに出来るようになった。
(4)播種用プラグトレイを安価な家庭用の調理用バットに収められる大きさに分割・切断する事で省スペースで屋内作業が可能となった。
【0006】
本発明の家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法は、透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器の容器本体に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざるを、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播いた後、蓋をして発芽させ、発芽すると蓋を開けておく時間を徐々に長くすることを特徴としている。
【0007】
この方法において、十分に発芽して苗になると、用土の入った水切り用のざるを水に浸した後、苗を抜き、この苗を十分に吸水させた用土の入った調理用バットに収まるよう分割・切断したプラグトレイに移植する。
また、この方法において、移植後、プラグトレイ内に根の回った苗を抜き、ポットに定植する。
【0008】
さらに詳しく説明すると、透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器の容器本体に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざるを、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播く。蓋をして植物の発芽の必須条件である容器内の温度・湿度・光を一定に保てる事、また加湿を防ぐ為に蓋に穴を開けている事を特徴としている。
この方法において、十分に発芽した苗になると、用土に入った水切り用のざるに十分に水に浸した後、ピンセット等でそっと苗を抜き、この苗を調理用バット内の十分に吸水させた用土の入った分割したプラグトレイに移植する。
また、この方法において、十分に吸水させた用土の入ったプラグトレイに割りばしやピンセットで穴をあけてから苗を植え込みプラグトレイを静かに持ち上げると底からの排水と同時に吸い込まれるように根と土が馴染み活着が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)市販のキッチン容器を用いるので、安価で、かつ容易に、効率がよく多種・大量の栽培も可能で、しかも、家庭内環境で播種・育苗することができる点にある。
(2)作業や保管に広い場所を必要とせず、容器等を容易に移動することができる。
(3)用土を予め入れておいた水切り用のざるを、容器本体の熱湯の中に沈めることにより、用土中の雑菌の殺菌ができるとともに、用土への水(湯)の吸収が迅速に行われる。(4)寒暖の差の少ない家庭内環境が植物の発芽環境(20℃前後)に最適であり、その環境を利用するため、コストもかからず、省エネルギーでもある。
(5)発芽した苗の用土を十分に水を浸透させる事で繊細な根を傷める事無く移植する事ができるため移植不可能といわれる植物も栽培が可能である。 (6)プラグトレイを調理用バットに入る大きさに分割・切断する事により省スペースで室内作業ができ、効率も良く、移動も容易となる。また、移植先の分割したプラグトレイの用土も十分に水を浸透させる事で繊細な根も負担なく移植する事ができる。
(7)キッチン容器の蓋に穴をあける事により結露対策となり、カビの発生を防ぐ事ができる。 (8)移動が容易であるため、播種時期を逸した場合は、冬期は電気カーペットの上に置く、夏期は、調理用バットに水を張り容器を浮かべる等、気温(地温)の調節が安易に出来早播き、遅播きも可能となる。
(9)室内にてキッチン容器で栽培するため、温度・湿度・光が一定に保たれ、また夜間の低温のストレスが無く、屋外栽培に比べ発芽迄の時期が短縮される。
(10)形状・重さが同一であり、種子量や用土の量を統一すれば同一の環境内での様々な発芽比較研究や肥料の効果等の実験の対象となる。
(11)キッチン容器自体がコンパクトで、種子の休眠打破(低温処理・ジベレリン処理等)の処理がし易い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の方法を実施するために用いる容器類の斜視図である。
【図2】図2は容器本体に熱湯を注いでいる状態を示す斜視図である。
【図3】図3は用土を入れた水(湯)切り用のざるを、熱湯の入った容器本体に沈めている状態を示す視図である。
【図4】図4は用土に熱湯を吸収させた後、湯を捨てて、用土をを冷ましている状態を示す視図である。
【図5】図5は種を播いている状態を示す視図である。
【図6】図6は発芽させている状態を示す視図である。
【図7】図7は発芽した状態を示す視図である。
【図8】図8は移植を始める状態を示す視図である。
【図9】図9はプラグトレイに苗を移植している状態を示す視図である。
【図10】図10は移植が完了した状態を示す視図である。
【図11】図11はプラグトレイの一例を示す視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗を簡便に行うという目的を、キッチン容器等を用いることにより実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の方法に用いる容器類を示している。1は、一例として、ポリプロピレン製の箱状のキッチン容器で、蓋2と容器本体3とからなっている。4は容器本体3内に収納できる水切り用のざる、5は調理用バットである。
【0013】
以下、本発明の方法の一例を図面に基づいて説明するが、本発明は下記の数値等に限定されるものではなく、適宜変更することができる。図2に示すように、キッチン容器の容器本体3に、例えば、熱湯6を静かに八分目程度に注ぐ。湯がこぼれてもいいように、調理用バット5等を敷いておくと良い。
熱湯を注ぐことにより、黴の発生を抑制するとともに、用土が吸水するのを早めることができる。
【0014】
つぎに、図3に示すように、市販の種まき用土7を3〜4cmほど入れた水(湯)切り用のざる4を熱湯の入ったキッチン容器の容器本体3内に静かに沈める。
【0015】
図4に示すように、用土7が十分吸水したら湯を捨てて、用土7を室温まで冷ます。
【0016】
ついで、一例として、図5に示すように、微細な種子は紙8を適当な大きさに切って真ん中で折り、そこに種9を入れて用土7全体に均一になるように播く、または指で均一に播いても良い。
【0017】
発芽に光が必要か不要かはタネの入っている袋に記載されているので確認が必要であるが覆土した場合は霧吹き等で湿度を保つ。
発芽するまで、図6に示すように蓋2をして、窓際でレースのカーテン越し程度の日光を当てる。蓋2には、結露対策用の穴をあけておくことが望ましい。例えば、直径0.2mm〜0.4mmの穴を2〜3箇所対角線状にあけておくことが好ましい。また、ざる4の底部には、外側に向く突起を設けて、停滞した水による根腐れを防止するように構成することが好ましい。また、ざる4は熱湯に耐える強さ、電子レンジで用土を再生する場合に電子レンジの熱に耐える強さを備えるように構成する。
【0018】
図7に示すように、発芽したら蓋を開けておく時間を徐々に長くする。用土表面が乾いたら、底面から吸水させる。10は芽である。
【0019】
図8に示すように、子葉が展開し本葉が1〜2枚発生したら移植を始める。用土の入ったざるを水によく浸すと、苗11が簡単に抜けるので移植しやすい。
【0020】
つぎに、図9に示すように、十分に吸水させた用土12の入ったプラグトレイ13に苗11を移植する。割りばし・ピンセット14等で用土12に穴をあけてから苗11を植え込みプラグトレイを静かに持ち上げると排水と同時に吸い込まれるように根と土が馴染み活着する。
【0021】
このようにして、図10に示すように、移植が完了する。苗11が倒れていても、時間とともに自然と立ち上がってくるのであまり気にしなくてよい。
【0022】
移植後4〜5日間は直射日光を避け、その後は外気に当てて管理する。水やりはバットに水をためて底面吸水させ、残った水は必ず捨てる。プラグ内に根の回った適期の苗は、下の穴から割りばしなどで押し上げれば簡単に抜くことができるので、抜いた苗をポットに定植する。
図11は、プラグトレイの一例を示している。プラグトレイ13は、仕切り部材16で仕切られ多数のプラグ17が構成されている。プラグは略すり鉢状で、下部に水抜き用の穴18が形成されている。19はプラグトレイ13の受け皿としての調理用バットである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗を安価、かつ簡便に行うことができ、プラグトレーの状態か、または苗をポットに定植したものを市販することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 箱状のキッチン容器
2 蓋
3 容器本体 4 水切り用のざる
5 調理用バット
6 熱湯
7 種まき用土
8 紙
9 種
10 芽
11 苗
12 用土
13 調理用バットに収まるように分割・切断したプラグトレイ
14 割りばし・ピンセット等
16 仕切り部材
17 プラグ
18 穴
19 受け皿としての調理用バット
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内環境が植物の発芽環境(20℃前後)に最適である事に着目してなされたもので、市販のキッチン容器を用いて、家庭内環境において容易に、安価でかつ効率よく省スペース、省エネルギーで草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗を行なうことができる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
草花、野菜、ハーブ等を播種・育苗するために、家庭内環境で水や用土を使用すると、汚れたり、不衛生になったりする。また、従来の方法では播種・育苗に広い場所を必要とする。また、容器が大型化して重くなり、移動が大変であるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−148943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)解決しようとする問題点は、従来の方法による屋外での播種・育苗では季節や天候に大きく影響され、またビニールハウス等での播種・育苗では大掛かりな場所・設備・コストが必要となる。
(2)播種専用用土内には乾燥ピートモス等の素材があり吸水処理に時間を要しまた、労力、コストも要した。
(3)従来の播種・育苗法では種子の発芽率の問題からプラグトレイに多めに播種し、発芽後に間引く手法を用いた為効率が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)栽培容器を家庭内環境に合わせる事で上記の課題は解決した。
(2)本発明は、太陽光を通す透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器と、この容器内に納まる水切り用のざるとを用いて、家庭内環境で出来る播種・育苗することを最も主要な特徴とする。
(3)熱湯・吸水等、水の温度差と水の性質をうまく利用する事で、容器内の雑菌の繁殖を抑え、繊細な根を傷めず、移植がスムースに出来るようになった。
(4)播種用プラグトレイを安価な家庭用の調理用バットに収められる大きさに分割・切断する事で省スペースで屋内作業が可能となった。
【0006】
本発明の家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法は、透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器の容器本体に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざるを、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播いた後、蓋をして発芽させ、発芽すると蓋を開けておく時間を徐々に長くすることを特徴としている。
【0007】
この方法において、十分に発芽して苗になると、用土の入った水切り用のざるを水に浸した後、苗を抜き、この苗を十分に吸水させた用土の入った調理用バットに収まるよう分割・切断したプラグトレイに移植する。
また、この方法において、移植後、プラグトレイ内に根の回った苗を抜き、ポットに定植する。
【0008】
さらに詳しく説明すると、透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器の容器本体に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざるを、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播く。蓋をして植物の発芽の必須条件である容器内の温度・湿度・光を一定に保てる事、また加湿を防ぐ為に蓋に穴を開けている事を特徴としている。
この方法において、十分に発芽した苗になると、用土に入った水切り用のざるに十分に水に浸した後、ピンセット等でそっと苗を抜き、この苗を調理用バット内の十分に吸水させた用土の入った分割したプラグトレイに移植する。
また、この方法において、十分に吸水させた用土の入ったプラグトレイに割りばしやピンセットで穴をあけてから苗を植え込みプラグトレイを静かに持ち上げると底からの排水と同時に吸い込まれるように根と土が馴染み活着が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)市販のキッチン容器を用いるので、安価で、かつ容易に、効率がよく多種・大量の栽培も可能で、しかも、家庭内環境で播種・育苗することができる点にある。
(2)作業や保管に広い場所を必要とせず、容器等を容易に移動することができる。
(3)用土を予め入れておいた水切り用のざるを、容器本体の熱湯の中に沈めることにより、用土中の雑菌の殺菌ができるとともに、用土への水(湯)の吸収が迅速に行われる。(4)寒暖の差の少ない家庭内環境が植物の発芽環境(20℃前後)に最適であり、その環境を利用するため、コストもかからず、省エネルギーでもある。
(5)発芽した苗の用土を十分に水を浸透させる事で繊細な根を傷める事無く移植する事ができるため移植不可能といわれる植物も栽培が可能である。 (6)プラグトレイを調理用バットに入る大きさに分割・切断する事により省スペースで室内作業ができ、効率も良く、移動も容易となる。また、移植先の分割したプラグトレイの用土も十分に水を浸透させる事で繊細な根も負担なく移植する事ができる。
(7)キッチン容器の蓋に穴をあける事により結露対策となり、カビの発生を防ぐ事ができる。 (8)移動が容易であるため、播種時期を逸した場合は、冬期は電気カーペットの上に置く、夏期は、調理用バットに水を張り容器を浮かべる等、気温(地温)の調節が安易に出来早播き、遅播きも可能となる。
(9)室内にてキッチン容器で栽培するため、温度・湿度・光が一定に保たれ、また夜間の低温のストレスが無く、屋外栽培に比べ発芽迄の時期が短縮される。
(10)形状・重さが同一であり、種子量や用土の量を統一すれば同一の環境内での様々な発芽比較研究や肥料の効果等の実験の対象となる。
(11)キッチン容器自体がコンパクトで、種子の休眠打破(低温処理・ジベレリン処理等)の処理がし易い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の方法を実施するために用いる容器類の斜視図である。
【図2】図2は容器本体に熱湯を注いでいる状態を示す斜視図である。
【図3】図3は用土を入れた水(湯)切り用のざるを、熱湯の入った容器本体に沈めている状態を示す視図である。
【図4】図4は用土に熱湯を吸収させた後、湯を捨てて、用土をを冷ましている状態を示す視図である。
【図5】図5は種を播いている状態を示す視図である。
【図6】図6は発芽させている状態を示す視図である。
【図7】図7は発芽した状態を示す視図である。
【図8】図8は移植を始める状態を示す視図である。
【図9】図9はプラグトレイに苗を移植している状態を示す視図である。
【図10】図10は移植が完了した状態を示す視図である。
【図11】図11はプラグトレイの一例を示す視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗を簡便に行うという目的を、キッチン容器等を用いることにより実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の方法に用いる容器類を示している。1は、一例として、ポリプロピレン製の箱状のキッチン容器で、蓋2と容器本体3とからなっている。4は容器本体3内に収納できる水切り用のざる、5は調理用バットである。
【0013】
以下、本発明の方法の一例を図面に基づいて説明するが、本発明は下記の数値等に限定されるものではなく、適宜変更することができる。図2に示すように、キッチン容器の容器本体3に、例えば、熱湯6を静かに八分目程度に注ぐ。湯がこぼれてもいいように、調理用バット5等を敷いておくと良い。
熱湯を注ぐことにより、黴の発生を抑制するとともに、用土が吸水するのを早めることができる。
【0014】
つぎに、図3に示すように、市販の種まき用土7を3〜4cmほど入れた水(湯)切り用のざる4を熱湯の入ったキッチン容器の容器本体3内に静かに沈める。
【0015】
図4に示すように、用土7が十分吸水したら湯を捨てて、用土7を室温まで冷ます。
【0016】
ついで、一例として、図5に示すように、微細な種子は紙8を適当な大きさに切って真ん中で折り、そこに種9を入れて用土7全体に均一になるように播く、または指で均一に播いても良い。
【0017】
発芽に光が必要か不要かはタネの入っている袋に記載されているので確認が必要であるが覆土した場合は霧吹き等で湿度を保つ。
発芽するまで、図6に示すように蓋2をして、窓際でレースのカーテン越し程度の日光を当てる。蓋2には、結露対策用の穴をあけておくことが望ましい。例えば、直径0.2mm〜0.4mmの穴を2〜3箇所対角線状にあけておくことが好ましい。また、ざる4の底部には、外側に向く突起を設けて、停滞した水による根腐れを防止するように構成することが好ましい。また、ざる4は熱湯に耐える強さ、電子レンジで用土を再生する場合に電子レンジの熱に耐える強さを備えるように構成する。
【0018】
図7に示すように、発芽したら蓋を開けておく時間を徐々に長くする。用土表面が乾いたら、底面から吸水させる。10は芽である。
【0019】
図8に示すように、子葉が展開し本葉が1〜2枚発生したら移植を始める。用土の入ったざるを水によく浸すと、苗11が簡単に抜けるので移植しやすい。
【0020】
つぎに、図9に示すように、十分に吸水させた用土12の入ったプラグトレイ13に苗11を移植する。割りばし・ピンセット14等で用土12に穴をあけてから苗11を植え込みプラグトレイを静かに持ち上げると排水と同時に吸い込まれるように根と土が馴染み活着する。
【0021】
このようにして、図10に示すように、移植が完了する。苗11が倒れていても、時間とともに自然と立ち上がってくるのであまり気にしなくてよい。
【0022】
移植後4〜5日間は直射日光を避け、その後は外気に当てて管理する。水やりはバットに水をためて底面吸水させ、残った水は必ず捨てる。プラグ内に根の回った適期の苗は、下の穴から割りばしなどで押し上げれば簡単に抜くことができるので、抜いた苗をポットに定植する。
図11は、プラグトレイの一例を示している。プラグトレイ13は、仕切り部材16で仕切られ多数のプラグ17が構成されている。プラグは略すり鉢状で、下部に水抜き用の穴18が形成されている。19はプラグトレイ13の受け皿としての調理用バットである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗を安価、かつ簡便に行うことができ、プラグトレーの状態か、または苗をポットに定植したものを市販することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 箱状のキッチン容器
2 蓋
3 容器本体 4 水切り用のざる
5 調理用バット
6 熱湯
7 種まき用土
8 紙
9 種
10 芽
11 苗
12 用土
13 調理用バットに収まるように分割・切断したプラグトレイ
14 割りばし・ピンセット等
16 仕切り部材
17 プラグ
18 穴
19 受け皿としての調理用バット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器の容器本体に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざるを、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播いた後、蓋をして発芽させ、発芽すると蓋を開けておく時間を徐々に長くすることを特徴とする家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法。
【請求項2】
十分に発芽して苗になると、用土の入った水切り用のざるを水に浸した後、苗を抜き、この苗を十分に吸水させた用土の入った調理用バットに収まるよう分割・切断したプラグトレイに移植する請求項1記載の家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法。
【請求項3】
移植後、プラグトレイ内に根の回った苗を抜き、ポットに定植する請求項2記載の家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法。
【請求項1】
透明の蓋と容器本体とからなる箱状のキッチン容器の容器本体に熱湯を注いで貯め、予め播種用の用土を入れておいた水切り用のざるを、前記容器本体の熱湯の中に沈め、用土が湯を十分に吸収した段階で湯を捨てて用土を室温まで冷まし、ついで用土全体に均一に種を播いた後、蓋をして発芽させ、発芽すると蓋を開けておく時間を徐々に長くすることを特徴とする家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法。
【請求項2】
十分に発芽して苗になると、用土の入った水切り用のざるを水に浸した後、苗を抜き、この苗を十分に吸水させた用土の入った調理用バットに収まるよう分割・切断したプラグトレイに移植する請求項1記載の家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法。
【請求項3】
移植後、プラグトレイ内に根の回った苗を抜き、ポットに定植する請求項2記載の家庭内環境で出来る草花、野菜、ハーブ等の播種・育苗方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−36164(P2011−36164A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185403(P2009−185403)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本放送出版協会、「趣味の園芸」、2009年3月号、2009年3月1日発行
【出願人】(509225339)
【出願人】(509225340)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本放送出版協会、「趣味の園芸」、2009年3月号、2009年3月1日発行
【出願人】(509225339)
【出願人】(509225340)
【Fターム(参考)】
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