説明

容器

【課題】縦置きと平置きが兼用可能で、吊下げ式にも使用できる容器を提供する。
【解決手段】蓋体(10)の頂壁(12)を周壁(11)の後面沿いに延設して載置面形成壁(11a)に形成すると共に、頂壁(12)から載置面形成壁(11a)の下端にかけて破断線(15)を穿設して、該破断線(15)で囲まれた頂壁(12)および載置面形成壁(11a)部分をフック形成部(16)に形成すると共に、該フック形成部下端から差込部(20)を垂設し、載置面形成壁(11a)を載置面にして蓋体(10)および容器体(1)を直立可能に設け、さらに、破断線(15)の破断で分離されたフック形成部(16)の差込部(20)を、開孔(14)へ嵌合させて該フック形成部(16)を容器体の開口面との間に間隔をおいて該開口面沿いに垂下させることで該フック形成部(16)を他物へ引っ掛け可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脱臭剤等を収納する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収剤等が収納された容器体を縦長にした縦置き型といわれる容器が従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−261080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
縦置き型の容器はスペースをとらないため多く使用されているが、使用箇所によっては横長の平置き型といわれるものや吊下げ型が適している場合がある。しかし、現状の容器では使用箇所に応じて使い分けることができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、縦置きと平置きが兼用可能で、吊下げ式にも使用できる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、底板2から側板3を起立する容器体1と、該容器体の側板3外面へ嵌合させた周壁11上面を頂壁12で閉塞した蓋体10とを備え、該蓋体10の頂壁12に開孔13、14を形成した容器において、
前記蓋体10の頂壁12を前記周壁11の後面沿いに延設して載置面形成壁11aに形成すると共に、前記頂壁2から載置面形成壁11aの下端にかけて破断線15を穿設して、該破断線15で囲まれた頂壁12および載置面形成壁11a部分11bをフック形成部16に形成すると共に、該フック形成部下端から差込部20を垂設し、
前記載置面形成壁11aを載置面にして前記蓋体10および容器体1を直立可能に設け、
さらに、前記破断線15の破断で分離された前記フック形成部16の前記差込部20を前記開孔14へ嵌合させて該フック形成部16を、該フック形成部16の分離により形成された前記容器体頂壁(12)の開口面との間に間隔をおいて該開口面沿いに垂下させることで該フック形成部16を他物へ引っ掛け可能に設けた
ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記フック形成部16の左右両端部下端を下方へ延設して前記差込部20に形成し、該差込部20基端に前記開孔14周縁へ係合可能なくびれ部19を設けたことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、前記破断線15の破断で分離されたフック形成部16の前記差込部20を前記開孔14へ嵌合させることで前記蓋体10の周壁11部分先端が前記蓋体頂壁12の外面へ当接可能に設けたことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記開孔13を前記蓋体頂壁12の中央部に設けると共に、前記頂壁12前端の左右2箇所の下面を厚肉部に形成して、該厚肉部に前記差込部20を嵌合させる開孔14を形成し、
また、前記フック形成部16の前端中央部に指掛け用の切欠部17を設けたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、底板2から側板3を起立する容器体1と、該容器体の側板3外面へ嵌合させた周壁11上面を頂壁12で閉塞した蓋体10とを備え、該蓋体の頂壁12に開孔13を形成した容器において、
前記蓋体10の頂壁12を前記周壁11の後面沿いに延設して載置面形成壁11aに形成すると共に、前記蓋体頂壁12の左右両端部から周壁11の左右両面下端にかけて薄肉線40を形成して、該薄肉線40で囲まれた頂壁12および周壁11部分をフック形成部41に形成すると共に、該フック形成部41に後端開口の切欠部43を形成し、さらに、前記頂壁12に設けられた薄肉線40の中央部を薄肉ヒンジ44に形成すると共に、該薄肉ヒンジ44を除いた薄肉線部分を破断線45に形成し、
前記蓋体10の載置面形成壁11aを載置面にして前記蓋体10および容器体1を直立可能に設け、
さらに、前記薄肉ヒンジ44を回動軸部として前記左右一対のフック形成部41を左右方向内方へ回動させることで前記破断線45を破断させて前記フック形成部41を起立させることにより前記切欠部43を他物へ引っ掛け可能に設けた
ことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記フック形成部41の外面に突部46を形成して、前記フック形成部41の起立時に、前記突部46が前記開孔13へ係合可能に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、載置面形成壁を載置面にして蓋体および容器体が直立可能に設けたので、縦置きとして使用する場合にも安定性が損なわれることがなく、このため平置き型の容器を縦置き型に兼用させることができると共に、破断線の破断で分離されたフック形成部を、該フック形成部の分離により形成された容器体頂壁の開口面沿いに垂下させることで該フック形成部を他物へ引っ掛け可能に設けたので、吊下げ型としても使用可能である。
【0013】
また、本発明は、左右一対のフック形成部を左右方向内方へ回動させることで破断線を破断させてフック形成部を起立させることにより他物へ引っ掛け可能に設けたので、フック形成部の回動のみで容易に吊下げ型として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る容器の斜視図である。
【図2】縦置き状態の斜視図である。
【図3】作用説明図である。
【図4】作用説明図である。
【図5】作用説明図である。
【図6】吊下げ式の斜視図である。
【図7】図2の縦断面図である。
【図8】図6の縦断面図である。
【図9】他の実施形態の斜視図である。
【図10】縦置き状態の斜視図である。
【図11】吊下げ式の斜視図である。
【図12】図10の縦断面図である。
【図13】作用を説明する横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図1において右方向を前方向とする。
【0016】
図1において、1は容器体で、底板2の周縁から側板3を起立させ、かつ該側板3の下部肉厚を上部より大にすることで、側板3外面に段部4を形成する。容器体1内には内容物5としてのゲル状の吸収剤等を収納する。なお、本実施形態では内容物としてゲル状の脱臭剤等を例に挙げるが、内容物としてはこれに限らず芳香剤等種々の物を収納可能である。
【0017】
10は蓋体で、容器体1の側板3の上部外面へ嵌合させた周壁11の上面を閉塞する頂壁12を周壁11の後面沿いに間隔をあけて延設して載置面形成壁11aに形成すると共に、周壁11の左右両面後端を後方へ延設して載置面形成壁11aの左右両端に一体に連結させ、さらに頂壁12の中央部に複数の開孔13を形成すると共に、頂壁12前端の左右2箇所の下面を厚肉部に形成して、該厚肉部に差込用の開孔14を形成する。
【0018】
蓋体10の頂壁12には、さらに、破断線15を形成する。破断線15は開孔13、14を除いた頂壁部分の前部から載置面形成壁11a下端にかけて延びるコ字状に形成し、破断線15で囲まれた頂壁12部分と載置面形成壁11a部分をフック形成部16に形成する。そして、フック形成部16の前端中央部に指掛け用の切欠部17を形成すると共に、フック形成部16の左右両端部の下端を下方へ延設して差込部20に形成して、その基端に開孔14の下端周縁へ係合可能なくびれ部19を設ける。
【0019】
次に作用について説明する。図1は容器体1の底板2を載置面として容器を平置きにした状態を示す。容器を縦置きにして使用する場合には、図2に示すように蓋体10の載置面形成壁11aを下面にして、蓋体10と容器体1を起立させればよい。
【0020】
容器を吊下げて使用する場合には、容器体1から蓋体10を取外した後、図3に示すように指掛け用の切欠部17に指を掛けてフック形成部16を上方へ引く。すると図4に示すように破断線15を構成する薄肉部15aが破断してフック形成部16が蓋体10から分離する。フック形成部16の分離により蓋体頂壁12に開口が形成され、後述するように該開口面沿いに分離されたフック形成部16が垂下する。なお、破断線15の薄肉部15aは図3に示すように切欠部17の左右両側と蓋体10の載置面形成壁11aの左右2箇所に設けるのが好ましい。
【0021】
次いで、図6に示すように差込部20を開孔14へ嵌合させると、フック形成部16が蓋体10の開口面から間隔をおいて開口面沿いに垂下すると共に、周壁の後壁部分先端11bが蓋体10の頂壁12の前端部へ当接する。使用するにはフック形成部16を他物30、例えば、冷蔵庫のドアポケット等に引っ掛ければよい。
【0022】
図9ないし図13は他の実施形態を示す。本実施形態はフック形成部の形態において第1実施形態と相違する。すなわち、図9に示すように蓋体頂壁12の左右両端部から周壁11の左右両面にかけてコ字状の薄肉線40を形成して、該薄肉線40の両下端を周壁11の左右両面下端へ到達させることにより薄肉線40で囲まれた頂壁12および周壁11部分をフック形成部41に形成すると共に、フック形成部41の垂下部分42に後端開口の切欠部43を形成し、頂壁12に設けられた薄肉線40の前後方向へ延びる部分を薄肉ヒンジ44に形成すると共に、薄肉ヒンジ44を除いた薄肉線部分を破断線45に形成する。
【0023】
さらに、薄肉ヒンジ44に近接したフック形成部41部分の外面に開孔13へ係合可能な突部46を形成する。その他の構成は第1実施形態と同一であるから説明を省略する。
【0024】
次に作用について説明する。図9は平置きの状態、図10は縦置きの状態を示す。吊下げて使用するには、図11に示すように薄肉ヒンジ44を回動軸部として左右一対のフック形成部41を左右方向内方へ回動させることにより破断線45を破断させてフック形成部41を起立させる。すると突部46が隣接する開孔13へ係合する。使用するにはフック形成部41の切欠部43を、例えば、冷蔵庫のドアポケット等の他物30に引っ掛ければよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、脱臭剤等を収納する容器の分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 容器体
2 底板
3 側板
10 蓋体
11 周壁
11a 載置面形成壁
12 頂壁
13 開孔
15 破断線
16 フック形成部
17 切欠部
40 薄肉線
41 フック形成部
44 薄肉ヒンジ
45 破断線
46 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板(2)から側板(3)を起立する容器体(1)と、該容器体の側板(3)外面へ嵌合させた周壁(11)上面を頂壁(12)で閉塞した蓋体(10)とを備え、該蓋体(10)の頂壁(12)に開孔(13、14)を形成した容器において、
前記蓋体(10)の頂壁(12)を前記周壁(11)の後面沿いに延設して載置面形成壁(11a)に形成すると共に、前記頂壁(12)から載置面形成壁(11a)の下端にかけて破断線(15)を穿設して、該破断線(15)で囲まれた頂壁(12)および載置面形成壁(11a)部分をフック形成部(16)に形成すると共に、該フック形成部下端から差込部(20)を垂設し、
前記載置面形成壁(11a)を載置面にして前記蓋体(10)および容器体(1)を直立可能に設け、
さらに、前記破断線(15)の破断で分離された前記フック形成部(16)の前記差込部(20)を前記開孔(14)へ嵌合させて該フック形成部(16)を、該フック形成部(16)の分離により形成された前記容器体頂壁(12)の開口面との間に間隔をおいて該開口面沿いに垂下させることで該フック形成部(16)を他物へ引っ掛け可能に設けた
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記フック形成部(16)の左右両端部下端を下方へ延設して前記差込部(20)に形成し、該差込部(20)基端に前記開孔(14)周縁へ係合可能なくびれ部(19)を設けたことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記破断線(15)の破断で分離されたフック形成部(16)の前記差込部(20)を前記開孔(14)へ嵌合させることで前記蓋体(10)の周壁(11)部分(11b)先端が前記蓋体頂壁(12)の外面へ当接可能に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の容器。
【請求項4】
前記開孔(13)を前記蓋体頂壁(12)の中央部に設けると共に、前記頂壁(12)下面を厚肉部に形成して、該厚肉部に前記差込部(20)を嵌合させる開孔(14)を形成し、
また、前記フック形成部(16)の前端中央部に指掛け用の切欠部(17)を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の容器。
【請求項5】
底板(2)から側板(3)を起立する容器体(1)と、該容器体の側板(3)外面へ嵌合させた周壁(11)上面を頂壁(12)で閉塞した蓋体(10)とを備え、該蓋体の頂壁(12)に開孔(13)を形成した容器において、
前記蓋体(10)の頂壁(12)を前記周壁(11)の後面沿いに延設して載置面形成壁(11a)に形成すると共に、前記蓋体頂壁(12)の左右両端部から周壁(11)の左右両面下端にかけて薄肉線(40)を形成して、該薄肉線(40)で囲まれた頂壁(12)および周壁(11)部分をフック形成部(41)に形成すると共に、該フック形成部(41)に後端開口の切欠部(43)を形成し、さらに、前記頂壁(12)に設けられた薄肉線(40)の中央部を薄肉ヒンジ(44)に形成すると共に、該薄肉ヒンジ(44)を除いた薄肉線部分を破断線(45)に形成し、
前記蓋体(10)の載置面形成壁(11a)を載置面にして前記蓋体(10)および容器体(1)を直立可能に設け、
さらに、前記薄肉ヒンジ(44)を回動軸部として前記左右一対のフック形成部(41)を左右方向内方へ回動させることで前記破断線(45)を破断させて前記フック形成部(41)を起立させることにより前記切欠部(43)を他物へ引っ掛け可能に設けた
ことを特徴とする容器。
【請求項6】
前記フック形成部(41)の外面に突部(46)を形成して、前記フック形成部(41)の起立時に、前記突部(46)が前記開孔(13)へ係合可能に設けたことを特徴とする請求項5記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−116520(P2012−116520A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267535(P2010−267535)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】