説明

家禽類を処理する際に洗浄する方法及び組成物

【課題】家禽を洗浄又は処理するのに用いられる水に加えるより良い抗菌組成物を提供する。
【解決手段】過酢酸と過オクタン酸を含む組成物を、家禽を洗浄する水に加えて用いることにより、家禽上の微生物汚染を効果的に減らすことができる。該組成物は、高度の抗菌効果を有すると共に、人や環境に対しても安全である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家禽の微生物汚染を減らすための過酢酸と過オクタン酸を含む組成物及び方法に関する。この方法は混合された過カルボン酸組成物を家禽に使用するステップを含む。
【背景技術】
【0002】
処理環境に入ってくる家禽の死体はすべてバクテリアで汚染されており、一部はSalmonellaなどの病原性バクテリアで汚染されている。糞便とごみがこの汚染の主な源である。このように汚染されているので、生きている鳥から食べられる食品に変換されるプロセスのどの段階においても家禽は洗浄されるのが普通である。この洗浄は家禽からごみ、屑、血液、内臓、その他の破片、及び微生物を除去するのに役立つ。微生物を減らし除去することは家禽を安全に貯蔵し消費することを助けるが、現在の洗浄手順の多くは家禽の微生物汚染を顕著に減らすことができていない。家禽の皮が相互汚染する可能性は、あらゆるタイプのバクテリア(グラム陽性菌、グラム陰性菌、有鞭毛菌、無鞭毛菌、かん菌、又は球菌)が接触してわずか15秒以内に粘着する能力を有するために大きくなる。いったん処理環境に入ると、相当な数の死体が手を触れたり、熱湯につけたり、機械的に処理したり、冷凍したりするときに病原菌によって相互汚染する可能性がある。これらの手順の多くで,現行の方法は家禽の微生物汚染を顕著に減少させることができていない。
【0003】
洗浄又は他のこれらの手順で使用される水は、しばしば時間をおいて反復使用されるが、これがまた、家禽の微生物汚染を減らすよりもむしろ拡げる機会になっている。例えば、水は家禽からの有機物と微生物で汚染され、有機物は微生物が水中で長い時間の間に又は更に使用されるときに成長するための養分になる。これらの微生物は、成長し続け、別の家禽や処理設備を汚染する可能性がある。特に、浸漬槽に処理されないままに成っている水は、配置(sHift)の初期のうちは家禽の汚染を減らすように働くが、配置のあとの方では家禽を汚染する。実際、このような水は家禽処理のさいの大腸菌、E. Coli 及びSalmonellaの汚染又は相互汚染の潜在的な源であると同定されている。Salmonellaその他の微生物は一般に家禽にとって望ましくなく、水と接触しているすべての表面に粘液又はバイオフィルムを蓄積させるが、これは頻繁にクリーニングして除去する必要がある。
【0004】
水による家禽の微生物汚染又は相互汚染は、家禽処理業者とエンド・ユーザーにとって依然として大きな関心事である。家禽の死体を水で洗浄し、冷やし、熱することによって汚染の可能性を減らすことができるが、処理する水がまた汚染又は相互汚染の源になる可能性がある。水の中の病原性微生物を除去するか、不活性化するか、又はその他の仕方でコントロールしなかったら、それが他の家禽に拡がり、それらを汚染する可能性がある。更に、多くの家禽の個別部分をプールする取り扱いや処理のステップは1つの汚染したものがロット全体を汚染する危険を増大させる傾向がある。新しい水に浸けたり、スプレー洗浄することは、表面の微生物の集団を減らすことができる。しかし、反復洗浄による殺菌は、家禽の組織内部の微生物がそのままにとどまるので、殺菌用の水によっても達成できない。
【0005】
洗浄又は処理用の水に抗菌剤を加えることは水中の増殖期のバクテリア細胞を不活性化して汚染の防止に役立つ。理想としては、このようなシステムで用いられる抗菌剤又は化合物は、抗菌的な効力の他にいくつかの重要な性質を持つ。その化合物又は抗菌剤は、最終食品に何も技術的な影響を及ぼすものであってはならない。残留する活性は、抗菌効果を有し続ける抗菌物質の膜が存在することを意味し、その食品を更に水洗する必要があるかもしれない。又、抗菌剤は望ましくない匂いが食品に移るのを防ぐために無臭であることが好ましい。食品に直接接触する場合、抗菌剤はまた、食品の健全さを損なわないし、たまたま呑み込んでも人間に害がない食品添加物から構成されなければならない。更に、抗菌剤は天然に産する又は無害な成分から構成され、化学的に環境に適合し、水の中に有毒な残留物の心配がない物質で構成されることが好ましい。
【0006】
従来、家禽を洗浄又は処理する水は、一般に塩素化合物、有機酸、酸性にした亜塩素酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、又はオゾンによって処理されてきた。一般にこれらの物質は家禽の微生物汚染を減らすのに効果がある。しかし、これらの抗菌剤は低濃度では効果がなく、あるいは家禽に含まれる有機負荷が高くて急速に消費されるために、その使用割合は非常に高い。食品処理水を次亜塩素酸塩によって過剰に塩素化することは、毒性の又は発がん性の有機塩素化合物やその他の副産物に対する不安を高めている。
【0007】
更に、家禽の表面での従来の抗菌剤の効力はしばしば限られている。例えば、一般に、家禽の皮がS. typhimuriumによって汚染されるのを効果的に減らすためには4質量(重量)%を超える有機酸又は5〜10質量(重量)%のリン酸三ナトリウムという濃度が必要であると報告されている。過酸化物や乳酸などの抗菌剤は家禽組織の変色、漂白、又はふくれを生ずる可能性がある。
【0008】
EPAは、果物及び野菜輸送又は処理水における微生物の成長を抑えバイオフィルムの形成を減らすために1996年に過酢酸をベースとする組成物を認可した。歴史的に見ると、過酢酸は食品接触表面の衛生化、無菌包装、及び医療装置の低温殺菌に使用されてきた。その殺菌性に加えて、分解副産物が環境に優しく有機物の存在下での安定性が高いために、この方法は果物や野菜の包装、取扱い、及び加工業者たちの間で受け容れられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それにも関わらず、家禽を洗浄又は処理するのに用いられる水に加えるより良い抗菌組成物が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、家禽の微生物汚染を減らすための過酢酸及び過オクタン酸を含む組成物と方法に関する。この方法は、混合された過カルボン酸を家禽に使用する(apply)ステップを含む。本発明の組成物及び方法は、家禽を洗浄又は処理する水で用いることができる抗菌剤であって、高度の抗菌効力を有し、人が呑み込んでも安全であり、許容できないような環境との不適合性がない抗菌剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好ましい抗菌組成物は、酢酸、オクタン酸、過酢酸、過オクタン酸、及び過酸化水素を含む。ある実施の形態では、本発明の抗菌濃縮組成物は、約40〜約70質量(重量)%の酢酸、約2〜約20質量(重量)%のオクタン酸、及び約5〜約15質量(重量)%の過酸化水素を含む。別の実施の形態では、本発明の抗菌濃縮組成物は、約40〜約70質量(重量)%の酢酸、約2〜約20質量(重量)%のオクタン酸、及び約5〜約15質量(重量)%の過酸化水素の組み合わせから生ずる平衡混合物を含む。第3の実施の形態では、本発明の抗菌濃縮組成物は、約30〜約60質量(重量)%の酢酸、約1〜約15質量(重量)%のオクタン酸、約2〜約12質量(重量)%の過酸化水素、約6〜約16質量(重量)%の過酢酸、及び約0.1〜約5質量(重量)%の過オクタン酸を含む。
【0012】
ある実施の形態では、本発明の抗菌使用組成物は、約5〜約1000ppmの酢酸、約0.5〜約100ppmのオクタン酸、約1〜約200ppmの過酸化水素、約2〜約300ppmの過酢酸、及び約0.1〜約20ppmの過オクタン酸を含む。
【0013】
本発明の組成物及びその他の混合された過カルボン酸抗菌組成物は、家禽の微生物汚染を減らす方法で、家禽を洗浄又は処理するのに用いられる水に、用いることができる。本発明の方法に用いるのに好ましい混合された過カルボン酸組成物は、液体又は気体の形での過酢酸と過オクタン酸の混合物を含む。これらの方法は、混合された過カルボン酸抗菌組成物を、処理の間に家禽に好ましくは微生物の集団を減らすのに充分な量と時間で使用する(apply)ことを含む。この組成物は、家禽を浸漬する、水洗する、スプレーする、又は空冷する(air chilling)、又はそれらの組み合わせ、を含む方法で使用することができる。処理の間、この組成物は丸のままの、ばらばらにした、切り分けた、又は骨を抜いた家禽に使用することができる。
【0014】
本発明の方法のある実施の形態では、この方法は、前に家禽に使用した混合された過カルボン酸抗菌組成物を回収するステップを含む。回収された組成物は充分な量の過カルボン酸混合物を加えて処理してリサイクルされる混合された過カルボン酸抗菌組成物を得ることができる。リサイクルされる混合された組成物は減少した濃度の微生物を、例えば人間の病原体を、含んでおり、より安全に処分できる。あるいはまた、リサイクルされた混合された組成物は処理の際家禽に使用できる。好ましくは、リサイクルされる組成物を形成するために加えられる過カルボン酸の混合物は、過酢酸と過オクタン酸の濃縮組成物をこれらの過カルボン酸の適当な使用抗菌レベルの組成物を作るように加えることによって形成される。
【0015】
組成物は、過オクタン酸の代わりに、又はそれに加えて、過ヘプタン酸及び/又は過ノナン酸を含むことができる。
【0016】
発明の詳細な説明 定義
ここで用いる場合、“家禽”という用語は、食肉又は卵のために飼われ、収穫され、又は飼い慣らされるあらゆる形態の鳥を指し、ニワトリ、七面鳥、駝鳥、シャモ、ヒナバト、ホロホロチョウ、キジ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、エミュー、など、及びこれらの鳥の卵、を含む。家禽は、丸のままの、ばらばらにされた、加工された、料理された、又は生の家禽を含み、あらゆる形態の鳥肉、及び副産物を包含する。鳥肉は、筋肉、脂肪、内臓、皮、骨、及び体液など、動物を構成する成分を含む。鳥肉の形態は、例えば、丸のままの鳥肉又は部分、を単独で又は他の成分との組み合わせで含む。典型的な形態は、例えば、保存処理された鳥肉、ばらばらにされて成形されて肉、ひき肉、細かく刻まれた肉、丸のままの肉、などの処理された鳥肉を含む。
【0017】
ここで用いる場合、“過カルボン酸組成物”又は“過カルボン酸”に関連して用いられる“混合された”又は“混合物”という用語は、2つ以上の過カルボン酸を含む組成物又は混合物、例えば、過酢酸と過オクタン酸を含む組成物又は混合物、を指す。
【0018】
ここで用いる場合、“家禽破片”とは、処理の際家禽死体またはその部分から除去され、廃物の流れに入ってくる破片、残留物、肉、ごみ、あら、鳥肉部分、鳥肉廃物、鳥の内臓、鳥の器官、断片、又はこれらの組み合わせ、を指す。
【0019】
ここで用いる場合、“濃縮流体”というフレーズは、臨界、亜臨界(subcritical)、近臨界(near critical)、又は超臨界状態にある流体を指す。流体は、一般に、1気圧で0℃という標準状態にある気体である。ここで用いる場合、“超臨界流体”というフレーズは、臨界温度(それより上では圧力によって液化できない温度)より高い温度に維持される濃縮気体を指す。超臨界流体は、普通、液体よりも粘度が低く、容易に拡散する。濃縮流体はその臨界点に、それよりも上に、又は少し下にあることが好ましい。ここで用いる場合、“臨界点”というフレーズは、ある物質の液体状態と気体状態が融合した遷移点であり、臨界温度と臨界圧力の組み合わせを表す。臨界圧力は、臨界温度で2つの相をちょうど出現させるに充分な圧力である。臨界温度及び臨界圧力は多数の有機及び無機化合物、及びいくつかの元素、について報告されている。
【0020】
ここで用いる場合、“近臨界”流体、又は“亜臨界”流体という用語は、普通、超臨界流体の臨界点よりも下にあるが、流体状態にあって流体への圧力の降下によって典型的な気体よりも濃密な流体物質を指す。好ましくは、亜臨界又は近臨界流体はその臨界点のすぐ下の温度及び/又は圧力にある。例えば、亜臨界又は近臨界流体は、その臨界温度よりも下にあるが臨界圧力よりも上にある、又はその臨界圧力よりも下にあるが臨界温度よりも上にある、又はその臨界温度及び圧力の両方の下にある。近臨界及び亜臨界という用語は、通常の気体又は液体状態にある物質を指すものではない。
【0021】
ここで用いる場合、本発明の組成物における、又は本発明の方法で用いられる、構成成分の量を修飾する用語“約”は、例えば、現実の世界で濃縮物を作ったり使用溶液を作ったりするさいに用いられる典型的な計測及び液体取扱い手順によって;それらの手順における不注意なエラーによって;組成物を作るのに又は方法を実行するのに用いられる構成成分の製造、源、又は純度のため;などによって起こりうる数量の変動を指す。約という用語は、また、特定の初期混合物から生ずる組成物の異なる平衡状態によって異なる量も包含する。“約”という用語で修飾されるかどうかに関わりなく、特許請求の範囲は量の等価物を含む。
【0022】
抗菌的な“−殺菌(−cidal)”又は“−制菌(−static)”活性の区別、これらは効力の程度を表す定義であり、この効力を測定する公式の実験室プロトコルは抗菌剤及び抗菌組成物の重要性を理解する因子である。抗菌組成物は微生物細胞に2種類のダメージを与えることができる。第1は、致死的な、不可逆的作用であって、微生物細胞の完全な破壊又は不能化を生ずる。第2のタイプの細胞ダメージは可逆的であって、その生物がこの薬剤から解き放たれれば生物は再び増殖できるようになる。前者は殺菌的と呼ばれ、後者は制菌的と呼ばれる。殺菌剤と消毒剤は、定義からして、抗菌又は殺菌活性を有する薬剤である。これに対し、防腐剤は一般に阻害剤又は制菌組成物と記載される。
【0023】
この特許出願では、微生物減少の成功は、微生物の集団が少なくとも約50%減少したとき、又は水での洗浄で達成されるよりも顕著に大きく減少したときに達成されたとする。微生物の集団の減少が大きいほど、処理された家禽食品の防護レベルが高くなる。
【0024】
ここで用いる場合、いくつかの構成成分から“本質的に成る”組成物又は組み合わせとは、それらの構成成分を含み、その組成物又は方法の基本的な新しい特性に実質的に影響を及ぼす成分を含まない組成物を指す。“..から本質的に成る”というフレーズは、特許が請求される組成物と方法から次のものを排除する:結合剤(coupling agent);合衆国政府の規則又は規制によって食品に、又は食品の洗浄、取扱い、処理、に用いることができない成分;及び/又は、10以上の炭素原子を含む過カルボン酸又はカルボン酸;ただし、そのような成分がそのフレーズと共に特にリストされている場合を除く。過カルボン酸抗菌組成物カルボン酸と過カルボン酸の組成物
本発明の組成物は、成分として特にカルボン酸を含む。一般に、カルボン酸はR−COOHという化学式を有し、Rは任意の数の異なる基、例えば、脂肪族グループ、脂環グループ、芳香族グループ、複素環式グループ、などを表し、それらはすべて飽和又は不飽和の、ならびに置換基又は置換されない基、であってよい。カルボン酸は1つ、2つ、3つ、又はもっと多くのカルボキシル基を有する。本発明の組成物及び方法は、18もの多数の炭素原子を含むカルボン酸を用いることができる。適当なカルボン酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、乳酸、マレイン酸、アスコルビン酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸、ネオデカン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、及びsubric acidなどである。一般に用いることができるカルボン酸は1つ又は2つのカルボン酸を含むものであり、RグループはCからC12までの長さの一次アルキル鎖である。一次アルキル鎖は、分子の炭素鎖であって最大長さの炭素原子を有し、カルボキシル官能基に直接付いている。オクタン酸は表面張力を減らして家禽の皮のような疎水性表面を濡らすのを助ける。
【0025】
過カルボン酸は、一般に、R(COH)nという化学式を有し、Rはアルキル、アリルアルキル、シクロアルキル、芳香族、又は複素環式グループであり、nは1,2,又は3であり、親の酸の前に過(peroxy)を前置して命名される。過カルボン酸ハ、カルボン酸ほど安定でないが、分子量が増すにつれてその安定性は増大する。これらの酸の熱分解は一般にフリーラジカル及びノンラジカル経路で、光分解又はラジカル誘導分解で、又は金属イオン又は錯塩の作用によって進行できる。過カルボン酸は、過酸化水素とカルボン酸との直接の酸に触媒された平衡作用によって、アルデヒドの自動酸化によって、又は酸塩化物、及び水素化物から、又はカルボン酸無水物と水素又はナトリウム過酸化物とから、作ることができる。
【0026】
本発明の組成物及び方法で使用できる過カルボン酸は、過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、過ヘキサン酸、過ヘプタン酸、過オクタン酸、過ノナン酸、過デカン酸、過ウンデカン酸、過ドデカン酸、過乳酸、過マレイン酸、過アスコルビン酸、過ヒドロキシ酢酸、過シュウ酸、過マロン酸、過コハク酸、過グルタル酸、過アジピン酸、過ピメリン酸、及びperoxysubric acid、及びそれらの混合物である。2つ以上のカルボン酸塩部分を有するカルボン酸の過酸形態は、2つ以上のカルボキシル部分を過カルボキシル部分として有することができる。これらの過カルボン酸は、優れた抗菌作用を有し、水性混合物で良い安定性を有することが見出された。ある好ましい実施の形態では、本発明の組成物はいくつかの異なる過カルボン酸の組み合わせを利用する。組成物は1つ以上の小さなC−C過カルボン酸と1つ以上の大きなC−C過カルボン酸を含むことが好ましい。特に好ましいのは、小さな過カルボン酸が過酢酸であり、大きな過カルボン酸が過オクタン酸である実施の形態である。
【0027】
典型的な形で、本発明の組成物及び方法は過酢酸を含む。過酢酸は化学式:CHCOOOHを有する過カルボン酸である。一般に、過酢酸は高濃度でつんとする臭いを有する液体であり、水、アルコール、エーテル、及び硫酸に自由に溶解する。過酢酸は酢酸コバルトの存在下でのアセトアルデヒドと酸素からの調製など、当業者には公知のいくつかの方法によって調製できる。過酢酸の溶液は酢酸を過酸化水素と組み合わせて得られる。過酢酸の50%溶液は、無水酢酸、過酸化水素及び硫酸を組み合わせて得られる。過酢酸を調合する他の方法としては、米国特許第2,833,813号に開示されているものがあり、これは参照によってここに取り込まれる。
【0028】
典型的な形で、本発明の組成物及び方法は、過オクタン酸、過ノナン酸、又は過ヘプタン酸を含み、好ましくは過オクタン酸、を含む。過オクタン酸は、例えば、n−過オクタン酸の化学式:CH(CH)COOOHを有する過カルボン酸である。過オクタン酸は、直鎖アルキル部分を有する酸、分岐アルキル部分を有する酸、又はそれらの混合物、があり得る。過オクタン酸は当業者に公知のいくつかの方法で調製することができる。過オクタン酸の溶液は、オクタン酸を過酸化水素と組み合わせて得られる。
【0029】
本発明のある好ましい抗菌組成物は、酢酸、オクタン酸、過酢酸、及び過オクタン酸を含む。この組成物はまた、キレート化剤を含むことができる。好ましい組成物は、好ましくは、1つ以上の家禽に関連した食品についてくる病原性バクテリア、例えばSalmonella typhimurium, campyrobacterjejuni, Listeria monocytogenes, 及びEscherichia coli O157:H7、など、を殺す効力がある過酢酸と過オクタン酸の組み合わせを含む。本発明の組成物及び方法は、グラム陽性菌(例えば、Listeria monocytogenes)、グラム陰性菌(例えば、Escherichia coli)、酵母、糸状菌、バクテリア芽胞、ウイルス、など広範な微生物に対して活性を有する。上述のような本発明の組成物及び方法は、広範なヒトの病原体に対して活性を有する。この組成物及び方法は、家禽の表面の、及び家禽の洗浄又は処理に使用される水のなかの多様な微生物を殺すことができる。
【0030】
好ましい組成物は、濃縮組成物と使用組成物を含む。普通、抗菌濃縮組成物は、例えば水によって、希釈して抗菌使用組成物を作ることができる。ある好ましい実施の形態では、濃縮組成物は家禽を洗浄又は処理する水にきしゃくされる。液体過カルボン酸抗菌組成物
本発明の好ましい抗菌濃縮組成物は、約40〜約70質量(重量)%、好ましくは約45〜約65質量(重量)%, 好ましくは約50〜約60質量(重量)%,の酢酸;約2〜約20質量(重量)%、好ましくは約2〜約8質量(重量)%、のオクタン酸;及び約5〜約15質量(重量)%の過酸化水素を含む。この組成物はまた、約0.3〜約1質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌濃縮組成物は、約55質量(重量)%の酢酸、約11質量(重量)%の過酸化水素、及び約4質量(重量)%のオクタン酸を含む。この組成物はまた、約0.6質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。この濃縮組成物は、上記の比率にしたがって調製することができる。これらの構成成分をこの比率で組み合わせると、いくつかの構成成分、例えば、酢酸、オクタン酸、及び過酸化水素、が反応して過酢酸と過オクタン酸を形成する。
【0031】
組み合わせてから約2週間後までに、これらの構成成分の反応は平衡に近づく。すなわち、過酢酸、酢酸、過オクタン酸、オクタン酸、及び過酸化水素の1つ以上の相対量がほぼ一定になる。平衡量は、どれかの不安定な分子種の分解又は他の反応(もしもあれば)によって影響される。本発明の好ましい抗菌濃縮組成物は、約40〜約70質量(重量)%、好ましくは約45〜約65質量(重量)%, 好ましくは約50〜約60質量(重量)%,の酢酸;約2〜約20質量(重量)%、好ましくは約2〜約8質量(重量)%、のオクタン酸;及び約5〜約15質量(重量)%の過酸化水素、の組み合わせから生ずる平衡混合物を含む。この平衡組成物はまた、約0.3〜約1質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。本発明の更に好ましい抗菌濃縮組成物は、約55質量(重量)%の酢酸、約11質量(重量)%の過酸化水素、及び約4質量(重量)%のオクタン酸、の組み合わせから生ずる平衡混合物を含む。この平衡組成物はまた、約0.6質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。
【0032】
本発明のある好ましい抗菌濃縮組成物は、約30〜約60質量(重量)%、好ましくは約35〜約60質量(重量)%, 好ましくは約35〜約50質量(重量)%, 好ましくは約40〜約50質量(重量)%,の酢酸;約1〜約15質量(重量)%、好ましくは約1〜約7質量(重量)%、のオクタン酸;約2〜約12質量(重量)%、好ましくは約2〜約8質量(重量)%、の過酸化水素;約6〜約16質量(重量)%、好ましくは約8〜約16質量(重量)%、の過酢酸;及び、約0.1〜約5質量(重量)%、好ましくは約0.1〜約2質量(重量)%、の過オクタン酸を含む。この濃縮組成物はまた、約0.1〜約2質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌濃縮組成物は、約40質量(重量)%の酢酸;約3質量(重量)%のオクタン酸;約6質量(重量)%の過酸化水素;約10質量(重量)%の過酢酸;及び約0.8質量(重量)%の過オクタン酸を含む。この抗菌濃縮組成物は約0.6質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌濃縮組成物は、約41質量(重量)%の酢酸;約3.2質量(重量)%のオクタン酸;約6.2質量(重量)%の過酸化水素;約12質量(重量)%の過酢酸;及び約0.80質量(重量)%の過オクタン酸を含む。この抗菌濃縮組成物は約0.60質量(重量)%のキレート化剤を有利に含むことができる。これらの好ましい組成物は、酸と過酸化物成分をこれまでのパラグラフにリストした比率で混合して、約1〜約2週間組成物を周囲温度に放置して生成することができる。すなわち、これらの好ましい組成物は平衡組成物と考えることができる。
【0033】
本発明の組成物は、また、抗菌使用組成物を含む。好ましい抗菌使用組成物は、約5〜約1000ppmの酢酸;約0.5〜約100ppm、好ましくは約0.5〜約75ppm、のオクタン酸;約1〜約200ppm、好ましくは約1〜約110ppm、の過酸化水素;約2〜約300ppm、好ましくは約2〜約220ppm、の過酢酸;及び約0.1〜約20ppm、の過オクタン酸、を含む。このような使用組成物は約0.05〜約30ppmのキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌使用組成物は、約7(例えば、6.8)ppm の酢酸、約0.5ppm のオクタン酸、約1ppmの過酸化水素、約2ppmの過酢酸、及び約0.1ppmの過オクタン酸を含む。この使用組成物は、約0.1ppmのキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌使用組成物は、約20(例えば、17)ppmの酢酸、約1〜約2(例えば、1.3)ppmのオクタン酸、約2〜約3(例えば、2.6)ppmの過酸化水素、約5ppmの過酢酸、及び約0.3ppmの過オクタン酸を含む。この使用組成物は、約0.3ppmのキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌使用組成物は、約100(例えば、101)ppmの酢酸、約8ppmのオクタン酸、約10〜約20(例えば、16)ppmの過酸化水素、約30ppmの過酢酸、及び約2ppmの過オクタン酸を含む。この使用組成物は、約1〜約2(例えば、1.5)ppmのキレート化剤を有利に含むことができる。好ましくは、このような抗菌使用組成物は、約1000(例えば、985)ppmの酢酸、約70〜約80(例えば、74)ppmのオクタン酸、約100〜約200(例えば、110)ppmの過酸化水素、約220 (例えば、213)ppmの過酢酸、及び約10〜約20(例えば、14)ppmの過オクタン酸を含む。この使用組成物は、約10〜約20(例えば、13)ppmのキレート化剤を有利に含むことができる。ある濃縮組成物の異なる希釈は、使用組成物の成分の異なるレベルを生ずるが、一般に相対的比率は維持される。例えば、本発明の使用組成物は、上にリストした濃度の2倍、半分、又は4分の1の濃度を有することができる。
【0034】
更に液体過カルボン酸組成物について
使用組成物の中の反応性の分子種、例えば過酸及び/又は過酸化水素、のレベルは、使用組成物の中に見られる、又はそれに加えられる有機物によって影響される、普通は減少する。例えば、使用組成物が家禽を洗浄するのに用いられる槽又はスプレーである場合、家禽の有機物又はそれに付随する有機物が過酸及び過酸化物を消費する。したがって、使用組成物における成分の現在量は、使用前又は使用の初期における組成物に関するものであり、使用組成物に有機物が加えられるにつれてこの量は減少するということが了解されている。
【0035】
更に、濃縮組成物及び使用組成物は年と共に変化する。周囲条件においてほぼ1年で、組成物中の過カルボン酸の量は、最初の平衡値又は使用組成物のレベルの約70%〜約80%、好ましくは約80%〜約85%、にまで減少する可能性があると考えられている。このような老化した組成物が本発明の範囲に含まれる。
【0036】
上述の組成物の各々で、キレート化剤は、好ましいがオプションの成分である。普通、上述の組成の各々における残りは、主に又はもっぱら溶剤によって、例えば水、例えば水道水又はその他の飲むことができる水、によって構成される。
【0037】
本発明の組成物は、好ましくは、例えば、政府の(例えば、FDA又はUSDAの)規則及び規制で家禽製品において又は家禽の洗浄、取扱い、又は処理で、用いることができる成分のみを含む。好ましくは、組成物は10, 12, 又はもっと多くの炭素原子を含む過カルボン酸又はカルボン酸を含まない。このような10, 12, 又はもっと多くの炭素原子は、家禽に望ましくない(例えば、味を悪くする及び/又は悪臭がある)残留物を残すことがある。
【0038】
上記の各組成物は、記載された構成成分を組み合わせることによって調合できる。更に、酸と過酸の両方を含む組成物のいくつかは、酸と過酸化水素を組み合わせ、過酸を形成させることによって調合できる。普通、平衡混合物のpHは約1又は約2より低く、平衡混合物を水に溶かした1%溶液のpHは、1%溶液のその他の成分によるが、約2〜約7であり、使用組成物のpHは、他の成分によるが、約4〜約7である。他の流体組成物
本発明は、臨界、近臨界、又は超臨界(濃縮された)流体と抗菌剤を含む抗菌組成物又は抗菌剤の気体組成物を用いることができる。濃縮された流体は、近臨界、臨界、超臨界流体、又は超臨界流体の性質を有する別のタイプの流体であってもよい。濃縮化に適した流体としては、二酸化炭素、酸化窒素、アンモニア、キセノン、クリプトン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、いくつかのフルオロアルカン(例えば、塩化トリフルオロメタン、及びモノフルオロメタン)、など、及びそれらの混合物、がある。好ましい流体は二酸化炭素などである。抗菌組成物は、また、他の成分、例えば別の流体又は気体;キャリア、溶剤又は共溶剤;酸化剤;脂肪酸;又はそれらの混合物、を含むことができる。
【0039】
濃縮された流体システムと共に用いられる抗菌剤は、いろいろな食品表面に適合する抗菌剤、例えば、1つ以上の過カルボン酸、第4級アンモニウム抗菌剤、酸消毒剤、それらの混合物、及びその他の食品表面に適合する抗菌剤、のいずれであってもよい。本発明の方法で用いることができる好ましい濃縮化流体抗菌組成物は、濃縮された二酸化炭素、過酢酸、過酸化水素、酢酸、過オクタン酸、及びオクタン酸を含み、これは濃縮化流体混合過カルボン酸組成物と呼ぶことができる。
【0040】
別の実施の形態では、抗菌組成物は、流体、抗菌剤、及び何らかのオプションの又は添加された成分、を含むが、気体の形をしている。
【0041】
濃縮化流体抗菌組成物は、当業者に公知のいくつかの方法のいずれによっても使用できる。このような方法は、濃縮化流体と抗菌剤を入れた容器から家禽の死体又はその部分に排出するステップを含む。過酸化水素を含む水性の相は装置内に有利に保持される。排出された気体は効果的な量の抗菌剤を含み、濃縮化流体過カルボン酸組成物を効果的な抗菌剤にする。
【0042】
本発明の濃縮化流体組成物は高圧の性質を有するので、これらの組成物は普通、家禽死体又はその部分を迅速に効率的にカバーするように設計された減圧デバイスを通して組成物を入れた容器から排出させることによって使用される。このような減圧デバイスを含む装置としては、スプレー装置、噴霧器、発泡装置、フォームパッド塗布装置、ブラッシ塗布装置、又は流体物質を高圧から周囲圧力に膨張させてそれを家禽死体又はその部分に塗布することができるその他の装置、が含まれる。
【0043】
濃縮化流体過カルボン酸組成物はまた、特に家禽に水を加えることが不利であるステップで、家禽の処理の際に気体の物質を吹きつけるために公知のいろいろな方法のいずれかによって、例えば空気冷却とパッケージング(例えば、変形大気パッケージング)によって、家禽に使用することができる。気体状の過カルボン酸組成物を吹きつけるのが適当な家禽処理における他のポイントとしては、不活性気体処理、二酸化炭素スタンニング、などを含むステップがある。
【0044】
濃縮化流体抗菌組成物は、濃縮化流体を含む媒質中で酸化可能な基質を酸化剤と反応させて抗菌組成物を形成することによって作ることができる。この反応は、普通、濃縮化流体を入れるのに適した容器内で行われる。反応させるということは、容器に酸化可能な基質と酸化剤を入れ、流体を容器に加えて濃縮化された流体を形成することを含む。好ましい反応システムは、カルボン酸と過酸化水素の間で反応させて対応する過カルボン酸を形成するものである。普通、過酸化水素は過酸化水素の水溶液の形で供給される。好ましいカルボン酸は、酢酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、及びそれらの混合物である。
【0045】
超臨界、亜臨界、近臨界、及びその他の濃縮流体と、これらの流体と共に用いることができる溶剤は、1994年4月26日にHoy et al.に出された米国特許第5,306,350号に開示されており、この特許はここにそのような開示に関して取り込まれる。超臨界その他の濃縮形態の二酸化炭素、及び共溶剤、共界面活性剤、及びこれらの形態の二酸化炭素と共に用いることができるその他の添加物は、1999年2月2日にDeSimone et al. に出された米国特許第5,866,605号に開示されており、この特許はここにそのような開示に関して取り込まれる。
【0046】
過酸化水素
本発明の抗菌組成物はまた、普通、過酸化水素成分を含む。過酸化水素は過カルボン酸との組み合わせで微生物に対してある抗菌作用を及ぼす。更に、過酸化水素は発泡性作用を及ぼし、それが塗布される表面を洗浄することができる。過酸化水素は、塗布されると機械的に平らにする作用があり、それが塗布された表面を更に清浄にする。過酸化水素の別の利点は、使用したとき及び分解したときにこの組成物が食品適合性を有することである。例えば、過酢酸、過オクタン酸、及び過酸化水素の組み合わせは、分解すると酢酸、オクタン酸、水、及び酸素を生ずるが、これらはすべて食品適合性を有する。
【0047】
過カルボン酸を生成するためにいろいろな酸化剤を用いることができる。適当な酸化剤としては、過酸化水素の他に、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、がある。いくつかの理由によって、一般に過酸化水素が好ましい。H/過カルボン酸殺菌剤を使用した後、残された残留物は水と酸性成分を含む。槽やスプレー装置などの家禽処理装置の表面にこれらの生成物が付着しても、装置、取扱いや処理、あるいはそこで洗浄される家禽、に有害な影響はない。
【0048】
過酸化水素(H)は、分子量が34.014であり、弱酸性の、透明な、無色の液体である。4つの原子は、H−O−O−H構造で共有結合している。一般に、過酸化水素は、融点が−0.41℃、沸点が150.2℃、密度は25℃で1.4425 グラム/cm、粘度は20 ℃で1.245センチポワズである。キャリア
本発明の組成物はまた、キャリアを含む。キャリアは組成物の他の成分を溶解、懸濁、又は担持する媒質となる。例えば、キャリアは、可溶化及び過カルボン酸の生成のための、そして平衡混合物を形成するための媒質となる。キャリアはまた、本発明の抗菌組成物を家禽に到達させ濡らす機能もある。このために、キャリアはそれらの機能を助けるための成分(単数又は複数)を含むことがある。
【0049】
一般に、キャリアは、優れた可溶化剤であり反応と平衡のための媒質である水を主に含む。キャリアは、有機溶剤、例えば単純なアルキル・アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、など、を含む、又は主に有機溶剤であることもある。プロピレン・グリコール、ポリエチレン・グリコール、グリセロール、ソルビトール、などのポリオールもキャリアとして用いることができる。これらの化合物は、いずれも単独も、又は他の有機又は無機成分との組み合わせでも、又は水との組み合わせ又はそれらの混合物でも、用いることができる。
【0050】
一般に、キャリアは本発明の組成物の大きな部分を構成し、活性の抗菌成分、アジュバント、などを除いた組成物の残りを占める。ここでもやはり、キャリアの濃度やタイプは、組成物全体の性質、環境的な貯蔵、及び使用の方法、特に抗菌剤の濃度、などに依存する。特に、キャリアは本発明の組成物における活性成分の抗菌効力を阻害しないような濃度で選んで使用しなければならない。
【0051】
アジュバント
本発明の抗菌組成物はまた、任意の数のアジュバントを含むことができる。具体的にいうと、本発明の組成物は、組成物に加えることができる成分として、安定化剤、湿潤剤、ハイドロトロープ(Hydrotrope)、増粘剤、界面活性剤、発泡剤、酸性化剤、ならびに顔料や色素、を含むことができる。これらのアジュバントは、本発明の抗菌組成物と共に予め調合してもよいし、システムに同時に加えてもよいし、抗菌組成物を加えたあとで加えてもよい。本発明の組成物はまた、用途によって必要とされる、当業者に公知であり、本発明の活性を助けることができる任意の数の他の構成成分を含むことができる。
【0052】
安定化剤
本発明の組成物に、例えば、過酸及び過酸化水素を安定化し、本発明の組成物の内部でこれらの成分が早すぎる酸化をしないように、安定化剤を加えることができる。
【0053】
本発明の組成物における安定化剤として一般に用いることができるキレート化剤又は金属イオン封鎖剤としては、特に、EDTA(エチレン・ジアミン・テトラ酢酸四ナトリウム塩)などのアルキル・ジアミン・ポリ酢酸タイプのキレート化剤、アクリル及びポリアクリル酸タイプの安定化剤、ホスホン酸及びホスホン酸塩タイプのキレート化剤、があげられる。好ましい金属イオン封鎖剤は、ホスホン酸及びホスホン酸塩、例えば1−ヒドロキシ エチレン−1,1− ジホスホン酸(CHC(PO)OH)(HEDP)、アミノ[トリ(メチレン ホスホン酸)]([CHPO(エチレン ジアミン[テトラ メチレン−ホスホン酸)]、2−ホスフェン ブタン−1,2,4− トリカルボン酸、ならびに、アルキル金属塩、アンモニウム塩、又はアルキロイル アミン塩、例えば、モノ、ジ、又はテトラ−エタノールアミン塩、などである。安定化剤は、組成物の約0質量(重量)%〜約20質量(重量)%、好ましくは組成物の約0.1質量(重量)%〜約10質量(重量)%、そして最も好ましくは組成物の約0.2質量(重量)%〜約5質量(重量)%、の範囲の濃度で用いられる。
【0054】
アミノ・ホスフェート及びホスホネートも、本発明の組成物においてキレート化剤として用いるのに好適であり、エチレン ジアミン(テトラメチレン ホスホネート)、ニトリロトリスメチレン ホスフェート、ジエチレントリアミン(ペンタメチレン ホスホネート)、などがある。これらのアミノ・ホスフェートは、普通、アルキル又はアルカリ性の8未満の炭素原子の基を含む。ホスホン酸も、低分子量のホスフォノポリカルボン酸、例えば約2−4カルボン酸部分と約1−3ホスホン酸グループを有するもの、を含む。このような酸としては、1−ホスホノ−1−メチルコハク酸、ホスホノコハク酸、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、などがある。
【0055】
市販されている食品添加物としてのキレート化剤には、商標名DEQUEST(登録商標)の下で売られているホスホン酸塩、例えば、DEQUEST(登録商標)2010としてMonsanto Industrial Chemicals Co., St. Louis, MO,から入手できる1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸; DEQUEST(登録商標)2041としてMonsanto から入手できるエチレンジアミン(トリ(メチレンホスホン酸))、(N[CHPO]);及びBayhibit AMとしてMobay Chemical corporation, Inorganic Chemicals Division, Pittsburgh, PA,から入手できる2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、などがある。
【0056】
上記のホスホン酸はまた、水溶性の酸塩、特にナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩;アンモニウム塩又はアルキロール・アミン塩、でアルキロールが2〜3炭素原子を有する、例えばモノ−、ジ、又はトリエタノール・アミン塩、の形で用いることもできる。望むならば個々のホスホン酸又はそれらの酸塩の混合物を用いることもできる。
【0057】
本発明で使用できるキレート化剤の濃度は、一般に、約0.01〜約10質量(重量)%の範囲、好ましくは約0.1〜約5質量(重量)%の範囲、最も好ましくは約0.5〜約2質量(重量)%の範囲、にある。
【0058】
湿潤剤又は泡消し剤
本発明の組成物では、湿潤剤及び泡消し剤も用いることができる。湿潤剤は、本発明の抗菌組成物の表面接触又は浸透活動を高める機能がある。本発明の組成物で使用できる湿潤剤としては、本発明の組成物の表面界面活性を高めるために当業者に公知の成分のいずれかを含む。
【0059】
この方向で、界面活性剤、特に非イオン界面活性剤を本発明において有用に用いることができる。本発明に用いることができる非イオン界面活性剤は、エチレンオキシド部分、プロピレンオキシド部分、ならびにそれらの混合物、及びヘテロ(heteric)又はブロック・フォーメーションのエチレンオキシド−プロピレンオキシド部分、を含むものである。その他に、非イオン界面活性剤で、アルキル・エチレンオキシド化合物、アルキル・プロピレンオキシド化合物、ならびにそれらの混合物、及びアルキル・エチレンオキシド−プロピレンオキシド化合物であって、エチレンオキシド−プロピレンオキシド部分がヘテロ又はブロック・フォーメーションになっているもの、を含む非イオン界面活性剤は本発明で有用である。更に、本発明で有用なのは、アルキル鎖に結合したエチレンオキシド−プロピレンオキシド部分の混合物又は組み合わせを有する非イオン界面活性剤であって、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド部分はどんな不規則又は秩序あるパタンであっても、どんな特定長さであってもよい。本発明に用いられる非イオン界面活性剤はまた、ブロック及びヘテロの(heteric)エチレンオキシド プロピレンオキシド、又はエチレンオキシド−プロピレンオキシド、の不規則セクション(randomized section)を含むことができる、例えば、商標名Tetronicで売られているものを含め、エチレン・ジアミン・エチレンオキシド、エチレン・ジアミン・プロピレンオキシド、それらの混合物、及びエチレン・ジアミンEO−PO化合物、を含むことができる。
【0060】
一般に、本発明の組成物に用いられる非イオン界面活性剤の濃度は、組成物の約0質量(重量)%〜約5質量(重量)%の範囲、好ましくは組成物の約0質量(重量)%〜約2質量(重量)%の範囲、最も好ましくは組成物の約0質量(重量)%〜約1質量(重量)%の範囲、にある。
【0061】
本発明の方法で用いられる組成物はまた、泡消しを助けるための必要に応じて更に別の成分を含むことができる。
【0062】
一般に、本発明に従って使用できる泡消し剤は、シリカ及びシリコーン;脂肪族酸又はエステル;アルコール;硫酸塩又はスルホン酸塩;アミン又はアミド;フルオロクロロ炭化水素などのハロゲン化化合物;植物油、ワックス、鉱物油、ならびにそれらの硫酸誘導体;アルカリ、アルカリ土類金属石鹸などの脂肪酸石鹸;及びリン酸塩とリン酸塩エステル、特に、アルキル及びアルカリ・ジフォスフェート、及びトリブチル・フォスフェートなど;及びそれらの混合物、を含む。
【0063】
本発明の方法の用途を考えると、食品等級の質の抗発泡剤又は泡消し剤が特に好ましい。この目的に効果的な泡消し剤の1つはシリコーンを含むものである。ジメチル・シリコーン、グリコール・ポリシロキサン、メチルフェノール・ポリシロキサン、トリアルキル又はテトラアルキル・シラン、疎水性シリカ泡消し剤、及びそれらの混合物、などのシリコーンはすべて泡消しの用とに使用できる。普通に入手できる市販されている泡消し剤はシリコーンを含んでいる、例えば、Armour Industrial cHemical company から出ているArdefoam(登録商標)、これは有機エマルジョンに結合されたシリコーンである;Krusable cHemical companyから入手できるFoam Kill(登録商標)又はKresseo(登録商標)、これらはシリコーン及び非シリコーン・タイプの泡消し剤、とシリコーン・エステルである;及びDow corning corporation から出ているAnti Foam A(登録商標)とDc−200、これらは特に、どちらも食品等級タイプのシリコーンである。これらの泡消し剤は、約0.01質量(重量)%〜5質量(重量)%、好ましくは約0.01質量(重量)%〜2質量(重量)%、最も好ましくは約0.01質量(重量)%〜1質量(重量)%、という濃度範囲で存在する。
【0064】
向水性物質(Hydrotrope)
本発明の又は本発明の方法で用いられる家禽洗浄用組成物はまた、向水性結合剤(Hydrotrope coupler)又は可溶化剤を含むことができる。このような物質を用いて、組成物が相として安定し単一の高度に活性な水性形態にとどまるようにすることができる。このような向水性の可溶化剤又は結合剤は、相の安定を維持し望まれない組成物の相互作用を生じないような濃度で用いることができる。
【0065】
代表的なクラスの向水性可溶化剤又は結合剤としては、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル又はアルカン、線状アルキル・ベンゼン又はスルホン酸ナフタレン、第2級スルホン酸アルカン、硫酸又はスルホン酸アルキルエーテル、リン酸又はホスホン酸アルキル、ジアルキル・スルホサクシン酸エステル、糖エステル(例えば、ソルビタン・エステル)、及びC8−10アルキル・グルコシド、などのアニオン界面活性剤がある。
【0066】
本発明のリンス剤(rinse agent)で用いるのに好ましい結合剤としては、n−オクタン・スルホネート及び芳香族スルホネート、例えば、アルキル・アリル・スルホネート(例えば、ナトリウム・キシレン・スルホネート又はナフタレン・スルホネート)がある。多くの向水性可溶化剤は、低いpHで独立にある程度の抗菌活性を示す。この作用は本発明の効力を増すことになるが、適当な可溶化剤を選定するさいに用いられる第1の規準ではない。プロトン付加された中性状態の過カルボン酸の存在が有益な殺菌又は抗菌活性を与えるので、結合剤は、その独立な抗菌活性によって選ぶのでなく、実質的に不溶な過カルボン酸物質と本発明のもっと溶けやすい組成物の存在下で効果的な単一相の組成安定性を与える能力によって選ばなければならない。一般に、この構成成分の目的に矛盾しないようにして任意の数の界面活性剤を用いることができる。
【0067】
本発明で使用できるアニオン界面活性剤としては、アルキル・カルボキシレート、線状アルキルベンゼン・スルホネート、パラフィン・スルホネート、及び第2級n−アルカン・スルホネート、スルホサクシネート・エステル、及び硫酸化線状アルコール、などがある。
【0068】
本発明で使用できる双性イオン又は両性界面活性剤としては、9−N−アルキルアミノプロピオン酸、n−アルキル−9−イミノジプロピオン酸、イミダゾリン・カルボキシレート、n−アルキル−イレテイン、アミン・オキシド、スルホベタイン、及びスルテイン、がある。
【0069】
本発明の中で使用できる非イオン界面活性剤は、一般にポリエーテル(ポリアルキレン・オキシド、ポリオキシアルキレン、又はポリアルキレン・グリコール、とも呼ばれる)化合物である。具体的に言うと、ポリエーテル化合物は一般にポリオキシプロピレン又はポリオキシエチレン・グリコール化合物である。普通、本発明の中で使用できる界面活性剤は、合成有機ポリオキシプロピレン(PO)−ポリオキシエチレン(EO)ブロック共重合体である。これらの界面活性剤は、EOブロックとPOブロックを含む二ブロック・ポリマー、ポリオキシプロピレン・ユニット(PO)のセンター・ブロック、そしてポリオキシエチレンのブロックがポリオキシプロピレン・ユニットにくっついたもの、又はEOのセンター・ブロックにPOブロックが取り付けられたもの、がある。更に、この界面活性剤は、分子中に更にポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの別のブロックを有することがある。使用できる界面活性剤の平均分子量は約1000〜約40,000であり、エチレン・オキシドの質量(重量)%含有量は約10−80質量(重量)%の範囲にある。
【0070】
本発明の中で使用できるものとしては、また、EO, PO, 及びBOブロックを有するアルコール・アルコキシレートを含む界面活性剤がある。直鎖第一級脂肪族アルコール・アルコキシレートは特にシーティング(sHeeting)剤として有効なことがある。このようなアルコキシレートは、BASF Wyandotteなどいくつかの源から入手でき、そこでは“Plurafac”界面活性剤と呼ばれている。有用であることが分かっているアルコール・アルコキシレートのある特定グループは、一般的な化学式R−(EO)m−(PO)nを有するものである、ここでmは約2−10の整数であり、nは約2−20の整数である。Rは、約6−20炭素原子を有する直鎖アルキル基など適当などんなラジカルであってもよい。
【0071】
本発明で使用できる他の非イオン界面活性剤としては、キャップ付き脂肪族アルコール・アルコキシレートがある。エンド・キャップは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル、及び塩素、などであるが、それだけに限定されない。有用なアルコール・アルコキシレートとしては、エチレン・ジアミン・エチレンオキシド、エチレン・ジアミン・プロピレンオキシド、それらの混合物、及びエチレン・ジアミンEO−PO化合物、商標名Tetronicの下で市販されているものなどがある。このような界面活性剤は、約400〜10,000の分子量を有することが好ましい。キャップがあることは、単一の組成物に調合されたときに非イオン界面活性剤と酸化剤過酸化水素及び過カルボン酸の間の適合性を改善する。その他の有用な非イオン界面活性剤は、アルキル・ポリグリコシドである。
【0072】
本発明で使用できる別の非イオン界面活性剤は、脂肪酸アルコキシレートであり、この界面活性剤は脂肪酸部分と、EOのブロック、POのブロック、又は混合したブロック、又はhetericグループ、を含むエステル・グループを有する。このような界面活性剤の分子量は約400〜約10,000の範囲にあり、好ましい界面活性剤はEO含有量が約30〜50質量(重量)%であり、脂肪酸部分は約8〜約18炭素原子を含む。
【0073】
同様に、アルキル・フェノール・アルコキシレートも本発明で有用であることが見出されている。この界面活性剤は、4〜約18炭素原子のアルキル基を有するアルキル・フェノール部分から作られ、エチレンオキシド・ブロック、プロピレンオキシド・ブロック、又は混合エチレンオキシド−プロピレンオキシド・ブロック、又はhetericポリマー部分を含む。好ましくは、これらの界面活性剤は分子量が約400〜約10,000であり、約5〜約20ユニットのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はそれらの混合物、を有する。
【0074】
本発明で使用される向水性物質の濃度は、一般に約0.1〜約20質量(重量)%、好ましくは約0.5〜約10質量(重量)%、最も好ましくは約1〜約4質量(重量)%、の範囲にある。
【0075】
増粘剤又はゲル化剤
本発明で使用できる増粘剤は、家禽及び家禽処理装置の表面に汚染残留物を残さないようなものである。すなわち、好ましい増粘剤又はゲル化剤は、接触区域にある食品やその他の敏感な製品に対して不適合な成分を含まない。
【0076】
一般に、本発明で使用できる増粘剤は、植物の粘液からのキサンタン・ガム、グアール・ガムなどの天然ガム;アルギネート、スターチ、及びセルロース・ポリマー(例えば、カルボキシメチル・セルロース)など、多糖類をベースとする増粘剤;ポリアクリレート増粘剤;及び、ペクチンなどのハイドロコロイド増粘剤、などである。一般に、本発明の組成物又は方法で用いられる増粘剤の濃度は、最終組成物で望まれる粘度によって決まる。しかし、一般的なガイドラインとして、本発明の組成物内部の増粘剤の粘度は、約0.1質量(重量)%〜約1.5質量(重量)%、好ましくは約0.1質量(重量)%〜約1.0質量(重量)%、最も好ましくは約0.1質量(重量)%〜約0.5質量(重量)%、の範囲にある。
【0077】
調合
本発明の、又は本発明の方法で用いられる組成物は、抗菌的に活性の物質(例えば、カルボン酸、過カルボン酸、及び過酸化水素)をアジュバントやその他の成分、抗菌組成物を形成する物質と一緒にすることによって調合される。組成物はまた、予め形成された過カルボン酸によって調合することもできる。本発明の好ましい組成物は、カルボン酸又はその混合物をオプションの向水性可溶化剤又は結合剤と混合し、その混合物を過酸化水素と反応させ、その後ゆすぎ(rinsing)及び抗菌作用を与えるために必要な残りの成分を加えて作ることができる。
【0078】
安定な平衡混合物は、カルボン酸又は過酸化水素とのブレンドを容器に入れ、混合物を1−14日間、15 ℃以上で静かに放置することによって生成される。この調製方法によって、ある量の過酸化水素、未酸化の酸、酸化された酸又は過カルボン酸、及び変性しない結合剤、可溶化剤、又は安定化剤、を含む平衡混合物が形成される。使用組成物
本発明は濃縮組成物を考えており、家禽に対して使用する前にそれが使用溶液に希釈される。主に経済的な理由から、通常、濃縮組成物を市販して最終ユーザーが水又は水性の希釈液によってその濃縮組成物を使用溶液にまで希釈することが好ましい。
【0079】
濃縮組成物における活性成分のレベルは、意図する希釈因子及び過カルボン酸化合物とカルボン酸の所望の活性に依存する。一般に、水性抗菌組成物には約0.5〜約20流体オンス対約100ガロンの水という希釈が用いられる。高い使用温度(25 ℃より上)又は長い曝露時間(30秒より長い)を用いることができる場合は使用液にもっと高い希釈を用いることができる。典型的な使用条件では、濃縮液は大きな比率の水で希釈され、普通に利用できる水道水を用いて、100ガロンの水あたり約3〜約20オンスの濃縮液という希釈比率で混合して家禽の処理に用いられる。
【0080】
混合過カルボン酸組成物を用いる方法
家禽処理
本発明の濃縮組成物及び使用組成物は、いろいろな抗菌目的に用いることができ、好ましくは家禽の処理及び/又は洗浄のための水をベースとするシステムとして、又はそれを構成するために用いることができる。本発明の組成物及び方法は、家禽及び/又は家禽の肉を処理するために、生きた鳥を集めることから最終製品を包装するまでのどのステップでも用いることができる。例えば、本発明の組成物及び方法は、家禽の死体、家禽死体の部分、又は家禽の内蔵を洗浄し、ゆすぎ、冷却し、熱湯処理するのに用いて、腐敗/腐朽を生ずるバクテリア、及び病原性バクテリアによる汚染を減らすことができる。
【0081】
処理の前に、生きた家禽が一般に輸送されて処理ラインの始点に集められる。処理ラインに入る前に家禽を洗浄することができる。処理は普通、鳥を屠殺すること(普通、電気スタンニングによる)から始まり、続いて頸が切られ放血される。普通、放血のあとに湯通し(例えば、浸漬湯通し)と呼ばれる最初の洗浄ステップが続き、家禽の皮への羽の付着を緩める。浸漬湯通しは本発明の方法に従って、本発明の組成物を用いて行うことができる。浸漬湯通しは普通、屠殺して放血した鳥を水又は液体抗菌組成物の、普通は約50〜約80 ℃、好ましくは約50〜約60 ℃、という温度の湯通し槽に浸漬するものである。組成物と死体の接触を増やすために、槽の中の液体抗菌組成物を攪拌し、超音波処理し、又はポンプで移動させることができる。湯通しは、一般に、湯通し用のタンク又はおけで行われ、そこには湯通し用の液体が家禽の死体を完全に浸すのに充分な深さに入れられる。一般に、死体はコンベヤーによって、タンク又はおけを通って、湯通し液に数分間浸されるようなスピードで運ばれる。
【0082】
本発明に従って、湯通し槽には混合過カルボン酸抗菌組成物を、好ましくは本発明の組成物を入れることができる。好ましくは、高温湯通し槽は、約2〜約50ppm、好ましくは約30ppm、の過カルボン酸が過酢酸と過オクタン酸の混合物として、ここで記載されたような量及び追加成分で存在する過カルボン酸抗菌組成物を収容する。湯通し槽はまた、湯通し槽に許される1つ以上の追加成分を含むことができる。
【0083】
浸漬湯通しの後、家禽は次の洗浄プロセスの前に普通、羽をむしられ、オプションとして毛が焼かれる。この2度目の洗浄は、死体から残った羽や毛嚢の残留物を洗い流すので、一般に“化粧(dress)”リンス、“New Yorkドレス”リンス、又はポストピック・リンスと呼ばれる。化粧リンスは普通、羽をむしった死体に水を、普通は約5〜約30 ℃の温度で、スプレー散布するものである。死体との接触を増やすために、スプレー水の中の抗菌組成物を、より高い圧力、流量、温度、で、又は振動又は超音波のエネルギーと共に、用いることができる。化粧リンスは普通、静止又は移動スプレー・ノズルを備えた洗浄又はスプレー・キャビネットなどの洗浄装置によって行われる。あるいはまた、羽をむしったすぐ後で、“流水(flood)”リンス、又は液体浸漬洗浄装置を用いても良い。
【0084】
本発明に従って、化粧リンスは過カルボン酸抗菌組成物を用いて、好ましくは本発明の組成物を用いて行うことができる。例えば、化粧リンスは、約50〜約300ppm、好ましくは約200ppm、の過カルボン酸が過酢酸と過オクタン酸の混合物として、ここで記載されたような量で追加成分と共に存在する過カルボン酸抗菌組成物を用いることができる。
【0085】
化粧リンスは普通、家禽を解体する前の最終洗浄ステップである。解体は、家禽処理でよく用いられている順番に、頭、足を除去し、内臓を摘出し、首を除去することである。解体され、内臓を摘出された家禽は、内外両側鳥洗浄(IOBW)と呼ばれる洗浄ステップに進む。内外両側鳥洗浄は、鳥の内側(体空洞)と外側を洗浄する。内外両側鳥洗浄は普通、死体の内側と外側の表面を流水、普通約5〜約30 ℃の温度にある流水で洗い流すことである。死体との接触を増やすためにスプレー水の中の抗菌組成物を、高い圧力、流量、温度で、又は振動や超音波エネルギーと共に、使用することができる。内外両側鳥洗浄は一般に、鳥の死体の内側の空洞及び外側を水流で洗い流す装置によって行われる。このような装置は、抗菌組成物を鳥の外側に散布する一連の固定スプレー・ノズルと、体の空洞に入って抗菌組成物を散布するリンス・プローブ又は差し込み部分を含む。
【0086】
本発明に従って、内外両側鳥洗浄は過カルボン酸抗菌組成物、好ましくは本発明の組成物、を用いて行うことができる。例えば、内外両側鳥洗浄は、約20〜約200ppm、好ましくは約50 〜約100ppm、の過カルボン酸が過酢酸と過オクタン酸の混合物として、ここで記載されたような量で追加成分と共に存在する過カルボン酸抗菌組成物を用いることができる。
【0087】
内外両側鳥洗浄の後、鳥の内側と外側を更に汚染除去することができる。このさらなる汚染除去は、部分的には、抗菌スプレー洗浄、殺菌洗浄、又は仕上げ洗浄、と普通呼ばれるステップによって行うことができる。この洗浄は普通、死体の内側と外側表面に水を、普通約5〜約30 ℃の温度でスプレーするものである。死体との接触を増やすために、スプレー水の中の抗菌組成物を、固定又は移動ノズルによって、高い圧力、流量、温度で、振動又は超音波エネルギーと共に、又は回転ブラッシを用いて散布することができる。スプレー洗浄は普通、静止又は移動スプレー・ノズルを備えたスプレー・キャビネットなどの装置によって行われる。ノズルは、死体表面と接触する霧、蒸気っまたはスプレーを発生する。
【0088】
本発明に従って、抗菌スプレー洗浄、殺菌洗浄、又は仕上げ洗浄は過カルボン酸抗菌組成物を用いて、好ましくは本発明の組成物を用いて行うことができる。例えば、スプレー洗浄は、約50〜約300ppm、好ましくは約100 〜約200ppm、の過カルボン酸が過酢酸と過オクタン酸の混合物として、ここで記載されたような量で追加成分と共に存在する過カルボン酸抗菌組成物を用いることができる。
【0089】
スプレー洗浄の後、鳥はパッケージングのために、又は冷却、具体的には浸漬冷却又は空気冷却、のために準備することができる。浸漬冷却は、肉の質を保持するために鳥を洗浄し冷却するものである。浸漬冷却は普通、死体を水又はスラッシュ(slusH)に、普通約5 ℃より低い温度で、死体の温度が水又はスラッシュの温度に近づくまで完全に浸すものである。死体の冷却は、単一の槽への浸漬によって行っても、それぞれがもっと低い温度にある2つ以上の段階で行ってもよい。水は、死体との接触を増やすために振動又は超音波のエネルギーと共に用いることができる。浸漬冷却は普通、家禽の死体を完全に浸すのに充分な液体深さの冷却液を入れたタンクなどの装置によって行われる。死体はいろいろなメカニズムで、例えば、オーガー・フィード(auger feed)や ドラッグ・ボトム・コンベヤー(drag bottom conveyor)によって、冷却槽を通して運ぶことができる。浸漬冷却はまた、冷却された水のカスケードの中で死体を転がすことによっても行うことができる。
【0090】
本発明に従って、浸漬冷却は過カルボン酸抗菌組成物を用いて、好ましくは本発明の組成物を用いて行うことができる。例えば、浸漬冷却は、約2〜約100ppm、好ましくは約2 〜約30ppm、の過カルボン酸が過酢酸と過オクタン酸の混合物として、ここで記載されたような量で追加成分と共に存在する過カルボン酸抗菌組成物を用いることができる。
【0091】
浸漬冷却と同様に、空気冷却又は低温冷却も肉の質を保持するために鳥を冷却する。空気冷却は、鳥の汚染除去にはそれほど効果がないかもしれない。普通、空気は汚染物質を溶かしたり、懸濁させたり、洗い流したりできないからである。しかし、抗菌剤を含む気体による空気冷却は鳥の微生物汚染やその他の汚染を減らすことができる。空気冷却は普通、約5 ℃より低い温度にあるチャンバの中に死体を冷却されるまで囲う。空気冷却は、低温流体又は気体をブランケット又はスプレーとして用いて行うことができる。
【0092】
本発明に従って、空気冷却は過カルボン酸抗菌組成物を用いて、好ましくは本発明の組成物を用いて行うことができる。例えば、空気冷却組成物は、気体状の又は濃縮された流体の抗菌組成物を含むことができる。
【0093】
冷却の後、鳥は更に、計量、品質格付け、割り当て、切り分け、骨抜き、などさらなる処理ステップで処理される。このさらなる処理も、混合過カルボン酸組成物による洗浄に関して本発明の方法又は組成物を含む。例えば、鳥を切り分けて形成される家禽の部分、例えば足、むね、手羽、などを洗浄することは有益である。このような切り分けによって、新しい肉、皮、又は骨の表面ができ、又は現れ、それは汚染しているかもしれないので抗菌組成物による処理が有益である。同様に、家禽死体又は家禽死体の部分の骨を抜くことによって、肉又は骨の新しい表面が微生物汚染にさらされる。骨を抜かれた家禽死体又はその部分を混合過カルボン酸組成物で洗浄することによってこのような汚染を有利に減らすことができる。更に、その後の処理の際にも、骨を抜かれた肉が、例えば汚染した表面で、微生物と接触する可能性がある。骨を抜かれた肉を混合過カルボン酸組成物で洗浄することによってそのような汚染を減らすことができる。洗浄は、スプレー、浸漬、転がし、又はそれらの組み合わせ、又は気体状又は濃縮化流体の抗菌組成物を吹きつける(apply)ことによって行うことができる。
【0094】
家禽の利用可能な副産物としては、心臓、肝臓、内臓(例えば、砂袋)、などがある。これらは普通、処理の後半で収穫されて食品として売られる。もちろん、これらの食品の微生物汚染は望ましくない。したがって、これらの副産物も本発明の方法で混合過カルボン酸組成物によって洗浄することができる。普通、これらの副産物は、家禽死体から取り入れた後、パッケージングする前に洗浄される。洗浄は浸漬又はスプレーによって、又は抗菌組成物を含む流水路の中で輸送することによって行うことができる。臓物冷却器又は氷冷却器の中で本発明の抗菌組成物と接触させることができる。
【0095】
家禽、家禽製品、家禽部分、家禽副産物、などは別の処理、別の処理業者、市場へ、又は消費者へ送る前に包装さレベルことがある。このような家禽は、水をベースとする混合過カルボン酸抗菌組成物で洗浄して、その後それを家禽から除去する(例えば、排水、送風、又はふき取り)ことができる。場合によっては、包装の前に家禽を濡らすことは不利になる。このような場合、過カルボン酸抗菌組成物の気体状又は濃縮流体の形を用いて家禽の微生物汚染を減らすことができる。このような気体状組成物は、パッケージングの前又はその間に家禽を気体にさらすための公知のいろいろな方法で、例えば、変形大気パッケージング(modified atmospHere packaging)によって、用いることができる。
【0096】
家禽の破片や残留物の存在も含むこれらの方法における混合過カルボン酸組成物の有利な安定性は、もっと安価な、それほど安定でない、毒性も考えられる塩素化合物に対してこれらの組成物を競合できるものにする。本発明の好ましい方法では、特に使用組成物を作るために濃縮組成物を水に加えるときに、使用組成物の攪拌又は超音波処理が含まれる。好ましい方法は、何らかの攪拌、スプレー、その他の溶液の混合が行われる水システムを含む。家禽製品は本発明の組成物と効果的に接触させることができ、存在する微生物の数を、水による洗浄で達成できるよりも顕著に大きく減少させることができ、少なくとも50%の減少、好ましくは少なくとも90%の減少、好ましくは少なくとも99%の減少、が得られる。
【0097】
本発明の方法は、はっきりした抗菌効果が発生するために組成物と家禽とのある最小接触時間を必要とする。この接触時間は、使用組成物の濃度、使用組成物を使用する方法、使用組成物の温度、家禽に付着している土壌の量、家禽に付着している微生物の数、などによって異なる。曝露時間は少なくとも約5〜約15秒であることが好ましい。
【0098】
家禽のスプレー
家禽を洗浄する好ましい方法は、混合過カルボン酸組成物の圧力スプレーを用いるものである。家禽製品にスプレー溶液を吹きつけるさいに家禽製品の表面を機械的作用で動かすことができ、好ましくは振動させ、こすり、ブラッシをかけたりすることができる。振動は、家禽製品を物理的にこすること、圧力の下でのスプレー溶液の作用、超音波の作用、又は他の方法によるものであってもよい。振動は、多分微生物を収容している割れ目や小さなコロニーにスプレー溶液を充分に到達させることによって、スプレー溶液が微生物を殺す効力を高める。効力を高めるために、吹きつける前に、スプレー溶液を約15〜20 ℃、好ましくは約20〜60 ℃、という温度に加熱することもできる。
【0099】
スプレーによる組成物の使用は、手動のスプレー器を用いたり、完全な接触を保証するように多数のスプレー・ヘッドによって生産ラインに沿って移動する家禽製品への自動的スプレーを用いたり、又はその他の手段を用いて行うことができる。自動的スプレー散布の好ましい方法はスプレー・ブースを用いることである。スプレー・ブースは、スプレーされる組成物を実質的にブースのパラメータの範囲内に限定する。生産ラインが家禽製品を入口からスプレー・ブースの中へ移動させて、ブースの内部で家禽製品がその外側表面全体にスプレーされる。ブースの内部で家禽製品が完全に組成物で覆われ、組成物が流された後、家禽製品は充分に処理された形でブースから出て行くことができる。スプレー・ブースにスティーム・ジェットを備えて、それを用いて本発明の抗菌組成物を吹きつけることができる。このスティーム・ジェットは冷却水と組み合わせて用いて、家禽製品の表面に達する処理液の温度が65 ℃よりも低く、好ましくは60 ℃よりも低くなるようにすることができる。家禽製品でのスプレーの温度は、スプレーの温度によって家禽製品が実質的に変化しない(調理されない)ようにするために重要である。スプレー・パタンは、使用できるならほとんどどんなスプレー・パタンであってもよい。
【0100】
家禽の浸漬
家禽製品の処理の際、家禽製品をある量の洗浄溶液を入れたタンクに浸すことができる。好ましくは、洗浄溶液を攪拌して、溶液の効力を高め、溶液が家禽製品に付着している微生物を減らすスピードを高める。攪拌は通常の方法によって、例えば、超音波、溶液に空気の泡を通す通気、機械的方法、例えば、濾過器、パドル、ブラッシ、ポンプで駆動する液体ジェット、によって、又はこれらの方法を組み合わせて、行うことができる。洗浄溶液を加熱して微生物を殺す効力を高めることができる。家禽製品は、内蔵を抜いた後、冷却タンク又は冷却水スプレーなどの冷却プロセスの前に洗浄溶液に浸すことが好ましい。
【0101】
家禽の泡処理
本発明の別の実施の形態では、家禽製品を、この組成物の泡バージョンで処理することができる。泡は、使用時に発泡界面活性剤を洗浄溶液に混合して作ることができる。発泡界面活性剤は、非イオン、アニオン、又はカチオン界面活性剤であってよい。使用できる界面活性剤の例は以下のようなものであるが、それだけに限定されない:アルコール・エトキシレート、アルコール・エトキシレート・カルボキシレート、アミンオキシド、アルキル・スルフェート、アルキル・エーテル・スルフェート、スルホネート、第4級アンモニウム化合物、アルキル・サルコシン、ベタイン、及びアルキル・アミド、など。使用溶液における発泡剤のレベルは、約50ppm〜約2.0質量(重量)%である。使用時には、混合物に圧縮空気を吹き込み、タンク・フォーマー(foamer)、壁掛け吸引起泡機、などの泡吹き付け装置を用いて家禽製品の表面に吹き付けることができる。
【0102】
家禽のゲル処理
本発明の別の実施の形態では、家禽製品をこの組成物の増粘化又はゲル化されたバージョンで処理することができる。増粘化又はゲル化された状態で、洗浄溶液は家禽製品の表面に長時間とどまり、それによって抗菌効力が高められる。増粘化又はゲル化された溶液は、垂直な表面にも付着する。この組成物又は洗浄溶液は、従来の方法によって、例えばキサンタン・ガム、高分子増粘剤、セルロース増粘剤、などによって、増粘化又はゲル化できる。アミンオキシドとアニオン対イオンなどの棒状ミセル形成システムを用いることもできる。増粘剤又はゲル化剤は、濃縮組成物で用いても、洗浄溶液に使用時に混合してもよい。増粘剤又はゲル化剤の典型的な使用レベルは約100ppm〜約10質量(重量)%である。
【0103】
家禽の光処理
本発明の別の実施の形態では、家禽製品は、洗浄溶液を使用した後で活性化する光(又は他の電磁放射)の源に曝露することができる。活性化する光(又は他の電磁放射)は、洗浄溶液の抗菌効力を高めることができる。光は、紫外線、赤外線、可視光、又はそれらの組み合わせでもよい。他の形態の電磁放射は、レーダーとマイクロ波、などである。家禽洗浄水の処理
家禽の洗浄には大量の水が、又は別のキャリアが、必要である。水を処理して、リサイクルされる水で洗浄された家禽に望ましくない微生物を伝達することがないようにできるならば、家禽洗浄水は2回以上使用(リサイクル)できる。このような望ましくない微生物の伝達を防ぐ1つの方法は、過カルボン酸の混合物を加えることによってリサイクルされる洗浄水の微生物汚染を減らすことである。例えば、リサイクルされる流体が水をベースとして過カルボン酸を含まない場合、混合過カルボン酸濃縮組成物を加えて、リサイクルされる流体に効果的な抗菌濃度の過カルボン酸を含ませることができる。あるいはまた、リサイクルされる流体が過カルボン酸を含んでいる又は含んでいた場合、混合過カルボン酸濃縮組成物を加えて、どんな濃度の過カルボン酸も効果的な抗菌レベルに高めることができる。リサイクルされる溶液の過カルボン酸が全く使い尽くされたかもしれないが、その場合は混合過カルボン酸組成物を更に加える。
【0104】
ある場合には、リサイクルされる水が有機物や微生物で相当に汚染されている。このような場合、その水はリサイクルには不適当である。しかし、その水をリサイクルしなければならない場合、オペレーターは充分な量の混合過カルボン酸組成物を加えて、既に存在している有機物の負荷や微生物によってある量が消費された後で過カルボン酸が抗菌的に効果的な量になるようにする。その後。リサイクルされる流体は使用することができて抗菌効果がある。通常のテストを用いて過カルボン酸のレベル、又は有機物負荷のレベル、を決定することができる。
【0105】
何れの場合も、家禽洗浄水をリサイクルする方法は、家禽洗浄水を回収するステップ、過カルボン酸のある混合組成物を加えるステップ、及び家禽洗浄水を家禽を洗浄するために、例えば上で述べたように、再使用するステップ、を含む。家禽洗浄水は、浸漬湯通し、化粧洗浄、内外両側鳥洗浄、スプレー洗浄、及び浸漬冷却、などの家禽処理におけるステップから回収できる。これらのステップから洗浄水を回収するステップは家禽洗浄及び/又は処理の当業者には周知である。洗浄水はまた、リサイクリングのプロセスで濾過、フィルタ処理、希釈、その他によって清浄にすることができる。
【0106】
本発明は、以下の例によって更に良く理解されるであろう。これらの例は、本発明の具体的な実施の形態の代表的なものとなるように選ばれており、本発明の範囲を制限することは意図していない。
【実施例】
【0107】
例1−−家禽を汚染する微生物に対する活性を有する過酢酸/過カルボン酸混合物の調合
本発明の好ましい抗菌濃縮組成物は次のように調合された;
【0108】
【表1】

【0109】
この濃縮組成物の残りは水であった。
【0110】
この濃縮調合物は、一般に周囲条件で2週間貯蔵される間に過酸を含む組成物に変換された。
【0111】
この場合、濃縮組成物が次のものに変換された:
【0112】
【表2】

【0113】
この濃縮組成物の残りは水であった。
【0114】
このような濃縮組成物を希釈して本発明の使用組成物を形成した。それらの使用組成物は次の成分を含む:
【0115】
【表3】

【0116】
例2−−混合過カルボン酸抗菌組成物のスプレー散布は家禽上の病原菌汚染を減少させる
本発明の組成物のスプレー散布がテストされ、家禽死体サンプル上の病原菌汚染を有意に減少させることが示された。
【0117】
材料と方法
死体サンプルは、Salmonella typhimurium ATCC 13311, Escherichia coli serotype O157:H7 ATCC 43895, 又はListeria monocytogenes (Petite Scott A) ATCC 49594, のどれかによって汚染された。これらのバクテリアの同定は、グラム染色反応、顕微鏡形態観察、及び適当な選択培地を用いた成長特性に基づいて行った。これらの株を培地で通常の方法によって成育させ、1ミリリットルあたり≧10コロニー形成単位(CFU/mL)が得られるように調整した。
【0118】
死体サンプルは、解凍した2×2インチ平方のニワトリ皮に1 mLの病原菌培養を接種して調製した。この正方形の皮を押して凹みを作り、この凹みに培養を5分間放置してバクテリアを付着させた。付着させた後、培養を皮のサンプルから取り除き、各サイクルを金属スタンドに上皮側/接種側を上に向けて載せた。
【0119】
次に、皮のサンプルに例1に記述した抗菌組成物をスプレーした。使用するために、組成物は、過酢酸として測定される全過酸が200±10ppmになるまで希釈された。家禽死体サンプルは、この組成物を室温で15 秒間60 psiで散布された。
【0120】
スプレー後、皮のサンプルは無菌的に取り出して、バクテリアを殺さずに過カルボン酸を不活性化する物質を含む溶液20 mLの中に入れられた。かき回して残っているバクテリアを懸濁させ、この溶液の系列希釈を平板培養してバクテリアの成長を調べた。希釈試料はリン酸緩衝希釈水(PBDW)を用いて作成された。S. typhimuriumとL. monocytogenesのプレートは37℃で48時間培養された。E. coli O157:H7のプレートは37℃で24時間培養された。各サンプルについて、正方形の皮あたりのコロニー形成単位の数が計算された。
【0121】
結果
皮のサンプル上のバクテリア数についての統計的分析は、本発明の抗菌組成物のスプレー散布がSalmonella typhimurium, Escherichia coli, 及びListeria monocytogenesのレベルを有意に減少させることをはっきりと示した。結果を下の表1に示す。
【0122】
表1−−混合過カルボン酸抗菌剤をスプレーした後のバクテリア・レベル減少の対数
【0123】
【表4】

【0124】
結論
本発明の抗菌組成物のスプレー散布は家禽死体サンプル上の病原菌汚染を有意に減少させる。
【0125】
例3−−混合過カルボン酸抗菌組成物の浸漬使用は家禽上の病原菌汚染を減少させる
本発明の抗菌組成物の浸漬使用がテストされ、家禽死体サンプル上の病原菌汚染を有意に減少させることが示された。
【0126】
材料と方法
バクテリアは、概して上の例2で述べたように選択され培養されたが、死体サンプルに接種するのにバクテリアは1ミリリットルあたり≧10コロニー形成単位(CFU/mL)に希釈された。
【0127】
死体サンプルは冷凍されたニワトリの手羽と肝臓を解凍して調製された。解凍されたサンプルは、バクテリアの懸濁液に浸して接種された。その他の表面は接種されなかった。接種された表面はマークして同定され、室温で5分間放置して水を流出させた。
【0128】
抗菌組成物は例1で記述されたようなものであった。使用溶液は、過酢酸として測定される全過酸で30ppmに希釈された。抗菌剤は、接種されたサンプルと接種されないサンプルを、同じ2リットルの抗菌剤の使用溶液に4 ℃で60分間浸漬することによって使用された。同じ実験が、抗菌剤を含まない水を用いて行われた。
【0129】
60分間の浸漬の後、抗菌剤使用溶液から、又は水から、接種された表面と接種されない表面を取り出して、過カルボン酸を不活性化するがバクテリアを殺さない物質を含む溶液100 mLの中でゆっくりとかき回した。接種されない表面を取り出して分析することが、接種された表面からのバクテリアの相互汚染を測定するために必要だった。上で例2において述べたように、この溶液の系列希釈を平板培養してバクテリアの成長を調べた。相互汚染の減少の対数は、抗菌使用溶液に浸漬された接種されない表面のバクテリア数の対数を水に浸漬された接種されない表面のバクテリア数の対数から差し引いて計算された。
【0130】
結果
死体サンプル上のバクテリアの数の統計的分析は、本発明の抗菌組成物の浸漬使用がSalmonella typhimurium, Escherichia coli, 及びListeria monocytogenesのレベルを有意に減少させることをはっきりと示した。この結果を下の表2と3に示す。
【0131】
表2−−ニワトリの手羽を混合過カルボン酸抗菌剤に浸漬後のバクテリア・レベルの減少の対数
【0132】
【表5】

【0133】
表3−−ニワトリの肝臓を混合過カルボン酸抗菌剤に浸漬後のバクテリア・レベルの減少の対数
【0134】
【表6】

【0135】
結論
本発明の抗菌組成物の浸漬使用は家禽死体サンプル上の病原菌汚染を有意に減少させる。
【0136】
例4−−家禽死体上の腐敗又は腐朽を生ずるバクテリアの減少
この研究は、内蔵を抜かれたニワトリ死体のスプレー又は浸漬に用いられる水の中の混合かカルボン酸抗菌組成物が、全好気性バクテリア、大腸菌型バクテリア、及びEscherichia coliを減少させることをはっきりさせた。
【0137】
材料と方法
新しく集められたニワトリの死体に対して、上の例1で述べた抗菌組成物によるスプレー及び浸漬が行われた。使用溶液、スプレーの時間と圧力、浸漬の温度と長さは、上の例2と3で述べた通りであった。一部の死体では、スプレーと浸漬の両方が行われた。対照の死体は処理されなかった。
【0138】
次に各死体を新しい手袋をした手で収集袋に入れた。袋の中で、死体をButterfield's PHospHate Diluent (BPD)で洗って、BPD液を集めて微生物テストをした。全好気性バクテリア、大腸菌型バクテリア、及びEscherichia coliを定量化する公知の標準的な手順が用いられた。
【0139】
結果
死体サンプル上のバクテリアの数の統計的分析は、本発明の抗菌組成物のスプレー、浸漬、及び組み合わせ使用が、全好気性バクテリア、大腸菌型バクテリア、及びEscherichia coliのレベルを有意に減少させることをはっきりと示した。結果は下の表4に示されている。
【0140】
表4−−ニワトリ死体を混合過カルボン酸で処理した後のバクテリア・レベルの減少の対数
【0141】
【表7】

【0142】
結論
スプレー、浸漬、及びスプレーと浸漬による本発明の抗菌組成物の使用は、腐敗又は腐朽を生ずるバクテリアによる家禽死体の汚染を有意に減少させる。
【0143】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形の冠詞“a”、“an”及び“tHe”は、内容がはっきりとそうでないことを示している場合を除き、複数の指示対象も含むということを注意しておかなければならない。したがって、例えば、“a compound”を含む化合物への言及は、2つ以上の化合物の混合物を含む。また、“or(又は)”という語は、内容がはっきりとそうでないことを示している場合を除き、一般に“and/or(及び/又は)” を含む意味で用いられるということを注意しておかなければならない。
【0144】
本明細書におけるすべての刊行物及び特許出願は、本発明が関わる技術分野における技術の現状を示している。
【0145】
本発明は、いろいろな具体的な好ましい実施の形態に関して説明された。しかし、本発明の精神と範囲から逸脱することなく多くの変更及び変形を加えることが可能であることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理の際家禽上の微生物集団を減らす方法であって:
処理の際家禽に対して混合過カルボン酸抗菌組成物を微生物集団を減らすのに充分な量と時間で使用するステップを含む方法。
【請求項2】
処理される家禽がニワトリ、七面鳥、駝鳥、シャモ、ヒナバト、ホロホロチョウ、キジ、アヒル、ガチョウ、エミュー、又はそれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該家禽を浸漬することによって該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
浸漬湯通しによって、浸漬冷却によって、ハイドロ・クーリング又は冷却、転がし浸漬によって、又はそれらの組み合わせによって、該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
皮下の傷跡、たまった血液、又はそれらの組み合わせ、の目で感知できないほどの暗色化を生ずるように選ばれた持続時間及び濃度で該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
該家禽をリンスする又はスプレーすることによって該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
内外両側鳥洗浄によって、化粧洗浄によって、スプレー洗浄によって、又はそれらの組み合わせによって、該混合過カルボン酸組成物を羽毛抜きと共に使用するステップを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
丸のままの家禽死体に対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
スタンニング屠殺、放血、湯通し、羽毛抜き、毛焼き、又はそれらの組み合わせ、が行われた家禽死体に対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
家禽死体の1つ以上の解体された部分に対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
斬首、足の取り外し、内臓抜き取り、首刈り、切り分け、又はそれらの組み合わせ、が行われた家禽死体に対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
切り分けされた家禽の、足、もも、胸肉、手羽、又はそれらの組み合わせに対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
更に骨抜きも行われた家禽に対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
骨抜きされた家禽の、足、もも、胸肉、手羽、又はそれらの組み合わせに対して該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
空気冷却(air chilling)によって該混合過カルボン酸組成物を使用するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該混合過カルボン酸組成物が過酢酸と過オクタン酸を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
空気冷却が気体状又は濃縮化された流体の抗菌組成物を使用するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
更に、家禽を活性化された光に曝露するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
該活性化された光が紫外光、赤外光、可視光、又はそれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該混合過カルボン酸抗菌組成物が:
少なくとも約2ppmの、1つ以上の6個までの炭素原子を有するモノ−又はジ−過カルボン酸;及び
少なくとも0.5ppmの、1つ以上の12個までの炭素原子を有するカルボン酸;を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
該混合過カルボン酸組成物が、1つ以上の2〜6個の炭素原子を有する過カルボン酸と1つの7〜12個の炭素原子を有する過カルボン酸を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
該混合過カルボン酸組成物が過酢酸と過オクタン酸を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該混合過カルボン酸抗菌組成物が更に安定化剤、湿潤剤、向水性物質、増粘剤、発泡剤、酸性化剤、顔料、染料、界面活性剤、又はそれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該微生物集団が糞便物質又は消化管内容による汚染の結果であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
該微生物集団が連続オンライン・プロセスで減らされることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
使用するステップの後、更に:
使用された混合過カルボン酸抗菌組成物を回収するステップ;及び
該回収された組成物に充分な量の過カルボン酸の混合物を加えてリサイクルされる混合過カルボン酸抗菌組成物を生ずるステップ;を含む請求項1に記載の方法。
【請求項27】
更に、処理の際家禽に対して該リサイクルされる組成物を使用するステップを含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
該過カルボン酸の混合物が過酢酸と過オクタン酸を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
該過カルボン酸の混合物が約30〜約60質量(重量)%の酢酸、約1〜約15質量(重量)%のオクタン酸、約2〜約12質量(重量)%の過酸化水素、約6〜約16質量(重量)%の過酢酸、及び約0.1〜約5質量(重量)%の過オクタン酸、及び約0.1〜約2質量(重量)%のキレート化剤、を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
該リサイクルされる混合過カルボン酸抗菌組成物が:
少なくとも約2ppmの、1つ以上の6個までの炭素原子を有するモノ−又はジ−過カルボン酸;及び
少なくとも0.5ppmの、1つ以上の12個までの炭素原子を有するカルボン酸;を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
該リサイクルされる混合過カルボン酸組成物が、1つ以上の2〜6個の炭素原子を有する過カルボン酸と、1つの7〜12個の炭素原子を有する過カルボン酸を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
処理の際家禽上の微生物集団を減らす方法であって:
処理の際微生物集団を減らすのに充分な量と時間で家禽を気体状又は濃縮化流体の混合過カルボン酸抗菌組成物と接触させるステップを含む方法。
【請求項33】
前に家禽に対して使用された水をリサイクルする方法であって:
前に家禽に対して使用された混合過カルボン酸抗菌組成物を回収するステップ;及び
該回収された組成物に充分な量の過カルボン酸の混合物を加えてリサイクルされる混合過カルボン酸抗菌組成物を生ずるステップ;を含む方法。
【請求項34】
更に、処理の際家禽に対して該リサイクルされる組成物を使用するステップを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
該過カルボン酸の混合物が過酢酸と過オクタン酸を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
該過カルボン酸の混合物が約30〜約60質量(重量)%の酢酸、約1〜約15質量(重量)%のオクタン酸、約2〜約12質量(重量)%の過酸化水素、約6〜約16質量(重量)%の過酢酸、及び約0.1〜約5質量(重量)%の過オクタン酸、及び約0.1〜約2質量(重量)%のキレート化剤、を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
該リサイクルされる混合過カルボン酸抗菌組成物が:
少なくとも約2ppmの、1つ以上の6個までの炭素原子を有するモノ−又はジ−過カルボン酸;及び
少なくとも0.5ppmの、1つ以上の12個までの炭素原子を有するカルボン酸;を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
該リサイクルされる混合過カルボン酸組成物が、1つ以上の2〜6個の炭素原子を有する過カルボン酸と、1つの7〜12個の炭素原子を有する過カルボン酸を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
該組成物が前に死体の洗浄又はリンスに使用されたことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項40】
該組成物が前に内外両側鳥洗浄によって使用されたことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項41】
抗菌濃縮組成物であって:
家禽の表面における微生物汚染を減らすのに効果的な過酢酸と過オクタン酸の組み合わせ;を含み、
該組み合わせは約30〜約60質量(重量)%の酢酸、約1〜約15質量(重量)%のオクタン酸、約2〜約12質量(重量)%の過酸化水素、約6〜約16質量(重量)%の過酢酸、及び約0.1〜約5質量(重量)%の過オクタン酸、及び約0.1〜約2質量(重量)%のキレート化剤、を含むことを特徴とする抗菌濃縮組成物。
【請求項42】
更に、安定化剤、湿潤剤、向水性物質、増粘剤、発泡剤、酸性化剤、顔料、染料、界面活性剤、又はそれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする請求項41に記載の抗菌濃縮組成物。
【請求項43】
約40質量(重量)%の酢酸、約3質量(重量)%のオクタン酸、約6質量(重量)%の過酸化水素、約10質量(重量)%の過酢酸、及び約0.8質量(重量)%の過オクタン酸、及び約0.6質量(重量)%のキレート化剤を含む請求項42に記載の抗菌濃縮組成物。
【請求項44】
抗菌使用組成物であって:
家禽の表面における微生物汚染を減らすのに効果的な過酢酸と過オクタン酸の組み合わせ;を含み、
該組み合わせは約5〜約1000ppmの酢酸、約0.5〜約100ppmのオクタン酸、約1〜約200ppmの過酸化水素、約2〜約300ppmの過酢酸、及び約0.1〜約20ppmの過オクタン酸、及び約3〜約30ppmのキレート化剤、を含むことを特徴とする抗菌使用組成物。
【請求項45】
更に、安定化剤、湿潤剤、向水性物質、増粘剤、発泡剤、酸性化剤、顔料、染料、界面活性剤、又はそれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする請求項44に記載の抗菌使用組成物。
【請求項46】
抗菌濃縮組成物であって:
家禽の表面における微生物汚染を減らすのに効果的な過酢酸と過オクタン酸の組み合わせ;を含み、
該組み合わせは約40〜約70質量(重量)%の酢酸、約2〜約20質量(重量)%のオクタン酸、約5〜約15質量(重量)%の過酸化水素、及び約0.3〜約1質量(重量)%のキレート化剤、という組成から生ずる平衡混合物を含むことを特徴とする抗菌濃縮組成物。
【請求項47】
約55質量(重量)%の酢酸、約11質量(重量)%の過酸化水素、約0.6質量(重量)%のキレート化剤、及び約4質量(重量)%のオクタン酸という組成から生ずる平衡混合物を含む請求項46に記載の抗菌濃縮組成物。
【請求項48】
抗菌濃縮組成物であって:
家禽の表面における微生物汚染を減らす平衡混合物を生ずるのに効果的な酢酸、オクタン酸、及び過酸化水素の組み合わせ;を含み、
該組み合わせは約40〜約70質量(重量)%の酢酸、約2〜約20質量(重量)%のオクタン酸、約5〜約15質量(重量)%の過酸化水素、及び約0.3〜約1質量(重量)%のキレート化剤、を含むことを特徴とする抗菌濃縮組成物。
【請求項49】
更に、安定化剤、湿潤剤、向水性物質、増粘剤、発泡剤、酸性化剤、顔料、染料、界面活性剤、又はそれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする請求項48に記載の抗菌使用組成物。
【請求項50】
約55質量(重量)%の酢酸、約11質量(重量)%の過酸化水素、約0.6質量(重量)%のキレート化剤、及び約4質量(重量)%のオクタン酸を含む請求項48に記載の抗菌濃縮組成物。

【公開番号】特開2009−292817(P2009−292817A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−137653(P2009−137653)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【分割の表示】特願2002−555617(P2002−555617)の分割
【原出願日】平成13年10月29日(2001.10.29)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】