説明

容器キャリア

複数の容器を運ぶための柔軟性キャリアが、柔軟性シート(20)を含み該柔軟性シートには複数の容器受容穴(25)が形成されている。各容器受容穴に容器(80)が配置され、一纏めに結合されてパッケージとなる。柔軟性キャリアは、更に、柔軟性シートの外縁部でパッケージの端部において、横二列に配列した容器受容穴の間に延在し、容器受容穴の横列の長手方向の端部から突出するループ(30)を含む。このループは、顧客が把持したときに、パッケージを支持可能である。柔軟性キャリアは、更に、上方へ突出したハンドル(50)、および/または、柔軟性シートに関して一体的に形成されたパネルを含むことができる。これにより形成されるパッケージは、端部においてループによって把持したり、或いは、頂部においてハンドルによって把持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶や瓶のような複数の容器を運ぶための柔軟性キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
缶、瓶、ジャー、箱等の同じ大きさの複数の容器を結合するために従来の容器キャリアがしばしば用いられている。柔軟性プラスチックリングキャリアは、こうした従来の容器キャリアの1つである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
柔軟性プラスチックリングキャリアは、4個、6個、8個、12個その他の適当な複数の容器を便利なマルチパッケージに結合するために用いることができよう。より新しい柔軟性リングキャリアは、キャリアから上方に突出したハンドルを含み、消費者がパッケージを運搬可能となっていよう。従来のキャリア、特に、8個や12個の容器を具備した長いパッケージを、狭い棚や冷蔵庫内に置く場合に、トップリフトハンドルに手が届かず、パッケージの容器2個の側面にのみ接近することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複数の容器を包装するための柔軟性キャリアであって、配列された容器受容穴と、パッケージの長手方向の端部からキャリアを把持するための少なくとも1つのループとを含んだ柔軟性キャリアに関する。
【0005】
本発明の好ましい実施形態によれば、各柔軟性キャリアは横二列に配列された容器受容穴を含み、該容器受容穴の各々が1つの容器を受容して、パッケージが形成される。好ましくは、容器受容穴の横二列の間にループが連結され、該ループは、パッケージの少なくとも1つの端部から突出している。好ましくは、本発明によるパッケージは、パッケージの両端から突出する一対のループを具備する。
【0006】
更に、ハンドルが、好ましくは、容器受容穴の横列の間に連結されている。該ハンドルは、複数のストラットによって容器受容穴の横列の間で柔軟性シートに連結され、好ましくは、前記柔軟性シートの中心線とハンドルとの間を連結するようにできる。
【0007】
こうして形成されたパッケージは、パッケージの長手方向の各端部から外方に突出したループと、容器受容穴の横列の間から上方に突出したハンドルとを具備する。こうして、パッケージは、上方および長手方向の何れかの端部から把持されよう。これは、特に、パッケージが冷蔵庫のような狭い棚に配置される場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上述した本発明の特徴および他の特徴、並びに目的は、添付図面に関連して以下に記載する詳細な説明から明らかとなろう。
【0009】
図1は、12個の容器を結合して一纏めにしたパッケージを形成するための柔軟性キャリア10を示している。図2、3は、容器を結合したパッケージを示している。図1〜図3には、本発明の柔軟性キャリア10に関して種々の構造が示されているが、これは例示であって、本発明は、この柔軟性キャリア10またはパッケージに限定されない。例えば、柔軟性キャリア10は、4個、6個、8個その他の所望数の容器を結合するように構成したり、或いは、用いてもよい。
【0010】
図2、3に示したような容器は、好ましくは缶である。図2、3には缶が示されているが、瓶や一般的に用いられている他の容器を本発明による柔軟性キャリア10と共に用いてもよい。容器は、必須事項ではないが、単一の柔軟性キャリア10内では同じサイズである。
【0011】
柔軟性キャリア10の各々は、好ましくは、単層または複数層の柔軟性シート20を含む。該柔軟性シートは、内側に複数の容器受容穴25を形成する幅および長さを有し、該容器受容穴の各々に容器80が受容される。複数の容器受容穴25は、好ましくは、6容器パッケージついての横二列、縦3列や、12容器パッケージについての横二列、縦6列のように、容器受容穴25のアレイを形成するように配列されている。容器受容穴25は、好ましくは、柔軟性キャリア10の長手方向に長く形成されている。
【0012】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、図1に示すように、長手方向に延びる中心線60に沿って、二層の柔軟性シート20が接合されている。本明細書では、中心線60は一般的に、横二列に配列された容器受容穴25の間および/または柔軟性シート20の層の間の部分である。本発明の1つの好ましい実施形態では、中心線60は、柔軟性シート20の二層を接合する溶接部を具備している。柔軟性キャリア10を形成するために、二層の柔軟性シート20が共有押出され、或いは溶接その他の接合方法によって共に接合される。本明細書では「溶接」との語は、熱溶接(hot weld)、冷間溶接(cold weld)、積層(lamination)その他の当業者に周知の2枚のシート材料を接合する接合方法として規定される。
【0013】
図1に示すように、中心線60の各側に、および/または、二層の柔軟性シート20の各層に、横一列の受容穴25が好ましく形成される。従って、横一列の受容穴25が、中心線60の各側に沿って好ましく形成される。こうして、図1に示す柔軟性キャリア10には、各側に6個ずつの容器受容穴25が二列重なり合って12個の容器受容穴25が形成されている。容器受容穴25は、容器80と柔軟性キャリア10との間に過剰な遊びおよび/または滑りを生じないように、緊密に容器80を結合する形状に形成される。
【0014】
図1、3に示すように、柔軟性シート20の周縁部から横二列の容器受容穴25の間に延在するように、ループ30が、柔軟性シート20に対して位置決めされている。特に、ループ30は、隣接した柔軟性シート20の層の間の溶接部またはシームを含むであろう中心線60から延在している。ループ30は、柔軟性シート20と一体的に形成したり、或いは、独立に係止して柔軟性キャリア10に取着したりすることができる。
【0015】
1つのループ30が、柔軟キャリア10の一端、特にパッケージ100の一端から延在し、好ましくは、パッケージ100の各端部から1つのループ30が延在している。ループ30の各々は、好ましくは、横列に配列された容器受容穴25の長手方向の各端を超えて突出しており、柔軟性キャリア10を容器80に取付けた後において、パッケージ100における長手方向の端の容器80を超えて突出するようになっている。
【0016】
ループ30は、詳細に後述するように、好ましくは、柔軟性キャリア10において不連続のリングを形成し、顧客が掴んだときにパッケージ100の重量を支持可能となっている。柔軟性シート20に対するループ30の形状から、顧客には、ループ30はパッケージ100を掴み持上げるためのものであることが明らかである。
【0017】
図1に示すように、本発明の1つの好ましい実施形態によれば、容器受容穴25の横二列の間で中心線60に沿って、かつ、容器受容穴25の横二列とは独立の平面内にハンドル50が形成されている。図1に示すように、特に、ハンドル50は、容器受容穴25の横列の一方の側部に沿って連結されおり、そして、好ましくは溶接部のような中心線60に関して連結されている。ハンドル50は、柔軟性シート20と一体成形したり、或いは、柔軟性シート20とは独立に形成して該柔軟性シートに取付けたりすることができよう。
【0018】
ハンドル50には、1または複数の細長い開口部55が形成することができ、該開口部は、ハンドル50の外縁に沿って配置することができる。或いは、前記ハンドルは、顧客が手を入れて把持するための十分な領域で、かつ、パッケージ100の目的および完全性を維持可能な同様の構成を備えていてもよい。
【0019】
図1に示すように、ハンドル50は、中心線60とハンドル50の間に好ましく配置された複数のストラット70によって、容器受容穴25の横列に連結されている。本発明の柔軟性シート20の二層から成る形態では、ストラット70は、好ましくは、柔軟性シート20の双方の層に形成される。また、長手方向にハンドル50を通して延設する1または複数のハンドル溶接部75を設けてもよい。複数のストラット70は、柔軟性キャリア10の内側部分に配置された内側ストラット74と、柔軟性キャリア10の周縁部に配置された外側ストラット72とを具備している。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、ループ30は、ループストラット35を介して外側ストラット72に連結することができる。こうした構成は、ループ30をハンドル50から離して柔軟性キャリア10の端に配置し維持することを助け、また、ループ30へのパッケージ100の重量に対する強度と支持を与える。
【0021】
図1に示すように、本発明の1つの好ましい実施形態によれば、好ましくは、容器受容穴25の横列のハンドル50とは反対の側部に沿って、パネル40が形成されている。パネル40は、一方または双方の側部に、統一商品コード(UPC)、購入証明ラベル、図画、販促情報、および/または、容器80および/またはパッケージ100の内容物および/または成分に関するその他の情報を好ましく収納する。
【0022】
図2、3に示すように、柔軟性キャリア10から形成されるパッケージ100は、結合された複数の容器80を含む。柔軟性キャリア10は、一般的に、容器80の外周部の周りで容器受容穴25沿いに柔軟性シート20を延伸し、延伸したキャリア10を復帰可能として、緊密に係合させることによって、複数の容器80に取付けられる。キャリア10は、典型的に、出縁またはリブまたは容器80においてこの構造がある部分、若しくは、容器の主要な側壁部分に取付けられる。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施形態における上述した構成によって、長手方向に延びる中心線60によって接合される二層の柔軟性シート20は、二層の柔軟性シート20の各層に横一列に配列された複数の容器受容穴25を含む。中心線60の両側の各々に横一列の容器受容穴25が形成され、その結果柔軟性キャリア10を中心線60で展開して、容器80が装着される係合平面が概ね平坦となる。ハンドル50およびループ30は、該構成では、好ましくは、柔軟性シート20とは異なる平面内に延在する。こうして、容器受容穴25が容器80に係合してパッケージ100が形成される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、パッケージ100は、該パッケージ100を把持して運ぶための3つの領域を含んでいる。手で掴むのに適した一対のループ30は、図3に示すように、パッケージ100の両端に好ましく配置されており、複数の容器80が容器受容穴25に装着されているときに、ループ30はパッケージ100の長手方向の端部から外方に突出している。
【0025】
手で掴むのに適したハンドル50は、柔軟性シート20の概ね中央部分から好ましく突出している。本発明の1つの好ましい実施形態によるパッケージ100では、ハンドル50は、容器受容穴25の横列の間で中心線60から上方に突出している。ハンドルストラット70によって、中心線60とハンドル50との間が適正に分離され、パッケージ100を心地よく把持可能となる領域が作られる。
【0026】
こうして、パッケージ100から上方に突出したハンドル50、または、パッケージ100の長手方向の端部から外方に突出した一対のループ30の少なくとも1つを手で掴むことによって、パッケージ100は運ばれるであろう。把持および運搬の好ましい方法は、顧客による購買時に明らかとなる。例えば、狭い棚や冷蔵庫内では、パッケージ100は、パッケージ100の2個側の縁部に沿って配置されるので、ループ30を使うこととなる。或いは、パッケージ100をエンドキャップ(endcap)内に積み重ねたり、パッケージ100の頂面が見えるように展示する場合には、ハンドル50が使用される。
【0027】
好ましい実施形態に関連して本発明を説明し、多くの詳細事項を例示目的で記載したが、柔軟性キャリア10および柔軟性シート20は、本発明の基本原理から逸脱することなく、既述した詳細事項を大きく変更した他の形態で実施可能とであることは当業者の当然とするところである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の1つの好ましい実施形態による柔軟性キャリアの側面図である。
【図2】本発明の1つの好ましい実施形態による容器パッケージの左前から見た斜視図である。
【図3】図2に示したパッケージの左前から見た斜視図であり、パッケージの一端に設けたループに手を掛けたことを示す図である。
【符号の説明】
【0029】
10 柔軟性キャリア
20 柔軟性シート
25 容器受容穴
30 ループ
35 ループストラット
40 パネル
50 ハンドル
60 中心線
70 ストラット
72 外側ストラット
74 内側ストラット
80 容器
100 パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性キャリアに複数の容器を結合したパッケージにおいて、
単層または複数層の柔軟性シートと、
前記柔軟性シートに横二列に配列、形成された容器受容穴であって、前記横列の容器受容穴の各々が、横列に配列した容器の各々に係合するようにした容器受容穴と、
該パッケージの端部において、容器受容穴の横列の間で、容器受容穴の横列の長手方向の端部を超えて前記柔軟性シートの周縁部から突出し、顧客が把持したときに該パッケージを支持可能なループとを具備したパッケージ。
【請求項2】
前記パッケージの各端部から1つのループが突出している請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記容器の各横列の間から上方に突出したハンドルを更に具備した請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記ハンドルを前記柔軟性シートに連結する複数のハンドルストラットを更に具備する請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記複数のハンドルストラットの外側ハンドルストラットを更に具備し、
前記ループが前記外側ハンドルストラットに関して連結されている請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記横二列に配列された容器受容穴の間にシームが延設されている請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記ループが前記シームから突出している請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記ループが、前記パッケージの端部から突出する不連続のリングを具備する請求項1に記載のパッケージ。
【請求項9】
少なくとも横一列の容器受容穴から垂下されたパネルを更に具備する請求項1に記載のパッケージ。
【請求項10】
容器受容穴の横列を分割する中心線と、
前記中心線から上方に突出したハンドルとを更に具備し、
前記ループが前記中心線から上方に、かつ、前記ハンドルから離反するように延在している請求項1に記載のパッケージ。
【請求項11】
複数の容器を運ぶための柔軟性シートから成る少なくとも1つの層から形成された柔軟性キャリアにおいて、
前記柔軟性シートに形成された複数の容器受容穴であって、長手方向に複数の横列と横断方向に複数の縦列とから成るアレイ状に配列された複数の容器受容穴と、
容器受容穴の長手方向の横列の間で前記柔軟性シートの周縁部に、容器受容穴の横列の長手方向の端部を超えて形成されたループとを具備した柔軟性キャリア。
【請求項12】
前記容器受容穴の長手方向の横列の間にハンドルが形成されている請求項11に記載の柔軟性キャリア。
【請求項13】
前記ハンドルを前記柔軟性シートの前記容器受容穴の長手方向の横列に連結する複数のハンドルストラットを更に具備する請求項12に記載の柔軟性キャリア。
【請求項14】
前記ハンドルに関して前記ループを連結するループストラットを更に具備する請求項12に記載の柔軟性キャリア。
【請求項15】
柔軟性シートから成る二層であって、該柔軟性シートから成る二層の各々に容器受容穴が横一列に形成されている柔軟性シートから成る二層と、
前記容器受容穴の横列の間に形成された中心線とを更に具備する請求項11に記載の柔軟性キャリア。
【請求項16】
前記中心線が溶接部である請求項15に記載の柔軟性キャリア。
【請求項17】
複数の容器を運ぶための柔軟性キャリアにおいて、
複数の容器受容穴が形成された柔軟性シートと、
前記柔軟性シートの概ね中心部から突出した手で把持するのに適したハンドルと、
前記柔軟性シートの各端部に関して連結され手で把持するのに適した一対のループとを具備し、
複数の容器が前記容器受容穴内に配置されたとき、パッケージから上方に突出したハンドルと、前記パッケージの長手方向の各端部から外方に突出した前記一対のループの少なくとも1つにおいて、前記パッケージが手で把持されるようにした柔軟性キャリア。
【請求項18】
柔軟性シートから成る二層であって、該柔軟性シートから成る二層の各々に容器受容穴が横一列に形成されている柔軟性シートから成る二層を更に具備する請求項17に記載の柔軟性キャリア。
【請求項19】
前記容器受容穴の横列の間に形成された中心線を更に具備する請求項18に記載の柔軟性キャリア。
【請求項20】
前記ハンドルを前記柔軟性シートの前記容器受容穴の長手方向の横列に連結する複数のハンドルストラットを更に具備する請求項17に記載の柔軟性キャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−539137(P2008−539137A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508393(P2008−508393)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051293
【国際公開番号】WO2006/114769
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(591203428)イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド (309)
【Fターム(参考)】