説明

容器ホルダー

【課題】重くて滑り易い容器であっても軽微な力で容易且つ確実に保持することが可能な容器ホルダーを提供する。
【解決手段】容器ホルダー20の帯状主部21には、容器Aの外形状に沿って折り曲げ可能な折り目22があらかじめ設けられており、その表面側および裏面側にはそれぞれ滑り止め材24a,24bが設けられている。主部を容器の外周に巻き付けて密着させ、面ファスナーなどの固定手段23a,23bを介して主部の両端を連結して、この密着巻き付け状態を保持する。このようにして容器に装着された容器ホルダーの表面側滑り止め材に指を当てて容器を持ち上げたとき、主部表面側滑り止め材が主部と指との間の滑り止め作用を発揮し、主部裏面側滑り止め材が主部と容器外周との間の滑り止め作用を発揮するので、重くて表面が平滑な容器でも軽微な握力で容易に且つ確実に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス瓶やペットボトル、紙製パックなどの容器を片手で容易に保持することが可能な容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、容器として使用されるものには、アルミ缶、スチール缶、プラスチック製ボトルやペットボトル、紙製パック、ガラス瓶など多岐に亘っている。このような容器において、その殆どは表面が平滑な素材で作られていて、一般的に取っ手と呼ばれている手を掛けて掴むことができるハンドル部分がないものが多い。ガラス瓶などのように容器自体が重い場合や、飲料などの重い内容物を収容する場合、あるいは外気の関係などで容器表面に結露を生じて容器が滑り易くなっている場合には、容器を手に取ると滑り落としてしまうおそれがあった。また、高温の飲料を収容する容器が金属などの熱伝導率の大きな材料で形成されている場合、手で持ったときに熱くて瞬間的に手を離して落としてしまうおそれもあった。
【0003】
このような事情に鑑みて、特許文献1には、断熱性および可撓性を有する平板状シート材により構成され、使用の際に容器の外周部を包被するように簡単に組立構成できると共にそのまま取っ手付ジョッキのように持つことができる容器ホルダーが提案されている。
【特許文献1】特開2002−225873公報
【0004】
特許文献1記載の容器ホルダーを図8に示す。この容器ホルダー10は、断熱性および可撓性を有する平板状シートよりなり、容器Cを収容し保持できる筒状に巻回可能な板状主部11と、板状主部11の巻回方向両端から延設されて板状主部11を筒状に保持するように交差して係合可能な係合手段12a,12bと、これら係合手段の交差係合部より先端側に形成された取っ手53a,53bとを備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の容器ホルダー10は、飲料缶などの所定外径の円筒状外周部を有する容器Cを保持するに適しているが、それ以外の形状を有する容器に対しては適切に保持することができず、汎用性がない。たとえば牛乳などの飲料用に広く用いられている角筒状の紙製パックや角筒状のペットボトルなどには、特許文献1記載の円筒状容器ホルダー10を使用することができない。また、この容器ホルダー10は、簡単な作業であるとは言っても使用の都度組立作業が必要であり、また、この容器ホルダーを装着したままで冷蔵庫などに収容しようとしても取っ手がドアなどの狭い収納スペースを圧迫したり、出し入れの際に邪魔になるなどの不利がある。さらには、航空機の機内サービスや飲食店でのサービスなどの迅速且つ頻繁に対処する必要がある現場で使用するには不向きである。
【0006】
したがって、本発明は上記従来技術の不利欠点を解消し、ガラス瓶などそれ自体が重い材質で形成されている容器や液体飲料などの重い内容物を収容する容器であっても、比較的弱い握力でも容易且つ確実に保持することが可能であって、高齢者や子供も安全に使用することができる新規な構成の容器ホルダーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、請求項1に係る発明は、容器の外周に巻き付けられる主部と、該主部を容器の外周に巻き付けて容器を保持する際に指を当てる領域に少なくとも設けられて該主部と指との間の滑り止め作用を発揮する主部表面側滑り止め材と、該主部を容器の外周に巻き付けた状態において該主部表面側滑り止め材に指を当てて容器を保持したときに該主部と容器の外周との間の滑り止め作用を発揮する主部裏面側滑り止め材と、を備えることを特徴とする容器ホルダーである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の容器ホルダーにおいて、前記主部が容器外周より長い帯状体であり、該帯状体を容器の外周に巻き付けた状態に保持するための固定手段が設けられることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の容器ホルダーにおいて、前記帯状体からなる主部が、容器の角筒状外周部に巻き付けたときにその角部に対応する箇所で折り曲げ可能とするための折り目を有し、容器外周に巻き付けたときに該主部が容器外周に密着するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2記載の容器ホルダーにおいて、前記帯状体からなる主部が自由に折曲ないし屈曲可能な材質で形成され、いかなる外周形状の容器にも密着状態で巻き付け可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか記載の容器ホルダーにおいて、前記主部表面側滑り止め材が、主部の表面の略全般に亘って設けられることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか記載の容器ホルダーにおいて、前記主部表面側滑り止め材が、主部の表面の対向する2つの領域に設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか記載の容器ホルダーにおいて、前記主部裏面側滑り止め材が、主部の裏面の略全般に亘って設けられることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか記載の容器ホルダーにおいて、前記主部表面側滑り止め材が主部の表面に部分的に設けられ、前記主部裏面側滑り止め材が、前記主部裏面側滑り止め材が設けられる表面側領域に対応する裏面側領域に設けられることを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか記載の容器ホルダーにおいて、前記主部がラベルを兼ねることを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項9記載の容器ホルダーにおいて、ラベルを兼ねる前記主部がフィルム状であり、容器の外周の所定箇所にあらかじめ巻き付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、比較的握力の弱い高齢者や子供であっても容易に片手で容器を保持することができる。通常容器を持ち上げる場合、手から滑り落ちないようにするためには指先に力を入れて強く握ることが要求されるが、この発明によれば、主部の表面側滑り止め材および裏面側滑り止め材によって、主部に当てた指先と容器との間に大きな摩擦力を生じさせるので、強く握らなくても容器を容易且つ確実に保持することが可能となる。さらに、握った時に容器側面に与える圧力を軽減すると共に当該容器ホルダーの接触面が圧力を分散させる効果を与え、比較的軽微な外圧でも凹みやすい材質の容器であっても該凹みを生じさせず、あるいは小さな凹みのみで持ち上げることができ、容器の中身が零れ落ちることも防止できる。また、航空機の機内サービスや飲食店などで飲料用容器からコップにジュースなどを頻繁に移す場合でも迅速に片手で容器を扱うことができる上に、組立時間もほとんど必要としない。さらにまた、容器に装着したままでも取っ手のような突起部分がないので邪魔にならず冷蔵庫などの狭い収納場所を圧迫しない容器ホルダーを提供することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、容器ホルダー自体に固定手段を備えることでより確実に容器に固定することができる容器ホルダーが提供される。また、取り付け取り外しが容易で繰り返し使える容器ホルダーが提供される。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、容器ホルダーを容器の角筒状外周部に巻き付けたときにその角部に対応する箇所にあらかじめ折り目が形成されているので、容器外周に巻き付けるときに該折り目に沿って折り曲げることによって容器外周の各側面に密着させることができ、滑り止め作用をより効果的に発揮させる共に、容器ホルダーを折り曲げて畳むことが可能になるので収納に場所を取らず、製品の包装の体積を格段に小さくすることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、容器ホルダーの帯状体主部が自由に折曲ないし屈曲可能な材質で形成されているので、いかなる外周形状の容器にも密着状態で巻き付け可能であり、汎用性の高い容器ホルダーとして提供することができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、主部表面側滑り止め材が主部表面の略全般に亘って設けられることにより、保持部分が限定されず、特に円筒形の容器には好都合である。また、両手でも保持可能であることから、片手で持つのが不可能である乳幼児から握力が低下している高齢者まで非常に扱いやすい飲料用容器ホルダーを提供することができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、主部表面側滑り止め材が主部表面における対向する2つの領域に設けられるので、片手で持つ場合に一方の主部表面側滑り止め材に親指をかけ、他方の主部の表面側滑り止め材に他の指をかけて容器を保持することができ、指の接する領域に最小限の滑り止め材を使用して十分な滑り止め作用を発揮することができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、主部裏面側滑り止め材が主部裏面の略全般に亘って設けられるので、容器との摩擦が主部全体に生じやすくなり、容器を保持する際に主部表面側のどの領域に手をかけてもその裏面側の滑り止め材が常に所期の滑り止め作用を発揮する。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、主部表面側滑り止め材と主部裏面側滑り止め材とが主部の表面側と裏面側において対応する領域に設けられるので、保持部分に加えられた圧力を効果的に容器に伝達し、容器と主部の間の摩擦および滑り止め作用をより一層増大させることができる。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、商品名や成分表示などの容器ラベルとしての機能を兼ねた容器ホルダーが提供される。従来の容器ラベルは滑性が高いフィルムが採用されていて滑り易いため、容器の保持部分の形状に凹凸をつけるなどして滑り止め作用を与えていたが、この発明ではラベル兼用の主部の表面側滑り止め材および裏面側滑り止め材によって滑り止め作用が発揮されるので、容器自体に滑り止めのための形状を賦形する必要がない。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、飲料用容器にラベルを直接糊付けなどにより固着する必要がないため、着脱が容易であり、製造業者および最終消費者にとって好適な飲料用容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は本発明の第一の実施形態による容器ホルダー20の斜視図(A)、表面展開図(B)およびこれを容器Aに巻き付けて固定した状態を示す装着状態図(C)である。この容器ホルダー20は、容器Aの角筒状外周部に巻き付けられる帯状の主部21を有する。主部21は、容器Aの角筒状外周部に巻き付けたときにその角部に沿って容易に折り曲げ可能とするために、該角部に対応する位置に折り目22が設けられている。したがって、折り目22で容器Aの角部に沿って折り曲げつつ主部21を容器外周に巻き付けたときに、主部21が容器外周の各側面に密着した状態が得られる。また、折り目22で折り畳むことができるので、収納や保管のスペースを取らず、包装の際のサイズも小さくすることができる。
【0028】
折り目22は、その線に沿って容易に折り曲げ可能であり、且つ、繰り返し折り曲げても断裂しない程度の耐久性を備えたものであれば、その具体的形状や構成、形成手法などを問わないが、一例として、比較的硬質の材料(プラスチック、厚紙など)で主部21を形成しつつ、その一面または両面からVまたはU型溝などの切れ込みを入れて薄くすることによって折り目22を形成することができる。あるいは、ミシン目を入れたり、紙などの場合は単に折り癖を付けておくことによって折り目22としても良い。繰り返しの折り曲げによって主部21が折り目22で断裂することを防止するために、主部21の裏面側を不織布などで裏打ちしても良い。この場合には、裏打ちした後に主部21を表面側からその全厚に亘って切れ込みを入れて折り目22とすることができる。
【0029】
主部21の両端には固定手段23a,23bが設けられており、主部21を容器外周の各側面に密着させた状態に巻き付けた後、固定手段23a,23bによって該密着巻き付け状態を保持する(図1(C))。固定手段の一方23aは主部21の一端の表面側に設けられ、他方の固定手段23bは主部21の他端の裏面側に設けられ、これらを重ね合わせることで主部21の両端が結合されるようになっている。固定手段23a,23bは、主部21の両端をしっかり保持して固定することができるものであれば、その具体的形状などを問わないが、面ファスナー(ベロクロ)、マグネット、留め具などを用いることができる。
【0030】
主部21の表面側および裏面側にはそれぞれ滑り止め材24a,24bが設けられている。表面側滑り止め材24aは、主部21が密着状態に巻き付けられた容器Aを持ち上げるときに指をかけやすい箇所に設けられ、この実施形態では容器Aの対向する2側面(特に好ましくは、内容物の注ぎ口を上方に持つ側面A1の両側に位置する2側面A2,A3)に対応する箇所に設けられている。また、この実施形態において、裏面側滑り止め材24bは表面側滑り止め材24aと略反対側となる裏面側の箇所に設けられている。
【0031】
これら滑り止め材24a,24bは、上記摩擦力ないし滑り止め作用を発揮するに十分な材料であれば特に限定されないが、たとえばシリコンゴム(Silicon Rubber)、TPR(Thermal Plastic Rubber)、TPU(Thermal Plastic Polyurethane)などの摩擦係数の高い材料で形成することが好ましい。また、これら滑り止め材24a,24bを主部21の表面および裏面に設けるための手法も特に限定されないが、たとえば滑り止め材24a,24bの裏面に粘着剤層を設け、該粘着剤層を介して主部21の表面および裏面に貼着することができる。
【0032】
図2は、容器ホルダー20を容器Aに取り付ける手順を示す。すなわち、主部21の中央部を容器Aの一側面(特に好ましくは、内容物の注ぎ口を上方に持つ側面A1に対向する側面A4)に押し当てた状態にして、容器Aの角で順次折り目22に沿って主部21を折り曲げ、その両端を容器側面A1上で固定手段23a,23bを用いて連結して容器Aに固定する。これによって図1(C)に示す装着状態が得られる。この巻き付け作業はきわめて簡単で且つ多くの力を必要とせず、しかも直感的に理解できる方法で行うことができるので、老若男女を問わず誰でも簡単に使用することができるユニバーサルデザインとなっている。
【0033】
以上に述べたような構成を有する容器ホルダー20を用い、これを図1(C)に示す装着状態にして、2箇所の主部表面側滑り止め材24a,24aに指を当てて容器Aを保持した状態が図3に示されている。このとき、主部表面側滑り止め材24aは指と主部21との間の摩擦力を高めて指が主部21から滑って外れないように作用し、表面からの加圧により主部裏面側滑り止め材24bは主部21と容器側面との間の摩擦力を高めて容器ホルダー20が容器側面から抜け落ちないように作用する。これらの相乗効果により、容器Aに液体飲料などの重い内容物が収容されている場合や、容器側面が結露などによって濡れているような場合であっても、軽微な力でも滑り落ちることなく容器Aを確実に保持することができる。
【0034】
図4は本発明の第二の実施形態による容器ホルダー30の斜視図(A)、表面展開図(B)および容器Bに巻き付けた容器ホルダー30を用いて該容器を保持し持ち上げた状態を示す使用状態図(C)である。この容器ホルダー30は、帯状の主部31が自由に折り曲げないし屈曲可能な材質、たとえばシート状の紙、布、ポリプロピレンなどの柔軟プラスチック材などで形成されている点において、第一の実施形態による容器ホルダー20と異なっている。主部31の表面側および裏面側にそれぞれ滑り止め材32a,32bが設けられている点については第一の実施形態による容器ホルダー20と同様であり、その材質や作用なども略同様であるが、この実施形態では、主部31の表面側および裏面側の略全般域に亘って滑り止め材32a,32bが設けられているので、これを装着した容器を保持するときに指をかける領域が限定されず、実質的にどの箇所に指をかけても容易且つ確実に容器を捧持することができるので特に円筒形のワインボトルなどに好適である。また、主部31の両端に固定手段33a,33bが設けられている点も第一の実施形態による容器ホルダー20と同様であり、その材質や作用なども略同様である。
【0035】
この容器ホルダー30は主部31が自由に折り曲げないし屈曲可能な材質で形成されているので、容器形状を問わず、その側面に密着状態で巻き付け固定することができる。図4(C)にはワインボトルのような円筒状外周部を持つ容器Bに容器ホルダー30を装着して該容器を持ち上げた使用状態が示されているが、図1(C)に示すような角筒状外周部を持つ容器Aに巻き付けてもその各側面に密着した状態が得られる。その他、楕円形、任意の多角形あるいは不規則形状の外周を有するペットボトルなどの容器であっても、一定の外形を有する領域であれば、該領域に主部31を密着させて巻き付けることができるので、汎用性の高い容器ホルダー30として提供することができる。
【0036】
図5は本発明の第三の実施形態による容器ホルダー40の斜視図(A)および容器Aへの取り付け要領を示す説明図(B)である。この容器ホルダー40は、ポリプロピレンなどの可撓性および形状復元性を備えた材料により形成された主部41を有し、且つ、その両端には固定手段が備えられていない点において、第一の実施形態による容器ホルダー20と相違している。主部41は、これを装着すべき容器の外周形状に略合致した形状を有するが、該容器外周に対して閉じた(狭い)内部空間45を与えるように成形されており、その可撓性によって両端42a,42間の開口43を手で大きく拡げることが可能であり、且つ、該拡開状態から手を離したときにはその形状復元性によって当初の形状に向けて内部空間45が狭まる。したがって、図5(B)に示すように、開口42を容器Aの幅寸法以上に大きく拡げて容器Aを容器ホルダー40の内部空間45に挿入し、この状態からさらに容器ホルダー40を挿入方向に押し進めていくと、両端42a,42bが容器側面を越えた時点でその形状復元性によって瞬間的に両端42a,42bが互いに近付く方向に弾発変形する。これによって、主部41が容器Aの外周に密着した状態に巻き付けられ、容器ホルダー40が容器Aに装着される。容器Aに装着した容器ホルダー40を取り外すときは、開口43を容器Aの幅寸法以上に大きく拡げた上で主部41を引き抜いていけば良く、着脱容易である。
【0037】
この容器ホルダー40の主部41の表面側および裏面側にそれぞれ滑り止め材44a,44bが設けられている点については第一の実施形態による容器ホルダー20と同様であり、その材質や作用なども略同様であるが、この実施形態では、主部41の開口端43側を除く3面に裏面側滑り止め材44bが設けられていて、容器外周に対する滑り止め作用を高めている。
【0038】
図6は本発明の第四の実施形態による容器ホルダー50の斜視図(A)および容器Cに巻き付けた容器ホルダー50を用いて該容器を保持し持ち上げた状態を示す使用状態図(C)であって、図5に示す容器ホルダー40の変形例として、円筒状の外周部を有する容器Cを保持するに適したものである。したがって、この容器ホルダー50の主部51は、ポリプロピレンなどの可撓性および形状復元性を備えた材料から、装着すべき容器Cの円筒状外周部の形状に応じて略輪状に形成されているが、主部41の両端52a,52bの間には容器Cの外径より十分に狭い開口53が設けられており、その可撓性によって開口53を手で大きく押し広げることが可能であり、且つ、該拡開状態から手を離したときにはその形状復元性によって当初の形状に向けて内部空間55が狭まる。したがって、開口52を容器Cの外径寸法以上に大きく拡げて容器Cを容器ホルダー50の内部空間55に挿入し、そのまま挿入方向に容器ホルダー50を押し進めていくと、両端52a,52bが容器Cの直径を越えた時点でその形状復元性によって瞬間的に両端52a,52bが互いに近付く方向に弾発変形する。これによって、主部51が容器Cの円筒状外周に密着した状態に巻き付けられ、容器ホルダー50が容器Cに装着される。容器Cに装着した容器ホルダー50を取り外すときは、開口53を容器Cの外径寸法以上に大きく拡げた上で主部51を引き抜いていけば良く、着脱容易である。
【0039】
なお、この容器ホルダー50の主部51の表面側滑り止め材54aおよび裏面側滑り止め材54bは、主部31の表面側および裏面側の略全般域に亘って設けられているので、これを装着した容器を保持するときに指をかける領域が限定されず、実質的にどの箇所に指をかけても容易且つ確実に容器を捧持することができ、特に円筒形状のボトルに適している。滑り止め材54a,54bの材質や作用などは既述実施形態について説明したと略同様である。
【0040】
図7は本発明の第五の実施形態による容器ホルダー60を角筒状外周部を有する容器Aに装着した状態を示す図である。この容器ホルダー60の主部61は、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、熱収縮プラスチックフィルムなどの滑性が高い素材により構成され、あらかじめその表裏面にそれぞれ滑り止め材62a(裏面側滑り止め材は図示せず)としてシリコンゴムなどの高摩擦材料が接着や融着などの適宜の手段により設けられている。そして、主部61の表面の任意箇所には任意の文字やロゴなどのラベル表示63が印刷などの適宜の手段によって表示されていて、ラベルとしての機能を兼ね備えたものとなっている。ラベル表示63をシリコンゴムなどの高摩擦材料から凸状にして主部61の表面の任意箇所に形成することによって、該ラベル表示63自体を表面側滑り止め材62aとして機能させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第一の実施形態による容器ホルダーの斜視図(A)、表面展開図(B)および装着状態図(C)である。
【図2】図1の容器ホルダーを容器に取り付ける手順を示す説明図である。
【図3】容器に巻き付けた図1の容器ホルダーを用いて該容器を持ち上げた状態を示す使用状態図である。
【図4】本発明の第二の実施形態による容器ホルダーの斜視図(A)、表面展開図(B)および使用状態図(C)である。
【図5】本発明の第三の実施形態による容器ホルダーの斜視図(A)および容器への取り付け要領を示す説明図(B)である。
【図6】本発明の第四の実施形態による容器ホルダーの斜視図(A)および容器への取り付け要領を示す説明図(B)である。
【図7】本発明の第五の実施形態によるラベル兼用の容器ホルダーの装着状態図である。
【図8】特許文献1記載の容器ホルダーを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
20,30,40,50,60 容器ホルダー
21、31,41,51,61 主部
22 折り目
23a,23b;33a,33b 固定手段
24a,32a,44a,54a,62a 主部表面側滑り止め材
24b,32b,44b,54b 主部裏面側滑り止め材
43,53 開口
45,55 内部空間
63 ラベル表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の外周に巻き付けられる主部と、該主部を容器の外周に巻き付けて容器を保持する際に指を当てる領域に少なくとも設けられて該主部と指との間の滑り止め作用を発揮する主部表面側滑り止め材と、該主部を容器の外周に巻き付けた状態において該主部表面側滑り止め材に指を当てて容器を保持したときに該主部と容器の外周との間の滑り止め作用を発揮する主部裏面側滑り止め材と、を備えることを特徴とする容器ホルダー。
【請求項2】
前記主部が容器外周より長い帯状体であり、該帯状体を容器の外周に巻き付けた状態に保持するための固定手段が設けられることを特徴とする、請求項1記載の容器ホルダー。
【請求項3】
前記帯状体からなる主部が、容器の角筒状外周部に巻き付けたときにその角部に対応する箇所で折り曲げ可能とするための折り目を有し、容器外周に巻き付けたときに該主部が容器外周に密着するようにしたことを特徴とする、請求項2記載の容器ホルダー。
【請求項4】
前記帯状体からなる主部が自由に折曲ないし屈曲可能な材質で形成され、いかなる外周形状の容器にも密着状態で巻き付け可能であることを特徴とする、請求項2記載の容器ホルダー。
【請求項5】
前記主部表面側滑り止め材が、主部の表面の略全般に亘って設けられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか記載の容器ホルダー。
【請求項6】
前記主部表面側滑り止め材が、主部の表面の対向する2つの領域に設けられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか記載の容器ホルダー。
【請求項7】
前記主部裏面側滑り止め材が、主部の裏面の略全般に亘って設けられることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか記載の容器ホルダー。
【請求項8】
前記主部表面側滑り止め材が主部の表面に部分的に設けられ、前記主部裏面側滑り止め材が、前記主部裏面側滑り止め材が設けられる表面側領域に対応する裏面側領域に設けられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか記載の容器ホルダー。
【請求項9】
前記主部がラベルを兼ねることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか記載の容器ホルダー。
【請求項10】
ラベルを兼ねる前記主部がフィルム状であり、容器の外周の所定箇所にあらかじめ巻き付けられていることを特徴とする、請求項9記載の容器ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−254748(P2008−254748A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−96622(P2007−96622)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(503059275)株式会社ビブロ (2)
【Fターム(参考)】