説明

導光板、バックライトユニット及び画像表示装置

【課題】導光板内に入射された光の利用効率を高めることで高輝度を得ることができるとともに、正面輝度を高めることができる導光板、当該導光板を備えたバックライトユニット及び当該バックライトユニットを備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】導光板10は、透明な基材の一方の面にレンズアレイパターン7を備え、レンズアレイパターン7は、一方向に沿って延伸すると共に互いが平行に配置された複数のレンズを備え、レンズ同士の間隔は、レンズと平行な基材の一の側面から離れるに従って、段々広くなり、レンズの横断面は三角であり、レンズの頂角は130度±10度であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイの照明光路制御に用いられる導光板、当該導光板を備えるバックライトユニット及び当該バックライトユニットを備える画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大型の液晶テレビ等の画像表示装置(以下、「液晶ディスプレイ装置」ともいう。)においては、LED(Light Emitting Diode)を光源として配置したサイドライト方式のエッジライトバックライトユニットが採用されている。そして、導光板を用いた前記エッジライトバックライトユニットが搭載された液晶ディスプレイ装置として、図9に示すものが一般に知られている。
【0003】
図9に示すように、液晶ディスプレイ装置33は、複数の画像表示素子をマトリックス状に配置してなる画素表示部31と、画像表示部31の下面側(つまり、図9に示された、「−z軸」側)に配置されたバックライトユニット29とを含んでいる。画像表示部31は、偏光板21と液晶パネル23とを含んでおり、液晶パネル23は偏光板21で挟まれている。そして、バックライトユニット29は、画像表示部31の下面側に配置された光学シート27と、光学シート27の下面側に配置されたエッジライト25とを含んでいる。光学シート27は、反射偏光シート19と、反射偏光シート19の下面側に配置されたプリズムシート17と、プリズムシート17の下面側に配置された光拡散シート16とを含んでいる。エッジライト25は、略方形板状を呈するPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材から形成された導光板13と、導光板13の下面側に配置された光散乱反射パターン11と、光散乱反射パターン11の下面側に配置された反射板12と、導光板13の一方の側面に配置された光源14とを含んでいる。光源14は、線状ランプであるLEDバー141と、LEDバー141の背面側(つまり、図9に示された、「−x軸」側)を覆うようにして配置された高反射率を有するリフレクター15とを含んでいる。なお、図9において、光学シート27にはプリズムシート17が1枚のみ記載されているが、例えばプリズムシート17が2枚用いられる場合もある。
【0004】
以下、上記バックライトユニット29の機能について簡単に説明する。まず、光源14から導光板13に入射された光は、導光板13内で反射を繰り返しつつ進行する。そして、導光板13の裏面13bに配置された光散乱反射パターン11や反射板12或いは導光板13の側面で反射される。その結果、導光板13の表面13aから光学シート27が配置された方向に向かって光が出射される。出射された光は、光拡散シート16内で拡散された後、プリズムシート17を通過し、反射偏光シート19に入射される。そして、この入射された光は反射偏光シート19で偏光となって画像表示部31全面を照明する。こうして、画像表示部31に表示された画像は、図9に示された観察者側方向Fから視認される。このような技術としては、例えば特許文献1〜3に記載されたものがある。
【0005】
ところで、エッジライト25の輝度分布を調整する方法として、図9に示すように、導光板13の裏面13bに光散乱反射パターン11を光の入射端(つまり、光源14が配置された側面)から離れるに従って高密度で付着させる方法がある。このように、一次元方向に密度の異なる光散乱反射パターン11を導光板13に配置することで、導光板13に入射された光を液晶パネル23側に向かって均一に散乱することができる場合がある。従来は、この光散乱反射パターン11を印刷によって形成する場合があった。そして、この印刷にはインキとして白色である二酸化チタン(TiO)粉末を用いる場合があった。
【0006】
しかしながら、この光散乱反射パターン11を白色印刷によって形成した場合、印刷に用いられる白色インキは程度が少ないながらも光吸収があるため、導光板13をバックライトユニット29の一部として用いた場合には入射光の利用効率が低減し、高輝度が得難いといった課題がある。また、白色印刷により形成された光散乱反射パターン11は、入射光を散乱反射させるため、反射分布の制御が困難となる場合がある。このため、広視野に出射光が広がり、液晶ディスプレイ装置33の観察者側方向Fにおける輝度(つまり、正面輝度)を高めることが困難となるといった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−198911号公報
【特許文献2】特開平7−230001号公報
【特許文献3】特開2005−241919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、導光板内に入射された光の利用効率を高めることで高輝度を得ることができるとともに、正面輝度を高めることができる導光板、当該導光板を備えたバックライトユニット及び当該バックライトユニットを備えた画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、透明な基材の一方の面にレンズアレイパターンを備え、前記レンズアレイパターンは、一方向に沿って延伸すると共に互いが平行に配置された複数のレンズを備え、前記レンズ同士の間隔は、前記レンズと平行な前記基材の一の側面から離れるに従って、段々広くなり、前記レンズの横断面は三角であり、前記レンズの頂角は130度±10度の範囲であることを特徴とする導光板である。
【0010】
また、本発明の別の態様は、透明な基材の一方の面にレンズアレイパターンを備え、前記レンズアレイパターンは、一方向に沿って延伸すると共に互いが平行に配置された複数のレンズを備え、前記レンズ同士の間隔は、前記レンズと平行な前記基材の一の側面から離れるに従って、段々広くなり、前記レンズの横断面は三角であり、前記レンズの頂角は130度±10度の範囲であり、前記レンズのそれぞれは、複数の小レンズが直線状に等間隔に並んで構成されていることを特徴とする導光板である。
【0011】
また、本発明の他の態様は、前記レンズの頂角は130度±5度の範囲であることとしても良い。
また、本発明の他の態様は、前記レンズの形状は、三角溝であることとしても良い。 また、本発明の別の態様は、上記態様の導光板と、前記導光板の前記一の側面に前記レンズと平行に配置された光源と、前記導光板の、前記レンズアレイパターンが形成された面とは反対側の面に配置された光拡散フィルムと、前記光拡散フィルムの、前記導光板側とは反対側の面に配置されたプリズムフィルムとを少なくとも備えたことを特徴とするバックライトユニットである。
また、本発明の別の態様は、複数の画像表示素子を備えて構成された画素表示部と、前記画像表示部の一方の面に配置された、上記態様のバックライトユニットと、を少なくとも備えることを特徴とする画像表示装置である。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、例えば光源をレンズの延伸方向と平行になるように配置し、且つ前記光源から離れるに従ってレンズ同士の間隔が狭くなるように配置することで、光源に近い場所ではレンズの密度を低く、また光源から離れた場所ではレンズの密度を高くすることができる。このため、光量が比較的多い光源に近い場所では光の反射率を抑え、これとは逆に光量が比較的少ない光源から離れた場所では光の反射率を高めることができる。よって、導光板内に入射された光の利用効率を高めることができ、高輝度を得ることができる。さらに、レンズを用いているために、光を散乱反射させることなく、所望の方向に出射することができるので、正面輝度を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るバックライトユニットが搭載された液晶ディスプレイ装置を示す断面図。
【図2】第1実施形態に係る光射出パターンを示す断面図。
【図3】第1実施形態に係る光射出パターンを示す平面図。
【図4】第1実施形態に係る溝状レンズの形状を示す断面図。
【図5】第1実施形態に係るバックライトユニットを示す断面図。
【図6】第1実施形態に係る導光板の性能を示すグラフ。
【図7】第1実施形態に係る導光板の性能を示すグラフ。
【図8】第2実施形態に係る光射出パターンを示す平面図。
【図9】従来技術に係る導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載された液晶ディスプレイ装置を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る液晶ディスプレイ装置33を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る液晶ディスプレイ装置33の構造は、図9に示した従来の液晶ディスプレイ装置33の構造と概ね同じであるが、導光板10に光射出パターン7が形成されている点で従来技術と異なっている。そこで、本実施形態では、主としてこの光射出パターン7について図2〜4を参照して説明し、その他の部分(例えば、光学シート27等)についての詳細な説明は省略する。
【0015】
図2は、光射出パターン7が形成された導光板10と、導光板10の一方の側面に配置された光源14とを示す断面図である。そして、図3は、導光板10と光源14とを示す平面図である。図4は、光射出パターン7を構成する溝状レンズ73を拡大した断面図である。なお、図3において、円で囲われた部分は、溝状レンズ73の一部を拡大したものである。
【0016】
図2または図3に示すように、四角形の板状基材の一方の面には複数の溝状レンズ73が延伸方向(つまり、図中に示した「y軸」方向)を揃えて形成されている。そして、この複数の溝状レンズ73によって光射出パターン7が構成されている。また、図2に示すように、溝状レンズ73の延伸方向と直交する方向(つまり、図中に示した「x軸」方向)における、溝状レンズ73の断面(横断面)は三角である。更に、各溝状レンズ73の断面形状は同じである。そして、図3に示すように、溝状レンズ73の間隔はLEDバー141から離れるに従って(つまり、図中に示した「x軸」方向に向かうに従って)徐々に狭くなっている。そして、この溝状レンズ73は、側面104から側面105に至るまで直線状の連続したレンズとなっている。また、LEDバー141と溝状レンズ73とは平行になっている。
【0017】
個々の溝状レンズ73の断面は三角であるため、図4に示すように、溝状レンズ73はプリズム斜面71とプリズム斜面72の2つの斜面を備える。ここで、断面視で、導光板10に含まれる平面部分102とプリズム斜面71とで形成される角度をプリズム斜面角度α1と定義する。同様に、平面部分102とプリズム斜面72とで形成される角度をプリズム斜面角度α2と定義する。
【0018】
上記構造により、光源14を用いて導光板10内に光を入射した場合、溝状レンズ73に含まれるプリズム斜面71で光の一部が反射されて、導光板13内の進行角度が変更される。そして、この反射した光は、臨界角度の条件が満たされていないため、導光板10の表面10a側に出射する。なお、プリズム斜面71を透過した光については、その一部は導光板10の裏面10b側に配置された反射板12(図1を参照)で拡散反射される。その結果、プリズム斜面71を透過した光は、プリズム斜面72に入射されて導光板10内で再度屈折し、光の進行角度が変更される。こうして、導光板10内に入射した光を効率良く導光板10の表面10a側から出射できる。
【0019】
以上のように、本実施形態に係る液晶ディスプレイ装置33では、導光板10において光源14に近い場所では、入射された光量が多いため、溝状レンズ73の密度は比較的低くなっている。一方、光源14から離れた場所では光量が少ないため、光源14に近い場所と比較して溝状レンズ73の密度は高くなっている。このように、溝状レンズの密度を一次元方向に粗密にすることで、導光板10から画像表示部31方向に向かって、高輝度で光を出射することができる。また、後述するように、溝状レンズ73を用いることで正面輝度を高めることもできる。
【0020】
なお、本実施形態では、導光板10と種々の光学シート27とを組合せることが可能である。例えば、一方向拡散機能を持つもの(例えば、レンチキュラー、プリズムシート)であれば、本願発明に係る溝状レンズ73の延伸方向と、上記プリズムシートに含まれるプリズムの延伸方向とを直角に配置することが望ましい。二次元拡散機能を持つもの(例えば、ピラミッド、クロスレンチシート、マイクロレンズ)であれば配置する方向は限定されなく、組合せることも可能である。
【0021】
また、本実施形態では、光学シート27に用いる透明樹脂として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いることができる。
【0022】
また、本実施形態では、導光板10に用いる透明樹脂として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂を用いることができる。
また、本実施形態では、画像表示部31に用いる画素表示素子は液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子と比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0023】
[輝度分布の比較結果]
以下、光学シミュレーションを用いて比較した、導光板10の輝度分布の結果について説明する。このシミュレーションでは、導光板10の上に光拡散シート16及びプリズムシート17(図5を参照)を固定した条件で、プリズム傾斜角度α1を変数とし、プリズム傾斜角度α1が変化した際の正面輝度を比較した。なお、このシミュレーションでは、プリズム傾斜角度α1とプリズム傾斜角度α2とは同じ角度とした。また、このシミュレーションを実施する際、光拡散シート16のレンズ形状は球面、マイクロレンズが占める面積の割合(つまり、面積率)は90%程度、アスペクト比は0.5とした。そして、プリズムシート17のプリズム角度は、90度とした。また、導光板10の屈折率には、アクリルの屈折率を用いた。
【0024】
図6は、プリズム傾斜角度α1が15度から45度まで変化させた場合における輝度比の変化を示す。この図から、最も正面輝度が高い領域は、プリズム傾斜角度α1が20度と30度の間にあることが分かる。なお、グラフの横軸はプリズム傾斜角度α1の角度を、縦軸は輝度比をそれぞれ示す。また、ここで「輝度比」とは、正面方向(つまり、射出角度が0度)で得られる輝度比のことである。
図7は、上記光学シミュレーションの結果の一部を示す。図7にはプリズム傾斜角度α1を20.0度、22.5度、25.0度、27.5度とした場合における輝度比と射出角度とがそれぞれ示されている。なお、グラフの横軸は光の射出角度を、縦軸は輝度比をそれぞれ示す。
【0025】
光学シミュレーションの結果、射出分布の中心は概ね正面方向(つまり、射出角度が0度)にあることが分かった。そして、最も輝度が高いものは、プリズム傾斜角度α1が22.5度及び25.0度の場合であることも分かった。つまり、プリズム傾斜角度α1を25度程度にした場合に、最も正面輝度が高くなることが分かった。
なお、輝度分布は概ね三角形に近い形となっており、これはディスプレイ表示には望ましい形状である。
【0026】
また、上記シミュレーションでは、反射偏光シート19は含んでいないが、輝度比に関して、構成を比較した測定結果により、同様な傾向が得られた。
また、光拡散シート16の面積率及びアスペクト比の条件を変えた場合であっても、上記結果と同様の結果が得られた。
【0027】
[配光分布及び正面輝度の比較結果]
本実施形態に係るバックライトユニットの配光分布及び正面輝度を調べるために、以下で示す実施例1〜3及び比較例1〜3をサンプルとして準備した。
<実施例1>
導光板10の光射出パターン7として、10cm角の銅板に 先端130度プリズム形状のダイヤモンドバイトの切削を行い、この銅板からシリコン樹脂で型を作製して、アクリル樹脂でシリコンの型から作製した一次元疎密プリズムパターンシートを使用した。疎密プリズムの単位レンズ幅を100μm、プリズム頂点角度を130度(α1、α2の角度は25度)、プリズム高さを23μm、導光板の厚みを4mmとした。導光板10と組合せる光学シートとして、PET基材に紫外線硬化樹脂で作製したプリズムシート17と光拡散シート16とを使用した。プリズムシート17のレンズピッチを50μm、頂角を90°とした。導光板の裏面に白色PETシートを配置した。なお、本実施例では、光拡散シート16として、マイクロレンズタイプのものを用いた。
【0028】
<実施例2>
導光板10の光射出パターン7として、10cm角の銅板に 先端130度プリズム形状のダイヤモンドバイトの切削を行い、この銅板からシリコン樹脂で型を作製して、アクリル樹脂でシリコンの型から作製した一次元疎密プリズムパターンシートを使用した。疎密プリズムの単位レンズ幅を100μm、プリズム頂点角度を130度(α1、α2の角度は25度)、プリズム高さを23μm、導光板の厚みを4mmとした。導光板10と組合せる光学シートとして、PET基材に紫外線硬化樹脂で作製したプリズムシート17と光拡散シート16とを使用した。プリズムシート17のレンズピッチを50μm、頂角を90°とした。導光板の裏面に白色PETシートを配置した。なお、本実施例では、光拡散シート16として、フィラータイプのものを用いた。
【0029】
<実施例3>
導光板10の光射出パターン7として、10cm角の銅板に 先端130度プリズム形状のダイヤモンドバイトの切削を行い、この銅板からシリコン樹脂で型を作製して、アクリル樹脂でシリコンの型から作製した一次元疎密プリズムパターンシートを使用した。疎密プリズムの単位レンズ幅を100μm、プリズム頂点角度を130度(α1、α2の角度は25度)、プリズム高さを23μm、導光板の厚みを4mmとした。導光板10と組合せる光学シートとして、PET基材に紫外線硬化樹脂で作製したプリズムシート17、光拡散シート16及び反射偏光シート18を使用した。プリズムシート17のレンズピッチを50μm、頂角を90°とした。導光板の裏面に白色PETシートを配置した。
【0030】
<比較例1>
導光板10の光射出パターン7として、10cm角の銅板に 先端90度プリズム形状のダイヤモンドバイトの切削を行い、この銅板からシリコン樹脂で型を作製して、アクリル樹脂でシリコンの型から作製した一次元疎密プリズムパターンシートを使用した。疎密プリズムの単位レンズ幅を100μm、プリズム頂点角度を90度(α1、α2の角度は45度)、プリズム高さを50μm、導光板の厚みを4mmとした。導光板10と組合せる光学シートとして、PET基材に紫外線硬化樹脂で作製したプリズムシート17と光拡散シート16を使用した。プリズムシート17のレンズピッチを50μm、頂角90°とした。導光板の裏面に白色PETシートを配置した。
【0031】
<比較例2>
厚み4mmの印刷導光板の上に光拡散シート16とプリズムシート17とを配置した。印刷導光板の裏面に白色PETシートを配置した。
<比較例3>
厚み4mmの印刷導光板の上に光拡散シート16、プリズムシート17及び反射偏光シート18を配置した。印刷導光板の裏面に白色PETシートを配置した。
バックライトユニットの配光分布及び正面輝度の評価にあたっては、正面方向(つまり、図1における観察者側方向F)からバックライトユニットを眺めた場合と、正面方向に対して±20度傾斜した位置から眺めた場合の2通りについて、明るさの変化を確認した。
なお、明るさのピークが正面にあるものを「○」とし、ピークが正面でない場合或いは配光分布が広くピークが確認できない場合「△」とした。また、正面から眺めたとき、明るさが高い場合「○」とし、明るさが低い場合「×」とした。
【0032】
【表1】

【0033】
表1は、上記配光分布及び正面輝度の比較結果を示す。なお、用いているフィルム構成は、反射偏光シート18がある場合と無い場合との2通りである。
実施例1、2の場合、ディスプレイの正面に輝度のピークがあることが確認された。そして、実施例1は実施例2よりも正面輝度が高いことが確認された。つまり、最もピークが鋭く、配光分布が真正面にあるのは実施例1であることが確認された。これは、実施例1で用いたマイクロレンズタイプの光拡散シート16の方が、比較例3で用いたてフィラータイプの光拡散シート16よりも集光効果が高いためである。
なお、比較例1は正面輝度が低く、比較的に配光分布が広いことが確認された。比較例2の場合、輝度のピークが正面にあるが明るさが実施例1、2と比較して低いことが確認された。
【0034】
実施例3では正面輝度に輝度のピークがあるが、配光分布が広いことが確認された。比較例3の場合、反射偏光シート19の効果により、配光分布が広くなることが確認された。また、比較例3の正面の明るさが実施例1より上がるが実施例3に比較して低いことが確認された。
以上の結果から、導光板10にプリズム形状の光射出パターン(つまり、横断面が三角である複数の溝状レンズ)7を形成することで、光学シートと組合せた場合には ディスプレイの正面に光を配光させることができ、正面輝度を高める効果が得られることが確認できた。
【0035】
[第2実施形態]
図8は、本実施形態に係る導光板9と光源14とを示す平面図である。そして、当該図中の円で囲われた部分は、導光板9に形成された溝状レンズ74の一部分を拡大したものである。本実施形態に係る溝状レンズ74は、第1実施形態で説明した溝状レンズ73と概ね同じように配置されている。つまり、四角形の板状基材の一方の面に複数の溝状レンズ74が延伸方向(つまり、図中に示した「y軸」方向)を揃えて形成されている。また、溝状レンズ74の間隔は光源14から離れるに従って(つまり、図中に示した「x軸」方向に向かうに従って)徐々に狭くなっている。しかしながら、第1実施形態に係る溝状レンズ73が端面105から端面104に至る連続したレンズであるのに対し、本実施形態に係る溝状レンズ74は、端面95から端面94に至る破線状に形成されたレンズとなっている。つまり、溝状レンズ74は、端面95から端面94に至るまで直線状に配列している。
【0036】
上記の形状であっても、光源14付近では溝状レンズ74の密度は低く、光源14から離れるに従って溝状レンズ74の密度が高くなるので、本願発明の第1実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、光源14を導光板13の一方の側面にのみ配置した場合について説明したが、本願発明はこれに限定されるものではない。例えば、2つの光源14をそれぞれ対向する位置に配置した場合には、各光源14の近傍では溝状レンズ73、74の密度を低くし、導光板9、10の中央部では溝状レンズ73、74の密度を高くする。これにより、本願発明の第1実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、溝状レンズ73、74について説明したが、「溝状」に限定されるものではない。例えば、「畝状レンズ」であっても、「溝状レンズ」の場合と同様に、光の反射効率を制御できるので、本願発明の第1実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0038】
7 光射出パターン
9 導光板
10 導光板
10a 導光板の表面
10b 導光板の裏面
11 光散乱反射パターン
12 反射板
13 導光板
14 光源
15 リフレクター
16 光拡散シート
17 プリズムシート
19 反射偏光シート
21 偏光板
23 液晶パネル
25 エッジライト
26 エッジライト
27 光学シート
29 バックライトユニット
31 画像表示部
33 液晶ディスプレイ装置
71 プリズム斜面
72 プリズム斜面
73 溝状レンズ
74 溝状レンズ
94 側面
95 側面
102 平面
104 側面
105 側面
141 LEDバー
F 観察者側方向
α1 プリズム斜面角度
α2 プリズム斜面角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基材の一方の面にレンズアレイパターンを備え、
前記レンズアレイパターンは、一方向に沿って延伸すると共に互いが平行に配置された複数のレンズを備え、
前記レンズ同士の間隔は、前記レンズと平行な前記基材の一の側面から離れるに従って、段々広くなり、
前記レンズの横断面は三角であり、前記レンズの頂角は130度±10度の範囲であることを特徴とする導光板。
【請求項2】
透明な基材の一方の面にレンズアレイパターンを備え、
前記レンズアレイパターンは、一方向に沿って延伸すると共に互いが平行に配置された複数のレンズを備え、
前記レンズ同士の間隔は、前記レンズと平行な前記基材の一の側面から離れるに従って、段々広くなり、
前記レンズの横断面は三角であり、前記レンズの頂角は130度±10度の範囲であり、
前記レンズのそれぞれは、複数の小レンズが直線状に等間隔に並んで構成されていることを特徴とする導光板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の前記レンズの頂角は130度±5度の範囲であることを特徴とする導光板。
【請求項4】
前記レンズの形状は、三角溝であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の導光板。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の導光板と、
前記導光板の前記一の側面に前記レンズと平行に配置された光源と、
前記導光板の、前記レンズアレイパターンが形成された面とは反対側の面に配置された光拡散フィルムと、
前記光拡散フィルムの、前記導光板側とは反対側の面に配置されたプリズムフィルムとを少なくとも備えたことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項6】
複数の画像表示素子を備えて構成された画素表示部と、
前記画像表示部の一方の面に配置された、請求項5に記載のバックライトユニットと、を少なくとも備えることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−243526(P2012−243526A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111753(P2011−111753)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】