説明

封緘ラベル

【課題】本発明は、発送作業を行う過程で、送付状ラベルを貼付する貼付領域を形成することができる封緘ラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】両開きの蓋部41の合わせ目42を跨ぐように貼付することで箱体4を封緘する封緘ラベル10において、ラベル基材1に蓋部41の合わせ目42に応じた形状の一対のラベル分離用切込み線を略等間隔に形成すると共に、ラベル基材1の表面に凸凹部を形成し、ラベル基材1の裏面に粘着剤2を塗布することにより、発送作業において箱体4を封緘すると、ラベル基材1の表面が送付状ラベル5を繰り返し貼付することができる貼付領域として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両開きの蓋部を有する箱体を封緘する封緘ラベルに関し、特に送付状ラベルを貼付する貼付領域として機能する封緘ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品等の発送を行う箱体に、連続的な突起物が加工された合成樹脂からなる透明シートを貼付することで、箱体に表記された社名やロゴマークを保護すると共に、透明シート上に送付状ラベル等を繰り返し貼付可能にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来技術では、発送作業とは、別の工程で透明シートを事前に貼付する必要があり、透明シートの貼付を忘れてしまい、送付状ラベルを箱体に直接貼付し、糊のこり等で箱体を汚してしまうことがあるという問題点があった。
【0004】
【特許文献1】特開2001−294823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発送作業を行う過程で、送付状ラベルを貼付する貼付領域を形成することができる封緘ラベルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、両開きの蓋部の合わせ目を跨ぐように貼付することで箱体を封緘する封緘ラベルであって、前記蓋部の合わせ目に応じた形状の一対のラベル分離用切込み線が略等間隔に形成されていると共に、表面には、凸凹部が形成されているラベル基材と、該ラベル基材の裏面に塗布された粘着剤とを具備することを特徴とする封緘ラベルに存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記凸凹部は、シルク印刷によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の封緘ラベルに存する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の封緘ラベルは、両開きの蓋部の合わせ目を跨ぐように貼付することで箱体を封緘する封緘ラベルであって、蓋部の合わせ目に応じた形状の一対のラベル分離用切込み線が略等間隔に形成されていると共に、表面には、凸凹部が形成されているラベル基材と、ラベル基材の裏面に塗布された粘着剤とを設けることにより、発送作業において箱体を封緘すると、ラベル基材の表面が送付状ラベルを繰り返し貼付することができる貼付領域として機能するため、発送作業を行う過程で、送付状ラベルを貼付する貼付領域を形成することができるという効果を奏する。
【0008】
さらに、本発明の封緘ラベルは、凸凹部をシルク印刷によって形成することにより、ラベル基材の表面に凸凹部を簡単に形成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る封緘ラベルの実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)に示すX−X’断面図であり、(c)は、(a)に示すY−Y’断面図である。図2は、本発明に係る封緘ラベルの実施の形態によって封緘する箱体例を示す斜視図である。
【0011】
本実施の形態の封緘ラベル10は、両開きの蓋部を有する箱体を封緘すると共に、送付状ラベルを貼付する貼付領域として機能するラベルであり、図1を参照すると、ラベル基材1と、ラベル基材1の裏面に塗布された粘着剤2と、粘着剤2によってラベル基材1の裏面に仮着された剥離基材3とで構成されている。なお、図1(b)に示す断面図においては、説明のために厚み方向を拡大して表示している。
【0012】
本実施の形態の封緘ラベル10によって封緘する箱体4は、図2を参照すると、上面に両開きの蓋部41を有し、両開きの蓋部41の合わせ目42が波打ち形状になっており、合わせ目42を跨ぐように封緘ラベル10を貼付することで、箱体4が封緘されることになる。
【0013】
ラベル基材1には、一対のラベル分離用切込み線11が蓋部41の合わせ目42に応じて波打ち形状に、且つ略等間隔に形成されており、一対のラベル分離用切込み線11に挟まれた領域が、蓋部41の合わせ目42を太くした形状の開封領域12となっている。なお、ラベル分離用切込み線11は、ラベル基材1の厚みの全部もしくは一部に、周期的もしくはランダムに施したミシン目等の切り込みである。
【0014】
また、ラベル基材1には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の透明もしくは半透明なフィルム基材が用いられ、配送伝票を貼付する貼付領域として機能する表面には、強度の強いシルク印刷によって凸凹部13が形成されている。なお、ラベル基材1の厚さを可能な限り薄くすると好適であり、この場合には、箱体4の貼付箇所が多少平滑でなくても貼り付きが良くなり、箱体4から封緘ラベル10が脱落することがない。
【0015】
粘着剤2としては、例えばエマルジョン系、ソルベント系、ホットメルト系のように任意の粘着剤が使用可能であると共に、素材も、アクリル系、ゴム系など任意であり、また、粘着剤の強さも強粘タイプや弱粘タイプなど任意であるが、耐久性および耐水性を備えた、ソルベント系でアクリル系素材の強粘タイプのものを用いると良い。
【0016】
剥離基材3の少なくとも一方面には、シリコーン加工等の剥離加工が施されており、剥離加工が施された面が、ラベル基材1の裏面に塗布された粘着剤2に仮着されている。なお、剥離基材3には、紙基材やフィルム基材等の任意基材を用いることができる。また、剥離基材3には、図1(c)を参照すると、剥離基材3に複数に分割するスリット31が形成されている。
【0017】
次に、本実施の形態の使用方法について図3および図4を参照して詳細に説明する。
図3は、本発明に係る封緘ラベルの実施の形態を箱体に貼付して封緘した状態を示す斜視図であり、図4は、本発明に係る封緘ラベルの実施の形態を箱体に貼付した後に開封した状態を示す斜視図である。
【0018】
箱体4を封緘する場合には、ラベル基材1の裏面から剥離基材3を剥離させることで、裏面に塗布された粘着剤2を表出させ、図3に示すように、開封領域12内に合わせ目42が位置するように、合わせ目42を跨いでラベル基材1を貼付する。箱体4に貼付されたラベル基材1の表面は、送付状ラベル5を貼付する貼付領域となり、ラベル基材1の表面には、凸凹部13が形成されているため、糊のこりすることなく送付状ラベル5を容易に剥がすことができ、繰り返し送付状ラベル5を貼付することが可能となる。
【0019】
開封時には、箱体4に貼付されたラベル基材1の表面から送付状ラベル5を剥がした後、一対のラベル分離用切込み線11を破断させることで、図4に示すように、開封領域12を除去する。これにより、合わせ目42から蓋部41を解放することが可能になり、また、箱体4に貼付された状態で残存するラベル基材1の表面には、繰り返し送付状ラベル5を貼付することができる。
【0020】
なお、本実施の形態では、ラベル基材1として透明もしくは半透明なフィルム基材を用いるように構成したが、開封領域12の色とその他のラベル基材1の色とを異ならせるように構成すると、箱体4の合わせ目42を跨いでラベル基材1を貼付する際に、開封領域12を視認しやすくなるため、開封領域12内に合わせ目42が位置させることが容易になる。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態によれば、両開きの蓋部41の合わせ目42を跨ぐように貼付することで箱体4を封緘する封緘ラベル10において、ラベル基材1に蓋部41の合わせ目42に応じた形状の一対のラベル分離用切込み線を略等間隔に形成すると共に、ラベル基材1の表面に凸凹部を形成し、ラベル基材1の裏面に粘着剤2を塗布することにより、発送作業において箱体4を封緘すると、ラベル基材1の表面が送付状ラベル5を繰り返し貼付することができる貼付領域として機能するため、発送作業を行う過程で、送付状ラベル5を貼付する貼付領域を形成することができるという効果を奏する。
【0022】
さらに、本実施の形態によれば、凸凹部13をシルク印刷によって形成することにより、ラベル基材1の表面に凸凹部13を簡単に形成することができるという効果を奏する。
【0023】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る封緘ラベルの実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)に示すX−X’断面図であり、(c)は、(a)に示すY−Y’断面図である。
【図2】本発明に係る封緘ラベルの実施の形態によって封緘する被着体例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る封緘ラベルの実施の形態を箱体に貼付して封緘した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る封緘ラベルの実施の形態を箱体に貼付した後に開封した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 ラベル基材
2 粘着剤
3 剥離基材
4 箱体
5 送付状ラベル
10 封緘ラベル
11 ラベル分離用切込み線
12 開封領域
13 凸凹部
31 スリット
41 蓋部
42 合わせ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両開きの蓋部の合わせ目を跨ぐように貼付することで箱体を封緘する封緘ラベルであって、
前記蓋部の合わせ目に応じた形状の一対のラベル分離用切込み線が略等間隔に形成されていると共に、表面には、凸凹部が形成されているラベル基材と、
該ラベル基材の裏面に塗布された粘着剤と、を具備することを特徴とする封緘ラベル。
【請求項2】
前記凸凹部は、シルク印刷によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の封緘ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−97121(P2010−97121A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269735(P2008−269735)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】