説明

導電性複合繊維の製造方法

【課題】 導電性カーボンブラックや金属粉等の導電性粒子を含有する導電性繊維を、一工程での高速紡糸法を採用して、実用上十分な特性を有する導電性複合繊維を安定して製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性粒子を含有する熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂を導電性成分とし、繊維形成性を有するポリエステル系樹脂を非導電性成分とする両成分からなる導電性複合繊維を製造する方法であって、複合紡糸装置を用いて導電性成分が芯成分、非導電性成分が鞘成分となるように溶融紡糸し、糸条を冷却固化した後、4000〜5000m/分の速度で引き取ることにより、電気抵抗値が1×108Ω/cm以下、沸水収縮率が10%以下である導電性複合繊維を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系導電性繊維の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、制電作業服、ユニホームなどの衣料、カーペット、カーテンなどのインテリア用途及び資材用途として用いられる導電性複合繊維を、紡糸、引き取り後、別工程での延伸を行わない一工程法にて安定的に生産することができる導電性複合繊維の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の疎水性ポリマーからなる繊維は機械特性、耐薬品性、耐候性等の多くの長所を有しており、衣料用のみならず、産業資材用途等にも広く用いられている。しかし、これらの繊維は摩擦等による静電気の発生が著しいため、空気中の塵埃を吸引して美観を低下させたり、人体に電撃を与えて不快感を与えたり、さらには、スパークによる電子機器への障害や、引火性物質への引火爆発等の問題を引き起こす場合があり、そのため、導電性を付与するための多くの研究がなされてきた。
【0003】
まず、導電性カーボンブラックや金属粉等の導電性粒子を熱可塑性ポリマー全体に分散させた繊維が提案されているが、このような繊維は、導電性を満足する程度に導電性粒子を分散させると、曳糸性や強伸度の低下が著しく、実用性に乏しいものであった。
【0004】
この問題を解決するものとして、特許文献1や特許文献2では、導電性成分を非導電性ポリマーで完全に包みこんだ芯鞘型複合繊維あるいは導電性成分が繊維表面に露出したタイプの複合繊維が開示されている。これらの導電性複合繊維は、一旦未延伸糸を得た後、別工程で延伸を行う二工程法で得られるものであった。
【0005】
ポリエステル繊維を製造する方法として、高い生産性、工程省力化、エネルギーコストの削減等の利点を有する方法として、溶融紡糸したポリエステル繊維を5000m/分以上の引取速度で引き取る方法がある。この方法によると、別工程での延伸工程を必要とすることなく、実用上十分な機械的特性を有する繊維が得られる。
【0006】
このような一工程での高速紡糸法を採用すると、糸条に加わる張力が大きくなるため、導電性カーボンブラックや金属粉等の導電性粒子を含有する導電性繊維の場合、特に糸の切断が多発するという操業上の問題があり、高速紡糸法を行うには、紡糸張力を適正にコントロールする必要があり、紡糸条件が非常に制約され、安定な操業を行なうことは困難であった。
【特許文献1】特開平09−143821号公報
【特許文献2】特開平09−279416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決し、導電性カーボンブラックや金属粉等の導電性粒子を含有する導電性繊維を、一工程での高速紡糸法を採用して、実用上十分な特性を有する導電性複合繊維を安定して製造することができる製造方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するために検討した結果、導電性粒子の配列が良好となるような適切なポリマーを選択し、導電性粒子が含有されるポリマーを芯成分とする芯鞘形状を採用し、かつ引取速度を適切な範囲とすることにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、導電性粒子を含有する熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂を導電性成分とし、繊維形成性を有するポリエステル系樹脂を非導電性成分とする両成分からなる導電性複合繊維を製造する方法であって、複合紡糸装置を用いて導電性成分が芯成分、非導電性成分が鞘成分となるように溶融紡糸し、糸条を冷却固化した後、4000〜5000m/分の速度で引き取ることにより、電気抵抗値が1×108Ω/cm以下、沸水収縮率が10%以下である導電性複合繊維を得ることを特徴とする導電性複合繊維の製造方法を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、導電性粒子を含有する導電性繊維を一工程での高速紡糸法を採用して、実用上十分な特性を有する導電性複合繊維を安定して製造することが可能となる。そして、得られた導電性複合繊維は、電気抵抗値が低く導電性能に優れ、また沸水収縮率も低いため、織編物にした際にも品位の高い製品を得ることが可能となり、制電作業服、ユニホームなどの衣料、カーペット、カーテンなどのインテリア用途及び資材用途として好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明の製造方法で得られる導電性複合繊維は、導電性成分と非導電性成分ともにポリエステル系樹脂を用いる。中でも、本発明においては導電性成分にポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)樹脂を用いることが重要である。導電性成分のベースポリマーであるPBT樹脂は、非常に結晶性の高い樹脂であることから、導電性粒子の配列状態を良好にすることができ、導電性粒子の性能を効率よく得ることができるものである。
【0013】
そして、導電性成分には、イソフタル酸とアジピン酸のどちらか一方、もしくは両者を共重合成分として共重合させることが好ましい。これにより、導電性成分と導電性粒子との相溶性(表面濡れ性)を向上させ、導電性粒子の混入量を増加させることができ、優れた導電性能を有するもの(具体的には電気抵抗値の低いもの)とすることができる。さらには、ポリマーの柔軟性が向上し、製造工程において導電性粒子の配列状態を向上させることができ、長さ方向に均一な導電性能を有するものとすることができる。
【0014】
導電性成分を共重合PBTとする場合、イソフタル酸とアジピン酸を併用する場合は、全体の共重合量を5〜55モル%とすることが好ましく、中でも10〜50モル%とすることが好ましい。両者の共重合量が5モル%未満では、導電性粒子との相溶性(表面濡れ性)の向上効果が得られず、導電性粒子の混入量の増加やポリマーの柔軟性が向上することによる導電性粒子の配列の向上効果を奏することができない。一方、55モル%を超えると、ポリマー自体が完全に非晶性になるため、導電性粒子のポリマー中への分散が困難となりやすい。
【0015】
次に、イソフタル酸のみを共重合成分とする場合は、5〜45モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、10〜40モル%である。イソフタル酸の共重合量がこの範囲以外である場合は、上記と同様に、導電性粒子の配列の向上効果が得られなかったり、導電性粒子のポリマー中への分散が困難となるため好ましくない。
【0016】
また、アジピン酸のみを共重合成分とする場合は、5〜55モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、10〜50モル%である。アジピン酸の共重合量がこの範囲以外である場合は、上記と同様に、導電性粒子の配列の向上効果が得られなかったり、導電性粒子のポリマー中への分散が困難となるため好ましくない。
【0017】
導電性成分中には、その他の共重合成分を、PBTの結晶性を損なわない範囲で含有することができ、例えば、フタル酸、1.3−プロパンジオール、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、キシリレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0018】
導電性成分のPBTの固有粘度(IV)は、0.5〜0.8とすることが好ましい。IVが0.5未満であるとポリマーの流動性は上がり、ポリマー中への導電性粒子の分散性は向上するが、その後の造粒性が悪化し、ペレット化することが困難となりやすい。IVが0.8を超えるとポリマーの流動性・結晶性が悪化して、導電性能が劣るものとなりやすく、具体的には電気抵抗値が高くなり、1×10Ω/cmを超えるものとなりやすい。
【0019】
さらに、導電性成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、ワックス類、ポリアルキレンオキシド類、各種界面活性剤、有機電解質等の分散剤や酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、着色剤、顔料、流動性改善剤、その他の添加剤を加えることもできる。
【0020】
一方、非導電性成分を構成する繊維形成性ポリエステル系樹脂は、溶融紡糸可能なあらゆるポリエステルポリマーが適用可能である。中でも、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)、ポリエチレンオキシベンゾエート、PBT等が挙げられる。そして、非導電性成分と導電性成分との剥離を防止するという点から、導電性成分との相溶性を考慮することが好ましい。
【0021】
また、目的に応じてこれらのポリマーの共重合体や変性体としてもよい。また、これらの繊維形成性ポリマーには、艶消剤、顔料、着色料、安定剤、制電剤等の添加剤を加えることもできる。
【0022】
また、導電性成分に用いられる導電性粒子としては、導電性カーボンブラックや金属粉末(銀、ニッケル、銅、鉄、錫あるいはこれらの合金等)、硫化銅、沃化銅、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の金属化合物が挙げられる。また、酸化錫に酸化アンチモンを少量添加したり、酸化亜鉛に酸化アルミニウムを少量添加して導電性粒子としたものも挙げられる。さらには、酸化チタンの表面に酸化錫をコーティングし、酸化アンチモンを混合焼成し、導電性粒子としたものも用いることができる。特に好ましくは、導電性繊維の性能向上として汎用的に使用され、他の金属粒子と比較し、ポリマーの流動性を阻害しにくい導電性カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)である。
【0023】
上記の導電性粒子は、比抵抗値が10Ω・cm以下のものが好ましく、さらには、10Ω・cm以下のものが好ましい。比抵抗値が10Ω・cmを超えるものを用いると、目標とする導電性能を得るために、多量の導電性粒子をポリマー中に分散させることが必要になり、繊維物性に悪影響を及ぼすばかりか、さらには曳糸性に問題を生じる可能性がある。
【0024】
また、導電性粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径が1μm以下のものが好ましく、0.5μm以下のものがより好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、導電性粒子のポリマー中への分散性が悪くなりやすく、導電性能や強伸度特性の低下した繊維となりやすい。
【0025】
導電性成分における導電性粒子の含有量については、導電性粒子の種類、導電性能、粒子径、粒子の連鎖形成能及び用いるポリマーの性質等によって適宜選択すればよいが、導電性成分中の5〜50質量%とすることが好ましく、さらに好ましくは、10〜40質量%である。混入量が5質量%未満では、導電性能が不十分になる場合があり、また、50質量%を超えると、導電性粒子のポリマー中への分散が難しくなるので好ましくない。
【0026】
次に本発明の複合繊維の製造方法について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。1は紡糸口金、2は冷却装置、3はオイリング装置、4は集束ガイド、5、6は引取ローラ、7は捲取機である。
【0027】
本発明においては、複合紡糸装置を用いて導電性成分が芯成分、非導電性成分が鞘成分となるように溶融紡糸し、糸条を冷却固化した後、4000〜5000m/分の速度で引き取るものである。
【0028】
まず、複合紡糸装置を用いて導電性成分が芯成分、非導電性成分が鞘成分となるようにして紡糸口金1の吐出孔から紡出する。紡出された糸条を冷却装置2で冷却風を吹付けて冷却し、オイリング装置3で油剤を付与する。続いて集束ガイド4で糸条を集束した後、引取ローラ5、6により4000〜5000m/分の速度で引き取り、捲取機7で巻取る。
【0029】
本発明においては、導電性成分、非導電性成分として適切なポリマーを選択し、芯鞘構造の繊維となるように複合紡糸を行い、糸条を冷却固化した後、4000〜5000m/分の速度で引き取ることによって、巻き取り後、別工程で延伸を行うことなく、実用上十分な特性を有する導電性複合繊維を安定して製造することができる。
【0030】
そして、得られる導電性複合繊維は、導電性粒子の配列状態も良好となるため、電気抵抗値を1×108Ω/cm以下とすることができる。また導電性成分、非導電性成分ともにポリマーの結晶配向も進むことから、沸水収縮率を10%以下とすることができる。
【0031】
また、上記した製造工程においては、導電性成分が芯成分、非導電性成分が鞘成分となるような複合繊維とするが、芯成分の形状は芯成分の全てが鞘成分により覆われていれば特に限定されるものではない。
【0032】
そして、本発明で得られる複合繊維は、非導電性成分と導電性成分の複合比率として、非導電性成分が繊維全体の質量の60〜90質量%、導電性成分が40〜10質量%とすることが好ましく、より好ましくは、非導電性成分が70〜85質量%、導電性成分が30〜15質量%である。導電性成分が繊維全体の質量の10質量%未満では、導電性能が十分でない場合があり、一方、導電性成分が40質量%を超えると、強伸度特性等の糸質性能が劣ったり、曳糸性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0033】
そして、紡出された糸条の冷却固化を早めることが、紡出糸条の糸切れを抑えるためには効果的であるため、冷却装置2で吹き付ける冷却風の風速を0.4m/秒〜0.6m/秒とすることが好ましい。また、オイリング装置3は、ローラ給油方式もしくは、スリット給油方式のいずれのものでもよい。
【0034】
本発明において、引取ローラ5、6での引取速度を4000〜5000m/分とし、中でも4200〜4800 m/分とすることが好ましい。引取速度が4000m/分未満の場合、ポリマーの配向が十分に進まないことから、得られる繊維の沸水収縮率が10%以上となりやすく、5000m/分以上の場合は、糸切れが増加し、安定して製造することが困難となる。また、導電性粒子の配列状態が乱れ、電気抵抗値も高いものとなりやすい。
【0035】
また、巻き取る際には、捲き乱れを防止するためには、捲取機7の綾角を、6°以下とすることが好ましい。
【0036】
上記のような製造方法にて得られる本発明の導電性複合繊維は、導電性能として、電気抵抗値が1×108Ω/cm以下であり、中でも1×10Ω/cm〜1×10Ω/cmであることが好ましい。複合繊維の電気抵抗値が1×108Ω/cmを超えると導電性能が不十分となり、織編物に混用した場合、一般的な使用環境において織編物の帯電を十分になくすことができなくなる。
【0037】
なお、本発明における電気抵抗値は、AATCC76法に準じて以下のようにして測定するものである。1本の導電性複合繊維を長さ方向にカットして、10サンプルを採取する。このサンプルの両端の表面にケラチンクリームを塗布し、この表面部分を金属端子に接続し、50Vの直流電流を印加して電流値を測定し、下記式で電気抵抗値を算出する。
【0038】
電気抵抗値=E/(I×L)
E:電圧(V) I:測定電流(A) L:測定長(cm)
算出した10個のサンプルの電気抵抗値の相加平均値とする。
【0039】
さらに、本発明の製造方法にて得られる導電性複合繊維は、沸水収縮率が10%以下である。沸水収縮率が10%を超えると、織編物にした際に収縮が大きくなり、得られる織編物の品位が非常に悪いものとなる。
【実施例】
【0040】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の複合繊維の特性値の測定方法及び評価方法は次のとおりである。
〔電気抵抗値〕
前記と同様に測定した。
〔沸水収縮率〕
得られた繊維を検尺機で20回かせ取りを行い、1/33.3(cN/dtex) の荷重下で糸長L0を測定し、次いで無荷重下で沸水中に入れ30分間処理する。その後、風乾し、再度1/33.3(cN/dtex)の荷重下で収縮後の長さL1を測定し、沸水収縮率を次式で算出するものである。
沸水収縮率(%)=〔(L0 −L1)/L0〕×100
〔固有粘度〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、20℃で測定した。
〔操業性〕
1日あたりの糸切れ回数で次のように評価した。
0〜5回/日…○ 6回/日以上…×
【0041】
実施例1
固有粘度0.70のPBT70質量部と、平均粒径0.2μm で比抵抗が0.5Ω・cmの導電性カーボンブラック30質量部を溶融混練し、常法によりチップ化して導電性成分用のポリマーを得た。
また、固有粘度0.61のイソフタル酸8モル%が共重合されたPETを用いて上記と同様に溶融混練し、常法によりチップ化して非導電性成分用のポリマーを得た。
次に、図1に示す概略工程図に従って溶融紡糸、巻取りを行った。まず、単糸の横断面形状が図2に示すような芯鞘形状となるように設計された紡糸口金1を用いて、導電性成分/非導電性成分の質量比率が20/80となるように供給し、紡糸温度260℃で紡糸した。紡出した糸条を0.45m/秒の空気流で冷却し、ローラ方式のオイリング装置3を通過させて油剤を付与した後、集束ガイド4で集束し、引取速度(周速度) 4500m/分の引取ローラ5,6で引き取り、捲取機7で巻取った。
得られた導電性複合繊維は39デシテックス/6フィラメントであった。
【0042】
比較例1
引取ローラ5,6の引取速度を5100m/分とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0043】
比較例2
引取ローラ5,6の引取速度を3900m/分とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0044】
実施例1、比較例1〜2で得られた導電性複合繊維の特性値及び評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
表1から明らかなように、実施例1では、糸切れの発生もなく操業性よく、導電性能、沸水収縮率を満足する複合繊維を得ることができた。 一方、比較例1では、引取速度が5000m/分を超えていたため、糸切れが多発して操業性が悪く、また、導電性粒子の配列状態も乱れたため、得られた導電性複合繊維の電気抵抗値が高いものであった。
また、比較例2では、引取速度が4000m/分未満であったため、導電性成分と非導電性成分の結晶配向が進まず、沸水収縮率が高い繊維となった。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。
【図2】実施例1で得られる導電性複合繊維の単糸の横断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0048】
1 紡糸口金
2 冷却装置
3 オイリング装置
4 集束ガイド
5、6 引取ローラ
7 捲取機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子を含有する熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂を導電性成分とし、繊維形成性を有するポリエステル系樹脂を非導電性成分とする両成分からなる導電性複合繊維を製造する方法であって、複合紡糸装置を用いて導電性成分が芯成分、非導電性成分が鞘成分となるように溶融紡糸し、糸条を冷却固化した後、4000〜5000m/分の速度で引き取ることにより、電気抵抗値が1×108Ω/cm以下、沸水収縮率が10%以下である導電性複合繊維を得ることを特徴とする導電性複合繊維の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−176940(P2006−176940A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373520(P2004−373520)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000228073)日本エステル株式会社 (273)
【Fターム(参考)】