説明

容器押込処理装置

【課題】 容器押込処理装置において、簡素な構成により、容器に予め適度な内圧力を付与するように容器を安定的に押圧保持しつつ、容器の一部を押込んで容器の内圧を高め、容器の強度を高めること。
【解決手段】 容器1を収容して押込作業位置に搬送されて該押込作業位置に位置付けられる容器ホルダ100を用い、封止状態の容器1の側部を押圧して保持する押圧保持手段21を有する押圧保持装置20と、該押圧保持装置20により押圧されて保持されている容器1の一部を押込んで凹み部3を形成する押込手段31を有する押込装置30とを、押込作業位置に設置し、押圧保持装置20の押圧保持手段21が容器1の側部を押圧して保持するための窓部104Aを容器ホルダ100に設けてなるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器の一部を押込んで容器の内圧を高める容器押込処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CO排出量の削減を目的としたエネルギー消費量の低減、資源の有効活用等の環境に対する意識の高まりとともに、メーカーに対する環境負荷低減の要望が強まっている。液体製品容器はこれまでも、形状の最適設計、成形技術の向上、材質の改善によって、その使用樹脂量を削減し、1つの容器当たりのエネルギー消費量の低減や使用樹脂量の低減を進めてきたが、現在、尚一層のエネルギー消費量の低減や使用樹脂量の低減が求められている。液体製品容器の材質もこれまでのポリプロピレン、PET等の硬質のものから、より薄肉にすることが可能な高密度ポリエチレン等の柔軟なものが出現しつつある。
ところが、薄肉で柔軟な容器は、外圧によって容器の表面が窪んだり、シワを生じ易い。
【0003】
また、薄肉で柔軟な容器では、充填した内容液の容積が充填後の温度低下に伴なって収縮する現象、内容液中の特定成分が容器の上部空間に存在している酸素、窒素等の気体を吸収する現象、又は内容液の泡立ちを防止するために充填前に脱気された液体が容器の上部空間の気体を徐々に吸収する現象等により、容器の内圧が負圧になると、この負圧によって容器の表面が窪んだり、シワを生じ易くなる。
【0004】
しかるに、本願発明者らは、薄肉で柔軟な容器の外圧による窪み、シワの発生を抑制したり、容器の内圧が負圧になることによる窪み、シワの発生を抑制するため、従来からある内容液の充填口をキャップやシール部等により封止した容器の凸部を押込む技術を活用し、容器の内圧を高めることが有効であることを見出した。
【0005】
特許文献1に記載の技術は、封止状態の容器の胴部の上端部を左右一対の打ち込みガイドにより挟持して位置決めした後、この容器の胴部の上半部を左右一対の容器クランプによって押圧した状態下で、打ち込みヘッドにより容器の充填口のシール部(凸部)を容器の内側に押込む。容器クランプは、容器が打ち込みヘッドの押込み力により座屈したり、不測の変形を生じないように、容器に予め適度の内圧力を付与する。この容器の凸部の押込み量によって、封止状態にある容器の内容積を減容し、ひいては容器の内圧を高めることができる。
【0006】
特許文献2に記載の技術は、封止状態の容器の底面、背面、両側面を保持する容器ホルダの移動軌跡に沿う位置に円筒状押圧ローラを配置し、容器ホルダに保持されて移動してくる容器の移動中に、この容器の正面に押圧ローラを押圧かつ転接しつつ、押込み棒部材により容器の充填口のシール部(凸部)を容器の内側に押込む。押圧ローラは、容器が押込み棒部材の押込み力により座屈し、あるいは不測の変形を生じることがないように、容器に適度の内圧力を付与する。この容器の凸部の押込み量によって、封止状態にある容器の内容積を減少させ(減容し)、ひいては容器の内圧を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-159074
【特許文献2】特開平6-127508
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術では、容器を押込む打ち込みヘッド以外に、容器を挟持する打ち込みガイドと、容器を押圧して容器に適度の内圧力を付与する容器クランプを必要とする。容器の挟持(打ち込みガイド)と押圧(容器クランプ)のために2個の異なる手段を用いており、複雑である。また、押圧時の容器クランプと容器の接触部が、狭小の短い線状であるため、接触部が非常に柔軟な容器でなければ内圧力を高めることができない。
【0009】
また、容器クランプが先端凸面によって容器の側部の狭小部を押圧しており、容器の側部にこの押圧による応力集中を生じ、復元のできない窪みやシワを生じ易い。
【0010】
特許文献2に記載の技術は、押圧ローラが移動中の容器の正面に転接する一瞬の間だけ、容器を押圧するに過ぎず、容器が押込み棒部材の押込み力により座屈し、あるいは不測の変形を生じることがないようにするための適度の内圧力を容器に確実に付与することに困難がある。また、押圧ローラと容器との接触部は狭小の線状であることからも、適度の内圧力を容器に確実に付与することに困難がある。
【0011】
また、押圧ローラが円筒面によって容器の正面の狭小部を押圧するものであり、容器の正面にこの押圧による応力集中を生じ、復元のできない窪みやシワを生じ易い。
【0012】
本発明の課題は、容器押込処理装置において、簡素な構成により、容器の一部を押込んで容器の内圧を高め、容器の強度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、容器を収容して押込作業位置に搬送されて該押込作業位置に位置付けられる容器ホルダを用い、封止状態の容器の側部を押圧して保持する押圧保持手段を有する押圧保持装置と、該押圧保持装置により押圧されて保持されている容器の一部を押込んで凹み部を形成する押込手段を有する押込装置とを、押込作業位置に設置し、押圧保持装置の押圧保持手段が容器の側部を押圧して保持するための窓部を容器ホルダに設けてなるようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容器押込処理装置において、簡素な構成により、容器の一部を押込んで容器の内圧を高め、容器の強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は容器充填ラインを示す模式図である。
【図2】図2は容器の一例を示す模式図である。
【図3】図3は実施例1の容器押込処理装置を示す斜視図である。
【図4】図4は容器ホルダを断面にして容器押込処理装置の動作を示す正面図である。
【図5】図5は容器ホルダを示す斜視図である。
【図6】図6は容器ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図7】図7は容器を収容した容器ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図8】図8は実施例2の容器押込処理装置を示し、容器ホルダを断面にして容器押込処理装置の動作を示す正面図である。
【図9】図9は容器ホルダを示す斜視図である。
【図10】図10は容器ホルダを示す平面図である。
【図11】図11は実施例3の容器押込処理装置を示し、容器ホルダを断面にして容器押込処理装置の動作を示す正面図である。
【図12】図12は容器ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図13】図13は容器ホルダの押込板のスライド状態を示す断面図である。(B)は図12(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は図12(A)のC−C線に沿う断面図である。
【図14】図14は実施例4の容器押込処理装置を示す斜視図である。
【図15】図15は容器ホルダを断面にして容器押込処理装置の動作を示す正面図である。
【図16】図16は容器ホルダを示す斜視図である。
【図17】図17は容器ホルダの押圧保持板のスライド状態を示す斜視図である。
【図18】図18は容器ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図19】図19は容器を収容した容器ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図20】図20は容器ホルダの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図21】図21は容器ホルダの押圧保持板のスライド状態を示す平面図である。
【図22】図22は容器ホルダの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図23】図23は容器ホルダの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図24】図24は容器ホルダの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う矢視図である。
【図25】図25は容器ホルダの押圧保持板のスライド状態を示す平面図である。
【図26】図26は容器ホルダの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図27】図27は容器ホルダの押圧保持板のスライド状態を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図28】図28は実施例5の容器押込処理装置を示し、容器ホルダを断面にして容器押込処理装置の動作を示す正面図である。
【図29】図29は容器ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図30】図30は容器ホルダの押込板のスライド状態を示す断面図である。(B)は図29(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は図29(A)のC−C線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明が適用される容器充填ラインを示す。容器ホルダ100は容器1を収容し、不図示の搬送コンベヤ、旋回テーブル等からなる搬送ラインに沿って搬送され、充填作業位置100A、容器封止作業位置100B、容器押込作業位置100Cに順に位置付けられ、箱詰めなどの後工程へと搬出される。
【0017】
容器ホルダ100が充填作業位置100Aに位置付けられたとき、充填装置Aが容器ホルダ100内の容器1に、その首部1Bの先端開口からなる内容物の充填口より液体、粉体等の内容物を充填する。
【0018】
容器ホルダ100が容器封止作業位置100Bに位置付けられたとき、容器封止装置Bが容器ホルダ100内の容器1の充填口にキャップ4を取り付け、容器1が密封される。容器1の充填口をヒートシール等したシール部により封止することで密封しても良い。
【0019】
容器ホルダ100が押込作業位置100Cに位置付けられたとき、容器押込処理装置10が容器ホルダ100内の容器1の一部、本実施例では容器1の後述する底部1Cに設けた凸部2を容器1の内側に押込む押し込み処理を行う。容器押込処理装置10が容器1に加える押込み処理は、容器ホルダ100を停止して行なっても良く、容器ホルダ100を直線移動経路、又は旋回経路等に沿って搬送しながら行なっても良い。容器ホルダ100を搬送しながら容器押込処理装置10による押込み処理を行なう場合には、容器押込処理装置10は容器ホルダ100の搬送に追従して移動しながら容器1に対する押込み処理を行なう。
【0020】
容器押込処理装置10は、押込作業位置に位置付けられた1個の容器ホルダ100内の1個の容器1のみに押込み処理を施すものでも、押込作業位置に同時に位置付けられた複数個の各容器ホルダ100内の複数個の各容器1に同時に押込み処理を施すものでも良い。複数個の各容器1に同時に押込み処理を施せば、生産性が高まり好ましい。
【0021】
ここで、本発明が適用される容器1は、図2に示す如く、胴部1Aの上部と下部のそれぞれに首部1Bと底部1Cが設けられ、首部1Bの先端開口からなる内容物の充填口にはキャップ4が取り付けられ密封される。容器1の底部1Cは当初外側に突き出る凸部2(図2(A))とされ、この凸部2が上述の如くに内側に押込まれて凹み部3(図2(B))を形成される。これにより、封止状態にある容器1の内容積が減らされ(減容され)、ひいては容器1の内圧が高められる。
【0022】
容器1において、凸部2は底部1Cの全部であっても一部であっても良い。凸部2はその輪郭が、その外周側となる胴部1Aの下端部又は底部1Cの外周部に対して環状段差部(角部)、環状溝部又は環状薄肉部等とによる反転境界部2Aとなっている。反転する部分としない部分との境である反転境界部2Aにおいて凸部2が容器1の外側から内側へ容易に屈曲反転することで、上述の凹み部3を容易に形成できる。形成された凹み部3(図2(B))は、反転境界部2Aが鋭角θに折れ曲がっていることから、自重、数個程度の積層、反転屈曲による内圧増加、あるいは人手で押す程度の内圧増加では、反転境界部が戻り、再度、外側に付き出る凸部2(図2(A))となることはない。
【0023】
尚、容器1の材質は、特に限定されないが、柔軟な樹脂、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)等が好ましい。キャップ4は、スクリューキャップ、打ち込みキャップ、トリガーキャップ、スパウトキャップ等何でも良いし、ヒートシール部に変更することもできる。
【0024】
本発明が適用される容器ホルダ100は、図5に示す如く、底板101の四周に、正面板102、背面板103、両側板104を立設し、それらの各板に囲まれる上端開口有底状の容器収容部105を備える。各板は、軽量化のための穴加工がなされていても良い。
【0025】
以下、容器押込処理装置10及び容器ホルダ100について説明する。
(実施例1)(図3〜図7)
実施例1の容器押込処理装置10は、図3、図4に示す如く、押圧保持装置20、押込装置30、上位置規定装置40を有する。
【0026】
押圧保持装置20は、容器ホルダ100内で封止状態にある容器1の側部を押圧して保持する押圧保持ヘッド21(押圧保持手段)を有し、この押圧保持ヘッド21を押圧駆動部22により待機位置と押圧保持位置との間で駆動する。押圧保持装置20は、押込作業位置に位置付けられた容器ホルダ100の両側方、即ち対向する側方の外側に設置される。容器ホルダ100は、押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持するために出入する矩形状窓部104Aを両方の側板104に各々設けられている。本実施例では、その窓部104Aは、側板104の概全高に渡り、即ち側板104の上縁より始まり下縁に至るまで、かつ幅方向の中央の一部に設けられる。
【0027】
押込装置30は、押圧保持装置20により押圧されて保持されている、容器ホルダ100内の容器1の一部、本実施例では容器1の底部1Cの凸部2を押込んで凹み部3を形成する押込ヘッド31(押込手段)を有し、この押込ヘッド31を押込駆動部32により待機位置より押込位置に向けて移動するように駆動する。押込装置30は、押込作業位置に位置付けられた容器ホルダ100の下方に設置され、容器ホルダ100には、押込ヘッド31が容器1の底部1Cの凸部2を押込んで凹み部3を形成するために出入する矩形状(円形状でも可)孔部101Aを底板101の中央の一部に設けてある。
【0028】
上位置規定装置40は、押込作業位置に位置付けられた容器ホルダ100の上方に設置され、容器ホルダ100の上端開口から外界に突き出ている容器1のキャップ4を上方から把持し、容器1の上部位置を規定する上位置規定ヘッド41を有する。上方からの把持はキャップ4に限らず、容器の肩部1D(図2(A))、ヒートシールによる封止部(不図示)などであっても良い。上位置規定装置40は、上位置規定ヘッド41を上位置規定駆動部42により待機位置と上規定位置との間で駆動する。
【0029】
押圧保持装置20、押込装置30、上位置規定装置40の各駆動部22、32、42は、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータやステッピングモータを用いた電動シリンダ等を使用できる。特に、停止位置の調整が容易な電動シリンダが、多様な形状サイズの容器1への対応が容易で好ましい。
【0030】
容器1の形状サイズにより定まる押圧保持装置20、押込装置30、容器ホルダ100の好適な形状サイズについて説明する。
【0031】
押圧保持装置20において、押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部に接する面は、平面や平面に準ずる面である。面のサイズは、可及的に大きくすることが好ましい。好ましくは、容器1の胴部1Aの幅の60%以上、より好適には70%以上、容器1の首部1Bを除く高さの60%以上、より好適には70%以上とすることで、押込装置30の押込ヘッド31が容器1の底部1Cの凸部2を押込むときの容器1の表面の窪みやシワの発生を抑制できる。
【0032】
また、押圧保持装置20において、押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部に接する面の形状は、容器1の胴部1Aの側部の形状に沿うものとすることにより、容器1の胴部1Aの側部を一層確実に押圧して保持できる。例えば円筒状容器1であれば、押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部に接する面の形状は、容器1の胴部1Aの側部の円筒形状に沿う曲面にする。
【0033】
押込装置30において、押込ヘッド31が容器1の底部1Cの凸部2に接する面の形状は、凸部2の形状に合わせることが好ましい。持ち上げ兼押込ヘッド21が容器1の底部1Cに接する面のサイズを凸部2の形状の面積の80%以上95%以下とすることが特に好ましい。
【0034】
容器ホルダ100のサイズとして、容器収容部105の容器保持幅A1、A2、容器保持深さH、押込孔部101Aの押込孔幅B1、B2、押圧窓部104Aの押圧窓幅Cを、図6、図7に示す如くに定義する。尚、A1とB1は、容器ホルダ100の正面板102と背面板103を含む断面内における容器保持幅と押込孔幅をいう。
【0035】
そして、容器保持幅A1、A2は、容器1の胴部1Aのサイズに合わせて、容器ホルダ100の容器収容部105内で容器1がガタ付かないように、かつ容器1の出し入れが容易になるように設定される。
【0036】
容器保持深さHは、容器1の首部1Bを除く高さの60%〜110%とすることで、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21により容器1の胴部1Aの側部を広く押圧できて好ましい。
【0037】
押込孔幅B1、B2は、容器1の底部1Cの凸部2のサイズ以上で、かつ容器1が容器ホルダ100の押込孔部101Aから脱落しないサイズとする。
【0038】
押圧窓幅Cは、容器保持幅A1よりも小さくすることで、容器保持装置20の容器保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部の中央を確実に、高圧力で押圧できる。押圧窓幅Cを容器保持幅A1の50%以上とすることで、容器1の胴部1Aの側部を広く押圧でき、押圧時の容器1の不測の変形を防止できる。
【0039】
以下、容器押込処理装置10の動作について説明する(図4)。
(1)搬送ラインに沿って搬送されてきた容器ホルダ100が、不図示のストッパや検出センサの検出結果により、押込作業位置に位置付けられることで、図4(A)に示す如く、容器ホルダ100内の容器1が容器押込処理装置10の押圧保持装置20、押込装置30、上位置規定装置40に対して正確に位置決めされる。
【0040】
(2)容器ホルダ100の両側方に設置されている両側の押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が、図4(B)に示す如く、押圧駆動部22により待機位置から容器ホルダ100の両側の押圧窓部104Aに入って押圧保持位置に前進し、容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aの側部を両側から挟んで押圧して保持する。同時に、容器ホルダ100の上方に設置されている上位置規定装置40の上位置規定ヘッド41が、図4(B)に示す如く、上位置規定駆動部42により待機位置から上規定位置に前進し、容器ホルダ100内の容器1の上部位置を規定する。上位置規定装置40は、容器に応じて適切に定められた位置に固定されていても良い。
【0041】
(3)容器ホルダ100の下方に設置されている押込装置30の押込ヘッド31が、図4(C)に示す如く、押込駆動部32により待機位置から押込位置に前進し、上述(2)の如くに押圧保持装置20により押圧保持され、上位置規定装置40により上部位置を規定されている容器1の底部1Cの凸部2を、容器1の内側に押込み反転することで、容器1に押込処理が施され、凹み部3を形成する。
【0042】
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)容器ホルダ100が封止状態の容器1を収容した状態で押込作業位置に位置付けられると、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持する状態下で、押込装置30の押込ヘッド31が容器1の底部1Cの凸部2を押込んで凹み部3を形成する。この押込みよって封止状態にある容器1の内容積が減容され、ひいては容器1の内圧を高めるものになる。
【0043】
(b)容器1を押込む押込装置30以外に、容器1を押圧して保持する押圧保持装置20を用いる。容器1の保持と押圧のために1個の手段を用いるだけで足り、簡素である。
【0044】
(c)容器ホルダ100が押込作業位置に位置付けられて停留している間、押圧保持装置20は容器1を継続して押圧し続けることができ、容器1が押込装置30の押込力により座屈し、あるいは不測の変形を生じることがない適度の内圧力を安定して確実に付与できる。
【0045】
(d)押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持するための窓部104Aを容器ホルダ100に設けた。従って、容器ホルダ100が容器1を収容する深さHを大きくして容器1を安定的に搬送しながら、その深さ方向の中間部に設けられる窓部104Aに対応する容器1の胴部1Aの中間部を押圧保持ヘッド21により安定的に押圧して保持できる。
【0046】
(e)押込作業位置に位置付けられる容器ホルダ100の下方に押込装置30を設置し、押込装置30の押込ヘッド31が容器1の底部1Cの凸部2を押込んで凹み部3を形成するための孔部101Aを容器ホルダ100に設けた。凹み部3を、正立状態の容器1において外観に表われない底部1Cに形成することで、容器1の外観を損なうことがない。容器1は、底部1Cにおける凹み部3の周辺を安定な着座面とすることができる。
【0047】
(f)押込作業位置に位置付けられる容器ホルダ100の上方に、容器1の上部位置を規定する上位置規定装置40を設けた。容器1は、上位置規定装置40により容器ホルダ100の底板101の上面に正しく着座し、押圧保持装置20により押圧されて保持され、押込装置30により押込まれる正規位置に位置決めされる。
【0048】
(実施例2)(図8〜図10)
図8に示した実施例2の容器押込処理装置10が、実施例1の容器押込処理装置10と異なる点は、図9、図10に示した容器ホルダ100が両側板104のうちの一方の側板104にだけ、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21のための出入用窓部104Aを設け、押込作業位置に位置付けられた容器ホルダ100の一側方にだけ押圧保持装置20を設置したことにある。
【0049】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が図8に示す如く、押圧駆動部22により待機位置から容器ホルダ100の一方の側板104にだけ設けてある片側の窓部104Aに入って押圧保持位置に前進し、容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aを容器ホルダ100の他方の側板104の内面に押し当てる。容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aを、押圧保持装置20の押圧保持へッド21と上記他方の側板104の内面との間に挟んで、押圧して保持する。
【0050】
容器ホルダ100の一方の側板104にだけ窓部104Aを設けるだけで足り、容器ホルダ100の加工時間を短縮し、コスト低減できる。容器ホルダ100の上記他方の側板104の内面も、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が容器1の胴部1Aの側部に接する面と同様に、容器1の胴部1Aの側部の形状に沿うものとすることにより、容器1を一層確実に保持できる。
【0051】
実施例2の容器押込処理装置10において、その他の構成、動作は実施例1におけると同様である。
【0052】
(実施例3)(図11〜図13)
図11に示した実施例3の容器押込処理装置10が、実施例1の容器押込処理装置10と異なる点は、図12、図13に示した容器ホルダ100が底板101に設けた、押込装置30の押込ヘッド31の出入用孔部101Aに押込板110をスライド可能に嵌め込み、押込装置30の押込ヘッド31が押込板110を介して容器1の底部1Cの凸部2を押込んで凹み部3を形成可能にしたことにある。
【0053】
容器ホルダ100の底板101は、容器収容部105を形成する上面に、孔部101Aの輪郭を囲む額縁状のガイド溝101Bを設ける。押込板110は孔部101Aに嵌まる小径凸状嵌合部110Aを下面に突設し、ガイド溝101Bに嵌まる大径ガイド部110Bを嵌合部110Aの上部に設け、ガイド部110Bの上部に容器1の底部1Cの凸部2に接する小径凸状押込部110Cを突設して備える。
【0054】
押込装置30の押込ヘッド31が待機位置にあるとき、図11(A)、(B)、図12に示す如く、押込板110は嵌合部110Aが容器ホルダ100の孔部101Aに嵌まる下降位置にある。押込装置30の押込ヘッド31が押込位置にあるとき、図11(C)、図13に示す如く、押込板110は嵌合部110Aを容器ホルダ100の孔部101Aから脱し、ガイド部110Bをガイド溝101Bにガイドされてスライドし、押込部110Cを上昇させる。容器ホルダ100内の容器1が押圧保持装置20により押圧保持され、上位置規定装置40により上部位置を規定されているとき、押込装置30の押込ヘッド31により上述の如くに上昇する押込板110の押込部110Cが容器1の底部1Cに当たり、その凸部2を容器1の内側に押込み反転し、凹み部3を形成するものになる。
【0055】
押込板110において、押込部110Cが容器1の底部1Cに接する面の形状は、底部1Cに設けてある凸部2の形状に合わせることが好ましい。
【0056】
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
容器ホルダ100の押込孔部101Aに押込板110をスライド可能に嵌め込み、押込装置30の押込ヘッド31が押込板110を介して容器1の底部1Cの凸部2を押込んで凹み部3を形成する。容器ホルダ100に収容されている容器1の底部1Cを、容器ホルダ100にスライド可能に嵌め込まれている押込板110を介することにより、容器1の底部1Cに直交する軸方向に沿って安定的に押込みできる。容器1の底部1Cの周辺に曲がり等の不測の変形を生じさせることなく押込みできる。
【0057】
このとき、押込板110の押込部110Cが容器1の底部1Cの凸部2を押込む押込位置精度は、容器ホルダ100に対する容器1の収容位置関係だけで決まる。従って、押込作業位置に位置付けられた容器ホルダ100の位置が、押込装置30に対する正規位置からずれたとしても、押込装置30の押込ヘッド31は押込板110を介して容器1の底部1Cの凸部2を安定かつ確実に押込みできる。
【0058】
実施例3の容器押込処理装置10において、その他の構成、動作は実施例1におけると同様である。
【0059】
(実施例4)(図14〜図19)
図14、図15に示した実施例4の容器押込処理装置10が、実施例1の容器押込処理装置10と異なる点は、図16〜図19に示した容器ホルダ100が側板104に設けた押圧保持装置20の押込ヘッド21の出入用窓部104Aに押込保持板120をスライド可能に嵌め込み、押圧保持装置20の押圧ヘッド21が押圧保持板120を介して容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持可能にしたことにある。
【0060】
押圧保持板120は窓部104Aの全面にスライド可能に嵌め込まれる。底板101において窓部104Aの下部を区画している上面と、側板104において窓部104Aの両側部を区画している両側面が、押圧保持板120のためのスライドガイド面になる。
【0061】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が待機位置にあるとき、図15(A)、図16、図17(A)、図18に示す如く、容器ホルダ100の容器収容部105に臨む押圧保持板120の先端押圧保持面120Aは側板104の容器収容部105に臨む内面と面一をなす待機位置にある。
【0062】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が押圧保持位置にあるとき、図15(B)、(C)、図17(B)、図19に示す如く、押圧保持ヘッド21は押圧保持板120を押動する。これにより、押圧保持板120の押圧保持面120Aは側板104の内面から水平方向に突き出て、窓部104A内の待機位置から押圧保持位置に前進し、容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持するものになる。
【0063】
押圧保持板120において、押圧保持面120Aが容器1の胴部1Aの側部に当たる面の形状は、平面や平面に準ずる面である。容器1の胴部1Aの側部の形状に沿うものとすることにより、容器1の胴部1Aの側部を一層確実に押圧して保持できる。例えば、円筒状容器1であれば、押圧保持板120の押圧保持面120Aが容器1の胴部1Aの側部に接する面の形状は、容器1の胴部1Aの側部の円筒形状に沿う曲面にする。
【0064】
実施例4の容器押込処理装置100にあっても、容器収容部105の容器保持幅A1、A2、容器保持深さH、押込孔部101Aの押込孔幅B1、B2、押圧窓部104Aの押圧窓幅Cの各サイズを、実施例1の容器押込処理装置100におけると同様にしている。尚、押圧保持板120の幅Wは、押圧保持板120が容器1の胴部1Aの側部の中央を確実に、高圧力で押圧でき、容器1の胴部1Aの側部を広く押圧でき、押圧時の容器1の不測の変形を防止できるようにすることが必要であり、実施例1の容器押込処理装置100における窓部104Aの押圧窓幅Cと実質的に同一にすることが好ましく、具体的には、容器保持幅A1の50%以上90%以下とすることが好ましい。
【0065】
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
容器ホルダ100の窓部104Aに押圧保持板120をスライド可能に嵌め込み、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が押圧保持板120を介して容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持する。容器1の胴部1Aの側部を押圧保持板120の広い面を介して押圧することにより、押圧保持ヘッド21の押圧力を直に受けるものに比して、容器1の胴部1Aの側部の広い面を一層安定的に押圧して保持し、容器1の胴部1Aの側部の表面に窪みやシワが生ずることを抑制できる。
【0066】
このとき、押圧保持板120の押圧保持面120Aが容器1の胴部1Aの側部を押圧保持する押圧位置精度は、容器ホルダ100に対する容器1の収容位置関係だけで決まる。従って、押込作業位置に位置付けられた容器ホルダ100の位置が、押圧保持装置20に対する正規位置からずれたとしても、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21は押圧保持板120を介して容器1の胴部1Aの側部を安定かつ確実に押圧保持できる。
【0067】
実施例4の容器押込処理装置10において、その他の構成、動作は実施例1におけると同様である。
【0068】
(容器ホルダ100の変形例)(図20、図21)
図20、図21の容器ホルダ100は、側板104の窓部104Aに実施例4におけると同様の押圧保持板120を具備するものであるが、押圧保持板120のスライド部にスライドガイド121Aとガイドレール121Bを設けた。押圧保持板120の両側部のそれぞれにおける上下2カ所に、LMガイド等からなるスライドガイド121Aを固定する。同時に、容器ホルダ100の側板104において、窓部104Aの両側部を区画している両側面のそれぞれにおける上下2カ所に、側板104の板面に直交する(底板101の上面に平行する)方向に延在するガイドレール121Bを固定する。
【0069】
押圧保持板120のスライドガイド121Aを容器ホルダ100の窓部104Aに設けたガイドレール121Bにスライド可能に嵌めることにより、押圧保持板120を傾くことなく待機位置と押圧保持位置との間において確実に水平方向に移動させることができる。また、押圧保持板120が搬送中に窓部104Aの外に倒れて外れることも防止できる。
【0070】
(容器ホルダ100の変形例)(図22)
図22の容器ホルダ100は、側板104の窓部104Aに実施例4におけると同様の押圧保持板120を具備するものであるが、押圧保持板120の押圧保持面120Aを台形状にし、下端部の幅をW1、上端部の幅をW2とするとき、W1>W2としたものである。この押圧保持板120がスライド可能に嵌め込まれる窓部104Aも台形状をなす。
【0071】
押圧保持板120及び窓部104Aを上述の如くの台形状にし、互いにスライド可能に嵌合することにより、押圧保持板120を傾くことなく待機位置〜押圧保持位置において確実に水平方向に移動させることができる。また、押圧保持板120が搬送中に窓部104Aの外に倒れて外れることも防止できる。
【0072】
(容器ホルダ100の変形例)(図23)
図23の容器ホルダ100は、側板104の窓部104Aに実施例4におけると同様の押圧保持板120を具備する。そして、押圧保持板120の両側部の上下方向中央部に凸部からなるスライドガイド122Aを形成した。同時に、容器ホルダ100の窓部104Aの両側部を区画している両側面の上下方向中央部に凹部からなるガイドレール122Bを形成してある。
【0073】
押圧保持板120のスライドガイド122Aを容器ホルダ100の窓部104Aに設けたガイドレール122Bにスライド可能に嵌合することにより、押圧保持板120を傾くことなく待機位置〜押圧保持位置において確実に水平方向に移動させることができる。また、押圧保持板120が搬送中に窓部104Aの外に倒れて外れることも防止できる。
【0074】
(容器ホルダ100の変形例)(図24、図25)
図24、図25の容器ホルダ100は、側板104の窓部104Aに実施例4におけると同様の押圧保持板120を具備する。そして、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が押圧保持板120を押動する外力を及ぼしていないとき、押圧保持板120を窓部104A内の待機位置に設定する付勢手段123を内蔵した。
【0075】
押圧保持板120が容器ホルダ100の側板104に設けた窓部104A内にスライド可能に嵌めこまれるとき、容器ホルダ100の外界に臨む押圧保持板120の基端面(押圧保持面120Aの反対面)の側で、幅方向の両側に張り出るばね受部120Bを備える。同時に、容器ホルダ100の側板104に設けた窓部104Aの両側部における押圧保持板120のスライド方向で、容器ホルダ100の外界に臨む側に、窓部104Aの押圧窓幅Cより広幅をなし、押圧保持板120のばね受部120Bをスライド可能に格納する広幅溝部104Bを形成し、広幅溝部104Bに格納した押圧保持板120のばね受部120Bを外方から制止するストッパ片104Cを側板104の外界に臨む外面に固定してある。そして、両側の広幅溝部104Bの溝底面の上下2カ所に、押圧保持板120を窓部104A内に嵌めこみ押圧保持板120の両側のばね受部120Bを両側の広幅溝部104Bに格納した状態で、広幅溝部104Bに格納された押圧保持板120のばね受部120Bを側板104の外界に向けて付勢する、圧縮コイルばねからなる付勢手段123が予圧縮状態で内蔵されている。
【0076】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が待機位置にあるとき、図24に示す如く、押圧保持板120は付勢手段123により側板104の外面のストッパ片104Cに押し当てられ、容器ホルダ100の容器収容部105に臨む押圧保持板120の押圧保持面120Aは側板104の容器収容部105に臨む内面と面一をなす待機位置に設定される。
【0077】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が押圧保持位置にあるとき、押圧保持ヘッド21は押圧保持板120を容器ホルダ100の外側より押す。これにより、押圧保持板120の押圧保持面120Aは付勢手段123を圧縮して側板104の内面から水平方向に突き出ることになり、窓部104A内の待機位置から押圧保持位置に前進し、容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持する。
【0078】
付勢手段123の付勢力は、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21により容易に押動され得るように適宜調整される。付勢手段123は、ばねの他、マグネットの磁力、空気圧等を利用できる。
【0079】
押圧保持板120のスライド部に、前述のスライドガイド121Aとガイドレール121Bや、スライドガイド122Aとガイドレール122Bを併用することもできる。
【0080】
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が容器ホルダ100の押圧保持板120に外力を及ぼしていないとき、押圧保持板120を容器ホルダ100の窓部104A内の待機位置に設定する付勢手段123を容器ホルダ100に設けたことにより、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が押圧保持動作しないときに、容器ホルダ100の押圧保持板120が常に待機位置に設定され、容器1が押圧保持板120に干渉せずに容器ホルダ100にスムースに着脱できる。
【0081】
(容器ホルダ100の変形例)(図26、図27)
図26、図27の容器ホルダ100は、側板104の窓部104Aに実施例4におけると同様の押圧保持板120を具備するものであるが、側板104の内面から水平方向に突き出て容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持する押圧保持板120の背面に、くさび状押動板130を組込んだ。
【0082】
押圧保持板120の上向きに狭まる勾配をなすくさび面124と押動板130の下向きに拡開する勾配をなすくさび面131とが互いに接し合う状態で、押動板130は窓部104Aに嵌合されている。容器ホルダ100は、不図示のスライドガイド構造(例えば前述のスライドガイド121Aとガイドレール121Bや、スライドガイド122Aとガイドレール122B)により、押圧保持板120を水平方向に移動可能にガイドし、押動板130を鉛直方向に移動可能にガイドする。尚、押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21は押動板130を鉛直方向に移動させるものとする。
【0083】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が待機位置にあるとき、図26に示す如く、押動板130は上昇位置にあり、容器ホルダ100の容器収容部105に臨む押圧保持板120の押圧保持面120Aは側板104の容器収容部105に臨む内面と面一をなす待機位置に設定される。
【0084】
押圧保持装置20の押圧保持ヘッド21が押圧保持位置にあるとき、図27に示す如く、押圧保持ヘッド21は押動板130を下降させる。これにより、押動板130とくさび結合している押圧保持板120が水平方向に押動され、押圧保持板120の押圧保持面120Aは、側板104の内面から水平方向に突き出ることにより、窓部104A内の待機位置から押圧保持位置に前進し、容器ホルダ100内の容器1の胴部1Aの側部を押圧して保持するものになる。
【0085】
(実施例5)(図28〜図30)
図28に示す実施例5の容器押込処理装置10が、実施例1の容器押込処理装置10と異なる点は、図29、図30に示した容器ホルダ100が、実施例3の押込板110と、実施例4の押圧保持板120を併せ具備するようにしたことにある。換言すれば、実施例5の容器押込処理装置10は、実施例3の容器押込処理装置10と実施例4の容器押込処理装置10を組合せたものである。
【0086】
尚、本発明の実施において、押込装置30の押込ヘッド31が押込んで凹み部3を形成する容器1の一部は、容器1の底部1Cに限らず、容器1の胴部1Aであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、容器押込処理装置において、簡素な構成により、容器に予め適度な内圧力を付与するように容器を安定的に押圧保持しつつ、容器の一部を押込んで容器の内圧を高め、容器の強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 容器
1A 胴部
1B 首部
1C 底部
2 凸部
3 凹み部
4 キャップ
10 容器押込処理装置
20 押圧保持装置
21 押圧保持ヘッド(押圧保持手段)
30 押込装置
31 押込ヘッド(押込手段)
40 上位置規定装置
100 容器ホルダ
101 底板
102 正面板
103 背面板
104 側板
105 容器収容部
110 押込板
120 押圧保持板
123 付勢手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を収容して押込作業位置に搬送されて該押込作業位置に位置付けられる容器ホルダを備え、
封止状態の容器の側部を押圧して保持する押圧保持手段を有する押圧保持装置と、該押圧保持装置により押圧されて保持されている容器の一部を押込んで凹み部を形成する押込手段を有する押込装置とを、押込作業位置に設置し、
押圧保持装置の押圧保持手段が容器の側部を押圧して保持するための窓部を容器ホルダに設けてなる容器押込処理装置。
【請求項2】
前記押込作業位置に位置付けられる容器ホルダの下方に押込装置を設置し、押込装置の押込手段が容器の底部を押込んで凹み部を形成するための孔部を容器ホルダに設けてなる請求項1に記載の容器押込処理装置。
【請求項3】
前記押込作業位置に位置付けられる容器ホルダの上方に、容器の上部位置を規定する上位置規定装置を設けてなる請求項1又は2に記載の容器押込処理装置。
【請求項4】
前記封止状態の容器の側部を押圧して保持する部分が面状である請求項1〜3のいずれかに記載の容器押込処理装置。
【請求項5】
前記容器ホルダの窓部に押圧保持板をスライド可能に嵌め込み、押圧保持装置の押圧保持手段が押圧保持板を介して容器の側部を押圧して保持可能にする請求項1〜4のいずれかに記載の容器押込処理装置。
【請求項6】
前記容器ホルダの孔部に、容器の底部の凸部に接する押し込み部を備えた押込板をスライド可能に嵌め込み、押込装置の押込手段が押込板を介して容器の底部を押込んで凹み部を形成可能にする請求項2〜5のいずれかに記載の容器押込処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−240747(P2012−240747A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116031(P2011−116031)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】