説明

導電性ローラ及び帯電ローラ

【課題】直流電圧(DC)に交流電圧(AC)を併用した重畳電圧を印加して帯電を行った場合でも、電界強度の変化に伴う帯電部材と感光体との間の振動によって発生する帯電音を抑制することが可能である導電性ローラを提供する。
【解決手段】導電性軸体の外周上に少なくとも1層の導電性弾性体層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性体層に、結合スチレン量20〜30質量%のスチレンブタジエンゴムからなる主ゴム成分と、全ゴム成分を100質量部としたときにカーボンブラック8〜20質量部と無機充填剤20〜100質量部とパラフィンオイル5〜30質量部を含有する発泡性ゴム組成物を加硫発泡して使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に使用される導電性ローラに関し、さらに詳しくは、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体面を帯電させるために用いられる帯電ローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置(複写機・光プリンター等)・静電記録装置等の画像形成装置において、感光体・誘電体等の像担持体面を帯電処理する手段機器としては、従来、コロナ放電装置が利用されている。コロナ放電装置は像担持体等の被帯電体(感光体)面を所定の電位に均一に帯電処理する手段として有効であるが、高価な高圧電源を必要とし、装置が大型になるという点、また、放電の際にオゾン等のコロナ生成物の発生が多くなるといった点で問題がある。このようなコロナ放電装置に対して、近年では接触帯電方式のものが用いられるようになっている。接触帯電方式では電圧を印加した帯電ローラを感光体面に近接、または接触させて感光体面を帯電処理するもので、コロナ放電式に対して、オゾン等のコロナ生成物の発生が少ない、構造が簡単で低コスト化・装置の小型化が図れる等の利点がある。接触帯電方式で用いられる帯電ローラとしては、被帯電体の均一性、感光体等の被帯電体表面のピンホール・傷等により生じるリーク防止するために適度な導電性が必要である。また、感光体への均一な接触の確保と、さらには、帯電ローラに直流電圧(DC)に交流電圧(AC)を併用した重畳電圧を印加して使用する場合では、電界強度の変化に伴う帯電部材と感光体との間の振動によって発生する帯電音を抑制するため、低硬度であることが要求されている。低硬度化の手法としては、弾性体層のゴム組成物中に軟化剤を多量配合する方法や導電性の発泡ゴムで構成する等の方法が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、ゴム組成物中に軟化剤を多量配合した場合、帯電部材から感光体への軟化剤の移行が起こり、感光体が汚染されるという問題がある。また、単に弾性体層を導電性発泡ゴムにしただけでは、帯電音を抑制するには限界があり、さらなる帯電音の低減が望まれている。また、帯電音低減の手法として、弾性体のtanδ(損失正接)を大きくすることも知られている(例えば特許文献2)。
【0004】
しかしながら、単にtanδを大きくしても帯電音低減効果が得られない場合もあった。さらには、弾性体層にスチレンブタジエンゴム及びカーボンブラックを含有するゴム組成物を使用することも知られている(例えば特許文献3)。
【0005】
しかしながら、スチレンブタジエンゴムの結合スチレン量、カーボンブラックや充填剤及び軟化剤の添加量や発泡については、なんら検討されておらず、帯電音低減効果がほとんど得られない場合があった。
【特許文献1】特開平05−210281号公報
【特許文献2】特開平04−161964号公報
【特許文献3】特開平08−262842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、直流電圧(DC)に交流電圧(AC)を併用した重畳電圧を印加して帯電を行った場合でも、電界強度の変化に伴う帯電部材と感光体との間の振動によって発生する帯電音を抑制することが可能である導電性ローラに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、導電性軸体の外周上に少なくとも1層の導電性弾性体層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性体層に使用されるゴム組成物は、結合スチレン量20〜30質量%のスチレンブタジエンゴムからなる主ゴム成分と、全ゴム成分を100質量部としたときに、カーボンブラック8〜20と無機充填剤20〜100質量部とパラフィンオイル5〜30質量部を含有する発泡性ゴム組成物であることを特徴とする導電性ローラである。
【0008】
該無機充填剤が炭酸カルシウムであり、該全ゴム成分を100質量部としたときに、該炭酸カルシウムの含有量が20から80質量部であることを特徴とする導電性ローラである。
【0009】
該導電性弾性体層において、該ゴム組成物の発泡前と発泡後の発泡倍率比が2〜5であり、且つ、発泡後のゴム厚を3mmとしたときに、500g荷重時のアスカーCローラ硬度が35以下であることを特徴とする導電性ローラである。
【0010】
該導電性弾性体層上に少なくとも1層のシームレスチューブが被覆されていることを特徴とする帯電ローラである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の導電性ローラによれば、直流電圧(DC)に交流電圧(AC)を併用した重畳電圧を印加して帯電を行った場合でも、電界強度の変化に伴う帯電部材と感光体との間の振動によって発生する帯電音を抑制することが可能である。従って、本発明の導電性ローラは、帯電ローラとして好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明は、導電性軸体の外周上に少なくとも1層の導電性弾性体層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性体層に使用されるゴム組成物は、結合スチレン量20〜30質量%のスチレンブタジエンゴムからなる主ゴム成分と、全ゴム成分を100質量部としたときに、カーボンブラック8〜20質量部と無機充填剤20〜100質量部とパラフィンオイル5〜30質量部を含有する発泡性ゴム組成物であることを特徴とする導電性ローラである。
【0014】
本発明の導電性弾性体層に用いるゴム組成物の原料ゴムには、結合スチレン量20〜30質量%のスチレンブタジエンゴム(SBR)を含有する。このような原料ゴムを用いることで帯電音が抑制され且つ軟化剤のブリードを抑制することが可能となる。結合スチレン量が20質量%未満のSBRでは、低硬度な弾性体を得ることは可能であるが帯電音の抑制効果が小さい。結合スチレン量が30質量%を超えるものは、軟化剤であるパラフィンオイルとの相溶性が悪化し、ブリードアウトし易くなる。また、本発明の効果が損なわれない範疇で公知の他の原料ゴムとブレンドして用いてもよい。他の原料ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等の原料ゴムが挙げられる。他の原料ゴムをブレンドする場合のブレンド比率としては、ゴム成分を100質量部とした場合に30質量部以下とすることが好ましい。なお、本発明で用いる結合スチレン量20〜30重量%のSBRには、原料ゴム自身には導電性がほとんどないためカーボンブラックを含有する必要がある。
【0015】
使用するカーボンブラックとしては、公知のカーボンブラックが使用することができ、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック、SAF級、ISAF級、HAF級、MAF級、FEF級、GPF級、SRF級、FT級、MT級などのゴム用カーボンブラックが挙げられる。中でも十分な導電性を確保するためにケッチェンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの添加量は、ゴム成分を100質量部としたときに8〜20質量部である。この範疇にあるとき導電性の確保と帯電音抑制効果が得られる。即ち、カーボンブラック添加量が8質量部未満では必要とする導電性を確保することが難しい。カーボンブラック添加量が20質量部を超えた場合には帯電音が悪化する。帯電音が悪化する理由は、定かではないが十分な発泡が得られづらく硬度が上昇しやすいことや粘弾性における損失係数(tanδ)の周波数分散が変化しているためだと思われる。
【0016】
また、無機充填剤を20〜100質量部添加する。無機充填剤をこの範疇で添加することにより、ゴム練りや押出し時の加工性が向上する上帯電音抑制効果が得られる。無機充填剤をこの範疇で添加することによる帯電音抑制効果の発生理由は定かではないが、加硫ゴムの比重等が影響していることが考えられる。無機充填剤添加量が20質量部未満では前記効果が少なく、また、100質量部を超えた場合、無機充填剤は一般に絶縁性であるため加硫ゴムの導電性が不十分になりやすい。好ましくは、無機充填剤の添加量は、20〜80質量部である。
【0017】
また軟化剤にパラフィンオイルを5〜30質量部含有する。一般的に、ポリマーにSBRを用いた場合、相溶性の観点から軟化剤にアロマオイル若しくはナフテンオイルを用いることが多いが、アロマオイルやナフテンオイルは、感光体を汚染し易く好ましくない。
【0018】
結合スチレン量が20〜30質量%のSBRを用いることにより、パラフィンオイルを用いても添加量をこの範疇にすることで感光体の汚染を発生させないことが可能になる。即ち、パラフィンオイルの添加量が5質量部未満では、未加硫ゴムコンパウンドの粘度低下効果や加硫ゴムの軟化効果が小さく、30質量部を超えた場合は、加硫ゴムからのパラフィンオイルのブリードが発生し易い。好ましくは、パラフィンオイルの添加量は10〜30質量部である。
【0019】
無機充填剤は、炭酸カルシウムであり、該炭酸カルシウムの含有量は20〜80質量部であることが好ましい。炭酸カルシウムは、充填剤の中では、未加硫ゴムコンパウンドの粘度を比較的上昇させない上、材料価格が安く多量に充填することが容易である。炭酸カルシウムとしては、特に限定されるものではないが、価格が安く添加による未加硫ゴムコンパウンドの粘度上昇が少ない点から重質炭酸カルシウムがより好ましい。
【0020】
さらには、帯電音を抑制するためには、発泡ゴムを用いる必要があり、加硫発泡後のゴム厚を3mmとしたときに、500g荷重時のアスカーCローラ硬度が35以下であり、ゴム組成物の発泡前と発泡後の発泡倍率比は、2〜5であることが好ましい。前記アスカーC硬度が35以下のときに帯電音抑制効果が得られやすい。また、ゴム組成物中に軟化剤を多量に含有させずに、上記アスカーCローラ硬度が35以下とするためには、発泡倍率比を2以上にする必要がある。発泡倍率比が5を超えて大きくすると成形性が極端に悪くなり、均質な発泡成形を得ることも困難になる。好ましくは、発泡倍率比は、2.3〜3.5である。使用する発泡剤としては、公知の発泡剤を使用することができ、例えばアゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、重炭酸ソーダなどが挙げられ、中でも発泡倍率比が高めやすく、安全性が高いという観点からADCA若しくはADCAとOBSHの併用が好ましく用いられる。
【0021】
導電性弾性体層上に少なくとも1層のシームレスチューブが被覆されていることが好ましい。一般に帯電ローラのような導電性ローラでは、導電性弾性体層上に帯電性制御のための抵抗調整や感光体の汚染防止を目的として、導電性塗料の塗工層若しくはエラストマーや樹脂のシームレスチューブを被覆したシームレスチューブ被服層が用いられるが、導電性ローラの外径精度を高める為には導電性弾性体の表面を研磨して外径を調整することが好ましく、このような発泡ゴムでは、研磨後に平滑な表面性を得ることが難しくシームレスチューブを被覆することにより表面性のコントロールが容易になる。
【0022】
被覆用シームレスチューブとしては、押出し成形可能な熱可塑性樹脂であればいずれのものでもよく、具体的には、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12およびその他の共重合ナイロンなどのポリアミド、スチレンエチレンブチル、エチレンブチル、1,2−ポリブタジエンまたはスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンの水添加物(SEBS)等の熱可塑性エラストマーを使用することができ特に制限されるものではない。あるいは、上記の各樹脂や共重合体よりなるエラストマーおよび変性体等のエラストマーと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの飽和ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリルニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ポリウレタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレンアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)およびアクリロニトリル−エチレン/プロピレンゴム−スチレン樹脂(AES)、アクリロニトリル−アリクルゴム−スチレン樹脂(AAS)などのスチレン系樹脂およびアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、等の各樹脂および共重合体からなる材料の組み合わせがよい。さらに、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂から選ばれた2種以上の重合体からなるポリマーアロイまたはポリマーブレンドも使用できる。これらのポリマーに導電材などを適宜配合することにより、所望の特性を有するシームレスチューブ構成が得られる。
【0023】
なお、本発明の導電性弾性体層に使用されるゴム組成物には、従来、公知の加硫剤、加硫促進剤、充填剤、軟化剤、加工助剤、発泡助剤、加硫助剤等の各種配合剤や添加剤が必要に応じて、更に添加、混合せしめられる。
[実施例]
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例により、なんら限定されるものではない。
<被覆シームレスチューブの作製>
被覆用シームレスチューブとして、下記に示す2層のシームレスチューブを作製した。なお、表層とは、導電性ローラの表面層であり、中層とは、導電性弾性体層と表層の間の層である。
【0024】
表層材料として、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合樹脂〔商品名 ダイナロン:日本合成ゴム(株)製〕100質量部に対して、ポリエチレン18質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC:ケッチェンブラックインターナショナル製〕15質量部、酸化マグネシウム10質量部、ステアリン酸カルシウム1質量部を加圧式ニーダーを用いて220℃で10分間溶融混練した後冷却を行い、粉砕機で粉砕し、単軸押し出し機でペレット化した。
【0025】
中層材料として、ポリウレタンエラストマー100質量部、導電性カーボンブラック(商品名 ケッチェンブラックEC:ケッチェンブラックインターナショナル製)17質量部、酸化マグネシウム10質量部、ステアリン酸カルシウム1質量部を加圧式ニーダーを用いて220℃で10分間溶融混練した後冷却を行い、粉砕機で粉砕し、単軸押し出し機でペレット化した。
【0026】
これらのペレットを縦型押し出し機を用いて、一つのクロスヘッドで表層100μm、中層400μmとなるように2重層となるように合流させ、冷却水中に押し出した。このようにして、内径約11.1mmの被覆シームレスチューブを作製した。
<発泡倍率比>
押出した未加硫ゴムの比重と加硫発泡を行った後の比重を測定し、発泡倍率比を求めた。
発泡倍率比=未加硫ゴム比重/加硫発泡後比重
<ローラ硬度>
弾性体層の厚さが3mmとなるまで導電性ローラの弾性体層の表面を研磨し、Vブロックにて支持された状態で水平に保持された各導電性ローラの軸方向中央部分に、スプリング式硬さ試験機〔アスカーC硬度計:高分子計器(株)製〕を用い、500g荷重(試験機を含む全荷重)を垂直にかけて、直ちに目盛りを読み取ることによりローラ硬度を測定した。
<帯電音の測定>
実施例及び比較例の帯電ローラをプロセスカートリッジに装着し、直流電圧(DC)に交流電圧(AC)を併用した重畳電圧を印加帯電方式(印加電圧DC:―600V、AC:1700Hz、2KVpp)で、帯電音の測定を行った。帯電音はJIS C1502のA特性をRION社製INTERGRATING SOUND REVEL METERを使用し、カートリッジからの距離を30cmとして測定した。
【実施例1】
【0027】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、3.4倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmのローラを作製した。このローラの硬度は、29度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は51dbであった。
【実施例2】
【0028】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1507 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、3.2倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを作製した。このローラの硬度は、30度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は51dBであった。
【実施例3】
【0029】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕20質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、2.9倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを作製した。このローラの硬度は、31度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は52dBであった。
【実施例4】
【0030】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕11質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕80質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、3.0倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを作製した。このローラの硬度は、33度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は52dBであった。
【実施例5】
【0031】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、軽質炭酸カルシウム〔商品名 シルバーW:白石工業(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、2.8倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを作製した。このローラの硬度は、33度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は52dBであった。
【実施例6】
【0032】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、ISAF級カーボンブラック〔商品名 ニテロン#300:新日化カーボン(株)製〕5質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、2.7倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを作製した。このローラの硬度は、30度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は53dBであった。
【実施例7】
【0033】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕10質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、3.1倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmのローラを作製した。このローラの硬度は、33度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は52dbであった。
[比較例1]
【0034】
結合スチレン量23.5質量%SBR〔商品名:Nipol1502 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、ISAF級カーボンブラック〔商品名 ニテロン#300:新日化カーボン(株)製〕20質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、2.4倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを得た。このローラの硬度は、38度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は56dBであった。
[比較例2]
【0035】
結合スチレン量46.0質量%SBR〔商品名:Nipol9550 日本ゼオン(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕30質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、3.2倍であった。このようにしてできたチューブの表面を目視により観察するとオイルのブリードが観察されたため以降の評価は中止した。
[比較例3]
【0036】
結合スチレン量18.0質量%SBR〔商品名:TUFUDEN1000 旭化成工業(株)製〕100質量部、酸化亜鉛〔商品名 酸化亜鉛2種:白水化学工業(株)製〕5質量部、ステアリン酸〔商品名 ステアリン酸S:花王(株)製〕1質量部、導電性カーボンブラック〔商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル製〕10質量部、重質炭酸カルシウム〔商品名 スーパーSS:丸尾カルシウム(株)製〕40質量部、パラフィンオイル〔商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)製〕20質量部、加硫促進剤ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)〔商品名 ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)製〕1.5質量部、加硫促進剤テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)〔商品名 ノクセラーTET:大内新興化学工業(株)製〕0.5質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC 鶴見化学工業(株)社製]2質量部、発泡剤ADCA〔商品名 ビニホールLQ:永和化成工業(株)製〕8質量部、尿素系発泡助剤〔商品名 セルトンNP:三協化成(株)製〕2質量部をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を170℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、3.3倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmのローラを作製した。このローラの硬度は、30度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は55dbであった。
[比較例4]
【0037】
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)[商品名 EPT4070:三井化学(株)製]100質量部、酸化亜鉛[商品名 亜鉛華2種:白水テック(株)製]5質量部、ステアリン酸[商品名 ステアリン酸S:花王(株)社製]1質量部、導電性カーボンブラック[商品名 ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル(株)社製]11質量部、パラフィンオイル[商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380:出光興産(株)社製]50質量部、加硫促進剤2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)[商品名 ノクセラーM:大内振興化学工業(株)社製]2質量部、加硫促進剤ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT) [商品名 ノクセラーTRA:大内振興化学工業(株)社製] 1質量部、加硫促進剤ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 (ZDBC)[商品名 ノクセラーBZ:大内振興化学工業(株)社製]1質量部、イオウ[商品名 サルファックスPMC:鶴見化学工業(株)社製]1質量部、発泡剤ADCA[商品名 ビニホールAC#LQ:永和化成工業(株)社製]8質量部、尿素系発泡助剤[商品名 セルトンNP:三協化成(株)社製]3質量部を混錬りし未加硫のゴム組成物を作製した。をオープンロールで混練することで未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物を押出し成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を160℃にて30分行い、さらに電気炉によって二次加硫を200℃にて15分行い、加硫発泡体を得た。発泡倍率比は、2.7倍であった。このようにしてできたチューブを、接着剤を塗布したΦ6mm、長さ270mmの芯金に圧入し、研磨して直径12.0mmの導電性ローラを得た。このローラの硬度は、33度であった。さらに、研磨により直径11.4mmの導電性ローラを作製した。この導電性ローラに前記被覆シームレスチューブを被覆し帯電ローラを作製した。この帯電ローラを用いた時の帯電音は55dBであった。
【0038】
【表1】


【0039】
【表2】

【0040】
各実施例及び各比較例からも明らかなように、本発明の導電性弾性体層は、結合スチレン量20〜30重量%のスチレンブタジエンゴム及びカーボンブラックと発泡剤を含有するゴム組成物からなり、ゴム組成物の発泡前と発泡後の発泡倍率比が2〜5であり、且つ、加硫発泡後のゴム厚を3mmとしたときに、500g荷重時のアスカーCローラ硬度が35以下であるものは、帯電音が抑制されていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の導電性弾性体層を使用することにより帯電音が小さくなり、騒音を発しない画像形成装置への利用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性軸体の外周上に少なくとも1層の導電性弾性体層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性体層に使用されるゴム組成物は、結合スチレン量20〜30質量%のスチレンブタジエンゴムからなる主ゴム成分と、全ゴム成分を100質量部としたときに、カーボンブラック8〜20質量部と無機充填剤20〜100質量部とパラフィンオイル5〜30質量部を含有する発泡性ゴム組成物であることを特徴とする導電性ローラ。
【請求項2】
該無機充填剤が炭酸カルシウムであり、該全ゴム成分を100質量部としたときに、該炭酸カルシウムの含有量が20〜80質量部であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ローラ。
【請求項3】
該導電性弾性体層において、該ゴム組成物の発泡前と発泡後の発泡倍率比が2〜5であり、且つ、発泡後のゴム厚を3mmとしたときに、500g荷重時のアスカーCローラ硬度が35以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ローラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の該導電性弾性体層上に少なくとも1層のシームレスチューブが被覆されていることを特徴とする帯電ローラ。

【公開番号】特開2006−293061(P2006−293061A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114438(P2005−114438)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】