説明

家庭用永久磁石磁気治療器

【課題】組み立て工数を少なくするとともに耐久性にも優れ、かつ、ゲルマニウムの効果と磁石の効果とをより有効に得ることができるようにする。
【解決手段】内部に永久磁石収納部211を有する永久磁石収納ケース200と、永久磁石101とを有し、永久磁石収納部211に永久磁石101を収納した永久磁石収納ケース200を皮膚に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器10であって、永久磁石収納ケース200はゲルマニウムを用いて形成され、永久磁石収納部211は開口面211aと底面211bとを有する凹形状をなし、開口面211aが永久磁石収納ケース200の皮膚に接触する側の第1面220とは反対側の第2面230に位置し、底面211bが開口面211aから第1面220の方向に向かって所定の深さに位置するように永久磁石収納ケース200に形成され、永久磁石101は、開口面211aから挿入されて、接着材により固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用永久磁石磁気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲルマニウムと磁石とを組み合わせた家庭用永久磁石磁気治療器が従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図6は、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900を説明するために示す断面図である。従来の家庭用永久磁石磁気治療器900は、図6に示すように、上側部材(上蓋)910と下側部材(下蓋)920との間に形成される中空部930に永久磁石940を収納して、上側部材910と下側部材920とをリング状のパッキン950により密閉状態に嵌合させた構成となっている。なお、上側部材910及び下側部材920のうちの少なくとも皮膚に接触させる側の部材(上側部材910とする。)は、チタン、ゲルマニウム、ゲルマニウム合金又はゲルマニウム合金メッキで形成されている。また、永久磁石940は中空部930内で動くことができるようになっている。
【0004】
なお、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900の説明において、上側部材910と下側部材920とを区別しないで説明する場合には、これら上側部材910及び下側部材920をまとめて「永久磁石収納ケース」と呼ぶことにする。
【0005】
従来の家庭用永久磁石磁気治療器900によれば、永久磁石収納ケースがチタン、ゲルマニウム、ゲルマニウム合金又はゲルマニウム合金メッキなどによって形成されているため、永久磁石940から発生する磁気による効果に加えて上記金属が皮膚に直接接触することによる効果も期待できる。例えば、ゲルマニウムには新陳代謝の活性化の効果、血流促進の効果、温熱効果などがあるとされているため、永久磁石収納ケースをゲルマニウムで形成することにより、これらの効果が期待できる。
【0006】
また、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900は、永久磁石940が中空部930内で動くことができるようになっているため、当該家庭用永久磁石磁気治療器900を装着している人が体を動かすことに伴って永久磁石940が動き、それによって、磁気が皮膚のより広い範囲に与えられるために、磁気による効果が広範囲に渡って得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−285372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の家庭用永久磁石磁気治療器900は、種々の優れた効果が得られる家庭用永久磁石磁気治療器であるが、上側部材910と下側部材920との間に形成される中空部930に永久磁石940を収納して、上側部材910と下側部材920とをリング状のパッキン950により密閉状態に嵌合させた構成となっているものであるため、家庭用永久磁石磁気治療器900を構成する部品数が多く、家庭用永久磁石磁気治療器900を製造する際の組み立て工程数も多いという課題がある。特に、これら各部品は細かい部品であるため、組み立ては容易ではない。また、上側部材910と下側部材920とを嵌合させる構造であるため、経年変化により、上側部材910と下側部材920との嵌合状態が維持できなくなるおそれもある。
【0009】
また、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900は、永久磁石940が永久磁石収納ケースの中空部930内で動くことが可能となっているために、人が体を動かすたびに永久磁石940が永久磁石収納ケースに当たって、「カタ」、「カタ」というような衝突音が発生する可能性もあり、また、永久磁石940や永久磁石収納ケースが破損する可能性もある。
【0010】
特に、永久磁石収納ケースがゲルマニウムで形成されている場合、ゲルマニウムは脆いために破損しやすい。その一方で、ゲルマニウムには、上記したような効果(新陳代謝の活性化の効果、血流促進の効果、温熱効果)などがあるとして、この種の健康促進用の治療器具だけではなく装飾具としても広く使用されている。特に、最近では、より高い効果を期待するために、より高純度のゲルマニウムを使用する傾向にある。
【0011】
したがって、図6に示すような従来の家庭用永久磁石磁気治療器900において、永久磁石収納ケースを高純度のゲルマニウムで形成することによって、より高い治療効果の期待が可能となると考えられるが、高純度のゲルマニウムで形成された永久磁石収納ケース内で永久磁石が動くことによって、当該永久磁石収納ケースが破損してしまうといったことも起こり得る。
【0012】
そこで本発明は、組み立て工数を少なくすることができるとともに耐久性にも優れ、かつ、ゲルマニウムの効果と磁石の効果とをより有効に得ることができる家庭用永久磁石磁気治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[1]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器は、内部に永久磁石収納部を有する永久磁石収納ケースと、前記永久磁石収納部に収納される永久磁石とを有し、前記永久磁石収納部に前記永久磁石を収納した永久磁石収納ケースを貼り付け部材により使用者の皮膚に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器であって、前記永久磁石収納ケースは、ゲルマニウムを用いて形成され、前記永久磁石収納部は、開口面と底面とを有する凹形状をなし、前記開口面が前記永久磁石収納ケースの前記皮膚に接触する側の第1面とは反対側の第2面に位置し、前記底面が前記開口面から前記第1面の方向に向かって所定の深さに位置するように前記永久磁石収納ケースに形成され、前記永久磁石は、前記開口面から前記永久磁石収納部に挿入されて、前記永久磁石収納部に接着剤によって固定されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、永久磁石を永久磁石収納ケースに接着剤によって固定するといった単純な工程によって家庭用永久磁石磁気治療器を製造することができるため、組み立て工数を少なくすることができ、また、永久磁石は接着剤によって永久磁石収納部に固定されているため、耐久性にも優れたものとなり、しかも、永久磁石の磁気による血流促進などの効果とゲルマニウムによる新陳代謝の活性化の効果、血流促進の効果、温熱効果などの効果が期待できる。
【0015】
[2]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記ゲルマニウムは、純ゲルマニウムであることが好ましい。
ゲルマニウムが純ゲルマニウム(99.999%ゲルマニウム)であることにより、ゲルマニウムの効果をより大きくすることができる。
【0016】
[3]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記永久磁石収納ケースの前記第1面は、前記永久磁石収納ケースの外方に突出する球面形状となっていることが好ましい。
このような構成とすることによって、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器を皮膚に貼り付けたときに、永久磁石収納ケースの球面形状の部分が皮膚を適度に刺激することとなり、ツボ効果が期待できる。
【0017】
[4]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記永久磁石の先端面が前記永久磁石収納部の底面に接触するまで前記永久磁石を前記永久磁石収納部に挿入したときに、当該永久磁石の後端面と前記永久磁石収納ケースの第2面との間に当該永久磁石の後端面が永久磁石収納部の内方に位置するような段差部が形成されるように、前記開口面から前記底面までの深さと前記永久磁石の前記先端端面から後端面までの長さとが設定されていることが好ましい。
【0018】
このような構成とすることにより、永久磁石を永久磁石収納部に挿入した状態としたときに、永久磁石の後端部が永久磁石収納ケースの第2面から外部に突出することがなくなる。これにより、永久磁石を保護することができ、また、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器をパッチなどの貼り付け部材で皮膚に貼り付けたときに、出っ張りを少なくすることができるため、家庭用永久磁石磁気治療器の存在を目立たなくすることができる。
【0019】
[5]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記永久磁石を前記永久磁石収納部に接着剤によって固定した状態としたときに、前記段差部が前記接着剤で充填された状態となることが好ましい。
【0020】
このように、永久磁石収納ケースの第2面と永久磁石の後端面との間に形成されている段差部が接着剤で充填された状態となることにより、永久磁石を保護することができる。また、永久磁石収納ケース200の第2面全体を同一平面とすることができ、それによって、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器をパッチなどの貼り付け部材で皮膚に貼り付けたときにパッチの表面を平滑なものとすることができ、家庭用永久磁石磁気治療器の存在を目立たなくすることができる。
【0021】
[6]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記永久磁石収納ケースは、複数の永久磁石収納部を有し、当該複数の永久磁石収納部にはそれぞれ永久磁石が収納されていることもまた好ましい。
【0022】
このような構成とすることにより、皮膚のより広い範囲に磁気を与えることができる。また、磁石を複数とすることによって永久磁石収納ケースの平面的な面積も大きくなるため、永久磁石収納ケースが皮膚に接触する面積もより大きくなるため、ゲルマニウムの効果を皮膚のより広い範囲に与えることができる。
【0023】
[7]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記永久磁石は、ネオジウム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石であることが好ましい。
永久磁石として、磁力の強いネオジウム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石とすることによって、磁気による効果をより大きくすることができる。
【0024】
[8]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記接着剤は、エポキシ系樹脂を用いた接着剤であることが好ましい。
接着剤として、エポキシ系樹脂の接着剤を用いることにより、耐熱、耐水、耐薬品性に優れたものとなり、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器を装着したままで、スポーツや入浴なども可能となる。
【0025】
[9]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、前記第2面の周縁部には、全周に渡って、曲面部が形成されていることが好ましい。
このように、永久磁石収納ケースにおける第2面(貼り付け部材が貼付される側の面)の周縁部には、全周に渡って、曲面部を形成することにより、第2面の周縁部には尖った角部がなくなり、当該家庭用永久磁石磁気治療器を皮膚に貼り付けたときに、貼り付け部材に加わる負担を小さくすることができる。これによって、貼り付け部材が角部によって損傷することを防止でき、貼り付け部材の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10を説明するために示す斜視図である。
【図2】図1(a)におけるa−a矢視断面図であり、永久磁石101が収納される前の状態を示す図である。
【図3】実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10の組み立て工程を説明するために示す図である。
【図4】実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10を皮膚Hに貼り付けた状態を示す図である。
【図5】実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20を説明するために示す図である。
【図6】従来の家庭用永久磁石磁気治療器900を説明するために示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0028】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10を説明するために示す斜視図である。図1(a)は人体の皮膚に接触させる側の面(第1面220という。)を下にし、第1面220と反対側の面(第2面230という。)を上にした場合を示している。また、図1(b)は第1面220を上にし、第2面230を下にした場合を示している。
【0029】
図2は、図1(a)におけるa−a矢視断面図であり、永久磁石101が収納される前の状態を示す図である。なお、図2は模式図であり、図2に示す各部は必ずしも同一比率による縮尺となっていはいない。
【0030】
図3は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10の組み立て工程を説明するために示す図である。図4は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10を皮膚Hに貼り付けた状態を示す図である。
【0031】
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10は、図1及び図2に示すように、永久磁石101と、永久磁石収納ケース200とを有している。
永久磁石101は、例えば、異方性磁石(例えば、ネオジウム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石)であり、径d1がほぼ2.0mm、高さh1がほぼ1.5mmの円筒状をなしている。また、永久磁石101は、3200ガウス程度の磁力を有しているものとする。
【0032】
永久磁石収納ケース200は、純ゲルマニウム(99.999%ゲルマニウム)が用いられており、その内部には永久磁石101を収納するための永久磁石収納部211が形成されている。また、永久磁石収納ケース200の第1面220、すなわち、皮膚H(図4参照。)に接触する側の面は、外方に突出する球面形状をなしている。一方、第1面と反対側の第2面230、すなわち、パッチなどの貼り付け部材400(図4参照。)が貼付される側の面は、永久磁石収納部211の開口面211aが設けられ、当該開口面211aから第2面230の周縁にかけては全周に渡って曲面部Rが形成されている。
【0033】
永久磁石収納部211は、開口面211aと底面211bとを有する凹形状をなし、開口面211aは上記したように永久磁石収納ケース200の第2面230に位置し、底面211bは開口面211aから第1面220の方向に向かって所定の深さに位置するように永久磁石収納ケース200に形成されている。
【0034】
このように形成された永久磁石収納ケース200は、第1面220又は第2面230のいずれの側から見た場合においても平面形状が円形をなし、その外径d2はほぼ5.0mmであり、その高さ(第2面230から第1面220の頂点までの高さ)h2はほぼ2.4mmである。
【0035】
また、永久磁石収納部211は、開口面211aから底面211bまでの深さh3は、永久磁石101の高さh1よりもわずかに大きく、ほぼ1.7mmの深さを有しており、また、底面211bから永久磁石101の高さh1に相当する円筒部分の径d3は、永久磁石101の径d1と同じか永久磁石101の径d1よりもわずかに大きい程度の径を有している。また、開口面211aの径d4は、円筒部分の径d3よりも大きい径(ほぼ2.7mm)を有し、開口面211aと径d3を有する円筒部分との間はテーパー面(図2において灰色で示す。)となっている。
【0036】
永久磁石101、永久磁石収納ケース200及び永久磁石収納部211が上記したような寸法を有することによって、永久磁石101をその先端面101aが永久磁石収納部211の底面211bに接触するまで永久磁石収納部211に挿入すると、永久磁石101の後端面101bが永久磁石収納部211の開口面211aよりもわずかに内方に位置し、当該後端面101bと永久磁石収納ケース200の第2面230との間に段差部240が形成される。
【0037】
また、永久磁石収納部211の底面211bから永久磁石収納ケース200の第1面220の頂点までの距離(以下、「第1面220側の厚みt」という。)はほぼ0.7mmとしている。第1面220側の厚みtをこのように設定することによって、3000ガウス程度の磁力を有する永久磁石101を永久磁石収納部211に収納した場合、永久磁石収納ケース200の第1面220側における表面磁力は、2000ガウスに近い値とすることができる。
【0038】
このように構成された家庭用永久磁石磁気治療器10は、図3に示すような組み立て工程によって製造することができる。すなわち、まずは、永久磁石収納ケース200と永久磁石101とを準備する(図3(a)参照。)。なお、図3(a)に示すような構成の永久磁石収納ケース200は、切削、鋳造など種々の方法によって製造することができるが、本発明においては、その製造方法は特に限定されるものではない。
【0039】
次に、永久磁石収納ケース200における永久磁石収納部211の底面211bに接着剤300を適量注入する(図3(b)参照。)。なお、注入する接着剤300の量は、永久磁石101の先端面101aが永久磁石収納部211の底面211bに到達するように挿入した状態としたときに、接着剤300が押し広げられて、押し広げられた接着剤が永久磁石101の先端面101a及び側面の全面を覆い、さらに、永久磁石101の後端面101b側にもはみ出てくる程度の量とする。なお、接着剤300は、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れた接着剤(例えば、エポキシ系樹脂の接着剤)を用いることが好ましい。
【0040】
図3(b)の状態において、永久磁石101をその先端面101aの側を挿入方向の先頭として永久磁石収納部211に挿入し、永久磁石101の先端面101aが永久磁石収納部211の底面211bに到達すると、接着剤300が押し広げられて、押し広げられた接着剤が、永久磁石101の先端面101a及び側面の全面を覆い、さらに、永久磁石101の後端面101b側にもはみ出た状態となる(図3(c)参照。)。なお、接着剤300は無色透明又は多少色味のついた透明であるが、図3(c)においては接着剤300の部分を灰色で示している。
【0041】
そして、永久磁石101の後端面101b側にはみ出た余分の接着剤(「余分の接着剤300a」とする。)を拭き取る。これによって、家庭用永久磁石磁気治療器10を製造することができる(図3(d)参照。)。なお、永久磁石101の後端面101bの側にはみ出た余分の接着剤300aを拭き取る際には、永久磁石101の後端面101bと永久磁石収納部211の第2面230との間に形成される段差部240が接着剤によって充填された状態となるように接着剤を拭き取る。このとき、段差部240に充填された接着剤の表面が第2面230の表面と同一平面となるようにすることが好ましい。
【0042】
このように、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10は、永久磁石収納ケース200の永久磁石収納部211に接着剤300を注入して、当該永久磁石収納部211に永久磁石101を挿入した後に、余分な接着剤300aを拭き取るだけで家庭用永久磁石磁気治療器を製造することができる。このため、組み立て工数が少なく、かつ、組み立てが容易であるため、高い生産性で家庭用永久磁石磁気治療器10を製造することができる。
【0043】
図3(a)〜(d)に示すような工程によって製造された家庭用永久磁石磁気治療器10は、図4に示すように使用する。家庭用永久磁石磁気治療器10は、図4に示すように、永久磁石収納ケース200の第1面220を皮膚Hに接触させた状態で、パッチなどの貼り付け部材400により永久磁石収納ケース200の第2面230側を覆うようにして皮膚Hに貼り付ける。
【0044】
なお、貼り付け部材400は当該家庭用永久磁石磁気治療器10の付属品として用意されているものを用いてもよいことは勿論、市販の絆創膏などを用いてもよい。
【0045】
このようにして家庭用永久磁石磁気治療器10を皮膚Hに貼り付けることにより、純ゲルマニウムで形成された永久磁石収納ケース200が皮膚Hに直接接触することとなり、ゲルマニウムの効果が期待できるとともに、永久磁石収納部211に収納されている永久磁石101から発生する磁気による効果が期待できる。なお、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10においては、永久磁石の磁力は皮膚H上において2000ガウスに近いものとなり、家庭用永久磁石磁気治療器10として大きい効果が期待できる。また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10は、皮膚Hに接触する側の面が球面形状となっているため、適度な刺激を皮膚に与えることができるため、ツボ効果も期待できる。
【0046】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10においては、永久磁石101は、接着剤300によって永久磁石収納部211に固定される構造となっているため、永久磁石収納部211内で動くことがなく耐久性にも優れたものとなる。また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10においては、接着剤300として、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れたエポキシ系樹脂の接着剤を用いているため、家庭用永久磁石磁気治療器10を装着したままで、スポーツをしたり入浴をしたりすることも可能となる。
【0047】
また、永久磁石収納ケース200における第2面230の周縁部には、全周に渡って、曲面部Rが形成されているため、貼り付け部材400は、永久磁石収納ケース200の第2面230の曲面部Rに沿って、なだらかな曲線を描くようになる。これにより、貼り付け部材400を貼り付けた状態としたときに、貼り付け部材400に角部が接触することがないため、貼り付け部材400に加わる負担をより小さくすることができ、貼り付け部材400の耐久性をより高めることができる。また、貼り付け部材400による貼り付け状態をより確実なものとすることができ、長時間の使用にも耐え得るものとなる。
【0048】
[実施形態2]
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10においては、永久磁石収納ケース200に1つの永久磁石101を収納した場合を例示したが、複数の永久磁石を収納することも可能である。
【0049】
図5は、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20を説明するために示す図である。なお、図5は実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20における永久磁石の配置を説明するために示す図であり、図5(a)は家庭用永久磁石磁気治療器20を第2面230の側から見た場合の平面図、図5(b)は図5(a)におけるa−a矢視断面図である。なお、永久磁石収納ケース200の材質などは実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10と同様、純ゲルマニウムを用いるものとする。
【0050】
実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20は、図5に示すように、永久磁石収納ケース200に3個の永久磁石収納部211,212,213が設けられており、これら永久磁石収納部211,212,213にそれぞれ永久磁石101,102,103を収納した構成となっている。
【0051】
実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20においては、永久磁石101,102,103は実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10において用いた永久磁石101と同じ寸法のものであるとする。このため、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20における永久磁石収納ケース200は、3個の永久磁石収納部211,212,213を図5に示すように配置できるように、外径d2は実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10における永久磁石収納ケース200よりも大きなものとする。
なお、このときの永久磁石収納ケース200の高さh2は、開口面211aから底面211bまでの深さh3と、収納する永久磁石101の高さと、永久磁石101の磁力の大きさとを考慮して、第1面220側における磁力が2000ガウスに近い値となるように調整する。
【0052】
なお、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20を製造する際の組み立て工程は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10の組み立て工程(図3参照。)と同様に実施可能である。ただし、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20においては、3個の永久磁石収納部211,212,213を有しているので、個々の永久磁石収納部211,212,213において図3(a)〜(d)に示すような工程を行う。
【0053】
実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20によれば、3個の永久磁石101,102,103を有しているため、皮膚Hのより広い範囲に磁気を与えることができる。また、永久磁石収納ケース200の外径d2が実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10における永久磁石収納ケース200よりも大きくなることから、永久磁石収納ケース200の平面的な面積もより大きくなる。このため、永久磁石収納ケース200が皮膚Hに接触する面積がより広くなり、ゲルマニウムの効果をより広い範囲に与えることができる。
【0054】
なお、図5においては、永久磁石収納ケース200の平面形状が実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10と同様に円形としたために、3個の永久磁石101,102,103が仮想的な3角形の頂点にそれぞれ位置するような配置としたが、永久磁石収納ケース200の平面形状を例えば長円形とすることにより、3個の永久磁石101,102,103を直線上に3つ並べた配置とすることも可能である。また、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器20においては、永久磁石は3個とした場合を例示したが、永久磁石の数は、3個に限られるものではなく、例えば、2個であってもよく、また、4個以上であってもよい。
【0055】
また、永久磁石101,102,103は実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10において用いた永久磁石101と同じ寸法のものを用いた場合を例示したが、これに限られるものではなく、より小型なものを用いてもよい。
【0056】
なお、本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0057】
(1)上記各実施形態においては、永久磁石101としてはネオジウム系磁石(ネオジウム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石)を用いた場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、サマコバ系磁石(サマリウム−コバルト磁石)磁石などを用いてもよい。
【0058】
(2)上記各実施形態においては、永久磁石101の表面処理については言及しなかったが、永久磁石101の表面には、ニッケル、金、白金、パラジウム又はこれらの合金によるメッキを施すようにしてもよい。
【0059】
(3)上記各実施形態においては、永久磁石収納ケース200としては、純ゲルマニウム(99.999%ゲルマニウム)で形成されているものとしたが、純ゲルマニウムでなくてもよく、ゲルマニウムの効果が損なわれない程度に他の物質を多少含有させてもよい。
【0060】
(3)実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器10において示した各部の寸法を示す数値は一例であって、このような数値に限定されるものではなく、皮膚Hに接触する側の面(第1面220)における表面磁力が2000ガウスを超えない範囲で、適宜、最適な数値を設定することができる。
【0061】
(4)上記各実施形態においては、3200ガウスに永久磁石を用いた場合を例示したが、永久磁石は3200ガウスのものに限られるものではなく、皮膚Hに接触する側の面(第1面220)における表面磁力が2000ガウスを超えない範囲となるように永久磁石収納ケース200における各部の寸法を設定すれば、それぞれにおいて最適な磁力を有する永久磁石収納を用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
10,20・・・家庭用永久磁石磁気治療器、101,102,103・・・永久磁石、101a・・・先端面、101b・・・後端面、200・・・永久磁石収納ケース、211,212,213・・・永久磁石収納部、211a・・・開口面、211b・・・底面、220・・・第1面、230・・・第2面、240・・・段差部、300・・・接着剤、300a・・・余分な接着剤、H・・・皮膚、R・・・曲面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に永久磁石収納部を有する永久磁石収納ケースと、前記永久磁石収納部に収納される永久磁石とを有し、前記永久磁石収納部に前記永久磁石を収納した永久磁石収納ケースを貼り付け部材により使用者の皮膚に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器であって、
前記永久磁石収納ケースは、ゲルマニウムを用いて形成され、
前記永久磁石収納部は、開口面と底面とを有する凹形状をなし、前記開口面が前記永久磁石収納ケースの前記皮膚に接触する側の第1面とは反対側の第2面に位置し、前記底面が前記開口面から前記第1面の方向に向かって所定の深さに位置するように前記永久磁石収納ケースに形成され、
前記永久磁石は、前記開口面から前記永久磁石収納部に挿入されて、前記永久磁石収納部に接着剤によって固定されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項2】
請求項1に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記ゲルマニウムは、純ゲルマニウムであることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記永久磁石収納ケースの前記第1面は、外方に突出する球面形状となっていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記永久磁石の先端面が前記永久磁石収納部の底面に接触するまで前記永久磁石を前記永久磁石収納部に挿入したときに、当該永久磁石の後端面と前記永久磁石収納ケースの第2面との間に当該永久磁石の後端面が永久磁石収納部の内方に位置するような段差部が形成されるように、前記開口面から前記底面までの深さと前記永久磁石の前記先端端面から後端面までの長さとが設定されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項5】
請求項4に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記永久磁石を前記永久磁石収納部に接着剤によって固定した状態としたときに、前記段差部が前記接着剤で充填された状態となることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記永久磁石収納ケースは、複数の永久磁石収納部を有し、当該複数の永久磁石収納部にはそれぞれ永久磁石が収納されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記永久磁石は、ネオジウム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石であることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記接着剤は、エポキシ系樹脂を用いた接着剤であることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記第2面の周縁部には、全周に渡って、曲面部が形成されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−22123(P2013−22123A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157827(P2011−157827)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(509070027)株式会社K・S・A (6)
【出願人】(505085812)株式会社旅館深山 (1)
【Fターム(参考)】