説明

少なくとも1つのテスト用香りを分注する方法

複数のインタラクティブ型香り調合端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーを備えるシステム内で少なくとも1つのテスト用香りを分注する方法が提供され、それぞれのインタラクティブ型端末は、さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香りを作るために使用される複数のにおい物質と、端末から複数のにおい物質のうちの選択された1つのにおい物質を分注するためのディスペンサー手段と、端末がサーバーと通信することを可能にするネットワークインターフェイスと、ユーザーインターフェイスとを備え、この方法において、サーバーは、テスト用香りを分注する時期の自由な選択を端末のユーザーに任せつつ、端末がテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを少なくとも1つの端末に自動的に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭気組成物、特にフレグランスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、欧州特許第0 993 625号および米国特許第6 556 272号、およびドイツ特許出願第100 18 914号から、ユーザーに対して再生されているマルチメディアコンテンツに関して選択された香りをユーザーの環境内に分注する方法が知られている。
【0003】
フランス特許出願第2 841 081号では、においに関係するデータをマルチメディアコンテンツのメディア上に符号化し、マルチメディアコンテンツが再生されている間ににおいが拡散するようにすることが開示されている。
【0004】
米国特許出願第2004/0204043号では、携帯電話のユーザーがにおいを記述したメッセージを他の携帯電話に送信し、メッセージを受信すると携帯電話からにおいを拡散させることができることを教示している。米国特許出願第2004/0204043号はまた、端末のユーザーがインターネットサイトから調合をダウンロードしてその調合を使用できるようにすることを教示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0 993 625号明細書
【特許文献2】米国特許第6 556 272号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願第100 18 914号明細書
【特許文献4】フランス特許出願第2 841 081号明細書
【特許文献5】米国特許出願第2004/0204043号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザーの観点から、テスト用香りを調製することを可能にし、香りを作り上げることを可能にする調合の受信を簡素化する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な実施形態は、複数のインタラクティブ型香り調合端末(scent-formulation terminals)とデータをやり取りするように構成されているサーバーを備えるシステム内で少なくとも1つのテスト用香りを分注する方法を提供し、それぞれのインタラクティブ型端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香りを作るために使用される複数のにおい物質と、
端末から複数のにおい物質のうちの選択された1つのにおい物質を分注するためのディスペンサー手段と、
端末がサーバーと通信することを可能にするネットワークインターフェイスと、
ユーザーインターフェイスとを備え、
この方法において、サーバーは、テスト用香りを分注する時期の自由な選択を端末のユーザーに任せつつ、端末がテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを少なくとも1つの端末に自動的に送信する。
【0008】
本発明は、端末のユーザーを調合の選択および/または拡散させる香りの量の調節に制約することなく香りを端末のユーザーに分注することを提案することを可能にする。例えば、本発明は、香りの調合を端末に自動的に送信し、香りをプロモートする(promoting scents)ための技術を簡素化し、改善することを可能にする。
【0009】
本発明は、端末のユーザーが、任意の場所で、テスト用香りを分注することを可能にする調合を受信し、対応する香りを分注することを可能にする働きをしうる。
【0010】
例えば、サーバーは、自動的に、同じ調合を記述したデータを複数の端末に送信する。
【0011】
サーバーによって自動的に送信されたデータは、端末によって以前には再現されていない調合を記述していてもよい。
【0012】
本発明によれば、サーバーによって端末に伝送される調合は、端末のユーザーの命令があってから再現されるのであって、端末によって受信された後自動的に再現されるのではない。
【0013】
「調合を再現する」という言い回しは、拡散させるか、またはパッケージすることを可能にするために、調合に対応する香りを分注することを意味するために使用される。
【0014】
調合は、調合を端末に返すことの要求を送信する端末とは無関係に、例えば、第1の端末のユーザーによって調製された調合に基づいてサーバーによって最適化された調合の返送の要求とは無関係に、または端末において利用可能な、またはそれに関連付けられうるにおい物質のリストに基づいてサーバーによって決定されるような調合の返送の要求とは無関係に、サーバーによって端末に送信されうる。
【0015】
例えば、送信される調合は、すでに売りに出されているか、または売りに出されようとしている香りに対応していてもよい。
【0016】
一変更形態において、送信される調合は、売りに出されているか、または売りに出されようとしている香りの簡素化された調合であり、その香りとよく一致する全体的印象をユーザーに与えることを目的とする調合である。「香りの簡素化された調合」という言い回しは、前記香りに比べてニュアンスを減らした、例えば、簡素化された調合を定義するために使用されるにおい物質の数を少なくした調合を意味するために使用される。
【0017】
例えば、簡素化された調合を使用することで、前記香りの調合を再現するためににおい物質を使いすぎないようにし、それにより、ユーザーがあまりにも多くのはっきりと区別できるにおい物質を端末に付随させる必要をなくし、しかも比較的よく一致する前記香りをそのまま知覚させることが可能になる。
【0018】
端末のユーザーは、ユーザーインターフェイスの助けを借りて分注する1つまたは複数の物質を選択することができる。
【0019】
例えば、サーバーによって送信されたデータに記述されているような、テスト用香りの送信された調合は、データの送信先の端末のユーザーに関連付けられているユーザー選好に応じて決定され、これにより、香りが端末のユーザーの要望により近い形で応えることが可能になる。
【0020】
ユーザー選好は、適切な場合に、1つまたは複数の格納されている調合を含みうる。
【0021】
例えば、テスト用香りの調合を記述したデータが端末に送信されるかどうかは、端末のユーザーに関連付けられている定義済みの条件、特に、端末の位置、端末の使用、コンピュータ化された支払い手段の使用、またはユーザーの端末における、またはそれに関連付けることができるにおい物質の利用可能性に関係する条件をサーバーが検出することを条件として実行されるものとしてよい。
【0022】
端末のユーザーに関係する条件は、例えば、端末に付随するメモリに格納することができ、その際に、この条件は例えばユーザーが以前に香りを購入したことに関係する少なくともいくつかの情報によって決まる。
【0023】
端末のユーザーに関係する条件は、例えば、ユーザーの年齢、性別、嗜好、または購買習慣に関係するものとしてよく、また祝日、記念日、毎年の記念日、または誕生日などのいくつかの特定の日付、または実際には、例えば、家族、社会、もしくは職業に関わる状況におけるユーザーの家族および知人に関係するものとしてもよい。
【0024】
香りの調合は、所定の周期で、ユーザーによって表現された選好に適合するように送信されうる。
【0025】
端末は、例えば全地球測位システム(GPS)タイプの、または携帯電話技術に付随する、測位システムを備えることができ、端末の位置に関係する条件は、端末が、例えば、香りの専門店に近いときに真となるものとしてよい。
【0026】
他の変更形態では、上記の定義済み条件は、ユーザーが端末のユーザーインターフェイスを操作すること、例えば、調合を返す要求をサーバーに送信する動作を端末に行わせる操作をすることに関係しており、これにより、香りをテストする端末のユーザー側での急な要望に対処することが可能になる。
【0027】
一変更形態において、ユーザーがユーザーインターフェイスを操作することで、適切な場合に1つまたは複数の他の定義済み条件が満たされているとして、テスト用香りの1つまたは複数の調合をその後受信できるように端末をプログラムする。例えば、端末のプログラミングは、適切であれば指定された期間に、または調合に関係する基準に応じて、例えば嗅覚記述子に応じて、調合のその後の受け入れの要求をサーバーに送信するためのものであるとしてよい。
【0028】
端末の使用に関係する条件は、例えば、ユーザーが端末を利用する際の頻度、端末によって最近分注された香り、端末において利用可能なにおい物質の購入日、または実際には、前記物質が端末内に入れられた日付のうちから選択された少なくとも1つの条件とすることができる。
【0029】
定義済み条件が、端末において利用可能なにおい物質に関係する場合、サーバーは、テスト用香りを分注するために必要である、調合にリストされている端末では利用可能でない物質を端末に知らせることができる。
【0030】
例えば、サーバーは、定義済み条件が満たされているかどうかを判定するためにテスト用香りの調合を記述したデータを端末に送信する前に端末に付随するメモリに対して問い合わせを行うことができる。
【0031】
「端末に付随するメモリ」という言い回しは、端末内に組み込むことができるメモリ、または端末の外部に配置することができ、端末からアクセス可能であるか、またはサーバーによってアクセス可能であるメモリを意味するために使用される。
【0032】
一変更形態において、端末は、1つまたは複数の定義済み条件が満たされていることを示すデータを含む要求をサーバーに送信する。
【0033】
端末のユーザーは、サーバーによって送信されたデータに記述されている調合のテスト用香りに関連付けられている製品をオーダーすることができる。例えば、製品は、テスト用香りに関連付けられているパッケージされた製品であるものとしてよい。「テスト用香りに関連付けられているパッケージされた製品」という言い回しは、香りを収容した瓶または他のパッケージング、香水入り石鹸、シャワー用ジェル、または実際にはシャンプーなどのボディーケア製品も指す。このようなパッケージされた製品は、粉石鹸であってもよい。
【0034】
一変更形態において、香りに関連付けられている製品は、衣類、用紙、または実際には封筒などの固体物品である。
【0035】
サーバーによって送信されるようなテスト用香りの調合を記述したデータは、端末に付随するメモリに格納されている調合を参照するものとしてよい。
【0036】
格納されている調合は、隠されている場合もあり、端末のユーザーによる前記調合へのアクセスはサーバーによって送られる許可を受けた後でないと可能でない。
【0037】
サーバーは、端末のユーザーがテスト用香りの分注をオーダーした場合に端末に付随する勘定を借方または貸方に付けることができる。
【0038】
テスト用香りの調合を記述したデータを受信した端末のユーザーは、受信した調合を修正することができる。例えば、ユーザーが端末のユーザーインターフェイスを介して少なくとも1つの嗅覚記述子を入力することによって修正を実行することができる。
【0039】
サーバーは、調合のその後の提案を端末に対して行うときにユーザーによってなされる修正を考慮することができ、それにより、香りの生成、および/または香りの分注、および/または香りの個人化された分注の確立を最適化することが可能になる。
【0040】
テスト用香りを分注することを可能にする調合を記述したデータを受信した端末のユーザーは、そのデータをユーザーによって選択された別の端末に転送することができ、これには例えばメッセージが伴う。例えば、ユーザーは、分注されたテスト用香りに関する意見を送信することができる。
【0041】
サーバーは、テスト用香りを分注することを可能にする調合を記述したデータに関連付けられているマルチメディアコンテンツを送信することができ、そのようなマルチメディアコンテンツは、例えば、ビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツからなるものとしてよい。
【0042】
本発明の他の例示的な実施形態では、複数のインタラクティブ型香り調合端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーも実現し、それぞれの端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香りを作るために使用される複数のにおい物質と、
端末から複数のにおい物質のうちの選択された1つのにおい物質を分注するためのディスペンサー手段と、
ユーザーインターフェイスと、
端末がサーバーと通信し、それによりテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータをサーバーから受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備え、
サーバーは少なくとも1つの端末に、少なくとも1つのテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを自動的に送信し、テスト用香りが分注されたことを確認するメッセージを端末から受信するように構成される。
【0043】
テスト用香りの調合の自動送信は、端末からの要求の事前伝送と無関係に行われてもよい。
【0044】
サーバーは、端末のユーザーの環境内で再生されるマルチメディアコンテンツ、例えば、ビデオコンテンツまたはオーディオコンテンツと無関係にテスト用香りの調合を記述したデータを端末に送信することができる。
【0045】
一変更形態において、端末に送信された調合には、マルチメディアコンテンツの再生が伴う。
【0046】
例えば、サーバーは、定義済み条件が上述のように満たされているかどうかを検出し、および/または端末のユーザーに関連付けられているユーザー選好に基づいてテスト用香りを作ることを可能にする少なくとも1つの調合を決定し、および/または前記端末に、前記条件が満たされた後テスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを送信するように構成される。
【0047】
例えば、定義済み条件が満たされていることを検出した後、または定義済み条件が満たされていることを主張する要求を端末から受信した後、サーバーはテスト用香りを分注することを可能にする調合を記述したデータを前記端末に送信する前に前記端末に問い合わせて、調合にリストされているにおい物質が端末側で利用可能かどうかを判定するように構成することができ、これにより、端末が特定のにおい物質が欠損しているのに調合を再現しようとするのを回避することが可能になる。
【0048】
例えば、サーバーは、近い、例えば、ほとんど訓練がなされていない鼻で同じ香りであると知覚される結果を得るために、テスト用香りを分注することを可能にする調合にリストされており、および/または前記端末では利用不可能であるにおい物質のうちの少なくとも1つが前記端末で利用可能な少なくとも1つの他のにおい物質で置き換えることができるかどうかを判定するように構成される。
【0049】
サーバーは、テスト用香りを分注することを可能にする調合を再現するために、前記端末に、端末のユーザーが前記端末内に端末では利用可能でない少なくとも1つのにおい物質を入れるのを誘う要求を伝送するように構成することもできる。
【0050】
本発明の他の例示的な実施形態は、インタラクティブ型香り調合端末も実現し、これは、
香りを作り出すことを可能にする複数のにおい物質と、
端末に存在する物質を認識するための手段と、
前記複数のにおい物質のうちの選択された1つのにおい物質を分注することを可能にするディスペンサー手段と、
ユーザー選好を前記端末に付随するメモリ内に格納することを可能にするユーザーインターフェイスと、
テスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータをサーバーから受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備える。
【0051】
端末および/またはサーバーは、例えば、端末で利用可能でないにおい物質を端末で利用可能な少なくとも1つの他のにおい物質と置き換えるためににおい物質の対応関係表にアクセスするように構成することができる。
【0052】
ディスペンサー手段、ユーザーインターフェイス、およびネットワークインターフェイスは、例えば同じハウジング内に配置されている、単一のデバイス内に組み込むことができる。
【0053】
におい物質は、互いに無関係に端末内に配置されうるリザーバー内に収容することができる。におい物質は、特に、同じシートに載ることはありえない。
【0054】
端末
端末は、単一の器具の形態で製作することができるが、共通の場所に置かれている複数の器具の助けを借りて端末を製作することも本発明の範囲を超えることはない。
【0055】
例えば、端末は、小型で、例えば、携帯型器具であり、適切な場合に、ハンドバッグに収納するのに適したものとすることができる。端末は、携帯型もしくは固定されたコンピュータ、携帯型もしくは他の形態のゲーム機と、内部拡張機能、例えばカード、一体型外部拡張機能、または非一体型外部拡張機能との結合を構成するものとして考えることができる。
【0056】
例えば、端末は、適宜充電できる二次電池などの、内蔵される独立電源を備える。
【0057】
例えば、端末は、1つまたは複数の香りを分注するための物質を収容する複数のリザーバー、例えば2つよりも多い、3つ、5つ、または10個のリザーバーを備える。例えば、リザーバーは、端末を使用している間、および/または端末の使用後に設置することができるように端末内に取り外し可能な形に取り付けられる。リザーバーは、有利には、その中に収納される物質が交換されるか、または置き換えられるか、または詰め替えられるように配列される。
【0058】
「物質」という用語は、純物質、または希釈物質、または希釈もしくは希釈されていない物質の混合物を示すために使用される。
【0059】
物質は、10から50種類、特に10から20種類の化合物を含むものとしてよい。例えば、これらの物質はそれ自体、携帯することができ、および/または香りを作るために使用される。
【0060】
例えば、端末は、ユーザーインターフェイスおよびネットワークインターフェイスを備える。例えば、ユーザーインターフェイスは、キーパッド、ジョイスティック、タッチパッド、画面、適宜タッチスクリーン、および音声認識システムのうちから選択された少なくとも1つのインターフェイスを含む。
【0061】
端末は、後述のように、リザーバー内に、選択された割合で収納されている物質を分注するためのディスペンサー手段も備える。
【0062】
例えば、端末は、端末内に組み込むことができるか、または端末の外部にあり、端末によってアクセス可能なメモリを伴う。いろいろな可能性があるがとりわけ、メモリは、ハードディスク、例えばフラッシュメモリタイプの電子回路、または光ディスク読み取り装置/書き込み装置を含むものとしてよい。
【0063】
端末に付随するメモリは、サーバーによって端末にすでに送信されているか、または少なくとも1つの第2の端末によって前記端末にすでに送信されている香り調合、および/または端末によってサーバーもしくは第2の端末に送信された香り調合を格納することができる。
【0064】
端末に付随するメモリは、例えば端末のユーザーによって定義されているような、後述の、ユーザー選好も格納することができる。端末は、以下で説明されるように、他のモジュールをさらに備えることができる。
【0065】
端末は、香りを分注する以外の用途に対応できるように構成することもでき、例えば、メーキャップをするのに使用することができる。
【0066】
端末は、香りをメーキャップに加えることのみを目的とするディスペンサー手段を備えることができる。
【0067】
サーバー
「サーバー」という用語は、例えば多くの端末とのデータ交換を管理することが可能な、1つまたは複数のプログラムされたコンピュータを指している。
【0068】
例えば、データベースは、サーバーに付随するものであり、前記データベースは例えばサーバーに組み込まれるか、またはサーバーに外付けの、サーバーからアクセス可能なデータベースである。
【0069】
データベースは、定義済みの調合の例をリストし、および/またはさまざまな調合に含まれる物質の結合の可能性および/または適切さに適用される結合規則を含むものとすることができる。
【0070】
データベースは、端末のユーザーに関わるユーザー選好も含みうる。
【0071】
例えば、サーバーは全自動化されていてもよい、つまり、端末から送られてきた要求は、人間の介入なしで単独で分析される。テスト対象の香りに対応する調合は、完全自動化方式で送信することもできる。
【0072】
一変更形態では、サーバーは、スペシャリストが香り組成物の考案に介入することを可能にし、その際に、そのような人を「エキスパート」と以下では称する。
【0073】
例えば、サーバーは、
少なくとも1つの端末に、端末による要求の前の伝送とは無関係に、少なくとも1つのテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを送信し、
端末から、テスト用香りが分注されたことを確認するメッセージを受信するように構成されうる。
【0074】
確認メッセージを受信することは、例えば、販売促進キャンペーンの影響の統計処理を目的として、またはその後に、端末のユーザー向けに処理を個人化するために役立つ場合がある。
【0075】
サーバーは、
端末から、1つまたは複数の定義済み条件が満たされているかどうかを指定する情報、および前記端末で利用可能な物質に関する情報を含む要求を受信し、
再現する少なくとも1つの調合を決定するために要求を分析するようにも構成されうる。
【0076】
一変更形態において、1つまたは複数の定義済み条件が前記端末または端末のユーザーによって満たされていることを検出するように構成される。
【0077】
例えば、要求を分析するときに、サーバーは、端末のユーザーに関連付けられているユーザー選好が格納されているメモリまたはデータベースにアクセスし、それらのユーザー選好に応じて再現される調合を決定するように構成されうる。このようなユーザー選好について、以下でさらに詳しく説明する。
【0078】
要求を分析した後、サーバーは、端末で利用可能な物質のみを考慮することにより端末によって再現されうる少なくとも1つの調合を決定することができる。
【0079】
以下で説明されているように、サーバーは、例えば、におい物質の間の対応関係表にアクセスするように構成することができる。
【0080】
サーバーは、端末では利用可能でないが、端末から利用可能である物質に加えることができる少なくとも1つの他の物質を考慮した少なくとも1つの調合を決定することもできる。
【0081】
例えば、サーバーは、サーバーによって決定された調合にリストされている物質のうちの1つまたは複数の物質が利用可能でない場合に端末に警告メッセージを送信するように構成されうる。
【0082】
端末が電源を備える場合、サーバーは、要求を分析した後、独立した電源が消耗した程度に関して端末に問い合わせることもできる。
【0083】
端末がテスト用香りを分注した後、サーバーは、端末のユーザーに付随する勘定を借方または貸方に付けるようにも構成することができる、例えば、この勘定の口座は、ポイントを付与することによってユーザーに報いることを可能にするローヤルティカードに対応するものとしてよい。
【0084】
本発明は、単一サーバーに限定されない。
【0085】
一変更形態において、本発明は、異なる用途に専用の、互いに通信するサーバーを実装する。例えば、一方のサーバーを香りの分注専用とし、他方のサーバーをメーキャップおよびケア組成物の調製専用とすることが可能であり、これは、例えば、香りとして生成されるか、または最適化された調合を含むものとしてよい。
【0086】
さまざまなサーバーが、複数の上述の用途に対応することができる端末、またはこれらの用途のうちの1つに対し専用となる端末と通信することができる。
他の変更形態では、複数のサーバーが、同じ用途、例えば、香りの分注専用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図2】本発明の端末1の例を示す図である。
【図3】端末によって調合を再現する第1の例を示す流れ図である。
【図4】端末により香りをスレーブモードで分注することを可能にする調合を再現するための本発明の第1の応用例を示す図である。
【図5】スレーブモードで調合を再現する端末についての本発明の他の応用例を示す図である。
【図6】スレーブモードで調合を再現する端末についての本発明の他の応用例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る端末を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る端末においてリザーバーF1からF8を混合室に接続するフレキシブルホースの状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る端末のフレキシブルホースについての一変更形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
調合通信標準
端末1とサーバー2を線図で表した、図1を見るとわかるように、本発明は、端末1とサーバー2との間の通信を確立することを伴う。
【0089】
この通信は、例えば、通信標準を使用して実行されうる。
【0090】
以下に説明されているように、サーバーおよびそれぞれの端末は、有線もしくは無線接続を介して、接続されているか、または接続可能である。
【0091】
例えば、通信標準は、物質を識別することを可能にし、および/または調合において使用されるそれぞれの物質の含有量を記述するデータ伝送プロトコルを含む。
【0092】
例えば、物質を識別するために使用されるデータは、物質の特性を記述したデータを含んでいる必要はなく、例えば、符号を含むものとしてよい。
【0093】
サーバーおよび/または端末は、例えば、その符号を物質に関する情報に変換するように構成されうる。
【0094】
標準の第1の例において、物質を識別することを可能にするデータは、それぞれの端末において物質を収納するリザーバーの配置に関する情報だけを含む。
【0095】
この第1の例において、物質を収納するリザーバーは、例えば、それぞれの端末内に所定の形に配設される。
【0096】
標準の第2の例では、物質を識別することを可能にするデータは、物質のグループ、例えば、物質のパレットを識別するための情報を、物質の前記グループ内の物質の配置を識別することを可能にするデータと一緒に含む。
【0097】
標準の他の例において、この情報は、それぞれの物質を、端末においてその物質を収納するリザーバーのサーバーとは独立して識別することを可能にする。
【0098】
調合におけるそれぞれの物質の含有量に関係するデータは、好ましくは、調合におけるそれらの物質の総量として表される。
【0099】
これらの量は、体積もしくは重量に関して、メートル法もしくは他の標準、または独自標準を使用して表すことができる。
【0100】
一変更形態において、調合における1つの物質の含有量に関係する情報は、少なくとも、
物質を収納するリザーバーからディスペンサー手段への物質の移動もしくは流れの持続時間、
物質を収納するリザーバーに印加される力および/または圧力、および/または
リザーバーから物質を分注するための電気式アクチュエータに印加される電圧を含む。
【0101】
調合におけるそれらの物質のうちの少なくとも1つについて、特に調合におけるそれらの物質のそれぞれについて、さらに標準に含まれる情報項目は、必要な加熱温度、例えば、粘性または色などの物質の物理的状態、他の物質と混ぜたときの不適合性に関する情報、物質の使用日、作成日、または有効期限、追跡できるようにするためのバッチ番号、または実際には、アレルギーの危険性などの、物質に関わる発生する可能性のある危険性のうちから選ばれた情報項目の少なくとも1つとすることができる。
【0102】
例えば、その標準は、上述の情報のすべてを符号化するために使用することができ、しかも、その情報のすべてが通信で伝送されるデータに常に含まれる必要はない。
【0103】
例えば、伝送されるデータは、特定の物質とは無関係の、結果として得られる香りに関係する情報を含むものとしてよく、例えば、加熱温度もしくは他の何らかの刺激、攪拌速度もしくは攪拌条件、または香りを定着させるべき時間、調合を再現するときに物質を添加する命令、例えば、香りの、粘性、色、もしくは安定性などの物理的状態に関する情報、使用日、作成日、または香りの有効期限、および発生する可能性のある危険性、例えばアレルギーの危険性のうちから選択された情報項目のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0104】
通信プロトコルを使用して伝送されるデータは、例えば、調合の香りの目的に関係する情報項目、例えば、調合の香りを溶媒中に導入するか、または、例えば、化粧品、食料品、燃料、またはリネン、皿、もしくは床をクリーニングまたは洗浄するための溶液などの他の何らかの物質中に導入するかどうかの情報も含むことができる。このようなデータは、香りが塗布されるべき身体部分、特に首、頭、脇、足または衣類、靴、家具、もしくは実際には自動車などのいくつかの物も指定することができる。
【0105】
伝送されるデータは、調合の香りが、受動的であるかもしくは能動的である、例えば、電気的、熱的、もしくは噴霧の形態のディスペンサーまたはディフューザを使用して分注するかどうかを決定するための情報も含みうる。
【0106】
データは、再現する調合が、男性、女性、もしくは子供を対象とするのかどうか、または実際にその調合の香りが、特定の年齢層を対象とするのかどうかを指定することもできる。
【0107】
通信標準では、その調合の香りが消費者製品、美術品、俳優、歌手、もしくは有名人の共通の嗜好によって定められるようなグループで使用されるものなのかどうか、または実際にはその調合の香りが、所定の人、所定の人々のグループ、もしくは家族を対象とするのかどうかを指定する情報を提供することができる。
【0108】
通信標準は、リザーバー内に残っている量などの、第1の端末のリザーバーに収納されている物質を識別する情報も含むことができる。
【0109】
伝送されるデータは、この端末の接続相手または香りを調製することに関する情報をすでにやり取りしていた相手である第2の端末のリザーバー内に存在する物質も識別することができる。適切であれば、この情報は、第2の端末のリザーバー内の物質の残留量も含みうる。
【0110】
伝送されるデータは、端末のユーザーが置かれる背景状況、例えば、周囲温度、周囲湿度、周囲のにおい、および時刻などに関係するものとしてよく、適切であれば、タイムシフトも考慮する。
【0111】
伝送されるデータは、端末の動作にも関係しうる。例えば、このようなデータは、端末が応答する毎に、または定期的に実行される自動の自己テストによって得ることができる。この情報は、例えば、端末内の流体の流速、または端末のいくつかのモジュールの機能および/または機能不良に関係するものとしてよい。
【0112】
通信標準は、ヘッダ内に一緒にグループ化されるか、または複数の部分を占有する、通信の処理に関する情報も提供しうる。例えば、この情報は、端末および/または端末のユーザーの識別、サーバーの識別、第2の端末の識別に関係する情報、日付および/または通信を識別する情報、端末もしくはサーバー上の作業セッションを識別する情報、および/または情報を確実に機密にするための暗号化システムに関係する情報を含む。
【0113】
上で述べたように、これらの物質の識別およびその残留量は、明確に区別されるパラメータによって表すことができる。ヘッダは、物質を識別し、および/またはその調合における物質を定量化する際にどのパラメータを使用するかを指定する情報を含み、そのような情報により端末および/またはサーバーが通信時に伝送されるデータを解釈することが可能になる。
【0114】
以下で説明されるように、それぞれの端末およびサーバーは、例えば、分注される香りの量により互いに異なる複数の再現モードで動作するように構成することができ、伝送されるデータは、例えば、再現モードを識別することを可能にし、したがって分注する香りの量を可能にする情報を含むことができる。
【0115】
適切であれば、複数の通信標準を使用し、それぞれの端末および/またはサーバーは、一方の標準から他の標準へ変換するためのモジュールを備えることができる。
【0116】
物質
上で述べたように、それぞれの端末は、有利には、香りを分注するために物質を受け入れる複数のリザーバーを備える。端末は、例えば、数十個のリザーバーを備える。それぞれのリザーバーは、異なる物質を収納することができる。一変更形態において、単一の物質が、同じ装置の異なるリザーバー内に、必要ならば異なる濃度で、存在しうる。
【0117】
サーバーは、複数のリザーバーに関連付けられうる。
【0118】
それらの物質は、リザーバーのそれぞれの中で、流動状態、例えば液体として存在しうる。
【0119】
一変更形態において、リザーバーの少なくとも一部は、1つまたは複数の物質が吸収される基材を備える。
【0120】
収納されているすべての物質は、におい物質とすることができる。
【0121】
におい物質については、天然由来もしくは合成由来の化合物もしくは香料、およびそれらの混合物を使用することができる。
【0122】
天然由来の化合物もしくは香料については、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、イランイランノキ)、茎および葉(パチョリ、ゼラニウム、プチグレン)、果物(コリアンダー、アニス、クミン、ジュニパー)、果物の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(アンゼリカ、セロリ、カルダモン、オリス、ショウブ)、木(松材、白檀材、ポックウッド、ローズシーダーウッド)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、小型のマツ)、樹脂およびバルサム(ガルバナム、エレミガム、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポパナクス)の抽出物が挙げられる。
【0123】
合成由来の化合物については、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、芳香族アルコール、および炭化水素タイプの化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0124】
エステルについては、特に、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸シトロネリル、ギ酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アルキルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、およびサリチル酸ベンジルが挙げられる。
【0125】
エーテルについては、ベンジルエチルエーテルが挙げられる。
【0126】
アルデヒドについては、8から18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、例えば、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル、およびボージュナールが挙げられる。
【0127】
ケトンについては、例えば、アルファイソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンなどのイオノンが挙げられる。
【0128】
芳香族アルコールおよび特にテルペンでは、アネトール、シトロネロール、ユージノール、イソユージノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールが挙げられる。
【0129】
炭化水素については、特にテルペンが挙げられる。
【0130】
それに加えて、エッセンシャルオイル、香料の材料成分、例えば、セージ、カモミール、クローブ、バーム、ミント、シナモンの葉、シナノキ、ジュニパー、ベチベルソウ、オリバナムガルバナム、ラボラナム、およびラバンディンのエッセンスも使用することができる。
【0131】
例えば、香りには、そのまま、または混合物として、ベルガモットエッセンス、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、アンブロキサン、インドール、ヘディオン、サンデリス、レモン、マンダリン、およびオレンジのエッセンス、グリコール酸アリルアミン、シクロベルタール、ラバンディンエッセンス、セージエッセンス、ベータダマスコン、ゼラニウムエッセンス、サリチル酸シクロヘキシル、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、およびローズオキシドが使用される。
【0132】
一変更形態において、収納される物質の一部は、におい物質ではなく、例えば、1つのリザーバーににおいのない物質を収納することができる。
【0133】
さらに他の一変更形態では、1つまたは複数のリザーバーに、物理的変形後ににおいを出すように設計された物質を収納することができる。
【0134】
例えば、いくつかのリザーバーは、着色剤、保存料、またはレオロジー剤などの添加剤である物質を収納することができる。
【0135】
図2は、本発明の端末1の例を示している。
【0136】
これからわかるように、端末1は、2種類のリザーバー、つまり少なくとも1つのメインリザーバー11および複数のニュアンスリザーバー12iを備えることができる。
【0137】
説明されている図示されている実施形態において、端末1は、ただ1つのメインリザーバー11および19個のニュアンスリザーバー121〜1219を備える。
【0138】
「メインリザーバー」という用語は、におい物質の洗練された組合せ、例えば5種類より多い、10種類、または15種類のにおい物質を収納するリザーバーに対して使用される。このような組合せは、香り、もしくは単純な香り組成物とみなすことができる。メインリザーバーの内容は、例えば、1ミリリットル(mL)から50mLまでの範囲、例えば、10mLに等しい。
【0139】
メモリへの物質および調合の格納
ここで一般的に「メモリ」と称される1つまたは複数のメモリは、それぞれの端末および/またはサーバーに付随するものとしてよい。
【0140】
メモリは、任意のタイプ、例えば、電子的、光学的、または電磁的なものとしてよい。
【0141】
メモリは、永続的または消去可能でもよく、アクセス保護されるものとすることができる。
【0142】
メモリは、それぞれの端末上に永続的に固定されうる。一変更形態では、メモリは端末から取り外し可能である。
【0143】
一般的に、端末は、例えば、1から10個までのメインリザーバー、特に1から4個までのメインリザーバー、および10から40個までのニュアンスリザーバーを備えることができる。
【0144】
ニュアンスリザーバーは、主に、
木のにおい、例えば、白檀材、シーダー材、またはベチベル材に由来するにおい、
レモンエッセンシャルオイル、ベルガモットエッセンシャルオイル、またはオレンジの花のエッセンシャルオイル(ネロリ)などの柑橘類のにおい、
ホワイトムスク、ガラクソリドなどのムスクのにおい、
カロンなどの海のにおい、
エチルマルトールまたはエチルバニリンなどのグルメのにおい、
花のにおい、例えば、ジャスミンアブソリュートまたはリリアルアブソリュート、
パチュロールなどのオリエンタルなにおい、
レモンエッセンシャルオイル、ベルガモット、またはネロリなどの柑橘類のにおい、および
ラガンマデカラクトン(lagamma-decalactone)などのフルーティなにおいの少なくとも1つの物質を収納することができる。これからわかるように、端末1は、すすぎ用の液体を収納するリザーバー13をさらに備えることができ、これについては以下で説明する。
【0145】
図2には、端末1の独立電気エネルギー源も示されており、説明されている実施形態では、前記エネルギー源は2個の電池14である。
【0146】
少なくとも1つのリザーバーは、複数の部分にさらに分割することができる。
【0147】
例えば、物質は流体であり、特にこれらは低粘度の液体である。
【0148】
少なくとも1つのリザーバーは、
5から50%のにおい物質、
0から5%の防腐剤物質、
0から20%のレオロジー物質、
0から2%の着色剤、および
23から95%の溶媒
を組成物(重量で)として受け入れることができる。
【0149】
例えば、溶媒は、水、エタノール、アセトン、および他の極性有機溶媒のうちから選択される。
【0150】
これらの物質のうちの少なくとも1つは、呼吸器疾患、例えば、喘息、もしくは皮膚疾患などの、伝染性もしくは他の何らかの性質の病変の治療のために推奨される物質のうちから選択することもできる。
【0151】
例えば、これらの物質のうちの少なくとも1つは、においも有しているが、病変の治療に、または弛緩剤もしくは刺激剤として推奨される物質のうちから選択される。このような物質は、例えば、天然エッセンスまたはエッセンシャルオイルをベースとする天然物質、例えば、タイム、フランキンセンス、さらにはユーカリとすることができる。
【0152】
ユーザーインターフェイス
それぞれの端末のユーザーインターフェイスは、例えば、端末がサーバーから受け取ったときにテスト用香りを分注することを可能にする調合が表示される画面を備える。
【0153】
それぞれの端末は、プリンタを、さらにまたは一変更形態として備えることができる。
【0154】
例えば、ユーザーインターフェイスは、定義済み条件が適用され、サーバーによって伝送された後、受信された調合をユーザーが選択することを可能にする1つまたは複数のキーを備える。
【0155】
ユーザーインターフェイスは、ユーザーがユーザー選好に関係する情報を入力できるようにさらに構成されうる。
【0156】
サーバーは、上で説明されているようなユーザーインターフェイスを備えることもできる例えば、このユーザーインターフェイスを使用することで、サーバーに関わっているエキスパートは調合を考案することができる。
【0157】
一変更形態において、端末の、また適切であれば、サーバーのユーザーインターフェイスは、ユーザーおよび/またはエキスパートが分注する香りに関連する1つまたは複数の嗅覚記述子を入力することができるように構成され、前記記述子は場合によっては少なくとも1つの調合に至るように変換表の助けを借りて物質に変換される。
【0158】
変換表は、端末に付随するメモリ内に格納されうる。
【0159】
一変更形態において、変換表は、サーバーに付随するデータベースに格納される。
【0160】
変換表を使用することによって、ユーザーおよび/またはエキスパートがユーザーインターフェイスを使って入力した嗅覚記述子を物質に翻訳することができる。
【0161】
変換表は、ユーザーおよび/またはエキスパートがプログラムすることもできる。ユーザーおよび/またはエキスパートの個人的経験により、いくつかのにおいのニュアンスを嗅覚記述子に関連付けることが可能になり、これらの記述子は、事前に定義した後に、変換表に加えることができ、これにより、変換表を個人化することが可能になる。
【0162】
個人化された変換表が、端末によってサーバーに伝送され、テスト用香りを分注することを可能にする調合が、サーバーによって、例えば、定義済み条件が適用されるときに伝送され、この個人化された変換表に応じて表すことができる。
【0163】
このユーザーインターフェイスにより、端末のユーザーは、メッセージを伴う調合を送信することができるか、または適切であれば、メッセージのみを送信することができる。メッセージは、端末のユーザーがサーバーによって送信された調合の再現を拒絶したことの説明、または受信した調合の評価を含むことができる。
【0164】
ユーザーインターフェイスは、テスト用香りを調製することを可能にする調合を受信した端末のユーザーが、適切な場合に、その調合を修正することができるようにも構成されうる。
【0165】
例えば、ユーザーインターフェイスは、
香りのヘッドノート、ハートノート、またはベースノートを高めるか、または制限するアクション、
柑橘類、ムスク、木、花のニュアンスなどの、香水師によって一般に使用されるパラメータを操作するアクション、
「生き生きした」、「重い」、「軽い」という概念などの周知の言葉で使用されるパラメータを操作するアクション、
「甘い」、「ぴりっとする」、...などの食物に使用されるパラメータを操作するアクション、
花、木、土、...などの自然に存在するにおいを操作するアクション、
例えば、有名な香りのにおいもしくはにおい物質のにおいを操作するアクションのうちの1つまたは複数のアクションをユーザーに提案するように構成することができる。
【0166】
端末は、調合を決定するのを、および/またはいくつかの調合または調合の修正を防ぐか、または行わないように推奨するのを補助する人工知能モジュールを備えることができる。
【0167】
端末のユーザーインターフェイスは、端末がスレーブモードで動作し1回のクリックで受け取った調合を再現することができるように構成されうる。
【0168】
ユーザーインターフェイスにより、端末のユーザーは、テスト用香りを分注することを可能にする調合に従って分注される香りに関連付けられている製品、例えば、香りを収納する瓶などのパッケージ製品だけでなく、香水入り石鹸、シャワージェル、または実際にはシャンプーもしくは粉石鹸などのボディーケア製品、さらには衣類などの固体物品などをオーダーすることができるようになりうる。
【0169】
例えば、端末は、ユーザーインターフェイスの画面上に
端末のメインリザーバーの数に対応する点の数、および
画面に表示されるそれぞれの点から開始する端末のニュアンスリザーバーの数に対応するベクトルの数の表示を行わせるプログラムを実行するように構成されうる。
【0170】
このようなユーザーインターフェイスでは、端末で利用可能な物質からの調合の可能性を明確に表すことができる。
【0171】
メモリは、それぞれの端末のリザーバー内に存在する物質、および/またはリザーバー内の前記物質の残留量に関係する情報を格納することができる。
【0172】
端末に付随するメモリ内に記録されている調合は、端末の組み立て時にメモリ内に格納され、符号の助けを借りてのみアクセス可能な隠し調合も含むことができ、この符号は例えばサーバーによって端末に伝送される。
【0173】
記録された情報は、すでに受信されている調合の再現日またはすでに再現されている調合の使用日を、例えば評価などの前記調合に関してサーバーから受信したコメントとともに含むこともできる。
【0174】
端末に付随するメモリ内に格納されている情報は、例えば、少なくとも1つの第2の端末のリザーバー内で利用可能な物質のリストを含みうる。
【0175】
ユーザー選好も、メモリに格納することができる。
【0176】
このようなユーザー選好は、例えば、端末のユーザーによって行われた前の選択、香り混合の論理、および適宜、香りに関する事柄のファッショントレンドを、ユーザーの選択に応じて含む。ユーザー選好は、端末のユーザーが置かれている状況、例えば、周囲温度、周囲湿度、周囲のにおい、時刻などに関係する情報も含むことができる。
【0177】
ユーザー選好は、サーバーによって端末にすでに送信されているか、または少なくとも1つの第2の端末によって前記端末にすでに送信されている香り調合、および/または端末によってサーバーもしくは第2の端末に送信された香り調合も含みうる。
【0178】
ユーザー選好は、端末のユーザーが以前に購入した香りに対する調合も含みうる。
【0179】
ユーザー選好は、再現される調合が、男性、女性、もしくは子供を対象とするのかどうか、または実際にはその調合の香りが、特定の年齢層を対象とするのかどうかを指定する情報を含み、さらにその調合の香りが、消費者製品、美術品、俳優、歌手、もしくは有名人に対する共通の嗜好によって定められるようなグループを対象とするのかどうか、または実際にはその調合の香りが、所定の人、所定の人々のグループ、または家族を対象とするのかどうかを指定する情報も含むことができる。
【0180】
ユーザー選好では、ユーザーが前記香りを分注するために調合を受け取りたい時間的な間隔を定義することもできる。
【0181】
所定の端末を、異なるユーザーに関連付け、端末に付随するメモリをいくつかの部分メモリに分割することができ、それぞれの部分メモリは1人の特定のユーザーに関連付けられ、そのユーザーによって再現され、および/または考案された調合を格納する。
【0182】
単一のメモリが、複数の端末に関連付けられていてもよく、そのメモリは、例えば、いくつかのユニットに分割され、それぞれにユニットは端末に付随し、上述の情報を格納するようにできる。
【0183】
適切な場合、そのメモリに関わっている複数の端末のうちの1つの端末は、異なるユーザーによって使用され、注目するユニットは、前述の部分メモリのように、複数の部分ユニットに分割される。
【0184】
サーバーに付随するデータベースは、サーバーによって端末にすでに送信されているか、または少なくとも1つの第2の端末にすでに送信されている調合および/または前記端末または第2の端末によってサーバーに送信された調合を格納することができる。適切な場合、調合とともに端末によって送信された評価も、データベースに格納することができる。
【0185】
データベースには、端末で利用可能な物質を、その残留量とともに格納することもできる。
【0186】
データベースには、端末のユーザーによって端末に物質が入れられた日付も格納することもできる。
【0187】
端末で利用可能な物質に関係する情報は、端末のユーザーインターフェイスを介して、または実際には物質発送センターから、ユーザーによって入力された情報を受け取った後、更新することができる。
【0188】
データベースは、以下で説明されるように、におい物質同士の対応関係表をさらに含むことができる。
【0189】
端末に付随するメモリおよび/またはデータベースの少なくとも一部は、商業的交換の対象をなすものとしてよい。
【0190】
このような交換において、交換されるメモリおよび/またはデータベースの部分は、復号キーなどの他のコンポーネント、ユーザーマニュアル、保護ハウジング、においサンプル、使用または付属製品の提案、調合を受け入れるための製品、例えば、ディスペンサーシステム、製品、衣類などの付属製品を伴いうる。
【0191】
メモリおよび/またはデータベースは、例えば、アドレス指定可能であるものとしてよい。
【0192】
適切な場合、端末のユーザーおよび/またはサーバーは、第2の端末に付随するメモリに格納されている調合にアクセスすることができる。
【0193】
適切な場合、端末のユーザーおよび/またはサーバーは、他のサーバーに付随するデータベースに記録されている情報にアクセスすることができる。
【0194】
利用可能な物質の識別
本発明の一実装において、端末は、端末内のリザーバーの配置のみに関係する情報を有する。リザーバーが適切に位置決めされていない場合、最終的なにおいは、予想したにおいにならない。
【0195】
本発明の他の実装において、端末は、利用可能なリザーバーを識別するためのシステムを備える。
【0196】
識別システムは、どのようなタイプでもよく、識別子デバイスおよび識別子を含むものとしてよい。
【0197】
識別子デバイスは、例えば、端末に固定することができる。
【0198】
識別子は、物質を収納するパッケージングデバイスに固定され、適宜リザーバー内に配置されうる。
【0199】
識別システムは、例えば、
電波、特にRFID(無線ICタグ)マイクロチップ、
バーコード、または色などの光学的識別、
電気もしくは電子コネクタ、および/または
レリーフ状の部分を実装することができる。
【0200】
例えば、識別子は、物質を収納するリザーバーの上、または下、または横に配置される。
【0201】
端末は、リザーバーと同数の識別子デバイスを備えることができる。一変更形態では、識別子デバイスの個数は、リザーバーの個数より少ない。
【0202】
他の変更形態において、端末は、リザーバーのすべてに対して共通のただ1つの識別子デバイスを有する。
【0203】
識別システムがRFIDチップを実装する場合、識別子デバイスは、RFIDチップの形態の識別子を順次アドレス指定するただ1つの送信機アンテナを有することができる。
【0204】
光学式識別システムが使用される場合、識別子デバイスは、リザーバーのそれぞれに関連付けられている識別子を読み取るために移動することができる単一の移動可能読み取り装置を備えることができる。
【0205】
他の変更形態では、識別子デバイスは、端末に関して静止状態にあり、それぞれの端末は、前記物質の識別子が選択されたリザーバーの詰め替えを行うために物質が入れられる前に識別子デバイスによって読み取られるようにリザーバーを移動するように構成される。一変更形態において、ユーザーは、識別子デバイスが物質を識別できるように識別子デバイスにその物質を提示し、次いで、ユーザーは、リザーバーにその物質を充填する。したがって、それぞれの端末は、物質が配置されたリザーバーの配置に関して手動で、または自動的に通知を受けることができる。
【0206】
リザーバーを、識別子デバイスに次々に提示することができ、したがって、物質は、所定の順序でその中に入れられる。
【0207】
それぞれの端末は、例えば、リザーバーの充填を案内するインジケータの点灯を行うように構成されたシステムを備えることができる。一変更形態では、リザーバーは、回転式リザーバーキャリアの助けを借りて充填される。
【0208】
例えば、端末は、リザーバーに入れられた物質を自動的に識別するように構成される。
【0209】
識別システムは、物質を受け入れるリザーバー内の少なくとも1つの物質の量を評価することを可能にするように構成することもできる。識別システムは、例えば、光学的測定、伝導度測定、圧力測定、または重量測定を実行するための手段を備えることができる。
【0210】
一変更形態において、識別システムは、例えば物質の上に配置され、分析方法によって物質の存在を検証することを可能にする、1つまたは複数のケミカルレシーバー(chemical receivers)を備える。
【0211】
識別システムは、例えば、特定のリザーバーが空であるか満杯であるかを端末のユーザーに知らせるように構成されうる。
【0212】
量の計算
それぞれの端末は、複数の再現モードで動作し、それぞれの再現モードは再現される調合の定義済みの量に関連する。端末のユーザーインターフェイスは、例えば、少なくとも1つの再現モードをユーザーが選択できるように構成される。
【0213】
例えば、「トライアル」再現モードでは、ごく少量の、例えば、0.01ミリグラム(mg)から10mgまでの範囲内の香りが分注される。このような再現モードは、テスト用香りを分注することを可能にする調合を再現するために使用される。
【0214】
「使用」再現モード("for use" reproduction mode)では、例えば、10mgから2グラム(g)までの範囲内の量が分注される。
【0215】
最後に、「生産」再現モード("fabrication" reproduction mode)では、例えば2gから200gまでの範囲の量が分注される。
【0216】
「使用」再現モードは、例えば、端末のユーザーとサーバーに関わるエキスパートとの間のコラボレーションの結果得られる調合を再現するように適合される。
【0217】
「生産」再現モードは、例えば、エキスパートとユーザーとが承認する、ユーザーが例えば数日間使用することを望んでいる、調合を分注するために使用される。
【0218】
ユーザーインターフェイスにより、ユーザーは、調合をいっせいに再現すべきか、複数回にわけて再現すべきかを指示することができる。例えば、「使用」再現モードでは、ユーザーは、再現が4回実行されるように端末のユーザーインターフェイスを操作することができ、それぞれ0.05gの香りを含み、それぞれ身体の4カ所の異なる部位に分注し塗布する。
【0219】
同様に、「トライアル」再現モードにおける調合の再現は、数回以上実行することができ、毎回1mgから10mgの香りが調製される。
【0220】
本発明の例示的な実施形態により、端末のユーザーは再現モードの1つに従って調合を再現する要求をサーバーおよび/または第2の端末に送信し、その要求の中で、そのようにして分注される香りが例えば郵便事業者によって送られる住所を指定することができる。
【0221】
ディスペンサー手段
物質を分注するための手段は、例えば、毎秒1ミリグラム(mg/s)から毎秒10グラム(g/s)、特に10mg/sから1g/sの範囲内の流量を実現するように構成される。
【0222】
例えば、分注手段は、例えば、マイクロ流体力学および特に静電気マイクロ流体力学において使用されるものに類似しており、液滴もしくは液体の噴流の形態で香りを分注することを可能にすることができる。
【0223】
本発明のディスペンサー手段は、毎秒数マイクロリットルまたはさらにそれ以下から毎秒数ミリリットルまでの範囲内の流量で、少量分注するための制御可能なホースおよび弁を備えることができる。
【0224】
本発明によるディスペンサー手段は、少なくとも一部は、特に全体として、プラスチック材料、セラミック、または金属から作ることができる。これらは、フッ素化コーティングもしくはシリカなどのこびりつきにくい材料のような材料で少なくとも一部は被覆することもできる。
【0225】
ディスペンサー手段は、成形、エッチング、または組み立てによって形成されうる。
【0226】
弁は、圧力を印加することによって、または紐を引っ張ることによって、電気機械的に、磁気的に、加熱したときに膨張する材料の特性を使用して熱的に、機械的に制御することができ、それにより物質に対し通路を選択的に閉鎖することができる。
【0227】
一変更形態において、本発明のディスペンサー手段は、圧電タイプの材料に基づくまたは導電性ポリマーもしくは誘電エラストマーに基づくアクチュエータに基づく弁を備えることができる。弁は、例えば、低い電圧、特に10ボルト(V)未満の電圧を使用することによって電気的に作動させることができる。
【0228】
本発明の特定の実装において、ディスペンサー手段は弁を持たず、リザーバーに収納されている物質の運動はユーザーがアクションを起こすことによって、例えば、リザーバーの壁を圧迫することによってトリガーされる。
【0229】
弁が開いたときにリザーバーに収納されている物質を移動することを可能にする力は、端末のすべてのリザーバーにかかる連続圧力、またはリザーバーが作動した瞬間にのみ印加される圧力に対応しうる。
【0230】
例えば、ディスペンサー手段は、1つまたは複数のピストン、特に、電気的力によって移動するピストンを備えることができる。
【0231】
一変更形態において、ディスペンサー手段は、物質を移動することを可能にする力を加えるための1つまたは複数のポンプもしくは羽根車、または小さなプロペラをリザーバー上に備える。
【0232】
他の変更形態において、ディスペンサー手段は、リザーバーを加熱するための手段を備え、これにより、リザーバーの壁を膨張させることができるか、または物質またはガスをリザーバー内に貫通させることができる。
【0233】
他の変更形態において、ディスペンサー手段は、リザーバー内に収納されている物質を移動することを可能にする力を発生させるために空気圧効果を使用するように構成された手段を備える。例えば、リザーバーは、例えば、空気の取り入れ口、または膨張する液化ガスの取り入れ口を備える。
【0234】
他の変更形態において、ディスペンサー手段は、1つまたは複数の電気モーター、例えば、物質を移動することを可能にする力を発生させるまたは物質の移動を助ける、ステッパーモーターを備える。
【0235】
物質を移動することを可能にする力は、直接物質に印加されうるか、または間接的に、例えば、フレキシブルな壁に印加されうる。
【0236】
ディスペンサー手段によって移動させられる流体を、混合が行われる端末の出口へと分注することができる。一変更形態では、ディスペンサー手段は、1つまたは複数の混合室を備え、物質が前記混合室に送られる。
【0237】
ディスペンサー手段は、混合室内で、加熱、冷却、加圧、減圧、攪拌、または実際には他の何らかの物質の流入のうちの少なくとも1つの作用を発生させるための手段も備えることができる。
【0238】
ディスペンサー手段は、攪拌機ユニット、例えば、フィード、バッフル、または移動させられる移動可能な攪拌機部材も備えることができる。
【0239】
ディスペンサー手段は、パイプおよび/または混合室をすすぐための手段も備えることができる。例えば、このような手段を使用することで、例えば、液体、液化された、もしくは加圧された気体、またはブラシを通すことができる。
【0240】
上で説明されているように、1つまたは複数の調合を再現するための物質を収納するリザーバーに加えて、端末は、図2に示されている、すすぎ液用の少なくとも1つのリザーバー13および加圧流体用の少なくとも1つのリザーバーも備えることができる。
【0241】
調合の物質に対するリザーバーに関係する上記の説明と同様に、第1の端末は、すすぎ液の量または対応するリザーバー内に残っている加圧流体の量を測定することが可能なようにも構成されうる。
【0242】
ディスペンサー手段は、1つまたは複数の弁とともに少なくとも1つの待機室も備えることができ、第1の調合を再現することによって得られる第1の中間の香りを待機室に移し、待機室に格納することが可能であり、したがって、例えば、待機室に格納されている第1の香りを第2の調合を再現することによって得られる、第1の調合が再現された後に調製される第2の中間の香りと混合することによって、香りを調整することが可能になる。
【0243】
例えば、ユーザーインターフェイスは、端末のユーザーが上述のディスペンサー手段のさまざまな要素を作動させることができるように構成される。このインターフェイスは、有利には、ディスペンサー手段を形成するために選択された実施形態に適合される。例えば、ユーザーインターフェイスは、電子回路であり、第1の端末の電力段に付随する自己監視システムを組み込んでいる。
【0244】
端末は、複数の明確に区別されるディスペンサー手段、例えば、それぞれの再現モードに特有のディスペンサー手段を備えることができる。
【0245】
端末は、異なる部分、例えば、ユーザーインターフェイスおよびネットワークインターフェイスを有する本体部を、ディスペンサー手段の全部または一部を含む1つまたは複数の補助部と一緒に備えることができ、これらの補助部は例えば本体部から脱着可能である。
【0246】
例えば、本体部は、調製される香りの量に応じてディスペンサー手段の一方または他方を選択するように構成される。例えば、本体部は、再現のための調合の選択および/または調製される香りの量をユーザーが確認できるように構成することもできる。
【0247】
端末は、1つまたは複数の香り出口を備えることができる。
【0248】
例えば、1つの香り出口をディスペンサー手段の単一の出口に関連付けることができる。一変更形態において、少なくとも2つのディスペンサー手段が、共通の香り出口を共有することができる。
【0249】
調合を再現する前に、本体部は、使用する香り出口をユーザーに知らせることができる。
【0250】
香り出口は、ディスペンサーノズルおよび、適切な場合には、フェルトまたは一切れ紙などの塗布手段を備えることができ、塗布手段は例えばクリーニングまたはパージ可能であるものとしてよい。
【0251】
香り出口は、圧力もしくは吸引を使用する、能動的放出システムも備えることができる。
【0252】
香り出口は、調製された香りをユーザーから常に利用可能な状態に置くことが可能なように配置されたバッファを備えることもできる。例えば、バッファは、柔軟な非吸収材料のうちから選択された発泡体、例えば、ポリウレタンフォームであってよい。香り出口は、焼結したバッファを備えることができる。
【0253】
調合を再現した後、香りを、例えば、バッファに送り、ユーザーは、バッファを指もしくは身体の他の何らかの部分に押し付けて、格納されている香りを回収することができる。バッファが、非吸収材料から作られている場合、数回押すだけで、ユーザーが香りのすべてを回収することが十分に可能である。
【0254】
香り出口は、瓶、または呼吸マスクなどの嗅覚に適合されたシステムを受け入れるように装着することができる。
【0255】
香り出口は、ヒーターまたは空調などの空気循環システムにも接続することができる。
【0256】
一変更形態において、出口は、家具または食器棚、自動車、または部屋などの特定のエンクロージャ内に開いている空気循環システムの開口部に接続さされうる。
【0257】
上述のディスペンサー手段は、端末内に組み込むか、またはサーバーに付随するものとしてよい。
【0258】
香り出口は、適切な場合に、例えば圧電式噴霧手段などの噴霧手段を備えることができる。
【0259】
ディスペンサー手段は、蒸発により作用するものであってもよい。
【0260】
調合の再現
本発明を使用することにより、端末は、テスト用香りを分注することを可能にする調合を再現することができる。
【0261】
図3を参照すると、端末によりそのような調合を再現する第1の例が説明されている。
【0262】
再現は、以下の3つのステップで実行することができる。
【0263】
ステップ100では、再現する調合のそれぞれの物質の量を調節し、分注する香りの量も、サーバーによって伝送される調節に関係する命令を実行する端末によって完全に自動的に調節される。
【0264】
一変更形態では、ユーザーは、サーバーから出される指示に基づいてそれぞれの物質の体積または重量を調節することができる。
【0265】
示されている例において、テスト用香りを分注することを可能にするために調合にリストされているすべての物質が、端末で利用可能であると想定されている。
【0266】
ステップ101において、端末のディスペンサー手段は、ステップ100で決定された量だけ物質を分注するように作動される。この作動は、端末のユーザーが主体となって、または自動的に実行されうる。
【0267】
最後に、ステップ102において、分配された物質が混合され、これにより、その調合の香りが得られ、その香りが端末から香り出口のところで回収される。
【0268】
適宜、ステップ102の前または後に実行されうる、図示されていない、ステップにおいて、溶媒もしくはガスによる希釈の操作、または濃度の操作を、例えば蒸発によって、香り、または物質の1つまたは複数に対し実行することができる。
【0269】
例えば殺菌を目的とする、または反応を活性化するための紫外線照射、または実際には加熱などの他の操作を、再現において実行することができる。これらの操作は、物質、物質を混合した結果、および/またはパイプ、混合室、弁、...などの第1の端末のさまざまな部分に対し実行されうる。
【0270】
以下で説明されるように、端末が、調合を再現するために物質のすべてを収納していない場合、端末は、ユーザーに知らせ、適宜、欠損している物質の配送を要求することができる。
【0271】
スレーブモードにおける動作
図4を参照すると、端末1により香りをスレーブモードで分注することを可能にする調合を再現することへの本発明の第1の応用例が説明されている。
【0272】
端末1は、要求200をサーバー2に自動的に送信することができ、要求は端末に付随するメモリに格納されているような定義済み条件が満たされていることを示す情報を含む。要求は、端末1で利用可能なにおい物質に関係するデータを含むか、または適宜、端末内に置くことができる。定義済み条件は、例えば、端末1が調合を最後に受け取ってからの一定の長さの経過時間とすることができる。
【0273】
サーバー2は、確認応答メッセージ201を端末1に送信し、それが要求200を受信したことを確認する。
【0274】
この後、サーバー2は、要求200を分析する。
【0275】
この分析の実行後、サーバーは、端末によって所定の調合が再現されうることを、場合によっては、サーバーによって決定された調合にリストされているが、その端末では利用可能でないにおい物質をその端末で利用可能であり、対応関係表の助けを借りて選択されたにおい物質に置き換えた後、確定する。
【0276】
次いで、サーバーは、決定された調合を端末1に送信し、この調合は例えば202で端末によってダウンロードされる。
【0277】
適切な場合、端末によって配送されるマルチメディアコンテンツも、202でダウンロードされる。
【0278】
端末1は、確認応答メッセージ203を送信する。
【0279】
次いで、端末1のユーザーは、図3を参照しつつ説明されているように、ステップ100から102を実行することによってユーザーが受け取った調合を再現したい時期を選択する。
【0280】
適切な場合に、ユーザーは、次いで、要求204をサーバー2に送信することができ、この要求は分注された、またはこれから分注される香りに関連付けられているパッケージ製品をオーダーする要求である。次いで、サーバー2は、確認応答メッセージ205を端末1に送信する。
【0281】
説明されている例では、端末1は、テスト用香りが分注されたことをサーバーに知らせる要求206をサーバー2に送信する。サーバー2は、確認応答メッセージ207を端末1に送信し、208で、端末のユーザーに関連付けられている勘定を貸方または借方に付ける。
【0282】
サーバー2は、例えば、その後、統計処理を実行することができる。
【0283】
図5は、スレーブモードで調合を再現する端末1への本発明の他の応用例を示している。
【0284】
この例では、サーバーによる要求200の分析が終了したときに、サーバーは、決定された調合が端末によって再現されえないことを確定する。
【0285】
次いで、サーバーは、端末のユーザーに、テスト用香りを分注することを可能にする調合を再現するために端末でそれらの物資が利用可能でないことを知らせる要求210を端末1に送信する。
【0286】
次いで、端末1は、確認応答メッセージ211をサーバー2に送信する。
【0287】
図6は、スレーブモードで調合を再現する端末1への本発明の他の応用例を示している。
【0288】
この例では、サーバー2は、主体となって動作し、要求220を端末1に送信し、データベースに格納されている1つまたは複数の定義済み条件が満たされているかどうかを判定する。端末1は、確認応答メッセージ221を送信し、次いで、定義済み条件が満たされているかどうかを確認するために探索した後、要求222をサーバー2に送信する。
【0289】
定義済み条件が満たされている場合、端末1は、サーバー2に、図4および5の要求200に類似の要求223を送信する。
【0290】
次いで、端末1は、確認応答メッセージ224をサーバー2に送信する。
【0291】
端末1とサーバー2との間でその後やり取りされる要求は、図4の例の要求または図5の例の要求に類似のものであってもよい。
【0292】
図示されていない他の変更形態において、ユーザー選好が格納されているメモリにアクセスするように構成されている、サーバーが主体となって定義済み条件が検証される。サーバーは、例えば、端末のユーザーによってすでに購入されている香りの調合とサーバーに格納されている調合とを比較し、次いで、それを端末に送信することを提案することができる。
【0293】
他の変更形態では、端末1は、GPSタイプの、または携帯電話で使用されているような測位システムを備え、定義済み条件は、サーバーと端末との間の距離閾値に関係している。例えば、サーバーは、香り専門店に置かれている基地局に一体化することができ、定義済み条件は、端末と基地局との間の距離が距離閾値より小さい場合に満たされる。
【0294】
スレーブモードにおける再現は、例えば、商業的に提供するという状況において香りを提供するために使用される。
【0295】
一変更形態では、スレーブモードにおけるこの再現は、エクササイズの状況において実行される。
【0296】
端末がスレーブモードで動作するように構成されている場合、ユーザーが調合を再現するのか再現しないのかを決定し、また再現が行われる時期を決定することを可能にすることができる。
【0297】
スレーブ動作モードでは、端末のユーザーは、適切な場合に、上述のニュアンスリザーバーの助けを借りて受信した調合を編集したり、ニュアンスを付けたりすることはできない。
【0298】
端末の他の動作モード
一変更形態において、端末は、受信した調合をユーザーが編集できるように構成される。
【0299】
例えば、調合が、ユーザーインターフェイスの画面上に表示され、ユーザーは、このユーザーインターフェイスのキーを操作して、いくつかの物質の内容を修正することができる。例えば、ユーザーは、ニュアンスリザーバーに収納されている単純な物質の割合を修正するか、またはその調合に、ニュアンスリザーバーに収納されている新しい単純な物質を導入することができる。
【0300】
調合は、端末で印刷することもできる。
【0301】
隠し調合
例えば、隠し調合は、端末に付随するメモリ内に格納され、端末が、例えばサーバーによって伝送された、例えば符号の形態の、許可を受信した後にのみユーザーからアクセス可能である。
【0302】
調合と利用可能な物質との比較。欠損している物質の取り扱いのための対応関係表
上述のように、端末は、端末で物質を識別するデータをサーバーに送信し、サーバーは、そのデータを分析した後、サーバーが端末に送信することを提案している定義済み調合にリストされているにおい物質と端末で利用可能であると識別されているにおい物質とを比較するように構成されうる。
【0303】
第1のサーバー構成の例において、サーバーは、端末で利用可能であるものとして識別された物質のみに基づいて1つまたは複数の調合を決定する。
【0304】
第2のサーバー構成の例では、サーバーは、端末で利用可能であるものとして識別された物質および適切な場合に、端末で利用可能であるものとして識別されていない1つまたは複数の物質に基づいて1つまたは複数の調合を決定する。
【0305】
このような状況の場合、サーバーは、その分析を中断し、いくつかの物質が存在しないことを示す警告メッセージを端末に送信することができる。
【0306】
一変更形態において、データベースは、これらの物質に共通の物理化学的性質に応じたさまざまなにおい物質の間の対応関係表を含み、サーバーは、端末で利用可能な物質と再現される調合の物質とを比較することによって少なくとも1つの調合を決定し、対応関係表を使用して、端末で利用可能でないと識別されている前記調合に含まれるそのまたはそれぞれの物質を端末で利用可能であるものとして識別されている物質に置き換える。
【0307】
この例において、本発明により、1つまたは複数の物質が利用不可能であるか、または少量しか利用可能でないにも関わらず最終的なニュアンスを近似することが可能になる。
【0308】
対応関係表は、においの広いクラスに対し作用し、におい同士の間の近似性に基づいて、必要な場合に、他の物質を提案することができ、他の物質の量を是正することが可能である。例えば、バニリンがない場合、対応関係表は、エチルバニリンを代わりに使用できることを示す。この対応関係表では、バニリンより少ない量のエチルバニリンを使用する必要があることも指定できるが、これはエチルバニリンがバニリンより強いからである。対応関係表は、他の物質の量が再計算される必要があることを示す情報も含みうる。
【0309】
対応関係の表内のそれぞれのにおい物質は、例えば、前記におい物質への近接度で分類された、類似の物質のリストに関連付けられうる。におい物質間の近接度は、例えば、香水エキスパートによって定量化されうる。
【0310】
例えば、物質Aは、6つのにおい物質、物質Aに90%類似している物質B、物質Aに80%類似している物質C、物質Aに70%類似している物質D、物質Aに60%類似している物質E、物質Aに50%類似している物質Fに関連付けることができる。
【0311】
サーバーが対応関係表を使用して、最適化された調合にリストされ、端末で利用可能でないにおい物質のうちの少なくとも1つがその端末で利用可能である少なくとも1つの他のにおい物質で置き換えられるかどうかを判定する場合、サーバーは、利用不可能な物質を端末で利用可能であり、近接度を下げることによって選択されたリストからの物質で置き換えることができる。
【0312】
端末で利用可能な物質がどれも、調合にリストされているが端末では利用可能でない物質に関連する物質のリスト内に載っていない場合、サーバーは、欠損しているにおい物質を端末に送るよう提案するか、または適切な物質を見つけるために社内エキスパートからの助言を得ることを提案することができる。
【0313】
一変更形態において、データベースには対応関係表がなく、端末は、リザーバーに収納されている物質の混合物が利用不可能であると識別されている物質を含むかどうか、またはそれらの物質がリザーバーに収納され、異なる濃度を有するかどうかを発見する探索を行うように構成される。
【0314】
さらに他の変更形態において、サーバーが完全自動化されていない場合、端末で利用可能でない形成されるべき調合の物質は、経験に頼るエキスパートによって置き換えられる。
【0315】
利用不可能であると識別されている物質を端末に追加することもできる。例えば、サーバーは、利用不可能であるものとして識別された物質を端末に装填すべきであるか、または一変更形態において、1つまたは複数の類似の物質を装填すべきであることを端末に対し提案することができ、導入される物質を受け入れるためにどのリザーバーを空にすべきかを指定することができる。空にするリザーバーに対応する物質は、例えば、調合にリストされていないもののうちから、または実際には最も使用頻度の少ないもののうちから選択することができる。
【0316】
欠損している物質が直ちに利用可能でない場合、サーバーは、欠損している物質のオーダーを、物質の購入のためセンターに送信することができる。
【0317】
本発明は、サーバーによって決定された調合にリストされている物質を比較し、端末で利用可能な物質を使用してテスト用香りを分注することを可能にするサーバーに限定されない。
【0318】
このような比較は、端末が調合を再現している間に端末によって実行することもできる。このような状況では、端末に付随するメモリは、例えば、上述のような対応関係表を備えていてもよい。
【0319】
においをよく理解し、嗅覚の教育を行うために調合を調製するためのプログラム
本発明の一実装において、それぞれの端末に付随するメモリは、1つまたは複数の調合の再現を開始するための1つまたは複数のプログラムを格納する。これらのプログラムは、製造時に端末に組み込まれるか、または後からロードすることができる。
【0320】
これらのプログラムにより、調合を再現することが可能になり、一部はただの非常に単純な混合物、または純物質ですらあってもよい。テスト用香りを分注することとは独立して、これらのプログラムを使用することで、調合を再現し、例えば、端末の可能性、何らかの特定の物質の可能性、または物質のパレットを発見するか、または実際には香りの世界に関して1人または複数のユーザーを教育することができる。これらのプログラムを使用することで、嗅覚関係の問題において端末のユーザーの嗜好にアクセスするためにさらに定義されている調合に基づいて調合を再現したり、または調合を生成したりすることも可能になる。
【0321】
また、これらのプログラムを使用することで、端末のユーザーおよびサーバーに関わっているエキスパートは、調合を復元することによって得られる香りを記述するための共通の言葉に関して合意することが可能になる。同じ再現されるにおいに基づく説明を定義することができ、この説明は例えば端末に付随するメモリおよび/またはサーバーに付随するデータベース内に格納される。
【0322】
これらのプログラムは、表現、例えば、調合にリストされている物質およびその量の説明を伴うものとしてよい。表現は、画像、テキスト、楽曲、フィルムクリップ、および/またはアンケートにさらに対応するものとしてもよい。
【0323】
例えば、プログラムは、ゲームの形態をとりうる。
【0324】
このようなプログラムを使用することで、本発明の実装を遊び心のあるものにすることができ、端末のユーザーに対する本発明の魅力を向上させることができ、延いては、ユーザーの教育がしやすくなる。
【0325】
本発明の一実装において、端末およびサーバーは、例えば嗅覚喪失、健忘症、または実際には自閉症を例えば患っている成人もしくは子供の介護または治療において使用することができる。
【0326】
調合発見プログラム
テスト用香りの分注とは無関係に、端末に付随するメモリおよび/またはサーバーに付随するデータベースに格納されているプログラムは、実行されると、新製品を、または調合を再現することによって既存の製品を提示するプログラムも含むことができる。
【0327】
例えば、プログラムは、製造されている製品を提示することができる。
【0328】
プログラムは、ある範囲のさまざまな要素を並べることによって製品を提示することもできる。
【0329】
これらは、製品のさまざまなノートを分解することによって製品を提示することもできる。
【0330】
プログラム、調合、および物質の抑制およびアクティブ化を行うためのシステム
それぞれの端末は、上述のプログラムを抑制するためのシステムを備えることができ、適切な場合には、それに関連付けられうる表現およびアンケートを伴うことができる。例えば、このような抑制システムは、プログラムが起動するのを一時的に、または永続的に阻止するために使用することができる。
【0331】
例えば、プログラムのアクティブ化は、端末がサーバーによって送信されたオーダーを受信した後に可能になるものとしてよい。
【0332】
一変更形態において、抑制システムは、定義済みの日付まで、または所定の持続時間の間、1つまたは複数のプログラムのアクティブ化を阻止するように構成される。例えば、この所定の持続時間は、端末の前の動作の持続時間に対応するものとしてよい。
【0333】
他の変更形態では、抑制システムは、端末のユーザーインターフェイスを介して所定の符号が入力された後、または実際には端末が所定のコンピュータキーに接続された後に、非アクティブ化されるように構成される。
【0334】
香りを分配することを可能にするために、そこで、本発明の例示的な実施形態では、端末が符号の形の許可を受け取るまで、端末に付随するメモリ内に、上述のように、調合を隠しておくことで、所定の日付になるまで発見されるのを阻止することができる。
【0335】
例えば、抑制システムは、定義済み条件の下でのみ、または所定の回数でのみ、調合の再現を可能にするように構成される。
【0336】
調合およびプログラムの伝送、調合の自動伝送
上述のように、端末は、サーバーによって送信された調合を受信することができる。
【0337】
調合、および一般的に、情報は、端末、サーバー、および適切な場合には、他の端末の間で、有線または無線接続に基づいて伝送されうる。
【0338】
端末およびサーバーが互いに離れている場合、接続は、例えば、電話接続もしくはインターネットによって接続され、端末およびサーバーはモデム、ルーターなどの通常のインターフェイスモジュールを備える。例えば、インターフェイスモジュールにより、WiFiまたはWiMAX接続を確立することができる。
【0339】
端末とサーバーがすぐそばにある場合、接続は、ケーブルを使った有線接続、赤外線接続、または無線接続、例えばBluetoothもしくはZigBee接続を伴うものとしてよい。
【0340】
他の変更形態では、端末とサーバーとの間の通信は、互いに近接して配置されている場合、情報が端末のユーザーもしくはサーバーに関っているエキスパートによって手動で、または例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)キーなどのメモリを使って電子的に、または例えば、携帯電話もしくはデジタルパーソナルアシスタントなどの中継装置を介して送信することによって入力されることによって実行されうる。
【0341】
他の通信手段も可能であり、例えば、端末のユーザーまたはサーバーに関っているエキスパートが口頭で、郵便で、ファクスで、もしくは電子メールで調合を受け取り、ユーザーインターフェイスを介して調合を端末またはサーバーのメモリ内に導入する。
【0342】
混合物の個人化を支援するための情報の考慮。
選好を識別するためのプログラム
例えば、サーバーは、テスト用香りを分注することを可能にする調合を考案するか、またはユーザーに応じてそのような調合を選択するために、ユーザーの年齢、嗜好、またはさらには国などの端末のユーザーに関連付けられているユーザー選好に格納されている個人情報を考慮するように構成されうる。
【0343】
端末および/またはサーバーのユーザーインターフェイスは、例えば、ユーザーもしくはエキスパートが前の段落で述べたデータを入力できるように構成されうる。
【0344】
テスト用香りを分注することとは無関係に、それぞれの端末は、端末のユーザーによって実行された好ましいおよび/または嫌いなにおいの選択が別の誰か、人々のグループ、または人々の象徴的なグループによって実行された選択に類似しているかどうかを評価するように構成された、比較システムを備えることもできる。
【0345】
それぞれの端末および/またはサーバーは、調合がどのように変化するかを分析し、ユーザーが行う好ましい修正を抽出するようにも構成されうる。
【0346】
送信および受信される調合を管理するためのインターフェイス
それぞれの端末は、送信および受信される情報を管理するためのインターフェイスを備えることができる。
【0347】
送信および受信される調合を管理するための端末インターフェイスは、例えば、テスト用香りを分注することを可能にする調合をサーバーから受信したことを示す可聴および/または視覚指示機能を備える。
【0348】
一変更形態において、送信および受信される調合を管理するためのインターフェイスは、コンピュータおよび/または電話ネットワークに接続され、テスト用香りを分注するための調合が受信されたときにメッセージ、例えば、SMSもしくは電子メールを端末のユーザーに送信する。
【0349】
送信および受信される調合を管理するためのインターフェイスは、例えば、端末に付随するメモリのフォルダに受信した調合を格納し、物質の種類、調合の種類、または送信者別に分類するように構成されうる。
【0350】
(実施例)
本発明のさまざまな実装について以下で説明する。説明される実施例では、通信標準は3つのセクションからなる。
【0351】
第1のセクションは、4096行を有する表であり、それぞれの行は定義済みの物質に対応している。それぞれの行は、0から255までの範囲内の数を含む。
【0352】
第2のセクションは、4096個のACII文字で構成される一組のコメントである。
【0353】
第3のセクションは、端末ユーザーの識別子、調合の送信日時、調合を識別する番号、および端末で利用可能な物質に対応する8つの行からなる表に関する情報を含む。
【0354】
説明されている実施例では、標準は、物質の性質に関する情報および物質の説明を含まない。
【0355】
さらにこの実施例において、端末およびサーバーは、共通の変換表を共有し、これにより、それぞれの物質を嗅覚記述子に翻訳することができる。
【0356】
(調合の設計、調製、およびやり取り、および経験を伴う実施例)
次に、上述の「使用」再現モードで動作するように構成された本発明の端末の第1の実施形態について説明する。端末は、図7に非常に単純な線図で断片的に示されている。
【0357】
この実施例において、共通ハウジング20は、
Advantech(登録商標)によってPCM4170の名称で販売されているPC 104タイプの超小型パーソナルコンピュータ(PC)、
PCフォーマットに適合された32ビット入出力カード、
PCフォーマットに適合された8リレーカード、
6つの流体取り入れ口と電気コネクタを有する、サプライヤーであるMicroliquid(登録商標)によって3020PCBの名称で販売されている2つのマイクロ流体力学ユニット21および22、
複合におい物質に対応する3つの10ミリリットル(mL)フレキシブルプラスチック製メインリザーバーF1、F2、およびF3、および
単純なにおい物質に対応する5つの2mLフレキシブルプラスチック製ニュアンスリザーバーF4からF8
を収納する。
【0358】
リザーバーおよびマイクロ流体力学ユニットは、図7に表されているように結合される。
【0359】
出口パイプ23は、膨張ポリウレタンフォームで作られたパッド(図示せず)上に開いている。
【0360】
8つのリザーバーF1からF8は、3つの鋼バネによって圧縮されるプレートシステムによる機械的圧力を受ける。
【0361】
「使用」再現モードで動作するように構成された端末の第2の例示的な実施形態において、端末はマイクロ流体力学ユニットを有していない。
【0362】
この例示的な実施形態では、8つのリザーバーF1からF8は、フレキシブルホースによって混合室に接続される。
【0363】
これらのホースは、平行である。図8に示されているように、これらのホースは、中程で、3つのプーリー30、31、および32によって画成される曲がりに従う。
【0364】
これからわかるように、中間プーリー31の軸は、レール上に取り付けられ、ステッパーモーター(図示せず)によって垂直方向に移動できる。プーリーが上向きに移動すると、ホース33はあまり平たくならず、流体を通せる。
【0365】
これらの例示的な実施形態では、PCは8リレーカードを使用して制御される8個のステッパーモーターを有し、これにより、1つまたは複数の流体を8個のモーターのそれぞれを操作することで通すことができる。
【0366】
図9に示されているように、これらの第2の例示的な実施形態の一変更形態では、中間プーリー31は、歯車34で置き換えられる。
【0367】
この歯車の軸は、液体を流すため、ステッパーモーターによって回転されるように取り付けられる。
【0368】
PCは、画面、キーボード、およびマウスを備える。
【0369】
次に、「使用」再現モードで動作するように構成されている端末のPCに対するプログラムの実施例について説明する。
【0370】
PC 104は、以下のプログラムを有する。
物質の配置が修正されたかどうか、または物質が変更されたかどうかをユーザーに問い合わせる「I-Start」と称される開始インターフェイスプログラム。修正または変更された場合、ユーザーは、リザーバーの8つの配置のそれぞれについて、中に入れられている物質のリファレンスを0から4095までの範囲の数字の形態で指定するアンケートに記入する。この表は、「Substance-location」と称される。
リザーバーF1からF3内の3つの複合におい物質を表す3つの点、およびリザーバーF4からF8内の5つの単純なにおい物質の助けを借りて可能な5つのニュアンスを記号化する、これら3つの点を始点とする5つのベクトルを画面に表示するインターフェイスプログラム「I-User」。
【0371】
例えば、このプログラムは、端末、サーバー、および適切な場合には、他の端末に共通の変換手段に基づいて物質のそれぞれの名称を画面に表示させ、この変換手段によりリファレンス0から4095が物質のそれぞれの説明に関連付けられる。
【0372】
端末に付随するメモリが調合を格納している場合、受け取った調合であろうと、設計された調合であろうと、記録された最近の調合が始点と、それに加えられるベクトルと合わせた形式で画面に表示され、これはニュアンスの可能な追加に対応する。適切な場合には、この画面に、必要に応じて他の調合を表示することも可能である。
【0373】
本発明のユーザーインターフェイスを使用することで、ユーザーは、ニュアンスベクトルの追加または削除を行い、および/または3つの複合開始物質のうちから1つ選択することができる。複合開始香りは、例えば、値0もしくは値100を、それぞれが複合開始物質のうちの各1つに関連付けられている3つの部分メモリのそれぞれに入力することによって選択される。1つまたは複数のニュアンスベクトルも選択することができ、それぞれのニュアンスベクトルについて、その大きさは5%の倍数としてよい。これらのベクトルは、V1からV5と称される5つの部分メモリに関連付けられ、0から100までの範囲にある値を前記部分メモリのそれぞれに入力することが可能である。
【0374】
このインターフェイスでは、ユーザーは、最大4096個までの英数字の文字列の形式でコメントを入力することもできる。
【0375】
PCは、さらに以下を備えることができる。
毎回、4096種類のありえる物質のそれぞれに対応する4086行からなる表を使用する、調合計算プログラム「Formulation -calculation」。この表は、「Formulation」という名前と付けることができる。このプログラムは、表の各行に、物質のリファレンスの代わりに、値D1、D2、D3、V1、V2、V3、V4、V5を入力し、それぞれの値を、値(D1+D2+D3+V1+V2+V3+V4+V5)で割ることによって小さくするように構成される。
端末がPCに組み込まれている非対称型デジタル加入者回線(ADSL)モデムを使用して調合ファイル、コメントファイル、および「ユーザー」ファイルを送信するための「Formulation-transmission」と称する調合伝送プログラム。ユーザーファイルは、サイズが約4096バイトであり、データとして、ユーザーコード、送信日時、および「substance-location」表を格納することができる。「Formulation-transmission」プログラムを使用することで、端末は調合ファイルを受信でき、また調合を受け取った日時を画面に表示し、物質のリストで表されている調合を示すことによってユーザーに対する警告を生成することができる。このプログラムでは、ユーザーから同意を得た後、プログラム「I-Preparation」を実行することによって調合の再現を分析することも可能である。
インターフェイスが調合の物質が端末で利用可能な物質に適合していることを確認し、物質が欠損している場合にユーザーに警告し、分注する香りの量および再現プログラムをアクティブ化する許可を要求する、「I-Preparation」と称される再現の準備をするためのインターフェイスプログラム。
端末が、それぞれの物質に対応する「substances-activation」と称される8行ファイルを作成することによって、また調製される香りのすでに入力されている量を掛けた「formulation」表からの値を割り当てることによって調合をアクティブ化される物質に変換する、「formulation-reproduction」と称される調合再現プログラム。このプログラムは、それぞれの物質に対するそれぞれの弁について、例えば0.01を掛けた、「substance-activation」表の値に対応する、所定の長さの時間の間、ディスペンサー手段の弁も作動させる。調合再現プログラムは、例えば、分注される香りの量を2gの閾値と比較し、閾値を超えた場合に、端末が「使用」再現モードに入っているため、端末による調合の再現を阻止することができる。次いで、サーバーは、調合を再現する要求を、「製造」再現モード入っている第2の端末に送信することができる。
【0376】
説明されている実施例において、端末のそれぞれのリザーバーF1からF8は、活性材料25%とエタノール75%を含む、におい物質を充填される。
F1は、伝統的な男性向けの複合香り物質、Giorgio Armani(登録商標)によるAqua di Gio(商標)に対応する。
F2は、スポーツマン向けの複合香り物質、Ralph Laren(登録商標)のPolo Blue(商標)に対応する。
F3は、若い男性向けの複合香り物質、Giorgio Armani(登録商標)のArmani Code(商標)に対応する。
F4は、例えば白檀材、シーダー材、またはベチベル材に由来する、ウッディードミナントの単純な物質に対応する。
F5は、レモンのエッセンシャルオイル、ベルガモットのエッセンシャルオイル、またはオレンジのエッセンシャルオイル(ネロリ)などの単純なものが支配的な単純な物質に対応する。
F6は、ホワイトムスクまたはガラクソリドなどのムスクドミナントの単純な物質に対応する。
F7は、カロンなどのマリーンドミナントの単純な物質に対応する。
F8は、エチルマルトールまたはエチルバニリンなどのグルメドミナントの単純な物質に対応する。
【0377】
説明されている実施例では、サーバーは、香りを作る専門家である人が関わっている。サーバーは、上述のものと同じ物質を収納するリザーバーを有する。
【0378】
この実施例では、サーバーは、アルコール系の香りに対するにおいの分野における各種においのかなり大きなコレクションを形成する200種類の物質のストックも有する。
【0379】
説明されている実施例では、サーバーおよび2つの端末は、毎秒2メガビット(MB/s)で伝送できる電話ネットワーク接続を介して結合される。2人のユーザーおよびエキスパートが、プログラム「I-Start」を実行することによって開始する。
【0380】
次に、本発明をどのように使用するかを示すいくつかの実施例を説明する。
【0381】
(実施例1-テスト用香りの分注)
サーバーは、例えば上述の定義済み条件のうちの少なくとも1つが満たされていることを確認した後に、例えば、香り専門店に関する端末の位置または来る誕生日または端末のユーザーもしくは親類縁者の他のお祝いの日に関係する条件を確認した後に、上述の「Formulation-transmission」プログラムを使用することによって端末でテスト用香りを分注することを可能にする調合を伝送する。
【0382】
調合の受信によって警告された場合、端末のユーザーは、受信した調合を再現し、5mgの一定量を調製することを決定することによってテスト用香りを分注することを決定する。
【0383】
次いで、端末は、テスト用香りを分注することを知らせる要求をサーバーに送信し、支払いのためにユーザーに関連付けられている勘定を貸方に付ける。
【0384】
(実施例2-ユーザーがニュアンスを追加するオプションを有する場合のテスト用香りの分注)
サーバーは、実施例1と同様にして、テスト用香りを端末で分注することを可能にする調合を送信する。
【0385】
受信した調合は、端末のユーザーインターフェイスに表示され、ユーザーは、適切な場合に、ニュアンスリザーバーに収納されている単純な物質のうちの1つまたは複数の含有量を加減することを目的として、および/または追加の単純な物質を調合に導入することによって、受信したとおりに調合を再現した後、ニュアンスを加えることを決定する。
【0386】
次いでユーザーは、端末を操作して、ニュアンスを付けた調合を再現する。
【0387】
(実施例3-ユーザー選択オプションによるテスト用香りの分注)
サーバーは、例えば実施例1と同様にして、テスト用香りを端末によって分注することを可能にする4つの調合を送信する。
【0388】
受信した調合は、端末のユーザーインターフェイスに表示され、ユーザーは、適切な場合に、受信した調合を再現した後、選好順で分類することを決定する。
【0389】
(実施例4-分析オプションによるテスト用香りの分注)
サーバーは、例えば実施例1と同様にして、テスト用香りを端末で分注することを可能にする調合を送信する。
【0390】
受信した調合は、端末のユーザーインターフェイスに表示され、ユーザーは、適切な場合に、受信した調合を再現した後、意見を返すことを決定する。これは、自由形式の返信を使って、または考えられるいくつかの意見の定義済みフォームに記入することによって行える。
【0391】
(実施例5-サードパーティによって提案されるテスト用香りの分注)
サードパーティは、サーバーとコンタクトして、特定の香りが対象受信者の許容可能なギフトとなるかどうかを調べる。次いで、サーバーは、例えば実施例1と同様にして、テスト用香りを対象受信者の端末によって分注することを可能にする調合を匿名送信する。
【0392】
受信した調合は、適切な場合に、受信した調合を再現した後に、受信した調合に関する意見を述べることを決定した対象受信者の端末のユーザーインターフェイスに表示される。サーバーは、サードパーティにコンタクトし、対象受信者の意見を転送する。
【0393】
本発明は、上で説明されている実施例に限定されない。
【0394】
特に、異なる実施形態を参照しつつ説明された特徴を互いに組み合わせることが可能である。
【0395】
説明されている実施例では分注するテスト用香りに対応する調合が、サーバーによって送信されるけれども、本発明は、調合が、後でサーバーとして動作する、第2の端末によって送信されることを除外しない。
【0396】
「1つの...を含む(備える)」という言い回しは、「少なくとも1つの...を含む(備える)」と同義であると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0397】
1 端末
2 サーバー
11 メインリザーバー
12i ニュアンスリザーバー
121〜1219 ニュアンスリザーバー
13 リザーバー
14 電池
20 共通ハウジング
21、22 マイクロ流体力学ユニット
23 出口パイプ
30、31、32 プーリー
34 歯車
200 要求
201 確認応答メッセージ
203 確認応答メッセージ
204 要求
205 確認応答メッセージ
206 要求
207 確認応答メッセージ
210 要求
211 確認応答メッセージ
220 要求
221 確認応答メッセージ
222 要求
223 要求
224 確認応答メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインタラクティブ型香り調合端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーを備えるシステム内で少なくとも1つのテスト用香りを分注する方法であって、それぞれのインタラクティブ型端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香りを作るために使用される複数のにおい物質と、
前記端末から前記複数のにおい物質のうちの選択された1つのにおい物質を分注するためのディスペンサー手段と、
前記端末が前記サーバーと通信することを可能にするネットワークインターフェイスと、
ユーザーインターフェイスとを備え、
前記方法において、前記サーバーは、前記端末がテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを、前記テスト用香りを分注する時期の自由な選択を前記端末の前記ユーザーに任せつつ、少なくとも1つの端末に自動的に送信する方法。
【請求項2】
前記サーバーは、自動的に、前記同じ調合を記述したデータを複数の端末に送信する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末の前記ユーザーは、前記ユーザーインターフェイスの助けを借りて分注する1つまたは複数の物質を選択することができる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記サーバーによって送信された前記データに記述されている前記テスト用香り調合は、前記データの送信先となる前記端末の前記ユーザーに関連付けられているユーザー選好に応じて決定される請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記テスト用香りの前記調合を記述したデータを端末に送信する前記ステップは、前記端末の前記ユーザーに関連付けられている定義済みの条件、特に、前記端末の位置、前記端末の使用、コンピュータ化された支払い手段の使用、または前記ユーザーの前記端末で利用可能な前記におい物質に関係する条件を前記サーバーが検出することを条件として実行される請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記端末の前記ユーザーに関連付けられている前記定義済み条件は、前記端末で利用可能な前記におい物質に関係し、前記サーバーは、前記テスト用香りを分注するために前記調合にリストされている前置端末で利用可能でない前記物質を前記端末に知らせる請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記端末の前記ユーザーは、前記サーバーによって送信された前記データに記述されている調合の前記テスト用香りに関連付けられているパッケージ製品をオーダーすることができる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記サーバーによって送信される、前記テスト用香りの前記調合を記述した前記データは、前記端末に付随するメモリに格納されている調合を参照する請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記格納されている調合は、隠されており、前記端末の前記ユーザーによる前記調合へのアクセスは前記サーバーによって送られる許可を受けた後でないと可能でない請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サーバーは、前記端末の前記ユーザーが前記テスト用香りの分注をオーダーした場合に前記端末に関連付けられている勘定を借方または貸方に付ける請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記テスト用香りの前記調合を記述した前記データを受信した前記端末の前記ユーザーは、前記受信した調合を修正することができる請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記テスト用香りの前記調合を記述した前記データを受信した前記端末の前記ユーザーは、前記ユーザーによって選択された別の端末に前記データを転送することができる請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザーは、前記テスト用香りの前記調合を記述した前記データの前記伝送にメッセージを添付することができる請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記サーバーは、前記テスト用香りの前記調合を記述した前記データに関連付けられているマルチメディアデータを伝送する請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記サーバーによって前記少なくとも1つの端末に自動的に送信された前記データは、前記端末によってまだ再現されていない調合を記述したデータである請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ディスペンサー手段、前記ユーザーインターフェイス、および前記ネットワークインターフェイスは、単一のデバイスに組み込まれる請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記におい物質は、互いに独立して、前記端末内に配置することが可能なリザーバーに収納される請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
複数のインタラクティブ型香り調合端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーであって、それぞれの端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香りを作るために使用される複数のにおい物質と、
前記端末から前記複数のにおい物質のうちの選択された1つのにおい物質を分注するためのディスペンサー手段と、
ユーザーインターフェイスと、
前記端末が前記サーバーと通信し、それによりテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを前記サーバーから受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備え、
前記サーバーは少なくとも1つの端末に、少なくとも1つのテスト用香りを分注することを可能にする少なくとも1つの調合を記述したデータを自動的に送信し、前記テスト用香りが分注されたことを確認するメッセージを前記端末から受信するように構成されるサーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−510103(P2012−510103A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537004(P2011−537004)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055309
【国際公開番号】WO2010/058380
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】