密度調節型繊維糸の精密ろ過装置
生物学的処理後に水中に残存する微細プラグ粒子、藻類、上水原水内の浮遊物質などを効果的にろ過分離するためのろ過装置であり、より詳細には、1ないし60μmの有効直径を持ちつつ柔軟性と伸縮性及び適当な表面粗度を持つ柔軟性繊維糸を装置の長手方向に装着し、ジャケット状原水(流入水)流入部を多孔性流入構造とし、ろ過処理されたろ過水(処理水)を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによって、ろ材層全体を粒子捕獲空間として活用可能にして、既存ろ過装置に比べてろ過効率、ろ過水量、ろ過持続時間及び動力コストを画期的に改善させた密度調節型繊維糸の精密ろ過装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的及び物理化学的処理後に水中に残存する微細フロック粒子(floc)、藻類(algae)、浮遊物質などを効果的にろ過分離するためのろ過装置に係り、より詳細には、1ないし60μmの有効直径を持ちつつ柔軟性と伸縮性及び適当な表面粗度を持つ柔軟性繊維糸を装置の長手方向に装着し、ジャケット型原水(流入水)流入部として多孔性流入構造を採用し、ろ過処理されたろ過水(処理水)を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによってろ材層全体を粒子捕獲空間として活用可能にして、既存ろ過装置に比べてろ過効率、ろ過水量、ろ過持続時間及び動力コストを画期的に改善させた密度調節型繊維糸の精密ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に廃水、汚水、下水及び上水原水は多様な大きさの浮遊物質を含有しており、これら浮遊物質を川や海に放流すれば水資源を汚染させ、水資源の利用に莫大な支障を招く。ここで、前記浮遊物質は0.1μm以上の大きさを持つ粒子(有機物と無機物)からなる固形物質であり、水を懸濁させるので懸濁物質とも呼ばれる。
【0003】
前記浮遊物質(懸濁物質)を含有した水は水資源を汚染させ、その状態では家庭や産業現場で一般用水として使用するには適していない。したがって、予め処理された処理水を2次的に処理して使用することによって、上水及び水資源を生成してエネルギー低減効果を高める水処理用ろ過装置が開発されてきた。
【0004】
ろ過装置の性能をさらに向上させるために繊維糸をろ材として使用し、ろ過装置の下端にろ材を固定させて、原水(流入水)供給圧力でろ材を密着させ、空気と洗浄水供給圧力でろ材を膨脹させる可変フィルタ層を持つろ過装置が公知(特許文献1)であるが、この方法は、ろ材層が単層でありろ材の密着程度が原水供給圧力によって決定されるために、浮遊物質の捕獲空間が少なくてろ過持続時間が短く、洗浄頻度が多く、流入水の水質変動に備え難く、目的とする水質と水量を任意に調節し難い短所がある。
【0005】
前記問題点を解決するための装置として、従来からある柔軟性繊維糸を利用した溶液の中の浮遊固形物質分離装置(特許文献2)がある。これは、ろ材として使用した繊維糸の長さによってろ層深さと粒子捕獲空間の任意調節が可能であり、柔軟性繊維糸の集積密度によって空隙率と空隙の大きさ、粒子捕獲量及びろ過水質の調節が容易であり、かつ供給原水の水質変化に容易に対応できるろ過装置であるが、柔軟性と伸縮性のある繊維糸の集積方法において機械化が難しく、またろ過速度が低いためろ過装置のサイズが大きくなるなどの短所があった。
【0006】
前記した問題点を解決するための従来の水中浮遊物質のろ過装置(特許文献3)は、ろ材層を通過する水の流れを、充填されたろ材の長手方向と同一にすることで(co−current)、ろ材ろ過原理と長手方向に充填したろ材による毛細管現象を主なろ過原理として採用したろ過装置であるために、繊維糸の充填問題を容易にすることはもとより、ろ過速度を大きく向上させて装置のサイズを縮めたことが特徴であるが、5μm以下の水中浮遊物質を除去し難い点と、ろ過層全体を活用できないという短所があった。
【特許文献1】大韓民国登録番号10−0241198;出願番号10−1997−0050047;出願日1997−09−30
【特許文献2】大韓民国登録番号10−0324727;出願番号10−1999−0013396;出願日1999−04−15
【特許文献3】大韓民国登録番号10−0354836;出願番号10−1999−0013448;出願日2001−03−15
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような従来のろ過装置で現れた問題点を解決するためになされたものであり、多様な形態で流入水内に含まれている浮遊物質の種類及び大きさ、状態に関係なく浮遊物質のろ過及び捕獲された汚染物質の逆洗浄などをさらに効率的に行うことができ、低いろ過抵抗で多くの水量及び精密ろ過が可能な密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0008】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過装置本体の下部のジャケット状原水流入部を多孔性流入構造とし、前記ジャケット状原水流入部の下端に逆洗浄用空気流入口が形成されたろ材固定板とろ材密度調節板を装着して、接近(アクセス)流速を減少させ、流入された原水がろ材固定板下部へ逆流することを防止すると同時に、ろ材層全体を捕獲粒子空間とする深層ろ過方式を採用することによって、ろ過抵抗を減らして過持続時間を延長させることができ、ろ過層全体をろ過空間として活用できる密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過装置の下部に設置される逆洗浄用空気流入口が形成されたろ材固定板にろ材である柔軟性繊維糸を固定し、その上部先端は柔軟性が維持されるように固定しない状態でろ過と逆洗浄とが行われるようにろ過装置の長手方向に充填してろ過と逆洗浄効率を高め、逆洗浄時間と逆洗浄水発生量を最小化させることができる密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0010】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過処理されたろ過水を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによって、流出部の充填密度を相対的に高く維持し、流出部の断面積は大きくしてろ過流出抵抗を減らすことにより、低いろ過圧力で精密ろ過を可能にした密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0011】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、濃縮液排出部(流出部)をジャケット状にすることによって、逆洗浄時にろ材間に捕獲された浮遊物質の排出を円滑に行える密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0012】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過原水を逆洗浄水として使用することによって逆洗浄用処理水槽がなく、かつ弁及びその他の配管が単純でコンパクトな密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0013】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、大容量の原水を処理するのに適するように複数のろ過装置を並列に組み合わせて処理容量を増加させることができる並列ろ過システムを可能にする密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記した技術的課題を達成するために、流入水の主要通路になり、流入水が長手方向に流れるろ過装置本体と、ろ過装置本体によって包囲され、ろ過装置の長手方向に伸びる柔軟性繊維糸からなり、充填密度が制御され、流入水に含まれる各種浮遊物質を除去するろ材と、前記ろ過装置本体の下側部分の側部に流入水を流入させるための流入水ガイドジャケットと、前記流入水ガイドジャケットの下方に配置され、前記ろ材の下端を固定する複数の固定口を有するろ材固定板と、ドーナツ状の形状を有し前記流入水ガイドジャケットと前記ろ材固定板との間に配置され、前記ろ材固定板に固定された柔軟性繊維糸がその中孔部を通過しつつ充填密度を高めることによって、流入される前記流入水が前記ろ材固定板側に流れることを防止するろ材密度調節板と、前記ろ過装置本体の上部から伸びて一定の径を有し、前記ろ材の上部層の密度を増加させ、前記ろ材により処理された処理水がその内部に流入されて前記ろ過装置本体外部に流出されるようにその回りに複数の処理水流入口が形成された内部多孔性チャンバと、前記ろ過装置本体上部の一部分を外側で取り囲む形態に配置されて、逆洗浄時に前記ろ材に捕獲されていた濃縮液が前記ろ過装置本体外部に排出されるように誘導する濃縮液排出ジャケットと、を備えることを特徴とする精密ろ過装置を提供する。
【0015】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ材固定板にその下部先端が固定された前記柔軟性繊維糸の上部先端は固定されず自由状態に放置され、前記流入水ガイドジャケットに対応する前記本体部分には前記流入水が通過する複数の流入水通過口が形成され、逆洗浄時に逆洗浄された濃縮液の排出を前記ろ過装置本体の外部に誘導するために内部のろ過装置本体を外側から取り囲み、ろ過装置本体の上部を介して前記濃縮液を外部に排出させるためのジャケット状の円筒部材から形成される濃縮液排出ジャケットが形成される。
【0016】
前記濃縮液排出ジャケットに対応する前記本体部分には、前記流入水が通過する複数の流入水通過口が形成される。
【0017】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ過装置は、前記ろ材固定板を下部から支持するように設置され、逆洗浄時に逆洗浄空気を注入可能にする逆洗浄空気流入管が形成された下部結合構造物を備える。
【0018】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ材固定板に前記逆洗浄空気が通過する複数の逆洗浄空気流入口が正六角形の配列に形成されるか、前記逆洗浄空気流入管の前記本体内部に位置する部分に前記逆洗浄空気が排出される逆洗浄空気排出口が形成される。
【0019】
本発明の望ましい実施形態において、前記内部多孔性チャンバの体積は、前記本体体積の10〜50%になるように形成される。
【0020】
本発明の望ましい実施形態において、前記柔軟性繊維糸は、ろ過対象の流入水または前記流入水の処理程度によって単一材質の柔軟性繊維糸または相異なる材質の柔軟性繊維糸が複合的に使われる。
【0021】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ過装置は、逆洗浄時に前記流入水を逆洗浄水として使用することによって、逆洗浄用の追加の水槽とその他の逆洗浄用ポンプと弁及び配管資材を必要としない。
【0022】
本発明の望ましい実施形態において、前記流入水が逆洗浄時に逆洗浄水としても使われることによって、ろ過工程と逆洗浄工程とがそれぞれ同じ方向で行われる。
【0023】
本発明の望ましい実施形態において、逆洗浄時に前記ろ材固定板の逆洗浄空気流入口または前記逆洗浄空気流入管の排出口を通じて前記逆洗浄空気を前記本体内部に間歇的に注入して乱流を発生させることによって、この時に形成される柔軟性繊維糸ろ材と該ろ材に捕獲された汚染物質間のせん断力により前記汚染物質が短時間に脱離される。
【0024】
本発明の望ましい実施形態において、前記逆洗浄空気は、空気圧縮器で発生する圧縮空気であって、この圧縮空気は、高圧のまま前記逆洗浄空気流入管に連結された空気保存タンクに保存された後、逆洗浄時に周期的に前記本体内部に注入されて逆洗浄工程が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の望ましい実施形態を詳細に説明する。本発明を説明するに当たって関連した公知技術または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。そして、後述する用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて下されねばならない。
【0026】
図1は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の構成図であり、図2は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の側断面図であり、図3は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の多孔性チャンバ構成図であり、図4及び図5は、それぞれ本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の下部結合構造物の構成図である。図6ないし図8は、それぞれ本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図であり、図9は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の流入水ガイドジャケットの構成図であり、図10は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材密度調節板の構成図であり、図11は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の濃縮液排出ジャケットの構成図であり、図12は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ過工程時の作用を説明する概念図であり、図13は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の逆洗浄工程時の作用を説明する概念図である。図14ないし図19は、それぞれ本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施形態のグラフであり、図14は、水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の粒径に対する除去効率を示したグラフであり、図15は、運転期間に対する水中浮遊物質の除去効率を示したグラフであり、図16は、運転期間による水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の流入/流出濃度を示したグラフであり、図17は、運転期間によるBODの除去効率を示したグラフであり、図18は、運転期間によるBODの流入/流出濃度を示したグラフであり、図19は、運転期間による圧力及びろ過フラックス変化を示したグラフである。
【0027】
図1ないし図11を参照すれば、本発明によるろ過装置100は、流入水(ろ過原水及び/または逆洗浄原水)の主要通路となり、柔軟性繊維糸6がその内部に長手方向に充填されるろ過装置本体1と、本体1の下側部分の側部に前記流入水を流入させるための流入水ガイドジャケット7と、流入水ガイドジャケット7の下端に柔軟性繊維糸ろ材6の下部先端が固定される複数の固定口15が形成されているろ材固定板12と、ドーナツ状に流入水ガイドジャケット7とろ材固定板12との間に配置され、ろ材固定板12に固定された柔軟性繊維糸6がその中孔部を通過しつつ充填密度を高めることによって、流入される前記流入水がろ材固定板12側に流れることを防止するろ材密度調節板9と、本体1の上部から下方に一定大きさに本体1の内部に配置されてろ材6の上部層の密度を増加させ、ろ材6により処理された処理水(ろ過水)がその内部に流入されて本体1の外部に流出されるようにその回りに複数の処理水流入口11が形成された多孔性チャンバ10と、本体1の上部の一定部分を外側で取り囲む形態に配置されて、逆洗浄時に逆洗浄された濃縮液が本体1の外部に排出されるように誘導する濃縮液排出ジャケット16と、ろ材固定板12を下部から支持するように設置され、逆洗浄時に逆洗浄空気を注入させる逆洗浄空気流入管が形成された下部結合構造物13と、を備えてなる。
【0028】
ろ材密度調節板9は、図10に示したように、流入水ガイドジャケット7を通じて流入された流入水が上部のろ材層を通過せずに本体1の下部に流れた後、下部中央で上部の流出管3方向に向って流れることを防止する。すなわち、ろ材密度調節板9は、柔軟性繊維糸6をその中孔部に高密度に稠密に入れることによって、流入された流入水が下部に流れないようにする。
【0029】
図4に示した下部結合構造物13aは、逆洗浄空気の均一な供給のために逆洗浄空気流入口14が正六角形の配列に形成されているろ材固定板12a(図6)、12b(図7)と共に設置される。図5に示した逆洗浄空気流入管4の上部周囲に逆洗浄空気排出口4bが形成されている下部結合構造物13bは、逆洗浄空気流入口のないろ材固定板12c(図8)と共に設置される。
【0030】
本発明において、ろ材固定板12に固定されていない柔軟性繊維糸6の上部先端は、何も固定されていない自由状態に放置される。流入水ガイドジャケット7に対応する本体1部分には、図2及び図9に示したように、前記流入水が通過する複数の流入水通過口8が形成され、濃縮液排出ジャケット16は、逆洗浄時に排出される濃縮液が上部にオーバーフローされつつ排出されるように密閉型外筒構造になって本体1の上端部に形成される。多孔性チャンバ10の体積は、図2に示したように、本体1の体積の10〜50%になるように作られる。
【0031】
本発明に使われるろ材として柔軟性繊維糸6は、ろ過対象流入水または前記流入水の処理程度によって単一材質の柔軟性繊維糸または相異なる材質の柔軟性繊維糸が複合的に使われうる。柔軟性繊維糸6の材質は、望ましくはポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの素材からなる。
【0032】
本発明のろ過装置100は、図12及び図13に示したように、逆洗浄時に逆洗浄用原水としてろ過原水をそのまま使用することによって、逆洗浄用水槽と逆洗浄用ポンプ及び弁、そしてその他の逆洗浄用配管資材を必要としない。このように、前記流入水が逆洗浄時に逆洗浄水としても使われることによって、ろ過工程と逆洗浄工程がそれぞれ同じ方向、すなわち、実線矢印と点線矢印とで図示したように本体1の上部方向に進行する。
【0033】
一方、本発明のろ過装置100は、逆洗浄時ろ材固定板12の逆洗浄空気流入口14または逆洗浄空気流入管4の空気排出口4bを通じて前記逆洗浄空気を本体1の内部に間歇的に注入して乱流を発生させることによって、この時に形成される柔軟性繊維糸ろ材6と該ろ材6に捕獲された汚染物質間のせん断力により前記汚染物質を短時間に脱離させる。前記のように間歇的に注入される逆洗浄空気は、図12及び図13に図示したような所定の空気圧縮器62で発生する圧縮空気であって、この圧縮空気は、逆洗浄空気流入管4に連結された空気保存タンク64に保存された後、逆洗浄時に周期的に本体1の内部に注入される。
【0034】
流入水ガイドジャケット7に対応する本体1部分は、流入水に抵抗がかからないようにして接近(アクセス)速度が一定に維持されるように多孔板形態とする。多孔性チャンバ10は、図2及び図3に示したように、流出水流出管3及び上部結合構造物と一体型または分離型に構成される。濃縮液流出ジャケット16は、本体1の上部外側にジャケット状に設置され、本体1の上部にオーパーフローする濃縮水は外側ジャケットを通して円滑に排出される。ろ材固定板12には柔軟性繊維糸6束が固定されるが、ろ過しようとする対象あるいは対象物質の処理程度によって単一種の柔軟性繊維糸6あるいは流入部と流出部別に多様な物性の柔軟性繊維糸6の装着が可能である。
【0035】
以下、図12及び図13を参照して本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の作用例を説明する。図12は、本発明のろ過装置のろ過工程時の作用を示したものであり、図13は、本発明のろ過装置の逆洗浄工程時の作用を示したものである。
【0036】
図12を参照すれば、ろ過工程時にはポンプPの動作でろ過原水が流入され、流出水流出管3と連結されたろ過水排出弁V1が開放される。これにより、ろ過原水槽52のろ過原水がろ過装置100に供給されつつ上向流式ろ過が進行する。ろ過装置100によりろ過されたろ過水は、本体1及びろ過水排出弁V1を経由してろ過水貯蔵槽54に流出される。ろ過工程時、逆洗浄用空気流入弁V2及び濃縮液排出弁V3は閉状態にある。
【0037】
ろ過工程をより詳細に説明すれば、ろ過原水(流入水)内の浮遊性固形物質は、柔軟性繊維糸6からなるろ材層を通過しつつ篩かけ、物理化学的吸着、遮断、沈殿及び毛管現象などの多様なメカニズムでろ材層内に捕集され、前記浮遊性固形物質が除去されたろ過水は排出弁V1を通じてろ過水貯蔵槽54に流出される。
【0038】
ろ過工程が続けば、ろ材6に浮遊物質捕獲量が増加し、これによってろ過抵抗は増加してろ過速度(flux)は小さくなり、結局ろ過水量が減少する。この時、ろ過される水量が設定された目標水量以下に減少するか、ろ過圧力が設定された値以上になるか、あるいはあらかじめ設定されたろ過持続時間に到達すれば、逆洗浄工程が始まる。
【0039】
図13を参照すれば、逆洗浄工程時、ろ過水排出弁V1は閉状態、逆洗浄用空気流入弁V2及び濃縮液排出弁V3は開状態にある。一方、逆洗浄水としてろ過原水槽52にあるろ過原水を逆洗浄水として使用するために、ろ過原水及び/または逆洗浄原水流入ポンプPは連続して動作し続ける。
【0040】
逆洗浄工程時、空気圧縮器62と空気保存タンク64を通じてろ過装置100に流入される加圧空気と、ろ過原水及び/または逆洗浄水流入ポンプPを通じてろ過装置100に流入される逆洗浄水により、ろ過装置100内のろ材6は、水平及び垂直方向に膨脹すると同時に上下左右に強く揺れる。この時、ろ材6の膨脹及び上下左右に揺れることにより乱流が発生し、この乱流によりせん断力が発生し、このせん断力によりろ材6に捕獲された粒子(浮遊物質)の脱離が短時間内に行われる。ろ材6から脱離された浮遊物質は逆洗浄水に混ざって濃縮液形態になり、濃縮液排出ジャケット16と濃縮液排出弁V3を経由して濃縮液貯蔵槽56に排出される。
【0041】
前記逆洗浄工程時、逆洗浄用加圧空気は、望ましくは空気圧縮器62で発生する圧縮空気を空気保存タンク64に保存した後、保存された圧縮空気を周期的にろ過装置100に注入することによって逆洗浄工程を効率的に行える。
【0042】
本発明の一実施形態による逆洗浄工程時、逆洗浄水としては、前述したようにろ過原水槽52にあるろ過原水を利用するが、別途の水槽に保存された逆洗浄水を使用することもできるということは言うまでもない。
【0043】
本発明の一実施形態のように、ろ過原水槽52に保存されたろ過原水を逆洗浄水として使用する場合、別途の逆洗浄水水槽が不必要であり、逆洗浄水の供給のためのポンプと弁及びその他の配管も不必要であるために、ろ過装置の設置構成が単純になりうる。
【0044】
以下、実験実施例を通じて本発明のろ過装置を付加的に説明する。
【0045】
<実施例−下水処理>
ある都市の下水処理場に本体の直径1500mm、長さ3000mmサイズの本発明によるろ過装置100を設置して6ケ月間運転した結果、平均流入水固形物質(Solid Substance;SS)濃度10.3ppm、平均流出水SS濃度0.7ppmであり、流出水SS濃度が常時1ppm以下を維持し、処理効率は平均92.9%を得ることができた。また流入水及び流出水の浮遊性SS粒径分布を確認した結果、粒径1〜3μmでは70%、3〜5μmでは82%、5〜8μmでは85%、8〜10μm以上では93%、10〜15μmでは95%、15〜25μmでは98%、25μm以上では100%の除去効率を表した。生物学的に処理した下・廃水の場合、流出水BOD中の70%以上が固形性BODであるためにBODも同伴除去されることが確認できた。本運転結果では、平均流入BOD 9.0ppm、平均流出BOD 3.0ppm、平均除去率60.5%を得ることができた。
【0046】
前記した実施例と関連した図面を図14ないし図19に参考的に示したが、図14は、水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の粒径に対する除去効率を示したグラフであり、図15は、運転期間に対する水中浮遊物質の除去効率を示したグラフであり、図16は、運転期間による水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の流入/流出濃度を示したグラフであり、図17は、運転期間によるBODの除去効率を示したグラフであり、図18は、運転期間によるBODの流入/流出濃度を示したグラフであり、図19は、運転期間による圧力及びろ過フラックス(Flux)変化を示したグラフである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置は、1ないし60μmの有効直径を持ちつつ柔軟性と伸縮性及び適当な表面粗度を持つ柔軟性繊維糸を装置の長手方向に装着し、ジャケット状原水(流入水)流入部を多孔性流入構造とし、ろ過処理されたろ過水(処理水)を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによって全体ろ材層を粒子捕獲空間として活用可能にして、既存ろ過装置に比べてろ過効率、ろ過水量、ろ過持続時間及び動力コストを改善させる利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の構成図である。
【図2】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の側断面図である。
【図3】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の多孔性チャンバ構成図である。
【図4】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の下部結合構造物の構成図である。
【図5】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の下部結合構造物の構成図である。
【図6】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図である。
【図7】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図である。
【図8】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図である。
【図9】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の流入水ガイドジャケットの構成図である。
【図10】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材密度調節板の構成図である。
【図11】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の濃縮液排出ジャケットの構成図である。
【図12】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ過工程時の作用を説明する概念図である。
【図13】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の逆洗浄工程時の作用を説明する概念図である。
【図14】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の粒径に対する除去効率を示す。
【図15】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間に対する水中浮遊物質の除去効率を示す。
【図16】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間による水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の流入/流出濃度を示す。
【図17】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間によるBODの除去効率を示す。
【図18】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間によるBODの流入/流出濃度を示す。
【図19】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間による圧力及びろ過フラックス変化を示す。
【符号の説明】
【0049】
1 ろ過装置本体
3 流出水流出管
4 逆洗浄空気流入管
4b 逆洗浄空気排出口
6 柔軟性繊維糸
7 流入水ガイドジャケット
8 流入水通過口
9 ろ材密度調節板
10 多孔性チャンバ
11 処理水流入口
12、12a、12b、12c ろ材固定板
13、13a、13b 下部結合構造物
14 逆洗浄空気流入口
15 固定口
16 濃縮液排出ジャケット
52 ろ過原水槽
54 ろ過水貯蔵槽
56 濃縮液貯蔵槽
62 空気圧縮器
64 空気保存タンク
100 ろ過装置
P ポンプ
V1 ろ過水排出弁
V2 逆洗浄用空気流入弁
V3 濃縮液排出弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的及び物理化学的処理後に水中に残存する微細フロック粒子(floc)、藻類(algae)、浮遊物質などを効果的にろ過分離するためのろ過装置に係り、より詳細には、1ないし60μmの有効直径を持ちつつ柔軟性と伸縮性及び適当な表面粗度を持つ柔軟性繊維糸を装置の長手方向に装着し、ジャケット型原水(流入水)流入部として多孔性流入構造を採用し、ろ過処理されたろ過水(処理水)を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによってろ材層全体を粒子捕獲空間として活用可能にして、既存ろ過装置に比べてろ過効率、ろ過水量、ろ過持続時間及び動力コストを画期的に改善させた密度調節型繊維糸の精密ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に廃水、汚水、下水及び上水原水は多様な大きさの浮遊物質を含有しており、これら浮遊物質を川や海に放流すれば水資源を汚染させ、水資源の利用に莫大な支障を招く。ここで、前記浮遊物質は0.1μm以上の大きさを持つ粒子(有機物と無機物)からなる固形物質であり、水を懸濁させるので懸濁物質とも呼ばれる。
【0003】
前記浮遊物質(懸濁物質)を含有した水は水資源を汚染させ、その状態では家庭や産業現場で一般用水として使用するには適していない。したがって、予め処理された処理水を2次的に処理して使用することによって、上水及び水資源を生成してエネルギー低減効果を高める水処理用ろ過装置が開発されてきた。
【0004】
ろ過装置の性能をさらに向上させるために繊維糸をろ材として使用し、ろ過装置の下端にろ材を固定させて、原水(流入水)供給圧力でろ材を密着させ、空気と洗浄水供給圧力でろ材を膨脹させる可変フィルタ層を持つろ過装置が公知(特許文献1)であるが、この方法は、ろ材層が単層でありろ材の密着程度が原水供給圧力によって決定されるために、浮遊物質の捕獲空間が少なくてろ過持続時間が短く、洗浄頻度が多く、流入水の水質変動に備え難く、目的とする水質と水量を任意に調節し難い短所がある。
【0005】
前記問題点を解決するための装置として、従来からある柔軟性繊維糸を利用した溶液の中の浮遊固形物質分離装置(特許文献2)がある。これは、ろ材として使用した繊維糸の長さによってろ層深さと粒子捕獲空間の任意調節が可能であり、柔軟性繊維糸の集積密度によって空隙率と空隙の大きさ、粒子捕獲量及びろ過水質の調節が容易であり、かつ供給原水の水質変化に容易に対応できるろ過装置であるが、柔軟性と伸縮性のある繊維糸の集積方法において機械化が難しく、またろ過速度が低いためろ過装置のサイズが大きくなるなどの短所があった。
【0006】
前記した問題点を解決するための従来の水中浮遊物質のろ過装置(特許文献3)は、ろ材層を通過する水の流れを、充填されたろ材の長手方向と同一にすることで(co−current)、ろ材ろ過原理と長手方向に充填したろ材による毛細管現象を主なろ過原理として採用したろ過装置であるために、繊維糸の充填問題を容易にすることはもとより、ろ過速度を大きく向上させて装置のサイズを縮めたことが特徴であるが、5μm以下の水中浮遊物質を除去し難い点と、ろ過層全体を活用できないという短所があった。
【特許文献1】大韓民国登録番号10−0241198;出願番号10−1997−0050047;出願日1997−09−30
【特許文献2】大韓民国登録番号10−0324727;出願番号10−1999−0013396;出願日1999−04−15
【特許文献3】大韓民国登録番号10−0354836;出願番号10−1999−0013448;出願日2001−03−15
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような従来のろ過装置で現れた問題点を解決するためになされたものであり、多様な形態で流入水内に含まれている浮遊物質の種類及び大きさ、状態に関係なく浮遊物質のろ過及び捕獲された汚染物質の逆洗浄などをさらに効率的に行うことができ、低いろ過抵抗で多くの水量及び精密ろ過が可能な密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0008】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過装置本体の下部のジャケット状原水流入部を多孔性流入構造とし、前記ジャケット状原水流入部の下端に逆洗浄用空気流入口が形成されたろ材固定板とろ材密度調節板を装着して、接近(アクセス)流速を減少させ、流入された原水がろ材固定板下部へ逆流することを防止すると同時に、ろ材層全体を捕獲粒子空間とする深層ろ過方式を採用することによって、ろ過抵抗を減らして過持続時間を延長させることができ、ろ過層全体をろ過空間として活用できる密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過装置の下部に設置される逆洗浄用空気流入口が形成されたろ材固定板にろ材である柔軟性繊維糸を固定し、その上部先端は柔軟性が維持されるように固定しない状態でろ過と逆洗浄とが行われるようにろ過装置の長手方向に充填してろ過と逆洗浄効率を高め、逆洗浄時間と逆洗浄水発生量を最小化させることができる密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0010】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過処理されたろ過水を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによって、流出部の充填密度を相対的に高く維持し、流出部の断面積は大きくしてろ過流出抵抗を減らすことにより、低いろ過圧力で精密ろ過を可能にした密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0011】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、濃縮液排出部(流出部)をジャケット状にすることによって、逆洗浄時にろ材間に捕獲された浮遊物質の排出を円滑に行える密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0012】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ろ過原水を逆洗浄水として使用することによって逆洗浄用処理水槽がなく、かつ弁及びその他の配管が単純でコンパクトな密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【0013】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、大容量の原水を処理するのに適するように複数のろ過装置を並列に組み合わせて処理容量を増加させることができる並列ろ過システムを可能にする密度調節型繊維糸の精密ろ過装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記した技術的課題を達成するために、流入水の主要通路になり、流入水が長手方向に流れるろ過装置本体と、ろ過装置本体によって包囲され、ろ過装置の長手方向に伸びる柔軟性繊維糸からなり、充填密度が制御され、流入水に含まれる各種浮遊物質を除去するろ材と、前記ろ過装置本体の下側部分の側部に流入水を流入させるための流入水ガイドジャケットと、前記流入水ガイドジャケットの下方に配置され、前記ろ材の下端を固定する複数の固定口を有するろ材固定板と、ドーナツ状の形状を有し前記流入水ガイドジャケットと前記ろ材固定板との間に配置され、前記ろ材固定板に固定された柔軟性繊維糸がその中孔部を通過しつつ充填密度を高めることによって、流入される前記流入水が前記ろ材固定板側に流れることを防止するろ材密度調節板と、前記ろ過装置本体の上部から伸びて一定の径を有し、前記ろ材の上部層の密度を増加させ、前記ろ材により処理された処理水がその内部に流入されて前記ろ過装置本体外部に流出されるようにその回りに複数の処理水流入口が形成された内部多孔性チャンバと、前記ろ過装置本体上部の一部分を外側で取り囲む形態に配置されて、逆洗浄時に前記ろ材に捕獲されていた濃縮液が前記ろ過装置本体外部に排出されるように誘導する濃縮液排出ジャケットと、を備えることを特徴とする精密ろ過装置を提供する。
【0015】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ材固定板にその下部先端が固定された前記柔軟性繊維糸の上部先端は固定されず自由状態に放置され、前記流入水ガイドジャケットに対応する前記本体部分には前記流入水が通過する複数の流入水通過口が形成され、逆洗浄時に逆洗浄された濃縮液の排出を前記ろ過装置本体の外部に誘導するために内部のろ過装置本体を外側から取り囲み、ろ過装置本体の上部を介して前記濃縮液を外部に排出させるためのジャケット状の円筒部材から形成される濃縮液排出ジャケットが形成される。
【0016】
前記濃縮液排出ジャケットに対応する前記本体部分には、前記流入水が通過する複数の流入水通過口が形成される。
【0017】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ過装置は、前記ろ材固定板を下部から支持するように設置され、逆洗浄時に逆洗浄空気を注入可能にする逆洗浄空気流入管が形成された下部結合構造物を備える。
【0018】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ材固定板に前記逆洗浄空気が通過する複数の逆洗浄空気流入口が正六角形の配列に形成されるか、前記逆洗浄空気流入管の前記本体内部に位置する部分に前記逆洗浄空気が排出される逆洗浄空気排出口が形成される。
【0019】
本発明の望ましい実施形態において、前記内部多孔性チャンバの体積は、前記本体体積の10〜50%になるように形成される。
【0020】
本発明の望ましい実施形態において、前記柔軟性繊維糸は、ろ過対象の流入水または前記流入水の処理程度によって単一材質の柔軟性繊維糸または相異なる材質の柔軟性繊維糸が複合的に使われる。
【0021】
本発明の望ましい実施形態において、前記ろ過装置は、逆洗浄時に前記流入水を逆洗浄水として使用することによって、逆洗浄用の追加の水槽とその他の逆洗浄用ポンプと弁及び配管資材を必要としない。
【0022】
本発明の望ましい実施形態において、前記流入水が逆洗浄時に逆洗浄水としても使われることによって、ろ過工程と逆洗浄工程とがそれぞれ同じ方向で行われる。
【0023】
本発明の望ましい実施形態において、逆洗浄時に前記ろ材固定板の逆洗浄空気流入口または前記逆洗浄空気流入管の排出口を通じて前記逆洗浄空気を前記本体内部に間歇的に注入して乱流を発生させることによって、この時に形成される柔軟性繊維糸ろ材と該ろ材に捕獲された汚染物質間のせん断力により前記汚染物質が短時間に脱離される。
【0024】
本発明の望ましい実施形態において、前記逆洗浄空気は、空気圧縮器で発生する圧縮空気であって、この圧縮空気は、高圧のまま前記逆洗浄空気流入管に連結された空気保存タンクに保存された後、逆洗浄時に周期的に前記本体内部に注入されて逆洗浄工程が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の望ましい実施形態を詳細に説明する。本発明を説明するに当たって関連した公知技術または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。そして、後述する用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて下されねばならない。
【0026】
図1は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の構成図であり、図2は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の側断面図であり、図3は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の多孔性チャンバ構成図であり、図4及び図5は、それぞれ本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の下部結合構造物の構成図である。図6ないし図8は、それぞれ本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図であり、図9は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の流入水ガイドジャケットの構成図であり、図10は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材密度調節板の構成図であり、図11は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の濃縮液排出ジャケットの構成図であり、図12は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ過工程時の作用を説明する概念図であり、図13は、本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の逆洗浄工程時の作用を説明する概念図である。図14ないし図19は、それぞれ本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施形態のグラフであり、図14は、水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の粒径に対する除去効率を示したグラフであり、図15は、運転期間に対する水中浮遊物質の除去効率を示したグラフであり、図16は、運転期間による水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の流入/流出濃度を示したグラフであり、図17は、運転期間によるBODの除去効率を示したグラフであり、図18は、運転期間によるBODの流入/流出濃度を示したグラフであり、図19は、運転期間による圧力及びろ過フラックス変化を示したグラフである。
【0027】
図1ないし図11を参照すれば、本発明によるろ過装置100は、流入水(ろ過原水及び/または逆洗浄原水)の主要通路となり、柔軟性繊維糸6がその内部に長手方向に充填されるろ過装置本体1と、本体1の下側部分の側部に前記流入水を流入させるための流入水ガイドジャケット7と、流入水ガイドジャケット7の下端に柔軟性繊維糸ろ材6の下部先端が固定される複数の固定口15が形成されているろ材固定板12と、ドーナツ状に流入水ガイドジャケット7とろ材固定板12との間に配置され、ろ材固定板12に固定された柔軟性繊維糸6がその中孔部を通過しつつ充填密度を高めることによって、流入される前記流入水がろ材固定板12側に流れることを防止するろ材密度調節板9と、本体1の上部から下方に一定大きさに本体1の内部に配置されてろ材6の上部層の密度を増加させ、ろ材6により処理された処理水(ろ過水)がその内部に流入されて本体1の外部に流出されるようにその回りに複数の処理水流入口11が形成された多孔性チャンバ10と、本体1の上部の一定部分を外側で取り囲む形態に配置されて、逆洗浄時に逆洗浄された濃縮液が本体1の外部に排出されるように誘導する濃縮液排出ジャケット16と、ろ材固定板12を下部から支持するように設置され、逆洗浄時に逆洗浄空気を注入させる逆洗浄空気流入管が形成された下部結合構造物13と、を備えてなる。
【0028】
ろ材密度調節板9は、図10に示したように、流入水ガイドジャケット7を通じて流入された流入水が上部のろ材層を通過せずに本体1の下部に流れた後、下部中央で上部の流出管3方向に向って流れることを防止する。すなわち、ろ材密度調節板9は、柔軟性繊維糸6をその中孔部に高密度に稠密に入れることによって、流入された流入水が下部に流れないようにする。
【0029】
図4に示した下部結合構造物13aは、逆洗浄空気の均一な供給のために逆洗浄空気流入口14が正六角形の配列に形成されているろ材固定板12a(図6)、12b(図7)と共に設置される。図5に示した逆洗浄空気流入管4の上部周囲に逆洗浄空気排出口4bが形成されている下部結合構造物13bは、逆洗浄空気流入口のないろ材固定板12c(図8)と共に設置される。
【0030】
本発明において、ろ材固定板12に固定されていない柔軟性繊維糸6の上部先端は、何も固定されていない自由状態に放置される。流入水ガイドジャケット7に対応する本体1部分には、図2及び図9に示したように、前記流入水が通過する複数の流入水通過口8が形成され、濃縮液排出ジャケット16は、逆洗浄時に排出される濃縮液が上部にオーバーフローされつつ排出されるように密閉型外筒構造になって本体1の上端部に形成される。多孔性チャンバ10の体積は、図2に示したように、本体1の体積の10〜50%になるように作られる。
【0031】
本発明に使われるろ材として柔軟性繊維糸6は、ろ過対象流入水または前記流入水の処理程度によって単一材質の柔軟性繊維糸または相異なる材質の柔軟性繊維糸が複合的に使われうる。柔軟性繊維糸6の材質は、望ましくはポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの素材からなる。
【0032】
本発明のろ過装置100は、図12及び図13に示したように、逆洗浄時に逆洗浄用原水としてろ過原水をそのまま使用することによって、逆洗浄用水槽と逆洗浄用ポンプ及び弁、そしてその他の逆洗浄用配管資材を必要としない。このように、前記流入水が逆洗浄時に逆洗浄水としても使われることによって、ろ過工程と逆洗浄工程がそれぞれ同じ方向、すなわち、実線矢印と点線矢印とで図示したように本体1の上部方向に進行する。
【0033】
一方、本発明のろ過装置100は、逆洗浄時ろ材固定板12の逆洗浄空気流入口14または逆洗浄空気流入管4の空気排出口4bを通じて前記逆洗浄空気を本体1の内部に間歇的に注入して乱流を発生させることによって、この時に形成される柔軟性繊維糸ろ材6と該ろ材6に捕獲された汚染物質間のせん断力により前記汚染物質を短時間に脱離させる。前記のように間歇的に注入される逆洗浄空気は、図12及び図13に図示したような所定の空気圧縮器62で発生する圧縮空気であって、この圧縮空気は、逆洗浄空気流入管4に連結された空気保存タンク64に保存された後、逆洗浄時に周期的に本体1の内部に注入される。
【0034】
流入水ガイドジャケット7に対応する本体1部分は、流入水に抵抗がかからないようにして接近(アクセス)速度が一定に維持されるように多孔板形態とする。多孔性チャンバ10は、図2及び図3に示したように、流出水流出管3及び上部結合構造物と一体型または分離型に構成される。濃縮液流出ジャケット16は、本体1の上部外側にジャケット状に設置され、本体1の上部にオーパーフローする濃縮水は外側ジャケットを通して円滑に排出される。ろ材固定板12には柔軟性繊維糸6束が固定されるが、ろ過しようとする対象あるいは対象物質の処理程度によって単一種の柔軟性繊維糸6あるいは流入部と流出部別に多様な物性の柔軟性繊維糸6の装着が可能である。
【0035】
以下、図12及び図13を参照して本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の作用例を説明する。図12は、本発明のろ過装置のろ過工程時の作用を示したものであり、図13は、本発明のろ過装置の逆洗浄工程時の作用を示したものである。
【0036】
図12を参照すれば、ろ過工程時にはポンプPの動作でろ過原水が流入され、流出水流出管3と連結されたろ過水排出弁V1が開放される。これにより、ろ過原水槽52のろ過原水がろ過装置100に供給されつつ上向流式ろ過が進行する。ろ過装置100によりろ過されたろ過水は、本体1及びろ過水排出弁V1を経由してろ過水貯蔵槽54に流出される。ろ過工程時、逆洗浄用空気流入弁V2及び濃縮液排出弁V3は閉状態にある。
【0037】
ろ過工程をより詳細に説明すれば、ろ過原水(流入水)内の浮遊性固形物質は、柔軟性繊維糸6からなるろ材層を通過しつつ篩かけ、物理化学的吸着、遮断、沈殿及び毛管現象などの多様なメカニズムでろ材層内に捕集され、前記浮遊性固形物質が除去されたろ過水は排出弁V1を通じてろ過水貯蔵槽54に流出される。
【0038】
ろ過工程が続けば、ろ材6に浮遊物質捕獲量が増加し、これによってろ過抵抗は増加してろ過速度(flux)は小さくなり、結局ろ過水量が減少する。この時、ろ過される水量が設定された目標水量以下に減少するか、ろ過圧力が設定された値以上になるか、あるいはあらかじめ設定されたろ過持続時間に到達すれば、逆洗浄工程が始まる。
【0039】
図13を参照すれば、逆洗浄工程時、ろ過水排出弁V1は閉状態、逆洗浄用空気流入弁V2及び濃縮液排出弁V3は開状態にある。一方、逆洗浄水としてろ過原水槽52にあるろ過原水を逆洗浄水として使用するために、ろ過原水及び/または逆洗浄原水流入ポンプPは連続して動作し続ける。
【0040】
逆洗浄工程時、空気圧縮器62と空気保存タンク64を通じてろ過装置100に流入される加圧空気と、ろ過原水及び/または逆洗浄水流入ポンプPを通じてろ過装置100に流入される逆洗浄水により、ろ過装置100内のろ材6は、水平及び垂直方向に膨脹すると同時に上下左右に強く揺れる。この時、ろ材6の膨脹及び上下左右に揺れることにより乱流が発生し、この乱流によりせん断力が発生し、このせん断力によりろ材6に捕獲された粒子(浮遊物質)の脱離が短時間内に行われる。ろ材6から脱離された浮遊物質は逆洗浄水に混ざって濃縮液形態になり、濃縮液排出ジャケット16と濃縮液排出弁V3を経由して濃縮液貯蔵槽56に排出される。
【0041】
前記逆洗浄工程時、逆洗浄用加圧空気は、望ましくは空気圧縮器62で発生する圧縮空気を空気保存タンク64に保存した後、保存された圧縮空気を周期的にろ過装置100に注入することによって逆洗浄工程を効率的に行える。
【0042】
本発明の一実施形態による逆洗浄工程時、逆洗浄水としては、前述したようにろ過原水槽52にあるろ過原水を利用するが、別途の水槽に保存された逆洗浄水を使用することもできるということは言うまでもない。
【0043】
本発明の一実施形態のように、ろ過原水槽52に保存されたろ過原水を逆洗浄水として使用する場合、別途の逆洗浄水水槽が不必要であり、逆洗浄水の供給のためのポンプと弁及びその他の配管も不必要であるために、ろ過装置の設置構成が単純になりうる。
【0044】
以下、実験実施例を通じて本発明のろ過装置を付加的に説明する。
【0045】
<実施例−下水処理>
ある都市の下水処理場に本体の直径1500mm、長さ3000mmサイズの本発明によるろ過装置100を設置して6ケ月間運転した結果、平均流入水固形物質(Solid Substance;SS)濃度10.3ppm、平均流出水SS濃度0.7ppmであり、流出水SS濃度が常時1ppm以下を維持し、処理効率は平均92.9%を得ることができた。また流入水及び流出水の浮遊性SS粒径分布を確認した結果、粒径1〜3μmでは70%、3〜5μmでは82%、5〜8μmでは85%、8〜10μm以上では93%、10〜15μmでは95%、15〜25μmでは98%、25μm以上では100%の除去効率を表した。生物学的に処理した下・廃水の場合、流出水BOD中の70%以上が固形性BODであるためにBODも同伴除去されることが確認できた。本運転結果では、平均流入BOD 9.0ppm、平均流出BOD 3.0ppm、平均除去率60.5%を得ることができた。
【0046】
前記した実施例と関連した図面を図14ないし図19に参考的に示したが、図14は、水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の粒径に対する除去効率を示したグラフであり、図15は、運転期間に対する水中浮遊物質の除去効率を示したグラフであり、図16は、運転期間による水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の流入/流出濃度を示したグラフであり、図17は、運転期間によるBODの除去効率を示したグラフであり、図18は、運転期間によるBODの流入/流出濃度を示したグラフであり、図19は、運転期間による圧力及びろ過フラックス(Flux)変化を示したグラフである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置は、1ないし60μmの有効直径を持ちつつ柔軟性と伸縮性及び適当な表面粗度を持つ柔軟性繊維糸を装置の長手方向に装着し、ジャケット状原水(流入水)流入部を多孔性流入構造とし、ろ過処理されたろ過水(処理水)を中央の多孔性チャンバを通じて排出させることによって全体ろ材層を粒子捕獲空間として活用可能にして、既存ろ過装置に比べてろ過効率、ろ過水量、ろ過持続時間及び動力コストを改善させる利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の構成図である。
【図2】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の側断面図である。
【図3】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の多孔性チャンバ構成図である。
【図4】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の下部結合構造物の構成図である。
【図5】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の下部結合構造物の構成図である。
【図6】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図である。
【図7】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図である。
【図8】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材固定板の構成図である。
【図9】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の流入水ガイドジャケットの構成図である。
【図10】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ材密度調節板の構成図である。
【図11】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の濃縮液排出ジャケットの構成図である。
【図12】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置のろ過工程時の作用を説明する概念図である。
【図13】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の逆洗浄工程時の作用を説明する概念図である。
【図14】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の粒径に対する除去効率を示す。
【図15】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間に対する水中浮遊物質の除去効率を示す。
【図16】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間による水中浮遊物質(Suspended Solid;SS)の流入/流出濃度を示す。
【図17】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間によるBODの除去効率を示す。
【図18】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間によるBODの流入/流出濃度を示す。
【図19】本発明による密度調節型繊維糸の精密ろ過装置の実験実施例のグラフであり、運転期間による圧力及びろ過フラックス変化を示す。
【符号の説明】
【0049】
1 ろ過装置本体
3 流出水流出管
4 逆洗浄空気流入管
4b 逆洗浄空気排出口
6 柔軟性繊維糸
7 流入水ガイドジャケット
8 流入水通過口
9 ろ材密度調節板
10 多孔性チャンバ
11 処理水流入口
12、12a、12b、12c ろ材固定板
13、13a、13b 下部結合構造物
14 逆洗浄空気流入口
15 固定口
16 濃縮液排出ジャケット
52 ろ過原水槽
54 ろ過水貯蔵槽
56 濃縮液貯蔵槽
62 空気圧縮器
64 空気保存タンク
100 ろ過装置
P ポンプ
V1 ろ過水排出弁
V2 逆洗浄用空気流入弁
V3 濃縮液排出弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入水の主要通路になり、流入水が長手方向に流れるろ過装置本体と、
ろ過装置本体によって包囲され、ろ過装置の長手方向に伸びる柔軟性繊維糸からなり、充填密度が制御され、流入水に含まれる各種浮遊物質を除去するろ材と、
前記ろ過装置本体の下側部分の側部に流入水を流入させるための流入水ガイドジャケットと、
前記流入水ガイドジャケットの下方に配置され、前記ろ材の下端を固定する複数の固定口を有するろ材固定板と、
ドーナツ状の形状を有し前記流入水ガイドジャケットと前記ろ材固定板との間に配置され、前記ろ材固定板に固定された柔軟性繊維糸がその中孔部を通過しつつ充填密度を高めることによって、流入される前記流入水が前記ろ材固定板側に流れることを防止するろ材密度調節板と、
前記ろ過装置本体の上部から伸びて一定の径を有し、前記ろ材の上部層の密度を増加させ、前記ろ材により処理された処理水がその内部に流入されて前記ろ過装置本体外部に流出されるようにその回りに複数の処理水流入口が形成された内部多孔性チャンバと、
前記ろ過装置本体上部の一部分を外側で取り囲む形態に配置されて、逆洗浄時に前記ろ材に捕獲されていた濃縮液が前記ろ過装置本体外部に排出されるように誘導する濃縮液排出ジャケットと、を備えることを特徴とする精密ろ過装置。
【請求項2】
前記ろ材固定板にその下部先端が固定された前記柔軟性繊維糸の上部先端は固定されず自由状態に放置され、前記流入水ガイドジャケットに対応する前記ろ過装置本体部分には前記流入水が通過する複数の流入水通過口が形成され、前記濃縮液排出ジャケットは、濃縮液を所定の流出管を通じて外部に排出させるためのジャケット状の円筒部材からなることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項3】
前記ろ材固定板を下部から支持するように設置され、逆洗浄時に逆洗浄空気を注入する逆洗浄空気流入管が形成された下部結合構造物を備えることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項4】
前記ろ材固定板に前記逆洗浄空気が通過する複数の逆洗浄空気流入口が正六角形の配列に形成されるか、前記逆洗浄空気流入管の前記ろ過装置本体内部に位置する部分に前記逆洗浄空気が排出される逆洗浄空気排出口が形成されることを特徴とする請求項3に記載の精密ろ過装置。
【請求項5】
前記内部多孔性チャンバの体積は、前記ろ過装置本体体積の10〜50%になるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項6】
前記柔軟性繊維糸は、ろ過対象の流入水または前記流入水の処理程度によって単一材質の柔軟性繊維糸または相異なる材質の柔軟性繊維糸が複合的に使われることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項7】
ろ過水の水質は、柔軟性繊維糸の充填密度、ろ過速度、柔軟性繊維糸の表面粗度と太さによって調節可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の密度調節型繊維糸の精密ろ過装置。
【請求項8】
前記流入水及び逆洗浄用空気が流入管に流入されてろ過と逆洗浄とが同じ方向で行われるようになっていることを特徴とする請求項1または3に記載の密度調節型精密ろ過装置。
【請求項9】
逆洗浄時に前記流入水を逆洗浄水として使用することによって、逆洗浄用の追加の水槽、ポンプ、弁、及び配管を必要としないことを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項10】
逆洗浄時に前記流入水を逆洗浄水として使用することによって、ろ過と逆洗浄とが同じ方向で行われるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の精密ろ過装置。
【請求項11】
逆洗浄時に前記ろ材固定板の逆洗浄空気流入口または前記逆洗浄空気流入管の排出口を通じて前記逆洗浄空気を間歇的に注入して乱流を発生させることによって、この時に形成されるろ材と該ろ材に捕獲された汚染物質間のせん断力により前記汚染物質が短時間に脱離されるように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の精密ろ過装置。
【請求項12】
前記逆洗浄空気は、空気圧縮器で発生する圧縮空気であって、この圧縮空気は高圧のまま前記逆洗浄空気流入管に連結された空気保存タンクに保存された後、逆洗浄時に周期的に前記ろ過装置本体内部に注入されることを特徴とする請求項11に記載の精密ろ過装置。
【請求項1】
流入水の主要通路になり、流入水が長手方向に流れるろ過装置本体と、
ろ過装置本体によって包囲され、ろ過装置の長手方向に伸びる柔軟性繊維糸からなり、充填密度が制御され、流入水に含まれる各種浮遊物質を除去するろ材と、
前記ろ過装置本体の下側部分の側部に流入水を流入させるための流入水ガイドジャケットと、
前記流入水ガイドジャケットの下方に配置され、前記ろ材の下端を固定する複数の固定口を有するろ材固定板と、
ドーナツ状の形状を有し前記流入水ガイドジャケットと前記ろ材固定板との間に配置され、前記ろ材固定板に固定された柔軟性繊維糸がその中孔部を通過しつつ充填密度を高めることによって、流入される前記流入水が前記ろ材固定板側に流れることを防止するろ材密度調節板と、
前記ろ過装置本体の上部から伸びて一定の径を有し、前記ろ材の上部層の密度を増加させ、前記ろ材により処理された処理水がその内部に流入されて前記ろ過装置本体外部に流出されるようにその回りに複数の処理水流入口が形成された内部多孔性チャンバと、
前記ろ過装置本体上部の一部分を外側で取り囲む形態に配置されて、逆洗浄時に前記ろ材に捕獲されていた濃縮液が前記ろ過装置本体外部に排出されるように誘導する濃縮液排出ジャケットと、を備えることを特徴とする精密ろ過装置。
【請求項2】
前記ろ材固定板にその下部先端が固定された前記柔軟性繊維糸の上部先端は固定されず自由状態に放置され、前記流入水ガイドジャケットに対応する前記ろ過装置本体部分には前記流入水が通過する複数の流入水通過口が形成され、前記濃縮液排出ジャケットは、濃縮液を所定の流出管を通じて外部に排出させるためのジャケット状の円筒部材からなることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項3】
前記ろ材固定板を下部から支持するように設置され、逆洗浄時に逆洗浄空気を注入する逆洗浄空気流入管が形成された下部結合構造物を備えることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項4】
前記ろ材固定板に前記逆洗浄空気が通過する複数の逆洗浄空気流入口が正六角形の配列に形成されるか、前記逆洗浄空気流入管の前記ろ過装置本体内部に位置する部分に前記逆洗浄空気が排出される逆洗浄空気排出口が形成されることを特徴とする請求項3に記載の精密ろ過装置。
【請求項5】
前記内部多孔性チャンバの体積は、前記ろ過装置本体体積の10〜50%になるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項6】
前記柔軟性繊維糸は、ろ過対象の流入水または前記流入水の処理程度によって単一材質の柔軟性繊維糸または相異なる材質の柔軟性繊維糸が複合的に使われることを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項7】
ろ過水の水質は、柔軟性繊維糸の充填密度、ろ過速度、柔軟性繊維糸の表面粗度と太さによって調節可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の密度調節型繊維糸の精密ろ過装置。
【請求項8】
前記流入水及び逆洗浄用空気が流入管に流入されてろ過と逆洗浄とが同じ方向で行われるようになっていることを特徴とする請求項1または3に記載の密度調節型精密ろ過装置。
【請求項9】
逆洗浄時に前記流入水を逆洗浄水として使用することによって、逆洗浄用の追加の水槽、ポンプ、弁、及び配管を必要としないことを特徴とする請求項1に記載の精密ろ過装置。
【請求項10】
逆洗浄時に前記流入水を逆洗浄水として使用することによって、ろ過と逆洗浄とが同じ方向で行われるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の精密ろ過装置。
【請求項11】
逆洗浄時に前記ろ材固定板の逆洗浄空気流入口または前記逆洗浄空気流入管の排出口を通じて前記逆洗浄空気を間歇的に注入して乱流を発生させることによって、この時に形成されるろ材と該ろ材に捕獲された汚染物質間のせん断力により前記汚染物質が短時間に脱離されるように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の精密ろ過装置。
【請求項12】
前記逆洗浄空気は、空気圧縮器で発生する圧縮空気であって、この圧縮空気は高圧のまま前記逆洗浄空気流入管に連結された空気保存タンクに保存された後、逆洗浄時に周期的に前記ろ過装置本体内部に注入されることを特徴とする請求項11に記載の精密ろ過装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2007−527797(P2007−527797A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502694(P2007−502694)
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000576
【国際公開番号】WO2005/084776
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506306156)ナノエンテック カンパニー リミテッド (2)
【出願人】(506305469)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000576
【国際公開番号】WO2005/084776
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506306156)ナノエンテック カンパニー リミテッド (2)
【出願人】(506305469)
【Fターム(参考)】
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