説明

導電体接近及び近接位置検出装置

【課題】 静電容量結合型の、導電体接近及び近接位置検出装置の、信号処理のシンプル化と耐ノイズ性能の向上及び浮遊容量の無関係化を図る。また人体等の被検出導電体の疑似接地効果要因を明確・確実にする。
【解決手段】 センサーパネルまたはセンサー導体アレイ、シールド板、信号プロセス回路、グランド及び電源をも含めて電圧振動系を作り、静電容量結合を介し被検出導電体から等価的に受信する電気振動(AC信号)を対グランド信号プロセスし、処理結果をアイソレータを介し非振動系へ伝える。また、振動周波数を200kHz以上とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電容量結合型の導電体接近及び近接位置検出装置に関し、特に能動的に信号を発しない人体及びその指等の被検出導電体に対応した接近及び近接位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗性パネルの4隅を演算増幅器により電圧駆動し、同時に駆動電流を差動増幅器で検出する例として特許第1536723号に示されたものがある。また、指との結合容量を含めてパネルの格子状導体のキャパシタンスの変化を検出する例として、特許第1754522号及び同第2037747号に示されたものがある。または、指との結合容量を含めて抵抗性パネルのインピーダンスを検出する例として、詳細は不明瞭であるが、特許第2603986号に示されたものがある。他の例として、変成器により、タッチパネルの4点をAC電圧駆動し、同時に駆動電流成分を差動増幅器へ印加する例として特許第1881208号に示された指の位置検出装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術に於いては、センサーパネルから、電気信号を人体等の被検出導電体へ吸収させる考え方であったために、複雑な手段による回路構成となり、理想的な信号プロセスとすることが非常に困難であった。また、被検出導電体の疑似接地の理由が不確実(不明瞭)であったために、検出が不安定となる条件が潜在していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は如上の課題に鑑みなされたもので、センサーパネルまたはセンサー導体アレイ、シールド板、信号プロセス回路、グランド及び電源回路をも含めて電圧振動系を作り、非振動系に属する人体等の導電体(本出願に於いて、必要充分な電流を流し得る抵抗体は導電体に含める)から静電容量結合を介して等価的に受信する電気振動(AC信号)を対グランド信号プロセスし、処理結果をアイソレータを介して非振動系へ伝える導電体接近及び近接位置検出装置である。また振動周波数を200kHz以上とし、無条件に安定な信号検出とした。尚、本出願に於いて、「接近」とは1m〜2cm程度を意味し、「近接」とは5cm〜0cm(接触)程度を意味するものとする。
【0005】
【作用】電圧振動系から非振動系に属する被検出導電体を見る(観測/計測する)と、あたかも被検出導電体が電圧振動しているように計測される。センサーパネルまたはセンサー導体アレイが、その被検出導電体から静電容量結合を介して等価的に受信する電気振動(AC信号)を本装置が計測する。別の表現をすれば、電気系に於ける天動説と言うこともできる。従来の人体(導電体)の指に信号を吸収させる信号処理と異なり、電圧振動系内に於いて対グランドの受信信号処理が可能となり、回路設計の自由度が大きい。更にシールドを施すことも容易であり、大きな浮遊容量による悪影響も低入力インピーダンスの入力回路により容易に避けることができる。
【0006】また、人体等の導電体が電圧振動した場合は、人体等の導電体がアンテナとなり、電磁波を多少なりとも放射する。このアンテナとしての放射インピーダンスは振動周波数が高い程、一般的には低下する。この放射インピーダンスが人体等の導電体の負荷となるため、人体(操作者)等の導電体が絶縁性の椅子または台上に居る時でも、振動周波数が200kHz以上で、電圧振動抑制効果がある。
【0007】
【発明の実施の形態】インピーダンス計測方式でもなく、キャパシタンス計測方式でもなく、電圧振動系が非振動系に属する人体等の導電体から等価的に受信するAC信号レベルにより検出する方式の装置であり、被検出導電体の疑似接地効果を、被検出導電体の対地容量のみに頼らずに、アンテナとしての放射インピーダンスの負荷による電圧振動抑制効果をも有効利用し、空中に浮いた人体程度のサイズの被検出導電体でさえも安定に検出し、接近のみ検出する装置、近接位置のみ検出する装置または両機能を兼ね備えた装置としたものである。
【0008】
【実施例】以下本発明の詳細を添付図を参照して説明する。図2に示す導電体接近検出装置から先に説明する。例えば被検出体が人体20(導電体)である場合、人体20がセンサー導電板24(抵抗膜でもよい)に近づいた時、その接近を検出する装置である。
【0009】本実施例に於いて、非振動系2内の振動電圧発生器14が例えば460kHzの正弦波を発生する。その出力は、電圧振動系1内のすべてを周波数460kHzで同位相同振幅で電圧振動させるために、振動系1内のグランド回路11または電源12の電源回路に接続されている。
【0010】センサー導電板24は信号処理部25の入力回路に接続されている。この入力回路は低入力インピーダンスとしてあり(詳細は後述)、従ってセンサー導電板24はやはり電圧振動系のグランド回路11と同様に電圧振動する。センサー導電板24はガラス、ガラスエポキシ基板等に塗布または蒸着により形成された抵抗膜でもよい。シールド板4は必ずしも必要とは限らない。このように電圧振動系1はすべて同振幅同位相で電圧振動しているが、電圧振動系1内に於いては、互いのどの点間でも電気振動していない。電圧振動系1以外から見た時だけ、系全体が電圧振動していることが分かる。
【0011】被検出導電体である人体20がセンサー導電板24の比較的近くに居る場合、人体20とセンサー導電板24間に少量ではあるが、静電容量23が存在する。また人体20と接地(アース)21間には、主に容量による接地インピーダンス(Ze)22が存在し、通常は容量23によるインピーダンスよりもZe22の方が小さい(疑似接地効果)。また、非振動系2のグランド16は通常、容量を介しまたは商用電源供給ライン(AC100V,AC200Vライン)を介して接地(アース)21にZe22よりも低インピーダンスで交流的に疑似接地されている(図示せず)。従って人体20は通常、非振動系に属している。また人体20の導通抵抗は数kΩ〜10kΩと言われている。
【0012】故に人体20とセンサー導電板24間には振動電位差が生じ、結合容量23を介して微少ではあるがAC電流が流れる。実際にはセンサー導電板24が電圧振動しているのであるが、電気現象は相対的にどちらを基準にして考えてもマクロ的にはよいので、逆に電圧振動系1を基準にしてみると、人体20の方が電圧振動して見える(観測/計測される)。従ってセンサー導電板24は、等価的に電圧振動している人体20からの電気振動をAC信号として受信して、信号処理部25の入力に印加する。電気系における「天動説」と前記した所以である。
【0013】理解を容易にするため、他の例を挙げて説明する。1個の電池はマイナス端子を基準(グランド)にすれば”正電源”となり、逆にプラス端子を基準(グランド)にすれば”負電源”となり、どちらを基準にするかで、逆の作用をする。別の例を挙げれば、電流の向きと電子の移動の方向が逆であることは、今は誰でも知っていると思うが、電流の向きを先に(電子の移動であることを発見する前に)決めてしまったために、今もってそのまま通用している。それでマクロ的には良いのである。キルヒホッフの法則も、フレミングの法則も、マックスウエルの電磁場方程式でさえも変更する必要もない。
【0014】信号処理部25は、センサー導電板24が等価的に受信したAC信号を、シングルエンドの対グランド信号処理をするだけで良い。従来行っていた差動バランスによる複雑な手段による信号処理をする必要性は全くない。通常の対グランド増幅、バンドパス・フィルタリング、AC/DC変換(AM検波)、A/D変換等をすれば良い。信号処理のためのマイクロコンピュータまでも信号処理部25に含めても良い。
【0015】被検出導電体が、無いか、近いか、遠いか(1m程度)をセンサー導電板24の受信信号レベルから判断している。結合容量23を介して受信する信号レベルが大変小さいため、信号ロスは可能な限り避けなければならない。目的の信号以外の外来ノイズを少なくするため、シールド板4を置くことが良いが、センサー導電板24との間に大きな浮遊容量ができて、構造上500〜1000pFになることもある。本実施例での460kHzの信号周波数に対するこの浮遊容量のインピーダンスは700Ω〜350Ωとなり、従来はこの悪影響を避け難かった。本装置は信号処理部25の入力インピーダンスを7.5Ω以下とすることにより(詳細は後述)、センサー導電板24が受けたAC信号電流の98%以上を信号処理部25に流入するようにした。また、そうすることによって、大きな浮遊容量が温度により、または機械的ショック等で少しぐらい容量変化しても、信号計測の精度にはほとんど影響しない。このメリットは図1に示す装置で、より顕著な効果を発揮する。
【0016】信号処理部25の処理結果出力は、アイソレータ13を介して非振動系2のインターフェイス15へ伝える。アイソレータ13が伝える電気情報はアナログでもデジタルでもよい。A/D変換器、マイクロコンピュータ等をインターフェイス15内に配設しても良い。またはマイクロコンピュータは電圧振動系1及び非振動系2の両方に配設しても良い。
【0017】ここで、人体20が絶縁性の椅子または台上に居る場合、または導電体が空中にある場合について述べる。当然、接地インピーダンス(Ze)22は増大し、疑似接地効果は小さくなる。人体20が地上20cmの絶縁台上に立っている時の接地容量を実測してみたが(10kHzを使用)、1pFにも満たなかった。しかし、接地インピーダンス(Ze)22を460kHzで実測してみると7kΩ前後であった。1pFの460kHzに於けるインピーダンスは350kΩであり、従って接地容量以外の疑似接地効果要因がある。この要因は、人体がアンテナとなる時の、電磁波放射インピーダンスが負荷となることによる疑似接地効果(電圧振動抑制効果)であることが、各実験の結果判明した。
【0018】因みに、人体が1mの高さの絶縁台上に居る場合でも、疑似接地効果は上記と大差ない。また大人が台上でしゃがむ時、または小学校低学年の子供が台上に立った時は、実測で15kΩ前後であった。また、周波数が200kHzの時は、上記のいずれの場合も、疑似接地効果が1/2〜1/2.5に低下した(接地インピーダンス(Ze)22が増大した)。
【0019】以上をまとめると、電磁波の放射インピーダンスは、波長に比して被検出導電体のサイズがはるかに小さい時、電気振動周波数と被検出導電体のサイズ(主に長さ)との積にほぼ反比例する。200kHz〜500kHzの電磁波の波長は1.5km〜600mなので、人体程度の大きさの場合、その放射インピーダンスは上記程度となることは理解されるであろう。より小さな被検出導電体が電気的に空中に浮いている場合、その検出のためには更に高周波の電気振動を必要とする。周波数による疑似接地効果の重要性は図1に示す装置に於いてより顕著である。
【0020】図2に示す接近検出装置の場合、結合容量23を介してセンサー導電板24が受け取る検出電流の大きさも重要であり、信号処理部25の入力回路のノイズレベル程度が、検出電流の識別限度である。結合容量23を流れる電流の大きさは電気振動の周波数と結合容量23との積に比例する。本実施例に於いて、振動周波数460kHzで20cm×20cmのセンサー導電板24の場合、大人で約1mの距離から無条件に接近検出できた。振動周波数を200kHzにすると約0.5mの距離から接近検出できた。小学校低学年の子供の場合、検出限度距離はそれぞれ約2/3に短縮した。これらの結果から振動周波数は200kHz以上が望ましい。
【0021】次に図1に示した、均一な面抵抗を有するセンサーパネルを使用した導電体(指でも良い)近接位置検出装置について説明する。図2に示した装置の説明と同じ部分が多いので、相違点を主に説明する。参照符号も同機能の部分は同符号とした。図1に示す装置は導電体(例えば指)7がセンサーパネル3の面上に近接している時、導電体(指)7のセンサーパネル3の面上に於ける近接位置(X、Y位置)を検出する装置である。
【0022】センサーパネル3の実際の構造について簡単に述べる。透明なガラス、樹脂、または不透明な絶縁基板(図示せず)の面上に、2次元に(どの方向にも)均一に分布した抵抗体5(膜状)を塗布、蒸着等により形成する。抵抗体5の材料は透明を必要とする場合はITO(インジウム・ティン・オキサイド)膜、NESA(酸化錫)膜等であり、不透明なものはカーボン膜等である。その外周部に、抵抗体5の面抵抗よりもかなり小さな面抵抗のストライプ状電極6を密着配設する。このストライプ状電極6の形状は各種のものが提案されているが、本実施例では単純な直線状としている。このストライプ状電極6の4隅は、引き出し線(シールド電線9)が接続されて、信号処理部10の入力部の4個の低入力インピーダンス電流/電圧変換回路に接続されている。尚、抵抗体5及びストライプ状電極6の上面(指のタッチ面)も実際は絶縁シート、ガラス板等で覆われており、操作者その他が導電部分に直接触れないようにしてある。シールド板4は必ずしも必要とは限らない。
【0023】図1に示すように、指(導電体)7が抵抗体5の面上で互いに近接している時、これら両者間に静電容量結合8が存在し、表面の絶縁層の厚さにもよるが、タッチ状態で5〜10pF程度である。電圧振動系1は図2の例と同様に、振動電圧発生器14により例えば460kHzで駆動されている。操作者(図示せず)は前述の理由により、非振動系に属しており、従って操作者(導電体)の指7と抵抗体5との間に、結合容量8を介して振動電流(AC信号電流)が流れる。本実施例では、この指7に流れる信号電流は、最大でも約20μArmsとしている。
【0024】抵抗体5は均一な抵抗値の分布をしており、指7の先端に近い辺のストライプ状電極6に、より多くの信号電流が流れる。従って、信号処理部10の低入力インピーダンスの各入力に等価的に流入する信号電流のレベルから、導電体(指)7の先端の、センサーパネル3の面上に於ける、近接位置を検出することができる。
【0025】指7の先端から平面抵抗体5の一点(仮想中心点)に等価的に流れ込む電流の位置を検出することになるので、PSD(光/電荷位置検出素子)の技術的考え方にどちらかと言うと近い。PSDとの主な相違点は、取り扱う信号に関して次の3点である。第1点は、PSDがDC信号を扱うのに対して、本装置はAC信号をダイナミックに扱う。第2点は、PSDよりもはるかに大型であり、特に浮遊容量が大きく、シールドを施すと時には500〜2000pFとなることもある。第3点は、信号電圧よりもかなり大きなノイズ(外乱)電圧が通常存在し、検出不可能または極端な精度悪化を起こし易い。本装置はこれら3点に充分に対処している。この対処の度合いは信号処理部10の入力部の性能に大きく左右されるが、詳細は後述する。
【0026】センサーパネル3の絶縁層表面に指7がタッチした時の、結合容量8は5〜10pFであるが、10pFの時そのインピーダンスは460kHzに於いて35kΩである。人体20の疑似接地効果を得る接地インピーダンス22は30kΩ以下でありたい。また、検出信号のS/N比に関して、A4版相当のセンサーパネル3の場合、0.2mmの位置分解能を得るためには、S/N比は結果的に65dB以上が必要である。このS/N比を得るための指7からの受信信号電流は、信号処理部10での処理手段にもよるが、本実施例の場合、少なくとも5μArms必要であった。上記の無条件の疑似接地効果を得るためと、結合容量8を通る信号電流を確保するため、振動周波数は200kHz以上が望ましい。
【0027】次に検出位置歪みについて説明する。本実施例では、ストライプ状電極6を単純な直線状としている。この構造に於いて、抵抗体5の面抵抗値と、ストライプ状電極6の面抵抗値との比を大きくするほど、位置検出の湾曲性が少なくなることは従来から知られていた。また、周囲電極のパターンを工夫することによってもやはり湾曲性が改善されることも提案されていた。本実施例では簡単な周囲電極パターンでなるべく湾曲性を少なくするようなパラメータとした。抵抗体5の面抵抗値は1kΩ/□でストライプ状電極6の各辺の両端間の抵抗値を350Ωとした。この時の実測によるX方向検出等位置線を図5に、Y方向のそれを図6に示す。
【0028】信号処理部10の入力インピーダンスを1Ω程度まで、回路安定性を確保しながら下げれば、ストライプ状電極6の抵抗値を本実施例の1/5程度として、図5、図6に示す検出等位置線(検出位置歪み)を更に直線的にすることは可能である。この湾曲性を本装置内のマイクロコンピュータ(図示せず)が補正している。参考例としてストライプ状電極6が無い場合のX方向検出等位置線を図7に、Y方向のそれを図8に示す。図5〜図8は次の計算結果が等しくなるように指相当の導体を移動した時の軌跡である。位置計算式は正規化X=(iB +iC −iA −iD )/(iA +iB +iC +iD
正規化Y=(iC +iD −iA −iB )/(iA +iB +iC +iD
とした。センサーパネル3の中央部を原点として、図1に示すX、Yの方向を正の方向とした。また、iA 、iB 、iC 、iD はA、B、C、D点からそれぞれ流れるAC信号電流値である。
【0029】図7、8から、両図を重ねた時、検出等位置線が平行に近いエリアは略1次元要素のみとなり、2次元の正確な位置決定不能または精度が著しく悪い所であり、中央部以外は実用上使えないエリアであることが判る。これからもストライプ状電極6が検出電流をA、B、C、D点へX、Y方向に沿って配分する効果を持っていることが判る。
【0030】次に細部回路の内、本発明を支える主要部分について説明する。図3は、電圧振動系1を460kHzで駆動すると共に電源供給する回路とアイソレータ13に相当する回路の例を示したものである。主要パーツはマルチワイヤ・コモンモード・共振トランス30であり、ドーナツ状、EI状等の同一の閉磁路磁気コアに巻いた密結合のコイル群である。図中L1、L3、L4、L5で示したコイルは同巻き数であり、同電圧同位相でAC振動する。参照符号32及び33は大きな容量のデカップリング・コンデンサであり、マルチワイヤ・コモンモード・共振トランス30のL1及びL3で示したコイルは、AC的に並列接続されている。電圧振動系1と非振動系2のグランド及び+5V電源は、それぞれコイルL3及びコイルL1を介して接続されている。またコイルL1はコイルL2と組み合わされたインダクタンスであり、コンデンサ35と共に並列共振回路を構成する。この共振回路(L1、L2、35)を駆動するのがトランジスタ36である。
【0031】駆動パルスが抵抗44を介して印加されると、コンデンサ43と共に構成する簡単なローパスフィルタでなだらかな波形となり、ACカップリング・コンデンサ42を介してトランジスタ36のベースを約4VppでAC駆動する。トランジスタ36のベースは10〜15%の時間だけ順方向にバイアスされ、その他の時間は逆バイアスとなり、トランジスタ36のコレクタ〜エミッタ間は間欠的に導通し、抵抗38を介して共振回路(L1、L2、35)を駆動する。つまりトランジスタ36はC級動作であり、高効率である。コイルL2の下端(ホットエンド)は約10Vppで正弦波振動し、コイルL2及びL1により分圧されたAC電圧が電圧振動系1を正弦波で振動させる。電圧振動系1を駆動するための、非振動系2の+5V電源の消費電流は約2mAである。ショットキーバリア・ダイオード37は、トランジスタ36の通常の非飽和用であると共に、共振回路(L1,L2,35)を一定電圧で振動させる作用もある。各抵抗及びコンデンサの目的と値は符号の説明の欄を参照されたい。
【0032】コイルL4とL5は図1のアイソレータ13に相当し、アナログまたはデジタルの電気情報を電圧振動系1と非振動系2間で受け渡しする。もっと電気情報線が必要な場合はコイルL1等と同巻数で追加したコイルを介して行えばよい。電圧振動系1の振動電圧が2Vpp以下で、且つCMOSロジックによるデジタル電気情報のみを伝えればよい場合は、アイソレータ13としてコイルL4,L5等の代わりに、抵抗のみを介して電気情報を受け渡すことも可能である。
【0033】コイルL1及びL3を流れる電源電流及びそのリターン・グランド電流は、大きさが同じで向きが逆であるため、コイル磁力線を互いに打ち消す。またコイルL4,L5等を流れる電流は無視可能な位に少ない。従ってコイルL2を流れる共振電流が主な磁力線源となり、マルチワイヤ・コモンモード・共振トランス30の磁気コアは磁気飽和しにくく、マルチワイヤ・コモンモード・共振トランス30を大変小型にすることができた。
【0034】図4に示す回路は、図1の信号処理部10の入力回路の例である。基本的にAC電流/AC電圧変換回路であり、主要パーツはトランジスタ55とLC並列共振回路52及び53である。トランジスタ55は、抵抗59を介してベース接地され、エミッタへ入力するAC信号電流の99.5%程度をコレクタへ伝達する。トランジスタ55のコレクタ回路は、アナログマルチプレクサ54で選択されている時、信号周波数に於いて高インピーダンスとなり、トランス・インピーダンス値が大きく、従って電流/電圧変換効率を高くしている。この電流/電圧変換効率は高いが、ダイナミックレンジを極めて大きくし、ノイズ耐量を大幅に強化していることも特徴であるが、詳細は後述する。トランジスタ55のコレクタそのものの出力インピーダンスは大きく、並列共振回路52及び53のQ値をあまり低下させないので、必要周波数(電圧振動系1の振動周波数)成分のみを電圧に変換する。
【0035】アナログマルチプレクサ54は4個の入力回路の内の1回路を並列共振回路52及び53へ接続し、時分割でA、B、C、D点からの検出電流を計測できるようにしている。ダイオード51は、アナログマルチプレクサ54で選択されていない時にも、入力回路を動作させておき、本回路の入力インピーダンスを常時一定値に保持するための、クランプ作用のある代用負荷である。アナログマルチプレクサ54は内部に浮遊容量を持っているが、それは共振コンデンサ53の一部と見なせるため、信号ロスの要因とはならない。更に本装置は、従来の装置と異なり、対グランド信号処理であるため、本回路の全ての浮遊容量から、信号成分へ加わる有害なスプリアス成分は無い。これも本装置の特徴の1つである。
【0036】トランジスタ55のエミッタ入力インピーダンスは、本実施例の場合、約20Ωであり、これのみでは充分に低い入力インピーダンスではないので、トランジスタ57による反転増幅回路を追加している。電流/電圧変換トランジスタ55のエミッタ電圧が変動すると、ACカップリング・コンデンサ66を介してトランジスタ57のベースへ、電圧変動分として印加される。この電圧変動分は、エミッタ接地トランジスタ57により位相反転され、トランジスタ55のベースへ印加され、このベースDC電圧を変調する。この変調は、トランジスタ55のエミッタ電圧変動を少なくする方向に働く。すなわちトランジスタ55のエミッタ入力インピーダンスが低下する。本実施例では640kHzに於いて、6.5Ω±1Ωを得た。各回路定数は、参考例として符号の説明の欄を参照されたい。
【0037】注意すべきことは、トランジスタ55のエミッタに接続される浮遊容量が500〜2000pFと大きいことである。従って回路の安定動作のためには、抵抗62とコンデンサ63による位相補償が必要である。それでも開ループ・ゲインは、本実施例での460kHzに於いて、ほとんど低下しない。この回路は2000pFの入力浮遊容量でも全く安定である。本回路の代わりに演算増幅器を使用すると、サミング点にこの浮遊容量が入るため、安定動作は得難い。浮遊容量が2000pFよりもずっと少なければ、図4の回路で、定数を少し変えるだけで入力インピーダンスを1Ω程度まで下げることは容易である。
【0038】図4に示す回路の入力インピーダンスが、センサーパネル3のストライプ状電極6の各辺の両端間抵抗値に比して充分に小さくないと、A、B、C、D点への電流配分比が小さくなり、従って検出位置エラー要因となる。また、この入力インピーダンス値を小さくすることは、大きな浮遊容量による信号ロスを防止することでもあり、段落0015で説明した通りである。1層の平面抵抗体をセンサーパネルとして使用する本装置は、その4隅から検出する電流比から位置算出するので、信号ロスは可能な限り少ない方がよい。本実施例での6.5Ω±1Ωは実用上充分な低い値であることを確認している。
【0039】指へ信号を吸収させる従来の装置は、シールド板、シールド電線、装置筐体等との浮遊容量へもAC信号が流出し、本来の指へのAC信号の吸収による正味分は5%にも満たないため、検出位置精度を確保することが、大変困難だった。本実施例では、シールド板4及びシールド電線9の浮遊容量からの流入AC信号は無く、装置筐体から少し流入するが、指7からの正味AC信号電流分が約80%を占めるため、従来に比し非常に信号の信頼性が増し、より安定に精度よい近接位置検出を得た。これも対グランド信号を扱う本装置の大きな特徴である。
【0040】図4に示す回路のノイズ耐量について説明する。トランジスタ55は、そのエミッタ瞬時電流が零近くになるまで、その電流値にほとんど関係なく、エミッタ瞬時電流の約99.5%(ほぼ一定値)をそのコレクタに伝達するので、リニアリティが必要充分に良好であり、回路の線型性が保たれる。すなわち、AC信号電流は多くても20μArms程度であり、DCバイアス電流の約1.3mAが零近くまでになるノイズ混入に対して、信号周波数成分に歪みが発生せず、信号レベルの+32dBの違う周波数成分のノイズが混入しても、検出位置がずれる程ではない。つまり、電流/電圧変換効率が高くても、信号周波数と違う周波数帯域のノイズが+32dBのレベルで混入しても、本回路は飽和せず、ダイナミックレンジが極めて大きい。更に、入力部がACカップリングであるため、商用電源の50〜60Hzの電源誘導ノイズ成分に対しては+109dBのノイズ耐量がある。
【0041】この耐ノイズ性能(ノイズ余裕度)は、電圧振動系内に於いては、対グランド信号処理が可能〕であることから実現したものであり、テレビ、パーソナルコンピュータ、CRTモニタ、液晶ディスプレイ等と共に使用される環境下での安定動作を提供する。因みに従来の静電容量結合型指タッチ位置検出装置のノイズ余裕度は、信号周波数以外の全周波数でせいぜい0dB程度である。
【0042】図4に示す4個の入力回路の内の1回路分を、アナログマルチプレクサ54及びクランプダイオード51を除いて、図2に示す接近検出装置にも使用できることは言うまでもない。また、図4に示す回路は、ペン形の能動位置指示器から、結合容量を介してAC信号をセンサーパネル(電圧振動系ではない)へ伝達する方式の装置へも応用できて、その場合も同様に、AC信号周波数と違う周波数成分のノイズに対して+32dBの余裕度がある。60Hzに対してはやはり+109dBのノイズ余裕度がある。演算増幅器を使用するものでは飽和し易く、上記の耐ノイズ性能は得られなかった。
【0043】次に指7等の導電体がセンサーパネル3から浮上している場合の位置検出の偏りについて説明する。図9は、指7がセンサーパネル3の表面に近い場合の、センサーパネル3上の2点との結合容量90及び91について図示したものである。図10は指7がセンサーパネル3の表面から少し離れている場合の、センサーパネル3上の同上の2点との結合容量100及び101について図示したものである。図9と図10に於いて、指7のセンサーパネル3のX,Y位置は同じである。結合容量90と91は容量比が大きく、結合容量100と101は容量比が小さい。
【0044】実際は、結合容量は、センサーパネル3の全面に分布しているので、指7がセンサーパネル3の表面から少し離れている場合は、A、B、C、D点への電流配分比が少し小さくなり、従って実際よりも検出位置がセンサーパネル3の中央寄りに算出される。本装置は内蔵するマイクロコンピュータ(図示せず)が、この検出位置ずれを補正している。指7が近いか、離れているかは、A,B,C,D点から検出するAC信号電流値の合計から判断している。補正量はセンサーパネル3のサイズにより異なる。
【0045】図11は、格子状のセンサー導体アレイ111及び112を使用した、指等の導電体近接位置検出装置の電圧振動系の構成について示したものである。X及びY方向のアナログマルチプレクサ113及び114がX方向及びY方向検出用センサー導体アレイ111及び112を順次切替えて、信号処理部110の入力へ印加する。各センサー導体111及び112が検出する(受信する)AC信号レベル(電流または電圧)から、指等の導電体の近接位置を算出する。センサー部の構造が、図1に示すものよりも複雑であるが、各センサー導体111及び112間のみをアナログ的に位置補間すればよいので、検出位置精度は図1のものよりよい。この装置もやはり、対グランド信号処理が可能であり、上記の各メリットを持つ。
【0046】
【発明の効果】差動バランス等の複雑な信号処理をせずに、対グランド信号処理により、シンプル且つ耐ノイズ性に優れた、導電体の接近及び近接位置検出装置を得た。またシールド等の浮遊容量の悪影響もほぼ除去された。更に、疑似接地効果の要因を明確にしたことにより、電気的に空中に浮いた人体をも含めて無条件に、導電体の接近及び近接位置の安定な検出を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】均一な抵抗面を有するセンサーパネルを使用した、指等の導電体の近接位置検出装置の構成概要図
【図2】 導電体接近検出装置の構成概要図
【図3】 電圧振動系の駆動及び電源供給とアイソレータ回路例
【図4】 検出電流/電圧変換及び時分割回路例
【図5】 X方向検出等位置線図
【図6】 Y方向検出等位置線図
【図7】 低抵抗のストライプ状電極6が無いセンサーパネルに於けるX方向検出等位置線図
【図8】 低抵抗のストライプ状電極6が無いセンサーパネルに於けるY方向検出等位置線図
【図9】 指がセンサーパネルの表面に近接している時の結合容量比の説明図
【図10】 指がセンサーパネルの表面から少し離れている時の結合容量比の説明図
【図11】 格子状のセンサー導体アレイを使用した、指等の導電体近接位置検出装置の電圧振動系の構成概要図
【符号の説明】
1 電圧振動系
2 非振動系
3 センサーパネル
4 シールド板
5 2次元に均一な抵抗体
6 低抵抗のストライプ状電極
7 指(導電体)
8 指7と抵抗体5間の静電容量結合
9 シールド電線
10 信号処理部
11 電圧振動系グランド回路
12 電圧振動系の電源
13 アイソレータ
14 振動電圧発生器
15 インターフェイス
16 非振動系グランド
20 人体(導電体)
21 接地(アース)
22 人体の接地インピーダンス
23 人体20とセンサー導電板24間の静電容量結合
24 センサー導電板(抵抗膜でもよい)
25 信号処理部
30 マルチワイヤ・コモンモード・共振トランス
31 電圧振動系+5V電源
32 デカップリングコンデンサ(例えば22μF)
33 デカップリングコンデンサ(例えば4.7μF)
34 非振動系+5V電源
35 共振コンデンサ(例えば680pF)
36 C級動作の駆動トランジスタ(例えば2SC4116Y)
37 ショットキーバリア・ダイオード
38 コンプライアンス抵抗(例えば47Ω)
39 抵抗(例えば4.7Ω)
40 抵抗(例えば470Ω)
41 DCバイアス電流印加抵抗(例えば150 kΩ)
42 ACカップリングコンデンサ(例えば470pF)
43 ローパスフィルタコンデンサ(例えば100pF)
44 ローパスフィルタ抵抗(例えば1.5kΩ)
50 +4.7V(振動系)
51 クランプダイオード(代用負荷)
52 バンドパスコイル
53 バンドパスコンデンサ
54 アナログマルチプレクサ
55 電流/電圧変換トランジスタ(例えば2SC4116Y)
56 抵抗(例えば47Ω)
57 電圧変動検出トランジスタ(例えば2SC4116Y)
58 抵抗(例えば10Ω)
59 トランジスタ57のAC及びDC負荷抵抗及びトランジスタ55のベース接地抵抗(例えば1kΩ)
60 トランジスタ57のDC負荷抵抗(例えば4.7kΩ)
61 デカップリングコンデンサ(例えば1μF)
62 位相補償抵抗(例えば1kΩ)
63 位相補償コンデンサ(例えば7pF)
64 DC分圧抵抗(例えば68kΩ)
65 DC分圧抵抗(例えば22kΩ)
66 電圧変動を伝達するカップリングコンデンサ(例えば1000pF)
67 抵抗(例えば4.7Ω)
68 ACカップリングコンデンサ(例えば0.22μF)
69 DC電流シンク抵抗(例えば1.5kΩ)
70 DC零バイアス印加抵抗(例えば22kΩ)
90 指7とセンサーパネル上の近点間の結合容量
91 指7とセンサーパネル上の遠点間の結合容量
100 指7とセンサーパネル上の近点間の結合容量
101 指7とセンサーパネル上の遠点間の結合容量
110 信号処理部
111 X方向検出用センサー導体アレイ
112 Y方向検出用センサー導体アレイ
113 X方向アナログマルチプレクサ
114 Y方向アナログマルチプレクサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電圧振動系と非振動系とを有する、導電体の接近を検出する装置であって、前記電圧振動系は、200kHz以上の周波数の振動電圧発生器により駆動されており、且つ、前記導電体との間の静電容量結合を介して流れるAC電流を等価的に受信検出するセンサー導電板と、該センサー導電板が検出した前記AC電流を印加する信号処理部と、該信号処理部にも接続される電圧振動系グランド回路と、該電圧振動系グランド回路に対し同振幅同位相で電圧振動し、前記信号処理部に接続される電源回路とから成り、前記非振動系は、前記振動電圧発生器と、外部装置とのインターフェイスとから成り、前記信号処理部と前記インターフェイスとの間で、アイソレータを介してデジタルまたはアナログ電気情報を受け渡しすることを特徴とする導電体接近検出装置。
【請求項2】 電圧振動系と非振動系とを有する、導電体のセンサーパネル面上に於ける近接位置を検出する装置であって、前記電圧振動系は、200kHz以上の周波数の振動電圧発生器により駆動されており、且つ、前記導電体との間の静電容量結合を介して流れるAC電流を等価的に受信する、2次元に均一な面抵抗を有する抵抗体及び該抵抗体の周辺に低抵抗の電極を密着配設した前記センサーパネルと、該センサーパネルの4隅から流れるAC電流を印加する信号処理部と、該信号処理部にも接続される電圧振動系グランド回路と、該電圧振動系グランド回路に対し同振幅同位相で電圧振動し、前記信号処理部に接続される電源回路とから成り、前記非振動系は、前記振動電圧発生器と、外部装置とのインターフェイスとから成り、前記信号処理部と前記インターフェイスとの間で、アイソレータを介してデジタルまたはアナログ電気情報を受け渡しすることを特徴とする導電体近接位置検出装置。
【請求項3】 電圧振動系と非振動系とを有する、導電体のセンサー導体アレイ面上に於ける近接位置を検出する装置であって、前記電圧振動系は、200kHz以上の周波数の振動電圧発生器により駆動されており、且つ、前記導電体との間の静電容量結合を介してAC信号を等価的に受信する、X方向及びY方向に格子状に配列された前記センサー導体アレイと、該センサー導体アレイの各導体を順次接続するアナログマルチプレクサと、該マルチプレクサの出力を印加する信号処理部と、該信号処理部及び前記マルチプレクサにも接続される電圧振動系グランド回路と、該電圧振動系グランド回路に対し同振幅同位相で電圧振動し、前記信号処理部及び前記マルチプレクサに接続される電源回路とから成り、前記非振動系は、前記振動電圧発生器と、外部装置とのインターフェイスとから成り、前記信号処理部と前記インターフェイスとの間で、アイソレータを介してデジタルまたはアナログ電気情報を受け渡しすることを特徴とする導電体近接位置検出装置。
【請求項4】 同一の閉磁路磁気コアに巻き線したマルチワイヤ・コモンモード・共振トランスを介して、前記電圧振動系と前記非振動系との間の、グランド回路、電源回路、及びデジタルまたはアナログ電気情報線をそれぞれ接続することを特徴とする、請求項1記載の導電体接近検出装置。
【請求項5】 同一の閉磁路磁気コアに巻き線したマルチワイヤ・コモンモード・共振トランスを介して、前記電圧振動系と前記非振動系との間の、グランド回路、電源回路、及びデジタルまたはアナログ電気情報線をそれぞれ接続することを特徴とする、請求項2記載の導電体近接位置検出装置。
【請求項6】 同一の閉磁路磁気コアに巻き線したマルチワイヤ・コモンモード・共振トランスを介して、前記電圧振動系と前記非振動系との間の、グランド回路、電源回路、及びデジタルまたはアナログ電気情報線をそれぞれ接続することを特徴とする、請求項3記載の導電体近接位置検出装置。
【請求項7】 前記マルチワイヤ・コモンモード・共振トランスがC級動作のトランジスタにより駆動される、請求項4記載の導電体接近検出装置。
【請求項8】 前記マルチワイヤ・コモンモード・共振トランスがC級動作のトランジスタにより駆動される、請求項5記載の導電体近接位置検出装置。
【請求項9】 前記マルチワイヤ・コモンモード・共振トランスがC級動作のトランジスタにより駆動される、請求項6記載の導電体近接位置検出装置。
【請求項10】 位置指示手段のセンサーパネル面上に於ける近接位置を検出する装置であって、前記位置指示手段から能動的または等価的に発信するAC信号を静電容量結合を介して受信する、2次元に均一な面抵抗を有する抵抗体及び該抵抗体の周辺に低抵抗の電極を密着配設した前記センサーパネルと、該センサーパネルの4隅から流れるAC電流を印加する電流/電圧変換回路とを少なくとも有し、該電流/電圧変換回路は、抵抗を介しベース接地するエミッタ入力のトランジスタと、該トランジスタのコレクタに接続するLC並列共振回路と、前記エミッタ入力の電圧変動を反転増幅し、前記トランジスタのベースへ印加する反転増幅器とから成ることを特徴とする近接位置検出装置。
【請求項11】 前記導電体が前記センサーパネル面に接触した時の前記センサーパネルの4隅から流れるAC電流値の合計を基準計測電流値とし、該基準計測電流値よりも小さく計測した時に、検出した前記近接位置を前記センサーパネル面の中心位置よりも外周方向へ補正する手段を有することを特徴とする請求項2記載の導電体近接位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図9】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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