説明

容器の排出装置

【課題】ネックリングがガイドレールで支持されて搬送される容器を搬送系路から確実に排出することができる容器の排出装置を提供する。
【解決手段】容器1のネックリング1aを支持する一対のガイドレール2,2の一部を移動可能な一対の可動のガイドレール3,3で構成し、一対の可動のガイドレール3,3を、ベルクランク12R,12Lの下端部に設け、ベルクランクの内端部を相互に連結するとともに、ベルクランクをそれぞれ折曲点で回転可能に支持し、ベルクランクの連結部にシリンダ機構14のシリンダロッド14bの端部を連結し、シリンダ機構14を作動させてシリンダロッド14bを下降させることにより、ベルクランクを折曲点を中心として回転させて一対の可動のガイドレール3,3を互いに離間させてガイドレール3,3によるネックリング1aの支持を解除するとともにベルクランクの連結部で容器1の上端部を下向きに叩く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の排出装置に係り、特にペットボトルやプリフォーム等のようにネックリングを有し、ネックリングがガイドレールで支持されて搬送される容器を搬送系路から排出する容器の排出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルは、飲料用容器として多用されるほか、調味料や医薬品等の容器としても用いられている。ペットボトルはプリフォームと呼ばれるものに予備成形され、プリフォームが加熱されてボトルに成形される。プリフォームは試験管状の、即ち、口部が平坦で底部が球面の形をしており、首部にリング状のネックリングを持っている。したがって、プリフォームおよびプリフォームから成形されたペットボトルは、首部にリング状のネックリングを持っている。
【0003】
プリフォームやペットボトルの口部等の容器の外観は、カメラで撮影して検査することが行われている。従来のプリフォーム検査装置は、プリフォームを移送する入口スターホイールと、移送されたプリフォームの口部を吸着ヘッドで真空吸着して吸着ヘッドを自転させながら公転させるメインロータと、プリフォームを移送する出口スターホイールとを備え、プリフォームを入口スターホイールからメインロータに移送し、メインロータによってプリフォームを自転させてプリフォームをカメラで撮影してプリフォームの外観を検査し、検査後のプリフォームは出口スターホイールによって移送される。この場合、正常なプリフォームは出口スターホイールにより吸着支持されて次行程まで移送されるが、不良なプリフォームは不良品排出シュートの位置で出口スターホイールによる吸着支持が解除されて排出される。
【0004】
すなわち、上述した従来のプリフォーム検査装置においては、スターホイールによってプリフォームを吸着支持して円弧状の搬送経路を搬送し、この搬送中にプリフォームの吸着支持を解除して排出することが行われている。
しかしながら、近年、装置コストを低減するために、プリフォームやペットボトル等のネックリングを有した容器について、直線搬送しながら簡易に検査を行う装置が要望されてきており、これに伴い検査後の不良の容器を直線搬送しながら排出する装置が要望されてきている。
また、検査後の不良の容器を直線搬送している途中で排出できれば、容器の排出装置としても装置コストを低減することができるため、この点からも検査後の不良の容器を直線搬送しながら排出する装置が要望されてきている。
【0005】
そのため、本件出願人は、不良の容器を直線搬送しながら排出する装置を特開2000−118707号(特許文献1)において提案している。特許文献1に提案された装置は、容器のネックリングを支持するガイドレールの一部を上下方向に移動可能にし、前記ガイドレールの一部を上方に移動させ、搬送されてきた容器のネックリングがガイドレールからはずれることによって容器を落下させて排出シュートに排出するようにしたものである。
【特許文献1】特開2000−118707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された装置においては、以下のような問題点がある。
1)プリフォームのように容器が軽い場合、容器をガイドレールから開放しても、容器が空中で浮遊している状態となり、直ぐに排出シュートに排除できない場合や、排出シュート自体に入らない場合が生じる。
2)排出部における可動のガイドレールの容器進行方向の長さを短くすると、容器が排出されずに、下流側のネックリングに乗り移ってしまう場合がある。
3)排出部における可動のガイドレールの容器進行方向の長さを長くすると、前後の容器間のピッチも広くする必要があり、高速対応時に問題が生ずる。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、ネックリングがガイドレールで支持されて搬送されるプリフォーム等の容器を搬送系路から確実に排出することができるとともに排出部における可動のガイドレールの容器進行方向の長さを短くすることができる容器の排出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の容器の排出装置は、ネックリングを有した容器をガイドレールで支持して搬送する搬送系路から容器を排出する装置であって、容器のネックリングを支持する一対のガイドレールの一部を移動可能な一対の可動のガイドレールで構成し、前記一対の可動のガイドレールを、互いに対向して配置された対をなす略L字状のベルクランク(レールアーム)の下端部に設け、前記対をなすベルクランクの内端部を相互に連結するとともに、前記対をなすベルクランクをそれぞれ折曲点で回転可能に支持し、前記対をなすベルクランクの連結部にシリンダ機構のシリンダロッドの端部を連結し、前記シリンダ機構を作動させて前記シリンダロッドを下降させることにより、前記対をなすベルクランクを折曲点を中心として回転させて前記一対の可動のガイドレールを互いに離間させてガイドレールによるネックリングの支持を解除するとともに前記ベルクランクの連結部で容器の上端部を下向きに叩くようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、シリンダ機構を作動させてシリンダロッドを下降させると、対をなすベルクランクの連結部が下降し、対をなすベルクランクが折曲点を中心として回転する。その結果、対をなすベルクランクの下端部に設けられた一対の可動のガイドレールはともに外側に開き、ガイドレールによるネックリングの支持を解除する。同時に、対をなすベルクランクの連結部が容器の上端部を下向きに叩き、容器は下方に直ちに排出される。
すなわち、本発明によれば、対をなすベルクランクによってシリンダ機構の上下運動を一対のガイドレールの水平運動に変換し、一対のガイドレールを開閉することにより、可動のガイドレールによる容器のネックリングの支持および支持解除を可能としている。そして、一対の可動のガイドレールを開放することにより、容器のネックリングの支持を解除する際に、容器の上端部はベルクランクの連結部により下向きに叩かれるため、容器は迅速に下方に排出される。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記一方のベルクランクの折曲点を固定し、前記他方のベルクランクの折曲点を可動としたことを特徴とする。
本発明によれば、シリンダロッドの下降により、対をなすベルクランクの連結部が下降する際に、他方のベルクランクの折曲点が一方のベルクランクの折曲点の方向に移動する。したがって、対をなすベルクランクの連結部は、固定された折曲点を中心とする円弧に沿って正確に動くことができる。したがって、対をなすベルクランクの下端部にある一対のガイドレールは、略水平方向に互いに所定距離だけ離間する。したがって、可動のガイドレールによる容器のネックリングの支持解除を確実に行うことができる。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記他方のベルクランクの折曲点を可動に支持するリンクを設け、該リンクの上端部を回転可能に支持したことを特徴とする。
本発明によれば、前記他方のベルクランクの可動の折曲点は、リンクの上端部を中心とする円弧に沿って正確に動くことができる。したがって、可動のガイドレールによる容器のネックリングの支持解除を確実に行うことができる。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記シリンダ機構の上端部を回転可能に支持したことを特徴とする。
本発明によれば、シリンダ機構のシリンダロッドとベルクランクの連結部は、固定された折曲点を中心とする円弧に沿って正確に動くことができる。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記シリンダ機構は複動型のエアシリンダであり、前記エアシリンダに給気する電磁弁は1個であり、圧力源接続口を1個所、排気口を1個所、エアシリンダ接続口を2個所有し、エアシリンダのピストンを戻す側には電磁弁を経由しないで常時加圧しておき、電磁弁を励磁したときはピストンを押出す側が加圧されると同時にピストンを戻す側が排気され、消磁したときはピストンを押出す側が排気されると同時にピストンを戻す側の排気が閉止されるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、電磁弁を励磁すると、ピストンを押出す側が加圧されると同時にピストンを戻す側が排気されるので、ピストンに連結されたシリンダロッドが下降する。そして、電磁弁を消磁すると、ピストンを押出す側が排気されると同時にピストンを戻す側の排気が閉止されるので、ピストンに連結されたシリンダロッドが速やかに元の位置に戻る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、対をなすベルクランクによってエアシリンダの上下運動を一対のガイドレールの水平運動に変換し、可動のガイドレールを開閉することにより、可動のガイドレールによる容器のネックリングの支持および支持解除を可能としている。そして、可動のガイドレールを開くことにより、容器のネックリングの支持を解除する際に、容器の上端部をベルクランクの連結部により下方に叩くようにしたため、容器を迅速に下方に排出できる。
また、本発明によれば、容器のネックリングの支持を解除する際に、容器の上端部をベルクランクの連結部により下向きに叩くようにしたため、容器を直ちに排出することができる。したがって、排出部における可動のガイドレールの容器進行方向の長さを短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る容器の排出装置の実施形態を図1乃至図8を参照して説明する。
図1は本発明の容器の排出装置の一実施形態を示す縦断面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。図1に示すように、プリフォームからなる容器1は、ネックリング1aが対向したガイドレール2によって支持された状態で搬送される。ガイドレール2は水平に対して所定角度(α)だけ傾斜しており、容器1の搬送は滑降により行われる。図2に示すように、ガイドレール2は、容器1のネックリング1aが支持される対向して並列した一対の固定のガイドレールから構成されている。
【0016】
図1に示すように、前記固定のガイドレール2の一部は、切り欠かれて取り除かれており、この切り欠かれた範囲Lに左右に開閉可能な可動型のガイドレール3を備えた容器の排出装置10が設置されている。
【0017】
図3は、図1のIII−III線断面図である。図1および図3に示すように、容器の排出装置10は、プリフォームからなる容器1の搬送方向の前後に配置された一対の支持フレーム11,11と、下端にガイドレール3,3を有する略L字形のレールアーム12R,12Lと、対をなすレールアーム12R,12Lの内端部に連結されたエアシリンダ14と、概略L字形をなすレールアーム12Lの折曲部と支持フレーム11,11の所定の位置とを連結するリンク15とを備えている。レールアーム12Rは、支持フレーム11,11に固定された枢支軸16に支持されており、レールアーム12Rは枢支軸16を中心として回転可能になっている。レールアーム12Lは、枢支軸17に支持されており、レールアーム12Lは枢支軸17を中心として回転可能になっている。エアシリンダ14のシリンダ14aの上端部は、支持フレーム11,11に固定された枢支軸18に支持されており、シリンダ14aは枢支軸18を中心として回転可能になっている。また、エアシリンダ14のシリンダロッド14bの先端は、連結用ピン19によってレールアーム12R,12Lの内端部と連結されている。リンク15の上端は、支持フレーム11,11に固定された枢支軸20に支持されており、リンク15は枢支軸20を中心として回転可能になっている。そして、リンク15の下端は、前記枢支軸17によって概略L字形をなすレールアーム12Lの折曲部と連結されている。
【0018】
上述のように構成された容器の排出装置10においては、エアシリンダ14のシリンダロッド14bが上昇位置にあるときには、図3に示すように、一対のレールアーム12R,12Lは閉じた状態にある。このとき、レールアーム12Rの外端部12Sはストッパ22に係合して、レールアーム12R,12Lはこの位置で保持されるようになっている。したがって、一対のレールアーム12R,12Lの下端部に形成されたガイドレール3,3は、プリフォームからなる容器1のネックリング1aを支持するようになっている。
【0019】
図4は、一対のレールアーム12R,12Lが左右に開いた状態を示す図であり、図3に対応した図である。上述したように、シリンダロッド14bの先端とレールアーム12R,12Lの内端部とは、連結用ピン19によって連結されている。したがって、エアシリンダ14のシリンダロッド14bが下降すると、レールアーム12R,12Lは、図4に示すように、枢支軸16,17を中心として回転する。そのため、一対のレールアーム12R,12Lの下端部に形成されたガイドレール3,3は、外側に開き、容器1のネックリング1aから離間する。同時に、レールアーム12R,12Lの連結部は、下方に移動して容器1の上端部に勢いよく当接して、容器1を下向きに叩き落とす。すなわち、レールアーム12R,12Lの連結部は、容器1を下向きに叩くハンマー部Hとして機能する。
【0020】
次に、レールアーム12R,12Lの下端部のガイドレール3,3を開閉させるとともにレールアーム12R,12Lのハンマー部Hを上下動させるリンク機構について図5を参照して詳細に説明する。
図5に示すように、レールアーム12R,12Lは、ともに概略L字形をなすベルクランクを構成している。レールアーム12Rは、枢支軸16の軸心cを中心として矢印A1方向に回転可能になっている。また、レールアーム12Lは、枢支軸17の軸心dを中心として矢印A2方向に回転可能になっている。エアシリンダ14は枢支軸18の軸心aを中心として矢印A3方向に揺動可能になっている。レールアーム12R,12Lの内端部とエアシリンダ14のシリンダロッド14bの先端部とは、連結点eで連結されている。したがって、エアシリンダ14が作動してシリンダロッド14bが下降すると、レールアーム12R,12Lとシリンダロッド14bとの連結点eは、枢支軸16の軸心cを中心とする円弧C1に沿って動く。
【0021】
直線状のリンク15は、枢支軸20の軸心bを中心として矢印A4方向に回転可能になっている。リンク15は、枢支軸17によってレールアーム12Lと連結点dにおいて連結されている。したがって、リンク15とレールアーム12Lとの連結点dは、枢支軸20の軸心bを中心とする円弧C2に沿って動く。
【0022】
次に、上述のように構成されたリンク機構の動作を説明する。以下の説明においては、軸心または連結点a〜eを主として用い、各点間を結ぶリンクをリンクec、リンクbd等と表示して説明する。
図5において、実線で示すように、エアシリンダ14のシリンダロッド14bが上昇位置にあるときには、リンクecおよびリンクedは、線分cdよりも角度θだけ上側の位置にある。このとき、ガイドレール3,3は、閉じた状態にあり、容器1のネックリング1aを支持している(図3参照)。
エアシリンダ14が作動してシリンダロッド14bが下降すると、リンクecおよびリンクedが下方に回転し、この回転中に、リンクecおよびリンクedが線分cdに重なって、点cedが一直線になった際には、点dは点d’の位置に移動する。
シリンダロッド14bが更に下降して最大のストロークになると、リンクecおよびリンクedは、線分cdよりも角度θだけ下側の位置になる。このとき、点d’は点dに移動して元の位置に戻る。この位置で、二点鎖線で示すように、ガイドレール3,3は全開となり、ガイドレール3,3は容器1のネックリング1aの支持を解除する。同時に、連結点eの部分であるハンマー部Hが容器1の上端部を下向きに叩き、不良の容器1は下方に直ちに排出される。
【0023】
プリフォームからなる容器1は、ガイドレール2,2上を高速で搬送されてくるため、容器の排出装置10により不良の容器1を搬送系路から排出した後に、次の不良の容器1を排出する準備のために、エアシリンダ14のシリンダロッド14bをすばやく元の位置に戻す必要がある。そのため、本発明においては、シリンダロッドを昇降させるピストンの戻り時間を短縮することができるエアシリンダ機構を用いている。次に、このエアシリンダ機構を図6を参照して説明する。
【0024】
図6(a)および図6(b)に示すエアシリンダ機構においては、エアシリンダ14の前後部ポート22a,22bは、2本の空気管23a,23bによって電磁弁24の弁本体25の2つのポート25d,25cにそれぞれ接続されている。弁本体25のポート25bは空気管23cによって空気源(図示せず)に接続されている。これにより、ポート25bには、圧力P(=4kg/cm)を有した空気が供給されるようになっている。他の2つのポートのうち、一方のポート25aは空気の逃がし穴になっており、他方のポート25eはプラグ39によって塞がれている。
【0025】
一方、エアシリンダ14の前部空間22Bには、空気管23dおよびポート22cを介して圧力P(=3kg/cm)を有した空気が常時供給可能になっている。なおポート22cとポート22aとは連通されている。上述の説明から明らかなように、エアシリンダ14にはポート22cが付加されて圧力Pの空気が前部空間22Bに供給されており、ピストン28を戻す側には電磁弁を経由しないで常時加圧されるようになっている。また電磁弁24は、圧力源接続口を1個所(ポート25b)、排気口を1個所(ポート25a)、エアシリンダ接続口を2個所(ポート25c,25d)有している。
【0026】
図6(a)および図6(b)に示すように構成されたエアシリンダ機構において、容器排出信号がくると電磁弁24の駆動部26が励磁され、図6(a)に示すように、スプール27が突出し、弁本体25のポート25bとポート25cが連通し、エアシリンダ14のポート22bより後部空間22Aに圧力Pの空気が供給される。このとき、前部空間22Bには圧力Pの空気が供給されているが、スプール27の突出により弁本体25のポート25dとポート25aが連通されるため、前部空間22B内の空気は排気される。前部空間22Bを介してピストン28を戻す側に加えられていた圧力は排気により下降する。この下降した圧力と電磁弁24から後部空間22Aを介してピストン28に加えられた圧力Pとの差圧により、ピストン28は押し出される。これにより、シリンダロッド14bが下降する。
【0027】
タイマ(図示せず)で設定したピストンの作動に必要な時間(所定時間)が経過すると、電磁弁24の駆動部26への通電が切られ、図6(b)に示すようにスプール27が引っ込み、弁本体25のポート25cとポート25aとが連通するとともにポート25dとポート25aとの連通が遮断される。即ち、ピストン28を戻す側である前部空間22B内の排気が閉止されるので、ピストン28を戻す側の圧力は上昇する。一方、後部空間22A内の空気は、ポート22b、ポート25cおよびポート25aを介して排気される。その結果、ピストン28は直ちに元の位置に戻り、シリンダロッド14bは上昇位置に戻る。
【0028】
図7は、図6に示すエアシリンダ機構の作動のタイミングを制御するセンサ部および制御部を示す概略図である。
図7に示すように、レールアーム12R,12Lの下部には、センサ穴12hが形成されている。そして、レールアーム12R,12Lのセンサ穴12hを挟むように投光器LEDと受光器PHとが配置されている。受光器PHは制御部30に接続されており、また前記電磁弁24も制御部30に接続されている。そして、投受光器LED,PHが容器1の到達を検知すると、検知信号が制御部30に送られ、制御部30から制御信号が電磁弁24に送られ、電磁弁24が作動するように設定されている。
【0029】
次に、図1乃至図7に示すように構成された容器の排出装置の作用を説明する。プリフォームからなる容器1は、ネックリング1aが対向したガイドレール2によって支持された状態で滑降により搬送される。容器1が可動型のガイドレール3,3のやや上方に配置された投受光器LED,PHによって検知されると、容器1が不良品の場合には、電磁弁24の駆動部26が励磁されて電磁弁24が開く。すると、圧力Pの加圧空気がエアシリンダ14の後部空間22Aに供給され、圧力Pはエアシリンダ14の前部空間22Bに供給されている圧力Pより大きいため、ピストン28が下降する。
【0030】
これによって、図5に示すリンク機構が作動し、可動型のガイドレール3,3が外側に開くため、容器1はガイドレール3,3からはずれる。同時に、連結点eの部分であるハンマー部Hが容器1の上端部を下向きに叩き、不良の容器1は下方にある排出シュート(図示せず)に直ちに排出される。このように、本発明によれば、容器1のネックリング1aの支持を解除する際に、容器1の上端部をレールアーム12R,12Lの連結部により下向きに叩くようにしたため、容器1を直ちに排出することができる。したがって、排出部における可動のガイドレールの容器進行方向の長さ(図1において、範囲Lの長さ)を短くすることができる。
【0031】
前記電磁弁24は一定時間後に消磁されるように設定されており、即ち、ピストン28を戻す側である前部空間22B内の排気が閉止されるので、ピストン28を戻す側の圧力は上昇する。一方、後部空間22A内の空気は、ポート22b、ポート25cおよびポート25aを介して排気される。その結果、ピストン28は直ちに元の位置に戻り、シリンダロッド14bは上昇位置に直ちに戻り、次の不良の容器1の排出のために待機をする。容器1が良品の場合には、容器1はガイドレール2,2および可動型のガイドレール3,3によって下流側に搬送される。
【0032】
図8(a)および図8(b)は、ペットボトルからなる容器1に本発明を適用した場合を示す図である。ペットボトルからなる容器1の搬送は、ネックリング1aをガイドレール2,2(図2と同様であるため、図示を省略する)および可動のガイドレール3,3で支持して行われる。容器1が不良品の場合には、図1乃至図7に示す実施形態と同様に、図8(b)に示すように可動型のガイドレール3,3を外側に開放して、ガイドレール3,3による容器1の支持を解除する。同時に、連結点eの部分であるハンマー部Hが容器1の上端部を下向きに叩き、不良の容器1は下方にある排出シュート(図示せず)に直ちに排出される。また容器1が良品の場合には、容器1はガイドレール2,2および可動型のガイドレール3,3によって下流側に搬送される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は本発明の容器の排出装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線断面図である。
【図4】図4は、一対のレールアームが左右に開いた状態を示す図であり、図3に対応した図である。
【図5】図5は、レールアームの下端部のガイドレールを開閉させるとともにレールアームのハンマー部を上下動させるリンク機構を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の容器の排出装置に用いられるエアシリンダ機構を示す概略図である。
【図7】図7は、図6に示すエアシリンダ機構の作動のタイミングを制御するセンサ部および制御部を示す概略図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は、ペットボトルからなる容器に本発明を適用した場合を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 容器
1a ネックリング
2 ガイドレール
2A (可動型の)ガイドレール
3 (可動型の)ガイドレール
10 容器の排出装置
11 支持フレーム
12R,12L レールアーム
12S 外端部
12h センサ穴
14 エアシリンダ
14a シリンダ
14b シリンダロッド
15 リンク
16,17,18,20 枢支軸
19,21 連結用ピン
22 ストッパ
22A 後部空間
22B 全部空間
22a,22b,22c ポート
23a,23b,23c,23d 空気管
24 電磁弁
25 弁本体
26 駆動部
25a,25b,25c,25d,25e ポート
27 スプール
28 ピストン
30 制御部
39 プラグ
a,b,c,d 軸心
e 連結点
C1,C2 円弧
H ハンマー部
LED 投光器
PH 受光器
,P 圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネックリングを有した容器をガイドレールで支持して搬送する搬送系路から容器を排出する装置であって、
容器のネックリングを支持する一対のガイドレールの一部を移動可能な一対の可動のガイドレールで構成し、
前記一対の可動のガイドレールを、互いに対向して配置された対をなす略L字状のベルクランクの下端部に設け、
前記対をなすベルクランクの内端部を相互に連結するとともに、前記対をなすベルクランクをそれぞれ折曲点で回転可能に支持し、
前記対をなすベルクランクの連結部にシリンダ機構のシリンダロッドの端部を連結し、
前記シリンダ機構を作動させて前記シリンダロッドを下降させることにより、前記対をなすベルクランクを折曲点を中心として回転させて前記一対の可動のガイドレールを互いに離間させてガイドレールによるネックリングの支持を解除するとともに前記ベルクランクの連結部で容器の上端部を下向きに叩くようにしたことを特徴とする容器の排出装置。
【請求項2】
前記一方のベルクランクの折曲点を固定し、前記他方のベルクランクの折曲点を可動としたことを特徴とする請求項1記載の容器の排出装置。
【請求項3】
前記他方のベルクランクの折曲点を可動に支持するリンクを設け、該リンクの上端部を回転可能に支持したことを特徴とする請求項2記載の容器の排出装置。
【請求項4】
前記シリンダ機構の上端部を回転可能に支持したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器の排出装置。
【請求項5】
前記シリンダ機構は複動型のエアシリンダであり、前記エアシリンダに給気する電磁弁は1個であり、圧力源接続口を1個所、排気口を1個所、エアシリンダ接続口を2個所有し、エアシリンダのピストンを戻す側には電磁弁を経由しないで常時加圧しておき、電磁弁を励磁したときはピストンを押出す側が加圧されると同時にピストンを戻す側が排気され、消磁したときはピストンを押出す側が排気されると同時にピストンを戻す側の排気が閉止されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の容器の排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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