説明

少なくとも2つの警告ランプを備えた警告灯装置

【課題】警告灯装置に関して、複数の異なる技術的装置の監視を、少ない費用で実現する。
【解決手段】警告灯装置は、少なくとも1つの第1の点灯ユニット2を有する第1の警告ランプと、少なくとも1つの第2の点灯ユニット2を有する、少なくとも1つの第2の警告ランプと、を備える。また複数の異なる技術的装置の間でデータおよび/または制御信号を伝送するための電子機器接続手段31を設ける。少なくとも2つの警告ランプの間でデータおよび/または制御信号を伝送するために、少なくとも1つの電子警告ランプ接続手段6、9、11、13が設けられていることと、電子警告ランプ接続手段6、9、11、13が、無線による制御信号および/またはデータの伝送のために、少なくとも1つの送信機および/または受信機11を備えることとによって実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば機械、プラント、車両等の第1の技術的装置の少なくとも1つの動作状態、特に複数の異なる動作状態を視覚的に示すための、少なくとも1つの第1の点灯素子を備える少なくとも1つの第1の点灯ユニットを有する第1の警告ランプと、これに対応する少なくとも1つの第2の警告ランプと、を備えた、請求項1のプリアンブル部分に係る警告灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば本出願人のドイツ特許出願公開第19 513 983 A1号公報から、多数の交換モジュールを有するシグナルコラムはすでに公知であり、個々の交換モジュールを相互に機械的および電気的に接続するために、差し込みロック装置が設けられている。この構成においては、交換モジュールの組立てによって、すでに電気的接触が実現されている。
【0003】
一般的に、1つのシグナルコラムの中で、このような交換モジュールは異なった色を有する。交通信号機の色の組み合わせが高い頻度で選択され、例えば、緑色が、不良のない動作を表し、赤色が危険または機械のシャットダウンなどを表す。
【0004】
各交換モジュールは、1つの白熱灯、または1つもしくは複数の発光ダイオードを有する。これら白熱灯および発光ダイオードは、すでに対応する色が付けられているか、もしくは白色光を発し、対応する色が付けられた覆いがその交換モジュールを所望の発光色に定める。
【0005】
実際に、監視対象である技術的装置の動作状態は、その場にいる操作者だけでなく、場合によっては監督者、指揮者、またはその技術的装置の側に常にいるわけではない操作者にとっても重要であり得ることが分かっている。したがって、技術的装置の動作状態または警告ランプの動作状態を、例えば、対応するSMS等により無線通信を介して、例えば操作者の携帯電話に伝達する、上記交換モジュールまたはシグナルコラムに対応する交換モジュールまたはシグナルコラムが、例えばドイツ特許第100 58 695号公報またはドイツ特許出願公開第10 2004 0123 09 A1号公報から、すでに公知である。
【0006】
警告灯コラムのこのような遠隔監視は、技術的装置の実際の運用または監視をそれぞれ向上させたが、特に、複数または数多くの監視対象である技術的機械を有し、それに対応するシグナルコラムも有する大きな工場においては、これが限られた範囲内でしか有効でなかったり、表示する動作状態を割り当てる能力が損なわれたりすることも分かった。しかし、これは、しばしば、シグナルコラムすなわち警告ランプによって果たされるべき安全に関連する監視機能の問題となるため、複数の技術的装置または警告ランプの監視における相当な安全上のリスクを意味する。
【0007】
そのため、それぞれにシグナルコラムを有する複数の機械を備えたネットワークが、ドイツ特許出願公開第101 24 132 (A1)号公報からすでに公知であり、これらのシグナルコラムは、それらの機械の共通伝送経路を介して、ネットワークにリンクされている。これにより、シグナルコラムの動作状態は、コンピュータまたはスクリーンによって集中的に表示することができる。
【0008】
しかし、この装置の不都合な点は、製造機械とシグナルコラムとスクリーンとを備えたネットワークが、統一的な制御または通信システムを有していなくてはならないことである。だが実際には、一緒にネットワーク化された機械のほかに、独立した機械および/または様々な互換性のないバスシステムを有する機械や機械群もしばしばある。特に、長い歴史のある比較的大きな工場では、数十年または数世代に亘って機械が使用されている場合もある。場合によっては、例えば動作状態の中央監視を行うことが出来るように、これらの機械を一緒にネットワーク化することが不可能であったり、例えばドイツ特許出願公開第101 24 132 (A1)号公報に従って、機械の動作状態の中央監視を行うことが出来るように一緒にネットワーク化するには、相当な技術的または電子的な複雑さを伴ったりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、特に、複数の異なる技術的装置の監視を、先行技術の場合と比べて非常に簡単に実行し得る、少なくとも2つ以上の警告ランプを備えた警告灯装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
最初に言及したタイプの警告灯装置を始めとして、この目的は請求項1の特徴事項により達成される。従属項において言及されている手段は、本発明の好適な実施形態および展開例を提供する。
【0011】
すなわち、少なくとも2つの警告ランプを備えた本発明による警告灯装置は、第1および/もしくは第2の技術的装置の、第1および/もしくは第2の電子制御装置とは別に、ならびに/または、電子機器接続手段とは別に、少なくとも2つの警告ランプ間でデータおよび/または制御信号を伝送するための少なくとも1つの電子警告ランプ接続手段が設けられていることと、その電子警告ランプ接続手段が、無線制御信号および/またはデータの伝送のための、少なくとも1つの送信機および/または受信機を備えることと、により特徴づけられる。
【0012】
この手段によって、警告ランプは、データおよび/または制御信号を好適に相互にやり取りすることができる。更に、少なくとも2つの警告ランプのデータおよび/または制御信号は、警告灯装置の別の要素、特に一緒に使用可能な要素、ならびに/または、中心となる要素に対して、および/もしくは、その要素から伝送することができる。
【0013】
本発明によるこれらの能力は、主に、警告灯装置の動作信頼性または複数の技術的装置それぞれの監視の動作信頼性を向上させ、更に、これらの能力は、本発明による警告灯装置によって実現され得る、完全に新規な機能性を成立させる。
【0014】
例えば、それぞれ異なる電子システムまたは制御・動作システムを有する工作機械、車両等のような非常に様々な装置を、本発明による警告灯装置を用いて一緒に監視または中央制御し得ることは、本発明の特に有利な点である。これに関連して、警告ランプ、および/または警告灯装置の別の構成要素、または、中心となる構成要素の、共通の電子システムまたは共通の制御装置が、都合よく使用される。
【0015】
例えば大規模な製造現場または工業用建物においては、改良されたり、後になって電子制御が組み込まれたりした例えば20世紀中頃からの機械や、特殊な電子制御バスを備えた20世紀末からの機械に加えて、自動動作し得る、新規なバスシステムを備えた最新の非常に複雑な機械も見受けることがよくある。本発明は、有利なことに、これらの非常に多様な監視対象である機械の、非常に多様な制御システムまたはバスシステム等にはアクセスせず、警告ランプにアクセスして、これらの警告ランプを本発明に従って好適に接続する。したがって、複雑であったり、時にはほぼ不可能であったりする、複雑なインターフェイス等を用いた非常に多様な機械または機械制御部の接続が、本発明を用いることにより不要になる。
【0016】
本発明によれば、警告灯装置が独立した、すなわちパラレルなネットワークを実現する。つまり、本発明は、技術的装置の電子制御装置の伝送経路すなわち電子機器接続手段の伝送経路とは独立したすなわちパラレルな警告ランプ伝送経路を実現する。
【0017】
本発明による警告灯装置は、対応するセンサ等を用いて、監視対象である装置から情報/データを受信する。その他の点では、本発明による警告ランプのネットワークまたは警告灯装置のそれぞれが、監視対象である装置、または場合により存在する装置のネットワークから完全に独立している。その結果、本発明による警告灯装置は、共通する通信経路すなわち同一のバスシステムを有していてもよい。したがって、開発、製造、実施または試運転等は、標準化された方法で、監視対象である装置とは無関係に行うことができる。とりわけ、これによって大量化がもたらされたり、標準化されたすなわち汎用の警告ランプや、ハードウェア部品および/またはソフトウェア/プログラミング等がもたらされたりし、経済的見地からみて非常に有利である。
【0018】
更に、本発明は、比類ないほど広く利用することができる。原理的には、電子警告ランプ接続を完全にケーブル接続式で実施することも可能であろうが、これはあまり現実的ではないと思われる。例えば、一方で、少なくとも部分的に無線制御信号および/またはデータの伝送を用いることにより、あまり複雑なやり方でなく、例えば工業用建物等の内部に長い伝送経路を構築し、他方で既存の施設に改良を行うことも、むろん可能である。
【0019】
特に既存の施設においては、例えば広い製造場の中央部に機械が配設されている場合、例えば製造管理者等のオフィスまで、個別の比較的長いデータ伝送用ケーブルを設置することは、ほぼ不可能であることが多い。
【0020】
更に、無線による制御信号および/またはデータの伝送を用いて、警告ランプすなわちシグナルコラムを備えた移動可能な装置を監視し、それを本発明による警告ランプネットワークにリンクさせることも可能である。例えば、フォークリフト、トラクタ等の車両をリンクさせることができる。したがって、動作状態を監視すべき全ての関連する装置をネットワーク化することができ、好ましくは、本発明により集中的に取り扱うまたは制御することができる。
【0021】
したがって、本発明によれば、非常に多様な技術的装置のネットワーク化を、好適な警告灯装置を用いることにより、あまり複雑にならずに実現することができる。このことは、複数の技術的装置または複数の警告ランプの監視における著しい改良を表しており、主に、監視対象である技術的装置の動作信頼性の明らかな向上にもつながる。
【0022】
本発明の特別な展開例においては、少なくとも第1および/または第2の警告ランプの少なくとも1つの動作状態、特に複数の異なる動作状態を視覚的に示すための少なくとも1つの表示装置が備えられ、少なくとも第1ならびに/または第2の警告ランプと表示装置との間で、データおよび/もしくは制御信号を伝送するための電子警告ランプ接続手段が構成される。その結果、表示装置を警告ランプとは無関係に目立つ位置に配置することが可能であるため、監視者は、警告ランプの動作状態を中央位置から特に良好に検査することができる。
【0023】
この表示装置は、少なくとも1つのモジュール点灯素子を備えた少なくとも1つの交換モジュールを有する、シグナルコラムとして構成されていることが好ましい。この構成において、シグナルコラムは、それぞれ少なくとも1つのモジュール点灯素子を含む複数の交換モジュールを、都合よく有している。これらの手段を用いることにより、表示コラム、特に中心となる要素について、シグナルコラムとして構成されることが多い警告ランプの表示原則を採用することが可能である。操作者が、起こり得る混乱を回避する1つの統一された警告表示システムを理解するだけで十分なため、これによって、本発明による警告装置の動作信頼性が向上する。
【0024】
本発明の有利な変形例においては、第2の警告ランプが第1の技術的装置として構成されているか、または構成され得る。その結果、第1の警告ランプは、第2の警告ランプの動作状態を視覚的に表示することができる。詳細には、本発明による少なくとも1つの第3または第4の警告ランプが設けられ、その第3または第4の警告ランプが、第1の警告ランプの第1の技術的装置として構成されているか、または構成され得る。
【0025】
本発明によれば、第1の警告ランプ、ならびに/または、警告灯装置の別の構成要素、特に一緒に利用可能であり、および/もしくは中心となる構成要素は、第2、第3、第4等の警告ランプを視覚的にコピーしたり、有利な電子的接続によってその他の警告ランプの動作状態を少なくとも表示またはコピーしたりすることができる。
【0026】
1つの警告灯装置すなわち警告ランプシステム/群の中に少なくとも3つ以上の警告ランプが用いられる場合、各警告ランプ、ならびに/または、警告灯装置の別の構成要素、特に一緒に利用可能であり、および/もしくは中心となる構成要素は、少なくとも1つ、または実質的に全ての他の警告ランプ、および他の構成要素をコピーしたり、それらの動作状態をそれぞれ表示したりできることが好ましい。それにより、例えば、好適な選択装置を用いて、どの構成要素および/または警告ランプ、すなわちその動作状態が、特定の警告ランプによって表示されるべきかを選択することができる。これは、例えば、操作者が、更に遠くに離れている第3の警告ランプの動作状態を、第1の警告ランプ、ならびに/または、警告灯装置の別の構成要素、特に一緒に利用可能であり、および/もしくは中心となる構成要素において表示させようとすること、を意味する。本発明および場合により好適な選択装置を用いて、操作者が例えば第3の警告ランプを選択し、その結果、この具体例の場合、第1の警告ランプ、および/または警告灯装置の別の構成要素、または中心となる構成要素を選択し、そのうえで第3の警告ランプの現在の動作状態を表示することが好ましい。これは、警告灯装置内にある他の警告ランプについて、同様に実施することができる。
【0027】
したがって、本発明によれば、1人の操作者が、特定の場所で、すなわち1つの警告ランプ、および/または警告灯装置の別の構成要素、または中心となる構成要素の範囲内で、多大な努力をせずに、他の警告ランプまたは他の全ての警告ランプも監視することができ、したがって、例えばCNC工作機械、印刷機、コンベアベルト等の監視対象である全てのまたはその他の技術的装置の動作状態を、間接的に監視することができる。
【0028】
特定の警告ランプ、および/または警告灯装置の別の構成要素、または中心となる構成要素によって動作状態が表示されるべき各警告ランプを選択するための、上記の選択装置とは別に、例えば、警告灯装置内に統合された各警告ランプの定期的な処理による、または、一時的に連続した表示が提供され得ることも、更に考えられる。この構成においては、例えば、別体の交換モジュールおよび/または数字表示器等のような、有利であり場合によっては別体の表示要素が設けられてもよく、それにより、各操作者は、どの警告ランプが、対応する警告ランプおよび/または警告灯装置の別の構成要素、または中心となる構成要素によって、現在表示またはコピーされているのかを検出する。
【0029】
その代わりとして、またはそれと併せて、特定のすなわち第1の警告ランプ、および/または警告灯装置の別の構成要素、または中心となる構成要素のそれぞれにより警告ランプをコピーするために、例えば他の警告ランプ、ひいては技術的装置の特別な動作状態を表示する、特別な警告ランプを設けることもできる。このことは、例えば、本発明の有利な実施形態における第1の警告ランプが、例えば赤色点灯ユニットなどの、実質的に同じ色を有する複数の点灯ユニットを有することを意味し得る。これにより、この第1の警告ランプは、主に「赤色」すなわち他の警告ランプの特に重大な動作状態を表示し得る。
【0030】
とりわけ、全部で6つの警告ランプを備えた本発明による警告灯装置において、ここでは中央警告ランプと呼ばれる第1の警告ランプは、例えば5つの赤色点灯ユニットを有し、例えば下から1番目の点灯ユニットが第1の別の警告ランプに割り当てられ、その第1の別の警告ランプ内で対応する赤色点灯ユニット点灯された場合に、点灯されることが考えられる。このことは、2番目の警告ランプに対する中央警告ランプの下から2番目の点灯ユニットにも、同様に適用され、3番目の警告ランプに対する中央警告ランプの3番目の点灯ユニット等にも適用される。この実施形態においては、例えば、他の警告ランプそれぞれを選択するための前述の選択装置は不要である。
【0031】
このような中央警告ランプすなわち第1の警告ランプ、および本発明による警告灯装置の別の構成要素、または中心となる構成要素の特に有利な点は、例えば工場の入り口部分および/または工場長、監督等の見える範囲内または工場長、監督等のところなど、特定の場所に置くことができることである。これにより、全てのまたは他の警告ランプの(特別な)動作状態を、有利な第1の警告ランプすなわち中央警告ランプおよび/または警告灯装置の別の構成要素、または中心となる要素を用いて、集中的に監視し検出することができる。
【0032】
前述の例示的な実施形態において、第1の警告ランプの点灯ユニットの数、すなわち中央警告ランプ/シグナルコラムの点灯ユニットの数は、好適には基本的に他の警告ランプの数に対応する。
【0033】
第1の警告ランプ/シグナルコラムが、他の警告ランプ/シグナルコラムまたは各警告ランプをほぼコピーし、または警告灯装置内の各警告ランプが、それぞれ他の警告ランプをほぼコピーすることができる、前述の例示的な実施形態において、第1の警告ランプの点灯ユニットの数、または全ての警告ランプの点灯ユニットの数は、好適には基本的に同じである。
【0034】
本発明の好適な変形例では、接続手段は、少なくとも2つの異なる警告ランプの動作状態を検出するための少なくとも1つの中央検出装置を備え、この中央検出装置は、好ましくは前述された警告灯装置の別の構成要素、すなわち中心となる構成要素として構成されている。これにより、点灯ユニットの動作状態ならびに/または警告ランプの動作状態の、有利な集中的な検出、および/もしくは監視、および/もしくは制御、および/もしくは評価、および/もしくは表示を行うことができる。これは同時に、もしくはほぼ同時に行うことも、また遠隔操作によりタイミングを合わせて、もしくはやや遅延的に行うこともできる。したがって、この手段は、2つ以上の技術的装置または警告ランプを監視する際の、動作信頼性の明らかな向上を意味する。例えば、中央検出装置は、監視対象である装置または警告ランプから遠く離れた位置にあってもよく、および/または別の建物内にあってもよい。
【0035】
中央検出装置は、コンピュータ、特に携帯用コンピュータとして構成されると有利である。その結果、好ましくは有利なソフトウェアと、場合により特殊なハードウェア要素とにより構成された、市販の構成要素を使用することができる。それにより、本発明は経済的に有利に実現される。
【0036】
本発明による接続手段は、電気接続ケーブルを備えることが好ましい。存在する警告ランプ/シグナルコラム、および/または別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置を、接続ケーブルを用いて接続することは、比較的簡単であり、費用を節約して実現することができる。例えば、第1警告ランプの制御装置は、第2警告ランプまたは第3、第4警告ランプの制御装置と、場合によっては別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置を介して、好適なやり方で接続することができる。
【0037】
その代わりに、またはそれと併せて、異なる警告ランプ/シグナルコラムの個々の点灯ユニットもまた、特に接続ケーブルを用いて、有利に相互接続されていてもよく、別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置を介して接続されていてもよい。
【0038】
例えば、複数の点灯ユニットまたは警告ランプが共通回路で相互に電気的に接続されている接続手段が、実現され得る。これらの点灯ユニットは、互いに並列に接続されていることが好ましい。このような有利な電気的相互接続により、特定の警告ランプの動作状態の、他の警告ランプおよび/または中央警告ランプに対する単なるコピーまたは伝送が実現し得る。
【0039】
本発明による接続手段は、有利なことに、少なくとも2つの警告ランプ/シグナルコラム、および/または別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置の間における無線データ伝送のための、複数の送信機および/または受信機を備える。こうした2つの警告ランプ、および/または別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置の間、またはほとんどすべてのユーザ/その警告ランプネットワークの構成要素の間において無線接続を用いれば、特に融通性のある接続が可能になる。この構成の場合は、対応する警告ランプまたは点灯ユニットの間に、ケーブルが通らない。
【0040】
この無線接続によって有利に実現し得るのは、特に、本発明による警告ランプ、すなわち本発明による警告灯装置によって監視すべき、複数の技術的装置すなわち機械を備えた工場において、本発明を後付けで設置することである。
【0041】
本発明の特殊な展開例において、各点灯ユニットは、デジタルデータ伝送装置にアドレス可能なインターフェイスを有する、その点灯ユニットの動作状態を制御するための少なくとも1つの制御装置を備える。この手段により、点灯ユニットは、デジタルデータ伝送装置が、点灯ユニットの対応アドレスを含むデータを、その点灯ユニットのアドレス可能なインターフェイスに伝送する場合、これまでのような電力供給装置から電力供給される場合に通常点灯されるのとは違うように点灯される。すなわち、インターフェイスは、対応して伝送されたアドレスすなわち正しいアドレスを有する点灯素子への電力を、都合よく切ったり接続したりする。すなわち、電力供給とは別に情報の伝送が行われる。これに関連して、1つの点灯ユニットまたは数個もしくは多数の点灯ユニットに電力を供給するのには2つの電力導体要素すなわち電力供給ケーブル等で十分である。
【0042】
好都合なことに、本発明による複数の点灯ユニットは、電力供給に関して連続的に相互接続されているか、または1つ以上の点灯ユニットに対して単一の回路が提供されている。点灯ユニットの動作、すなわち点灯ユニットの点灯は、アドレス指定により実現される。これは、例えば、複数例えば8個の点灯ユニットがある場合、関連するアドレスがデジタルデータ伝送装置によってアドレス可能なインターフェイスに伝送され、特定のインターフェイスすなわち点灯ユニットの都合よく指定されたアドレスと一致すると、その特定の点灯ユニットが点灯されることを意味する。したがって、インターフェイスは、点灯ユニットの点灯素子を、電力供給に対して切ったり接続したりする。
【0043】
データ伝送装置により伝送されたアドレスが、点灯ユニットの指定アドレスと一致しない場合、対応する点灯ユニットのインターフェイスは切り替わらない。これは、点灯素子と電力供給装置との間に接続が生じないことを意味する。
【0044】
本発明の特殊な展開例においては、警告ランプ/シグナルコラム、および/または点灯ユニット、および/または別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置のそれぞれに対して、少なくとも1つのアドレスおよび/または1つのコードが、基本的に割り当てられる。警告灯装置、すなわち警告ランプ/シグナルコラム、点灯ユニット等において存在する、個々の構成要素または使用者のアドレス指定またはコード化によって、明確で有利な割り当てが実現し得る。このことは、特に無線によるデータ伝送または接続の場合には、特に有利である。
【0045】
例えば、本発明によれば、点灯ユニットのアドレス指定は次のように実現し得る。例えば、少なくとも2桁の数またはコード化が行われ、例えば1桁目が各警告ランプを表し、2桁目がこの警告ランプの各点灯ユニットの番号を表す。別のアドレス指定やコード化もまた考え得る。
【0046】
本発明の有利な変形例においては、警告ランプおよび/または点灯ユニットのうちの少なくとも1つの動作状態を記憶するために、具体的には中央検出装置またはコンピュータに、少なくとも1つの電気的データメモリが備えられている。例えば、このような有利なデータメモリを用いて、例えば1月または1年といった特定の動作期間の間、特に、統計的評価を好適に実現することができる。例えば、監視対象である技術的装置の休止時間を、対応するように計算または測定することができる。これに関して、記憶された動作状態は、好適に追加または累積して、詳細に表示することができる。
【0047】
警告ランプ/シグナルコラム、および/または点灯ユニットのうちの少なくとも1つの動作状態を視覚的に表示するために、少なくとも1つのディスプレイ装置が備えられていることが好ましい。具体的には、ディスプレイ装置はスクリーンとして構成され、および/またはシグナルコラムとして構成された表示装置に加えて設けられる。このような有利な視覚的表示を用いることにより、複数の警告ランプの中央監視または遠隔監視の全く新しい可能性が得られる。
【0048】
更に、特にディスプレイ装置を用いることによって、記憶された動作状態または統計的に評価された動作状態の視覚的表示を行うことも可能である。
ディスプレイ装置は、警告ランプ/シグナルコラム、および/または点灯ユニット、および/または接続手段、および/または別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置の全てを視覚化するために構成されていることが好ましい。これにより、関連する全ての構成要素すなわち警告ランプ/点灯ユニットの総合的な監視が有利に提供される。これは、例えば個々の警告ランプ、ひいては、機械、具体的には工作機械等のような個々の技術的装置を、場合によっては、好適な記憶を用い遅延的に観察または制御し、また/または統計的な計算を行い、またこれらを好適に表示して、集中的にすなわち一括して検出するために、特に工場長、監督、経営者等にとって、非常に有利である。その結果、新規な方法で、監視対象である技術的装置の動作の最適化を実現することが可能になる。
【0049】
統計的評価等の表示または記憶および計算のためには、好ましくはノート型コンピュータ、いわゆるPDA、および携帯電話や他の携帯電子メディアが特に非常に有利である。
特にコンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA等が用いられる場合、本発明による電子的接続手段はこれらの電子デバイスを含む。例えば、このような電子デバイスは、有利なインターフェイスすなわち市販のインターフェイスを介して、警告灯装置にリンクすなわち一体化される。これに関して、例えば、USB、RS232、イーサネット等のようないわゆるバスシステムを用いることができるだけでなく、ブルートゥース等の無線通信システムも用いることができる。本発明によれば、非常に多様な警告ランプの動作状態の表示を提供する、複雑なネットワークが実現される。このネットワークは、複数の警告ランプ/シグナルコラム、および/または別の構成要素、または中心となる構成要素、および/または中央検出装置、および場合によりコンピュータ、携帯電話、PDA等を有する。
【0050】
原理的に、本発明による警告灯装置の警告ランプは、少なくとも1つの点灯ユニット以外に、例えばセンサを有する音響ユニットまたはモジュール等のような、更なる装置を備えていてもよい。その更なる装置の動作状態または動作信号は、有利に処理または伝送され、場合により、上記の記載に従って、点灯ユニットの動作状態と同様に表示され得る。これによって、警告ランプの更なる機能が有利に実行され得る。
【0051】
本発明に関しては、本発明に従って実現され得る警告灯装置すなわち警告ランプネットワークが、監視対象である技術的装置、具体的には製造および/または工作機械のネットワーク、および/または内部すなわちその機械の制御システムまたはバスシステムまたはネットワークの、場合によっては既存のネットワークに加えて、または既存のネットワークとパラレルに、すなわち独立して実現されることが、非常に重要である。これにより、時として工場に存在する、製造機械等の多数の異なるネットワークまたはバスシステムに一致させたり適合させたりする必要がなく、本発明を柔軟にかつ独立して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】3つのシグナルコラムを有する、本発明による第1の警告灯装置を示す概略図である。
【図2】5つの警告ランプおよび1つの中央警告ランプを有する、本発明による第2の警告灯装置を示す概略図である。
【図3】5つの警告ランプおよび1つの中央コンピュータ監視システムを有する、本発明による第3の警告灯装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の例示的な実施形態を図面に示し、その詳細を以下に図面を参照して説明する。
図1は、それぞれ交換モジュール2を有する、シグナルコラム1としての3つの警告ランプを示しており、シグナルコラム1のうちの1つが、アンテナ11によって、残る2つのシグナルコラム1のうちの1つに無線接続されている。シグナルコラム1は、カバー3によって上部が閉鎖されている。工作機械30等のような非常に概略的にのみ示されている技術的装置、すなわち監視対象である技術的装置のそれぞれに、シグナルコラム1がそれぞれ基部4によって取り付けられている。詳細には示されていない技術的装置30の動作状態は、ケーブル5を介してシグナルコラム1に提供される。この構成において、監視対象である技術的装置30とシグナルコラム1(詳細には示されていない)との間の通信は、機械30の制御装置32によって、従来一般に用いられてきた方法で行われることが好ましい。しかし、有利にアドレス指定された交換モジュール2に対して、それぞれの動作状態をアドレス指定して伝送することも可能である。この変形例は、特にシグナルコラム1内で内部バスシステムが用いられる場合、非常に好適である。
【0054】
前方のシグナルコラム1の監視対象である2つの装置、すなわち機械30は、例えば機械接続手段31によって、電気的に相互接続すなわちネットワーク化されている。第3の、すなわち後方のシグナルコラム1は、他の機械30とネットワーク化されていない、移動可能な機械または車両として構成され得る単独の機械30を監視する。
【0055】
本発明によれば、シグナルコラム1は、データや制御信号をそれぞれやり取りすることができるよう、機械30とはパラレルで、独立してネットワーク化すなわち相互接続されている。
【0056】
更に、図1による警告灯装置は、本発明による警告ランプ群すなわちシグナルコラム1のうちの2つの間でデータまたは信号を伝送するための接続手段6を有する。示されている例示的な実施形態において、個々の点灯ユニットすなわち交換モジュール2は、それぞれ1本の電気ケーブルすなわち接続手段6により、相互に接続されている。
【0057】
更に、図1による例示的な実施形態は、左前方の警告ランプすなわちシグナルコラム1の、最下部の点灯ユニットすなわち最下部の交換モジュール2と、右前方の警告ランプすなわちシグナルコラム1の最下部の交換モジュール2が、それぞれ点灯され、光7を放っていることを示している。したがって、上記の状態は、第1のシグナルコラム1の動作状態と第2のシグナルコラム1の動作状態とのコピーに関する。詳述しないが、各シグナルコラム1を動作させるために、この状況において好適な選択装置を備えることができる。例えば、第1動作モードでは、機械または工作機械等のような監視対象である技術的装置の動作状態を表示するために、ケーブル5を用いてシグナルコラム1を動作させ、第2動作モードでは、他の技術的装置もしくは第2の警告ランプすなわちシグナルコラム1の動作状態を表示するために、接続手段6を用いるか、もしくはアンテナ11を介した無線接続によってシグナルコラム1を動作させる(一例を図1に示す)。
【0058】
図2は、合計5つのシグナルコラム1を備えた、本発明による別の警告灯装置、すなわち第2の警告灯装置を概略的に示している。シグナルコラム1のうち4つは、工作機械30等のような監視対象である対応する技術的装置20,30、つまりその装置の制御装置32に、ケーブル5を介してそれぞれ好適に接続されている。本発明によれば、シグナルコラム1のうち1つは、アンテナ11を用いて中央シグナルコラム8に無線接続されている。非常に様々な技術的装置は、それぞれの動作状態を、対応するケーブル5を介して各シグナルコラム1に伝送する、非常に様々な機械20,30である。機械30のうちの2つ、つまりその機械の制御装置32は、それぞれ、機械接続手段31によりネットワーク化すなわち相互接続されており、機械30のうちの2つはその他の機械にネットワーク化されていない。更に、示された例における機械30のうちの1つは、例えば、自身の電子制御装置22または内部バスシステムも備えた運搬牽引車のような、車両20である。
【0059】
それぞれローマ数字が付された5つのシグナルコラム1とは別に、中央シグナルコラム8が備えられている。カバー3または基部4に加えてアンテナ11を有する中央シグナルコラム8は、本例の場合、合計5つの交換モジュール2を備えている。
【0060】
図2において交換モジュール2の隣に示されているローマ数字は、中央シグナルコラム8の各交換モジュール2と、対応するローマ数字が付されたシグナルコラム1との対応関係をそれぞれ示す目的で付されたものである。
【0061】
図2による例示的な実施形態において、中央シグナルコラム8は、例えば5つの赤色交換モジュール2を備える。赤色交換モジュール2は、例えば、それぞれ関連付けられたシグナルコラム1の赤色点灯ユニット2、すなわち赤色交換モジュール2も点灯されている場合にのみ点灯、つまり光7を発する。一例として、シグナルコラム1の最上部の交換モジュール2が、それぞれ監視対象である技術的装置20および30の特に重大な動作状態を示す赤色交換モジュール2であると仮定する。
【0062】
図2は、また、ローマ数字Vが付されたシグナルコラム1が、最上部の交換モジュール
2が光7を発しているような動作状態にあることを示している。本発明によれば、中央シグナルコラム8は、動作状態を対応して表示するものであり、ローマ数字Vを有する対応
する交換モジュール2、すなわち示されている例では最上部の交換モジュール2が、光7すなわち赤色光7を発している。したがって、中央シグナルコラム8が可視範囲内にある操作者は、場合によっては例えば100メートル以上または別の建物内といった、中央シグナルコラム8から非常に遠く離れた位置にある、ローマ数字Vを付されたシグナルコラ
ム1が、監視対象である装置の重大な状態を表示していることを、非常に容易に見ることができる。
【0063】
更に、図2は、ローマ数字IからIVを付された警告ランプすなわちシグナルコラム1が、それぞれ動作状態にあり、最下部の例えば緑色の交換モジュール2が光7を発していることを示している。したがって、ローマ数字IからIVを付されたシグナルコラム1に対応
するように関連付けられた、中央シグナルコラム8の点灯ユニットすなわち交換モジュール2は、点灯されていない。
【0064】
図2による第2の例示的な実施形態は、電気ケーブル接続手段6およびアンテナ11を介した無線接続手段を有する。しかし、この構成においては、例えば中央シグナルコラム8の基部4とシグナルコラム1の基部4との間に、接続手段6が設けられる。
【0065】
中央シグナルコラム8は、いわゆるマスタとして構成および動作させることができ、その他の警告ランプすなわちシグナルコラム1は、いわゆるスレーブとして構成および動作させることができる。
【0066】
図3は、本発明による更なる第3の例示的な実施形態を示しており、5つのシグナルコラム1が、やはりローマ数字IからVにより識別される。更に、それらのシグナルコラム
1の動作状態を表示するためのスクリーン10を備えた中央コンピュータ9が設けられている。
【0067】
示されている例示的な実施形態では、本発明による電気的接続は、各アンテナ11を用いて完全にワイヤレスすなわち無線で実施される。例えば、ローマ数字I、II、およびVを付されたシグナルコラム1の基部4は、それぞれアンテナ11を備える。これに対して、ローマ数字IIIおよびIVを付されたシグナルコラム1は、アンテナ11を有する交換モジュールとして構成された無線モジュール12を、それぞれ備える。
【0068】
一方、監視対象である機械30は、警告ランプのネットワークとは別に構成される2つのネットワークを形成しているが、その2つのネットワークは、ケーブル接続手段31を介して、対応する通信を行う。この構成において、2つの機械ネットワークのうちの1つは、機械30のうちの3つを内部の機械制御装置32を含めて中央制御する機械センタ33を備える。
【0069】
図3によるシグナルコラム1は、詳細に図示されてはいない工作機械等のような技術的装置の様々な動作状態を、それに対応して表示するための3つの点灯ユニット、すなわち交換モジュール2がそれぞれ設けられている、という共通点を有する。
【0070】
更に、アンテナ11を有するいわゆるルータ13を設けることも可能である。ルータ13は、より長い無線リンクを好適に形成するために、例えばコンピュータ9と、特に遠く離れたシグナルコラム1との間に配置可能である。必要であれば、複数のシグナルコラム1を1つのルータ13に割り当てることも可能であり、複数のシグナルコラム1に代わって、対応する無線信号をルータ13がコンピュータ9に伝送する。
【0071】
例えば、コンピュータ9のアンテナ11は、具体的にはUSBプラグ等のようなプラグイン接続によってコンピュータ9に接続可能な、別個の構成要素として構成されてもよい。コンピュータ9において、警告ランプ1および8、または既存の構成要素のそれぞれに関して、ネットワーク・トポロジー、または、現在もしくは過去の各動作状態を集中的に検出、監視、および表示する、好適なソフトウェアを用いてもよい。この方法により、例えばコンピュータ9のデータメモリを用いて、特に、1月、1年といった所望の期間に亘って時系列的に記憶された動作状態を、統計的に評価し視覚化することも実現可能である。
【0072】
原理的には、図示または記述された発明の全ての例において、警告ランプ1、点灯ユニット2、中央シグナルコラム8、ルータ13、およびコンピュータ9等の間における、好適な双方向通信が提供され得る。
【0073】
シグナルコラム1、もしくは点灯ユニットすなわち交換モジュール2のコード化またはアドレス指定が特に効果的であるのは、シグナルコラム1とコンピュータ9との無線接続手段6、または警告ランプ1相互間での無線接続手段6に、無線モジュール12、もしくは無線アンテナ11が用いられる場合である。これに関連して、内部バスアドレス指定方式または内部バスシステムが、本発明によるシグナルコラム1の内部に、および/または、本発明による警告灯装置の内部に、有利に設けられ得る。この内部バスシステムは、工作機械等のような、監視対象である別の技術的装置とはほとんど無関係に実行され得る。
【0074】
図3による例示的な実施形態において、例えば、中央コンピュータ9は、例えばローマ数字Iを付されたシグナルコラム1の、データおよび動作状態の両方をそれぞれ受信することが可能であり、必要であれば、受信したデータおよび動作状態を、別の、例えばローマ数字IIを付されたシグナルコラム1に転送することが可能である。その結果、ローマ数字IIを付されたシグナルコラム1は、特殊な場合において、ローマ数字Iを付されたシグナルコラム1の動作状態を表示することになる。このように、本発明によれば、例示されている警告ランプシステムが、コンピュータにより統合されて、シグナルコラム1間が接続状態にある。したがって、例えばこの通信に特に関わりを持つ中央コンピュータ9を使用せずに、ルータ13を使用することも可能である。
【0075】
一般的に、警告灯装置は、示されている構成要素とは別に、主として無線接続手段、すなわちアンテナ11をそれぞれ用いることによって、警告ランプ1および8の動作状態の1つ以上を、例えば携帯電話、PDA、携帯型パソコンすなわちノート型パソコン等のような、別個の追加的な装置に伝送することが可能である。好適な無線通信が用いられる場合、例えばGSM(世界移動電話規格)、UMTS(ユニバーサル移動電話システム)、WLAN(無線LAN)、ブルートゥース、ジグビー等、公知の無線伝送システムにアクセスすることが可能である。
【0076】
本発明によれば、特に無線モジュール12として構成された交換モジュール12を用いることで、複数のシグナルコラム1および8により好適な警告ランプネットワークを形成する場合に、実質的に交換モジュールから構成されている/いた従来のシグナルコラム1を大きな出費なく改造または改良できることが、原則的に有益である。この構成においては、警告ランプネットワークは、監視対象である装置20および30の内部通信に適合する必要はない。実際には、製造現場または機械工場等の中で、各種内部機械通信システムは、ネットワーク化されていたり、ネットワーク化されていなかったり、もしくは、部分的にのみネットワーク化されていたりするのがしばしば見受けられる。本発明によれば、大きな出費をせずに(特別なソフトウェアもハードウェアも必要とせずに)、警告ランプ/シグナルコラム1および8の、単独または並列の通信、すなわちネットワークをセットアップすることが今や可能である。この警告ランプネットワークは、例えば、無線モジュール12を設置し、ソフトウェアをコンピュータ9にダウンロードすることによって、数分以内に実行可能である。
【0077】
対照的に、ドイツ特許出願公開第101 24 132号公報に記載の先行技術においては、機械の通信に整合または適合する通信を開発し、導入しなければならず、そのためにインターフェイスを開発しなければならないが、一般的に実行するのに費用がかかる。したがって、そのようなネットワーク構造を構築するには、開発のための非常に大きな労力と、ハードウェア、ソフトウェア、そしてまた、時間が必要となり、経済的に見て不利である。
【符号の説明】
【0078】
1 シグナルコラム
2 交換モジュール
3 カバー
4 基部
5 ケーブル
6 接続手段
7 光
8 中央シグナルコラム
9 コンピュータ
10 スクリーン
11 アンテナ
12 無線モジュール
13 ルータ
20 車両
22 制御装置
30 機械
31 接続手段
32 制御装置
33 機械センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械、プラント、車両等の、第1の電子制御装置(22,32)を有する第1の技術的装置(20、30)の、少なくとも1つの動作状態、特に複数の異なる動作状態を視覚的に表示するための、少なくとも1つの第1の点灯素子を備える、少なくとも1つの第1の点灯ユニット(2)を有する第1の警告ランプ(1、8)と、
機械、プラント、車両等の、第2の電子制御装置(22、32)を有する第2の技術的装置(20、30)の、少なくとも1つの動作状態、特に複数の異なる動作状態を視覚的に表示するための、少なくとも1つの第2の点灯素子を備える、少なくとも1つの第2の点灯ユニット(2)を有する第2の警告ランプ(1、8)と、を備え、
特に、前記技術的装置(20、30)の間においては、データおよび/または制御信号を伝送するための電子機器接続手段(31)が設けられている警告灯装置であって、
前記第1および/もしくは第2の技術的装置(20、30)の、前記第1および/もしくは第2の電子制御装置(22、32)とは別に、ならびに/または、前記電子機器接続手段(31)とは別に、少なくとも2つの警告ランプ(1,8)の間においてデータおよび/または制御信号を伝送するための少なくとも1つの電子警告ランプ接続手段(6、9、11、13)を備え、更に、
前記電子警告ランプ接続手段(6、9、11、13)は、無線による制御信号および/またはデータの伝送のための少なくとも1つの送信機(11)および/または受信機(11)を備えること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の警告灯装置であって、
少なくとも前記第1および/または第2の警告ランプ(1,8)の少なくとも1つの動作状態、特に複数の異なる動作状態を視覚的に表示するための、少なくとも1つの表示装置(8、10)を備え、
前記電子警告ランプ接続手段(6、9、11、13)は、少なくとも前記第1および/または第2の警告ランプ(1、8)と前記表示装置(8、10)との間において、データおよび/または制御信号を伝送するために構成されていること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項3】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記表示装置(8、10)は、少なくとも1つのモジュール点灯素子を備えた少なくとも1つの交換モジュール(2)を有する、シグナルコラム(1、8)として構成されていること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項4】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記シグナルコラム(1、8)は、少なくとも1つのモジュール点灯素子をそれぞれ備える、複数の交換モジュール(2)を有すること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項5】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記シグナルコラム(1、8)の交換モジュール(2)の数は、前記第1および/または第2の警告ランプ(1、8)の点灯ユニット(2)の数に対応すること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項6】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記シグナルコラム(1、8)の交換モジュール(2)の数は、警告ランプ(1、8)の数に対応すること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項7】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記電子警告ランプ接続手段(6、9、11、13)は、少なくとも2つの異なる警告ランプ(1、8)の動作状態を検出するための、少なくとも1つの中央検出装置(9、10)を備えること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項8】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記警告ランプ(1、8)、および/または前記点灯ユニット(2)、および/または前記シグナルコラム(1、8)、および/または前記交換モジュール(2、12)のうちの少なくとも1つのオン/オフを制御する、および/または切り替えるための、少なくとも1つの中央制御装置(9)が設けられていること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項9】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記中央検出装置(9、10)は、少なくとも前記中央制御装置(9)を備えること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項10】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記中央検出装置(9、10)および/または前記中央制御装置(9)が、コンピュータ(9、10)として構成されていること、
を特徴とする警告灯装置。
【請求項11】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記警告ランプ(1、8)、および/または前記点灯ユニット(2)、および/または前記シグナルコラム(1、8)、および/または前記交換モジュール(2、12)のそれぞれには、基本的に少なくとも1つのアドレスおよび/または1つのコードが割り当てられること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項12】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記警告ランプ(1、8)、および/または前記点灯ユニット(2)、および/または前記シグナルコラム、および/または前記交換モジュール(2、12)のうちの少なくとも1つの前記動作状態を記憶するための少なくとも1つの電気的データメモリ(9)が設けられていること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項13】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記警告ランプ(1、8)、および/または前記点灯ユニット、および/またはシグナルコラム(1、8)、および/または前記交換モジュール(2、12)のうちの少なくとも1つの、前記動作状態を視覚的に表示するための、少なくとも1つのディスプレイ装置(10)が設けられていること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項14】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記ディスプレイ装置(10)は、警告ランプ(1、8)、および/または点灯ユニット(2)、および/またはシグナルコラム(1、8)、および/または交換モジュール(2、12)、および/または接続手段(6、9、11、13)の全てを表示するために構成されていること
を特徴とする警告灯装置。
【請求項15】
前記請求項のうちのいずれか1項に記載の警告灯装置であって、
前記ディスプレイ装置(10)は、スクリーン(10)として構成されていること
を特徴とする警告灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−157213(P2010−157213A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−253446(P2009−253446)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.GSM
【出願人】(505092795)ヴェルマ ホールディング ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (5)
【Fターム(参考)】