説明

小型映像増倍管およびそのような増倍管が取り付けられる暗視システム

本発明は、映像増倍管およびそのような増倍管が取り付けられる暗視システムに関する。本発明に係る映像増倍管の管本体は、該管本体によって形成される真空チャンバの漏れ止め性を確保するために、入力装置および出力装置に気密に固定される多層セラミック基板を構成する。多層基板は、光電陰極とリンスクリーンとの間に配置されるマイクロチャンネルプレートを維持するとともに、光電陰極、プレート、および、リンスクリーンに対して電圧を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗視システムの分野に関し、特に、暗視システムに取り付けられる映像増倍管に関する。
【背景技術】
【0002】
暗視システムは、暗闇で環境を見ることができるのが不可欠である場合にはいつでも、例えば、軍事、工業、および、家庭といった多くの用途を有する。例えば、暗視ゴーグルまたは双眼鏡は、夜間活動中に、例えばユーザの頭部に装着されて個人的にまたはは職業的に使用される場合がある。
【0003】
暗視システムは、暗闇の環境を観察者に認知させることができる映像増倍装置を使用する。より正確には、映像増倍装置は、環境により発せられる放射線、特に少量の可視光線および赤外光線を収集して、それを増幅し、出力が人間の眼に知覚できる環境の画像となるようにする。映像増倍装置から出力される光信号は、外部モニタ上に表示されるまたは観察者により直接に見られる記録装置によって記録されてもよい。後者の場合、映像増倍装置は、人によりその頭部に装着される夜間ゴーグルまたは双眼鏡において使用され、それにより、出力される光信号が人の眼へと直接に伝送される。この場合、通常の目的は、コンパクトな軽量の暗視システムをもたらすことである。
【0004】
従来、映像増倍装置は映像増倍管を備えており、該映像増倍管は、管の本体を形成するボックス内に装着される3つの不可欠な要素を有する。増倍管の中心線に沿うその2つの端部で閉じられる管本体は内部真空チャンバを画定する。3つの要素は、光電陰極、マイクロチャンネルプレート(GMC)、および、リンスクリーンである。光電陰極は、外部環境から入射光子を受けて、それらの光子を、観察される環境の画像に対応するパターンにしたがって光電子へと変換する。GMCは光電子を増幅し、該光電子は、その後、リンスクリーンによって増強された光信号へと変換される。
【0005】
光電陰極は、入射放射線を受けることができる感光性の半透明層を有するとともに、それが十分なエネルギを有する光子によって励起されるときに光電効果により光電子流を増倍管の内側へ向けて放射する。この場合、光電子流の強度は放射線強度によって決まる。放射される光電子は、その後、それらを方向付けてGMCへ向けて加速させる静電場へと送られる。
【0006】
GMCは、通常は微細プレートの形態を成す高利得電子増倍器であり、前記微細プレートは、光電陰極へ向けられる入力面からリンスクリーンへ向けられる出力面へと微細プレートを貫通する管またはマイクロチャンネルのネットワークを備える。GMCは、これらの2つの面間に電位差を受け、それにより第2の静電場を形成する。入射光電子がマイクロチャンネルに入ってマイクロチャンネルの内壁に衝突すると、二次電子が発生され、また、これらの二次電子も壁と衝突して他の二次電子を発生させる。電子は、第2の静電場により、GMCの出力面に位置するマイクロチャンネルからの出力へ向けて方向付けられて加速される。電子をリンスクリーンへ向けて加速させるため、GMCとリンスクリーンとの間に第3の静電場が設けられる。
【0007】
リンスクリーンは、GMCによって発生する電子がリンスクリーンと衝突するようにGMCの出力面の近傍に配置される。リンスクリーンは、それが十分なエネルギを有する電子を受けるときに蛍光によって光子を放射することができるリン層または任意の他の材料の層を備える。したがって、入射電子が入力画像を再生し、リンスクリーンがこの画像を光信号へと変換する。リンスクリーンは、出力窓に接続され、または、増倍管の外側へ、例えば暗視ゴーグルの表示手段へ光信号を伝送する光ファイバに接続される。
【0008】
光電陰極、GMC、および、リンスクリーンは管本体の内側に配置され、管本体の目的は、3つの要素を機械的に一括して保持すること、管真空チャンバを封止すること、および、前述した異なる電場を発生させるために設けられる異なる電極に対して電圧を供給することである。通常、管本体は絶縁材料から形成される複数のリングから成り、該リングには、異なる電極に対して電圧を供給するために金属リングが蝋付けされる。
【0009】
したがって、図1は、従来技術に係る映像増倍管A01の断面図を示している。断面は、増倍管の軸と呼ばれる軸Aと平行である。直交系(R,Z)が示されており、この場合、Rは増倍管A01の径方向であり、Zは、光子および電子の移動方向とも正確に同じである増倍管A01の軸方向である。方向Zに沿って、増倍管A01は入力窓11を備えており、該入力窓を通じて、増強されるべき画像の光信号が増倍管内に入り、また、入力窓A11の内面上には光電陰極A10が堆積される。この場合、増倍管A01はGMC A20を備え、また、このとき、リンスクリーンA30が出力窓A31の内面上に堆積される。第1に、光電陰極A10とGMC A20とを隔てる距離、および、第2に、GMC A20とリンスクリーンA30とを隔てる距離は、1ミリメートルの1/10程度である。また、光電陰極A10、GMC A20、および、リンスクリーンA30は、電子を方向付けて加速させる電場を形成するために異なる電位に至らされる。
【0010】
増倍管A01の管本体A40は、第1の端部が入力窓A11によって閉じられて封止されるとともに、第1の端部と反対側のその第2の端部が出力窓A31によって閉じられて封止される。増倍管A01内での電子の伝搬を向上させるために、管本体A40内に真空が形成される。
【0011】
また、図1から分かるように、管本体A40は、互いに気密に固定される複数の積層された環状要素を備える。入力窓A11は、管本体A40の一端に位置する第1の導電支持リングA41に気密に支持される。したがって、支持リングA41は、金属であってもよく、または、その上に金属膜が堆積される絶縁材料から形成されてもよい。金属膜は、入力窓A11の内面上に堆積されるとともに、入力窓A11と光電陰極A10との間の界面上に堆積され、それにより、管本体A40の外側から光電陰極が第1の所定の電位に至らされる。
【0012】
ガラスまたはセラミックから形成される第1の環状絶縁スペーサA45が蝋付けによって支持リングA41に固定される。蝋付け工程により、2つの要素A41,A45を固定して封止することができる。リングA41と反対側のスペーサA45の端部には第2の導電リングA50が固定される。この第2の導電リングは、軸Aの方向で径方向に延びる金属支持リングA51と金属接触リングA52とを使用してGMC A20の入力面A21に接続され、それにより、入力面A21が第2の所定の電位に至らされる。第2の導電リングA50を第3の導電支持リングA60から分離するために第2の環状絶縁スペーサA55が設けられる。第3のリングA60は、軸Aの方向で径方向に延びて、GMC A20の出力面と強固に接触し、該出力面を第3の所定の電位に至らせる。
【0013】
この場合、第3の絶縁スペーサA65が第3の導電リングA60とゲッターA70との間に固定される。ゲッターA70は、増倍管A01の真空チャンバ内に真空を形成する。ゲッターA70と反対側の面と、増倍管A01を映像増倍装置構造(図示せず)に対して固定された状態に維持する取り付け手段A80とに対して第4のスペーサA75が固定される。管本体A40の出力端にはカラーA85が配置され、該カラーは、第1に、取り付け手段A80に対して気密に固定され、第2に、出力窓A31に対して気密に固定される。
【0014】
以上のように、従来技術に係る映像増倍管は、互いに固定される多数の積層された金属部分または絶縁部分から成る管本体を有する。管本体の複雑な構造によって直接に引き起こされる多くの問題が生じる。
【0015】
増倍管のその軸Aに沿う長さは、管本体を形成する多数の部品に起因して長くなっており、例えば20mm程度であり、また、その重量は重い。増倍管の長さは、特に金属リング間の任意の絶縁破壊現象を防止するための厚い絶縁スペーサの必要性によって制御される。これは、通常は観察者の頭部に装着される暗視ゴーグルにおいて増倍管を使用できるように小さい軽量増倍管を有する必要性に反している。
【0016】
また、光電陰極、GMC、および、リンスクリーンを隔てる1mmの1/10程度の距離が増倍管の径方向に沿って均一であることが重要である。管本体を形成する様々な部品の長さに影響を及ぼす全ての不確定性に直接に依存する3つの不可欠な増倍管要素間の距離に関して不確定性が存在する。したがって、3つの要素間の距離に関連する不確定性は高く、該不確定性が特に静電場の空間的均一性を乱す可能性があり、それにより、光信号の出力品質が低下する。
【0017】
管本体は、増倍管内全体の真空も維持しなければならない。したがって、管本体の様々な部品が気密に互いに固定される。しかしながら、取り付け領域が多数あることにより局所的な漏れが起こる可能性があり、そのため、増倍管内の真空の質が低下し、その結果、出力信号が劣化する。
【0018】
最後に、組み付けられるべき部品が多数あるため、明らかに、増倍管のための製造手順が特に長くなり、それにより、映像増倍管のコストが高くなる。
【発明の概要】
【0019】
発明の提示
この発明の目的は、前述した不都合を少なくとも部分的に克服することであり、特に、小型映像増倍管およびそのような増倍管が取り付けられる暗視システムを提案することである。
【0020】
これを達成するため、本発明の目的は、外部環境から光子を受けて可視画像を出力するようになっている映像増倍管であって、
− 第1の端部が入射光信号の入力装置により気密に閉じられかつ倍増管の軸方向に沿って第1の端部と反対側にある第2の端部が光信号出力装置によって気密に閉じられる真空チャンバを形成する管本体と、
− 入力装置の内面上に配置され、光子を受けて光電子を発生させる光電陰極と、
− 前記光電子を受け、それに応じて二次電子を出力するための増倍手段と、
− 前記出力装置の内面上に配置されるとともに、前記二次電子を受け、それに応じて可視画像を与えるリンスクリーンと、
を備える映像増倍管である。
【0021】
本発明によれば、前記管本体は、入力装置および出力装置に気密に固定される多層セラミック基板を構成し、該基板上には前記増倍手段が固定され、前記多層セラミック基板は、前記増倍手段を異なる電位に至らせるようになっている。
【0022】
このように、金属リング上に交互に積層される幾つかの絶縁スペーサを管本体が備える従来技術と異なり、本発明に係る管本体は単一の多層セラミック基板を備えるため、管本体における部品の数が可能な限り少なくなる。結果として、増倍管を短くすることができ、それにより、増倍管を従来技術に係る増倍管よりもコンパクトで軽量にすることができる。また、製造プロセスのステップの数が減少され、それにより、製造コストがかなり低減される。更に、管本体での金属リングの使用を回避することにより、故障の危険の全てが排除される。この場合、増倍管に存在する電場がより高い空間的均一性を有するため、出力信号の質が向上する。また、増倍管チャンバの漏れ止め性を確保する取り付け領域が減少され、そのため、漏れの危険が排除されるとともに、従来技術において不可欠なゲッターの使用が排除される。したがって、真空の質が保たれ、出力信号の質も同様に維持される。最後に、前記増倍手段を光電陰極から隔てる距離の許容範囲が、従来技術に係る管本体に存在する異なる部品の厚さの不確定性の和に依存するのではなく、多層セラミック基板の厚さの不確定性のみに依存するという点において、前記許容範囲が改善される。
【0023】
前記増倍手段はマイクロチャンネルプレートであることが好ましい。
【0024】
あるいは、前記増倍手段は、半導体材料から形成される薄いフィルムまたは薄膜である。半導体材料は結晶構造を有することが好ましい。好ましくは、半導体材料は、単結晶または多結晶ダイヤモンド、CaF、MgO、AlN、BN、GaN、InN、SiC、ならびに、Al,B,GaおよびInのうちの2つ以上を含む窒化物合金から成るグループから選択される。薄膜はダイヤモンド膜であることが好ましい。
【0025】
また、映像増倍管は、1つ以上のマイクロチャンネルプレートと、少なくとも1つのダイヤモンド膜とを備えることもできる。
【0026】
前記多層セラミック基板は、光電陰極およびリンスクリーンを異なる電位に至らせるようになっていてもよい。
【0027】
基板は、複数のセラミック層と、2つのセラミック層間に配置される少なくとも1つの内部電気接続部とを備えることが好ましい。
【0028】
少なくとも2つの内部電気接続部がいずれも前記多層セラミック基板の2つの隣り合うセラミック層間に位置することが好ましい。
【0029】
基板は、光電子が前記増倍手段から前記リンスクリーンへと通過できるように増倍管の径方向に沿って延びる中心開口を備えるのが有益である。
【0030】
本発明の1つの実施形態において、基板は、第1の導電取り付け手段によって入力装置の内面に気密に固定される。
【0031】
同様に、基板は、第2の導電取り付け手段によって出力装置の内面に気密に固定されてもよい。
【0032】
第1および第2の導電取り付け手段は、インジウム-スズシール、インジウム-ビスマスシール、または、純インジウムシールであるのが有益である。
【0033】
基板は、第1および第2の導電取り付け手段のそれぞれを所定の電位に至らせる第1および第2の内部電気接続部を備えることが好ましい。
【0034】
本発明の1つの実施形態においては、増倍手段が複数の導電取り付け手段によって基板に固定される。
【0035】
好ましくは、増倍手段が増倍管の軸方向に沿って入力面および出力面を備え、基板が増倍管の軸方向に沿って上面および下面を備え、前記増倍手段の前記出力面が複数の導電取り付け手段によって基板の前記上面に固定される。
【0036】
導電取り付け手段は、増倍管の径方向に沿って開口から一定の距離で互いから規則正しい間隔を隔てて配置されていることが好ましい。
【0037】
各導電取り付け手段が基板の上面上に位置する凹部内に配置され、それにより、前記取り付け手段が基板の少なくとも1つの内部導電接続部と接触されていることが好ましい。
【0038】
前記増倍手段の出力面は、第3の内部電気接続部を介して導電取り付け手段の第1の組を発端とする所定の電位に至らされるのが有益である。
【0039】
前記増倍手段の入力面は、第4の内部電気接続部を介して導電取り付け手段の第2の組を発端とする所定の電位に至らされるのが有益である。
【0040】
前記第3および第4の接続部は、好ましくは、増倍管の軸方向に対して垂直な同じ面内にほぼ位置し、より好ましくは、前記基板の2つの隣り合うセラミック層間に位置する。
【0041】
前記増倍手段は、入力面から出力面へとプレートを貫通するビアを備え、各ビアが第2の組の導電取り付け手段と接触しており、それにより、前記増倍手段の入力面が所定の電位に至らされることが好ましい。
【0042】
第1の組の各取り付け手段が第2の組の取り付け手段と交互に配置されていることが好ましい。プレートに高周波信号がバイアスされると、交互に配置された取り付け手段の分布がプレートの入力面の電位と出力面の電位との間の任意の位相シフト現象を防止する。
【0043】
あるいは、第1の組の取り付け手段が開口の第1の所定の領域に配置され、第2の組の取り付け手段が前記第1の領域とは異なる開口の第2の領域に配置されている。この構成では、取り付け手段の組が基板の中心開口の周囲にわたって馬蹄形状を成す。
【0044】
プレートと基板との間の取り付け手段はインジウムボールであることが好ましい。
【0045】
光電陰極と前記増倍手段との間に空間を形成するとともに、光電陰極と前記増倍手段との間の空間を正確に確定するために、少なくとも1つの離間手段が基板の上面および入力装置の内面と接触した状態で配置されることが有益である。
【0046】
あるいは、光電陰極と前記増倍手段との間を一定の間隔に維持するために、基板は、基板の上面に配置されて光電陰極の出力面と接触する少なくとも1つの離間手段を備える。
【0047】
また、本発明は、前記特徴のうちの1つにしたがって規定される映像増倍管を備える暗視システムにも関連する。
【0048】
本発明の他の利点および特徴は、以下に与えられる限定的でない詳細な説明を読むことにより更に明確となる。
【0049】
ここで、添付図面を参照して、本発明の実施形態を非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来技術に係る映像増倍管の断面図である。
【図2】本発明に係る映像増倍管を概略的に示す垂直面に沿う断面図である。
【図3】本発明に係る増倍管に設けられる多層セラミック基板の斜視図である。
【図4】マイクロチャンネルプレートの一部の断面図であり、特に、ソリッドエッジに配置されるビアを示している。
【発明を実施するための形態】
【0051】
好ましい実施形態の詳細な提示
図2は、本発明の好ましい実施形態に係る映像増倍管1を示している。増倍管1は軸Aに沿う略円筒形状または管形状を有する。しかしながら、増倍管1は、正方形、長方形、六角形、または、任意の他の形状の断面を有してもよい。座標系(R,Z)が示されており、この場合、Rは増倍管の径方向であり、ZはA軸と平行な増倍管の軸方向である。Z方向は、増倍管1の内側での光子および電子の伝搬方向と同じであると見なすこともできる。
【0052】
増倍管1は、Z方向に沿って配置される3つの必要不可欠な要素、すなわち、入力装置10、マイクロチャンネルプレート(GMC)20、および、出力装置30を備える。また、増倍管1は管本体40も備えており、その機能は、前述した3つの要素10,20,30を機械的に保持して、要素10,30と協働して封止チャンバ2を形成するとともに、後述する異なる電極に対して電圧を供給することである。3つの要素10,20,30は、増倍管の軸Aに沿ってほぼ一直線を成している。
【0053】
入力装置10は入力窓11を備えており、増倍管1の外側の環境によって放射される増強されるべき光子が入力窓に入って増倍管1に到達する。例えばガラスから成る透明な入力窓11が光ファイバに取って代えられてもよい。入力窓11は内面12を備えており、該内面上に光電陰極15の光電子放射層が堆積される。光電陰極は、入力窓11の内面12と接触する入力面15Eと、方向Zに沿って入力面15Eと反対側の出力面15Sとを備える。入射光子が光電子放射層の入力面15Eに衝突すると、光電効果によって光電子放射層の出力面15Sにより光電子がGMC20の方向に沿って放射される。
【0054】
GMC20は、所定の距離を隔てて光電陰極と対向して配置されるとともに、管本体40によって支持される。GMC20は、光電陰極15の出力面15Sと平行に対向して配置される入力面20Eと、方向Zに沿って入力面20Eと反対側の出力面20Sとを備える。また、GMC20は、有効領域と呼ばれる第1の中心部分21、および、ソリッドエッジと呼ばれる第2の外周部分22も備えており、これらの2つの部分21,22は増倍管の方向Rに沿って延びている。有効領域21は、入力面20Eから出力面20SへとGMC20を貫通する複数のマイクロチャンネル23を備える。ソリッドエッジ22は、GMC20の外周に配置されて有効領域21を取り囲む。有効エッジ22は、GMC20を管本体40に固定するとともに、入力面20Eを所定の電位に至らせかつ面20Sを所定の電位に至らせてGMCにバイアスをかけるようになっている。入射光電子がマイクロチャンネル23に入ってマイクロチャンネル23の内壁24に衝突すると、二次電子が発生され、これらの二次電子も壁24と衝突して他の二次電子を発生する。電子は、静電場により、GMC20の出力面20Sに位置するマイクロチャンネル23の出力部へと方向付けられて加速される。その後、電子は、静電場により、リンスクリーン31へと方向付けられて加速される。
【0055】
出力装置30は、出力窓32の内面32I上に堆積されるリンスクリーン31を備える。例えばガラスから成る出力窓32は、増強された光信号を増倍管1の外側に光学的に伝送する。出力窓32が光ファイバに取って代えられてもよい。リンスクリーン31は、GMC20の出力面20Sと平行にこの面20Sと対向して配置され、それにより、GMC20によって発生する二次電子が出力面に衝突する。リンスクリーン31は、それが十分なエネルギを有する電子を受けるときに光子を放射することができるリンまたは任意の他の材料から成る層を備える。したがって、入射画像のパターンは、リンスクリーン31によって、励起されたリンにより放射される光子によって再生される。光子は、出力窓32または光ファイバを通じて増倍管1の外側へ伝送される。
【0056】
本発明の好ましい実施形態によれば、管本体40は、多層セラミックから成る基板40を構成する。多層セラミック基板40は複数の薄いセラミック層を備え、これらのセラミック層間にメタライゼーションがスクリーン印刷によって堆積されてもよい。基板は、モノリシック構造であり、共焼結によってまたは当業者に知られる他の技術によって得ることができる。基板40は少なくとも1つの内部電気接続部を備える。基板は4つの内部電気接続部を備えることが好ましい。各接続部は、異なるセラミック層間または同じセラミック層間に位置してもよい。接続部は、基板40の厚さを減少させるために同じセラミック層間に位置するのが好ましい。異なる層を共焼結した後、このようにして形成される内部電気接続部は、基板40の必要とされる領域に電圧を供給できる。異なる電気接続部は、各電気接続部を所定の電位に至らせる増倍管1への外部電力供給源(図示せず)に対して接続される。
【0057】
好ましくは、内部電気接続部はバンド形状またはライン形状であり、また、そのパターンは方向Zに対して垂直な面内にほぼ位置する。内部電気接続部のうちの一部は、以下で更に説明されるようにボール44に接続される。
【0058】
基板40は、管部1の形状に適合する略円形状を有するとともに、方向Rに沿って延びている。基板40は入力装置10と出力装置30との間に配置される。基板40の中心には開口41が設けられ、該開口は増倍管の軸Aにほぼ沿って位置合わせされ、それにより、電子がGMC20からリンスクリーン31へと通過できる。したがって、開口41の表面は、GMC20の有効領域21の表面にほぼ対応する。基板40は、開口41の周囲にわたって配置される内側部分42Iと、基板40の外周に近接して配置される外側部分42Eとを備える。また、光電陰極15の方へ向けられる表面が上面43Sと呼ばれ、リンスクリーン31の方へ向けられる表面が下面43Iと呼ばれる。なお、上面43Sは、必ずしも軸Aに対して垂直な面内に含まれている必要はなく、該面からオフセットしていてもよい。いかなる場合でも、上面43Sは、光電陰極の外面15Sに対して略平行である。
【0059】
GMS20は基板40上に支持され、より正確には、GMC20のソリッドエッジ22の出力面20Sが基板40の内側部分42Iの上面43Sに固定される。取り付けは複数のインジウムボール44によって行なわれてもよく、各インジウムボールは内側部分42Iの上面43Sに形成される凹部45内に堆積され、凹部45は開口41の周囲で互いから均等な間隔を成している。
【0060】
図2および図3を参照すると、基板40の外側部分42Eの上面43Sには該上面43Sの外周にわたってインジウム-スズシール50が連続的に堆積されており、該インジウム-スズシール50は入力窓11の内面12と接触し、それにより、多層基板40を入力装置10に固定する。面43S,12に対するシール50の漏れ止め取り付けが蝋付けによって行なわれてもよい。シール50は、インジウム-ビスマスまたは純インジウムから形成されてもよい。シールが純インジウムである場合には、基板40と入力装置10との間の取り付けが当業者に知られる冷間型締め技術(cold closing technique)を使用して行なわれる。
【0061】
同様に、基板40をリンスクリーン装置30に固定するため、基板40の外側部分42Eの下面43I上には該下面43Iの外周に沿ってインジウム-スズシール51が連続的に堆積されており、該インジウム-スズシール51は出力窓32の内面32Iと接触する。面43I,32Iに対するシール51の漏れ止め取り付けが蝋付けによって行なわれてもよい。シール51は、インジウム-ビスマスまたは純インジウムから形成されてもよい。シールが純インジウムである場合には、基板40と出力装置30との間の取り付けが当業者に知られる冷間型締め技術を使用して行なわれる。
【0062】
このように、2つのシール50,51は、基板40を装置10,30に対して取り付けるだけでなく、真空チャンバ2も封止する。本発明によれば、単一部品40が、シール50,51と協働して、入力装置10、GMC20、および、出力装置30を一括して機械的に保持するだけでなく、真空チャンバ2も封止する。その結果、管本体40の部品の数が最小限に抑えられる。
【0063】
電子の移動を方向付けて加速させるために、異なる静電場が増倍管1内に形成される。つまり、第1の静電場E1が光電陰極とGMC20の入力面20Eとの間に形成される。第2の静電場E2がGMC20の入力面20Eと出力面20Sとの間に形成される。最後に、第3の静電場E3が出力面20Sとリンスクリーン31との間に形成される。電場E1,E2,E3が印加され、それにより、異なる電極が異なる電位に至らされる。
【0064】
したがって、第1の電極13が入力窓11の内面12と光電陰極15の光電子放射層との間に配置される。電極13は、当業者に知られる技術を使用して蒸着によって金属膜を堆積させることにより形成されてもよい。電極13は、部分42Eの面43S上に堆積される金属接続部によって電力源に接続されるインジウム-スズシール50自体を介して、電力源(図示せず)に対して接続される。
【0065】
同様に、リンスクリーン31をインジウム-スズシール51に接続するために出力窓32の内面32I上に電極33が設けられる。シール51は、部分42Eの面43I上に堆積される金属接続部によって電力源に対して接続される。
【0066】
あるいは、基板40上に堆積されない手段によって前記電極13,33を電源に接続することができる。例えば、配線が前記電極13,33を前記電源に対して直接に接続してもよい。
【0067】
3つの静電場E1,E2,E3を形成するため、GMC20の入力面20Eおよび出力面20Sは異なる電位に至らされる。これは、第1の電極26EをメタライゼーションによってGMC20の入力面20Eの有効領域21上に堆積させることにより行なわれ、また、第2の電極26Sが出力面20Sの有効領域21上に堆積される。したがって、電極13,26Eが協働して静電場E1を形成し、電極26E,26Sが協働して静電場E2を形成し、また、電極26S,33が協働して静電場E3を形成する。
【0068】
図2,3に関連する本発明の1つの実施形態によれば、インジウムボール44によって電圧が電極26E,26Sに印加される。各ボール44における凹部45は、ボール44を電力源に接続される内部電気接続部と接触させるために使用される。ボールの第1の組44Aが第1の内部電気接続部に接続され、ボールの第2の組44Bが、第1の接続部と異なる電位を有する第2の内部電気接続部に接続される。1つの組の各ボールが他の組のボール44に隣接することが好ましい。すなわち、2つに1つのボール44が第1の電位に至らされ、それにより、第1の組44Aが形成され、一方、他のボール44が第2の電位に至らされ、それにより、第2の組44Bが形成される。ボールの第1の組44Aが出力面20Sの電極26Sに接続される。
【0069】
前記第1および第2の内部電気接続部は、方向Zに対して垂直な同じ面内に、より具体的には、前記多層セラミック基板40の2つの隣り合うセラミック層間に位置されるのが好ましい。
【0070】
図4に示されるように、電極26Eを必要とされる電位に至らせるため、第2の組44Bのボールが、面20Sから面20EへとGMS20を貫通する貫通穴またはビア25と接触する。各ビア25は、第2の組44Bの各ボール44と対向して位置されて、対応するボール44と接触する。このとき、各ビア25は、GMC20の面20Eの電極26Eに接続される。ビア55は、Z方向に沿ってGMCを貫通する穴である。ビア25の内壁27は蒸着によって堆積される金属膜により覆われており、それにより、組44Bのボール44と電極26Eとの間の電気的接続が成される。ビア25の直径dがGMC20の厚さeにほぼ等しくまたは厚さeよりも大きく、それにより膜が壁27の高さ全体を覆えば、有益である。このようにして、金属が蒸着されるときに、ビア25の内壁27が金属膜によって均一に覆われる。したがって、電極26Eは、基板40に設けられる内部電気接続部を介して電力源に接続される第2の組44Bのボールによって所定の電位に至らされる。
【0071】
他の実施形態(図示せず)では、更なる増幅利得を与えるために、MCPを、直列を成す2つ以上のMCPに取って代えることができる。そのような場合、多層セラミック基板はMCPを保持するようになっている。例えば、前記基板の部分42Iの垂直壁が凹部を成すことができ、該凹部上に更なるボール44がMCPを接続するように設けられる。また、1つのMCPを、上面43Sに対する固定と同じ方法で、基板40の下面43Iに固定することができる。
【0072】
他の実施形態(図示せず)では、参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6657385号に開示されるように、MCPを半導体材料から形成される薄フィルムまたは薄膜に取って代えることができる。
【0073】
好ましくは、半導体材料は、結晶構造を有するとともに、単結晶または多結晶ダイヤモンド、CaF、MgO、AlN、BN、GaN、InN、SiC、および、Al,B,GaおよびInのうちの2つ以上を含む窒化物合金から成るグループから選択できる。
【0074】
薄膜はダイヤモンド膜であることが好ましい。
【0075】
他の実施形態(図示せず)において、映像増倍管は、少なくとも1つのMCPと、少なくとも1つのダイヤモンド膜とを備える。MCPおよびダイヤモンド膜は多層セラミック基板上に固定される。そのような場合には、基板がこれらの要素を保持するようになっている。
【0076】
基板は、これらの要素を異なる電位に至らせるために内部電気接続部を備える。
【0077】
ここで、映像増倍管1の作用について説明する。増倍管1の外側の環境からきてこの環境の画像を表わす入射光子は、入力窓11を通じて増倍管1内に入り、光電効果によって光電子を解放する光電陰極15に衝突する。光電子は、増強されるべき画像の複製であるパターンにしたがって放射される。光電子は、電場E1の作用下でGMC20の方向に加速される。光電子がGMC20のマイクロチャンネル23を通過するにつれて、光電子は、マイクロチャンネル23の内壁24に衝突して、二次電子放出効果によって多数の二次電子の放射を引き起こす。各二次電子は、順にマイクロチャンネルの壁24と衝突して、二次電子の放射も引き起こす。二次電子は、電場E2の作用下でマイクロチャンネルの出力部へ向けて加速される。光電子が最初に入力される各マイクロチャンネル23から二次電子のシャワーが出る。その後、二次電子は、電場E3の作用下でリンスクリーン31へと方向付けられて加速される。各電子がリンスクリーン31の蛍光材料と相互に作用し、その発光により光子が放射される。光子の数は電子のエネルギに依存する。放射された光子は、初期画像の増強された複製である画像を形成する。その後、光子は、暗視システム(図示せず)に設けられる表示手段ヘと向けて出力装置30を通じて増倍管1の外部へ伝送される。
【0078】
前述したように、増倍管1の真空チャンバ2内に真空が形成される。真空は、光電陰極15からGMC20への移動およびその後のリンスクリーン31への移動のために必要である。
【0079】
従来技術とは異なり、ここではゲッターを使用する必要がない。これは、管本体40を形成する部品の少ない数に起因して漏れの危険が最小限に抑えられるからである。ゲッターは、通常、真空を維持して任意の漏れを補償するために設けられる。当業者に知られるゲッターの原理は、幾つかのソリッドの容量を使用して特に吸着または吸収により気体分子を収集することから成る。映像増倍管におけるゲッターの存在は、従来技術に係る増倍管に関して前述した場合と同様に、管本体を形成する積層部分の数が多いときに特に重要である。本発明の好ましい実施形態において、管本体40は、本質的に、入力装置10および出力装置30に対して気密に固定される多層基板40を構成する。したがって、管本体40を形成する部品の数が最小限に抑えられ、それに対応して、漏れの危険が減少される。更に、ゲッターの使用は、増倍管内を真空に維持するためにもはや不可欠ではない。本発明に係る増倍管1が形成される場合、増倍管1は、当業者に知られる技術を使用して真空下で直接に閉じられる。
【0080】
本発明の1つの実施形態では、光電陰極15の出力面15Sと多層基板40の上面43Sとの間に少なくとも1つの離間手段60が設けられ、それにより、出力面15Sとプレート20の入力面20Eとを隔てる距離が維持されてもよい。離間手段は、シール50とGMC20との間に配置され、セラミックシムまたは任意の他の絶縁材料であってもよい。
【0081】
本発明の他の実施形態によれば、光電陰極15をGMC20から隔てる距離は、基板40の面43S上に位置して光電陰極15の出力面15Sと接触するようにZ方向に沿って延びる基板40の離間部品60によって維持されてもよい。離間部品60は、開口41を連続的に取り囲む円形段部の形態を成していてもよく、または、開口41の周囲に均等に分布する複数のシムの形態を成していてもよい。離間部品60の高さは、本発明が製造されるときに高さ補正ステップによって制御され、または修正されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部環境から光子を受けて可視画像を出力するための映像増倍管(1)であって、
− 第1の端部が入射光信号の入力装置(10)により気密に閉じられかつ倍増管の軸方向(Z)に沿って第1の端部と反対側にある第2の端部が光信号出力装置(30)によって気密に閉じられている真空チャンバ(2)を形成する管本体(40)と、
− 入力装置(10)の内面(12)上に配置され、光子を受けて光電子を発生させる光電陰極(15)と、
− 前記光電子を受け、それに応じて二次電子を出力するための増倍手段(20)と、
− 前記出力装置(32)の内面(32I)上に配置されるとともに、前記二次電子を受け、それに応じて可視画像を与えるリンスクリーン(31)と、
を備える映像増倍管(1)であって、
前記管本体(40)は、入力装置(10)および出力装置(30)に気密に固定される多層セラミック基板(40)を含み、該基板上には前記増倍手段(20)が固定され、前記多層セラミック基板は、前記増倍手段(20)を異なる電位に至らせるようになっていることを特徴とする映像増倍管(1)。
【請求項2】
前記増倍手段がマイクロチャンネルプレート(20)であることを特徴とする請求項1に記載の映像増倍管(1)。
【請求項3】
前記増倍手段がダイヤモンド膜(20)であることを特徴とする請求項1に記載の映像増倍管(1)。
【請求項4】
前記多層セラミック基板(40)は、光電陰極(15)およびリンスクリーン(31)を異なる電位に至らせるようにもなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項5】
前記基板(40)は、複数のセラミック層と、2つのセラミック層間に配置される少なくとも1つの内部電気接続部とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項6】
少なくとも2つの内部電気接続部がいずれも前記多層セラミック基板(40)の2つの隣り合うセラミック層間に位置することを特徴とする請求項5に記載の映像増倍管(1)。
【請求項7】
前記基板(40)は、第1の導電取り付け手段(50)によって入力装置(10)の内面(12)に気密に固定されているとともに、第2の導電取り付け手段(51)によって出力装置(30)の内面(32I)に気密に固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項8】
前記第1および第2の導電取り付け手段(50,51)は、インジウム-スズ、インジウム-ビスマス、または、純インジウムから成るシールであることを特徴とする請求項7に記載の映像増倍管(1)。
【請求項9】
前記基板(40)は、第1および第2の導電取り付け手段(50,51)のそれぞれを所定の電位に至らせるための第1および第2の内部電気接続部を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の映像増倍管(1)。
【請求項10】
前記増倍手段(20)が複数の導電取り付け手段(44)によって基板(40)に固定されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項11】
前記増倍手段(20)が増倍管の軸方向(Z)に沿って入力面(20E)および出力面(20S)を備え、基板(40)が増倍管の軸方向(Z)に沿って上面(43S)および下面(43I)を備え、前記増倍手段(20)の前記出力面(20S)が複数の導電取り付け手段(44)によって基板(40)の前記上面(43S)に固定されていることを特徴とする請求項10に記載の映像増倍管(1)。
【請求項12】
導電取り付け手段(44)は、増倍管(1)の径方向(R)に沿って開口(41)から一定の距離で互いから規則正しい間隔を隔てて配置されていることを特徴とする請求項10または11に記載の映像増倍管(1)。
【請求項13】
各導電取り付け手段(44)が基板(40)の上面(43S)上に位置する凹部(45)内に配置され、それにより、前記取り付け手段(44)が基板(40)の少なくとも1つの内部導電接続部と接触されていることを特徴とする請求項11または12に記載の映像増倍管(1)。
【請求項14】
前記増倍手段(20)の出力面(20S)は、第3の内部電気接続部を介して導電取り付け手段(44)の第1の組(44A)を発端とする所定の電位に至らされ、前記増倍手段(20)の入力面(20E)は、第4の内部電気接続部を介して導電取り付け手段(44)の第2の組(44B)を発端とする所定の電位に至らされることを特徴とする請求項13に記載の映像増倍管(1)。
【請求項15】
前記第3および第4の接続部は、増倍管の軸方向(Z)に対して垂直な同じ面内にほぼ位置することを特徴とする請求項14に記載の映像増倍管(1)。
【請求項16】
前記増倍手段(20)は、入力面(20E)から出力面(20S)へとプレート(20)を貫通するビアを備え、各ビアが第2の組(44B)の導電取り付け手段(44)と接触しており、それにより、前記増倍手段(20)の入力面(20E)が所定の電位に至らされることを特徴とする請求項14に記載の映像増倍管(1)。
【請求項17】
第1の組(44A)の各取り付け手段(44)が第2の組(44B)の取り付け手段(44)と交互に配置されていることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項18】
第1の組(44A)の取り付け手段(44)が開口(41)の第1の所定の領域に配置され、第2の組(44B)の取り付け手段(44)が前記第1の領域とは異なる開口(41)の第2の領域に配置されていることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項19】
取り付け手段(44)がインジウムボールであることを特徴とする請求項11から18のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項20】
光電陰極(15)と前記増倍手段(20)との間を一定の間隔に維持するために、少なくとも1つの離間手段(60)が、基板(40)の上面(43S)および光電陰極(15)の出力面(15S)と接触した状態で配置されていることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項21】
光電陰極(15)と前記増倍手段(20)との間を一定の間隔に維持するために、基板(40)は、基板(40)の上面(43S)に配置されて光電陰極(15)の出力面(15S)と接触する少なくとも1つの離間手段(60)を備えることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の映像増倍管(1)。
【請求項22】
請求項1から21のいずれかに記載の映像増倍管(1)を備える暗視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−507175(P2011−507175A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537465(P2010−537465)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067453
【国際公開番号】WO2009/074682
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510165507)フォトニス フランス (1)
【Fターム(参考)】