説明

容器アセンブリ

【課題】 感湿性材料を保持する容器アセンブリを提供する。
【解決手段】 感湿性材料を保持する容器アセンブリは、チャンバを画定する選択的に再封止可能な外側容器(12)を有し、外側容器の内面の接合部分(16)は、超音波溶接可能な材料から形成される。容器アセンブリはまた、湿度制御物質を含む内側容器(14)も有し、内側容器はチャンバ内に配置される。湿度制御物質は、チャンバと湿度移動可能に連通する。内側容器の外面の接合部分(16)は、超音波溶接可能な材料から形成される。外側容器および内側容器の接合部分が互いに超音波溶接されることにより、外側容器のチャンバ内に内側容器の位置が固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感湿性材料を保持する容器アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、外側容器及び内側容器を有する容器アセンブリに関し、内側容器は湿度制御物質を有し外側容器に超音波溶接される。
【背景技術】
【0002】
医薬等の感湿性物質は、密封して防水性の再封止可能な容器に貯蔵されることが多い。しかしながら、それら材料を取り出すために開封するとき、容器内部の空気と容器外部の空気との間に湿気の交換がある可能性がある。これは、容器に貯蔵された感湿性材料の特性に影響を与える可能性がある。感湿性材料の品質は、容器内部の空気の湿気レベル(「相対湿度」に関連して測定される場合がある)が所望のレベルを下回るかまたは上回る場合に影響を受ける可能性がある。この理由および他の理由で、感湿性材料のための多くの容器は、容器内の湿度を制御する湿度制御物質を含む。湿度制御物質は、限定されないがベントナイト粘土、シリカゲル、モンモリロナイト粘土、分子ふるい、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、グリセロール、ソルビトール、PCAナトリウムまたはプロピレングリコール等、湿気の保持を促進する空気および/または任意の吸湿性(「吸水性(water−pulling)」)材料から湿気を吸収する任意の材料であってもよい。湿度制御物質を使用して、容器内部の空気に湿気を付加するかまたはそこから湿気を取り去ることにより、感湿性材料がその湿気含有量を維持するのを助けることができる。湿度制御物質は、容器内部の空気から湿気を取り去る場合、乾燥剤としての役割を果たし、容器内部の空気に湿気を付加する場合、湿潤剤としての役割を果たす。湿度制御物質は、容器が多数回開閉される場合であっても、感湿性材料がより新鮮であり続けるのを助けることができ、また感湿性材料の保存寿命を延長することができる。
【0003】
湿度制御物質は、穴を有する容器(「内側容器」または「キャニスタ」)か、または湿気が内側容器に入るか又はそこから出るのを可能にし湿度制御物質(粒子形態であることが多い)が内側容器から漏れないようにするように設計された膜に包装されることが多い。内側容器はまた、限定されないが活性炭等、においを制御することが意図される材料を収容してもよい。内側容器を、剛性材料から形成しても非剛性材料から形成してもよい。内側容器は、通常、湿度制御物質がチャンバ(および故に、そこに貯蔵されている感湿性材料)と湿度移動可能に連通するように、外側容器のチャンバ内部に配置される。通常、内側容器は、感湿性材料の容器(「外側容器」)内部には固定されない。これは、消費者が内側容器を外側容器から容易に、故意に、または意図せずに取り除くことができる可能性があり、そのためそれが外側容器のチャンバに残っている感湿性材料の品質に影響を与える可能性があるため、問題をもたらす可能性がある。内側容器はまた、外側容器の開口を閉塞することによる等、感湿性材料の外側容器からの分配を妨害する可能性もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の容器アセンブリによっては、上述した問題に対処するために外側容器のチャンバ内に内側容器の位置を固定する。しかしながら、内側容器を外側容器の内側に固定する既存の方法では、他の問題が発生する可能性がある。たとえば、固定する方法は、定期的に追加の材料の購入および補充を管理する等、組立工程中に追加のステップおよび問題をもたらす可能性がある。内側容器の位置を外側容器内に固定するために従来のにかわまたは接着剤を使用する場合、新たな工程制御および頑強性問題とともに、追加の設定時間および洗浄要件のために総組立時間が加算される等、組立工程に新たな問題がもたらされる可能性があることが知られている。また、にかわまたは接着剤を使用することにより、材料またはフュームが外側容器のチャンバ内に放出する可能性があり(「ガス抜け(out−gassing)」として知られる)、それは、外側容器のチャンバ内に収容されている感湿性材料の品質に悪影響を与える可能性がある。外側容器のチャンバ内で内側容器の位置を固定する既存の方法の別の問題は、高密度ポリプロピレン等の容器材料によっては、にかわまたは接着剤が塗布されにくい場合がある、ということである。これは、内側容器製造業者が、その容器を接着剤またはにかわが付きにくい材料からしか製造しない場合に問題となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、感湿性材料を保持する容器アセンブリであって、内部にチャンバを画定する選択的に再封止可能な外側容器と、湿度制御物質を含む内側容器と、を有する容器アセンブリである。内側容器は、外側容器のチャンバ内に配置され、湿度制御物質をチャンバと湿度移動可能に連通させる。外側容器の内面の接合部分は、超音波溶接可能な材料から形成され、内側容器の外面の接合部分は、超音波溶接可能な材料から形成される。外側容器および内側容器の接合部分が互いに超音波溶接されることにより、外側容器のチャンバ内に内側容器の位置が固定される。
【0006】
別の態様では、本発明は、内部に感湿性材料を保持する容器アセンブリを形成する方法である。本方法は、内部にチャンバを有する選択的に再封止可能な外側容器を提供するステップであって、外側容器の内面の接合部分が超音波溶接可能な材料から形成されるステップと、湿度制御物質を含む内側容器を提供するステップであって、内側容器の外面の接合部分が超音波溶接可能な材料から形成されるステップと、外側容器のチャンバ内に内側容器を配置するステップであって、湿度制御物質がチャンバと湿度移動可能に連通するステップと、外側容器および内側容器の接合部分を互いに超音波溶接することにより、外側容器のチャンバ内に内側容器の部分を固定するステップと、を含む、容器アセンブリを形成する方法である。
【0007】
本発明を、各図を通して同様の構造が同様の数字で参照される、下に列挙する図面を参照してさらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、外側容器と内側容器とを有する容器アセンブリであり、内側容器は湿気制御物質を有し、超音波接合により外側容器のチャンバ内に固定される。上述したように、内側容器が外側容器のチャンバ内部に固定されない場合、消費者は、外側容器から内側容器を容易に、故意に、または意図せずに取り除くことができる可能性があり、それは、外側容器のチャンバに収容される感湿性材料の品質に影響を与える可能性がある。内側容器はまた、感湿性材料を外側容器から分配するのを妨害する可能性もある。本発明は、にかわまたは接着剤の使用を必要としない外側容器のチャンバ内における内側容器の位置を固定する必要を認識する。
【0009】
本発明は、外側容器(たとえば図1Aの外側容器12)のチャンバ(たとえば図1Aのチャンバ13)内に、湿度制御物質を有する内側容器(たとえば図1Aのキャニスタ14)の位置を固定するために、超音波溶接(超音波接合としても知られる)を利用する。超音波溶接は、2つの材料を互いに接合するために高周波数振動を利用する。にかわおよび接着剤の使用とは異なり、超音波溶接工程は、廃棄物または危険なガス抜けをほとんどまたはまったくもたらさない。すなわち、溶接された部品(たとえば外側容器12およびキャニスタ14)は危険ではなく、溶接工程は、容器アセンブリに貯蔵されている感湿性材料の品質に影響を与えない。本発明により、接着剤およびにかわが付きにくい可能性のある材料から形成される外側容器および内側容器を容易に互いに溶接することが可能になる。
【0010】
超音波溶接時間はまた、大部分のにかわおよび接着剤に必要な設定時間より短い。現超音波溶接時間は、0.250ミリ秒の範囲である。すなわち、現超音波溶接方法を使用して、完全な溶接強度が、約0.250ミリ秒後に実現される。超音波溶接時間が短くなる結果、外側容器のチャンバ内に内側容器を固定する追加のステップにより、容器アセンブリ組立工程に対し極度に負担となる量の追加時間がもたらされることがない。
【0011】
図1Aは、本発明による容器アセンブリの第1の例示的な実施形態の斜視図である。容器アセンブリ10は、外側容器12、キャニスタ14およびキャップ15から形成される。容器アセンブリ10を、医薬品、または歯科材料組成物を収容する1つまたは複数のカプセル等、感湿性材料を貯蔵するために使用してもよい。より詳細には、感湿性材料を、キャップ15と外側容器12の底壁および側壁とによって画定されるチャンバ13に貯蔵してもよい。外側容器12およびキャニスタ14を、限定されないがポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、低密度ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート等、超音波溶接することができる任意の材料から形成してもよい。外側容器12および/またはキャニスタ14を形成する材料はまた、透明であってもよい(図1Aおよび図1Bの外側容器12に対して示すように)。外側容器12およびキャニスタ14は、互いに超音波によって溶接することができる限り、必ずしも同じ材料から形成される必要はない。さらに、互いに溶接される外側容器12およびキャニスタ14の部分のみが、超音波溶接することができる材料から形成されればよい(ただし、外側容器12およびキャニスタ14全体が超音波溶接可能材料から形成されてもよい)。互いに溶接される外側容器12およびキャニスタ14の部分を「接合部分」と呼ぶことにし、この接合部分は、外側容器12の内面の一部とキャニスタ14の外面の一部とを構成してもよい。
【0012】
湿度制御物質をキャニスタ14に貯蔵してもよい。キャニスタ14は、「内側容器」としても知られ得る。キャニスタ14は、限定されないがベントナイト粘土、シリカゲル、モンモリナイト粘土、分子ふるい、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、グリセロール、ソルビトール、PCAナトリウムまたはプロピレングリコールを含む、任意の湿度制御物質を含んでもよい。キャニスタ14はまた、限定されないが活性炭等、においを制御することが意図される材料を収容してもよい。上述したように、湿度制御物質を使用して、チャンバ13内部の湿度レベルが所望のレベルを超過した場合に容器内の空気から過度な湿気を吸収することにより、かつ/またはチャンバ13内部の湿気レベルが所望のレベルを下回る際にチャンバ13内部の空気に湿気を付加することによってチャンバ13内部の湿気の保持を促進することにより、チャンバ13内部の湿気を制御してもよい。
【0013】
チャンバ13内部の空気を、感湿性材料がチャンバ13内部に配置される時点での所望の湿気レベルに設定してもよい。容器アセンブリ10が使用される際、チャンバ13内部の湿気レベルは、外側容器12が何回開閉されるかと、キャップ15および外側容器12によって画定される接合部を通して漏れる湿気の量と、外側容器12の外側の空気の湿度レベルと、を含む多くの要素に応じて、変化してもよい。容器アセンブリ10が消費者によって開封される前であっても、湿気は感湿性材料に影響を与える可能性がある。たとえば、感湿性材料が外側容器12内部に「瓶詰めされた(bottled)」後、シールが、キャップ15の下に(箔層等)またはキャップ15の上に形成される場合(シールは、容器アセンブリ10が消費者の手元に届くと、消費者によって破壊されるかまたは取り除かれる)、幾分かの湿気が依然としてシールを通して漏れる可能性がある。
【0014】
一般に、外側容器12を包囲する空気の湿度レベルがチャンバ13内部の湿度レベルと同じでない場合、湿気はチャンバ13と周囲空気との間で移動する可能性がある。湿気は、キャップ15と外側容器12との間の接合部におけるあり得る漏れを通して移動する可能性があるだけでなく、キャップ15が開放されるときにも(セルフシールフリップトップ18または他の手段を通して)移動する可能性があり、それにより、チャンバ13内部の湿気レベルが所望のレベルを超過する可能性がある。湿気レベルの上昇により、チャンバ13に収容されている感湿性材料の品質が損なわれる可能性がある。キャニスタ14内部の湿度制御物質を使用して、乾燥剤として作用し過度な湿気の一部またはすべてを吸収することにより過度な湿気の問題に対処してもよい。すなわち、外側容器12のチャンバ13内の湿気レベルが一定レベルを超過すると、湿気制御物質が過度な湿気の少なくとも一部を吸収する。
【0015】
湿度制御物質が吸収することができる湿気の量は、選択される湿度制御物質のタイプと、使用される湿度制御物質の品質と、湿度制御物質の吸収速度と、湿度制御物質の湿気含有量と、を含む多くの要素によって決まる。使用される湿度制御物質のタイプおよび品質を、チャンバ13内部の所望の湿気レベルを維持するために湿度制御物質が吸収する湿気の量を変更するように変更してもよい。当業者は、所望の湿気レベルを維持するようにかかる変数を変更することができる。
【0016】
チャンバ13内部の湿気レベルが所望のレベルを下回ると、チャンバ13に収容される感湿性材料の品質が損なわれる可能性がある。湿度制御物質は、湿潤剤として作用することにより、チャンバ13内に湿気を放出することによって所望のレベルを下回る湿気レベルに対処してもよい。すなわち、チャンバ13内の湿気レベルが一定レベルを下回ると、湿度制御物質は、所望のレベルに達するまで、または少なくとも所望のレベルにより近い湿気レベルに達するまで、外側容器12のチャンバ13内に湿気を放出する。湿度制御物質が放出することができる湿気の量は、選択される湿度制御物質のタイプと、使用される湿度制御物質の品質と、湿度制御物質の湿気含有量と、を含む多くの要素によって決まる。当業者は、所望の湿気レベルを維持するようにかかる変数を変更することができる。
【0017】
上述したように、チャンバ13内部の湿気レベルは、容器アセンブリ10が使用される際に変化する可能性がある。外側容器12外部の空気が、チャンバ13内部の湿気レベルより湿度が高い場合、チャンバ13内部の湿気レベルは、キャップ15が開放される場合(フリップトップ18または他の手段を通して)またはキャップ15および外側容器12によって形成される接合部の任意の漏れを通して増大する可能性があり、それによりチャンバ13内部の湿気レベルが所望のレベルを超過する可能性がある。外側容器12外部の空気の湿気レベルがチャンバ13内部の空気の湿気レベルより低い場合、チャンバ13内部の湿気レベルは所望レベルを下回る可能性がある。湿気レベルが増大するかまたは低減することにより、チャンバ13に収容されている感湿性材料の品質が損なわれる可能性がある。湿度制御物質を使用して、湿気をより乾燥した雰囲気に発散させ湿度の高い雰囲気から湿気を吸収することにより、過度なまたは不十分な湿気問題に対処してもよい。このように、湿度制御物質を使用して、感湿性材料がその湿気を保持するのを助けるとともに、チャンバ13の所望の湿気レベルを維持するのを助けることができる。
【0018】
キャニスタ14内の複数の開口17は、湿度制御物質とチャンバ13との間の湿度移動可能な連通のための経路を提供する。すなわち、開口17により、使用されている湿度制御物質のタイプに応じて、かつ外側容器12のチャンバ13の実際の湿気レベルと所望の湿気レベルとの間の差に応じて、湿度制御物質が外側容器12のチャンバ13から湿気を取り出すかまたは湿気を投入することができる。開口17を、湿度制御物質がキャニスタ14から漏れないような形状にしてもよく、または透過性膜等、かかる漏れを防止する別の機構を設けてもよい。物質が感湿性材料に接触する場合、かかる接触が感湿性材料の品質に悪影響を与える可能性があるため、湿度制御物質のすべてが実質的にキャニスタ14内に封止され続けることが重要である場合がある。キャニスタ14に収容される湿度制御物質は、外側容器12が多数回開放される場合であっても、感湿性材料がより新鮮であり続けるのを助け、また感湿性材料の保存寿命を延長することも可能である。湿度制御物質を、容器アセンブリ10が感湿性材料を貯蔵するために使用されることが適度に予測される限り、外側容器12のチャンバ13内部の雰囲気を所望の湿気レベルで維持するように設計すべきである。
【0019】
キャニスタ14を円柱形状であるように示すが、キャニスタ14は、外側容器12のチャンバ13内へまたはそこからの感湿性材料の移動に対する妨害を最小限にする任意の形状および/または寸法であってもよい。さらに、キャニスタ14を、超音波溶接することができる任意の剛性材料または非剛性材料から形成してもよい。たとえば、キャニスタ14を枕形ポーチで形成してもよく、その場合、ポーチは、超音波溶接することができる可撓性材料から形成される。キャニスタ14は、キャニスタ14の位置が外側容器12のチャンバ13内に固定されるように、溶接接合部16において外側容器12に超音波溶接される。図1Aに示す実施形態では、溶接接合部16は、外側容器12の内部底壁とキャニスタ14の外側底面とが互いに接触する場所である。図1Aは、外側容器12の底壁の中心に固定されるキャニスタ14を示すが、キャニスタ14を、外側容器12の内部底壁に沿った任意の場所に固定してもよい。キャニスタ14を、外側容器12の側壁に固定してもよい。キャニスタ14の底面全体を、必ずしも外側容器12に溶接する必要はない。溶接接合部16は、単に、キャニスタ14を適所に保持するために十分強固であり、かつ容器アセンブリ10の使用中にキャニスタ14に加わる力に耐えるために十分強固であればよい。たとえば、容器アセンブリ10が、医薬錠剤を消費者が使用するために保持するように使用される場合、溶接接合部は、消費者が錠剤を取り出すために外側容器12を操作する力に耐えるために十分強固でなければならない。すなわち、消費者が外側容器12を激しく振る場合にキャニスタ14が固定されない状態になるべきではない。溶接接合部16はまた、容器アセンブリ10の輸送および他の扱いの間にキャニスタ14をその固定位置に保持するために十分強固であるべきである。
【0020】
キャニスタ14を外側容器12に溶接するために、本技術分野において既知である超音波溶接のいかなる方法を使用してもよい。キャニスタ14が2つ以上の部分(たとえば、互いに嵌合する上部および底部)から形成される場合、キャニスタ14を、外側容器12に超音波溶接することに加えて、超音波溶接閉鎖(ultrasonically welded shut)してもよい。キャニスタ14が超音波溶接閉鎖される場合、キャニスタ14が破壊して開放し湿度制御物質を外側容器12のチャンバ13内に放出する可能性が低減する。上述したように、湿度制御物質が感湿性材料に接触すると感湿性材料の品質が影響される可能性があるため、湿度制御物質の実質的にすべてがキャニスタ14内に封止されたままにすることが重要であり得る。
【0021】
キャップ15は、チャンバ13にアクセスするための選択的に再封止可能な開口を提供する。キャップ15を、限定されないがプラスチック材料またはガラス材料等、チャンバ13の感湿性の中身と反応しない任意の材料から形成してもよい。キャップ15は、必ずしも外側容器12と同じ材料から形成される必要はなく、また超音波溶接することができる材料から形成されなくてもよい。一実施形態では、キャップ15は、可撓性接続19によってキャップ15の主本体20に接続されるフリップトップ18を有する。可撓性接続19は、限定されないがリビングヒンジ等、フリップトップ18が、破壊することなく複数回開閉されるのを可能にする、任意の接続であってもよい。フリップトップ18により、外側容器12は、それが一旦開放されると選択的に再封止されることが可能になる。フリップトップ18が持ち上げられると(図1Aに示すように)、開口21が露出し、消費者が、開口21を通して、外側容器12のチャンバ13に収容されている感湿性材料を取り出すことができる。フリップトップ18により、使用者は、キャップ15を取り除くことなく外側容器12の中身に容易にアクセスすることができる。キャップ15を、本技術分野において既知である任意の方法によって外側容器12に取り付けてもよい。たとえば、キャップ15を、締め摩擦嵌合によって外側容器12上に「跳ね返るように取り付けて(pop)」もよく、またはキャップ15はツイストオンキャップであってもよい。図1Aは、フリップトップ18を備えたキャップ15を有する容器アセンブリ10を示すが、キャップ15は任意の再封止可能な機構であってもよい。たとえば、キャップ15は、フリップトップを有することなく単にひねって取り付けてもよい。しかしながら、フリップトップ構成により、外側容器12の中身にアクセスするためにキャップ15を取り除く必要がないため、消費者がキャップ15を紛失する可能性が低減する。キャップ15を、図1Aに示すように、キャップ15自体内の摩擦嵌合を介して開放することによるのではなく、開口21に隣接する外側容器12の部分との嵌め摩擦嵌合によって開口21を覆うような形状にしてもよい。
【0022】
図1Bは、図1Aの容器アセンブリ10の側面図であり、外側容器12のチャンバ13は、複数の歯科材料組成物カプセル22を収容する。図1Bを使用して、歯科材料組成物カプセル22を貯蔵するために容器アセンブリ10をいかに使用することができるかを示す。外側容器12に貯蔵することができる歯科材料組成物カプセルの一例は、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company(St.Paul,Minnesota))から入手可能な3MエスペZ100リストラクティブ(3M ESPE Z100 Restorative)である。
【0023】
図2Aは、本発明による容器アセンブリの第2の例示的な実施形態の斜視図である。容器アセンブリ30は、外側容器32、内側容器34およびキャップ36(閉鎖しているように示す)から形成される。外側容器32は、感湿性材料を貯蔵するために使用することができるチャンバ33を画定する。内側容器34を使用して、湿度制御物質を貯蔵してもよい。内側容器34は、図1Aのキャニスタ14と同様の機能を提供するが、図2Aでは、異なる形状を有するように示す。内側容器34はまた、図1Aのキャニスタ14とは異なる位置に固定される。この場合もまた、内側容器34を、円柱状または枕形等、感湿性材料が外側容器32のチャンバ33内にまたはそこから出るように移動することに対する妨害を最小限にする任意の形状および/または寸法で形成してもよい。さらに、内側容器34を、超音波溶接することができる任意の剛性材料または非剛性材料から形成してもよい。
【0024】
外側容器32および内側容器34を、限定されないがポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、低密度ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート等、超音波溶接することができる任意の材料から形成してもよい。外側容器32および/または内側容器34を形成する材料もまた、透明であってもよい(図2Aおよび図2Bにおいて外側容器32に対して示すように)。外側容器32および内側容器34は、互いに超音波によって溶接することができる限り、必ずしも同じ材料から形成されなくてもよい。さらに、互いに溶接される外側容器32および内側容器34の接合部分のみが、超音波溶接することができる材料から形成されればよい(ただし、外側容器32および内側容器34全体が超音波溶接可能材料から形成されてもよい)。
【0025】
内側容器34は、溶接接合部38において外側容器32に超音波溶接される。溶接接合部38は、外側容器32の内部側壁と内側容器34の外部側面とが互いに接触する場所である。しかしながら、内側容器34の側面全体が外側容器32に接触する必要はない。完全に満たない接触面積を溶接することにより、十分に強固な溶接接合部38を達成することができる。図1Aの溶接接合部16に関して上述したように、溶接接合部38は、容器アセンブリ30の使用中とともに、容器アセンブリ30の輸送および関連する扱いの間に、内側容器34を適所に保持するために十分強固でなければならない。この場合もまた、内側容器34を、そこに収容されている湿度制御物質が外側容器32のチャンバ33内に漏れないようにするのを助けるために、超音波溶接閉鎖してもよい。
【0026】
内側容器34の複数の開口39が、内側容器34に収容されている湿度制御物質とチャンバ33との間の湿度移動可能な連通のための経路を提供する。開口39を、湿度制御物質が内側容器34から漏れないような形状にしてもよく、または限定されないが透過性膜等、かかる漏れを防止するように別の機構を設けてもよい。図1Aのように、内側容器34に収容される湿度制御物質は、キャップ36が多数回開閉される場合であっても、感湿性材料がその品質および鮮度を維持するのを助け、また、感湿性材料の保存寿命を延長することも可能である。湿度制御物質を、容器アセンブリ30が感湿性材料を貯蔵するために使用されるように適当に予測される限り、外側容器32のチャンバ33内部の空気を所望の湿気レベルで維持するように設計すべきである。内側容器34はまた、限定されないが活性炭等、においを制御することが意図された材料を収容してもよい。
【0027】
図2Aに示す容器アセンブリ30の構成を使用して、図1Aに関して言及した医薬または歯科材料組成物カプセルに加えて、歯科材料組成物等、粉末形態の感湿性材料を貯蔵してもよい。湿度制御物質が適当に作用するためには、粉末がチャンバ33に格納されているとき、外側容器32の底面以外の場所に内側容器を固定しなければならない場合もある。粉末は、外側容器32のチャンバ33に格納される場合、空気ポケットをほとんどまたはまったく含まない可能性があり、そのため、内側容器34が外側容器32のチャンバ33の底部に位置する場合(たとえば、図1Aに示す構成において)、開口39を閉塞される可能性があるため、内側容器34は、粉末と湿度移動可能に連通しない可能性がある。その状況では、チャンバ33内部の空気の湿気レベルを調整することは困難である。図2Aの構成により、内側容器34に収容される湿度制御物質は、粉末と湿度移動可能に連通し続けることができる。それは、粉末が外側容器32をその縁まで充填しない限り、開口39の少なくともいくつかが粉末の上に露出するはずであるためである。
【0028】
キャップ36を、限定されないがプラスチックまたはガラス材料等、チャンバ33の中身と反応しない任意の材料から形成してもよい。キャップ36は、必ずしも外側容器32と同じ材料から形成される必要はなく、超音波溶接することができる材料から形成される必要もない。図2Aはフリップトップ(図1Aに示すフリップトップ18等)のないキャップ36を示すが、キャップ36は、フリップトップまたは本技術分野において既知である他の任意のタイプのトップを有してもよい。
【0029】
図2Bは、図2Aの容器アセンブリ30の側面図であり、ここでは外側容器32のチャンバ33は部分的に粉末材料40によって充填されており、キャップ36は、可撓性接続46によってキャップ42の主本体43に接続されるフリップトップ44を有するキャップ42に置き換えられている。可撓性接続46は、限定されないがリビングヒンジ等、フリップトップ44を破壊なしに複数回開閉することができるようにする任意の接続であってもよい。フリップトップ44は、外側容器32のチャンバ33内への開口48を画定し、それにより粉末材料40をチャンバ33から取り出すことを可能にする。図2Bが示すように、内側容器34は、粉末材料40の上および下の両方で露出する。内側容器34のこの配置により、内側容器34に収容される湿度制御物質が、チャンバ33内部の空気と湿度移動可能に連通することが可能である。内側容器34が、粉末40によって完全に浸されるように外側容器32に固定される場合、すべての開口39(図示せず)が閉塞され、湿度制御物質がチャンバ33内部の空気と湿度移動可能に連通しなくなるため、内側容器34に収容されている湿度制御物質がチャンバ33の空気の所望の湿度レベルを維持することができない可能性がある。内側容器34のすべての開口39は必ずしも完全に覆われていない必要はないが、内側容器34の湿度制御物質がチャンバ33内の空気と湿度移動可能に連通するように、いくつかの開口39がチャンバ33に対して露出するべきである。
【0030】
図3は、本発明による容器アセンブリを形成する方法を示す。図3は、容器アセンブリの側面図であり、ここでは外側容器52を断面図で示す。図3は、取付具50と、外側容器52と、チャンバ53と、内側容器54と、超音波ホーン56と、を示す。内側容器54は、内側容器54の接合部分が露出するように取付具50上で位置合せされる。そして、外側容器52の接合部分は、取付具50および内側容器54の一部がチャンバ53内部に配置されるように、内側容器54の露出した接合部分と接触するように配置される。内側容器54および外側容器52の接合部分は、溶接接合部58において互いに接触し、そこでは、溶接接合部58は、内側容器54が外側容器52のチャンバ53内に固定される位置である。内側容器54は、チャンバ53と湿度移動可能に連通する湿度制御物質を収容する。
【0031】
超音波溶接中、互いに溶接される物体の部分において、これら部分を融解し溶接するために圧力および超音波振動を同時に加えることにより、強固な摩擦熱が生成される。このため、超音波溶接は、互いに溶接されている物体に圧力が加わることを必要とする。取付具50および対向する超音波ホーン56は、外側容器52および内側容器54に圧力を加えるように互いに付勢され、それにより外側容器52および内側容器54が溶接接合部58において互いに押圧される。所望の量の圧力が加えられると、超音波ホーン56は、溶接接合部58において互いに接触する内側容器54および外側容器52の接合部分を融解し溶接するように、高周波数で振動するよう起動される。外側容器52と接触している超音波ホーン56の面積は、外側容器52と接触している内側容器54の面積と実質的に同じであるべきである。
【0032】
外側容器52および内側容器54は、外側容器52のチャンバ53内で所望の湿気平衡レベルを維持するように制御された環境で超音波溶接されなければならない。チャンバ53の所望の湿気平衡レベルは、外側容器52のチャンバ53に貯蔵される感湿性材料に応じて選択されなければならない。内側容器54に収容されている湿度制御物質が加湿される(超音波溶接工程の前または後)場合、溶接環境は、湿度制御物質がその湿度の一部またはすべてを溶接環境に対して失わないように十分に加湿されるべきである。湿度制御物質が乾燥する(超音波溶接工程の前または後)場合、容器アセンブリに貯蔵される感湿性材料が外側容器52のチャンバ53内に挿入される前に、湿度制御物質が溶接環境からの湿度で飽和されないように、溶接環境は十分に乾燥しているべきである。
【0033】
内側容器54が超音波溶接方法を使用して外側容器52内に固定される場合、感湿性材料を外側容器52に挿入してもよく、キャップを外側容器52上に配置してもよい。また、キャップを、制御された環境において外側容器52の上に配置し、チャンバ53内の所望の環境条件を保存するようにその上で封止するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】本発明による容器アセンブリの第1の例示的な実施形態の斜視図である。
【図1B】図1Aの容器アセンブリの側面図であって、外側容器のチャンバは複数の歯科材料組成物カプセルを収容する。
【図2A】本発明による容器アセンブリの第2の例示的な実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Aの容器アセンブリの側面図であり、外側容器のチャンバは粉末材料で部分的に充填されており、図2Aのキャップはフリップトップを有するキャップに置き換えられている。
【図3】本発明による容器アセンブリを形成する方法を示し、外側容器が断面図で示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感湿性材料を保持する容器アセンブリであって、
内部にチャンバを画定する選択的に再封止可能な外側容器であって、該外側容器の内面の接合部分が超音波溶接可能な材料から形成される、外側容器と、
湿度制御物質を含む内側容器であって、該外側容器の該チャンバ内に配置され、該湿度制御物質を該チャンバと湿度移動可能に連通させ、該内側容器の外面の接合部分が超音波溶接可能な材料から形成され、該外側容器および該内側容器の該接合部分が互いに超音波溶接されることにより該外側容器の該チャンバ内に該内側容器の位置が固定される、内側容器と、
を備える、容器アセンブリ。
【請求項2】
前記外側容器の前記内面の前記接合部分が該外側容器の底壁に配置される、請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項3】
前記外側容器の前記内面の前記接合部分が該外側容器の側壁に配置される、請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項4】
前記内側容器が、感湿性材料の前記チャンバ内へのまたは該チャンバから出る移動に対する妨害を最小限にする形状である、請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項5】
前記外側容器が、その内部の前記チャンバにアクセスするための単一開口を有し、該外側容器が、該開口を再封止可能に覆うキャップを有する、請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項6】
前記キャップが、前記外側容器に柔軟に取り付けられる、請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項7】
前記キャップが、前記開口に隣接する外側容器の部分との嵌め摩擦嵌合により前記開口を封止可能に覆うような形状である、請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項8】
前記外側容器および前記内側容器の前記超音波溶接可能な材料がポリマーを含む、請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項9】
内部に感湿性材料を保持する容器アセンブリを形成する方法であって、
内部にチャンバを有する選択的に再封止可能な外側容器を提供するステップであって、該外側容器の内面の接合部分が超音波溶接可能な材料から形成されるステップと、
湿度制御物質を含む内側容器を提供するステップであって、該内側容器の外面の接合部分が超音波溶接可能な材料から形成されるステップと、
該外側容器の該チャンバ内に該内側容器を配置するステップであって、該湿度制御物質が該チャンバと湿度移動可能に連通するステップと、
該外側容器および該内側容器の該接合部分を互いに超音波溶接することにより、該外側容器の該チャンバ内に該内側容器の該部分を固定するステップと、
を含む、容器アセンブリを形成する方法。
【請求項10】
前記湿度制御物質に対する所望の湿気平衡レベルを、前記外側容器の前記チャンバに格納される前記感湿性材料に応じて選択するステップと、
前記湿度制御物質を前記所望の湿気平衡レベルにするステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記湿度制御物質が前記所望の湿気平衡レベルにある間、前記感湿性材料を前記外側容器の前記チャンバ内に投入するステップと、
該外側容器を、前記感湿性材料をその中に保持するように封止するステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記感湿性材料が、歯科材料組成物を収容する複数のカプセルを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記感湿性材料が、粉末化形態の歯科材料組成物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記超音波溶接するステップが、
前記内側容器を取付具の上で、その前記接合部分を露出させるように位置合せするステップと、
前記外側容器の前記接合部分を該内側容器の該露出した接合部分と接触させるステップと、
該内側容器および該外側容器の該位置合せされ接触する接合部分を、超音波ホーンからの超音波放出に露出させるステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−526627(P2008−526627A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549651(P2007−549651)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/047453
【国際公開番号】WO2006/074084
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】