説明

射撃訓練システム

【課題】射撃訓練システムに使用する構成品を自由に増減して設置できる。
【解決手段】
トレーニーが標的装置に向けてレーザ光線を発射する複数の模擬銃(11〜14)から構成されている模擬銃郡と、標的の状態を変化させまた模擬銃が発射したレーザ光線を受光し受光した光信号に含まれる情報によって命中の有効性の確認を行うことができる複数の標的装置(101〜112)から構成されている標的装置郡と、標的装置と信号処理装置とを接続する複数の中継装置(201〜202)から構成されている中継装置郡と、模擬銃と標的装置から信号を受信し、受信した信号を判断しいつどこに射撃されたかなどの射撃訓練結果の情報の表示と分析を行う複数の信号処理装置(301〜302)から構成されている信号処理装置郡を備え、これらの構成数を自由に増減した構成品で射撃訓練を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射撃訓練のシミュレーションを行うための射撃訓練システムにおいて、射撃訓練で使用する構成品の構成数を増減し、これらの構成品の組合せ(以下射撃訓練系という)を訓練者(以下トレーナーという)が自由に選択でき、この選択された構成品の組合せを用いて射撃訓練を実施することができる射撃訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
射撃訓練のシミュレーションにおいては、射撃訓練を実施することによって訓練される者(以下トレーニーという)が射撃する射撃装置(以下模擬銃という)から標的装置に向けてレーザ光線を発射し、標的装置が受光した光信号に含まれる情報によって命中の有効性の確認を行うので、実弾と同様な訓練を行うことができる。また、射撃訓練システムは模擬銃側に設けた標的制御装置から多数の標的装置を無線通信で制御し、更に標的制御装置に設定されたスケジュールに従って多数の標的装置を無線通信で制御することで、よりリアルな射撃訓練を実現することができる射撃訓練システムを提供していた。特許文献1に開示の技術では、自由に移動させることができる携帯端末を用いて、多数の標的装置を無線通信で制御し、更に携帯端末に設定されたスケジュールに従って多数の標的装置を無線通信で制御することで、標的装置の操作性を向上させている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−258392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示の技術では、自由に移動させることができる携帯端末から無線通信によって標的装置を制御できる射撃訓練のシミュレーションを提供していたが、射撃訓練で使用する構成品を選択し、構成品の構成数を増減させ、これらの構成品を組合せてトレーニーの訓練を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できる射撃訓練システム及び射撃訓練システムの構成生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の射撃訓練システムは、模擬銃を選択する模擬銃選択手段と、標的を選択する標的選択手段と、信号処理装置を選択する信号処理装置選択手段とを備え、前記模擬銃選択手段により前記模擬銃の構成数を増減し、前記標的選択手段により前記標的の構成数を増減できることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の射撃訓練システムは、射撃訓練で使用する模擬銃と標的の構成数を増減でき、また射撃訓練の模擬銃、標的、及び信号処理装置などの構成品を自由に組合せた射撃訓練系を用いてトレーニーの射撃訓練を行うことができる射撃訓練システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の射撃訓練システムの射撃訓練系データ生成手順について、図1に示す射撃訓練システム1の構成生成例、図2に示す射撃訓練システム管理信号処理装置300の機能ブロック、図3に示す射撃訓練系生成画面600、図4に示す射撃訓練系生成手順を用いて説明する。図1に示す射撃訓練システム1の各装置に付けられている番号は、各装置を識別するために付けられたIDの番号である。
【0009】
本発明の第1の実施形態の射撃訓練システム1は、図1に示すように模擬銃郡2と、標的装置郡3、中継装置郡4、信号処理装置郡5から構成されている。模擬銃郡2は、トレーニーが訓練で使用する複数の模擬銃11〜14から構成されているグループである。模擬銃11〜14は、標的装置101〜112に向けてレーザ光線を発射する装置である。標的装置郡3は、複数の標的装置101〜112から構成されているグループである。標的装置101〜112は、標的の位置や形などの状態を変化させ、また模擬銃11〜14が発射したレーザ光線を受光し、受光した光信号に含まれる模擬銃のIDなどの情報によって命中の有効性の確認を行うことができる装置である。中継装置郡4は、複数の中継装置201〜202から構成されているグループである。中継装置201〜202は、標的装置101〜112と信号処理装置301〜302とを接続する装置である。標的装置101〜112と信号処理装置301〜302をどのように組み合わせて接続するかについては、トレーナーが予め決定し、その決定に基づいて中継装置201〜202を設置し、接続している。信号処理装置郡5は、複数の信号処理装置301〜302から構成されているグループである。信号処理装置301〜302は、模擬銃11〜14と標的装置101〜112から信号を受信し、受信した信号を判断し、いつどこに射撃されたかなどの射撃訓練結果の情報の表示と分析を行う。また、射撃訓練システム1の管理者によって射撃訓練システム1全体を管理する信号処理装置301〜302が信号処理装置301〜302のうちいずれかから予め選択されて決められ(信号処理装置301〜302のうちからトレーナーが選択した信号処理装置を、射撃訓練システム管理信号処理装置300とする)、トレーナーは選択された射撃訓練システム管理信号処理装置300により射撃訓練システム1の構成を生成する。模擬銃11〜14、標的装置101〜112、及び信号処理装置301〜302には、それぞれデータを送受信するためのユニークなアドレスが割り当てられている。なお、模擬銃、標的装置、中継装置、信号処理装置は図示した個数に限らず任意の個数とすることができる。また、射撃訓練システム管理信号処理装置300は、信号処理装置301〜302のどちらかを使用するようにしたが、これとは別に処理装置を設け、射撃訓練システム管理信号処理装置300としてもよい。
【0010】
このような構成の射撃訓練システム1において、模擬銃郡2から模擬銃11〜14のいずれか1つを選択し、標的装置郡3から標的装置101〜112の中の複数個を選択し、更に信号処理装置郡5から信号処理装置301〜302のいずれかを選択して組合せる構成を用いることで、トレーニーの訓練を行い、またトレーニーの射撃レベルを測定することが可能である。例えば、図1の左図に示すように模擬銃郡2から模擬銃11を選択し、標的装置郡3から標的装置101、102、103、105、106、107、109、110を選択し、更に信号処理装置301を選択して射撃訓練系Aを生成する。また、図1の右部に示すように模擬銃郡2から模擬銃12を選択し、標的装置郡3から標的装置104、108、111、112を選択し、更に信号処理装置301を選択して射撃訓練系Bを生成する。このように異なった構成の射撃訓練系Aと射撃訓練系Bを生成することができ、射撃訓練系Aの模擬銃11を使用するときは射撃訓練系Aの標的装置に向けて射撃を行い、また射撃訓練系Bの模擬銃12を使用するトレーニーは、射撃訓練系Bの標的装置に向けて射撃を行うことで、トレーニーが異なった構成で訓練を行うことができる。図1に示す本発明の第1の実施形態である射撃訓練システム1の構成生成例では、射撃訓練系Aと射撃訓練系Bの2系列の組合せを生成したが、2系列以上の任意の複数の系列の異なった組合せを生成することができる。
【0011】
次に、図2を参照して本発明の射撃訓練システム管理信号処理装置300の機能ブロックについて説明する。図1に示す複数の信号処理装置301〜302の中から選択された図2の射撃訓練システム管理信号処理装置300は、制御部310、補助記憶部320、表示処理部330、通信インターフェース部340から構成され、バスなどにより接続されている。また、射撃訓練システム管理信号処理装置300には表示処理部330を経由して表示器500が接続されている。制御部310は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPUやCPU等の制御手段を備え、射撃訓練システム管理信号処理装置300を総合的にコントロールしている。制御部310には、射撃訓練系を生成する処理を行う射撃訓練系データ生成部311、射撃訓練中にトレーニーの射撃レベルを測定する処理を行う射撃訓練測定部312、射撃訓練で測定した射撃レベルなどのデータを保存する処理を行う射撃訓練測定データ保存部313を備えている。射撃訓練系データ生成部311、射撃訓練測定部312、射撃訓練測定データ保存部313は、制御部310が主記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより生成された機能ブロックである。
【0012】
補助記憶部320は、フラッシュメモリ等の補助記憶装置で、制御部310が実行する処理のプログラムやデータの保存を行う。また、補助記憶部320には、射撃訓練構成品データ保存テーブル321、射撃訓練系データ保存テーブル322、射撃訓練測定データ保存テーブル323が記憶されている。射撃訓練構成品データ保存テーブル321には、射撃訓練システム1を構成している模擬銃11〜14、標的装置101〜112、中継装置201〜202、及び信号処理装置301〜302などの構成品データが保存されている。射撃訓練系データ保存テーブル322は、本発明の第2の実施形態で使用するテーブルで、本発明の第2の実施形態で説明する。射撃訓練測定データ保存テーブル323には、射撃訓練測定部312によって測定され、射撃訓練測定データ保存部313によって保存された射撃訓練測定データが保存されている。
【0013】
表示処理部330は、射撃訓練系を生成するための図3に示す射撃訓練系生成画面600、射撃訓練の測定データなどを表示器500に表示する。また、トレーナーが図3に示す射撃訓練系生成画面600から項目をポイントすると、表示処理部330はどの項目がポイントされたかを判断し、射撃訓練系データ生成部311にこの情報を出力する。通信インターフェース部340は、中継装置201〜202と接続し送受信を行うインターフェースである。また、模擬銃11〜14から無線で信号を受信することができるインターフェースである。キー入力装置350は、キーボード351を備えており、またキーボード351には削除キー351Aを備えている。表示器500に表示される項目をポイントし、削除キー351Aを押下するとポイントした項目が削除される。
【0014】
上記の例では射撃訓練システム管理信号処理装置300を、複数台の信号処理装置301〜302から射撃訓練システムに1台だけ設置したが、複数台の射撃訓練システム管理信号処理装置300を必要とする場合は、残りの信号処理装置を使用して複数台設置することも可能である。
【0015】
次に、トレーナーが射撃訓練系データを生成する図3に示す射撃訓練系生成画面600について説明する。
【0016】
図3に示す射撃訓練系生成画面600は、射撃訓練システム管理信号処理装置300のキーボード351の予め決められたキーを押下すると、表示器500に射撃訓練系生成画面600が表示されるようになっている。図3に示す射撃訓練系生成画面600は、[構成品選択]6、[確定]7、[保存]8の項目から構成されているが、[保存]8は本発明の第2の実施形態で使用する項目で、本発明の第2の実施形態で説明する。トレーナーが射撃訓練系生成画面600から[構成品選択]6、[確定]7の順に操作を行うことで、射撃訓練系データの生成を行うことができる。以下、射撃訓練系生成画面600の操作手順について説明する。
【0017】
射撃訓練系生成画面600の[構成品選択]6には、射撃訓練構成品データ一覧dと、模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、信号処理装置選択リスト(ID)gの項目がある。[構成品選択]6の射撃訓練構成品データ一覧dに表示されるデータは、射撃訓練構成品データ保存テーブル321に保存されている射撃訓練構成品データである。[構成品選択]6の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、信号処理装置選択リスト(ID)gの初期表示はブランクとなる。トレーナーが射撃訓練構成品データ一覧dから模擬銃(11)〜(14)のいずれか、標的装置(101)〜(112)の中の複数個、及び信号処理装置(301)〜(302)のいずれかを選択すると、模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、信号処理装置選択リスト(ID)gに選択された射撃訓練構成品データの(ID)が追加又は変更される。また、模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、信号処理装置選択リスト(ID)gに表示されている(ID)をポイントし、キー入力装置350の削除キー351Aを押下するとポイントした(ID)が削除される。
【0018】
射撃訓練系生成画面600の[確定]7の欄には、「確定」hと「メッセージ」iの欄の項目がある。射撃訓練構成品の選択を終了し確定するときは、「確定」hをポイントする。確定した射撃訓練構成品が射撃訓練系データとして登録出来ないときは「メッセージ」iの欄にエラーメッセージを表示し、確定した射撃訓練構成品が射撃訓練系データとして登録できるときは「メッセージ」iの欄に確定した旨のメッセージを表示する。射撃訓練系データとして登録出来ない理由としては、例えば選択した標的装置(101)〜(112)のいずれかと選択した信号処理装置(301)〜(302)のいずれかが中継装置で接続されていないときなどがある。
【0019】
図4は、本発明の実施の形態における、射撃訓練系生成手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示すステップ順に基づいて、射撃訓練系生成手順について説明する。
【0020】
トレーナーが射撃訓練システム管理信号処理装置300のキーボード351の予め決められたキーを押下すると、このキーに対応した信号が図2に示す制御部310の射撃訓練系データ生成部311に通知される。そして射撃訓練系データ生成部311が表示処理部330に対して射撃訓練系生成画面600の表示要求を通知すると、表示処理部330は射撃訓練系生成画面600を表示器500に表示する。
【0021】
トレーナーが、射撃訓練系生成画面600の射撃訓練構成品データ一覧dの模擬銃郡から所望の模擬銃を選択すると、表示処理部330は選択された模擬銃の(ID)を模擬銃選択リスト(ID)eに表示する。
トレーナーが、射撃訓練系生成画面600の射撃訓練構成品データ一覧dの標的装置郡から所望の標的装置を選択すると、表示処理部330は選択された標的装置の(ID)を標的装置選択リスト(ID)fに表示する。
トレーナーが、射撃訓練系生成画面600の射撃訓練構成品データ一覧dの信号処理装置郡から所望の信号処理装置を選択すると、表示処理部330は選択された信号処理装置の(ID)を信号処理装置選択リスト(ID)gに表示する。
射撃訓練構成品データ一覧dの模擬銃、標的装置、及び信号処理装置の選択は、どの順番で行ってもよい。(ステップS10)
【0022】
トレーナーは、射撃訓練系生成画面600の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、及び信号処理装置選択リスト(ID)gに表示されている構成品を確認し、確定する。トレーナーが射撃訓練系生成画面600の「確定」hをポイントすると、表示処理部330は射撃訓練系データ生成部311に通知し、生成した射撃訓練系が登録可能かをチェックするステップS30に進む。(ステップS20)
【0023】
射撃訓練系データ生成部311は、射撃訓練系生成画面600の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、及び信号処理装置選択リスト(ID)gを表示処理部330から入力し、中継装置によって接続可能な構成であるかなど登録可能かをチェックする。そして、射撃訓練系データ生成部311は、トレーナーが選択した射撃訓練系生成画面600の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、及び信号処理装置選択リスト(ID)gが登録可能でないと判断すると、エラーメッセージを表示するステップS40に進む。また、射撃訓練系データ生成部311は、トレーナーが選択した射撃訓練系生成画面600の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、及び信号処理装置選択リスト(ID)gが登録可能であると判断すると、確定された旨のメッセージを表示するステップS50に進む。(ステップS30)
【0024】
ステップS30において、射撃訓練系データ生成部311が登録不可と判断すると、射撃訓練系データ生成部311は、射撃訓練系生成画面600の「メッセージ」iの欄にエラーメッセージを表示し、再び射撃訓練系生成画面600の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、及び信号処理装置選択リスト(ID)gの選択を行うステップS10に戻る。(ステップS40)
【0025】
ステップS30において、射撃訓練系データ生成部311が登録可能と判断すると、射撃訓練系データ生成部311は、確定された旨のメッセージを「メッセージ」iの欄に表示する。尚、メッセージ表示だけでなく、図1に示すように、生成した構成を図で表示することも可能である。(ステップS50)
【0026】
このような本発明の第1の実施形態によれば、、射撃訓練で使用する模擬銃と標的の構成数を増減でき、また射撃訓練の模擬銃、標的、及び信号処理装置などの構成品を自由に組合せた射撃訓練系を用いてトレーニーの射撃訓練を行うことができる射撃訓練システムを提供することができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態は、本発明の第1の実施形態の射撃訓練システム1において、生成した射撃訓練系を保存し、また保存した射撃訓練系を使用して射撃訓練系を生成することができる実施形態である。本発明の第2の実施形態における射撃訓練システム管理信号処理装置は、図2に示す射撃訓練システム管理信号処理装置300の射撃訓練系データ保存テーブル322が設けられている以外は、本発明の第1の実施形態に同じである。また、本発明の第2の実施形態における射撃訓練系生成画面600は、図3に示す射撃訓練系生成画面600に[保存]8が設けられている以外は、本発明の第1の実施形態に同じである。更に、本発明の第2の実施形態には、図5に示す射撃訓練系選択画面700が設けられている。図6は、本発明の第2の実施形態における、射撃訓練系生成手順を示すフローチャートである。
【0028】
以下、図2に示す射撃訓練システム管理信号処理装置300の射撃訓練系データ保存テーブル322と、、図3に示す射撃訓練系生成画面600の[保存]8について説明する。射撃訓練系データ保存テーブル322は、射撃訓練系データ生成部311によって生成された射撃訓練系データが保存されるテーブルである。射撃訓練系生成画面600の[保存]8には、「名称」jと「保存」kの項目がある。生成した射撃訓練系データを射撃訓練系データ保存テーブル322に保存するときは、「名称」jの欄に射撃訓練系データの名称を設定し、「保存」kをポイントする。射撃訓練系データ保存テーブル322に、「名称」jの欄に設定した名称と同じ名称の射撃訓練系データが存在すれば、保存日時を更新してからその射撃訓練系データに上書される。射撃訓練系データ保存テーブル322に、「名称」jの欄に設定した名称と同じ名称の射撃訓練系データが存在しなければ、保存日時と「名称」jの欄に設定した名称の射撃訓練系データが、射撃訓練系データ保存テーブル322に新規に保存される。
【0029】
図5に示す射撃訓練系選択画面700について説明する。図5に示す射撃訓練系選択画面700は、射撃訓練システム管理信号処理装置300の予め決められたキーを押下すると、表示器500に射撃訓練系選択画面700が表示されるようになっている。以下、射撃訓練系選択画面700の操作手順について説明する。射撃訓練系選択画面700には、図5に示すように射撃訓練系データ一覧aが表示されている。この射撃訓練系データ一覧aに表示されるデータは、射撃訓練系データ保存テーブル322に保存されている射撃訓練系データである。トレーナーは、射撃訓練系データを新規に生成するときは「新規」bをポイントする。トレーナーが保存されている射撃訓練系データを変更して生成するときは、射撃訓練系データ一覧aから変更する射撃訓練系データの「No.」をポイントしてから、「変更」cをポイントする。このようにして「新規」bまたは「変更」cをポイントすると、図3に示す射撃訓練系生成画面600が表示される。以降、射撃訓練系生成画面600を使用して、図6に示す射撃訓練系生成手順に基づいて射撃訓練系を生成する。
【0030】
図6に示す射撃訓練系生成手順のステップ10からステップ50は、本発明の第1の実施形態における図4に示す射撃訓練系生成手順のステップ10からステップ50の処理に同じであるので、本発明の第1の実施形態と処理が異なるステップS1からステップS4、ステップS5の処理について以下説明する。
【0031】
トレーナーが射撃訓練システム管理信号処理装置300のキーボード351の予め決められたキーを押下すると、このキーに対応した信号が図2に示す制御部310の射撃訓練系データ生成部311に通知される。そして射撃訓練系データ生成部311が表示処理部330に対して射撃訓練系選択画面700の表示要求を通知すると、表示処理部330は射撃訓練系選択画面700を表示器500に表示する。
【0032】
トレーナーは射撃訓練系データを新規に生成するときは、射撃訓練系選択画面700の「新規」bをポイントする。また、トレーナーは保存されている射撃訓練系データを変更して生成するときは、射撃訓練系選択画面700の射撃訓練系データ一覧aの「No.」をポイントしてから「変更」cをポイントする。(ステップS1)
【0033】
表示処理部330は、射撃訓練系選択画面700で「新規」bまたは「変更」cがポイントされた通知を受けると、射撃訓練系データ生成部311にこの通知を出力し、射撃訓練系データ生成部311は「新規」bまたは「変更」cのどちらがポイントされたかを判断する。「新規」bがポイントされていれば「新規」bの処理を行うステップS3に進む。また「変更」cがポイントされていれば、トレーナーが選択した射撃訓練系データ一覧aの「No.」に該当する射撃訓練系データを射撃訓練系データ保存テーブル322から取り出す「変更」cの処理を行うステップS4に進む。(ステップS2)
【0034】
ステップS3において、射撃訓練系データ生成部311は、表示処理部330に射撃訓練系生成画面600の表示要求を通知すると、表示処理部330は表示器500に射撃訓練系生成画面600を表示する。このとき、模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、信号処理装置選択リスト(ID)gはブランクとなっている。
【0035】
ステップS4において、射撃訓練系データ生成部311は、ステップS1でトレーナーが選択した射撃訓練系データ一覧aの「No.」に該当する射撃訓練系データを射撃訓練系データ保存テーブル322から取り出す。そして射撃訓練系データ生成部311は、取り出した射撃訓練系データを射撃訓練系生成画面600の模擬銃選択リスト(ID)e、標的装置選択リスト(ID)f、信号処理装置選択リスト(ID)gに設定し、表示処理部330に射撃訓練系生成画面600の表示要求を通知すると、表示処理部330は表示器500に射撃訓練系生成画面600を表示する。
【0036】
トレーナーが、射撃訓練系生成画面600の「名称」jの欄に射撃訓練系データの名称を入力し「保存」kをポイントすると、射撃訓練系データ生成部311は、生成した射撃訓練系データを射撃訓練系データ保存テーブル322に保存する。(ステップS5)
【0037】
本発明の第2の実施形態において、複数台の射撃訓練システム管理信号処理装置300を設置し、射撃訓練システム管理信号処理装置300の射撃訓練構成品データ保存テーブル321と射撃訓練系データ保存テーブル322の更新を行ったときは、全ての射撃訓練システム管理信号処理装置300の射撃訓練構成品データ保存テーブル321と射撃訓練系データ保存テーブル322のデータが同一となるように等価処理を行う必要がある。
【0038】
このような本発明の第2の実施形態によれば、本発明の第1の実施形態の射撃訓練システム1において、生成した射撃訓練系を保存し、また保存した射撃訓練系を使用して射撃訓練系を生成することができる射撃訓練システムを提供することができる。
【0039】
本発明の第2の実施形態では、射撃訓練系データを生成する手順について説明したが、更に射撃訓練開始画面と射撃訓練開始処理を設け、射撃訓練開始画面から図2に示す射撃訓練システム管理信号処理装置300の射撃訓練系データ保存テーブル322に保存されている射撃訓練系データを表示させるようにすることができる。トレーナーは、このような射撃訓練開始画面から射撃訓練系データを選択すると、射撃訓練開始処理は選択された射撃訓練系データに基づいて射撃訓練を開始する。このような射撃訓練開始画面を設けることで、トレーナーが選択した射撃訓練系データでトレーニーが訓練を行い、そしてトレーニーの射撃レベルを測定することができる。
【0040】
また、本発明の第2の実施形態で生成した複数の射撃訓練系を同時に用いて射撃訓練を実施することによって、複数のトレーニーについて同時に訓練を行い、そして各々のトレーニーの射撃レベルを測定することができる射撃訓練システムを提供することができる。
【0041】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【0042】
以上をまとめると、本実施の形態は次のような特徴を有する。
(1) 本発明の射撃訓練システムは、模擬銃を選択する模擬銃選択手段と、標的を選択する標的選択手段と、信号処理装置を選択する信号処理装置選択手段とを備え、前記模擬銃選択手段により前記模擬銃の構成数を増減し、前記標的選択手段により前記標的の構成数を増減できることを特徴としている。
(2) (1)の射撃訓練システムは、前記模擬銃と前記標的と前記信号処理装置を組合せて射撃訓練系データとして生成する射撃訓練系データ生成手段とを備え、前記射撃訓練系データ生成手段で生成された前記射撃訓練系データが1つ以上選択され、選択された前記射撃訓練系データの構成で射撃訓練を行うことを特徴としている。
(3) (2)の前記射撃訓練系データ生成手段は、射撃訓練系データを保存する射撃訓練系データ保存手段を備えていることを特徴としている。
(4) (2)から(3)の前記射撃訓練系データ生成手段は、前記射撃訓練系データ保存手段で保存された射撃訓練系データから選択された射撃訓練系データに基づき新たな射撃訓練系データを生成することを特徴としている。
(5) (2)から(4)の前記射撃訓練系データ生成手段は、前記信号処理装置に備えられていることを特徴としている。
(6) (2)から(5)の前記信号処理装置は、射撃訓練測定手段と射撃訓練測定データ保存手段を備えていることを特徴としている。
(7) 本発明の射撃訓練システムの構成生成方法は、模擬銃を選択する模擬銃選択工程と、標的を選択する標的選択工程と、信号処理装置を選択する信号処理装置選択工程とを備え、前記模擬銃選択工程により前記模擬銃の構成数を増減し、前記標的選択工程により前記標的の構成数を増減できることを特徴としている。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、射撃訓練システム及び射撃訓練システムの構成生成方法に好適であるが、射撃訓練システム及び射撃訓練システムの構成生成方法に限られるものではなく、複数の構成品から生成されているシステム一般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる射撃訓練システムの構成生成例である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる射撃訓練システム管理信号処理装置の機能ブロックを示す構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係わる射撃訓練系生成画面の一例を示すフォーマット図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係わる射撃訓練系生成手順を示すフローチャート
【図5】本発明の第2の実施形態に係わる射撃訓練系選択画面の一例を示すフォーマット図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係わる射撃訓練系生成手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0045】
1・・・・・・・・・本発明の射撃訓練システム
2・・・・・・・・・模擬銃郡
3・・・・・・・・・標的装置郡
4・・・・・・・・・中継装置郡
5・・・・・・・・・信号処理装置郡
6・・・・・・・・・本発明の射撃訓練系生成画面の[構成品選択]
7・・・・・・・・・本発明の射撃訓練系生成画面の[確定]
8・・・・・・・・・本発明の射撃訓練系生成画面の[保存]
11〜14・・・・・模擬銃
101〜112・・・標的装置
201〜202・・・中継装置
301〜302・・・信号処理装置
300・・・・・・・射撃訓練システム管理信号処理装置
310・・・・・・・制御部
311・・・・・・・射撃訓練系データ生成部
312・・・・・・・射撃訓練測定部
313・・・・・・・射撃訓練測定データ保存部
320・・・・・・・補助記憶部
321・・・・・・・射撃訓練構成品データ保存テーブル
322・・・・・・・射撃訓練系データ保存テーブル
323・・・・・・・射撃訓練測定データ保存テーブル
330・・・・・・・表示処理部
340・・・・・・・通信インターフェース部
350・・・・・・・キー入力装置
351・・・・・・・キーボード
351A・・・・・・削除キー
500・・・・・・・表示器
600・・・・・・・射撃訓練系生成画面
700・・・・・・・射撃訓練系選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射撃訓練システムにおいて、
模擬銃を選択する模擬銃選択手段と、
標的を選択する標的選択手段と、
信号処理装置を選択する信号処理装置選択手段とを備え、
前記模擬銃選択手段により前記模擬銃の構成数を増減し、前記標的選択手段により前記標的の構成数を増減できることを特徴とする射撃訓練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−71538(P2010−71538A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238799(P2008−238799)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】