容器
【課題】フランジ隅部の剛性強度の高いフランジ付容器。
【解決手段】折曲・固定化形成のための必要充分条件を満して設けられたブランクとそのフランジ付容器。それは、多様なブランクが折曲形成された変形扇状部p周辺においてその効果/弊害の度合如何を問わず固定形成が可能とされるかぎりの多様な接着代候補をことごとく探査、收集し、ブランク表面と裏面に類別する。類別された両接着代候補の相互組合せとしてマトリックス表示された上、それら全組合せ方針が多種多様なブランクに試行適用された後、折曲形成と固定形成が逐一されて得られた容器について、その成形性能にもたらす、効果/弊害=効用の度合が比較、評価される。
【解決手段】折曲・固定化形成のための必要充分条件を満して設けられたブランクとそのフランジ付容器。それは、多様なブランクが折曲形成された変形扇状部p周辺においてその効果/弊害の度合如何を問わず固定形成が可能とされるかぎりの多様な接着代候補をことごとく探査、收集し、ブランク表面と裏面に類別する。類別された両接着代候補の相互組合せとしてマトリックス表示された上、それら全組合せ方針が多種多様なブランクに試行適用された後、折曲形成と固定形成が逐一されて得られた容器について、その成形性能にもたらす、効果/弊害=効用の度合が比較、評価される。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
〔背景の技術〕
【0001】
特許36203によりすでに公知となったフランジ付容器に関する形態が本明細書の公知図1、2、3、4として引用されているが、図1のブランク上にある各面相当部とそれらを区画する各罫線の適正な形状・配置などの基準条件が、公知特許の請求項とその詳細な説明が丹念に示されている。それらの条件はたしかに、ブランクから折曲形成されるべきフランジ付容器の極めて重要なブランク構成原理の一部分であり、つまり必要条件であるものの残念乍らそのままでは望ましいフランジ付容器の最終形成が保證される必要充分条件にまで致っておらない。なぜならば上記各面相当部とその区画罫線に忠実な折曲形成を実施した後において、変形扇状部p附近で相互に接近する各面相当部の固定一体化を図ろうとする際、その接着代として固定化形成可能な部位、規模があまりに多く散在するため、その接着代の選択に困難を極めることから、結果として本来期待される機能的又は美的な部分、全体形態が得られないとともに各種外力に対応する充分な剛性強度が得られないまま中途半端な形質のフランジ付容器を余儀なくされると云う問題があった。
その主因は前記ブランクの変形扇状部pとその附近において、側壁フラップ相当部d、フランジフラップ相当部eなどとそれらを区画する罫線の折曲形成後に本来求められて、相互に固定形成すべき一対の接着代の適正な部位、規模などの基準条件が、公知例の請求範囲、明細書、図面に何ら示されていないことにある。
【発明の開示】
【0002】
底面相当部a、側壁相当部b、フランジ相当部cと変形扇状部pとそれらを区画する各罫線が設けられ、とりわけp部においてフランジフラップ相当部eを横断する各罫線が相互に略平行状として設けられたブランクが折曲形成されて後、まづそのブランク表面におけるフランジフラップ相当部e1とe2が一対の接着代として固定化形成されるととにブランク裏面におけるフランジフラップ相当部e2とフランジ相当部c1が一対の接着代として固定化形成されされて設けられ本フランジ付容器が得られることである。
次にはブランク表面におけるフランジフラップ相当部e1とe2を一対の接着代とし、側壁フラ
相当部e2とフランジ相当部c1を一対の接着代として固定化形成されて設けられ本フランジ付容器が得られることである。
以上二つの方法を適正な接着代設置の基軸的指針として各罫線により区画されたp部各相当面において固定化形成すべき部位とすべきでない部位の選別最適化とともに固定化形成される部位の規模最大化が図られるのが本発明の特徴である。
〔発明の課題〕
【0003】
前記公知例にみられる問題を解消するには、望ましいフランジ付容器を得るべくブランクの折曲形成の方針とともに固定化形成の方針とその設計のために最適な接着代の選択を可能とする適正設置基準があらかじめ明示されることが本発明の課題である。
そのためにはすでに公知とされた面相当部と罫線の配置基準となる第1の必要条件を満す多様なタイプのブランクにおいて、これとは別にあらかじめ用意された所定ケ所、部位の接着代の選択肢についてその固定化形成を試行しその評価を逐一実施することにより、多くの選択肢の中から評価のきわだつブランク構成を、望ましいフランジ付容器の形成が保證される接着代の適正設置基準として第2の必要条件を新らたに特定することであった。
上記手続きを、闇くもな試行実験に終始させることを避け、そもそも折紙と云う本テーマが折版構造体であり、そのトポロジカルな特徴に注目し、各種パラメーターと定数の広範囲探査とそれらの相関把握から始まりそれらパラメーター、定数とそのもたらす効用を凾数関係にあるものとしてとらえる論理形式を採用することにより、とりこぼしのない解を正確にとらえることが、本発明のまたの課題とされた。
ここに第1、第2の両必要条件を相互に補完せしめる必要充分条件〔1・2〕が文字通り望ましいフランジ付容器のために過不足のないブランク構成の基本原理として得られるとともに、その解明された基本原理によって、多種多様なフランジ付容器のブランク設計時において、適正な面相当部、罫線の配置方法と並び適正な接着代の設置方法を選択するための最適解を容易かつ迅速に提供することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の大きな課題は、必要条件2つまりブランク上接着代の適正設置基準を解明することであり、そのために有効な解決手続きとその具体的作業を模式化し表1に示した。その作業には大きく二つの流れがあり作業1はすでに公知とされる必要条件1を特定するためのもので、作業2、3は必要条件2を特定するに不可欠のものである。そして最下部の最終成果では上記2必要条件が相互に補完しあい必要充分条件〔1・2〕として望ましいフランジ付容器の形成を保證するブランク構成の基本原理が得られて全作業は完了する。
作業1については当節ではふれず、作業2、3以后を重点的に説明しつつ本発明においてなされた課題の解決方法を簡略化して示す。作業2では多様なブランクが折曲形成された変形扇状部p周辺においてその効果/弊害の度合如何を問わず固定形成が可能とされるかぎりの多様な接着代候補をことごとく探査、收集し、ブランク表面と裏面に類別する。類別された両接着代候補の相互組合せとしてマトリックス表示された上、作業3ではそれら全組合せ方針が必要条件1を満す多種多様なブランクに試行適用された後、折曲形成と固定形成が逐一されて得られた容器について、その成形性能にもたらす、効果/弊害=効用の度合が比較、評価された。その評価の主な目安として容器本体の剛性強度、密閉性とフランジ隅部の水平平坦性の有無・高低が採用され、結果として最大効果と最小弊害が達成されたブランク表・裏各面の一対接着代の選択方針とそれらの組合方針が望ましい固定化形成のために接着代の適正設置基準として特定された。
【表1】
【発明の効果】
【0005】
本発明において特定された必要条件2の補完により、公知の必要条件1のみでは保證されなかったフランジ隅部などの水平・平坦性、剛性強度、密閉性が大巾に改善、向上してフランジ付容器が形成されて得られた。
より具体的には、接着代規模の過小による、フランジ隅部の密閉性不全とフランジ面内外の剛性強度低下を抑止し、また接着代規模の過大によるフランジ隅部の中、小型歪変形の発生を防止し、さらに接着代部位の選択過誤によるフランジ隅部の大型歪変形の発生を回避し、さらにまた食物残留の不快感をもたせる容器内隅部の襞溝を解消するなどの大きな効果がみられた。
〔本発明を実施するための最適の形態〕
【0006】
図1、2、3、4は公知のフランヂ付容器に関わるものであり、図1は、ブランク平面、図2は同容器の斜視図、図3は同容器の部分裏側の斜視図、図4は形成途上の部分表側斜視図である。
図5、6、7、8は本発明のフランジ付容器に関わるものであり、図5はブランク平面、図6は同容器の斜視図、図7の同容器の部分立面図はそのキープラン図8のL1方向から光線による陰影などをV1方向から視たものである。
図9、10、11は本発明のブランク構成を含む試行選択用ブランク平面図であり、図9はブランク表面の平面、図10は図9の部分拡大図であり、図11はブランク裏面の平面図である。
図12、13は本発明の途上で試行され、不適正とされたブランク部分平面であり、図12はブランク表面、図13はブランク裏面である。
図14、15、16は本発明の容器のフランジ隅部図であり、図14はその斜視図、図15はその立面図、図16はその裏面斜視図である。
図17、18、19、20、21、22は本発明の途上で試行され、不適正とされた容器のフランジ隅部図であり、図17、20はその斜視図、図18、21はその立面図、図19、22はその裏面斜視図。
図23、24は本発明の容器のフランジ隅部図であり図23はその斜視図、図24は図23のS−S断面図である。図25、26は本発明の途上で試行され、不適正とされた容器のフランジ隅部図面であり、図25はその斜視図でありキープラン図27のL2方向の光線による陰影などをV2方向から視たものである。
図28、29、30、31、32、33は本発明のブランクの部分平面であり、変形扇状部pの多様な変化タイプである。
図34、35、36、37は本発明の容器に関わるものであり、図34、36はそのブランク平面図、図35、37はその裏側容器の斜視図である。
【0007】
公知の図1には望ましいフランジ付容器をうるためにブランクp部において折曲形成に不可欠な各面相当部とその各罫線の適正な配置方針のもとに設計されたブランクが示されているものの、残念乍ら折曲形成後の固定化形成のための各接着代のしかるべき設置基準が何ら明示されていないために、その固定化形成方法の選択に難渋をきわめ本来の望ましいフランジ付容器は得られなかった。
上記接着代の適正設置基準の解明をはばんで来たのは、容易に克服されない4つの大きな困難があったからである。
まづは先入観がもたらした困難である。上記公知容器とは以て非なるフランジ付紙容器が從来からあり、そのブランクの折曲形成時において容器隅部外側に突出する側壁フラップを片側壁面に密着倒置し固定化形成したものとしてよく知られており、その形成方法をフラップの引き倒し方式と呼ぶ。その隅部構造が全く異質でありながら、全体の構成が以かよっていたためか、上記フラップの引き倒し方式をして公知容器の固定化形成方法として採用することにこだわるあまり、その方法からの脱却と新発想の固定化形成方法への切り換えまでに少からずの回り道があった。
2番目は本発明のブランクを折曲形成後にp部の固定化形成を行う際に、その成否に直接又は間接的に影響を与える数々の各面相当部とそれらを区画する各罫線などが多彩であるとともに、接着代周辺又はブランク全体に広く分布していることから、つまり固定化形成の効用度合に関わりをもつ形状変数項目とそのパラメーター変動巾があまりに数多くかつ広範囲であるために、上記効用度合を最大化る各変数項目内パラメーター値を特定するに大変な困難を余儀なくされた。
3番目には、固定化形成のための接着代候補(固定化可変定数)自体が、ブランクp部内面相当部の区画に必ずしも拘束されることなく、その部位、規模の自在な選択が可能であるために適正なる接着代とその設置方法を特定することは容易でなかった。
そして4番目には、すべての形状変数項目と所定のパラメーター値のもとに選択された接着代の設置方針によりしかるべき固定形成がされたとしよう。その固定化形成の結果から比較、評価されるべき効用の目標項目が、容器としての剛性強度、密閉性そしてフランジ隅部形状の安定性、美観など多岐にわたることから、これらの各種評価項目を同時に最大化しうる形状変数パラメーターと接着代可変定数を特定するには多大な困難がともなった。
【0008】
望ましいフランジ付容器の最終形成のためには、公知のブランク設計だけではまりに不充分であり、前記の様な諸問題を発生させた。したがって公知の技術であるブランクp部に設けられた折曲形成用の適正罫線とその配置方針が望ましいブランクとその容器のための必要条件1とすればそれを補完する必要条件2をして様々な前記困難を克服しつつ解明することが本発明最大の課題である。
その必要条件2は、必要条件1と並ぶ望ましい容器形成のために不可欠なものであるが、その制約範囲を大きく異にし、ブランクp部に設けられた固定化形成のための適正な接着代の設置方針を規定することをその役割とする。本発明で解明すべき上記必要条件2の位置づけとその解明作業の流れを公知の必要条件1と対比しつつ、表1を用いて説明する。表中一点鎖線内が本発明の作業とその成果、その外が公知の作業とその成果である。
全体の作業、成果を通じて読みとれるのは、折曲形成のための必要条件1と、固定形成のための必要条件2との大きな二つの解明作業があり、その作業の流れが直列とならず途中まで並列とされた条件1の流れが条件2のそれに合流することにより、最終の必要充分条件〔1・2〕が得られたことをその特徴としている。
そのために必要条件1の核とされるのは、ブランクp部における罫線の配置基準Dであり、必要条件2の核とされるのはp部における接着代の設置基準A−Bであり、両基準は相互に制約しない間柄にありその選択、特定の作業は個別に行われたが、両基準のもとで検証される周辺の各面相当部と各区画罫線などの形状変数を介して、その相互関係が保たれることを二つ目の特徴としている。
本発明の必要条件2の本格的解明作業が開始されるに先だち、前記4つの困難に至る因果関係を正確にとらえるべく次の様な対応策がとられた。第1の先入観からくる困難は体験的形成作業の繰り返えしにより回避され、固定化形成に間接的に影響を与えるブランク上の多様な形状ファクターの存在確認により第2の困難の見取図が、そして固定化形成に直接的な影響を与える多彩な形状ファクターの確認により、第3の困難の見取図が描かれ、第4の困難は容器の最終形成にまで至る具体的なシュミレイシヨン作業により、そのおぼろげな輪郭がうかんで来た。
【0009】
以上の過程を経て、本格的な必要条件2の解明にもとめられたのは、それを可能とするブランク設計方法の新発想とその具体的実現手段であり、それを凾数モデル式に準拠する論理構成としておきかえるとともに、その構成に忠実な段階手続きを採用することを通じて、前記困難2、3、4がすべて克服された。以下にその体系的な作業のあらましを述べる。
望ましい容器を得るためにブランク上の所定重点ケ所において期待される複数の効用項目があらかじめ設定された。ブランク各部位とその仕様を構成し性格づける諸ファクターが各カテゴリー毎にとりこぼしなく抽出された後、上記効用項目とその水準実現の貢献度合により類別された。類別された3種ファクターでは相互の制約関係の有無、強弱が確認されたのち、1種のファクターを形状変数、のこり2種のファクターを形状可変定数としてその役廻りがおのずと限定された。トポロジー凾数記号を介して目的凾数の効用度合と1種の形状変数と2種の形状可変定数の凾数関係が設定された後、変数の如何にかかわりなく、目的凾数を最大とする2種定数を特定するために〔折曲形成のための罫線の配置方針候補〕とし〔固定化形成のための接着代の設置方針候補〕とした2種可変定数に操作が加えられた。まづ後者・可変定数が仮設定されて前者・の解・定数を得て、次に前者・可変定数が仮設されて後者の解・定数を得たが、その設定された両定数のもとで形状変数を自在に変化させ所定の最大効用が得られることを確認したあと最終的な2定数が決定された。
結果として上記作業は望ましい容器のためのブランク設計に不可欠なブランク構成の基本原理を完成せるための必要条件2の解明に極めて有効であったとともに、公知の必要条件1の位置づけとその論理的正しさの立證に役立った。
【0010】
望ましい本容器の形成に不可欠な必要条件2すなわち固定化形成のための適正なる接着代設置基準の解明全作業をして、その主要な論理構成として採用された凾数モデル式を用いて説明する。
表1に示される通り、公知の作業化その成果では、まづブランク上に設けられるすでの部位の面相当部と罫線についてその様々な変化タイプを探査、收集する。收集されたもののうちブランク隅部の折曲形成の効用度合を大きく左右する部位とそうでない部位に別け、前者をその形状などの
変数Xl、Ymとしてその各々の役割が与えられる。それをモデル式化すると、
【数1】
となり、p部の折曲形成により得られる効用度合pを検証、評価するために、ブランク設計に
代入した。その数10ケースに及ぶシユミレイシヨン検証の結果得られた最大効用Pとそれを
形状変数Xl、Ymグループを新形状変数Znとして得られ、それをモデル式化すると以下の様に表らわせる。
【数2】
以上が公知の必要条件1つまり折曲形成のための適正なる罫線配置基準の解明作業の流れが本発明に採用された論理構成に準じて、あらためて置きかえられたものである。
本発明の当必要条件2の解明作業では、まづブランク上に配置された各面相当部と各罫線により、必ずしも制約されることもなく設置される接着代の特徴に着目しつつ、フランジ隅部において折曲形成後に行われる固定化形成を大きく左右すると思われる接着代の各部位組合せの変化タイプを探査、收集する。なおブランク表・裏両面における各接着代を可変定数Ai、Bjとしてその組合せマトリックスを作表した。かたや固定化形成をさして左右しない形状変数Znを数式2から組入れてモデル式化すると
【数3】
となり、p部の折曲形成後の固定化形成により得られる効用度合qを検証、評価するために、ブランク設計において接着代可変定数Ai、Bj、形状変数Znの具体的各種変化タイプをモデル式に逐一代入した。その数10ケースに及ぶシユミレイシヨン検証の結果得られた最大効用Qとともにそれをもたらした適正なる接着代可変定数Ai、Bjを組合せ接着代定数A−Bとして得られ、形状変数Znを最適形状変数として得られた。それをモデル式化すると
【数4】
となり本数式4において選択された組合せ接着代定数A−Bはブランク折曲形成後の適正なる固定化形成のための必要条件2として解明されたものであり、さらにモデル式4の凾数関係は、本発明の望ましいフランジ付容器の最終形成を保證するブランク構成の基本原理を指し示し、そのためのブランク設計に不可欠な必要充分条件〔1・2〕と云う万能基準を提供したことになる。
【0011】
記号の説明
p―――折曲形成時の効用度合。
P―――同上最大効用。
q―――固定化形成時の効用度合。
Q―――同上最大効用。
f・F――トポロジー凾数記号。
Xl――P部外の形状変数。
Ym――P部の形状変数。
D―――適正罫線定数。
Ai――ブランク表面 接着代可変定数(候補)。
A―――同上適正接着代定数。
Bj――ブランク裏面接着代可変定数(候補)。
B―――同上適正接着代定数。
A−B――適正組合せ接着代定数。
【0012】
前段では効用凾数pから最大効用凾数Pを得るために、その根拠となる
罫線定数Dを解明するまでを、あらためて示した公知過程とともに、効用凾数qから最大効用凾数Qを得るためにその最適な接着代定数A−Bを解明するまでの本発明過程を一連の凾数モデル式によるごく抽象的な論理構成として示したが、本段ではその全過程を出来るかぎりビシユアルな表現と具体的な形状部位記号を用いつつ、実際に行われた作業の流れとその逐一とられた手続とその内容に則して平易に示した。
まづ手始めに行われたのは効用凾数をもたらす説明変数と定数の全候補とされるべきもののリストアップであった。各種部位の形態要素とその組合せがもたらす無限に近い多種多彩なブランク構成にあって、各面相当部とそれらを区画する各罫線などの具体的仕様とその変化とともにそれら各面、各罫線と独立した関係にある接着代の具体的仕様とその変化を探査・收集した上、それらを部位、機能別に類型化し最小限のカテゴリー数として整理することから手がつけられた。
その主要なもののみを表4、5、6、7に示した。表4には公知ではあるが本発明に少からず関
うちブランクp部内フランジフラップ相当部における各単位面とそれを区切る各罫線とその相互傾斜角などの仕様として考えられる主だったものを列挙した。表中D1〜D9の各仕様はすべて周辺p部、p部以外の各仕様により制約されることなく設けられるものである。
【表4】
表5に示されものは公知とされながら、本発明のテーマにとっても基盤的要素群であり、つまり2種の形状変数にわけ、上記フランジフラップ相当部をのぞくブランクp部の各面相当部とそれを区切る罫線の部位、形状にかかわる配置仕様各種でありそれを形状変数Ymとし、他はp部をのぞく全ブランクの各面相当部とそれを区切る各罫線の配置仕様各種を形状変数Xlとした。表中Xl、Ymはいずれも独立した変数項目であり自在な変化パターンをとりうる。
Znは必要条件1に大きく支障をきたさない変化パターン内に限定された前記Xl、Ymの総称である。
【表5】
表6には、本発明の最大テーマである可変定数としての一対接着代の設置仕様であり、ブランク表面の接着代Aiとして選択可能な候補がことごとく探査收集され、全5種として示された。
表7には、ブランク裏面の可変定数としての一対接着代Bjの設置仕様であり、その選択可能な候補がすべて網羅され、全5種として示された。上記一対接着代AiとBjは相互に部分的な制約関係にある可変定数とされ特徴的である。
【表6】
【表7】
【0013】
目安として設計された多種多様なブランクについてその折曲形成後に得られた効用度合pがその各ポイントに検証された上、各ポイント相互にその比較評価がされた。その結果最大の効用Pとそれに準ずる効用があると選択されたのが表2の立体座標上の点線内斜線表示される略楕円平板状部に分布する各
表4のD6とそれに限りなく接近するD7、D8に相当するものである。この楕円平板状部分があまり厚さのない水平方向に偏平なものであると云うのは、望ましい折曲形成のための罫線定数DのほぼすべてをD6仕様で占めると云う、気むずかしいトポロジー凾数関係を示している。なお折曲形成によりもたらされる効用度合pはフランジ隅部において、1)双方向フランジ端部の同一面密着性、2)同左端部附近の水平、平担性、3)折曲形成時の応力低減とした3性能如何を問うものであり、最大効用Pとは上記3性能をことごとくクリアー出来て、定性的評価ながらその効果/弊害を最大として得られた結果である。
【表2】
表3において、前記数式3の凾数モデル式q=(Ai−Bj)−F(Zn)を立体座標として模式化表示しており、接着代可変定数Ai、同可変定数Bj、適正形状変数Znが3軸とされた立体座標上の各ポイント毎に読みとれるAi、Bj、Znの個別仕様を目安として設計された多種多様なブランクについてその折曲形成後に固定化形成されて得られた効用度合qが各ポイントに検証された上、各ポイント相互にその比較評価がされた。その結果、表3の立体座標上に点線内斜線表示されるぶ厚い板状部分が、数式3にある最大効用Qとそれに準ずる効用を得られる各ポイント集合A−Bであり、よりくはしくは表8の◎印又は○印のつく組合せケースA3−B4、A2−B4、A1−B4が固定化形成のための適正な接着代組合せとして解明された。上記最大効用をもたらす接着代定数の適正範囲がぶ厚い板状とされるのは、望ましい固定化形成のための接着代定数A−Bの大部分をA3−B4又はA2−B4又はA1−B4の仕様で占めればよいとする、おおらかなトポロジー凾数関係を示している。
【表3】
【0014】
上記表3に示された固定化形成時の最大効用Qを可能とする適正な接着代の選択、特定のための手続を詳説するべく表8の効用度合q評価マトリックス表を用いる。
横軸をブランク表面の接着代候補Aiの各設置ケースが、縱軸をブランク裏面の接着代候補Bjの各種設置ケースが示され、表現の制約からZ軸が省略されて2次元座標が示された。
各ケースの記号は図10、11のそれに対応しており、図示されないが多様な所定の形状変数Znと折曲形成の適正定数Dのもとで設計された各種ブランクについて、折曲後に上記マトリックス内各ポイント毎に組合せられた接着代候補の設置方針の通り固定化形成を試行し、繰り返えした。
その結果として、多様な接着代の選択による固定化形成後の効用度合qが比較評価され、表8において5段階の記号×、△、□、○、◎が表示されている。×印では大巾な剛性強度の向上がありながら極端な歪変形が発生。△印では剛性強度がありながら中程度の歪変形が発生。□印では歪変形が発生しないものの剛性強度と密閉性が低下。○印では特定の接着手段にかぎり歪変形発生せず剛性強度向上。◎印では接着手段にかかわらず歪変形発生せず、剛性強度向上。などとして総合判定されて得られた。
なお、固定化形成の効用度合qは上記判定結果を整理すると、まづフランジ隅部表面の折曲形成が前記最大効用Pを満すことを大前提として、1)フランジ隅部における水平、平担性、2)同隅部における面内外の高い剛性強度、3)同隅部における高い密閉性とした3性能の充足如何を問うものであり、最大効用Qとは上記3つの性能をすべて安定的にクリアーするものであり、定性的評価ながらその効果/弊害を最大として得られることである。
【表8】
【0015】
表8に示される、接着代による固定化形成後に確認された効用度合qの評価マトリックスにおいて、試行実験の結果望ましい効用度合が得られなかった諸ケースについて各種接着代の組合せ方針のもと設計された多様なブランクサンプルによる実際の容器形成を通じて確認された大きく4つの問題点を具体的に述べる。
表8に示される一対接着代の表、裏ブランクにおける組合せ設置ケースA1−B1は、公知の図2、3にある通りp部裏面が側壁に、またp部表面が相互に深々と固定形成され、つまりブランク裏面p部の試行構成図9に示される側壁フラップd2と側壁b1が一対接着代として選択され2とともにブランク表面p部の試行構成図11に示される(フランジフラップe1+同e3+側壁フラップd3)と(フランジフラップe2+同e3+側壁フラップd3)が一対接着代として選択され本容器が形成された場合であり、その結果として容器フランジ隅部において両フランジ端部相互の部分的離隔が発生することから容器の密閉性に難があり、またその面内・外に充分な剛性強度が得られないとともに図17、18、19にある如くフランジ隅部においてその水平面が全く保てず外縁側に激しく傾斜すると云う重大な歪変形の発生を余儀なくされた。
この場合とその効用度合qに大きな差異はないが、ブランク表面の各一対接着代A2、A3、A4、A5とブランク裏面の一対接着代B1の組合せ選択があり、また表8には示されていないが上記接着代B1と同各接着代B2、B3、B4、B5を裏面接着として適宜組合せた選択があり、結果としていずれかの場合も、著しく低い効用度合qとして得られフランジ隅部の面内外の高い剛性強度が得られるものの重大な歪変形を余儀なくされた。結論的には、接着代の選択ケースB1を中心にすえたすべての組合せケースは、折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正形状変数Znの如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい固定化形成の方法とはなり得なかった。
【0016】
次に表8内の接着代の組合せ・設置ケースA1−B2は、ブランク表、裏両面のp部においてフランジフラップeから側壁フラップdの一部にまで及ぶ広い範囲の固定化形成が図られており、つまりブランク裏面p部の試行構成図10に示される(フランジフラップe2+同
とともにブランク表面p部の試行構成図11に示される(フランジフラップe1+同e3+側壁
容器が形成された場合であり、その結果として容器フランジ隅部においてその面内外に高い剛性強度が得られながら、図17〜19と図20〜22に示される両外観図の中間程度にフランジ隅部が外縁側に傾斜し、面外に波打つと云う無視しがたい歪変形の発生を余儀なくされた。上記場合とは別に表8のブランク裏面の一対接着代B2とブランク表面の各一対接着代A2、A3、A4、A5との組合せ選択があり、接着代がA2→A3→A4→A5へと移行するにつれフランジ隅部において、両フランジ端部相互又はフランジフラップe1とe2の、密着部位の減少により容器密閉性が低減し、剛性強度が低下しつつ、いずれも中程度の傾斜変形が発生することから、固定化形成された容器には低い効用度合をやむなくされた。上記の通り試みられた接着代の組合せ設置ケースは、折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正形状変数Znの如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい固定化形成の方法として得られなかった。
次には表8内の接着代組合せ設置ケースA2−B3であり、上記A1−B2と比較して固定化形成されるべき表・裏両面の一対接着代がより浅く設けられ、つまりブランク裏面p部
選択されるとともに、ブランク表面p部構成図11に示される(フランジフラップe1+同e3)と
その結果として容器フランジ隅部においてその面内外にやや高い剛性強度が得られるものの図20〜22にある如くおおむね水平面が保たれつつも面外にいささか波打つと云う小さな歪変形の発生を余儀なくされた。この場合とは別に、表8のブランク裏面の一対接着代B3とブランク表面の各一対接着代A1、A3、A4、A5との組合せ選択があり、接着代がA1→A3→A4−A5へと移行するにつれてフランジ隅部においてフラップe1とe2との接着面積から減少するため、容器密閉性が低下し剛性強度が低下しつつ微弱な波が発生することから結果としていずれも充分な効用度合qを得られなかった。上記の通り試みられた各接着代の組合せ設置ケースは折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正形状変数Znの如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい固定化形成の方法として得られなかった。
そして表8内の接着代組合せ設置ケースA4−B4は上記A4−B3のケースと比較して固定化されるべき表・裏両面の一対接着代がさらに浅く(縮小面積として)設けられ、つまりブランク
とフランジフラップe2が一対接着代として選択されて容器が形成された場合であるがその結果として容器フランジ隅部においてその水平、平担性が折角保たれながら、表面フランジフラップの接着面積が大巾に減少するために、フランジ面内外の剛性強度が著しく低下し容器密閉性が著しく低下した。この場合とは別に表8の組合せ設置ケースA5−B4は上記設置ケースA4−B4の接着面積と同等とされるため、そのフランジ隅部における剛性強度と密閉性に難点が少くないと云う問題点があることから、上記A4−B4と並び残念ながら好ましい固定化形成の方法として採用されるものでなかった。
さらにまた表8内の接着代組合せ設置ケースA5−B5は、上記各ケースの中で最小の接着代面積として設けられるもののひとつであり、つまりブランク裏面構成図12に示されるフランジフラップe2/2とフランジc1/2とが一対の接着代として選択されるとともにブランク表面構成図13に示されるフランジフラップc1/2と同c2/2が一対の接着代として選択されて容器が形成された場合であり、その結果として容器フランジ隅部においてその水平、平担性が折角保たれながらフランジフラップ裏面の接着面積が大巾に減少することにより、そのフランジ隅部の面内外の剛性強度が一層低下し、フランジフラップ表面における密閉性が著しく低下せざるを得なかった。
この場合とは別に表8内のブランク裏面の一対接着代B5とブランク表面の各一対接着代A1、A2、A3、A5の組合せ選択があるが、フランジフラップ裏面の接着面積を著しく縮小されて設けられるためにフランジフラップ表面の接着面積規模の増減にかかわりなく、上記接着代の組合せとして設計されたブランクとその形成された容器には、そのフランジ隅部において評価にたえる剛性強度をついに見出せなかった。上記の通り試みられた各接着代の組合せ設置ケースは、折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正な形状変数の如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい、固定化形成の方法とはなり得かった。
【0017】
以上の様なしかるべき高い効用をもたらさなかった接着代の組合せ設置ケースを重要な足がかりとして、探査、選択し得た最大効用を保證とする適正な接着代の組合せ設置方針を以下に明らにする。
表8内に示されるブランク表面と裏面における一対接着代の組合せ設置ケースの中で、固定形成時の最大効用Qをもたらす接着代定数A−BつまりケースA3−A4が特定されて得られた。それはブランク裏面の試行構成図10に示されるフランジフラップe2とフランジc1が一対接着代として選択されるとともにブランク表面p部の試行構成図11に示されるフランジフラップe1と同フラップe2が一対接着代として選択されて容器が形成される場合であり、その結果としてフランジ全延長とりわけフランジ隅部においてその水平、平担性が安定的に形成・保持され、またフランジ隅部における面内外の剛性強度が充分に得られそしてまた双方向フランジ両端部の密着性とともに表面フランジフラップe1とe2の接着面積を充分としてその密着性が安定的に確保されることにより容器としての申し分のない密閉性が得られた。
ただし折曲形成に適正な形状変数項目Zn内の多様なパラメター変化のもとに上記接着代の組合せ方針A3−B4により設計して得られたブランクについてその折曲形成後の固定化形成を行った結果、上記パラメーター変化のうち高い剛強度が得られないケースが明らかとなった。それはまづ、1)変数項目X4におけるパラメーターが6辺以上の場合、次に2)変数項目X3におけるパラメター勾配が60°以上の場合、そして3)変数項目X3におけるパラメーター勾配15°以下の場合、さらに4)変数項目X2におけるパラメーターL3/L2が0.25未満の場合などにおいて問題が発生し、とりわけ1)と2)、1)と3)、2)と4)、3)と4)の各組合せケースではより顕著となった。すなわち上記各ケースにおいてはブランク表、裏両面の接着代(e1−e2、c1−e2)の面積規模が極端に小さくなるため、フランジの水平、平担性が保たれるもののフランジ剛性強度とともに容器密閉性が大巾に低下することが確認された。
なお上記組合せケースA3−A4と別に表8のA1−B4、A2−B4の両ケースでは上記ケースA3−B4に得られた高い効用Qと同等のものが確認されたが、固定化形成時の固定化手段が限定されるためワンランク低い評価を与えられた。それはA3−B4ではすべての手段が採用されるのに対して、A1−B4、A2−B4では、接着剤の塗付と云う手段の採用によってのみ可能であり、ごく一般的なヒートシール手段ではその目的はまっとうされないからである。
上記一対接着代の組合せ3ケースの検証により、必要条件1として特定された折曲形成の適正配置基準がそのまま適用されるとともに一部の変数パラメーターが除外された適正形状変数Znのもとで、最も好ましい固定化形成のための一対接着代の適正設置基準を必要条件2として選択特定することが出来た。
なお上記各種接着代の組合せとその評価マトリックスとは別に、ブランク表面の試行
により、図25、26の陰影Tを解消出来て、図23、24の様に設けらたが、この一対接着代の適正設置基準は上記適正設置基準A3−B4、A1−B4、A2−B4とまた折曲形成の適正配置基準D5とそして形状変数の適正パラメーターZnとの併用に何ら不都合をきたさないことが多様な試行ケースにより明らかとなった。
【0018】
最良なフランジ付容器の形成を可能とするブランク構成の基本原理の存在は、前記の様な新規発想による、トポロジロル論理の展開思考方法とその実証的試行評価作業により前記の通り解明されたことから確認された。
つまり望ましい折曲形成を可能にする必要条件1と望ましい固定化形成を可能とする必要条件2が相互に、補完し合うことにより機能する必要・充分条件〔1・2〕の発見により本ブランク構成の基本原理がすべて完成して得られたことになる。
その必要充分条件〔1・2〕とは、図5、9、10、11、28〜33などのブランク平面に示される通り、底面相当部aとその各辺に隣接する各側壁相当部bとその外側に隣接する各フラジ相当部cが設けられるとともに、その各辺の隅部外側に側壁フラップ相当部dとフランジフラップ相当部eを連続一体として変形扇状部pが設けられ、前記各変形扇状部pはその要の部位又はその部位周辺を基点として外側に向け略放射状に複数の罫線が設けられ、さらにそれら放射状罫線の一部分又はすべてが、外側に伸びて前記側壁フラップ相当部dとフランジフラップ相当部eを区切る罫線1又は2又は1、2両方において折れ曲りその折れ曲った罫線を含め全てが相互に略平行状罫線として前記フランジ相当部eを延出してなるブランクから折曲形成され、前記フランジフラップ相当部eは前記略平行状罫線に沿って折曲形成され、て設けられた相対向する対方向のフランジ相当部cの両端部が、前記フランジフラップ相当部eの中央部において段差を形成することなく密着されて設けられるとともに、図9、10、11などに示される通り前記ブランクの表面におけるフランジフラップ相当部e1と同e2とのすべてか大部分が、
か大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定形成され、同ブランクの裏側におけるフランジフラップ相当部e2とフランジ相当部c1とのすべてか大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定形成されて設けられることを大前提とした、本フランジ付容器を得るために不可欠な、ブランクの設計と形成方法の基本指針である。
本発明において最重点が置がれたのは、上記必要充分条件〔1・2〕内の2本柱とされる必要条件1、2の相互関係の解明であるとともに必要条件2の厳密な選択、特定であった。その必要条件1を、具体的なブランク設計から最終形成に至る試行、評価、選択の実施成果を通じて、詳細に説明する。
前記、諸変数、諸定数相互に想定された複雑な関わりとそのもたらす関係の濃淡を見きわめた上で、最終成果としての効用の最大化を安定的に約束しうる、特定定数の探査作業により、上記の如き望ましい容器のためのブランク構成とそのp部における適正な一対接着代による適正な組合せの設置基準を解明し得た。
それをより具体的に示すために、評価マトリックス表8と3軸座標上構成図表3と試行選択用ブランク構成図9、10、11を用いると、表8において◎印と○印がされているが上記設置基準にかなう一対接着代の組合せであり、それは表3にある点線で囲れたぶ厚い板状部分に相当し、さらにくわしくはブランク表図11のフランジフラップe1と同e2を表面の一対接着代とし、ブランク裏面10のフランジフラップe2とフランジc1を裏面の一対接着代として組合せたものが上記◎印の最適正な接着代の設置基準であり、それとはいささか異るのは、ブランク裏図10のフランジフラップe2とフランジc1を裏面一対接着代としブランク表図11の(フランジフラップe1+同フラップe3)としフランジ
せたものが上記○印の適正な接着代の設置基準である。
なお上記適正接着代の設置基準として図示されているが、それらの基準の延長上に、ありながら図示されていないものがある。それはブランク表面図11においてフランジフラップ
まで拡張されて設けられるか及至は外縁部輪郭線よりごく一部分後退、縮小されて設けられた両部位を表面一対接着代とされたものがあり、また(フランジフラップe1+同フラップ
に限定されず、上記の様に拡張され又は縮小されて設けられるとともにブランク裏面図10においてフランジフラップe2とフランジc1の両区画に限定されず、区画罫線2と区切り法線Qをこえごく一部分にまで拡張されて設けられるか、及至は外縁部輪郭線よりごく一部分後退、縮小されて設けられた両部位を裏面一対接着代とされたものがある。上記表面と裏面の拡張又は縮小されて設けられた両一対接着代が適宜上組合せられたものも適正なる接着代の設置基準として、望ましいブランク構成の必要充分条件〔1・2〕を満して本発明に有効である。なお、上記フランジc1がブランク裏面の適正な接着代の一部分として選択さているが、これとちがい図9に
【0019】
以上は本発明の原則的なブランク構成とその形成方法を示したが以下に各種実施例においてその特徴を補足説明する。
図5に示される本発明のブランクは、必要・充分条件〔1・2〕を満す最低限の構成とされ、図6、7にはその最終形成がされた本フランジ付容器であり、その特徴的な点は、陰影Tにみられる通り、側壁bと変形扇状部pが密着せずフランジに近づくにつれより離隔さられ、フランジ際では腰折れ部分を介してフランジと密着せられることである。
が設けられそれが固定化形成されて得られたのが図23の容器斜視図、図24のS−S断面として示されており、上記一対接着代は他の適正接着代と併用されても何の支障もないものである。
図28〜33に示されるブランク隅部では、すべての本発明の必要充分条件〔1・2〕が採用されるべき望ましいブランク構成が示され、とりわけ、フランジフラップ相当部eと側壁フラップ相当部dの区切り罫線の有無又はその本数にかかわりなく、又側壁フラップd1と同フラップd2の区切り罫線の中央線Uとの角度にかかわりなく、又、側壁フラップd1と底面aとの区切り罫線の有無、形状、本数にかかわりなく、本発明の望ましいブランク構成として有効であり、この他にも多種多彩なp部の構成があっていずれも本発明に有効である。
なお、上記区切り罫線1、2が設けられない場合は、前記フランジフラップe1と同フラップe2に相当する部位のみを、あらかじめ熱風加熱処理などを行ったあと、しかるべき上下一対の成形型による加圧により本発明に有効な固定化形成が実施されるとよい。
図34−37に示される底面aでは、反曲罫線7を介した湾曲状上底として設けられ、図38〜39に示される底面aでは平板状上底として設けられるものであり、この他に様々な底面aの変形タイプがあるがその形状如何にかかわりなく、必要充分条件〔1・2〕を満していれば本発明に有効である。
【0020】
最良のフランジ付容器を得るために望ましいブランク構成は、その必要充分条件〔1・2〕の解明により実現したが、その条件〔1・2〕が望ましいブランクとその容器に及ぼした作用ともたらした効果をまとめて説明する。
必要充分条件〔1・2〕を必要条件1と2を便宜上切り離してそれらの作用を示したい。ブランクp部における各面相当部とその各区画罫線の部位、形状の適正な配置方針が必要条件1によって規定されることにより、そのブランクの折曲形成時において他の形状変数の如何にかかわらずフランジフラップe2とフランジcを区切る罫線の折曲により形成される相対向する両フランジ端部が、フランジフラップe1の中央部において相互に密着されて設けられた。その結果、上記端部とフラップe1と間に発生すべき段差が解消され、また両フランジの端部の重層化による段差、又は離隔によるすじ溝の発生がさまたげられた。さらに純粋な折紙方式による、内部応力最小とする折曲形成方法が全面採用されたため自動機による製凾工程においてその形態加工の安定性が確保されることとなった。
ブランクp部における接着代の部位、規模の適正な設置方針が必要条件2で規定されることにより、そのブランクの折曲形成後において、実質的に他の形状変数の如何にかかわらずブランク表面の一対接着代e1とe2及び裏面の一対接着代e2とc1の固定化形成によりフランジ隅部の各種歪変形が抑止されることを前提にした最大規模の接着面積が確保された。さらに内部応力の発生を最小とする接着代設置とその固定化形成の方法が採用されたため自動機による製凾工程においてその形態維持の安定性が確保されることとなった。
次には、上記と同じく、必要条件1と同2を切り離してその効果を示すと、まず必要条件1のおよぼす作用により、容器フランジ上に蓋材をヒートシールしたとき、段差、連通孔を発生させないフランジと蓋材の間において充全な密着固定化がされることから、蓋付容器としての高い密閉性が得られた。またフランジ隅部における全ブランクシートがその重層厚を実質的に一様、均一として設けられて脆弱部が排除されることから同隅部の面内外に高い剛性強度が得られるとともに角度90°などとした双方向の両フランジ端部が45°などのトメ納まりとして設けられることから端整な美観としたフランジ隅部が得られた。
そして必要条件2の及ぼす作用によりもたらされる効果は小さくなく、フランジ隅部が水平、平担面として形成されることから、その美観上の利点にとどまらず、平担状蓋材、成形蓋材による各ヒートシール、嵌合時にその密着設置が容易となりフタ付容器としての高い密封効果が得られるとともにフランジ面内外の剛性強度も向上して得られた。またフランジが水平平担性を維持されながら、固定化形成されるべきブランク裏面接着代の規模が最大化とされることから、容器のフランジ隅部においてその面内外の剛性強度が更に向上して得られ、ブランク表面の一対接着代e1とe2の固定化形成されるべき規模が最大化さとされることからフタ付容器として設けたときその密封効果は更に向上して得られた。上記効果に加えて、ブランク表面の側壁
向上し、側壁端部と側壁フラップの内に発生する溝襞が解消されることにより容器内充填物の液汁、残渣などの浸入が防止された。
上記の通り、公知の必要条件1により与えられた作用・効果に限定されず、本発明において解明された必要条件2とその必要充分条件〔1・2〕により、さらなる多様な作用とその高い効果を可能とした新フランジ付容器がはじめて実現して得られた。
【0021】
前記詳細なる説明の中でしばしば用いられる語句として「折曲形成」「固定化形成」があり、まづ「折曲形成」とはブランクがその面上各罫線上における広い意味での折曲加工とそれにより行われる立体化又は複層化の総称であり、次に「固定化形成」とは折曲形成後のブランクが所定の一対接着代において各種接着手段、各種緊結手段による立体形態の固定化又は複層形態の固定化の総称である。
「湾曲罫線」とは、ブランク外側へ向けた凸状湾曲又は凹状湾曲の線分とした罫線配置であり、その曲率は自在に選択され、ときには直線分、折曲直線分などとの組合せ又は凸状と凹状の両湾曲線分の組合せも含まれる。
「フランジ」とは大きく2種類あり、単層状フランジcと折り返えし部分fと単層状部分cを固定一体化した複層状フランジc+fがある。
「蓋材」とその設置方法については、平板シート状蓋材を本容器フランジと固定化形成する方法があり、また立体形成されたプラスチック又は紙などの蓋材を本容器フランジ部内側又は外側に篏合する方法がある。上記平板シート状蓋材には、紙シート又は紙を基材として各種コート加工、ラミネイト加工したもの又は金属箔、粒子をラミネイト、蒸着加工したものものがあり、プラスチック蓋材には生分解性の樹脂を用いてもよい。
これらとは別に本容器と連続一体のブランクシートから形成される蓋材があり、その蓋材は平板状又は折曲、固定化形成された立体状ものでもよい。
「ブランク」のシート材は、紙シート又は紙を基材とした各種コート、ラミネイト、蒸着などの加工を行った各種複合シート類が用いられ、ときには一般的プラスチックシート、生分解性プラスチックシート、金属シートなど折曲形成、可塑性加工が可能であればその材質を問わない。
また単一ブランクから本発明の単一容器が形成されるが、これとはちがい複数のブランクが連続一体のシート上に設けられ、それが折曲・固定化形成されて、複数の本容器が連結して得られるか又は上記ブランクに蓋材部分も連続体とされそれが最終形成されて複類の蓋材付本容器が連結して得られる大型ブランクも本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明によるフランジ付容器は、比較的大きな開口部を求められる食品用包装材として有効であるだけでなく、各種小物日用品用、医薬、医療資材の密閉型包装としても有効であり、さらに小物建材、輸出入工業部品などの密閉型包装として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】公知のフランジ付容器のブランク平面。
【図2】公知のフランジ付容器の斜視図。
【図3】公知のフランジ付容器の裏側部分斜視図。
【図4】公知のフランジ付容器の形成途上の表側部分斜視図。
【図5】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図6】本発明のフランジ付容器の斜視図。
【図7】本発明のフランジ付容器の部分立面図。
【図8】本発明のフランジ付容器ののキープラン。
【図9】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク裏面構成図(平面)。
【図10】図9の部分拡大図。
【図11】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク表面構成図(平面)。
【図12】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク裏面構成図(平面)。
【図13】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク表面構想図(平面)。
【図14】本発明のフランジ付容器の部分斜視図。
【図15】本発明のフランジ付容器の部分裏側斜視図。
【図16】本発明のフランジ付容器の部分立面図。
【図17】本発明のフランジ付容器の試行用部分斜視図。
【図18】本発明のフランジ付容器の試行用部分裏側斜視図。
【図19】本発明のフランジ付容器の試行用部分立面図。
【図20】本発明のフランジ付容器の試行用部分斜視図。
【図21】本発明のフランジ付容器の試行用裏側部分斜視図。
【図22】本発明のフランジ付容器の試行用部分立面図。
【図23】本発明のフランジ付容器の部分斜視図。
【図24】図23のS−S断面図。
【図25】本発明のフランジ付容器の試行用部分斜視図。
【図26】図25のS−S断面図。
【図27】本発明のフランジ付容器のキープラン。
【図28】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図29】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図30】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図31】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図32】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図33】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図34】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図35】本発明のフランジ付容器の斜視裏側図。
【図36】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図37】本発明のフランジ付容器の斜視裏側図。
【図38】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図39】本発明のフランジ付容器の斜視裏側図。
【符号の説明】
【0024】
a――底面、同相当部。
b――側壁、同相当部。
b1―b部内接着代相当部。
c――フランジ、同相当部。
c1―c部内・接着代候補。
c2―c部内・接着代候補。
c3―c部内・接着代候補。
d――側壁フラップ、同相当部。
d1―d部内・区画部。
d2―d部内・区画部、接着代候補。
d3―d1部内・接着代候補。
e――フランジフラップ・同相当部。
e1―e部内区画部、接着代候補。
e2―e部内区画部、接着代候補。
e3―e1部内区画部、接着代候補。
e1/2―e1部内3角状接着代候補。
e2/2―e2部内3角状接着代候補。
p――変形扇状部。
f――フランジ折返えし部。
g――フタ材
Q――境界線(罫線2の延長法線)。
R――境界線(罫線1の延長法線)。
S――断面記号。
T――陰影。
U――中心線。
V1、V2―視線。
L1、L2―光線。
W――境界線(側壁bとフランジcの区切り罫線の対称法線)
1、2―e、d両部区切り罫線。
4――d部中心罫線。
5、――d、a両部区切り罫線。
6、――b、a両部区切り罫線。
7、――a部中央反曲罫線。
8、――a部内同回罫線。
9――a部内隅部罫線。
10――a部内隅部罫線。
【発明の詳細な説明】
〔背景の技術〕
【0001】
特許36203によりすでに公知となったフランジ付容器に関する形態が本明細書の公知図1、2、3、4として引用されているが、図1のブランク上にある各面相当部とそれらを区画する各罫線の適正な形状・配置などの基準条件が、公知特許の請求項とその詳細な説明が丹念に示されている。それらの条件はたしかに、ブランクから折曲形成されるべきフランジ付容器の極めて重要なブランク構成原理の一部分であり、つまり必要条件であるものの残念乍らそのままでは望ましいフランジ付容器の最終形成が保證される必要充分条件にまで致っておらない。なぜならば上記各面相当部とその区画罫線に忠実な折曲形成を実施した後において、変形扇状部p附近で相互に接近する各面相当部の固定一体化を図ろうとする際、その接着代として固定化形成可能な部位、規模があまりに多く散在するため、その接着代の選択に困難を極めることから、結果として本来期待される機能的又は美的な部分、全体形態が得られないとともに各種外力に対応する充分な剛性強度が得られないまま中途半端な形質のフランジ付容器を余儀なくされると云う問題があった。
その主因は前記ブランクの変形扇状部pとその附近において、側壁フラップ相当部d、フランジフラップ相当部eなどとそれらを区画する罫線の折曲形成後に本来求められて、相互に固定形成すべき一対の接着代の適正な部位、規模などの基準条件が、公知例の請求範囲、明細書、図面に何ら示されていないことにある。
【発明の開示】
【0002】
底面相当部a、側壁相当部b、フランジ相当部cと変形扇状部pとそれらを区画する各罫線が設けられ、とりわけp部においてフランジフラップ相当部eを横断する各罫線が相互に略平行状として設けられたブランクが折曲形成されて後、まづそのブランク表面におけるフランジフラップ相当部e1とe2が一対の接着代として固定化形成されるととにブランク裏面におけるフランジフラップ相当部e2とフランジ相当部c1が一対の接着代として固定化形成されされて設けられ本フランジ付容器が得られることである。
次にはブランク表面におけるフランジフラップ相当部e1とe2を一対の接着代とし、側壁フラ
相当部e2とフランジ相当部c1を一対の接着代として固定化形成されて設けられ本フランジ付容器が得られることである。
以上二つの方法を適正な接着代設置の基軸的指針として各罫線により区画されたp部各相当面において固定化形成すべき部位とすべきでない部位の選別最適化とともに固定化形成される部位の規模最大化が図られるのが本発明の特徴である。
〔発明の課題〕
【0003】
前記公知例にみられる問題を解消するには、望ましいフランジ付容器を得るべくブランクの折曲形成の方針とともに固定化形成の方針とその設計のために最適な接着代の選択を可能とする適正設置基準があらかじめ明示されることが本発明の課題である。
そのためにはすでに公知とされた面相当部と罫線の配置基準となる第1の必要条件を満す多様なタイプのブランクにおいて、これとは別にあらかじめ用意された所定ケ所、部位の接着代の選択肢についてその固定化形成を試行しその評価を逐一実施することにより、多くの選択肢の中から評価のきわだつブランク構成を、望ましいフランジ付容器の形成が保證される接着代の適正設置基準として第2の必要条件を新らたに特定することであった。
上記手続きを、闇くもな試行実験に終始させることを避け、そもそも折紙と云う本テーマが折版構造体であり、そのトポロジカルな特徴に注目し、各種パラメーターと定数の広範囲探査とそれらの相関把握から始まりそれらパラメーター、定数とそのもたらす効用を凾数関係にあるものとしてとらえる論理形式を採用することにより、とりこぼしのない解を正確にとらえることが、本発明のまたの課題とされた。
ここに第1、第2の両必要条件を相互に補完せしめる必要充分条件〔1・2〕が文字通り望ましいフランジ付容器のために過不足のないブランク構成の基本原理として得られるとともに、その解明された基本原理によって、多種多様なフランジ付容器のブランク設計時において、適正な面相当部、罫線の配置方法と並び適正な接着代の設置方法を選択するための最適解を容易かつ迅速に提供することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の大きな課題は、必要条件2つまりブランク上接着代の適正設置基準を解明することであり、そのために有効な解決手続きとその具体的作業を模式化し表1に示した。その作業には大きく二つの流れがあり作業1はすでに公知とされる必要条件1を特定するためのもので、作業2、3は必要条件2を特定するに不可欠のものである。そして最下部の最終成果では上記2必要条件が相互に補完しあい必要充分条件〔1・2〕として望ましいフランジ付容器の形成を保證するブランク構成の基本原理が得られて全作業は完了する。
作業1については当節ではふれず、作業2、3以后を重点的に説明しつつ本発明においてなされた課題の解決方法を簡略化して示す。作業2では多様なブランクが折曲形成された変形扇状部p周辺においてその効果/弊害の度合如何を問わず固定形成が可能とされるかぎりの多様な接着代候補をことごとく探査、收集し、ブランク表面と裏面に類別する。類別された両接着代候補の相互組合せとしてマトリックス表示された上、作業3ではそれら全組合せ方針が必要条件1を満す多種多様なブランクに試行適用された後、折曲形成と固定形成が逐一されて得られた容器について、その成形性能にもたらす、効果/弊害=効用の度合が比較、評価された。その評価の主な目安として容器本体の剛性強度、密閉性とフランジ隅部の水平平坦性の有無・高低が採用され、結果として最大効果と最小弊害が達成されたブランク表・裏各面の一対接着代の選択方針とそれらの組合方針が望ましい固定化形成のために接着代の適正設置基準として特定された。
【表1】
【発明の効果】
【0005】
本発明において特定された必要条件2の補完により、公知の必要条件1のみでは保證されなかったフランジ隅部などの水平・平坦性、剛性強度、密閉性が大巾に改善、向上してフランジ付容器が形成されて得られた。
より具体的には、接着代規模の過小による、フランジ隅部の密閉性不全とフランジ面内外の剛性強度低下を抑止し、また接着代規模の過大によるフランジ隅部の中、小型歪変形の発生を防止し、さらに接着代部位の選択過誤によるフランジ隅部の大型歪変形の発生を回避し、さらにまた食物残留の不快感をもたせる容器内隅部の襞溝を解消するなどの大きな効果がみられた。
〔本発明を実施するための最適の形態〕
【0006】
図1、2、3、4は公知のフランヂ付容器に関わるものであり、図1は、ブランク平面、図2は同容器の斜視図、図3は同容器の部分裏側の斜視図、図4は形成途上の部分表側斜視図である。
図5、6、7、8は本発明のフランジ付容器に関わるものであり、図5はブランク平面、図6は同容器の斜視図、図7の同容器の部分立面図はそのキープラン図8のL1方向から光線による陰影などをV1方向から視たものである。
図9、10、11は本発明のブランク構成を含む試行選択用ブランク平面図であり、図9はブランク表面の平面、図10は図9の部分拡大図であり、図11はブランク裏面の平面図である。
図12、13は本発明の途上で試行され、不適正とされたブランク部分平面であり、図12はブランク表面、図13はブランク裏面である。
図14、15、16は本発明の容器のフランジ隅部図であり、図14はその斜視図、図15はその立面図、図16はその裏面斜視図である。
図17、18、19、20、21、22は本発明の途上で試行され、不適正とされた容器のフランジ隅部図であり、図17、20はその斜視図、図18、21はその立面図、図19、22はその裏面斜視図。
図23、24は本発明の容器のフランジ隅部図であり図23はその斜視図、図24は図23のS−S断面図である。図25、26は本発明の途上で試行され、不適正とされた容器のフランジ隅部図面であり、図25はその斜視図でありキープラン図27のL2方向の光線による陰影などをV2方向から視たものである。
図28、29、30、31、32、33は本発明のブランクの部分平面であり、変形扇状部pの多様な変化タイプである。
図34、35、36、37は本発明の容器に関わるものであり、図34、36はそのブランク平面図、図35、37はその裏側容器の斜視図である。
【0007】
公知の図1には望ましいフランジ付容器をうるためにブランクp部において折曲形成に不可欠な各面相当部とその各罫線の適正な配置方針のもとに設計されたブランクが示されているものの、残念乍ら折曲形成後の固定化形成のための各接着代のしかるべき設置基準が何ら明示されていないために、その固定化形成方法の選択に難渋をきわめ本来の望ましいフランジ付容器は得られなかった。
上記接着代の適正設置基準の解明をはばんで来たのは、容易に克服されない4つの大きな困難があったからである。
まづは先入観がもたらした困難である。上記公知容器とは以て非なるフランジ付紙容器が從来からあり、そのブランクの折曲形成時において容器隅部外側に突出する側壁フラップを片側壁面に密着倒置し固定化形成したものとしてよく知られており、その形成方法をフラップの引き倒し方式と呼ぶ。その隅部構造が全く異質でありながら、全体の構成が以かよっていたためか、上記フラップの引き倒し方式をして公知容器の固定化形成方法として採用することにこだわるあまり、その方法からの脱却と新発想の固定化形成方法への切り換えまでに少からずの回り道があった。
2番目は本発明のブランクを折曲形成後にp部の固定化形成を行う際に、その成否に直接又は間接的に影響を与える数々の各面相当部とそれらを区画する各罫線などが多彩であるとともに、接着代周辺又はブランク全体に広く分布していることから、つまり固定化形成の効用度合に関わりをもつ形状変数項目とそのパラメーター変動巾があまりに数多くかつ広範囲であるために、上記効用度合を最大化る各変数項目内パラメーター値を特定するに大変な困難を余儀なくされた。
3番目には、固定化形成のための接着代候補(固定化可変定数)自体が、ブランクp部内面相当部の区画に必ずしも拘束されることなく、その部位、規模の自在な選択が可能であるために適正なる接着代とその設置方法を特定することは容易でなかった。
そして4番目には、すべての形状変数項目と所定のパラメーター値のもとに選択された接着代の設置方針によりしかるべき固定形成がされたとしよう。その固定化形成の結果から比較、評価されるべき効用の目標項目が、容器としての剛性強度、密閉性そしてフランジ隅部形状の安定性、美観など多岐にわたることから、これらの各種評価項目を同時に最大化しうる形状変数パラメーターと接着代可変定数を特定するには多大な困難がともなった。
【0008】
望ましいフランジ付容器の最終形成のためには、公知のブランク設計だけではまりに不充分であり、前記の様な諸問題を発生させた。したがって公知の技術であるブランクp部に設けられた折曲形成用の適正罫線とその配置方針が望ましいブランクとその容器のための必要条件1とすればそれを補完する必要条件2をして様々な前記困難を克服しつつ解明することが本発明最大の課題である。
その必要条件2は、必要条件1と並ぶ望ましい容器形成のために不可欠なものであるが、その制約範囲を大きく異にし、ブランクp部に設けられた固定化形成のための適正な接着代の設置方針を規定することをその役割とする。本発明で解明すべき上記必要条件2の位置づけとその解明作業の流れを公知の必要条件1と対比しつつ、表1を用いて説明する。表中一点鎖線内が本発明の作業とその成果、その外が公知の作業とその成果である。
全体の作業、成果を通じて読みとれるのは、折曲形成のための必要条件1と、固定形成のための必要条件2との大きな二つの解明作業があり、その作業の流れが直列とならず途中まで並列とされた条件1の流れが条件2のそれに合流することにより、最終の必要充分条件〔1・2〕が得られたことをその特徴としている。
そのために必要条件1の核とされるのは、ブランクp部における罫線の配置基準Dであり、必要条件2の核とされるのはp部における接着代の設置基準A−Bであり、両基準は相互に制約しない間柄にありその選択、特定の作業は個別に行われたが、両基準のもとで検証される周辺の各面相当部と各区画罫線などの形状変数を介して、その相互関係が保たれることを二つ目の特徴としている。
本発明の必要条件2の本格的解明作業が開始されるに先だち、前記4つの困難に至る因果関係を正確にとらえるべく次の様な対応策がとられた。第1の先入観からくる困難は体験的形成作業の繰り返えしにより回避され、固定化形成に間接的に影響を与えるブランク上の多様な形状ファクターの存在確認により第2の困難の見取図が、そして固定化形成に直接的な影響を与える多彩な形状ファクターの確認により、第3の困難の見取図が描かれ、第4の困難は容器の最終形成にまで至る具体的なシュミレイシヨン作業により、そのおぼろげな輪郭がうかんで来た。
【0009】
以上の過程を経て、本格的な必要条件2の解明にもとめられたのは、それを可能とするブランク設計方法の新発想とその具体的実現手段であり、それを凾数モデル式に準拠する論理構成としておきかえるとともに、その構成に忠実な段階手続きを採用することを通じて、前記困難2、3、4がすべて克服された。以下にその体系的な作業のあらましを述べる。
望ましい容器を得るためにブランク上の所定重点ケ所において期待される複数の効用項目があらかじめ設定された。ブランク各部位とその仕様を構成し性格づける諸ファクターが各カテゴリー毎にとりこぼしなく抽出された後、上記効用項目とその水準実現の貢献度合により類別された。類別された3種ファクターでは相互の制約関係の有無、強弱が確認されたのち、1種のファクターを形状変数、のこり2種のファクターを形状可変定数としてその役廻りがおのずと限定された。トポロジー凾数記号を介して目的凾数の効用度合と1種の形状変数と2種の形状可変定数の凾数関係が設定された後、変数の如何にかかわりなく、目的凾数を最大とする2種定数を特定するために〔折曲形成のための罫線の配置方針候補〕とし〔固定化形成のための接着代の設置方針候補〕とした2種可変定数に操作が加えられた。まづ後者・可変定数が仮設定されて前者・の解・定数を得て、次に前者・可変定数が仮設されて後者の解・定数を得たが、その設定された両定数のもとで形状変数を自在に変化させ所定の最大効用が得られることを確認したあと最終的な2定数が決定された。
結果として上記作業は望ましい容器のためのブランク設計に不可欠なブランク構成の基本原理を完成せるための必要条件2の解明に極めて有効であったとともに、公知の必要条件1の位置づけとその論理的正しさの立證に役立った。
【0010】
望ましい本容器の形成に不可欠な必要条件2すなわち固定化形成のための適正なる接着代設置基準の解明全作業をして、その主要な論理構成として採用された凾数モデル式を用いて説明する。
表1に示される通り、公知の作業化その成果では、まづブランク上に設けられるすでの部位の面相当部と罫線についてその様々な変化タイプを探査、收集する。收集されたもののうちブランク隅部の折曲形成の効用度合を大きく左右する部位とそうでない部位に別け、前者をその形状などの
変数Xl、Ymとしてその各々の役割が与えられる。それをモデル式化すると、
【数1】
となり、p部の折曲形成により得られる効用度合pを検証、評価するために、ブランク設計に
代入した。その数10ケースに及ぶシユミレイシヨン検証の結果得られた最大効用Pとそれを
形状変数Xl、Ymグループを新形状変数Znとして得られ、それをモデル式化すると以下の様に表らわせる。
【数2】
以上が公知の必要条件1つまり折曲形成のための適正なる罫線配置基準の解明作業の流れが本発明に採用された論理構成に準じて、あらためて置きかえられたものである。
本発明の当必要条件2の解明作業では、まづブランク上に配置された各面相当部と各罫線により、必ずしも制約されることもなく設置される接着代の特徴に着目しつつ、フランジ隅部において折曲形成後に行われる固定化形成を大きく左右すると思われる接着代の各部位組合せの変化タイプを探査、收集する。なおブランク表・裏両面における各接着代を可変定数Ai、Bjとしてその組合せマトリックスを作表した。かたや固定化形成をさして左右しない形状変数Znを数式2から組入れてモデル式化すると
【数3】
となり、p部の折曲形成後の固定化形成により得られる効用度合qを検証、評価するために、ブランク設計において接着代可変定数Ai、Bj、形状変数Znの具体的各種変化タイプをモデル式に逐一代入した。その数10ケースに及ぶシユミレイシヨン検証の結果得られた最大効用Qとともにそれをもたらした適正なる接着代可変定数Ai、Bjを組合せ接着代定数A−Bとして得られ、形状変数Znを最適形状変数として得られた。それをモデル式化すると
【数4】
となり本数式4において選択された組合せ接着代定数A−Bはブランク折曲形成後の適正なる固定化形成のための必要条件2として解明されたものであり、さらにモデル式4の凾数関係は、本発明の望ましいフランジ付容器の最終形成を保證するブランク構成の基本原理を指し示し、そのためのブランク設計に不可欠な必要充分条件〔1・2〕と云う万能基準を提供したことになる。
【0011】
記号の説明
p―――折曲形成時の効用度合。
P―――同上最大効用。
q―――固定化形成時の効用度合。
Q―――同上最大効用。
f・F――トポロジー凾数記号。
Xl――P部外の形状変数。
Ym――P部の形状変数。
D―――適正罫線定数。
Ai――ブランク表面 接着代可変定数(候補)。
A―――同上適正接着代定数。
Bj――ブランク裏面接着代可変定数(候補)。
B―――同上適正接着代定数。
A−B――適正組合せ接着代定数。
【0012】
前段では効用凾数pから最大効用凾数Pを得るために、その根拠となる
罫線定数Dを解明するまでを、あらためて示した公知過程とともに、効用凾数qから最大効用凾数Qを得るためにその最適な接着代定数A−Bを解明するまでの本発明過程を一連の凾数モデル式によるごく抽象的な論理構成として示したが、本段ではその全過程を出来るかぎりビシユアルな表現と具体的な形状部位記号を用いつつ、実際に行われた作業の流れとその逐一とられた手続とその内容に則して平易に示した。
まづ手始めに行われたのは効用凾数をもたらす説明変数と定数の全候補とされるべきもののリストアップであった。各種部位の形態要素とその組合せがもたらす無限に近い多種多彩なブランク構成にあって、各面相当部とそれらを区画する各罫線などの具体的仕様とその変化とともにそれら各面、各罫線と独立した関係にある接着代の具体的仕様とその変化を探査・收集した上、それらを部位、機能別に類型化し最小限のカテゴリー数として整理することから手がつけられた。
その主要なもののみを表4、5、6、7に示した。表4には公知ではあるが本発明に少からず関
うちブランクp部内フランジフラップ相当部における各単位面とそれを区切る各罫線とその相互傾斜角などの仕様として考えられる主だったものを列挙した。表中D1〜D9の各仕様はすべて周辺p部、p部以外の各仕様により制約されることなく設けられるものである。
【表4】
表5に示されものは公知とされながら、本発明のテーマにとっても基盤的要素群であり、つまり2種の形状変数にわけ、上記フランジフラップ相当部をのぞくブランクp部の各面相当部とそれを区切る罫線の部位、形状にかかわる配置仕様各種でありそれを形状変数Ymとし、他はp部をのぞく全ブランクの各面相当部とそれを区切る各罫線の配置仕様各種を形状変数Xlとした。表中Xl、Ymはいずれも独立した変数項目であり自在な変化パターンをとりうる。
Znは必要条件1に大きく支障をきたさない変化パターン内に限定された前記Xl、Ymの総称である。
【表5】
表6には、本発明の最大テーマである可変定数としての一対接着代の設置仕様であり、ブランク表面の接着代Aiとして選択可能な候補がことごとく探査收集され、全5種として示された。
表7には、ブランク裏面の可変定数としての一対接着代Bjの設置仕様であり、その選択可能な候補がすべて網羅され、全5種として示された。上記一対接着代AiとBjは相互に部分的な制約関係にある可変定数とされ特徴的である。
【表6】
【表7】
【0013】
目安として設計された多種多様なブランクについてその折曲形成後に得られた効用度合pがその各ポイントに検証された上、各ポイント相互にその比較評価がされた。その結果最大の効用Pとそれに準ずる効用があると選択されたのが表2の立体座標上の点線内斜線表示される略楕円平板状部に分布する各
表4のD6とそれに限りなく接近するD7、D8に相当するものである。この楕円平板状部分があまり厚さのない水平方向に偏平なものであると云うのは、望ましい折曲形成のための罫線定数DのほぼすべてをD6仕様で占めると云う、気むずかしいトポロジー凾数関係を示している。なお折曲形成によりもたらされる効用度合pはフランジ隅部において、1)双方向フランジ端部の同一面密着性、2)同左端部附近の水平、平担性、3)折曲形成時の応力低減とした3性能如何を問うものであり、最大効用Pとは上記3性能をことごとくクリアー出来て、定性的評価ながらその効果/弊害を最大として得られた結果である。
【表2】
表3において、前記数式3の凾数モデル式q=(Ai−Bj)−F(Zn)を立体座標として模式化表示しており、接着代可変定数Ai、同可変定数Bj、適正形状変数Znが3軸とされた立体座標上の各ポイント毎に読みとれるAi、Bj、Znの個別仕様を目安として設計された多種多様なブランクについてその折曲形成後に固定化形成されて得られた効用度合qが各ポイントに検証された上、各ポイント相互にその比較評価がされた。その結果、表3の立体座標上に点線内斜線表示されるぶ厚い板状部分が、数式3にある最大効用Qとそれに準ずる効用を得られる各ポイント集合A−Bであり、よりくはしくは表8の◎印又は○印のつく組合せケースA3−B4、A2−B4、A1−B4が固定化形成のための適正な接着代組合せとして解明された。上記最大効用をもたらす接着代定数の適正範囲がぶ厚い板状とされるのは、望ましい固定化形成のための接着代定数A−Bの大部分をA3−B4又はA2−B4又はA1−B4の仕様で占めればよいとする、おおらかなトポロジー凾数関係を示している。
【表3】
【0014】
上記表3に示された固定化形成時の最大効用Qを可能とする適正な接着代の選択、特定のための手続を詳説するべく表8の効用度合q評価マトリックス表を用いる。
横軸をブランク表面の接着代候補Aiの各設置ケースが、縱軸をブランク裏面の接着代候補Bjの各種設置ケースが示され、表現の制約からZ軸が省略されて2次元座標が示された。
各ケースの記号は図10、11のそれに対応しており、図示されないが多様な所定の形状変数Znと折曲形成の適正定数Dのもとで設計された各種ブランクについて、折曲後に上記マトリックス内各ポイント毎に組合せられた接着代候補の設置方針の通り固定化形成を試行し、繰り返えした。
その結果として、多様な接着代の選択による固定化形成後の効用度合qが比較評価され、表8において5段階の記号×、△、□、○、◎が表示されている。×印では大巾な剛性強度の向上がありながら極端な歪変形が発生。△印では剛性強度がありながら中程度の歪変形が発生。□印では歪変形が発生しないものの剛性強度と密閉性が低下。○印では特定の接着手段にかぎり歪変形発生せず剛性強度向上。◎印では接着手段にかかわらず歪変形発生せず、剛性強度向上。などとして総合判定されて得られた。
なお、固定化形成の効用度合qは上記判定結果を整理すると、まづフランジ隅部表面の折曲形成が前記最大効用Pを満すことを大前提として、1)フランジ隅部における水平、平担性、2)同隅部における面内外の高い剛性強度、3)同隅部における高い密閉性とした3性能の充足如何を問うものであり、最大効用Qとは上記3つの性能をすべて安定的にクリアーするものであり、定性的評価ながらその効果/弊害を最大として得られることである。
【表8】
【0015】
表8に示される、接着代による固定化形成後に確認された効用度合qの評価マトリックスにおいて、試行実験の結果望ましい効用度合が得られなかった諸ケースについて各種接着代の組合せ方針のもと設計された多様なブランクサンプルによる実際の容器形成を通じて確認された大きく4つの問題点を具体的に述べる。
表8に示される一対接着代の表、裏ブランクにおける組合せ設置ケースA1−B1は、公知の図2、3にある通りp部裏面が側壁に、またp部表面が相互に深々と固定形成され、つまりブランク裏面p部の試行構成図9に示される側壁フラップd2と側壁b1が一対接着代として選択され2とともにブランク表面p部の試行構成図11に示される(フランジフラップe1+同e3+側壁フラップd3)と(フランジフラップe2+同e3+側壁フラップd3)が一対接着代として選択され本容器が形成された場合であり、その結果として容器フランジ隅部において両フランジ端部相互の部分的離隔が発生することから容器の密閉性に難があり、またその面内・外に充分な剛性強度が得られないとともに図17、18、19にある如くフランジ隅部においてその水平面が全く保てず外縁側に激しく傾斜すると云う重大な歪変形の発生を余儀なくされた。
この場合とその効用度合qに大きな差異はないが、ブランク表面の各一対接着代A2、A3、A4、A5とブランク裏面の一対接着代B1の組合せ選択があり、また表8には示されていないが上記接着代B1と同各接着代B2、B3、B4、B5を裏面接着として適宜組合せた選択があり、結果としていずれかの場合も、著しく低い効用度合qとして得られフランジ隅部の面内外の高い剛性強度が得られるものの重大な歪変形を余儀なくされた。結論的には、接着代の選択ケースB1を中心にすえたすべての組合せケースは、折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正形状変数Znの如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい固定化形成の方法とはなり得なかった。
【0016】
次に表8内の接着代の組合せ・設置ケースA1−B2は、ブランク表、裏両面のp部においてフランジフラップeから側壁フラップdの一部にまで及ぶ広い範囲の固定化形成が図られており、つまりブランク裏面p部の試行構成図10に示される(フランジフラップe2+同
とともにブランク表面p部の試行構成図11に示される(フランジフラップe1+同e3+側壁
容器が形成された場合であり、その結果として容器フランジ隅部においてその面内外に高い剛性強度が得られながら、図17〜19と図20〜22に示される両外観図の中間程度にフランジ隅部が外縁側に傾斜し、面外に波打つと云う無視しがたい歪変形の発生を余儀なくされた。上記場合とは別に表8のブランク裏面の一対接着代B2とブランク表面の各一対接着代A2、A3、A4、A5との組合せ選択があり、接着代がA2→A3→A4→A5へと移行するにつれフランジ隅部において、両フランジ端部相互又はフランジフラップe1とe2の、密着部位の減少により容器密閉性が低減し、剛性強度が低下しつつ、いずれも中程度の傾斜変形が発生することから、固定化形成された容器には低い効用度合をやむなくされた。上記の通り試みられた接着代の組合せ設置ケースは、折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正形状変数Znの如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい固定化形成の方法として得られなかった。
次には表8内の接着代組合せ設置ケースA2−B3であり、上記A1−B2と比較して固定化形成されるべき表・裏両面の一対接着代がより浅く設けられ、つまりブランク裏面p部
選択されるとともに、ブランク表面p部構成図11に示される(フランジフラップe1+同e3)と
その結果として容器フランジ隅部においてその面内外にやや高い剛性強度が得られるものの図20〜22にある如くおおむね水平面が保たれつつも面外にいささか波打つと云う小さな歪変形の発生を余儀なくされた。この場合とは別に、表8のブランク裏面の一対接着代B3とブランク表面の各一対接着代A1、A3、A4、A5との組合せ選択があり、接着代がA1→A3→A4−A5へと移行するにつれてフランジ隅部においてフラップe1とe2との接着面積から減少するため、容器密閉性が低下し剛性強度が低下しつつ微弱な波が発生することから結果としていずれも充分な効用度合qを得られなかった。上記の通り試みられた各接着代の組合せ設置ケースは折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正形状変数Znの如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい固定化形成の方法として得られなかった。
そして表8内の接着代組合せ設置ケースA4−B4は上記A4−B3のケースと比較して固定化されるべき表・裏両面の一対接着代がさらに浅く(縮小面積として)設けられ、つまりブランク
とフランジフラップe2が一対接着代として選択されて容器が形成された場合であるがその結果として容器フランジ隅部においてその水平、平担性が折角保たれながら、表面フランジフラップの接着面積が大巾に減少するために、フランジ面内外の剛性強度が著しく低下し容器密閉性が著しく低下した。この場合とは別に表8の組合せ設置ケースA5−B4は上記設置ケースA4−B4の接着面積と同等とされるため、そのフランジ隅部における剛性強度と密閉性に難点が少くないと云う問題点があることから、上記A4−B4と並び残念ながら好ましい固定化形成の方法として採用されるものでなかった。
さらにまた表8内の接着代組合せ設置ケースA5−B5は、上記各ケースの中で最小の接着代面積として設けられるもののひとつであり、つまりブランク裏面構成図12に示されるフランジフラップe2/2とフランジc1/2とが一対の接着代として選択されるとともにブランク表面構成図13に示されるフランジフラップc1/2と同c2/2が一対の接着代として選択されて容器が形成された場合であり、その結果として容器フランジ隅部においてその水平、平担性が折角保たれながらフランジフラップ裏面の接着面積が大巾に減少することにより、そのフランジ隅部の面内外の剛性強度が一層低下し、フランジフラップ表面における密閉性が著しく低下せざるを得なかった。
この場合とは別に表8内のブランク裏面の一対接着代B5とブランク表面の各一対接着代A1、A2、A3、A5の組合せ選択があるが、フランジフラップ裏面の接着面積を著しく縮小されて設けられるためにフランジフラップ表面の接着面積規模の増減にかかわりなく、上記接着代の組合せとして設計されたブランクとその形成された容器には、そのフランジ隅部において評価にたえる剛性強度をついに見出せなかった。上記の通り試みられた各接着代の組合せ設置ケースは、折曲形成の適正配置基準を満しながら、またその適正な形状変数の如何にかかわらず、しかるべき高い効用を保證する好ましい、固定化形成の方法とはなり得かった。
【0017】
以上の様なしかるべき高い効用をもたらさなかった接着代の組合せ設置ケースを重要な足がかりとして、探査、選択し得た最大効用を保證とする適正な接着代の組合せ設置方針を以下に明らにする。
表8内に示されるブランク表面と裏面における一対接着代の組合せ設置ケースの中で、固定形成時の最大効用Qをもたらす接着代定数A−BつまりケースA3−A4が特定されて得られた。それはブランク裏面の試行構成図10に示されるフランジフラップe2とフランジc1が一対接着代として選択されるとともにブランク表面p部の試行構成図11に示されるフランジフラップe1と同フラップe2が一対接着代として選択されて容器が形成される場合であり、その結果としてフランジ全延長とりわけフランジ隅部においてその水平、平担性が安定的に形成・保持され、またフランジ隅部における面内外の剛性強度が充分に得られそしてまた双方向フランジ両端部の密着性とともに表面フランジフラップe1とe2の接着面積を充分としてその密着性が安定的に確保されることにより容器としての申し分のない密閉性が得られた。
ただし折曲形成に適正な形状変数項目Zn内の多様なパラメター変化のもとに上記接着代の組合せ方針A3−B4により設計して得られたブランクについてその折曲形成後の固定化形成を行った結果、上記パラメーター変化のうち高い剛強度が得られないケースが明らかとなった。それはまづ、1)変数項目X4におけるパラメーターが6辺以上の場合、次に2)変数項目X3におけるパラメター勾配が60°以上の場合、そして3)変数項目X3におけるパラメーター勾配15°以下の場合、さらに4)変数項目X2におけるパラメーターL3/L2が0.25未満の場合などにおいて問題が発生し、とりわけ1)と2)、1)と3)、2)と4)、3)と4)の各組合せケースではより顕著となった。すなわち上記各ケースにおいてはブランク表、裏両面の接着代(e1−e2、c1−e2)の面積規模が極端に小さくなるため、フランジの水平、平担性が保たれるもののフランジ剛性強度とともに容器密閉性が大巾に低下することが確認された。
なお上記組合せケースA3−A4と別に表8のA1−B4、A2−B4の両ケースでは上記ケースA3−B4に得られた高い効用Qと同等のものが確認されたが、固定化形成時の固定化手段が限定されるためワンランク低い評価を与えられた。それはA3−B4ではすべての手段が採用されるのに対して、A1−B4、A2−B4では、接着剤の塗付と云う手段の採用によってのみ可能であり、ごく一般的なヒートシール手段ではその目的はまっとうされないからである。
上記一対接着代の組合せ3ケースの検証により、必要条件1として特定された折曲形成の適正配置基準がそのまま適用されるとともに一部の変数パラメーターが除外された適正形状変数Znのもとで、最も好ましい固定化形成のための一対接着代の適正設置基準を必要条件2として選択特定することが出来た。
なお上記各種接着代の組合せとその評価マトリックスとは別に、ブランク表面の試行
により、図25、26の陰影Tを解消出来て、図23、24の様に設けらたが、この一対接着代の適正設置基準は上記適正設置基準A3−B4、A1−B4、A2−B4とまた折曲形成の適正配置基準D5とそして形状変数の適正パラメーターZnとの併用に何ら不都合をきたさないことが多様な試行ケースにより明らかとなった。
【0018】
最良なフランジ付容器の形成を可能とするブランク構成の基本原理の存在は、前記の様な新規発想による、トポロジロル論理の展開思考方法とその実証的試行評価作業により前記の通り解明されたことから確認された。
つまり望ましい折曲形成を可能にする必要条件1と望ましい固定化形成を可能とする必要条件2が相互に、補完し合うことにより機能する必要・充分条件〔1・2〕の発見により本ブランク構成の基本原理がすべて完成して得られたことになる。
その必要充分条件〔1・2〕とは、図5、9、10、11、28〜33などのブランク平面に示される通り、底面相当部aとその各辺に隣接する各側壁相当部bとその外側に隣接する各フラジ相当部cが設けられるとともに、その各辺の隅部外側に側壁フラップ相当部dとフランジフラップ相当部eを連続一体として変形扇状部pが設けられ、前記各変形扇状部pはその要の部位又はその部位周辺を基点として外側に向け略放射状に複数の罫線が設けられ、さらにそれら放射状罫線の一部分又はすべてが、外側に伸びて前記側壁フラップ相当部dとフランジフラップ相当部eを区切る罫線1又は2又は1、2両方において折れ曲りその折れ曲った罫線を含め全てが相互に略平行状罫線として前記フランジ相当部eを延出してなるブランクから折曲形成され、前記フランジフラップ相当部eは前記略平行状罫線に沿って折曲形成され、て設けられた相対向する対方向のフランジ相当部cの両端部が、前記フランジフラップ相当部eの中央部において段差を形成することなく密着されて設けられるとともに、図9、10、11などに示される通り前記ブランクの表面におけるフランジフラップ相当部e1と同e2とのすべてか大部分が、
か大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定形成され、同ブランクの裏側におけるフランジフラップ相当部e2とフランジ相当部c1とのすべてか大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定形成されて設けられることを大前提とした、本フランジ付容器を得るために不可欠な、ブランクの設計と形成方法の基本指針である。
本発明において最重点が置がれたのは、上記必要充分条件〔1・2〕内の2本柱とされる必要条件1、2の相互関係の解明であるとともに必要条件2の厳密な選択、特定であった。その必要条件1を、具体的なブランク設計から最終形成に至る試行、評価、選択の実施成果を通じて、詳細に説明する。
前記、諸変数、諸定数相互に想定された複雑な関わりとそのもたらす関係の濃淡を見きわめた上で、最終成果としての効用の最大化を安定的に約束しうる、特定定数の探査作業により、上記の如き望ましい容器のためのブランク構成とそのp部における適正な一対接着代による適正な組合せの設置基準を解明し得た。
それをより具体的に示すために、評価マトリックス表8と3軸座標上構成図表3と試行選択用ブランク構成図9、10、11を用いると、表8において◎印と○印がされているが上記設置基準にかなう一対接着代の組合せであり、それは表3にある点線で囲れたぶ厚い板状部分に相当し、さらにくわしくはブランク表図11のフランジフラップe1と同e2を表面の一対接着代とし、ブランク裏面10のフランジフラップe2とフランジc1を裏面の一対接着代として組合せたものが上記◎印の最適正な接着代の設置基準であり、それとはいささか異るのは、ブランク裏図10のフランジフラップe2とフランジc1を裏面一対接着代としブランク表図11の(フランジフラップe1+同フラップe3)としフランジ
せたものが上記○印の適正な接着代の設置基準である。
なお上記適正接着代の設置基準として図示されているが、それらの基準の延長上に、ありながら図示されていないものがある。それはブランク表面図11においてフランジフラップ
まで拡張されて設けられるか及至は外縁部輪郭線よりごく一部分後退、縮小されて設けられた両部位を表面一対接着代とされたものがあり、また(フランジフラップe1+同フラップ
に限定されず、上記の様に拡張され又は縮小されて設けられるとともにブランク裏面図10においてフランジフラップe2とフランジc1の両区画に限定されず、区画罫線2と区切り法線Qをこえごく一部分にまで拡張されて設けられるか、及至は外縁部輪郭線よりごく一部分後退、縮小されて設けられた両部位を裏面一対接着代とされたものがある。上記表面と裏面の拡張又は縮小されて設けられた両一対接着代が適宜上組合せられたものも適正なる接着代の設置基準として、望ましいブランク構成の必要充分条件〔1・2〕を満して本発明に有効である。なお、上記フランジc1がブランク裏面の適正な接着代の一部分として選択さているが、これとちがい図9に
【0019】
以上は本発明の原則的なブランク構成とその形成方法を示したが以下に各種実施例においてその特徴を補足説明する。
図5に示される本発明のブランクは、必要・充分条件〔1・2〕を満す最低限の構成とされ、図6、7にはその最終形成がされた本フランジ付容器であり、その特徴的な点は、陰影Tにみられる通り、側壁bと変形扇状部pが密着せずフランジに近づくにつれより離隔さられ、フランジ際では腰折れ部分を介してフランジと密着せられることである。
が設けられそれが固定化形成されて得られたのが図23の容器斜視図、図24のS−S断面として示されており、上記一対接着代は他の適正接着代と併用されても何の支障もないものである。
図28〜33に示されるブランク隅部では、すべての本発明の必要充分条件〔1・2〕が採用されるべき望ましいブランク構成が示され、とりわけ、フランジフラップ相当部eと側壁フラップ相当部dの区切り罫線の有無又はその本数にかかわりなく、又側壁フラップd1と同フラップd2の区切り罫線の中央線Uとの角度にかかわりなく、又、側壁フラップd1と底面aとの区切り罫線の有無、形状、本数にかかわりなく、本発明の望ましいブランク構成として有効であり、この他にも多種多彩なp部の構成があっていずれも本発明に有効である。
なお、上記区切り罫線1、2が設けられない場合は、前記フランジフラップe1と同フラップe2に相当する部位のみを、あらかじめ熱風加熱処理などを行ったあと、しかるべき上下一対の成形型による加圧により本発明に有効な固定化形成が実施されるとよい。
図34−37に示される底面aでは、反曲罫線7を介した湾曲状上底として設けられ、図38〜39に示される底面aでは平板状上底として設けられるものであり、この他に様々な底面aの変形タイプがあるがその形状如何にかかわりなく、必要充分条件〔1・2〕を満していれば本発明に有効である。
【0020】
最良のフランジ付容器を得るために望ましいブランク構成は、その必要充分条件〔1・2〕の解明により実現したが、その条件〔1・2〕が望ましいブランクとその容器に及ぼした作用ともたらした効果をまとめて説明する。
必要充分条件〔1・2〕を必要条件1と2を便宜上切り離してそれらの作用を示したい。ブランクp部における各面相当部とその各区画罫線の部位、形状の適正な配置方針が必要条件1によって規定されることにより、そのブランクの折曲形成時において他の形状変数の如何にかかわらずフランジフラップe2とフランジcを区切る罫線の折曲により形成される相対向する両フランジ端部が、フランジフラップe1の中央部において相互に密着されて設けられた。その結果、上記端部とフラップe1と間に発生すべき段差が解消され、また両フランジの端部の重層化による段差、又は離隔によるすじ溝の発生がさまたげられた。さらに純粋な折紙方式による、内部応力最小とする折曲形成方法が全面採用されたため自動機による製凾工程においてその形態加工の安定性が確保されることとなった。
ブランクp部における接着代の部位、規模の適正な設置方針が必要条件2で規定されることにより、そのブランクの折曲形成後において、実質的に他の形状変数の如何にかかわらずブランク表面の一対接着代e1とe2及び裏面の一対接着代e2とc1の固定化形成によりフランジ隅部の各種歪変形が抑止されることを前提にした最大規模の接着面積が確保された。さらに内部応力の発生を最小とする接着代設置とその固定化形成の方法が採用されたため自動機による製凾工程においてその形態維持の安定性が確保されることとなった。
次には、上記と同じく、必要条件1と同2を切り離してその効果を示すと、まず必要条件1のおよぼす作用により、容器フランジ上に蓋材をヒートシールしたとき、段差、連通孔を発生させないフランジと蓋材の間において充全な密着固定化がされることから、蓋付容器としての高い密閉性が得られた。またフランジ隅部における全ブランクシートがその重層厚を実質的に一様、均一として設けられて脆弱部が排除されることから同隅部の面内外に高い剛性強度が得られるとともに角度90°などとした双方向の両フランジ端部が45°などのトメ納まりとして設けられることから端整な美観としたフランジ隅部が得られた。
そして必要条件2の及ぼす作用によりもたらされる効果は小さくなく、フランジ隅部が水平、平担面として形成されることから、その美観上の利点にとどまらず、平担状蓋材、成形蓋材による各ヒートシール、嵌合時にその密着設置が容易となりフタ付容器としての高い密封効果が得られるとともにフランジ面内外の剛性強度も向上して得られた。またフランジが水平平担性を維持されながら、固定化形成されるべきブランク裏面接着代の規模が最大化とされることから、容器のフランジ隅部においてその面内外の剛性強度が更に向上して得られ、ブランク表面の一対接着代e1とe2の固定化形成されるべき規模が最大化さとされることからフタ付容器として設けたときその密封効果は更に向上して得られた。上記効果に加えて、ブランク表面の側壁
向上し、側壁端部と側壁フラップの内に発生する溝襞が解消されることにより容器内充填物の液汁、残渣などの浸入が防止された。
上記の通り、公知の必要条件1により与えられた作用・効果に限定されず、本発明において解明された必要条件2とその必要充分条件〔1・2〕により、さらなる多様な作用とその高い効果を可能とした新フランジ付容器がはじめて実現して得られた。
【0021】
前記詳細なる説明の中でしばしば用いられる語句として「折曲形成」「固定化形成」があり、まづ「折曲形成」とはブランクがその面上各罫線上における広い意味での折曲加工とそれにより行われる立体化又は複層化の総称であり、次に「固定化形成」とは折曲形成後のブランクが所定の一対接着代において各種接着手段、各種緊結手段による立体形態の固定化又は複層形態の固定化の総称である。
「湾曲罫線」とは、ブランク外側へ向けた凸状湾曲又は凹状湾曲の線分とした罫線配置であり、その曲率は自在に選択され、ときには直線分、折曲直線分などとの組合せ又は凸状と凹状の両湾曲線分の組合せも含まれる。
「フランジ」とは大きく2種類あり、単層状フランジcと折り返えし部分fと単層状部分cを固定一体化した複層状フランジc+fがある。
「蓋材」とその設置方法については、平板シート状蓋材を本容器フランジと固定化形成する方法があり、また立体形成されたプラスチック又は紙などの蓋材を本容器フランジ部内側又は外側に篏合する方法がある。上記平板シート状蓋材には、紙シート又は紙を基材として各種コート加工、ラミネイト加工したもの又は金属箔、粒子をラミネイト、蒸着加工したものものがあり、プラスチック蓋材には生分解性の樹脂を用いてもよい。
これらとは別に本容器と連続一体のブランクシートから形成される蓋材があり、その蓋材は平板状又は折曲、固定化形成された立体状ものでもよい。
「ブランク」のシート材は、紙シート又は紙を基材とした各種コート、ラミネイト、蒸着などの加工を行った各種複合シート類が用いられ、ときには一般的プラスチックシート、生分解性プラスチックシート、金属シートなど折曲形成、可塑性加工が可能であればその材質を問わない。
また単一ブランクから本発明の単一容器が形成されるが、これとはちがい複数のブランクが連続一体のシート上に設けられ、それが折曲・固定化形成されて、複数の本容器が連結して得られるか又は上記ブランクに蓋材部分も連続体とされそれが最終形成されて複類の蓋材付本容器が連結して得られる大型ブランクも本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明によるフランジ付容器は、比較的大きな開口部を求められる食品用包装材として有効であるだけでなく、各種小物日用品用、医薬、医療資材の密閉型包装としても有効であり、さらに小物建材、輸出入工業部品などの密閉型包装として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】公知のフランジ付容器のブランク平面。
【図2】公知のフランジ付容器の斜視図。
【図3】公知のフランジ付容器の裏側部分斜視図。
【図4】公知のフランジ付容器の形成途上の表側部分斜視図。
【図5】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図6】本発明のフランジ付容器の斜視図。
【図7】本発明のフランジ付容器の部分立面図。
【図8】本発明のフランジ付容器ののキープラン。
【図9】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク裏面構成図(平面)。
【図10】図9の部分拡大図。
【図11】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク表面構成図(平面)。
【図12】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク裏面構成図(平面)。
【図13】本発明のフランジ付容器のための試行用ブランク表面構想図(平面)。
【図14】本発明のフランジ付容器の部分斜視図。
【図15】本発明のフランジ付容器の部分裏側斜視図。
【図16】本発明のフランジ付容器の部分立面図。
【図17】本発明のフランジ付容器の試行用部分斜視図。
【図18】本発明のフランジ付容器の試行用部分裏側斜視図。
【図19】本発明のフランジ付容器の試行用部分立面図。
【図20】本発明のフランジ付容器の試行用部分斜視図。
【図21】本発明のフランジ付容器の試行用裏側部分斜視図。
【図22】本発明のフランジ付容器の試行用部分立面図。
【図23】本発明のフランジ付容器の部分斜視図。
【図24】図23のS−S断面図。
【図25】本発明のフランジ付容器の試行用部分斜視図。
【図26】図25のS−S断面図。
【図27】本発明のフランジ付容器のキープラン。
【図28】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図29】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図30】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図31】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図32】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図33】本発明のフランジ付容器のブランク部分平面図。
【図34】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図35】本発明のフランジ付容器の斜視裏側図。
【図36】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図37】本発明のフランジ付容器の斜視裏側図。
【図38】本発明のフランジ付容器のブランク平面図。
【図39】本発明のフランジ付容器の斜視裏側図。
【符号の説明】
【0024】
a――底面、同相当部。
b――側壁、同相当部。
b1―b部内接着代相当部。
c――フランジ、同相当部。
c1―c部内・接着代候補。
c2―c部内・接着代候補。
c3―c部内・接着代候補。
d――側壁フラップ、同相当部。
d1―d部内・区画部。
d2―d部内・区画部、接着代候補。
d3―d1部内・接着代候補。
e――フランジフラップ・同相当部。
e1―e部内区画部、接着代候補。
e2―e部内区画部、接着代候補。
e3―e1部内区画部、接着代候補。
e1/2―e1部内3角状接着代候補。
e2/2―e2部内3角状接着代候補。
p――変形扇状部。
f――フランジ折返えし部。
g――フタ材
Q――境界線(罫線2の延長法線)。
R――境界線(罫線1の延長法線)。
S――断面記号。
T――陰影。
U――中心線。
V1、V2―視線。
L1、L2―光線。
W――境界線(側壁bとフランジcの区切り罫線の対称法線)
1、2―e、d両部区切り罫線。
4――d部中心罫線。
5、――d、a両部区切り罫線。
6、――b、a両部区切り罫線。
7、――a部中央反曲罫線。
8、――a部内同回罫線。
9――a部内隅部罫線。
10――a部内隅部罫線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面相当部aとその各辺に隣接する各側壁相当部bとそしてその外側に隣接する各フランジ相当部cが設けられるとともに、その各辺の隅部外側に側壁フラップ相当部dとフランジフラップ相当部eを連続一体として変形扇状部pが設けられ、前記各変形扇状部pはその要の部位又はその部位周辺を基点として外側に向け略放射状に複数の罫線が設けられさらにそれら放射状罫線の一部又はすべてが外側に伸びて前記側壁フラップ相当部dと前記フランジフラップ相当部eを区切る罫線1又は2又は1、2両方において折れ曲り、折れ曲がった罫線を含め全てが相互に略平行状罫線として前記フランジフラップ相当部eを延出してなるブランクから折曲形成され、前記フランジフラップ相当部eは前記略平行状罫線に沿って折り曲げられ、その折り曲げられて形成された相対向するフランジc端部が前記フランジフラップ相当部eの中央部面上において段差を形成することなく密着されるとともに前記ブランクの表面におけるフランジフラップ
のすべてか大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定化形成され、前記ブランク裏面におけるフランジフラップ相当部e2とフランジ相当部c1とのすべてか大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定化形成されて得られることを特徴とするフランジ付容器。
【請求項2】
して固定化形成されて得られることを特徴とした第一項記載のフランジ付容器。
【請求項3】
底面相当部aと側壁相当部bを区切る罫線を湾曲状として設けるとともに底面
ることを特徴とした第1項又は第2項記載のフランジ付容器。
【請求項4】
底面相当部aと側壁相当部bを区切る罫線の内側に周回する罫線8とそれに附属する罫線9、10を設けて得られることを特徴とした第1項又は第2項又は第3項記載のフランジ付容器。
【請求項5】
別途蓋材を設けて得られることを特徴とした第1項又は第2項又は第3項又は第4項記載のフランジ付容器。
【請求項1】
底面相当部aとその各辺に隣接する各側壁相当部bとそしてその外側に隣接する各フランジ相当部cが設けられるとともに、その各辺の隅部外側に側壁フラップ相当部dとフランジフラップ相当部eを連続一体として変形扇状部pが設けられ、前記各変形扇状部pはその要の部位又はその部位周辺を基点として外側に向け略放射状に複数の罫線が設けられさらにそれら放射状罫線の一部又はすべてが外側に伸びて前記側壁フラップ相当部dと前記フランジフラップ相当部eを区切る罫線1又は2又は1、2両方において折れ曲り、折れ曲がった罫線を含め全てが相互に略平行状罫線として前記フランジフラップ相当部eを延出してなるブランクから折曲形成され、前記フランジフラップ相当部eは前記略平行状罫線に沿って折り曲げられ、その折り曲げられて形成された相対向するフランジc端部が前記フランジフラップ相当部eの中央部面上において段差を形成することなく密着されるとともに前記ブランクの表面におけるフランジフラップ
のすべてか大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定化形成され、前記ブランク裏面におけるフランジフラップ相当部e2とフランジ相当部c1とのすべてか大部分が一対の接着代のすべてか大部分として固定化形成されて得られることを特徴とするフランジ付容器。
【請求項2】
して固定化形成されて得られることを特徴とした第一項記載のフランジ付容器。
【請求項3】
底面相当部aと側壁相当部bを区切る罫線を湾曲状として設けるとともに底面
ることを特徴とした第1項又は第2項記載のフランジ付容器。
【請求項4】
底面相当部aと側壁相当部bを区切る罫線の内側に周回する罫線8とそれに附属する罫線9、10を設けて得られることを特徴とした第1項又は第2項又は第3項記載のフランジ付容器。
【請求項5】
別途蓋材を設けて得られることを特徴とした第1項又は第2項又は第3項又は第4項記載のフランジ付容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
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【図19】
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【図21】
【図22】
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【図24】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2007−153443(P2007−153443A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381291(P2005−381291)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(592247953)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(592247953)
【Fターム(参考)】
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