説明

容易なクリーニング効果を提供するための硬質表面クリーナー中のスルホネート化ポリスチレンポリマーの使用

水性硬質表面クリーナー組成物は、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤、殺菌剤、ただし、もし前記界面活性剤が第四級アンモニウム界面活性剤を含むならば存在しなくてよい、スチレンスルホネート繰り返し単位を含む親水性ポリマー、及び、水を含み、約6以上のpHを示し、そしてより容易なクリーニング効果を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、硬質表面クリーナー中のスルホネート化ポリスチレンポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
硬質表面クリーナーは、通常、ノニオン性界面活性剤、抗バクテリア剤(第四級アンモニウム型界面活性剤であることができる)、キレート化剤、溶剤及び水を含む。場合により、抗バクテリア剤が排除され又は第四級アンモニウム型界面活性剤以外のもので置き換えられてよい場合には、アニオン性界面活性剤は使用されてよい。家庭用クリーナーのための最も一般的な界面活性剤系はアルキルポリグルコシド又はアルキルエトキシレートである。
【0003】
気泡を生ぜず又は殆ど生ぜずにクリーニング効果を提供し、そしてストリーキング又は残留物を残すことなく又は殆ど残すことなく非常に急速に乾燥するように、硬質表面クリーナーは配合される。界面活性剤及び溶剤はクリーニング効果の殆どを提供し、そして界面活性剤は表面にある程度の残留親水性化効果を残すことがある。親水性化は疎水性汚染物が表面に付着することを防止する傾向があることによって、クリーニング容易性を改良することができる。しかし、界面活性剤は、リンスし又は拭き取るときに、容易に洗い落とされることができるので、クリーニング効果の容易性はもし存在しても短寿命である。このことは、疎水性表面の場合に特に当てはまる。親水性表面は生来的に疎水性汚染物をある程度忌避する。極性が低いか又は無極性の表面は、しかしながら、通常に疎水性である汚染物を忌避する特性を自然に有するものでない。
【発明の開示】
【0004】
発明の要旨
1つの態様において、本発明は、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤、
殺菌剤、ただし、もし前記界面活性剤が第四級アンモニウム界面活性剤を含むならば存在しなくてよい、
スチレンスルホネート繰り返し単位を含む親水性ポリマー、及び、
水、
を含み、約6以上のpHを示す、水性硬質表面クリーナー組成物に関する。
【0005】
別の態様において、本発明は上記の水性硬質表面クリーナーを硬質表面に接触させることを含む、硬質表面のクリーニング方法に関する。
【0006】
本発明の組成物はより容易なクリーニング効果を提供するものであり、より容易なクリーニング効果は、汚す前に、本発明の硬質表面クリーナー組成物でクリーニングした表面から汚染物を除去することの容易さを、汚す前に、本発明の硬質表面クリーナー組成物と類似であるが親水性ポリマー成分を含まない硬質表面クリーナーでクリーニングした表面から汚染物を除去することの容易さと比較することによって特定される。
【0007】
発明の詳細な説明及び好ましい態様
適切な硬質表面は、滑らかで、実質的に非孔質の表面であり、たとえば、ガラス、セラミック、有機ポリマー、金属又は木を含む。
【0008】
1つの態様において、本発明の硬質表面クリーナー組成物は、このような組成物100重量部(pbw)を基準として、
約0.01〜約10pbwの、より通常には、約0.01〜約5pbwの界面活性剤、
殺菌剤として有効な量の殺菌剤、
約0.01〜約10pbwの、より通常には約0.01〜約3pbwの親水性ポリマー、及び、
水、
を含む。
【0009】
ノニオン性界面活性剤は、イオンに解離せずそして結合した電荷を有しない界面活性化合物である。適切なノニオン性界面活性剤は、一般に当業界において知られており、たとえば、アルキレンオキシド基(親水性)と脂肪族又はアルキル芳香族性であってよい有機疎水性化合物との縮合により製造される化合物である。有用なノニオン性界面活性剤の例は、アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレンオキシド縮合物、脂肪酸アミド界面活性剤、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、アルキルエトキシレート界面活性剤、アルカノイルグルコースアミド界面活性剤、アルカノールアミド界面活性剤、アルキルポリグリコシド、及び、脂肪族アルコールと約1モル〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物を含む。適切なノニオン性界面活性剤の特定の例はアルカノールアミド、たとえば、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドMIPA、PEG−5コカミドMEA、ラウラミドDEA及びラウラミドMEA、アルキルアミンオキシド、たとえば、ラウラミンオキシド、コカミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド及びラウラミドプロピルアミンオキシド、ポリソルベート及びエトキシル化ソルビタンエステル、たとえば、ソルビタンラウレート、ソルビタンジステアレート、PEG−80ソルビタンラウレート、ポリソルベート−20及びポリソルベート−80、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、たとえば、ラウリン酸、イソステアリン酸及びPEG−150ジステアレート、脂肪族アルコール又はエトキシル化脂肪族アルコール、たとえば、ラウリルアルコール、ラウレス−4、ラウレス−7、ラウレス−9、ラウレス−40、トリデセスアルコール、C11〜C15パレス−9、C12〜C13パレス−3及びC14〜C15パレス−11、ならびに、それらの混合物を含む。
【0010】
カチオン性界面活性剤は界面活性剤の親水性部分に結合した正電荷を有するイオン性界面活性化合物である。適切なカチオン性界面活性剤は、一般に当業界において知られており、たとえば、以下の式(1)による化合物を含む。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に、水素、有機基であり、ただし、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは水素でなく、X-はアニオンである)。
【0013】
適切なアニオンは、たとえば、クロリド、ブロミド、メトスルフェート、エトスルフェート、ラクテート、サッカリネート、アセテート又はホスフェートを含む。
【0014】
1、R2、R3及びR4基のうちの1つ〜3つが水素であるならば、化合物はアミン塩と呼ばれることができる。カチオン性アミン塩の幾つかの例は、ポリエトキシル化(2)オレイル/ステアリルアミン、エトキシル化タローアミン、ココアルキルアミン、オレイルアミン及びタローアルキルアミン、ならびに、それらの混合物を含む。
【0015】
第四級アンモニウム化合物(一般に「第四級」(クワット)と呼ぶ)では、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、同一であるか又は異なる有機基であることができ、または、別のR1、R2、R3及びR4基と縮合して、それらが結合した窒素とともに複素環を形成してもよいが、水素であってはならない。適切な有機基は、たとえば、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル及びアリールを含み、その各々は他の有機基によってさらに置換されていてよい。適切な第四級アンモニウム化合物は、モノアルキルアミン誘導体、ジアルキルアミン誘導体及びイミダゾリン誘導体、ならびに、それらの混合物を含む。
【0016】
適切なモノアルキルアミン誘導体は、たとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(セトリモニウムブロミド又はCETABとしても知られている)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(セトリモニウムクロリドとしても知られている)、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド(ミルトリモニウムクロリド又はQuaternium-13としても知られている)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ステアラルコニウムクロリドとしても知られている)、オレイルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(オレアルコニウムクロリドとしても知られている)、ラウリル/ミリストリルトリメチルアンモニウムメトスルフェート(ココトリモニウムメトスルフェートとしても知られている)、セチル−ジメチル−(2)ヒドロキシエチルアンモニウム二水素ホスフェート(ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェートとしても知られている)、バッスアミドプロピルコニウムクロリド、ココトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、コムギ胚アミドプロパルコニウムクロリド、ステアリルオクチルジモニウムメトスルフェート、イソステアラミノプロパルコニウムクロリド、ジヒドロキシプロピルPEG−5リノレアミニウムクロリド、PEG−2ステアルモニウムクロリド、Quaternium 18、Quaternium 80、Quaternium 82、Quaternium 84、ベヘントリモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトスルフェート、タロートリモニウムクロリド、及び、ベヘンアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ならびに、それらの混合物を含む。
【0017】
適切なジアルキルアミン誘導体は、たとえば、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ステアリルオクチルジモニウムメトスルフェート、二水素化パルモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ヒドロキシプロピルビスステアリルジモニウムクロリド、ならびに、それらの混合物を含む。
【0018】
適切なイミダゾリン誘導体は、たとえば、イソステアリルベンジルイミドニウムクロリド、ココイルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウムクロリド、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリニウムPG−クロリドホスフェート、Quaternium-32、及び、ステアリルヒドロキシエチルイミドニウムクロリド、ならびに、それらの混合物を含む。
【0019】
両性界面活性剤は、同一分子上の2つのイオン性サイトの存在を特徴とするイオン性界面活性化合物であり、周囲媒体のpHによって、負電荷、正電荷又は負電荷と正電荷の両方を同一分子上に有することができる。適切な両性界面活性剤は当業界において知られており、たとえば、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体であって、脂肪族基が直鎖もしくは枝分かれ鎖であってよく、飽和又は不飽和であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約22個の炭素原子を含み、1つがアニオン性の水溶化基を含むもの、が挙げられる。適切な両性界面活性剤の特定の例は、アルキルアンフォカルボキシグリシネート及びアルキルアンフォカルボキシプロピオネート、アルキルアンフォジプロピオネート、アルキルアンフォジアセテート、アルキルアンフォグリシネート及びアルキルアンフォプロピオネート、ならびに、アルキルイミノプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート及びアルキルアンフォプロピルスルホネートのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は置換アンモニウムの塩を含む。両性界面活性剤は、通常、対イオン、たとえば、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムカチオンに結合している。幾つかの適切な両性界面活性剤の特定の例は、ナトリウムココアンフォアセテート、ナトリウムココアンフォプロピオネート、ジナトリウムココアンフォジアセテート、ジアンモニウムココアンフォンジアセテート、ナトリウムラウロアンフォアセテート、ジナトリウムラウロアンフォジアセテート、ジカリウムラウロアンフォジアセテート、ジマグネシウムラウロアンフォジアセテート、ジナトリウムラウロアンフォジプロピオネート、ジナトリウムココアンフォプロピルスルフォネートカプロアンフォジアセテート、ナトリウムカプロアンフォアセテート、ジナトリウムカプロアンフォジプロピオネート、及び、ナトリウムステアロアンフォアセテート、及び、トリエタノールアミンステアロアンフォアセテート、ならびに、それらの混合物を含む。
【0020】
双性イオン界面活性剤は、イオン性サイトの1つが周囲媒体のpHに関係なく正電荷を有し、他のイオン性サイトが周囲媒体のpHによっては正電荷を有することができる、1分子当たりに2個のイオン性サイトの存在を特徴とするイオン性界面活性化合物である。適切な双性イオン界面活性剤は一般に当業界において知られており、たとえば、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体であって、脂肪族基が直鎖もしくは枝分かれ鎖であってよく、飽和又は不飽和であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約22個の炭素原子を含み、1つがアニオン性の水溶化基、たとえば、カルボキシル、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含むものとして広く記載されうるものを含む。適切な双性イオン界面活性剤の特定の例は、アルキルベタイン、たとえば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルα−カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン、アミドプロピルベタイン及びアルキルスルタイン、たとえば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ならびに、それらの混合物を含む。
【0021】
本発明の硬質表面クリーナーの殺菌剤成分は、本発明の硬質表面クリーナーを適用する硬質表面上で殺菌活性を示す、すなわち、細菌を殺生し及び/又は細菌の成長を抑制することができるいかなる化合物であってもよく、たとえば、次亜塩素酸ナトリウム及び第四級アンモニウム化合物を含む。
【0022】
第四級アンモニウム化合物の殺菌剤として有効な量は、通常、本発明の硬質表面クリーナー組成物100pbw当たり、約0.01〜約10pbw、より通常には、約0.01〜約3pbwの第四級アンモニウム化合物である。
【0023】
本発明の硬質表面クリーナーの殺菌剤としての使用に適切な第四級アンモニウム化合物は上記の第四級アンモニウム界面活性剤を含む。もし本発明の組成物の界面活性剤の成分が少なくとも殺菌剤として有効な量の第四級アンモニウム界面活性剤を含むならば、このような第四級アンモニウム界面活性剤は殺菌剤としても機能することができ、この場合には、別個の殺菌剤は必要ない。
【0024】
1つの態様において、一次界面活性剤は半極性ノニオン性界面活性剤、アルキルベタイン又はスルホベタイン両性界面活性剤およびそれらの混合物から選ばれる。
【0025】
本発明の硬質表面クリーナー組成物は、場合により、水溶性有機溶剤をさらに含んでよい。適切な水溶性有機溶剤は一般に当業界において知られており、たとえば、(C1〜C6)アルカノール、(C1〜C6)ジオール、(C3〜C24)アルキレングリコールエーテル及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、本発明の組成物は本発明の硬質表面クリーナー組成物100pbw当たりに約10pbw以下の水溶性有機溶剤をさらに含む。
【0026】
本発明の硬質表面クリーナー組成物は、場合により、キレート化剤をさらに含んでよい。金属原子をキレート化するために適切なキレート化剤は一般に当業界に知られており、たとえば、アミノホスホネートキレート化剤及びエチレンジアミン四酢酸を含む。適切なアミノホスホネートキレート化剤は、たとえば、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネートを含む。1つの態様において、キレート化剤はエチレンジアミン四酢酸を含む。1つの態様において、本発明の組成物は、本発明の硬質表面クリーナー組成物100pbwを基準として、約0.01〜約10pbw、より通常には約0.1〜約3pbwのキレート化剤を含む。
【0027】
本発明の親水性ポリマーはスチレンスルホネート繰り返し単位を含むいかなるポリマーであってもよく、スチレンスルホネートホモポリマー、たとえば、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)ポリマー、ならびに、スチレンスルホネート繰り返し単位を含み、その繰り返し単位が1種以上の他のモノエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位と共重合したコポリマーを含む。適切なエチレン系不飽和モノマーは、たとえば、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸もしくはメタクリル酸の(C1〜C4)アルキルエステル、たとえば、メチルアクリレート及びメチルメタクリレート、アクリル酸もしくはメタクリル酸の(C1〜C4)ヒドロキシアルキルエステル、たとえば、ヒドロキシエチルメタクリレートを含む。適切なコポリマーは、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー及びブロックコポリマー、たとえば、ポリ(スチレンスルホン酸−コ−マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−ポリ(スチレン)ランダムコポリマー、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(アクリルアミド)ブロックコポリマー、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(スチレン)ブロックコポリマー、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)ブロックコポリマー、及び、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(メタクリル酸)ブロックコポリマーを含む。
【0028】
1つの態様において、適切なコポリマーは、平均で、コポリマーの繰り返し単位100モルあたりに約1モル以上のスチレンスルホネート繰り返し単位を含む。このようなコポリマーのコモノマーが疎水性コモノマー、たとえば、スチレンである態様において、このようなコポリマーは、通常、平均で、コポリマーの繰り返し単位100モルあたりに約20モル以上、さらに通常には40モル以上のスチレンスルホネート繰り返し単位を含む。
【0029】
1つの態様において、親水性ポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって決定して、約1000以上、より通常には約5000〜約5,000,000、そしてさらにより通常には約10,000〜約2,000,000の重量平均分子量(Mw)を示す。
【0030】
1つの態様において、本発明の硬質表面クリーナー組成物は、約7〜約14のpH、より通常には約7〜約13のpH、そしてさらにより通常には約8〜約13のpHを示す。
【0031】
本発明の硬質表面クリーナー組成物は、場合により、硬質表面クリーナー組成物100pbw当たりに約10pbw以下の他の成分、たとえば、香料、着色剤、不透明化剤、漂白剤、pH調節剤、洗浄剤酵素、安定剤、殺菌活性成分、増粘剤、ハイドロトロープを含むことができる。
【0032】
本発明の硬質表面クリーニング組成物は上記の成分の望ましくかつ適切な相対量を組み合わせそして混合することで製造される。
【0033】
本発明の方法の1つの態様において、硬質表面を本発明の硬質表面クリーニング組成物と接触させ、そしてこの硬質表面クリーニング組成物と表面とを水ですすぎ又は拭き取り、乾燥させる。
【0034】
硬質表面をクリーニングするための硬質表面クリーナーの使用により、次に行なうクリーニング活動で表面をクリーニングするのがより容易になる。理論に固執するつもりはないが、クリーナー組成物の親水性ポリマー成分のいくらかはクリーニングの後に表面に残り、後に表面に接触することになる疎水性汚染物と表面の相互作用を阻害し、それにより、表面から汚染物を除去するのがより容易になるものと信じられる。
【0035】
例1〜10及び比較例C1及びC2
スチレンスルホネート繰り返し単位を含むポリマーで硬質表面を処理することで与えられる、より容易なクリーニング効果は、Formicaラミネートタイルの表面をかかるポリマーで処理し、表面を汚染し、その後に表面を擦り、そして擦られた表面の清浄化度を等級化することで測定された。
【0036】
スクラブ試験装置を用いた。スクラブ試験装置は1つの列に8サンプルのタイルを保持するレールを有する木製パネル(約40cm長さ)、及び、タイルを拭くためにパネル上に配置されるスポンジホルダーをガイドするレールを有する金属トラックからなるものであった。
【0037】
フォーミュラ(Formula)409(抗バクテリア性配合物)汎用クリーナーを比較例C1として用い、ファンタスティック(Fantastik)汎用クリーナーを比較例C2として用いた。フォーミュラ409クリーナーは約12.3のpHを示した。ファンタスティッククリーナーは約12.2のpHを示した。
【0038】
例1〜10のクリーナー組成物は各々1wt%の親水性ポリマーを含み、下記の表Iに示した親水性ポリマーをフォーミュラ(Formula)409(抗バクテリア性配合物)汎用クリーナー(Clorox)に添加することで製造した。例1〜10の各組成物のpHは12.3±0.1の値に調節した。
【0039】
基材タイル(5cm×5cmの白色Formica(商標)ラミネート正方形体であって、1.3cm厚さのパーティクルボードに取り付けられたもの)を、タイルの表面に0.1mLのエタノールを添加することで予備クリーニングし、そしてペーパータオルで拭き取った。タイルを室温で少なくとも30分間乾燥させた。
【0040】
基材タイルを以下のとおりに処理した。下記の表に示す処理配合物1.0mLを、予備クリーニングされた表面上にピペットで配置した。その配合物をタイルの上部表面で全体にわたって広げ、タイルの表面上に5分間そのままにした。その後、タイルの上部表面を、水で濡らした4cm×4cmのセルローススポンジの各々の面で3回拭き、そして室温で2〜3時間乾燥させた。
【0041】
20.0gの硬化剤及び90gの汚染物原料を組み合わせ、それを4〜5時間混合することで試験汚染物を製造した。汚染物原料は60gのヒマワリ油、10gのオリーブ油及び20gの酸化鉄顔料を150mlプラスティックビーカー中にて攪拌棒で室温にて約30分間混合することで製造した。硬化剤は45gのイソオクタン及び1gのコバルトナフテネートを150mlプラスティックビーカー中にて攪拌棒で室温にて約30分間混合することで製造した。
【0042】
軽度に汚染された基材タイルを以下のとおりに調製した。8つのタイルをスクラブ試験装置に取り付けた。4インチ幅のソフトラバーインクローラーを試験汚染物で濡らした。1滴の試験汚染物を第3及び第5のタイルに塗布し、そして液滴を、濡らされたローラーを用いて4つの内側のタイルに均一に広げた。タイルを一定の温度及び湿度のチャンバー(25℃、50%RH)に24時間入れた。
【0043】
重度に汚染された基材タイルを以下のとおりに調製した。8つのタイルをスクラブ試験装置に取り付けた。1滴の試験汚染物を第3及び第5のタイルに付着させ、そして液滴を、汚染物で濡らされた4インチ幅のソフトラバーインクローラーを用いて4つの内側のタイルに均一に広げた。1滴の試験汚染物を第2及び第4のタイルに付着させ、そして液滴を、汚染物で濡らされたローラーを用いて4つの内側のタイルに均一に広げた。タイルを一定の温度及び湿度のチャンバー(25℃、50%RH)に24時間入れた。
【0044】
汚染された基材タイルを擦った。8つのタイルをスクラブ試験装置に取り付けた。各場合に、4つの内側のタイルは注目の試験試料であり、外側のタイルは単なる配置支持具であった。4cm×9cmのセルローススポンジを水中ですすぎ、手で取り出し、それにより、濡れているが、滴るほどには濡れていないようにした。スポンジを金属スポンジホルダーに配置した。試験のための一貫した濃いスプレーが得られるようにクリーナーを数分間スプレーした。第一の2つの汚染されたタイルを約4インチ離れたところからクリーナーで一回(約1.3g)スプレーした。その後、即座に第二の2つの汚染されたタイルを約4インチ離れたところからクリーナーで一回スプレーした。金属ホルダー中のスポンジをトラックに配置し、トラックの片側末端から他端に10回移動し(1回はトラックの片側末端から他端まで)、スクラブ試験装置のタイルを擦った。内側のタイルをスクラブ試験装置から取り外し、調べ、そして汚染除去の等級0〜5で等級化した(0は除去なしであり、5は完全に除去である)。結果を下記の表Iに示す。各等級は8つのクリーニングされたタイルの平均を基礎としている。
【0045】
【表1】

【0046】
例11
下記の表IIに示す成分を下記の表IIに示す相対量で組み合わせて硬質表面クリーナー組成物を製造する。
【0047】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤、
殺菌剤、ただし、もし前記界面活性剤が第四級アンモニウム界面活性剤を含むならば存在しなくてよい、
スチレンスルホネート繰り返し単位を含む親水性ポリマー、及び、

を含み、約6以上のpHを示す、水性硬質表面クリーナー組成物。
【請求項2】
前記組成物は、組成物100重量部を基準として、約0.01〜約10重量部の一次界面活性剤、約0.01〜約10重量部の殺菌剤、及び、約0.01〜約1重量部の親水性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記一次界面活性剤はノニオン性界面活性剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記殺菌剤は1つ以上の第四級アンモニウム界面活性剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記親水性ポリマーはパラスチレンスルホネートのホモポリマーである、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記親水性ポリマーはパラスチレンスルホネートと、マレイン酸もしくはその塩もしくはその無水物、アクリルアミド、スチレン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルメタクリレート及びメタクリル酸もしくはその塩からなる群より選ばれるモノマーとのコポリマーである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記親水性ポリマーはポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)、ポリ(スチレンスルホン酸−コ−マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−ポリ(スチレン)ランダムコポリマー、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(アクリルアミド)ブロックコポリマー、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(スチレン)ブロックコポリマー、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)ブロックコポリマー及びポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)−b−ポリ(メタクリル酸)ブロックコポリマーから選ばれる少なくとも1つのポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
水溶性有機溶剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
キレート化剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
硬質表面を請求項1記載の水性硬質表面クリーナーと接触させることを含む、硬質表面のクリーニング方法。

【公表番号】特表2007−525549(P2007−525549A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509179(P2006−509179)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/006798
【国際公開番号】WO2004/092316
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】