説明

導光板および光源装置

【課題】 製造工程における時間、コスト、労力等を低減することができるとともに、光源から発光される光を有効に液晶表示面から発光させるための、新規な導光板および光源装置を提供する。
【解決手段】 表示パネル30における表示面に導光面10Bが沿うように配置され、外部の光源21から出射された表示用光L1を当該導光面10B全体に導いて表示面に放射する導光板10において、表示用光L1は導光板10の側面10Aから導光板10内に入射されるものであり、側面10Aが、当該側面10Aにおける表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されている導光板10により、上記課題を解決する。また、この導光板10を備える光源装置20によっても、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、液晶表示装置等に用いられる導光板およびこの導光板が備えられた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置について、開発が進められている。この液晶表示装置の一形態として、点状または線状の光源と、当該光源から発光される光を液晶表示面方向に導く導光板と、導光板からの光の発光方向を順次補正して液晶表示面全体が光るようにする拡散板およびプリズム板と、液晶表示パネルと、からなるものが知られている。
【0003】
このような液晶表示装置においては、光源から出射される光を有効に用いて液晶表示面全体を照射させるために、種々の工夫がされている。そうした工夫の一例として、特許文献1の図1に示すように、導光板の少なくとも光が入射する面に反射防止膜を別途形成した液晶表示装置が知られている。
【特許文献1】特開平8−106010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光が入射する面に反射防止膜が別途形成された導光板においては、導光板を成型した後に反射防止膜を形成するため、製造工程における時間、コスト、労力等が増加するという不都合があった。
【0005】
本願は、こうした液晶表示装置において、製造工程における時間、コスト、労力等を低減することができるとともに、光源から出射される光を有効に液晶表示面から発光させるために、新規な導光板および光源装置を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、表示パネルにおける表示面に導光面が沿うように配置され、外部の光源から出射された表示用光を当該導光面全体に導いて前記表示面に放射する導光板において、前記表示用光は前記導光板の側面から当該導光板内に入射されるものであり、前記側面が、当該側面における前記表示用光の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする導光板である。
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、表示パネルにおける表示面に導光面が沿うように配置され、外部の光源から出射された表示用光を当該導光面全体に導いて前記表示面に放射する導光板を備えた光源装置において、前記表示用光は前記導光板の側面から当該導光板内に入射されるものであり、前記導光板の前記側面が、当該側面における前記表示用光の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする光源装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、本実施形態の導光板およびこれを備えた光源装置について具体的に説明する。
【0009】
なお、図1は、本実施形態の導光板および光源装置を備えた液晶表示装置の側面を示す側面概略図であり、図2から図6は、本実施形態の導光板における表示用光が入射する側面の各態様を示す図である。
【0010】
(i) 実施形態
まず、図1に示すように、本実施形態の光源装置20は、本実施形態の導光板10における側面10A側に、光源21を有している。そして、本実施形態の導光板10における表示パネル30を有しない側10D、光源21の対向面側10Cおよび光源21の周囲には、反射シート24、25、26が設けられており、光源21から発光された表示用光L1が導光板10の表示パネル30を有しない側の面10Dに設けられたドット、プリズムまたはパターン印刷12により反射して表示パネル30を有する方向に出光するようになっている(図1中の矢印L1、L2参照)。なお、ドット、プリズムまたはパターン印刷12は、図1に示すように、導光板10の内面側に設けられていてもよいし、外面側に設けられていてもよい。また、本実施形態の導光板10の表示パネル30が設けられる導光面10Bには、通常、拡散板22、プリズム板23が設けられており、光源21から発光された表示用光L1が表示パネル30に対して垂直方向に出光するようになっている(図1中の矢印L1、L2、L3参照)。
【0011】
そして、図1に示すように、本実施形態の導光板10は、表示パネル30における表示面に導光面10Bが沿うように配置され、外部の光源21から出射された表示用光L1を当該導光面10B全体に導いて表示パネル30の表示面に放射する導光板10であり、表示用光L1は導光板10の側面10Aから導光板10内に入射されるものである。そして、表示用光L1が入射される導光板10の側面10Aは、側面10Aにおける表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴としている。特に、側面10Aにおける表示用光L1が通過する位置は、当該側面10Aにおける表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されている。
【0012】
(凹凸形状)
この導光板10の表示用光L1が入射される側面10Aに形成される凹凸形状について、図2から図6を参照して説明する。
【0013】
導光板10の側面10Aにおける凹凸形状は、以下の(1)〜(5)に説明するように、角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが並んだ形状、または、角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが凹形状として並んだ形状、とすることができる。
【0014】
なお、導光板10の側面10Aの凹凸形状は、光源21に対して凸な形状を凸形状とし、光源21に対して凹な形状を凹形状として説明する。また、上面図と称する各図は、図1おいて導光板10の側面10Aを光源21側から見た図である。
【0015】
(1) 凹凸形状を角錐が並んだ形状により構成する場合、図2(a)に側面10Aの上面概略図、図2(b)に側面10Aの上面図を示すように、基準面に四角錐が隙間なく並んだ形状により、当該凹凸形状を構成することができる。このとき、図2(b)の隣り合う角錐の頂点を通るU−U拡大断面図は、図2(c)に示したようになる。
【0016】
また、凹凸形状を角錐が並んだ形状により構成する場合、図3(a)および図3(b)に側面10Aの上面参考図を示すように、各図の黒で示した位置に四角錐を設け、基準面に四角錐が間隔を開けて並んだ形状により、当該凹凸形状を構成することもできる。このとき、図3(a)の隣り合う角錐の頂点を通るV−V拡大断面図、図3(b)の隣り合う角錐の頂点を通るX−X拡大断面図は、図3(c)に示したようになる。間隔を開けて四角錐を設ける場合には、図3(a)に示すように、市松模様状に四角錐を設けることもできるし、図3(b)に示すように、四角錐の幅W2と同じ長さの間隔をおいて四角錐を設けることもできる。
【0017】
こうした四角錐間の間隔は、四角錐のピッチと最大幅の値により変動し、後述するように、反射を防止する機能を有する範囲であれば、特に限定されない。
【0018】
なお、角錐が並んだ形状は、四角錐以外、例えば三角錐や六角錐等の角錐が並んだ形状とすることができる。
【0019】
(2) 凹凸形状を角柱が並んだ形状により構成する場合、基準面に四角柱が並んだ形状により、当該凹凸形状を構成することができる。図3(a)および図3(b)に側面10Aの上面参考図を示すように、各図の黒で示した位置に四角柱を設け、基準面に四角柱が間隔を開けて並んだ形状とすることができる。図4は、図3(a)の角柱の中心を通るV−V拡大断面図、図3(b)の角柱の中心を通るX−X拡大断面図を示す。図3(a)に示すように、市松模様状に四角柱を設けることもできるし、図3(b)に示すように、四角柱の幅W3と同じ長さの間隔をおいて四角柱を設けることもできる。
【0020】
こうした四角柱間の間隔は、四角柱のピッチと最大幅により変動し、後述するように、反射を防止する機能を有する範囲であれば、特に限定されない。
【0021】
なお、角柱が並んだ形状は、四角柱以外、例えば三角柱や六角柱等の角柱が並んだ形状とすることができる。
【0022】
(3) 凹凸形状を円錐が並んだ形状により構成する場合、図5(a)に側面10Aの上面図を示すように、基準面に円錐が連続して並んだ形状により、当該凹凸形状を構成することができる。このとき、隣り合う円錐の頂点を通るY−Y拡大断面図は、図2(c)に示す、角錐の頂点を通るU−U拡大断面図と同様になる。
【0023】
また、円錐が並んだ形状は、図5(b)に側面10Aの他の上面図を示すように、基準面に円錐が間隔を開けて並んだ形状とすることができる。この時、隣り合う円錐の頂点を通るZ−Z拡大断面図は、図3(c)に示す、角錐の頂点を通るV−V拡大断面図、または、X−X拡大断面図と同様になる。
【0024】
こうした円錐間の間隔は、円錐のピッチと最大幅により変動し、後述するように、反射を防止する機能を有する範囲であれば、特に限定されない。
【0025】
(4) 凹凸形状を円柱が並んだ形状により構成する場合、基準面に円柱が並んだ形状により、当該凹凸形状を構成することができる。図5(a)および図5(b)に側面10Aの上面参考図を示すように、各図の円で示した位置に円柱を設け、基準面に円柱が連続して並んだ形状、または、間隔を開けて並んだ形状とすることができる。図5(b)の円柱の中心を通るZ−Z拡大断面図は、図4に示す、角柱の中心を通るV−V拡大断面図、または、X−X拡大断面図と同様となる。
【0026】
こうした円柱間の間隔は、円柱のピッチと最大幅により変動し、後述するように、反射を防止する機能を有する範囲であれば、特に限定されない。
【0027】
(5) 凹凸形状を角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが凹形状として並んだ形状により構成する場合、上述の(1)〜(4)において説明した各形状を、基準面を境に上下に反転させた形状により、当該凹凸形状を構成することができる。
【0028】
具体的に、角錐が凹形状として並んだ形状は、上述の(1)において説明した角錐が並んだ形状を、基準面を境に上下に反転させた形状となる。角柱が凹形状として並んだ形状は、上述の(2)において説明した角柱が並んだ形状を、基準面を境に上下に反転させた形状となる。円錐が凹形状として並んだ形状は、上述の(3)において説明した円錐が並んだ形状を、基準面を境に上下に反転させた形状となる。円柱が凹形状として並んだ形状は、上述の(4)において説明した円柱が並んだ形状を、基準面を境に上下に反転させた形状となる。参考に、図6に、図2を用いて説明した角錐が並んだ形状を反転させた形状であり、角錐が凹形状として並んだ形状の拡大断面図を示す。
【0029】
なお、導光板10の側面10Aの形状は、上述の(1)〜(5)に説明した形状に加え、これらを組み合わせた形状としてもよい。導光板10の側面10Aの形状は、例えば、図2(c)、図3(c)、図4、図6に示す拡大断面図において、基準面に対して凸形状と凹形状を組み合わせて並んだ形状としてもよい。また、導光板10の側面10Aの形状は、上述の(1)〜(5)に説明した各形状が規則的に配列された形状に限られず、無作為な位置を選択して各形状を設けてもよい。
【0030】
(凹凸形状のピッチ、高さ、最大幅)
以上の(1)〜(5)に説明した導光板10の側面10Aにおける凹凸形状のピッチ、高さ、幅の各値は、反射を防止する機能を有する範囲で適宜決定される。
【0031】
具体的に、導光板10の側面10Aにおける凹凸形状は、そのピッチが可視光の波長の1/2以下の長さであることが好ましい。具体的には、凹凸形状のピッチが100〜500nmであることが好ましい。なお、可視光の波長は、一般に、360〜830nm程度とされている(JIS Z 8120 可視光線より)。
【0032】
ここで、この凹凸形状のピッチは、角錐、円錐、これらの凹形状を設けた場合には、図2(c)、図3(c)、図6に示すように、隣り合う角錐または円錐の頂点間の距離P1、P2、P4と定義づける。また、凹凸形状のピッチは、角柱、円柱、これらの凹形状を設けた場合には、図4に示すように、隣り合う角柱または円柱の中心を通る拡大断面図において、隣り合う角柱または円柱の中心間の距離P3と定義づける。
【0033】
また、導光板10の側面10Aにおける凹凸形状は、その高さの値について、特に限定されないが、通常、上述のピッチの二倍の値よりも小さくなる。
【0034】
ここで、各形状が凸形状として並んだ形状の場合は、この凹凸形状の高さは、図2(c)、図3(c)、図4に示すように、基準面から各形状の最上位の位置までの距離H1、H2、H3と定義づける。なお、各形状が凹形状として並んだ形状の場合は、この凹凸形状の高さは、図6に示すように、基準面から各形状の最下位の位置までの距離H4と定義づける。
【0035】
さらに、導光板10の側面10Aにおける凹凸形状は、図2(b)または図5(a)に示すように、凹凸が隙間なく配置される状態が好ましい。そのため、凹凸の各形状の最大幅は、特に限定されないが、上述のピッチと同等となる場合が多い。
【0036】
ここで、角錐または角柱の最大幅は、図2(c)、図3(c)、図4、図6のように角錐または角柱の中心を通る拡大断面図である場合に、中心を通る直線の角錐または角柱の両端間の距離W1、W2、W3、W4で示した長さと定義づける。また、円錐または円柱の最大幅は、同様の拡大断面図において、円の中心を通る直線の両端間の距離W1、W2、W3、W4で示した長さであり、円の直径と定義づける。
【0037】
こうした導光板10における側面10Aに形成される凹凸形状のピッチP1、P2、P3、P4、高さH1、H2、H3、H4、最大幅W1、W2、W3、W4は、一定でなく、位置によって変更してもよい。
【0038】
このような導光板10の側面10Aが凹凸形状に形成されていることによって、光源21から入射する表示用光L1の反射が防止される。
【0039】
また、導光板10の側面10Aにおける表示用光L1が通過する位置は、上述の表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されている。導光板10の側面10Aは、表示用光L1が通過する位置のみならず、側面10Aの全面が表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されていてもよい。
【0040】
(導光板の材質、大きさ、製造方法)
ここで、導光板10の材質は、特に限定されないが、通常、プラスチック樹脂が用いられ、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。
【0041】
導光板10の大きさや、その厚さ(図1における表示パネル30側の光の出射面(導光面)10Bとその対面10Dとの距離)についても、設けられる装置により適宜決定され、特に限定されない。
【0042】
導光板10の製造方法は、特に限定されず、通常、プラスチック材料を成型する要領で製造することができ、例えば、以下のように製造することができる。まず、導光板10の側面10Aに対応する位置に上述の凹凸形状を有する金型の原版をニッケルや珪素を用いて作製し、この原版を用いて複数の金型を作製する。この金型に、導光板10を作製するためのプラスチック材料を加熱して流し込み、冷却して硬化させ、硬化した導光板10を金型から剥離することにより、導光板10を製造する。また、導光板10の材料として光硬化性の樹脂を使用し、成型した樹脂を光(紫外線、電子線を含む)の照射により硬化させて導光板10を製造することも可能である。
【0043】
(ii) 変形形態
図1における光源装置20において、光源21の位置は、導光板10の片側に設けたが、これに限定されず、導光板10の両側に光源を設け、双方から照射するような形態としてもよい。また、光源21は、数ヶ所に点状に設ける点光源としてもよいし、導光板10の隣に直線状に設ける線光源としてもよい。点光源を用いた場合に、導光板10の側面10Aに、上述の凹凸形状に加えて、導光板10からの面発光の輝度均一性を向上させるための加工を行ってもよい。
【0044】
光源21の種類は、特に限定されないが、陰極蛍光ランプ(Cathode Fluorescent Lamp :CFL)、発光ダイオード(light emitting diode:LED)が一般的に用いられる。
【0045】
図1における光源装置20のように、光源21の位置が導光板10の片側のみである場合には、図示しないが、導光板10の光源21を有する側の厚さよりも、光源21を有しない側の厚さが薄くなるようにしてもよい。その他、導光板10の側面10Aに上述の凹凸形状を形成していれば、この側面10Aやその他の面10B、10C、10D等に他の加工が施されていてもよい。
【0046】
また、図1における拡散板22およびプリズム板23は、必要に応じて、複数の層から形成することもできる。
【0047】
なお、図1における表示パネル30は、通常、カラーフィルタ、ブラックマトリックス、液晶、配向膜、電極等の各構成要素からなる液晶表示素子が基材上に設けられた、従来公知のものである。この表示パネル30と上述した本実施形態の光源装置20とから、液晶表示装置40が形成される。
【0048】
本実施形態の導光板10および光源装置20は、主として液晶表示装置40に設けられる。また、液晶表示装置40の用途は特に限定されず、テレビ受像機用、パーソナルコンピュータの表示装置用、携帯電話機用、デジタルカメラ用等の種々の機器に用いられる。
【0049】
また、図1においては、導光板10が表示パネル30の表示面の裏側にあり、いわゆる透過型の液晶表示装置40を表したが、導光板が表示パネルの表示面側にあり、いわゆる反射型またはフロントライト型の液晶表示装置としてもよい。
【0050】
以上説明した本実施形態の導光板10は、表示パネル30における表示面に導光面10Bが沿うように配置され、外部の光源21から出射された表示用光L1を当該導光面10B全体に導いて表示面に放射する導光板10において、表示用光L1は導光板10の側面10Aから導光板10内に入射されるものであり、側面10Aが、当該側面10Aにおける表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
【0051】
よって、導光板10の側面10Aに形成される凹凸形状により、光源21から導光板10に入射する表示用光L1の反射を抑えることができ、新規な導光板10が提供できる。そのため、光源21から発光される光を有効に導光面10Bから出射させることができ、表示パネル30における発光効率を向上させることができる。
【0052】
この導光板10により、他の条件が従来と同様であれば、パネル表示面がより明るい液晶表示装置40等を提供することができる。また、他の視点から、従来よりも省電力で従来と同様のパネル表示面の明るさを得ることができ、また、発光効率を向上させるための他の部材を省略しても、従来と同様のパネル表示面の明るさを得ることができる。
【0053】
さらに、この導光板10を製造するにあたり、従来の反射防止膜を設ける導光板に比べて、製造工程を省略することが可能であり、時間、コスト、労力等において有利である。
【0054】
この本実施形態の導光板10において、側面10Aにおける表示用光L1が通過する位置が、当該側面10Aにおける表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
【0055】
よって、側面10Aにおける表示用光L1が通過する位置が、表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されているため、確実に、光源21から導光板10に入射する光の反射を抑えることができる。
【0056】
この本実施形態の導光板10において、側面10Aにおける凹凸形状のピッチP1、P2、P3、P4が可視光の波長の1/2以下の長さであることを特徴とし、具体的には、側面10Aにおける凹凸形状のピッチP1、P2、P3、P4が100〜500nmであることを特徴とする。
【0057】
よって、側面10Aの凹凸形状のピッチP1、P2、P3、P4をこのような範囲とすることにより、光源21から入射する表示用光L1の反射を効率よく防止することができる。
【0058】
また、この本実施形態の導光板10において、側面10Aにおける凹凸形状は、角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが並んだ形状、または、角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが凹形状として並んだ形状、であることを特徴とする。
【0059】
よって、側面10Aに形成される凹凸形状を具体的に上述の形状とすることにより、光源21から入射する表示用光L1の反射を効率よく防止することができる。
【0060】
さらに、以上説明した本実施形態の光源装置20は、表示パネル30における表示面に導光面10Bが沿うように配置され、外部の光源21から出射された表示用光L1を当該導光面10B全体に導いて表示面に放射する導光板10を備えた光源装置20において、表示用光L1は導光板10の側面10Aから導光板10内に入射されるものであり、導光板10の側面10Aが、側面10Aにおける表示用光L1の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
【0061】
よって、導光板10の側面10Aに形成される凹凸形状により、光源21から導光板10に入射する表示用光L1の反射を抑えることができ、新規な光源装置20が提供できる。そのため、光源21から発光される光を有効に導光面10Bから出射させることができ、表示パネル30における発光効率を向上させることができる。
【0062】
この導光板10を備えた光源装置20により、他の条件が従来と同様であれば、パネル表示面がより明るい液晶表示装置40等を提供することができる。また、他の視点から、従来よりも省電力で従来と同様のパネル表示面の明るさを得ることができ、また、発光効率を向上させるための他の部材を省略しても、従来と同様のパネル表示面の明るさを得ることができる。
【0063】
さらに、導光板10を備えた光源装置20を製造するにあたり、従来の反射防止膜を設ける導光板を備えた光源装置に比べて、製造工程を省略することが可能であり、時間、コスト、労力等において有利である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態の導光板および光源装置を備えた液晶表示装置の側面を示す側面概略図である。
【図2】本実施形態の導光板における表示用光が入射する側面の凹凸形状を四角錐が並んだ態様とした場合の、側面を説明する図である。
【図3】本実施形態の導光板における表示用光が入射する側面の凹凸形状を四角錐が並んだ他の態様とした場合の、側面を説明する図である。
【図4】本実施形態の導光板における表示用光が入射する側面の凹凸形状を四角柱が並んだ態様とした場合の拡大断面図である。
【図5】本実施形態の導光板における表示用光が入射する側面の凹凸形状を円錐または円柱が並んだ態様とした場合の上面図である。
【図6】本実施形態の導光板における表示用光が入射する側面の凹凸形状を角錐が凹形状として並んだ態様とした場合の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10…導光板
10A…導光板の表示用光が入射する側面
10B…導光板の導光面
10C…導光板における光源の対向面
10D…導光板における表示パネルを有しない面
12…ドット、プリズムまたはパターン印刷
20…光源装置
21…光源
22…拡散板
23…プリズム板
24、25、26…反射シート
30…表示パネル
40…液晶表示装置
L1、L2、L3…表示用光
P1、P2、P3、P4…凹凸形状のピッチ
H1、H2、H3、H4…凹凸形状の高さ
W1、W2、W3、W4…凹凸形状を構成する角錐、円錐、角柱、円柱の最大幅(円は直径)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルにおける表示面に導光面が沿うように配置され、外部の光源から出射された表示用光を当該導光面全体に導いて前記表示面に放射する導光板において、
前記表示用光は前記導光板の側面から当該導光板内に入射されるものであり、
前記側面が、当該側面における前記表示用光の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする導光板。
【請求項2】
前記側面における前記表示用光が通過する位置が、当該側面における前記表示用光の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記側面における凹凸形状のピッチが可視光の波長の1/2以下の長さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導光板。
【請求項4】
前記側面における凹凸形状のピッチが100〜500nmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項5】
前記側面における凹凸形状は、角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが並んだ形状、または、角錐、円錐、角柱もしくは円柱の少なくともいずれか一つが凹形状として並んだ形状、であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項6】
表示パネルにおける表示面に導光面が沿うように配置され、外部の光源から出射された表示用光を当該導光面全体に導いて前記表示面に放射する導光板を備えた光源装置において、
前記表示用光は前記導光板の側面から当該導光板内に入射されるものであり、
前記導光板の前記側面が、当該側面における前記表示用光の反射を防止する凹凸形状に形成されていることを特徴とする光源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−3638(P2006−3638A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179937(P2004−179937)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(591043569)パイオニア精密株式会社 (16)
【Fターム(参考)】