説明

少なくとも2種の実質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物

本願は、少なくとも2種の実質的に混合されていないヒドロゲルを含む、貯蔵のために安定であるゲル処方物であって、各ヒドロゲルが少なくとも1種の電解質感受性増粘剤を含むゲル処方物に関する。またヒドロゲルのうちの1種(相A)は、少なくとも1種の物質Aを含み、これは、別のヒドロゲル(相B)中に含まれる物質Bの少なくとも1種と相溶性でないか、または該物質Bがゲル処方物中に含まれる量で、それと相溶性でない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを有し、各ヒドロゲルは少なくとも1種の電解質感受性増粘剤を含む、貯蔵安定なゲル処方物に関する。さらには、ヒドロゲルのうちの1種(相A)は、少なくとも1種の物質Aを含み、物質Aは、さらなるヒドロゲル(相B)中に存在する物質Bの少なくとも1種と不相溶性であるか、またはこれらの物質がゲル処方物中に存在する量で、さらなるヒドロゲル(相B)中に存在する物質Bの少なくとも1種と不相溶性である。
【背景技術】
【0002】
脂質製品処方物、例えば溶液、懸濁物またはエマルジョンは、微粉のものと比べて多数の利点を有する。それは、例えば粉塵が発生しないこと、改善された湿潤特性および、一般的に、計量して正確な投与量にすることがより良くできることである。
【0003】
しかしながら、多くの液体処方物では、特に比較的長期間の貯蔵では、相当する固体処方物と比べて、十分に良好な貯蔵安定性を達成するのが困難である。かくして、沈降物の形成、塊状集積、結晶化および/または離液(syneresis, 液体処方物成分の析出)がしばしば生じる。
【0004】
これらの現象は一般に、処方物の成分の互いの不相溶性、かくして幾つかの活性物質の互いの不相溶性、または活性物質と補助剤、例えば湿潤剤との不相溶性に帰することができる。
【0005】
一般に、これらの問題は、例えばそれぞれの活性物質についてより相溶性の補助剤を選択すること、または幾つかの活性物質を別々に処方することによって解決される。しかし、相溶性の処方成分の探索は非常に費用がかかり、それぞれの個々の活性物質について個別に行わなければならない。さらには、異なる活性物質を別々に処方することは、商業化の理由のために不都合である。
【0006】
EP-A-0 225 287は、水に不溶であるか、またはほんの少し溶解性である固体物質の貯蔵安定水性調製物を記載し、この調製物は、合成の電解質感受性増粘剤を含む。しかしながらこの系においては、互いに不相溶性である成分は使用されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP-A-0 225 287
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、公知の液体処方物の不都合を示さず、特にその中に存在する成分の相溶性の問題を生じない、使用時に液体である製品処方物を使用可能にすることである。
【0009】
この目的は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを有する貯蔵安定なゲル処方物によって達成される。
【0010】
したがって本発明の主題は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを有する貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の、好ましくは合成の増粘剤を含み、かつさらにヒドロゲルのうちの1種中に少なくとも1種の物質Aを、さらなるヒドロゲル中に少なくとも1種の物質Bを含み、物質Aの少なくとも1種は、物質Bの少なくとも1種と、ゲル処方物中に存在する量で(または、言い換えれば、それぞれの相中に存在する量で)不相溶性であるゲル処方物である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
「不相溶性」は明らかに、本明細書においては、互いに不相溶性である物質AおよびBが一緒に処方され、例えば液体処方物中に混合物として存在するなら、その後に生じる不相溶性をいい;本発明のゲル処方物においては、この不相溶性は本来存在しないか、または少なくとも、不相溶性物質を合わせた処方物を用いる場合より有意に長い期間中出現しない。
【0012】
熱力学的な意味での相が必ずしも関係しないとしても、少なくとも1種の物質Aを含むヒドロゲルは以後、相Aとも称され;同様に、少なくとも1種の物質Bを含むヒドロゲルは以後、相Bとも称される。
【0013】
ゲル処方物は、任意の性質の活性物質の、ゲルの形態での調製物である。ゲルは、寸法安定な、容易に変形可能な、液体豊富かつ気体豊富な、少なくとも2種の成分の微細に分散されたコロイド系であり、これは、ほとんどの部分について、長いかまたは高度に分岐した粒子を有する固体のコロイド分散した物質(ゲル化剤;増粘剤としてまた知られる)および分散剤としての液体(一般的に水)を含む。これに関して、固体物質は干渉性であり、すなわち分散剤中で海綿状の三次元網状組織を形成し、粒子は、異なる点(接着点)で互いに接着する。干渉性相の孔は、液体で満たされる(水の場合には「含水ゲル」:「ヒドロゲル」)。これについて、両方の相は完全に浸透し合う(双干渉性(bicoherent))。ゲルの液体が失われると、気体によって分散相が形成され(キセロゲルという語が使用される);これらは本来、構造要素間に実質的により小さい隙間を有する変更された空間配置の網状組織を有し、固体の限定的な状態を形成する。ゲルはまた、粘弾性流体として説明され得る;それらの流体特性は、理想液体と理想固体との間にある。
【0014】
本発明のゲル処方物は少なくとも2種のヒドロゲルを含む。ヒドロゲルは、本発明の明細書においては、ゲルの全重量に基づき少なくとも5重量%の水、好ましくは少なくとも10重量%の水、特に少なくとも15重量%の水を含むそのようなゲルを意味すると理解される。しかしながら、「ヒドロゲル」という語は、また他の液体、例えば有機溶媒または液体活性物質もしくは補助剤を含むことを除外しない。
【0015】
本発明のゲル処方物は実際に使用する前に、少量の電解質中で撹拌することによってさらに液化させることができ(すなわち、電解質の添加により、流体処方物へと転化される)、そして直ちに使用し得る。
【0016】
後で与えられる本発明のゲル処方物の適当なかつ好ましい実施形態および特性の詳細、特に成分AおよびB、増粘剤および任意的に存在する追加的成分、電解質等の詳細は、単独でそれ自体で、かつ特に互いとの任意の考えられる組合せで、妥当である。
【0017】
本発明のゲル処方物中に存在するヒドロゲルは、互いに接触していることができる。すなわち、接触する界面を有する;しかしながら、それらはまた、例えば分離膜または分離壁によって、物理的に分離されることができる。2種より多くのヒドロゲルを用いるときには、ヒドロゲルは、任意の相対的配置を有することができる;かくして、少なくとも3種のヒドロゲルを、層雲形態(stratoform)、多角形または同心の態様等で配置することができる。
【0018】
本発明のゲル処方物中に存在するヒドロゲルは、好ましくは接触しており、すなわち、接触している少なくとも1つの層境界を有する。「n」個のヒドロゲルを用いるときには、少なくとも「n-1」個の界面が好ましくは存在する。
【0019】
本発明のゲル処方物中に存在するヒドロゲルが本質的に互いに混合しないことが、本発明に従い必須である。このことは、個々のゲル間の界面が安定なので、互いに不相溶性である物質は、比較的長時間にわたって互いの中に拡散しないことを意味する。より正確に言えば、ヒドロゲルは、最大5重量%、好ましくは最大2重量%、特に最大1重量%の、相A中に存在する少なくとも1種の物質A(相Bからの少なくとも1種の物質Bと不相溶性であるか、またはそれらが相AおよびB中にそれぞれ存在する量で、相Bからの少なくとも1種の物質Bと不相溶性である)が、20℃で4週間で相B中に拡散し、かつ逆にいえば、最大5重量%、好ましくは最大2重量%、特に最大1重量%の、相B中に存在する少なくとも1種の物質B(相Aからの少なくとも1種の物質Aと不相溶性であるか、またはそれらが相AおよびB中にそれぞれ存在する量で、相Aからの少なくとも1種の物質Aと不相溶性である)が、20℃で4週間で相A中に拡散するような性質を有する。
【0020】
本発明のゲル処方物中に存在するヒドロゲルは、寸法安定性である。好ましくは、少なくとも1000mPa・s、例えば1000〜106 mPa・s、または好ましくは1000〜105 mPa・sまたは特には1000〜104 mPa・s;特に好ましくは少なくとも3000mPa・s、例えば3000〜106 mPa・s、または好ましくは3000〜105 mPa・s、または特には3000〜104 mPa・s;非常に好ましくは少なくとも4000mPa・s、例えば4000〜106 mPa・s、または好ましくは4000〜105 mPa・s、または特には4000〜104 mPa・s;特に少なくとも5000mPa・s、例えば5000〜106 mPa・s、または好ましくは5000〜105 mPa・s、または特には5000〜104 mPa・sの粘度を有する。
【0021】
本発明の明細書において与えられる粘度の数値は、25℃の温度でBrookfield粘度計(1.5rpm、Sp 63)を用いて得られる値をいう。
【0022】
少なくとも1種の物質Aと少なくとも1種の物質Bとの相溶性の欠如または不相溶性は、異なる方法で表現することができる。不相溶性は、原則として、化学的または物理化学的に引き起こされる実際的な施用可能性の任意の実質的減少または減少を言う。かくして、不相溶性は、物質AおよびBが互いに反応して望ましくないかまたは効果の劣る生成物を与えることを意味し得る。物質Aはまた、例えば触媒的に、物質Bにおける変化、例えば分解または処方物の追加的な成分との反応を促進し得る。その逆もまた同じである。しかしながら、不相溶性はまた、物質Aが、ゲル処方物が基づく分散媒体中で物質Bの沈殿または結晶化の増加をもたらすことにおいて、またはその逆において、表現され得る。不相溶性はさらに、望まれる液体処方物の相分離を結果として生じ得る。
【0023】
沈殿は、本発明においては、溶解状態から固体状態への(例えば沈殿、例えば結晶化による)物質の変換と、微細に分散された状態(例えばエマルジョン、懸濁物、サスポエマルジョン(suspoemulsion))から、より粗く分散された状態(目に見えるか、または、例えば沈殿物がノズルまたはフィルターをふさぐので、少なくともその処方物の計画された施用を妨げるような大きさである状態)への変換との両方を意味すると理解される。
【0024】
オストワルト成長は、飽和もしくは過飽和の溶液中で、より小さい結晶を使ってより大きい結晶へ成長することを意味すると理解される。これによって、より小さい粒子は徐々に消失し、分散物は、その粒径分布を一様な大きさへと変化させる。オストワルト成長の不都合は、例えばノズルまたはフィルターをふさぎ得るような、幾つかの施用を妨げ得る大きな結晶の形成である。
【0025】
好ましくは本発明のゲル処方物は、物質Aの少なくとも1種が、特定の時間の後、物質Bの少なくとも1種の少なくとも一部の沈殿をもたらすのを防ぐために、または物質Bの少なくとも1種が、特定の時間の後、物質Aの少なくとも1種の少なくとも一部の沈殿をもたらすのを防ぐために、または少なくとも1種の物質Aおよび少なくとも1種の物質Bが、特定の時間の後、相互に少なくとも一部沈殿するのを防ぐために、使用される。「特定の時間の後」は、沈殿が、物質AおよびBを混合した後突然開始してはならないが、特定の貯蔵時間の後に、例えば数時間もしくは数日後にも突然開始してはならないことを意味する。本明細書においては、「特定の時間の後」は好ましくは、物質Aの少なくとも1種が、物質AおよびBを液体処方物で合わせて処方した後遅くとも4週間後、好ましくは遅くとも2週間後に、物質Bの少なくとも1種の少なくとも一部の沈殿をもたらすであろうこと、または物質Bの少なくとも1種が、物質AおよびBを液体処方物で合わせて処方した後遅くとも4週間後、好ましくは遅くとも2週間後に、物質Aの少なくとも1種の沈殿をもたらすであろうこと、または少なくとも1種の物質Aおよび少なくとも1種の物質Bが、物質AおよびBを液体処方物で合わせて処方した後遅くとも4週間後、好ましくは遅くとも2週間後に、少なくとも一部相互に沈殿するであろうことを意味する。「少なくとも一部沈殿する」とは、例えば処方物が導かれるノズルを詰まらせるという結果になるので、後の使用で妨げになるか、または活性物質がもはやその効果を十分に示すことができないほどの、該物質、または物質B、または2種の物質の大部分が沈殿することを意味する。
【0026】
言い換えれば、本発明の好ましい実施形態は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤を含み、さらにヒドロゲルのうちの1種(相A)中に少なくとも1種の物質Aおよび、さらなるヒドロゲル(相B)中に少なくとも1種の物質Bを含み、仮想の液体処方物、例えば本発明のゲル処方物の基礎を形成する液体処方物中、またはヒドロゲルのうちの1種中、または少なくとも1種の電解質を本発明のゲル処方物に添加することによって形成される液体処方物中の物質Aの少なくとも1種は、特定の時間の後、物質Bの少なくとも1種の少なくとも一部の沈殿をもたらすか;または、仮想の液体処方物、例えば本発明のゲル処方物の基礎を形成する液体処方物中、またはヒドロゲルのうちの1種中、または少なくとも1種の電解質を本発明のゲル処方物に添加することによって形成される液体処方物中の物質Bの少なくとも1種は、特定の時間の後、物質Aの少なくとも1種の少なくとも一部の沈殿をもたらすか;または、仮想の液体処方物、例えば本発明のゲル処方物の基礎を形成する液体処方物中、またはヒドロゲルのうちの1種中、または少なくとも1種の電解質を本発明のゲル処方物に添加することによって形成される液体処方物中の物質AおよびBは、特定の時間の後、少なくとも一部相互に沈殿する、ゲル処方物に関する。
【0027】
あるいは、本発明のゲル処方物は好ましくは、物質Aの少なくとも1種が、特定の時間の後、物質Bの少なくとも1種の少なくとも一部の結晶成長(オストワルト成長)を促進する/もたらすことを妨げるために、または物質Bの少なくとも1種が、特定の時間の後、物質Aの少なくとも1種の少なくとも一部の結晶成長(オストワルト成長)をもたらすのを防ぐために、使用される。「特定の時間の後」は、オストワルト成長が、物質AおよびBを混合した後突然開始してはならないが、特定の貯蔵時間の後に、例えば数時間もしくは数日後にも突然開始してはならないことを意味する。本明細書においては、「特定の時間の後」は好ましくは、物質Aの少なくとも1種が、物質AおよびBを液体処方物で合わせて処方した後遅くとも4週間後、好ましくは遅くとも2週間後に、物質Bの少なくとも1種の少なくとも一部の結晶成長(オストワルト成長)をもたらすであろうこと、または物質Bの少なくとも1種が、物質AおよびBを液体処方物で合わせて処方した後遅くとも4週間後、好ましくは遅くとも2週間後に、物質Aの少なくとも1種の結晶成長(オストワルト成長)をもたらすであろうことを意味する。「物質の少なくとも1種の少なくとも一部の結晶成長(オストワルト成長)をもたらす」という語は好ましくは、本明細書において、例えば処方物が導かれるノズルを詰まらせるという結果になるので、後の使用で妨げになるか、または活性物質がもはやその効果を十分に示すことができないほどの、物質Aもしくは物質Bの大部分が沈殿するか、または結晶がそれほどの大きさを獲得したことを意味する。
【0028】
言い換えれば、本発明の好ましい実施形態は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤を含み、さらにヒドロゲルのうちの1種(相A)中に少なくとも1種の物質Aおよび、さらなるヒドロゲル(相B)中に少なくとも1種の物質Bを含み、仮想の液体処方物、例えば本発明のゲル処方物の基礎を形成する液体処方物中、またはヒドロゲルのうちの1種中、または少なくとも1種の電解質を本発明のゲル処方物に添加することによって形成される液体処方物中の物質Aの少なくとも1種は、特定の時間の後、物質Bの少なくとも1種の少なくとも一部の結晶成長(オストワルト成長)をもたらすか;または、仮想の液体処方物、例えば本発明のゲル処方物の基礎を形成する液体処方物中、またはヒドロゲルのうちの1種中、または少なくとも1種の電解質を本発明のゲル処方物に添加することによって形成される液体処方物中の物質Bの少なくとも1種は、特定の時間の後、物質Aの少なくとも1種の少なくとも一部の結晶成長(オストワルト成長)をもたらす、ゲル処方物に関する。
【0029】
先に述べたものは、「特定の時間の後」および「少なくとも一部結晶成長(オストワルト成長)をもたらす」という表現に関して妥当である。
【0030】
かくして、例えばオストワルト成長において、物質Aの少なくとも1種は、5〜100重量%の水を含む少なくとも1種の物質Bの水性分散物の微細に分散された粒子の水への溶解度を増加させ、より粗く分散された粒子が同時に成長し;および/または、物質Bの少なくとも1種は、5〜100重量%の水を含む少なくとも1種の物質Aの水性分散物の微細に分散された粒子の水への溶解度を増加させ、より粗く分散された粒子が同時に成長する。
【0031】
好ましい実施形態においては、物質Aの少なくとも1種および/または物質Bの少なくとも1種は、ほんの少し水に溶解性である。「ほんの少し水に溶解性」とは、本明細書においては、最大で5g、好ましくは最大で2g、特に最大で1gの物質が、S.T.P.(T=25℃+/-20%、p=101 325パスカル+/-20%)下で、1リットルの水中に溶解性であることを意味する。
【0032】
本発明の特に好ましい実施形態は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤を含み、さらにヒドロゲルのうちの1種(相A)中に少なくとも1種の物質Aおよび、さらなるヒドロゲル(相B)中に少なくとも1種の物質Bを含み、少なくとも1種の物質Aおよび少なくとも1種の物質Bは、一緒に処方されるとき(すなわち、AおよびBが1相中に混合物で存在するとき)、物質Aの少なくとも1種が、5〜100重量%の水を含む水性分散物中の物質Bの少なくとも1種の沈殿を促進し、および/または物質Bの少なくとも1種が、5〜100重量%の水を含む水性分散物中の物質Aの少なくとも1種の沈殿を促進するようなやり方で提供される、ゲル処方物に関する。
【0033】
本発明の特に好ましい実施形態はさらに、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤を含み、さらにヒドロゲルのうちの1種(相A)中に少なくとも1種の物質Aおよび、さらなるヒドロゲル(相B)中に少なくとも1種の物質Bを含み、少なくとも1種の物質Aおよび少なくとも1種の物質Bは、一緒に処方されるとき(すなわち、AおよびBが1相中に混合物で存在するとき)、物質Aの少なくとも1種が、5〜100重量%の水を含む水性分散物中の物質Bの少なくとも1種の結晶成長(オストワルト成長)を促進し、および/または物質Bの少なくとも1種が、5〜100重量%の水を含む水性分散物中の物質Aの少なくとも1種の結晶成長(オストワルト成長)を促進するようなやり方で提供される、ゲル処方物に関する。
【0034】
非常に好ましい本発明の主題は、少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤を含み、さらにヒドロゲルのうちの1種(相A)中に少なくとも1種の物質Aおよび、さらなるヒドロゲル(相B)中に少なくとも1種の物質Bを含み、少なくとも1種の物質Aおよび少なくとも1種の物質Bは、一緒に処方されるとき(すなわち、AおよびBが1相中に混合物で存在するとき)、物質Aの少なくとも1種が、物質Bの少なくとも1種の水への溶解度を低下させ、および/または物質Bの少なくとも1種が、物質Aの少なくとも1種の水への溶解度を低下させるようなやり方で提供される、ゲル処方物である。
【0035】
なおさらにずっと好ましい本発明の実施形態においては、相Aは少なくとも1種の本質的に水不溶性の植物保護剤および任意的に少なくとも1種の分散剤を含む。好ましくは、本明細書においては、相Bは、相Aの植物保護剤以外の植物保護剤および/またはアジュバントを含む。これに関して、相Aの植物保護剤は、相Bの植物保護剤および/または相Bのアジュバントと不相溶性であるか、または少なくとも、相AおよびB中のゲル処方物に存在する量のそれぞれと不溶性である。
【0036】
本発明の特定の実施形態においては、相Aは、好ましくは少なくとも1種の植物保護剤を含む、少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘された懸濁濃縮物(SC)であるか、または少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘されたサスポエマルジョン(suspoemulsion)(SE)であるか、または少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘された水性エマルジョン(EW)であり、相Bは同様に、好ましくは少なくとも1種の植物保護剤を含む、少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘された懸濁濃縮物(SC)であるか、または少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘されたサスポエマルジョン (SE)であるか、または少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘された水性エマルジョン(EW)であるか、または相Bは、少なくとも1種のアジュバントを含む少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で増粘された水性溶液もしくはエマルジョンである。
【0037】
植物保護剤は、全ての一般的範疇に関し、例えば除草剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、線虫駆除剤、殺細菌剤、生長調節物質等に関する。
【0038】
殺菌剤の例は以下のものである:
ストロビルリン(Strobilurin)
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレゾキシム-メチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン (pyraclostrobin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、2-(2-(6-(3-クロロ-2-メチルフェノキシ)-5-フルオロピリミジン-4-イルオキシ)フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド、メチル2-(オルト-((2,5-ジメチルフェニル)オキシメチレン)フェニル)-3-メトキシアクリレート、 メチル3-メトキシ-2-(2-(N-(4-メトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシイミドイルスルファニルメチル)フェニル)アクリレート;
カルボキサミド
- カルボキサニリド(carboxanilide):ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M)、ベノダニル(benodanil)、ビキサフェン(bixafen)、ボスカリド(boscalid)、カルボキシン(carboxin)、フェンフラム(fenfuram)、フェンヘキサミド(fenhexamide)、フルトラニル(flutolanil)、フラメトピル(furametpyr)、イソチアニル(isotianil)、キララキシル(kiralaxyl)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、テクロフタラム(tecloftalam)、チフルザミド(thifluzamide)、チアジニル(tiadinil)、2-アミノ-4-メチルチアゾール-5-カルボキサニリド、 2-クロロ-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ニコチンアミド、N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]アミド、N-(4'-クロロ-3',5-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(4'-クロロ-3',5-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3',5-ジフルオロ-4'-メチルビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3',5-ジフルオロ-4'-メチルビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(ビシクロプロピル-2-イル)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-シス-ビシクロプロピル-2-イル)-フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-トランス-ビシクロプロピル-2-イル)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
- カルボン酸モルホリド:ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph);
- ベンズアミド:フルメトバー(flumetover)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオピラム(fluopyram)、ゾキサミド(zoxamide)、N-(3-エチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)-3-ホルミルアミノ-2-ヒドロキシベンズアミド;
- 他のカルボキサミド:カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、マンジプロパミド(mandipropamid)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、シルチオファム(silthiofam)、N-(6-メトキシピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
アゾール
- トリアゾール:アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアフォル(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、オクスポコナゾール(oxpoconazole)、パクロブトラゾル(paclobutrazol)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメフォン(triadimefon)、トリアジメノール (triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、ウニコナゾール(uniconazole)、1-(4-クロロフェニル)-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘプタノール;
- イミダゾール:シアゾファミド(cyazofamid)、イマザリル(imazalil)、イマザリルサルフェート(imazalil sulfate)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole);
- ベンズイミダゾール:ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole);
- その他:エタボキサム(ethaboxam)、エトリジアゾール(etridiazole)、ヒメキサゾール(hymexazol)、1-(4-クロロフェニル)-1-(プロピン-2-イルオキシ)-3-(4-(3,4-ジメトキシフェニル)イソキサゾール-5-イル)プロパン-2-オン;
窒素含有複素環式化合物
- ピリジン:フルアジナム(fluazinam)、ピリフェノックス(pyrifenox)、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]ピリジン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メタンスルホニル)ピリジン、3,4,5-トリクロロピリジン-2,6-ジカルボニトリル、N-(1-(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)エチル)-2,4-ジクロロニコチンアミド、N-((5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)メチル)-2,4-ジクロロニコチンアミド;
- ピリミジン:ブピリメート(bupirimate)、シプロジニル(cyprodinil)、ジフルメトリム(diflumetorim)、フェナリモル(fenarimol)、フェリムゾン(ferimzone)、メパニピリム(mepanipyrim)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ヌアリモル(nuarimol)、ピリメタニル(pyrimethanil);
- ピロール:フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil);
- モルホリン:アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、ドデモルフアセテート(dodemorph acetate)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph);
- ジカルボキシイミド:フルオロイミド(fluoroimide)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin);
- その他:アシベンゾラー-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、アミスルブロム(amisulbrom)、アニラジン(anilazine)、ブラスチシジン-S(blasticidin-S)、カプタフォル(captafol)、カプタン (captan)、キノメチオナト(chinomethionat)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン(diclomezine)、ジフェンゾクアット(difenzoquat)、ジフェンゾクアットメチルサルフェート(difenzoquat metilsulfate)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フォルペット(folpet)、オクチリノン(octhilinone)、オキソリン酸、ピペラリン(piperalin)、プロベナゾール(probenazole)、プロキナジド(proquinazid)、ピロキロン(pyroquilon)、キノキシフェン(quinoxyfen)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリフォリン(triforine)、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン;
カルバメートおよびジチオカルバメート
- チオ-およびジチオカルバメート:フェルバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、メタム(metam)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram);
- カルバメート:ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)、バリフェナール(valiphenal)、4-フルオロフェニルN-(1-(1-(4-シアノフェニル)エチルスルホニル)ブト-2-イル)カルバメート;
他の殺菌剤
- グアニジン:ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基(dodine free base)、グアザチン(guazatine)、グアザチンアセテート(guazatine acetate)、イミノクタジン(iminoctadine)、イミノクタジントリアセテート(iminoctadine triacetate)、イミノクタジントリアルベシレート(iminoctadine trialbesilate);
- 抗生物質:カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシン塩酸塩水和物(kasugamycin hydrochloride hydrate)、ポリオキシン(polyoxins)、ストレプトマイシン、バリダマイシンA(validamycin A);
- ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル(binapacryl)、ジクロラン(dicloran)、ジノブトン(dinobuton)、ジノカプ(dinocap)、ニトロタル-イソプロピル(nitrothal-isopropyl)、テクナゼン(tecnazene);
- 有機金属化合物:フェンチン塩、例えばフェンチンアセテート、フェンチンクロリド、フェンチンヒドロキシド;
- 硫黄含有複素環式化合物:イソプロチオラン(isoprothiolane)、ジチアノン(dithianon);
- 有機リン化合物:エディフェンフォス(edifenphos)、フォセチル(fosetyl)、フォセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminum)、イプロベンフォス(iprobenfos)、ピラゾフォス(pyrazophos)、トルクロフォス-メチル(tolclofos-methyl);
- 有機塩素化合物:クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロロフェン(dichlorophen)、フルスルファミド(flusulfamide)、ヘキサクロロベンゼン、ペンシキュロン(pencycuron)、ペンタクロロフェノールおよびその塩、フタリド、キントゼン(quintozene)、チオファネート-メチル(thiophanate-methyl)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド;
- 無機活性物質:リン酸およびその塩、硫黄、ボルドー混合物(Bordeaux mixture)、銅塩、例えば酢酸銅、水酸化銅、銅オキシクロリド、塩基性硫酸銅;
- その他:ビフェニル、ブロノポル(bronopol)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ジフェニルアミン、メトラフェノン(metrafenone)、ミルジオマイシン(mildiomycin)、オキシン-銅、プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione-calcium)、スピロキサミン(spiroxamine)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、N-(シクロプロピルメトキシイミノ(6-ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル) フェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-(トリメチルシラニル)プロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-(トリメチルシラニル) プロポキシ) フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン。
【0039】
殺虫剤の例は、以下のものである:
有機(チオ)ホスフェート:
アセフェート(acephate)、アザメチフォス(azamethiphos)、アジンフォス-エチル(azinphos-ethyl)、アジンフォス-メチル(azinphos-methyl)、クロレトキシフォス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンフォス(chlorfenvinphos)、クロルメフォス(chlormephos)、クロルピリフォス(chlorpyrifos)、クロルピリフォス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、クーマフォス(coumaphos)、シアノフォス(cyanophos)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、ジアジノン(diazinon)、ジクロルボス/DDVP(dichlorvos/DDVP)、ジクロトフォス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンフォス(dimethylvinphos)、ジスルフォトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロフォス(ethoprophos)、ファムフル(famphur)、フェナミフォス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、フルピラゾフォス(flupyrazofos)、フォスチアザート(fosthiazate)、ヘプテノフォス(heptenophos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メカルバム(mecarbam)、メタミドフォス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メビンフォス(mevinphos)、モノクロトフォス(monocrotophos)、ナレド(naled)、オメトエート(omethoate)、オキシデメトン-メチル(oxydemeton-methyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、フェントエート(phenthoate)、フォレート(phorate)、フォサロン(phosalone)、フォスメット(phosmet)、フォスファミドン(phosphamidon)、フォキシム(phoxim)、ピリミフォス-メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノフォス(profenofos)、プロペタムフォス(propetamphos)、プロチオフォス(prothiofos)、ピラクロフォス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルフォス(quinalphos)、スルホテプ(sulfotep)、テブピリムフォス(tebupirimfos)、テメフォス(temephos)、テルブフォス(terbufos)、テトラクロルビンフォス(tetrachlorvinphos)、チオメトン(thiometon)、トリアゾフォス(triazophos)、トリクロルフォン(trichlorfon)、バミドチオン(vamidothion);
カルバメート:
アルジカルブ(aldicarb)、アラニカルブ(alanycarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フォルメタネート(formetanate)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メトミル(methomyl)、メトルカルブ(metolcarb)、オキサミル (oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポクサー(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノックス(thiofanox)、トリメタカルブ(trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、トリアザメート(triazamate);
ピレスロイド:
アクリナスリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、d-シス-トランス-アレスリン(d-cis-trans-allethrin)、d-トランス-アレスリン(d-trans-allethrin)、ビフェンスリン(bifenthrin)、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビオアレスリンS-シクロペンテニル(bioallethrin S-cylclopentenyl)、ビオレスメスリン(bioresmethrin)、シクロプロスリン(cycloprothrin)、シフルスリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルスリン(beta- cyfluthrin)、シハロスリン(cyhalothrin)、ラムダ-シハロスリン(lambda-cyhalothrin)、ガンマ-シハロスリン(gamma-cyhalothrin)、シペルメスリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメスリン(alpha-cypermethrin)、ベータ-シペルメスリン(beta-cypermethrin)、シータ-シペルメスリン(theta-cypermethrin)、ゼータ-シペルメスリン(zeta-cypermethrin)、シフェノスリン(cyphenothrin)、デルタメスリン(deltamethrin)、エムペンスリン(empenthrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパスリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシスリネート(flucythrinate)、フルメスリン(flumethrin)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロスリン(imiprothrin)、ペルメスリン(permethrin)、フェノスリン(phenothrin)、プラレスリン(prallethrin)、レスメスリン(resmethrin)、RU 15525、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルスリン (tefluthrin)、テトラメスリン(tetramethrin)、トラロメスリン(tralomethrin)、トランスフルスリン(transfluthrin)、ZXI 8901;
幼若ホルモン擬態物質(mimetic):
フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ヒドロプレン(hydroprene)、キノプレン(kinoprene)、メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen);
ニコチン受容体作用薬/拮抗薬:
アセタミプリド(acetamiprid)、ベンスルタプ (bensultap)、カルタプ塩酸塩(cartap hydrochloride)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ニテンピラム(nitenpyram)、ニコチン、スピノサド(spinosad)(アロステリック作用薬)、チアクロプリド(thiacloprid)、チオシクラム(thiocyclam)、チオスルタプ-ナトリウム (thiosultap-sodium)およびAKD1022;
GABA拮抗薬:
クロルダン(chlordane)、エンドスルファン(endosulfan)、ガンマ-HCH(リンデン(lindane))、アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール(vaniliprole)、式Γ1のフェニルピラゾール化合物
【化1】

【0040】
クロリドチャンネル活性化剤:
アバメクチン(abamectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin benzoate)、ミルベメクチン(milbemectin)、レピメクチン(lepimectin);
METI I化合物:
フェナザキン(fenazaquin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、フルフェネリム(flufenerim)、ロテノン(rotenone);
METI IIおよびIII化合物:
アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon);
酸化的リン酸化の脱共役薬:
クロルフェナピル(chlorfenapyr,)、DNOC;
酸化的リン酸化の阻害剤:
アゾシクロチン(azocyclotin)、シヘキサチン(cyhexatin)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、フェンブタチンオキシド(fenbutatin oxide)、プロパルガイト(propargite)、テトラジフォン(tetradifon);
換羽妨害剤(molting disruptors):
シロマジン(cyromazine)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide);
相乗作用薬(synergist):
ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)、トリブフォス(tribufos);
ナトリウムチャンネル遮断薬:
インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone);
燻蒸剤:
臭化メチル、クロロピクリンスルフリルフルオリド(chloropicrin sulfuryl fluoride);
選択的摂食阻害剤:
クリオライト(cryolite)、ピメトロジン(pymetrozine)、フロニカミド (flonicamid);
ダニ成長阻害剤:
クロフェンテジン(clofentezine)、ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole);
キチン質合成阻害剤:
ブプロフェジン(buprofezin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron);
脂質生合成阻害剤:
スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat);
オクトパミン作動性作用薬(octopaminergic agonists):
アミトラズ(amitraz);
リアノジン受容体調節剤(ryanodine receptor modulators):
フルベンジアミド(flubendiamide);
種々の剤:
リン化アルミニウム、アミドフルメト(amidoflumet)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ビフェナゼート(bifenazate)、ボラックス(borax)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、シアン化物、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、キノメチオネート(quinomethionate)、ジコフォル(dicofol)、フルオロアセテート、ホスフィン、ピリダリル(pyridalyl)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、硫黄、酒石酸アンチモニルカリウム、N-R'-2,2-ジハロ-1-R''-シクロプロパンカルボキシアミド2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾンもしくはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル) ヒドラゾン(ここで、R'はメチルまたはエチルであり、ハロは塩素または臭素であり、R''は水素またはメチルであり、R'''はメチルまたはエチルである);
アントラニルアミド:
クロルアントラニリプロール(chloranthraniliprole)、式Γ2の化合物
【化2】

【0041】
マロノニトリル:
CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H, CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H, CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F, CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3, CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H, CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3, CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H, CF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H, 2-(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル)-2-(3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル)マロノジニトリルおよびCF2HCF2CF2CF2CH2C(CN) 2CH2CH2CF2CF3
微生物崩壊剤:
Bacillus thuringiensis(亜種) israelensi, Bacillus sphaericus, Bacillus thuringiensis (亜種) aizawai, Bacillus thuringiensis subsp. kurstaki, Bacillus thuringiensis (亜種) tenebrionis;
式Γ4およびΓ5のアルキニルエーテル:
【化3】

【0042】
ここで、Rはメチルまたはエチルであり、Het*は3,3-ジメチルピロリジン-1-イル、 3-メチルピペリジン-1-イル、 3,5-ジメチルピペリジン-1-イル、 3-トリフルオロメチルピペリジン-1-イル、 ヘキサヒドロアゼピン-1-イル、 2,6-ジメチルヘキサヒドロアゼピン-1-イルまたは2,6-ジメチルモルホリン-4-イルである。これらの化合物は、例えばJP 2006131529に記載されている。
【0043】
除草剤の例は以下のものである:
アミド除草剤:
アリドクロル(allidochlor)、アミカルバゾン(amicarbazone)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベンザドックス(benzadox)、ベンジプラム(benzipram)、ブロモブタイド(bromobutide)、カフェンストロール(cafenstrole)、CDEA、シプラゾール(cyprazole)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド-P(dimethenamid-P)、ジフェナミド(diphenamid)、エプロナズ(epronaz)、エトニプロミド(etnipromid)、フェントラザミド(fentrazamide)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルポキサム(flupoxam)、フォメサフェン(fomesafen)、ハロサフェン(halosafen)、イソカルバミド(isocarbamid)、イソキサベン(isoxaben)、ナプロパミド(napropamide)、ナプタラム(naptalam)、ペトキサミド(pethoxamid)、プロピザミド(propyzamide)、キノナミド(quinonamid)、サフルフェンナシル(saflufenacil)、テブタム(tebutam);
アニリド除草剤:
クロラノクリル(chloranocryl)、シスアニリド(cisanilide)、クロメプロプ(clomeprop)、シプロミド(cypromid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、エトベンザニド(etobenzanid)、フェナスラム(fenasulam)、フルフェナセト(flufenacet)、フルフェニカン(flufenican)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、メフェナセト(mefenacet)、メフルイジド(mefluidide)、メタミフォプ(metamifop)、モナリド(monalide)、ナプロアニリド(naproanilide)、ペンタノクロル(pentanochlor)、ピコリナフェン(picolinafen)、プロパニル(propanil)、スルフェントラゾン(sulfentrazone);
アリールアラニン除草剤:
ベンゾイルプロプ(benzoylprop)、フラムプロプ(flamprop)、フラムプロプ-M(flamprop-M);
クロロアセトアニリド除草剤:
アセトクロル(acetochlor)、アラクロル(alachlor)、ブタクロル(butachlor)、ブテナクロル(butenachlor)、デラクロル(delachlor)、ジエタチル (diethatyl)、ジメタクロル(dimethachlor)、メタザクロル(metazachlor)、メトラクロル(metolachlor)、S-メトラクロル(S-metolachlor)、プレチラクロル(pretilachlor)、プロパクロル(propachlor)、プロピソクロル(propisochlor)、プリナクロル(prynachlor)、テルブクロル(terbuchlor)、テニルクロル(thenylchlor)、キシラクロル(xylachlor);
スルホンアニリド除草剤:
ベンゾフルオル(benzofluor)、クロランスラム(cloransulam)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルメトスラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ペルフルイドン(perfluidone)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、プロフルアゾル(profluazol);
スルホンアミド除草剤:
アスラム(asulam)、カルバスラム(carbasulam)、フェナスラム(fenasulam)、オリザリン(oryzalin)、ペノクススラム(penoxsulam)、ピロクススラム(pyroxsulam);
チオアミド除草剤:
ベンカルバゾン(bencarbazone)、クロルチアミド(chlorthiamid);
抗生物質除草剤:
ビラナフォス(bilanafos);
芳香族酸除草剤:
安息香酸除草剤:
クロラムベン(chloramben)、ジカンバ(dicamba )、2,3,6-TBA、トリカンバ(tricamba);
ピリミジニルオキシ安息香酸除草剤:
ビスピリバク(bispyribac)、ピリミノバク(pyriminobac);
ピリミジニルチオ安息香酸除草剤:
ピリチオバク(pyrithiobac);
フタル酸除草剤:
クロルタール(chlorthal);
ピコリン酸除草剤:
アミノピラリド(aminopyralid)、クロピラリド (clopyralid)、ピクロラム(picloram);
キノリンカルボン酸除草剤:
キンクロラク(quinclorac)、キンメラク(quinmerac);
ヒ素含有除草剤:
カコジル酸(cacodylic acid)、CMA、DSMA、ヘキサフルレート(hexaflurate)、MAA、MAMA、 MSMA、亜ヒ酸カリウム、亜ヒ酸ナトリウム
ベンゾイルシクロヘキサンジオン除草剤:
メソトリオン(mesotrione)、スルコトリオン(sulcotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione);
ベンゾフラニルアルキルスルホネート除草剤:
ベンフレセート(benfuresate)、エトフメセート(ethofumesate);
ベンゾチアゾール除草剤:
ベナゾリン(benazolin)、ベンズチアズロン(benzthiazuron)、フェンチアプロプ(fenthiaprop)、メフェナセト(mefenacet)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron);
カルバメート除草剤:
アスラム(asulam)、カルボキサゾール(carboxazole)、クロルプロカルブ(chlorprocarb)、ジクロルメート(dichlormate)、フェナスラム(fenasulam)、カルブチレート(karbutilate)、テルブカルブ(terbucarb);
カルバニレート除草剤:
バルバン(barban)、BCPC、カルバスラム(carbasulam)、カルベタミド(carbetamide)、CEPC、クロルブファム(chlorbufam)、クロルプロファム(chlorpropham)、CPPC、デスメジファム(desmedipham)、フェニソファム(phenisopham)、フェンメジファム(phenmedipham)、フェンメジファム-エチル(phenmedipham-ethyl)、プロファム(propham)、スエップ(swep);
シクロヘキセンオキシム除草剤:
アロキシジム(alloxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、クロプロキシジム(cloproxydim)、シクロキシジム (cycloxydim)、プロフォキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim);
シクロプロピルイソキサゾール除草剤:
イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole);
ジカルボキシイミド除草剤:
シニドン-エチル(cinidon-ethyl)、フルメジン(flumezin)、フルミクロラク(flumiclorac)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミプロピン(flumipropyn);
ジニトロアニリン除草剤:
ベンフルラリン(benfluralin)、ブトラリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、フルクロラリン(fluchloralin)、イソプロパリン(isopropalin)、メタルプロパリン(methalpropalin)、ニトラリン(nitralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンジメタリン(pendimethalin)、プロジアミン(prodiamine)、プロフルラリン(profluralin)、トリフルラリン(trifluralin);
ジニトロフェノール除草剤:
ジノフェネート(dinofenate)、ジノプロプ(dinoprop)、ジノサム(dinosam)、ジノセブ(dinoseb)、ジノテルブ(dinoterb)、DNOC、エチノフェン(etinofen)、メジノテルブ(medinoterb);
ジフェニルエーテル除草剤:
エトキシフェン(ethoxyfen);
ニトロフェニルエーテル除草剤:
アシフルオフェン(acifluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、ビフェノックス(bifenox)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、エトニプロミド(etnipromid)、フルオロジフェン(fluorodifen)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、フルオロニトロフェン(fluoronitrofen)、フォメサフェン(fomesafen)、フリロキシフェン(furyloxyfen)、ハロサフェン(halosafen)、ラクトフェン(lactofen)、ニトロフェン(nitrofen)、ニトロフルオルフェン(nitrofluorfen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen);
ジチオカルバメート除草剤:
ダゾメト(dazomet)、メタム(metam);
ハロゲン化脂肪族除草剤:
アロラク(alorac)、クロロポン(chloropon)、ダラポン(dalapon)、フルプロパネート(flupropanate)、ヘキサクロロアセトン、ヨードメタン、臭化メチル、モノクロロ酢酸、SMA、TCA;
イミダゾリノン除草剤:
イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピク(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr);
無機除草剤:
スルファミン酸アンモニウム、ホウ砂、塩素酸カルシウム、硫酸銅、硫酸鉄、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、硫酸;
ニトリル除草剤:
ブロモボニル(bromobonil)、ブロモキシニル(bromoxynil)、クロロキシニル(chloroxynil)、ジクロベニル(dichlobenil)、ヨードボニル(iodobonil)、イオキシニル(ioxynil)、ピラクロニル(pyraclonil);
有機リン除草剤:
アミプロフォス-メチル(amiprofos-methyl)、アニロフォス(anilofos)、ベンスリド(bensulide)、ビラナフォス(bilanafos)、ブタミフォス(butamifos)、2,4-DEP、DMPA、EBEP、フォサミン(fosamine)、グルフォシネート(glufosinate)、グルフォシネート-P(glufosinate-P)、グリフォセート(glyphosate)、ピペロフォス(piperophos);
オキサジアゾロン除草剤:
ジメフロン(dimefuron)、メタゾール(methazole)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon);
オキサゾール除草剤:
カルボキサゾール(carboxazole)、イソウロン(isouron)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、モニソウロン(monisouron)、ピロキサスルフォン(pyroxasulfone)、トプラメゾン(topramezone);
フェノキシ除草剤:
ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、クロメプロプ(clomeprop)、2,4-DEB、2,4-DEP、ジフェノペンテン(difenopenten)、ジスル(disul)、エルボン(erbon)、エトニプロミド(etnipromid)、フェンテラコール(fenteracol)、トリフォプシメ(trifopsime);
フェノキシ酢酸除草剤:
4-CPA、2,4-D、 3,4-DA、MCPA、MCPA-チオエチル、2,4,5-T;
フェノキシ酪酸除草剤:
4-CPB、2,4-DB、3,4-DB、MCPB、2,4,5-TB;
フェノキシプロピオン酸除草剤:
クロプロプ(cloprop)、4-CPP、ジクロルプロプ(dichlorprop)、ジクロルプロプ-P(dichlorprop-P)、3,4-DP、フェノプロプ(fenoprop)、メコプロプ(mecoprop)、メコプロプ-P(mecoprop-P);
アリールオキシフェノキシプロピオン除草剤:
クロラジフォプ(chlorazifop)、クロジナフォプ(clodinafop)、クロフォプ(clofop)、シハロフォプ(cyhalofop)、ジクロフォプ(diclofop)、フェノキサプロプ(fenoxaprop)、フェノキサプロプ-P(fenoxaprop-P)、フェンチアプロプ(fenthiaprop)、フルアジフォプ(fluazifop)、フルアジフォプ-P(fluazifop-P)、ハロキシフォプ(haloxyfop)、ハロキシフォプ-P(haloxyfop-P)、イソキサピリフォプ(isoxapyrifop)、メタミフォプ(metamifop)、プロパキザフォプ(propaquizafop)、キザロフォプ(quizalofop)、キザロフォプ-P(quizalofop-P)、トリフォプ(trifop);
フェニレンジアミン除草剤:
ジニトラミン(dinitramine)、プロジアミン(prodiamine);
ピラゾール除草剤:
アジムスルフロン(azimsulfuron)、ジフェンゾカット(difenzoquat)、ハロスルフロン(halosulfuron)、メタザクロル(metazachlor)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone);
ベンゾイルピラゾール除草剤:
ベンゾフェナプ(benzofenap)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、トプラメゾン(topramezone);
フェニルピラゾール除草剤:
フルアゾレート(fluazolate)、ニピラクロフェン(nipyraclofen)、ピラフルフェン(pyraflufen);
ピリダジン除草剤:
クレダジン(credazine)、ピリダフォル(pyridafol)、ピリデート(pyridate);
ピリダジノン除草剤:
ブロムピラゾン(brompyrazon)、クロリダゾン(chloridazon)、ジミダゾン(dimidazon)、フルフェンピル(flufenpyr)、メトフルラゾン(metflurazon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、オキサピラゾン(oxapyrazon)、ピダノン(pydanon);
ピリジン除草剤:
アミノピラリド(aminopyralid)、クリオジネート(cliodinate)、クロピラリド(clopyralid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジチオピル(dithiopyr)、フルフェニカン(flufenican)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ハロキシジン(haloxydine)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ピリクロル(pyriclor)、ピロックススラム(pyroxsulam)、チアゾピル(thiazopyr)、トリクロピル(triclopyr);
ピリミジンジアミン除草剤:
イプリミダム(iprymidam)、チオクロリム(tioclorim);
4級アンモニウム除草剤:
シペルクアット(cyperquat)、ジエタムクアット(diethamquat)、ジフェンゾクアット(difenzoquat)、ジクアット(diquat)、モルファムクアット(morfamquat)、パラクアット(paraquat);
チオカルバメート除草剤:
ブチレート、シクロエート(cycloate)、ジ-アレート(di-allate)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、エチオレート(ethiolate)、イソポリネート(isopolinate)、メチオベンカルブ(methiobencarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、ペブレート(pebulate)、プロスルフォカルブ(prosulfocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、スルファレート(sulfallate)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チオカルバジル(tiocarbazil)、トリ-アレート(tri-allate)、ベルノレート(vernolate);
チオカルボネート除草剤:
ジメキサノ(dimexano)、EXD、プロキサン(proxane);
チオ尿素除草剤:
メチウロン(methiuron);
トリアジン除草剤:
ジプロペトリン(dipropetryn)、インダジフラム(indaziflam)、トリアジフラム(triaziflam)、トリヒドロキシトリアジン;
クロロトリアジン除草剤:
アトラジン(atrazine)、クロラジン(chlorazine)、シアナジン(cyanazine)、シプラジン(cyprazine)、エグリナジン(eglinazine)、イパジン(ipazine)、メソプラジン(mesoprazine)、プロシアジン(procyazine)、プログリナジン(proglinazine)、プロパジン(propazine)、セブチラジン(sebuthylazine)、シマジン(simazine)、テルブチラジン(terbuthylazine)、トリエタジン(trietazine);
メトキシトリアジン除草剤:
アトラトン(atraton)、メトメトン(methometon)、プロメトン(prometon)、セクブメトン(secbumeton)、シメトン(simeton)、テルブメトン(terbumeton);
メチルチオトリアジン除草剤:
アメトリン(ametryn)、アジプロトリン(aziprotryne)、シアナトリン(cyanatryn)、デスメトリン(desmetryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、メトプロトリン(methoprotryne)、プロメトリン(prometryn)、シメトリン(simetryn)、テルブトリン(terbutryn);
トリアジノン除草剤:
アメトリジオン(ametridione)、アミブジン(amibuzin)、ヘキサジノン(hexazinone)、イソメチオジン(isomethiozin)、メタミトロン (metamitron)、メトリブジン(metribuzin);
トリアゾール除草剤:
アミトロール(amitrole)、カフェンストロール(cafenstrole)、エプロナズ(epronaz)、フルポキサム(flupoxam);
トリアゾロン除草剤:
アミカルバゾン(amicarbazone)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、カルフェントラゾン(carfentrazone)、フルカルバゾン(flucarbazone)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、チエンカルバゾン(thiencarbazone);
トリアゾロピリミジン除草剤:
クロランスラム(cloransulam)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルメトスラム (flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ペノックススラム(penoxsulam)、ピロックススラム(pyroxsulam);
ウラシル除草剤:
ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブロマシル (bromacil)、ブタフェナシル(butafenacil)、フルプロパシル(flupropacil)、イソシル(isocil)、レナシル(lenacil)、サフルフェナシル(saflufenacil)、テルバシル(terbacil);
尿素除草剤:
ベンズチアズロン(benzthiazuron)、クミルロン(cumyluron)、シクルロン(cycluron)、ジクロラルウレア(dichloralurea)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、イソノルロン(isonoruron)、イソウロン(isouron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、モニソウロン(monisouron)、ノルロン(noruron);
フェニル尿素除草剤:
アニスロン(anisuron)、ブツロン(buturon)、クロルブロムロン(chlorbromuron)、クロレツロン(chloreturon)、クロロトルロン(chlorotoluron)、クロロクスロン(chloroxuron)、ダイムロン(daimuron)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、ジメフロン(dimefuron)、ジウロン(diuron)、フェヌロン(fenuron)、フルオメツロン(fluometuron)、フルオチウロン(fluothiuron)、イソプロツロン(isoproturon)、リヌロン(linuron)、メチウロン(methiuron)、メチルジムロン(methyldymron)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトクスロン(metoxuron)、モノリヌロン(monolinuron)、モヌロン(monuron)、ネブロン(neburon)、パラフルロン(parafluron)、フェノベンズロン(phenobenzuron)、シズロン(siduron)、テトラフルロン(tetrafluron)、チジアズロン(thidiazuron);
スルホニル尿素除草剤:
ピリミジニルスルホニル尿素除草剤:アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロン(bensulfuron)、クロリムロン(chlorimuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロン(halosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、メソスルフロン(mesosulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、ピリミスルフロン(primisulfuron)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、
トリアジニルスルホニル尿素除草剤:クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、メトスルフロン(metsulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロン(tribenuron)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron);
チアジアゾリル尿素除草剤:
ブチウロン(buthiuron)、エチジムロン(ethidimuron)、テブチウロン(tebuthiuron)、チアザフルロン(thiazafluron)、チジアズロン(thidiazuron);
分類されない除草剤:
アクロレイン、アリルアルコール、アミノシクロピラクロル(aminocyclopyrachlor)、アザフェニジン(azafenidin)、ベンタゾン(bentazone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ブチダゾール(buthidazole)、カルシウムシアナミド、カンベンジクロル(cambendichlor)、クロルフェナク(chlorfenac)、クロルフェンプロプ(chlorfenprop)、クロルフルラゾール(chlorflurazole)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、シンメチリン(cinmethylin)、クロマゾン (clomazone)、CPMF、クレゾール、シアナミド、オルト-ジクロロベンゼン、ジメピペレート (dimepiperate)、エンドタール(endothal)、フルオロミジン(fluoromidine)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルルタモン(flurtamone)、フルチアセト(fluthiacet)、インダノファン(indanofan)、イソチオシアン酸メチル、OCH、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン(pentoxazone)、酢酸フェニル水銀、ピノキサデン(pinoxaden)、プロスルファリン(prosulfalin)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、キノクラミン(quinoclamine)、ロデタニル(rhodethanil)、スルグリカピン(sulglycapin)、チジアジミン(thidiazimin)、トリジフェイン(tridiphane)、トリメツロン(trimeturon)、トリプロピンダン(tripropindan)、トリタク(tritac)。
【0044】
好ましくは、植物保護剤は、水に不溶性であるか、または水にほんの少し溶解性であるものから選択される。「水にほんの少し溶解性である」という語は、これに関しては、最大で5g、好ましくは最大で2g、特に最大で1gの物質が、S.T.P. (T=25℃+/-20%、p=101 325パスカル+/-20%)下で、1リットルの水中に溶解性であることを意味する。
【0045】
植物保護において、アジュバントは、活性物質(ここでは植物保護剤)の活性および/または所望の効果(例えば殺菌、殺虫、除草、殺細菌、線虫駆除もしくは成長調節の効果)に関してのその選択性を増大させるが、それ自体では、植物保護作用に関して全く効果を示さないか、またはほんのわずかの効果しか示さない補助剤である。アジュバントの作用は、多くの場合に、それらの表面活性に基づいており、活性物質の施用形態(一般的に、活性物質を含む水性の噴霧スラリー)と植物表面との接触を改善するか、または、表面張力を低下させることによって、土壌への施用形態の浸透、従って活性物質の浸透を改善する。特定の表面活性物質がアジュバントとしてふるまうかどうか、すなわち効果もしくは選択性の向上がそれによって達成されるかどうかはまた、しばしば活性物質のタイプに依存する。
【0046】
電解質感受性増粘剤が、本発明のゲル処方物において使用されるので、非イオン化合物をアジュバントとして使用するのが好ましい。
【0047】
したがって少なくとも1種のアジュバントは好ましくは、アルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド)、アルキルポリグリコシド、多価ヒドロキシル化合物のアルコキシル化脂肪酸エステルおよび上記した製品の混合物から誘導される繰り返し単位を有するポリエーテル化合物から選択される。
【0048】
適当なポリエーテル化合物は典型的には、エチレンオキシドから誘導される繰り返し単位の他に、任意的に、一般的にC3-C8-アルキレンオキシドおよび/またはスチレンオキシドから誘導されるさらなる繰り返し単位を有する、少なくとも1個、例えば1、2、3もしくは4個のポリエーテル基を有する。ポリエーテル基は後にまた、マクロゴール部分として記載される。ポリエーテル化合物においては、ポリエーテル基は一般に、有機基(基礎部分)に共有結合されるか、またはエーテル酸素原子を介して高分子に接続される。基礎部分は典型的には、一般的に4〜40個、しばしば6〜30個、特に10〜22個の炭素原子を有する有機基であり、基礎部分は任意的に、1個以上の官能基、例えば1もしくは2個のカルボニルオキシ基(C(=O)-O基)および/または1、2、3もしくは4個のOH基および/または1、2、3、4、5もしくは6個の窒素原子を有することさえ可能である。基礎部分として適当な基の例は、C8-C30-アルキル、C8-C30-アルケニル、C4-C30-アルカンジイル、C8-C30-アルカントリイル、C5-C10-シクロアルキル、C5-C10-シクロアルカンジイル、α,α'-[ビスフェニル-C1-C4-アルカン]ジイル、α,α'-[ビスシクロヘキシル-C1-C4-アルカン]ジイル, モノおよびジ(C4-C20-アルキル)フェニル、特にブチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、ヘキシルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、ドデシルフェニルもしくはトリデシルフェニル、C8-C20-アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1-C20-アルキルベンゾイル、ナフチル(任意的に、1、2もしくは3個のC1-C10-アルキル基を有することができる)、モノ-、ジ-およびトリスチリルフェニルならびにまた、ソルビタンエステルから、アルキルポリグリコシドから、モノ-、もしくはジ-グリセリドから、および(オリゴ)アルキレンイミンから誘導される基である。
【0049】
アルキル(ポリ)グリコシドまたはアルキルポリグリコシドは、酸素原子を介して単糖もしくはオリゴ糖基、例えば単糖、二糖もしくは三糖基に結合された、1個以上、特に1個のアルキル基、特に1個のC6-C22-アルキル基を有する化合物を意味すると理解されるべきである。糖単位は、これに関しては、典型的にはグルコースから誘導される。好ましいアルキル(ポリ)グリコシドは、平均して1〜2個のグルコース単位を有するものである。これについては、混合物が一般的に含まれる。アルキル(ポリ)グリコシドから誘導される基礎部分を有するポリエーテル化合物においては、少なくとも1個のマクロゴール部分が、単糖もしくはオリゴ糖基の少なくとも1個のエステル化されていないヒドロキシル基にとって代わる。
【0050】
多価ヒドロキシル化合物のエトキシル化脂肪酸エステルは一般に、脂肪酸と、3、4、5もしくは6個のヒドロキシル基および3、4、5もしくは6個の炭素原子を有する脂肪族もしくは脂環式多価ヒドロキシル化合物とのモノ-、ジ-もしくはトリエステルのエトキシレートであり、脂肪酸と多価ヒドロキシル化合物とのエトキシル化されていないエステルは一般になお、少なくとも1個、好ましくは2、3、もしくは4個のヒドロキシル基を有する。これらの物質における脂肪酸成分は一般に、飽和、1不飽和または多価不飽和の脂肪酸から誘導され、脂肪酸は一般に、6〜22個、特に8〜18個の炭素原子を有する。これらの物質における適当な脂肪酸成分の例は、飽和脂肪酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸およびセロチン酸から誘導される基、不飽和脂肪酸、例えばウンデシレン酸、パルミトオレイレン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、イコセン酸(icosenoic acid)、セトレン酸(cetoleic acid)、エルカ酸およびネルボン酸から誘導される基、ならびに多価不飽和脂肪酸、例えばリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸、チムノドン酸、クルパノドン酸およびセルボン酸(cervonic acid)から誘導される基である。脂肪酸成分はまた、上記した脂肪酸の混合物から誘導されることができる。
【0051】
好ましいポリエーテル化合物は、C8-C22-アルカノールのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、脂肪酸のポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、脂肪アミンのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、脂肪族C8-C22-モノカルボン酸のモノ-およびジ-グリセリドのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、脂肪族C8-C22-モノカルボン酸のソルビタンエステルのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、アルキルフェノールのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、ジ-およびトリスチリルフェノールのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、アルキルポリグリコシドのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)ならびにそれらの混合物から選択される。
【0052】
ポリエーテル化合物の分子量は、広い範囲にわたって変化することができ、他に与えられなければ、典型的には、200〜10,000ダルトンの範囲、特に300〜5,000ダルトンの範囲(各場合、数平均分子量Mn)である。重量平均分子量対数平均分子量の比Mw/Mnは好ましくは、0.9〜1.6の範囲、好ましくは1.0〜1.4の範囲、特に好ましくは1.1〜1.3の範囲にある。
【0053】
好ましい多価ヒドロキシル化合物のエトキシル化脂肪酸エステルは、グリセロールのエトキシル化脂肪酸モノエステル、およびまた、ソルビタンもしくはソルビタン無水物のエトキシル化脂肪酸モノ-およびジエステルであり、これらの化合物における脂肪酸基は好ましくは、8〜20個、特に10〜18個の炭素原子を有する。脂肪酸基は、飽和であるか、または1不飽和もしくは多価不飽和であることができ、典型的には上記した脂肪酸およびそれらの混合物から、特にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、パルミトオレイレン酸、オレイン酸、リノール酸およびそれらの混合物から誘導される。
【0054】
エトキシル化の程度、すなわちエチレンオキシドから誘導される繰り返し単位の平均の数は、典型的には5〜50、特に10〜40である。
【0055】
上記したアジュバントは、幾つかの場合には、その作用方式を改善するか、またはそれの活性のスペクトルを広げる追加的補助剤と組み合わせて使用される。標準の補足的補助剤は、例えば有機溶媒であり、これは植物の表面への展開をさらに改善する。適当な溶媒は、例えば脂肪族および特に芳香族溶媒、例えばトルエン、キシレンおよびSolvesso、ならびにナフサ製品である。
【0056】
通常、植物保護剤およびアジュバントは、一般的に不相溶性ではないが、ほとんどの部分については、アジュバントが比較的大量に使用されるなら不相溶性であるにすぎない。厳密にいえば、水性分散相中のその濃度が限界値を超えたら、アジュバントは、水にほんの少し溶解性であるか、または不溶性である植物保護剤のために溶媒となり得る。しかしながら同時に、その濃度は、それにもかかわらず低いので、植物保護剤は、飽和形態または過飽和形態でアジュバント中に存在する。オストワルト成長はその後、処方物中で、より小さい結晶を使って、より大きい結晶の大きさの成長を生じる。このプロセスが処方物中で十分長く進行するなら、これは、植物保護剤製品を用いる際の安定性および施用の問題を生じ得る。植物保護剤のオストワルト成長の許容できない程度を生じるアジュバントの濃度は、個々の植物保護剤、それ自体の濃度、使用されるアジュバント、ならびに他の成分例えば分散剤および他の補助剤のタイプおよび濃度に依存する。しかしながら、水性相中で特定の植物保護剤と合わせられる処方物において沈殿の形成を生じる、個々のアジュバントのタイプおよび濃度は、調合のときに当業者に公知であるか、または処方物試験の結果から分かる。
【0057】
不相溶性の物質AおよびBの特定の例を、例示として挙げることができる:
【表1】

【0058】
少なくとも1種の植物保護剤がゲル形態相中に存在し、それは、相の全重量に基づき好ましくは2〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%、特に10〜40重量%の全体量で存在する。
【0059】
少なくとも1種のアジュバントがゲル形態相中に存在し、それは、相の全重量に基づき好ましくは2〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%、特に10〜30重量%の全体量で存在する。ゲル中への固定のため、アジュバントは、慣用の液体処方物中において可能であるより著しく大量に、本発明のゲル処方物中で存在することができる。
【0060】
本発明のゲル処方物は水に基づくので、少なくとも1種の電解質感受性増粘剤は好ましくは、水性系の増粘のために適当であるものから選択される。
【0061】
原則として、それらの増粘剤は、解離してイオンを与えることができる基を含む、すなわち多価電解質を表す電解質感受性である。多価電解質は、解離してイオンを与えることができる基のタイプに依存して、ポリ酸およびポリ塩基へとさらに分けられる。ポリ酸の特徴的繰り返し単位の例は、ポリリン酸(-O-P(O)(OH)-)、ビニル硫酸単位(-CH2-CH(OSO3H)-)、ビニルスルホン酸単位(-CH2-CH(SO3H)-)、ビニルホスホン酸単位(-CH2-CH(PO(OH)2)-)およびアクリル酸もしくはメタクリル酸単位(-CH2-CH(COOH)- もしくは-CH2-C(CH3)(COOH)-)である。ポリ塩基は一般に、イミン単位(-NH-)、アミン単位(例えばビニルアミン単位、例えば-CH2-CH(NH2)-)または窒素を含む複素環単位、例えばビニルピリジン単位を含む。ポリ酸のプロトン分離による解離は、ポリアニオンを生じ、一方、ポリ塩基は、プロトンを取り上げることによって反応して、ポリカチオンを与えることができる。カチオン基とアニオン基との両方を含む多価電解質は、多価両性電解質(polyampholyte)として説明される。
【0062】
電解質感受性増粘剤は好ましくは、天然の増粘剤(これらは、寒天、トチャカ、トラガカントゴム、アラビアゴム、アルギネート、ペクチネート、ポリオース(polyose)、グアー粉 (guar flour)、イナゴマメ粉(locust bean flour)、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼインのような製品を包含する)でもなく、変性された天然物質(これらは、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース、さらにはヒドロキシエチル-およびヒドロキシプロピルセルロース等を包含する)でもない。電解質感受性増粘剤は、好ましくは完全に合成である有機増粘剤である。
【0063】
完全に合成である有機増粘剤は好ましくは、これに関しては、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するポリアクリル酸および/またはポリアクリレート、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのホモ-もしくはコポリマー、ならびに数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するエチレン/無水マレイン酸コポリマーから選択され、特に好ましくは、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのホモ-もしくはコポリマーから選択され、非常に好ましくは、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのコポリマーから選択される。
【0064】
少なくとも1種の電解質感受性増粘剤は、非常に好ましくは以下のラジカル共重合によって得ることができるポリマーから選択される
A) アクリロイルジメチルタウリン(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸; アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸; AMPS(登録商標))および/またはその塩;
B) 次のものを含む1種以上のマクロモノマー
a) 重合することができる末端基であって、反応媒体中に少なくとも一部可溶性であるもの、
b) 疎水性部分であって、水素または、飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐した、脂肪族、脂環式もしくは芳香族C1-C100-炭化水素基を有するもの、および
c) 任意的に、親水性部分であって、ポリアルキレンオキシドに基づくもの;ならびに
C) 任意的なものであって、酸素、窒素、硫黄、リン、塩素および/またはフッ素を含む1種以上の追加的な少なくともモノオレフィン性もしくはポリオレフィン性不飽和のコモノマー。
【0065】
そのようなコポリマーは原則として公知であり、例えばDE-A-10163888に記載されており、これにより、当該文献への言及が、その全部において、なされる。
【0066】
好ましくは、マクロモノマーB)は、ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシドおよび/またはポリプロピレンオキシドに基づく親水性部分を含む。
【0067】
アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)の塩として適当なものは好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウムまたはテトラアルキルアンモニウム塩であり、アンモニウムイオンのアルキル置換基は、互いに独立して、0〜3個のヒドロキシアルキル基が散在していることができる(C1-C22)-アルキル基であって、そのアルキル鎖長がC2 〜C10の範囲内で変化し得るアルキル基を表す。異なるエトキシル化度を有するモノ-〜トリエトキシル化アンモニウム化合物が同様に適当である。塩として特に好ましいものは、ナトリウム塩およびアンモニウム塩である。
【0068】
アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)の中和の程度は、好ましくは70〜100モル%である。
【0069】
コモノマーA)は好ましくは、アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)のナトリウムおよび/またはアンモニウム塩である。
【0070】
好ましいマクロモノマーB)を、(f)の下に、以下でさらに説明する。
【0071】
好ましい実施形態においては、ポリマーはなおさらに、酸素、窒素、硫黄、リン、塩素および/またはフッ素を含むオレフィン性不飽和コモノマーC)を含む。
【0072】
コモノマーC)として好ましいものは、好ましくは1価および2価の対イオンを有する、オレフィン性不飽和酸またはその塩であり、特に好ましくはスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸および/またはマレイン酸もしくは無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸もしくはセネシオ酸またはそれらの塩である。好ましい対イオンは、Li+, Na+, K+, Mg2+, Ca2+, Al3+, NH4+、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムイオンであり、ここで、アミンの置換基は、互いに独立して、0〜3個のヒドロキシアルキル基が散在していることができるC1-C22-アルキル基であって、そのアルキル鎖長がC2〜C10の範囲内で変化し得るアルキル基を表す。さらにまた、異なるエトキシル化度を有するモノ-〜トリエトキシル化アンモニウム化合物およびまた対応する酸無水物を使用できる(また混合できる)。任意的なオレフィン性不飽和酸C)の中和の程度は、0〜100%、好ましくは70〜100%であり得る。
【0073】
さらにコモノマーC)として適当なものは、不飽和カルボン酸、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸およびセネシオ酸と、炭素数1〜30を有する脂肪族もしくは芳香族もしくは脂環式アルコールとのエステルである。
【0074】
同様に適当であるコモノマーC)は、非環状および4〜9個の原子の環サイズを有する環状のN-ビニルアミド(N-ビニルラクタム)、好ましくはN-ビニルホルムアミド(NVF)、N-ビニルメチルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミド(VIMA)、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン(NVP)もしくはN-ビニルカプロラクタム;アクリル酸およびメタクリル酸のアミド、特に好ましくはアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドもしくはN,N-ジイソプロピルアクリルアミド;またはアルコキシル化アクリルアミドおよびメタクリルアミド、好ましくはヒドロキシメチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミドおよびヒドロキシプロピルメタクリルアミドである。
【0075】
同様に適当なものは、コハク酸モノ[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]エステル;N,N-ジメチルアミノメタクリレート;ジエチルアミノメチルメタクリレート;アクリルアミドグリコール酸およびメタクリルアミドグリコール酸;[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)および[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC);2-ビニルピリジン;4-ビニルピリジン;酢酸ビニル;メタクリル酸グリシジルエステル;アクリロニトリル;塩化ビニル;塩化ビニリデン;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC);ステアリルアクリレート;ラウリルメタクリレート;および/またはテトラフルオロエチレンである。
【0076】
また適当なものは、メチレンビスアクリルアミドおよびメチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノ-およびポリカルボン酸とポリオールとのエステル、例えばジアクリレートもしくはトリアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレートもしくはジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレートもしくはジメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレート;アリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、またはリン酸のアリルエステル;および/またはビニルホスホン酸誘導体である。
【0077】
使用するのに特に好ましいものは、A)アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩および/またはアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸のアンモニウム塩、好ましくはアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS) のアンモニウム塩;B)メタクリル酸もしくはアクリル酸、好ましくはメタクリル酸、および以下の式
【化4】

【0078】
(ここで、Xは、0〜50の数、好ましくは1〜50の数、特に好ましくは5〜30の数であり;かつR3はC10-C22-アルキル基である)
の化合物から形成されるエステルの群より選択される1種以上のマクロモノマー;ならびにC)任意的なものであって、アクリルアミド、ビニルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、メタアリルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メタクリルアミド、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、ビニルホスホン酸、スチレン、スチレンスルホネート(ナトリウム塩)、t-ブチルアクリレートおよびメチルメタクリレート、好ましくはメタクリル酸および/またはメタクリルアミドからなる群より選択される1種以上のコモノマー
のラジカル共重合によって製造することができるポリマーである。
【0079】
マクロモノマーB)として特に適当なものは、アクリル酸もしくはメタクリル酸および、以下の群
8個のEO単位を有するC10-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Genapol(登録商標)C-080);
8個のEO単位を有するC11-オキソ-アルコールポリグリコールエーテル(Genapol(登録商標) UD-080);
7個のEO単位を有するC12-C14-脂肪アルコールポリグリコールエーテル(Genapol(登録商標) LA-070);
11個のEO単位を有するC12-C14-脂肪アルコールポリグリコールエーテル(Genapol(登録商標)LA-110);
8個のEO単位を有するC16-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Genapol(登録商標) T-080);
15個のEO単位を有するC16-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Genapol(登録商標) T-150);
11個のEO単位を有するC16-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Genapol(登録商標) T-110);
20個のEO単位を有するC16-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Genapol(登録商標) T-200);
25個のEO単位を有するC16-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Genapol(登録商標) T-250);
25個のEO単位を有するC18-C22-脂肪アルコールポリグリコールエーテル;
25個のEO単位を有するイソ-C16-C18-脂肪アルコールポリグリコールエーテル; および
25個のEO単位を有するC22-脂肪アルコールポリグリコールエーテル (Mergital(登録商標) B25)
より選択されるアルキルエトキシレートから形成されるエステルである。
【0080】
これに関して、EO単位は、エチレンオキシド単位である。Genapol(登録商標)等級はClariantからの製品であり、Mergital(登録商標)B25はCognisからの製品である。
【0081】
同様に特に好ましいものは、A)アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩および/またはアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸のアンモニウム塩、好ましくはアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS) のアンモニウム塩;B) アクリル酸もしくはメタクリル酸、好ましくはメタクリル酸、および以下の式
【化5】

【0082】
(ここで、
Xは、0〜50の数、好ましくは1〜50の数、特に好ましくは5〜30の数であり;かつ
R3はポリ(C1-C22-アルキル)フェニル基、好ましくはトリス(sec-ブチル)フェニル基またはトリス(n-ブチル)フェニル基、特に好ましくは2,4,6-トリス(sec-ブチル)フェニル基またはトリス(スチリル)フェニル基、特に2,4,6-トリス(1-フェニルエチル)フェニル基
である)
の化合物から形成されるエステルの群より選択される1種以上のマクロモノマー;ならびにC)任意的なものであって、アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミドおよびメタアリルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メタクリルアミド、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、ビニルホスホン酸、スチレン、スチレンスルホネート(ナトリウム塩)、t-ブチルアクリレートもしくはメチルメタクリレート、好ましくはメタクリル酸および/またはメタクリルアミドから選択される1種以上のコモノマー
のラジカル共重合によって製造することができるポリマーである。
【0083】
ポリマー中のマクロモノマーB)の重量割合は、0.1〜99.9重量%の間で変化し得る。好ましい実施形態においては、ポリマーは、高度に疎水性に変性されている。すなわち、マクロモノマーB)の割合が50.1〜99.9重量%、好ましくは70〜95重量%、特に好ましくは80〜94重量%である。さらなる好ましい実施形態においては、ポリマーは、乏しく疎水性に変性されている。すなわち、マクロモノマーB)の割合が0.1〜50重量%、好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。
【0084】
ポリマー中のモノマーA)、B)およびC)のモノマー分布は、交互、ランダム、勾配またはブロック(またマルチブロック)であり得る。ポリマーの数平均分子量は、好ましくは1000〜20,000,000g/モル、好ましくは20,000〜5,000,000 g/モル、特に好ましくは50,000〜1,500,000 g/モルである。
【0085】
好ましい実施形態においては、ポリマーは架橋されている。すなわち、少なくとも2個の二重結合を有する少なくとも1種の架橋剤がポリマー中で共重合される。
【0086】
好ましい架橋剤は、メチレンビスアクリルアミドおよびメチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノ-もしくはポリカルボン酸とポリオールとのエステル、好ましくはジアクリレートおよびトリアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレートもしくはジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレートもしくはジメタクリレート、およびトリメチロールプロパントリアクリレート、アリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル;および/またはビニルホスホン酸誘導体である。
【0087】
ポリマーは、ラジカル共重合、例えば沈殿重合、乳化重合、溶液重合または懸濁重合によって製造することができる。特に適当なものは、好ましくはtert-ブタノール中で、沈殿重合によって製造されるポリマーである。tert-ブタノール中での沈殿重合を使用することによって、他の溶媒と比べて、ポリマーの特定の粒径分布を達成することができる。ポリマー粒子の大きさの分布は、例えばレーザー回折または篩分けによって決定することができる。以下の粒径分布は、好都合な大きさ分布の典型であり、篩分けによって決定された粒径分布は:423マイクロメートル未満に60.2%、212マイクロメートル未満に52.0%、106マイクロメートル未満に26.6%、45マイクロメートル未満に2.6%、および850マイクロメートル超に26.6%である。
【0088】
特に、少なくとも1種の電解質感受性増粘剤は、
(a) アクリロイルジメチルタウリン(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸;
アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸;AMPS)および/またはその塩と、
(b) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和の、カチオンでない、任意的に架橋していて、かつ任意的に熱感受性のコモノマーであって、少なくとも1個の酸素、窒素、硫黄もしくはリン原子を有し、最大で500の分子量を有するもの;および/または
(c) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和のカチオンコモノマーであって、少なくとも1個の酸素、窒素、硫黄もしくはリン原子を有し、最大で500の分子量を有するもの;および/または
(d) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和のケイ素含有コモノマー;および/または
(e) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和のフッ素含有コモノマー;および/または
(f) 少なくとも200の数平均分子量を有する、少なくとも1種の任意的に熱感受性のマクロマー;および/または
(g) 200〜1 × 109の数平均分子量を有する少なくとも1種のポリマー添加剤
とのコポリマーから選択される。
【0089】
これに関して、ただし、成分(a)は成分(b)〜(g)の少なくとも1種と共重合される。
【0090】
そのようなポリマーは原則として公知であり、例えばWO 02/44230に記載される。
【0091】
コポリマーは好ましくは、103 g/モル〜109 g/モル、特に好ましくは104 〜107 g/モル、とりわけ好ましくは5 × 104 〜5 × 106 g/モルの分子量を有する。
【0092】
アクリロイルジメチルタウリンの塩は、無機塩または有機塩であることができる。好ましくは、Li+, Na+, K+, Mg2+, Ca2+, Al3+ および/またはNH4+ 塩である。同様に好ましいものは、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウムおよび/またはテトラアルキルアンモニウム塩であり、アミンのアルキル置換基は、互いに独立して、3個までのヒドロキシ-C2-C10-アルキル基が任意的に散在していることができるC1-C22-アルキル基であることが可能である。さらに、また好ましいものは、異なるエトキシル化度を有するモノ-〜トリエトキシル化アンモニウム化合物である。2種以上の上記した典型例の混合物または遊離のアクリロイルジメチルタウリンはまた、本発明の意図内にあることに注意すべきである。
【0093】
コポリマー中のアクリロイルジメチルタウリンの中和の程度は、0〜100%であり得る。特に好ましくは、80%より大きい中和度である。
【0094】
コポリマーの全重量に基づくアクリロイルジメチルタウリンもしくはアクリロイルジメチルタウレートの含量は、0.1〜99.9重量%、好ましくは20〜99.5重量%、特に好ましくは50〜98重量%であり得る。
【0095】
コモノマー(b)として、全てのオレフィン性不飽和でカチオンでないモノマーを使用でき、その反応パラメータは、それぞれの反応媒体中で、アクリロイルジメチルタウリンおよび/またはアクリロイルジメチルタウレートとの共重合を可能にする。好ましいものは、不飽和カルボン酸およびそれらの無水物およびそれらの塩、ならびにまた、炭素数1〜22個を有する脂肪族、オレフィン、脂環式、アリール脂肪族もしくは芳香族アルコールとのそれらのエステルである。不飽和カルボン酸として特に好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸およびセネシオ酸である。好ましいものはさらに、非環状N-ビニルアミド、好ましくはN-ビニルホルムアミド(VIFA)、N-ビニルメチルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミド(VIMA)およびN-ビニルアセトアミド;3〜9個の環の大きさを有する環状N-ビニルアミド(N-ビニルラクタム)、好ましくはN-ビニルピロリドン(NVP)およびN-ビニルカプロラクタム;アクリル酸およびメタクリル酸のアミド、好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドおよびN,N-ジイソプロピルアクリルアミド;アルコキシル化アクリルアミドおよびメタクリルアミド、好ましくはヒドロキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミドおよびヒドロキシプロピルメタクリルアミド;コハク酸モノ[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]エステル;N,N-ジメチルアミノメタクリレート;ジエチルアミノメチルメタクリレート;アクリルアミドグリコール酸およびメタクリルアミドグリコール酸;2-および4-ビニルピリジン;酢酸ビニル;メタクリル酸グリシジルエステル;スチレン;アクリロニトリル;塩化ビニル;ステアリルアクリレート;ラウリルメタクリレート;塩化ビニリデン;および/またはテトラフルオロエチレンである。同様に適当なものは、無機酸ならびにそれらの塩およびエステルである。好ましい酸は、ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸およびメタアリルスルホン酸である。上記したものは、適当な塩に関して妥当である。
【0096】
コモノマー(b)の例は:N,N-ジイソプロピルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸、酢酸ビニルおよびビニルアルコールである。
【0097】
さらなる好ましい実施形態においては、コポリマーは架橋されている。すなわち、少なくとも2個の重合性ビニル基を有するコモノマー(b)を含む。好ましい架橋剤は、メチレンビスアクリルアミド;メチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノ-およびポリカルボン酸とポリオールとのエステル、好ましくはジアクリレートおよびトリアクリレート、またはジメタクリレートおよびトリメタクリレート、特に好ましくはブタンジオールジアクリレートもしくはジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレートもしくはジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA);アリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン;リン酸のアリルエステル;および/またはビニルホスホン酸誘導体である。架橋剤として特に好ましいものは、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)である。
【0098】
コポリマーの全重量に基づくコモノマー(b)の重量割合は、0〜99.9重量%、好ましくは0.05〜80重量%、特に好ましくは0.05〜70重量%であり得る。
【0099】
可能なコモノマー(c)は、選択された反応媒体中でアクリロイルジメチルタウリンまたはその塩とコポリマーを形成することができる、カチオン電荷を有する全てのオレフィン性不飽和モノマーである。生じる鎖にわたってのカチオン電荷の分布は、これに関しては、ランダム、交互、ブロックまたは勾配であることができる。カチオンコモノマー(c)はまた、カチオン電荷をベタイン構造の形態で有するものを包含すると理解されるべきであることが指摘されるべきである。本発明の意図内でコモノマー(c)はまた、ポリマー-類似反応(例えばDMSとの反応)によってその対応する4級誘導体へと転化されることができる、アミノ官能化された前駆体である。コモノマー(c)として特に好ましいものは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、[2-(アクリロイルオキシ)エチル] トリメチルアンモニウムクロリド、[2-(メタクリルアミド)エチル] トリメチルアンモニウムクロリド、[2-(アクリルアミド)エチル] トリメチルアンモニウムクロリド、N-メチル-2-ビニルピリジニウムクロリドおよび/またはN-メチル-4-ビニルピリジニウムクロリドである。
【0100】
コポリマーの全重量に基づくコモノマー(c)の重量割合は、好ましくは0.1〜99.8重量%、特に好ましくは0.5〜30重量%、とりわけ好ましくは1〜20重量%である。
【0101】
重合性のケイ素含有成分(d)として適当なものは、そのたびに選択される反応条件下でラジカル共重合することができる全ての少なくともモノオレフィン性不飽和の化合物である。これについて、製造されるポリマー鎖にわたっての個々のケイ素含有モノマーの分布は、ランダムに生じなければならないというわけではない。例えばブロック(マルチブロックでさえも)または勾配構造の形成がまた適当である。2種以上の異なるケイ素含有の典型の組合せがまた可能である。2個以上の重合-活性な基を有するケイ素含有成分の使用は、分岐または架橋構造の構築を生じる。好ましいケイ素含有成分(d)は、以下の式に従うものである:
【化6】

【0102】
ここで、
R1は、オレフィン性不飽和基、好ましくはビニル、アリル、メタアリル、メチルビニル、アクリロイル、メタクリロイル、クロトニル、セネシオニル、イタコニル、マレイニル、フマリルまたはスチリル基、特に好ましくはアクリロイルまたはメタクリロイル基である;
Yは、架橋部であり、好ましくは-O-, -C(O)-, -C(O)-O-, -S-, -O-CH2-CH(O-)-CH2OH, -O-CH2-CH (OH)-CH2-O-, -O-SO2-O-, -O-S(O)-O-, -PH-, -P(CH3)-, -PO3-, -NH-, -N(CH3)-, -O-(C1-C50-アルキル)-O-, -O-フェニル-O-, -O-ベンジル-O-, -O-(C5-C8-シクロアルキル)-O-, -O-(C1-C50-アルケニル)-O-, -O-(CH(CH3)-CH2-O)n-, -O-(CH2-CH2-O)n-, -O-([CH(CH3)-CH2-O]n-[CH2-CH2-O]m)o-であり、n, m およびo は、互いに独立して、0〜200の数を表し、エチレンオキシド単位(CH2-CH2-O)およびプロピレンオキシド単位(CH(CH3)-CH2-O)の分布は、ランダムまたはブロックであることが可能である;
R3, R4, R5 およびR6は、互いに独立して、CH3, OCH3, C6H5 またはOC6H5である;
w およびxは化学量論係数であり、互いに独立して、0〜500、好ましくは10〜250である;
R2は、直鎖状もしくは分岐した、脂肪族、オレフィン、脂環式、アリール脂肪族または芳香族のC1-C50-炭化水素基であるか、または-OH, -NH2, -N(CH3)2 もしくはR7であるか、または構造単位[-Y-R1]であり、ここで、YおよびR1は前記と同義であり、R7はSi-含有基、好ましくは-O-Si(CH3)3, -O-Si(Ph)3, -O-Si(O-Si(CH3)3)2CH3 または-O-Si(O-Si(Ph)3)2Phである。
【0103】
鎖にわたる繰り返し単位の分布は、純粋にランダムであるだけでなく、ブロック、交互または勾配であることもできる。式(I)は、ポリマータイプの分布を有するビニル官能化されたケイ素含有ポリマー体を説明するだけでなく、別々の分子量を有する定義された化合物をまた説明する。
【0104】
R2が基[-Y-R1]の要素を表すなら、2官能性モノマーが関連し、これは、製造されるポリマー構造の架橋のために使用することができる。
【0105】
ケイ素含有成分(d)として特に好ましいものは、以下のアクリルもしくはメタクリル変性された化合物である:
【化7】

【0106】
f=10〜500、好ましくは10〜250を有するメタクリロイルオキシプロピルジメチルシリルで末端保護されたポリジメチルシロキサン;
【化8】

【0107】
f=10〜500、好ましくは10〜250を有するメタクリロイルオキシプロピルで末端保護されたポリジメチルシロキサン;および
【化9】

【0108】
f=10〜500、好ましくは10〜250を有するビニルジメトキシシリルで末端保護されたポリジメチルシロキサン。
【0109】
適当なケイ素含有成分は、コポリマーの全重量に基づき99.8重量%まで、好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%で存在し得る。
【0110】
重合性のフッ素含有成分(e)として適当なものは、そのたびに選択される反応条件下でラジカル共重合することができる全ての少なくともモノオレフィン性不飽和の化合物である。これについて、製造されるポリマー鎖にわたっての個々のフッ素含有モノマーの分布は、ランダムに生じなければならないというわけではない。例えばブロック(マルチブロックでさえも)または勾配構造の形成がまた適当である。2種以上の異なるフッ素含有成分(e)の組合せがまた可能であり、1官能性の典型は櫛様の構造の形成を生じるが、一方、2-、3-もしくは多官能性の成分(e)は少なくとも部分的に架橋構造を生じることは当業者に明らかである。好ましいフッ素含有成分(e)は、以下の式に従うものである:
【化10】

【0111】
ここで、
R1は、オレフィン性不飽和基、好ましくはビニル、アリル、メタアリル、メチルビニル、アクリロイル、メタクリロイル、クロトニル、セネシオニル、イタコニル、マレイニル、フマリルまたはスチリル基、特に好ましくはアクリロイルまたはメタクリロイル基である;
Yは、架橋部であり、好ましくは-O-, -C(O)-, -C(O)-O-, -S-, -O-CH2-CH(O-)-CH2OH, -O-CH2-CH (OH)-CH2-O-, -O-SO2-O-, -O-S(O)-O-, -PH-, -P(CH3)-, -PO3-, -NH-, -N(CH3)-, -O-(C1-C50-アルキル)-O-, -O-フェニル-O-, -O-ベンジル-O-, -O-(C5-C8-シクロアルキル)-O-, -O-(C1-C50-アルケニル)-O-, -O-(CH(CH3)-CH2-O)n-, -O-(CH2-CH2-O)n-, -O-([CH(CH3)-CH2-O]n-[CH2-CH2-O]m)o-であり、n, m およびo は、互いに独立して、0〜200の数を表し、エチレンオキシド単位(CH2-CH2-O)およびプロピレンオキシド単位(CH(CH3)-CH2-O)の分布は、ランダムまたはブロックであることが可能である;
r およびsは、化学量論係数であり、互いに独立して、0〜200である。
【0112】
上記式に従う好ましいフッ素含有成分(e)は、パーフルオロヘキシルエタノールメタクリレート、パーフルオロヘキシルプロパノールメタクリレート、パーフルオロオクチルエタノールメタクリレート、パーフルオロオクチルプロパノールメタクリレート、パーフルオロヘキシルエタノリルポリグリコールエーテルメタクリレート、パーフルオロヘキシルプロパノリルポリ[エチレングリコール-コ-プロピレングリコールエーテル]アクリレート、パーフルオロオクチルエタノリルポリ[エチレングリコール-ブロック-コ-プロピレングリコールエーテル]メタクリレート、パーフルオロオクチルプロパノリルポリプロピレングリコールエーテルメタクリレートである。
【0113】
フッ素含有成分の割合は、コポリマーの全重量に基づき99.8重量%まで、好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%であり得る。
【0114】
マクロモノマー(f)は、1個以上の別々の繰り返し単位を有し、かつ200g/モル以上の数平均分子量を有する少なくともモノオレフィン性に官能化されたポリマーである。共重合において、化学的に異なるマクロモノマー(f)の混合物をまた使用できる。マクロモノマーは、1個以上の繰り返し単位から合成され、ポリマーの分子量分布特性を示すポリマー構造物である。マクロモノマー(f)として好ましいものは、以下の式に従う化合物である:
【化11】

【0115】
ここで、
R1は、オレフィン性不飽和基、好ましくはビニル、アリル、メタアリル、メチルビニル、アクリロイル、メタクリロイル、クロトニル、セネシオニル、イタコニル、マレイニル、フマリルまたはスチリル基である;
Yは架橋部であり、好ましくは-O-, -C(O)-, -C(O)-O-, -S-, -O-CH2-CH(O-)-CH2OH, -O-CH2-CH(OH)-CH2-O-, -O-SO2-O-, -O-S(O)-O-,-PH-, -P(CH3)-, -PO3-, -NH- および-N(CH3)-であり、好ましくは-O-である;
A、B、CおよびDは繰り返し単位であり、好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、AMPS、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、マレイン酸、酢酸ビニル(ビニルアルコール)、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、スチレン、1,3-ブタジエン、イソプレン、イソブテン、ジエチルアクリルアミドまたはジイソプロピルアクリルアミドから誘導される;
v、w、xおよびzは、化学量論係数であり、互いに独立して、0〜500、好ましくは1〜30であり、4つの係数の合計は平均して1以上である;
R2は、直鎖状または分岐した、脂肪族、オレフィン、脂環式、アリール脂肪族または芳香族のC1-C50-炭化水素基であるか、または-OH, -NH2もしくは-N(CH3)2であるか、または構造単位[-Y-R1]であり、YおよびR1は前記と同義である。
【0116】
マクロモノマー鎖にわたる繰り返し単位の分布は、ランダム、ブロック、交互または勾配であることができる。
【0117】
R2が基[-Y-R1]の要素を表すなら、コポリマーの架橋のために適当である2官能性マクロモノマーが関連する。
【0118】
マクロモノマー(f)として特に好ましいものは、以下の式に従うアクリルもしくはメタクリルに1官能化されたアルキルエトキシレートである:
【化12】

【0119】
ここで、
R3, R4, R5 およびR6 は、互いに独立して、水素または、n-脂肪族、イソ脂肪族、オレフィン、脂環式、アリール脂肪族もしくは芳香族C1-C30-炭化水素基である;
Yは上記した架橋部の1つである;
vおよびwは、エチレンオキシド単位(EO)およびプロピレンオキシド単位(PO)に関連する化学量論係数であり、互いに独立して、0〜500、好ましくは1〜30であり、vおよびwの合計は平均して1以上である。
【0120】
好ましくはR3 およびR4 はH またはCH3、特に好ましくはHであり;R5 は好ましくはH またはCH3であり;かつR6は好ましくはn-脂肪族、イソ脂肪族、オレフィン、脂環式、アリール脂肪族もしくは芳香族C1-C30-炭化水素基である。
【0121】
好ましくはマクロモノマー(f)の分子量は、200 g/モル〜106 g/モル、特に好ましくは, 200 〜105 g/モル、とりわけ好ましくは200 〜10 000 g/モルである。
【0122】
適当なマクロモノマーは、コポリマーの全重量に基づき99.8重量%までの割合で存在し得る。好ましくは、0.5〜30重量%および70〜99.5重量%の範囲が使用される。1〜20重量%および65〜95重量%の割合が特に好ましい。
【0123】
マクロモノマー鎖にわたるEOおよびPO単位の分布は、ランダム、ブロック、交互または勾配であることができる。
【0124】
1つの実施形態においては、共重合は、少なくとも1種のポリマー添加剤(g)の存在下で行われ、実際の共重合の前に、添加剤(g)を完全にまたは一部溶解させて重合媒体に添加することが可能である。幾つかの添加剤(g)の使用が同様に適当である。架橋された添加剤(g)を同様に使用することができる。添加剤(g)またはその混合物は単に、選択される重合媒体中に完全にまたは一部可溶性でなければならない。添加剤(g)は、実際の重合段階中に幾つかの機能を有する。一方では、実際の重合段階において、形成されるコポリマー中で過剰に架橋されたポリマー部分の形成を防ぎ、他方では、添加剤(g)は、グラフト共重合の一般的に公知のメカニズムに従って、活性基によりランダムに攻撃される。この結果として、添加剤(g)に依存して、その大きい割合またはより小さい割合がコポリマー中に組み込まれることになる。さらには、適当な添加剤(g)は、平均分子量がより高い値へシフトするようなやり方で、ラジカル重合反応中に形成されるコポリマーの溶解パラメータを変える特性を有する。添加剤(g)を添加せずに製造される類似のコポリマーと比べて、添加剤(g)を添加して製造されるものは有利なことに、水性溶液中で著しく高い粘度を示す。添加剤(g)として好ましいものは、水および/またはアルコールに可溶性であるホモ-およびコポリマーである。コポリマーはまた、本明細書においては、2種より多い異なるタイプのモノマーを有するものと理解されるべきである。添加剤(g)として特に好ましいものは、酢酸ビニル、ビニルブチラール、ビニルアルコール、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、アクリロイルジメチルタウリン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルメチルアセトアミド、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、N-ビニルモルホリン、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)および/または[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC);ポリアルキレングリコールおよび/またはアルキルポリグリコールのホモ-およびコポリマーである。添加剤(g)としてとりわけ好ましいものは、ポリビニルピロリドン(例えばBASFからの Luviskol K15(登録商標)、 K20(登録商標)およびK30(登録商標))、ポリ(N-ビニルホルムアミド)、ポリ(N-ビニルカプロラクタム)ならびに、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミドおよび/またはアクリル酸のコポリマー(また一部もしくは完全にケン化されることができる)である。
【0125】
添加剤(g)の分子量は、好ましくは102 〜107 g/モル、特に好ましくは0.5 × 104 〜106 g/モルである。
【0126】
使用されるポリマー添加剤(g)の量は、共重合において重合されるべきモノマーの全重量に基づき、好ましくは0.1〜90重量%、特に好ましくは1〜20重量%、とりわけ好ましくは1.5〜10重量%である。
【0127】
増粘剤として特に使用されるものは、Clariant からのSynergen(登録商標)Y シリーズの増粘剤、特にSynergen(登録商標)Y 02 またはSynergen(登録商標)Y 04である。これらは、WO 02/44230(これにより、当該文献への言及が、その全部においてなされる)に記載されているAMPS-に基づくコポリマーである。
【0128】
それぞれのゲル-形態相の全重量に基づき、好ましくは0.001〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%、非常に好ましくは0.02〜1重量%、特に0.05〜0.5重量%、とりわけ0.05〜0.3重量%の量で、少なくとも1種の増粘剤が各ゲル-形態相中に存在する。少なくとも1種の増粘剤は、ゲル処方物の全重量に基づき、好ましくは0.002〜10重量%、特に好ましくは0.02〜10重量%、非常に好ましくは0.04〜2重量%、特に0.1〜1重量%、とりわけ0.1〜0.6重量%の量で、ゲル処方物中に存在する。
【0129】
不相溶性物質AおよびBならびに少なくとも1種の増粘剤の他に、本発明のゲル処方物は、追加の成分を含むことができる。適当な追加の成分は、ゲル処方物の性質および最終用途に依存し、原則として、当業者に公知である。
【0130】
かくして、ゲル処方物は、植物保護処方物に関連するなら、そのような系について標準の成分を含むことができる。これらは、例えば、分散剤、消泡剤、防腐剤、殺生物剤、有機溶媒、不凍剤等を包含する。
【0131】
適当な分散剤または界面活性剤は好ましくは非イオン性である。原則として、それらは上記したアジュバントと同様の性質を有することができ、一般的により高い分子量においてそれらと異なる。より高い分子量は、一方では、分散剤分子の動力学の低下をもたらし、このために、アジュバントの特性が少しだけしか表されず、より高い分子量は、他方では、界面との高い親和性をもたらし、その後、分散剤によって有効に安定化され得る。分散剤について適当な分子量は、約1000g/モル(例えば、ホスフェート化されたトリスチリルフェノールエトキシレート、例えばRhodiaからのSoprophor 3D33)からくし形ポリマーにおける数千g/モル(例えばCrodaからのAtlox 4913)までの制限内で変化する。アジュバントと共に記載した物質の範疇の他に、分散剤としてさらなる適当なものは、アルキルアリールスルホネート、硫酸アルキル、アルキルスルホネート、脂肪アルコールサルフェート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、スルホン化ナフタレンおよびスルホン化ナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンもしくはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、リグノサルファイト廃液およびメチルセルロースである。分散剤は好ましくは植物保護剤を含む相中に存在する。
【0132】
消泡剤は好ましくは、ケイ素に基づく消泡剤である。消泡剤は好ましくは、植物保護剤またはアジュバントを含むすべての相中に存在する。
【0133】
適当な防腐剤は、例えばジクロロフェンである。防腐剤はまた好ましくは、植物保護剤またはアジュバントを含む相中に存在する。
【0134】
適当な殺生物剤は、例えばイソチアゾリノン、例えばベンジルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンである。殺生物剤はまた好ましくは、植物保護剤またはアジュバントを含む相中に存在する。
【0135】
適当な不凍剤は、例えばグリセロール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールである。不凍剤は好ましくは、植物保護剤を含む相中に存在する。
【0136】
適当な有機溶媒は、例えば脂肪族および特に芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、Solvesso製品またはナフサである。溶媒は好ましくは、アジュバントを含む相中に存在する。
【0137】
本発明のゲル処方物の特定の例は、以下のようなものである:
1. ヒドロゲル(相A)
【表2】

【0138】
2. ヒドロゲル(相B):
【表3】

【0139】
本発明のゲル処方物は、電解質の添加により、液体状態へと戻る転化をさせることができる。適当な電解質は、有機および無機塩、特に無機塩である。適当な無機塩は、例えばアルカリ金属ハロゲン化物、例えば塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウムまたは臭化カリウム、アルカリ金属硫酸塩、例えば硫酸ナトリウムまたは硫酸カリウム、アルカリ金属硝酸塩、例えば硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウム、アルカリ土類金属ハロゲン化物、例えば塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム、ならびにアルカリ土類金属硫酸塩、例えば硫酸マグネシウムである。適当な有機塩は、例えばアンモニウム化合物、例えばトリメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、トリエタノールアンモニウムクロリド等、窒素含有ヘテロ環の酸付加塩、例えばピリジニウムクロリド、イミダゾリウムクロリド、ピロリジニウムクロリド、ピペリジニウムクロリド等、カルボン酸塩、例えば酢酸ナトリウム、ナトリウムトリフレート(triflate)、プロピオン酸ナトリウム等、またはスルホン酸塩等である。
【0140】
本発明のさらなる主題は、以下の段階を包含する本発明のゲル処方物の製造方法である:
(i) 少なくとも1種の物質A、少なくとも1種の物質Aのための分散媒体および少なくとも1種の電解質感受性の、好ましくは完全に合成の増粘剤を含む寸法安定なゲルの製造;
(ii) 少なくとも1種の物質B、少なくとも1種の物質Bのための分散媒体および少なくとも1種の電解質感受性の、好ましくは完全に合成の増粘剤を含む寸法安定なゲルの製造;
(iii) 任意的に、少なくとも1種の物質C、少なくとも1種の物質Cのための分散媒体および少なくとも1種の電解質感受性の、好ましくは完全に合成の増粘剤を含む寸法安定なゲルの製造であって、少なくとも1種の物質Cは、物質Aのうちの少なくとも1種であるか、物質Bのうちの少なくとも1種であるか、またはこれら以外の物質である;
(iv) 任意的に、段階(iii)の1回以上の繰り返し;ならびに
(v) 段階(i)、(ii)、任意的に(iii)および任意的に(iv)で得られるゲルの容器中での配置。
【0141】
少なくとも1種の物質A、少なくとも1種の物質Bまたは少なくとも1種の物質Cが分散媒体中に不溶性である場合のために、段階(i)、(ii)または(iii)における寸法安定なゲルの製造は好ましくは、少なくとも1種の物質A、BまたはCを液体分散媒体(好ましくは水性媒体)中の分散物(好ましくは懸濁物)の形態で含む分散物、好ましくは懸濁物、特に好ましくは懸濁濃縮物もしくはサスポエマルジョンが製造されるように行われ、所望ならこれは、例えば適当なミル、例えばコロイドミルもしくは撹拌ミル(ビーズミル)中で粉砕することによって、所望の粒径の分散された物質A、BまたはCとされ、その後、得られた分散物は、所望の粘度が達成されるような量で、少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で処理される。
【0142】
少なくとも1種の物質A、少なくとも1種の物質Bまたは少なくとも1種の物質Cが分散媒体中(これは、結果的に溶媒としてこの場合に記載されている)に可溶性であるなら、段階(i)、(ii)または(iii)における寸法安定なゲルの製造は好ましくは、この溶媒中の物質A、BまたはCの溶液が製造され、得られた溶液が次に、望ましい粘度が達成されるような量で、少なくとも1種の電解質感受性の増粘剤で処理されるように行われる。
【0143】
個々のゲル相の配置は、本発明のゲル処方物は貯蔵されるべき容器の形態に依存するが、原則として制限されない。容器のタイプはまた、原則として制限されない。特定の例は、多成分カートリッジ、例えばDE-A-102005021076に記載されているようなものの使用である。
【0144】
物質AおよびBを用いると、その最少量の拡散ですら、相溶性の問題を生じ、例えば分離壁もしくは分離膜によって、例えば幾つかの室を有する袋中で製造されるように、または活性物質および/またはアジュバントを含まないさらなるゲル層によって、それぞれの相を物理的に分離することが有利であり得る。しかしながら一般に、これは必要ではなく、処方物中に存在する相はしたがって、好ましい実施形態においては、物理的に(すなわち、分離壁、分離膜等によって)分離されない。
【0145】
本発明のさらなる主題は、少なくとも1種の植物保護剤を含む本発明のゲル処方物の、植物病原体を阻止するために、および/または望ましくない植物の成長を阻止するための使用である。
【0146】
本発明はさらに、以下の段階を含む、植物病原体を阻止するため、および/または望ましくない植物の成長を阻止するための方法に関する:
- 少なくとも1種の植物保護剤を含む本発明のゲル処方物を使用可能にすること;
- ゲル処方物に少なくとも1種の塩を添加して、液体処方物を製造すること;
- 液体処方物を水で希釈して、水性噴霧スラリーを製造すること;および
- 噴霧スラリーを植物または植物の部分に施用すること。
【0147】
適当な、好ましい植物保護剤および塩に関しては、先の記載を参照。阻止されるべき適当な植物病原体および望ましくない植物の成長は、個々の植物保護剤に依存する。阻止するために使用される植物保護剤と関連する、標的となる病原体および標的となる植物は、各場合に、当業者に公知である。
【0148】
本発明のゲル処方物によって、一緒に処方されるときの物質の不相溶性の問題を避けるか、または少なくとも減らすことが可能である。したがって、従来完全に別々に処方されるか、または限られた量でしか一緒に処方できなかった物質を一緒に処方することが本発明では可能である。かくして、例えば、植物保護処方物を用いると、不相溶性の活性物質または、不相溶性の活性物質/アジュバントの組合せを一緒に処方することができる。さらには、非常に高濃度でアジュバントを使用することができ、これは、植物保護剤の有効性を著しく増大させることができる。計量することができ、従って使用の準備ができている流動性の状態への転化は、電解質の添加によって簡単な方法で行われる。
【0149】
以下の限定されない実施例によって、ここで本発明を説明する。
【実施例】
【0150】
1. 本発明のゲル処方物の製造
【表4】

【0151】
成分Nos. 1, 2, 5, 6, 7, 8, 10 および11(200gの量の水)から懸濁物を製造した後、ビーズミルを用いて粉砕した(粒径:70%<2μm)。次に、2gの増粘剤をかき混ぜて入れ、>5000mPa・sの粘度を有するゲル(ゲル1)を得た。
【0152】
2gの増粘剤を190gの水に添加して、高い粘性のゲルを製造した。次に、溶媒3に溶解したアジュバント4を、このゲルにかき混ぜて入れ、ゲル2を得た。
【0153】
ゲル1をまず、3つのガラス容器に導入した後、ゲル2の層で覆い、その後、粒径を分析した(試料0)。ガラス容器を1つは周囲環境温度で(試料1)、1つは40℃で(試料2)、かつ1つは50℃で(試料3)貯蔵した。2週間後、3つの試料全てを周囲環境温度で1日間貯蔵した後、結晶形成について分析した。結果を以下の表に与える。
【表5】

【0154】
結果が示すように、結晶成長を生じたものは本質的になく、より高い貯蔵温度ですらない。
【0155】
2. 単相ゲル処方物の製造(比較)
【表6】

【0156】
成分Nos. 1, 2, 5, 6, 7, 8, 10 および11(390gの量の水)から懸濁物を製造した後、ビーズミルを用いて粉砕した(粒径:70%<2μm)。次に、溶媒3に溶解したアジュバント4をローター/ステーターミルによって懸濁物中に組み入れ、混合物を増粘剤および水(100g)で処理した。
【0157】
得られたゲルを3つのガラス容器に導入した後、粒径を分析した(試料0)。1つのガラス容器は周囲環境温度で(試料1)、1つは40℃で(試料2)、かつ1つは50℃で(試料3)貯蔵した。2週間後、3つの試料全てを周囲環境温度で1日間貯蔵した後、結晶形成について分析した。結果を以下の表に与える。
【表7】

【0158】
結果が示すように、有意の結晶成長が生じる。
【0159】
3. 単相ゲル処方物の製造(比較)
【表8】

【0160】
成分Nos. 1, 2, 5, 6, 7, 8, 10 および11(390gの量の水)から懸濁物を製造した後、ビーズミルを用いて粉砕した(粒径:70%<2μm)。次に、溶媒3に溶解したアジュバント4をローター/ステーターミルによって懸濁物中に組み入れ、混合物を増粘剤および水(100g)で処理した。
【0161】
得られたゲルを3つのガラス容器に導入した後、粒径を分析した(試料0)。1つのガラス容器は周囲環境温度で(試料1)、1つは40℃で(試料2)、かつ1つは50℃で(試料3)貯蔵した。2週間後、3つの試料全てを周囲環境温度で1日間貯蔵した後、結晶形成について分析した。結果を以下の表に与える。
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種の本質的に混合されていないヒドロゲルを含む貯蔵安定なゲル処方物であって、各ヒドロゲル中に少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤を含み、かつさらにヒドロゲルのうちの1種(相A)中に少なくとも1種の物質Aを、さらなるヒドロゲル(相B)中に少なくとも1種の物質Bを含み、物質Aの少なくとも1種は、物質Bの少なくとも1種と、それぞれゲル処方物中に存在する量で不相溶性である、ゲル処方物。
【請求項2】
物質Aの少なくとも1種および/または物質Bの少なくとも1種は、水にほんの少し溶解性である請求項1記載のゲル処方物。
【請求項3】
物質Aの少なくとも1種は、5〜100重量%の水を含む水性分散物中で物質Bの少なくとも1種の沈殿を促進するか、および/または物質Bの少なくとも1種は、5〜100重量%の水を含む水性分散物中で物質Aの少なくとも1種の沈殿を促進する請求項1または2記載のゲル処方物。
【請求項4】
物質Aの少なくとも1種は、5〜100重量%の水を含む水性分散物中で物質Bの少なくとも1種の結晶成長(オストワルト成長)を促進するか、および/または物質Bの少なくとも1種は、5〜100重量%の水を含む水性分散物中で物質Aの少なくとも1種の結晶成長(オストワルト成長)を促進する請求項1〜3のいずれか1項記載のゲル処方物。
【請求項5】
物質Aの少なくとも1種は、物質Bの少なくとも1種の水への溶解度を増加させるか、および/または物質Bの少なくとも1種は、物質Aの少なくとも1種の水への溶解度を増加させる請求項4記載のゲル処方物。
【請求項6】
少なくとも2種のヒドロゲルはそれぞれ、少なくとも1000mPa・sの粘度を有する請求項1〜5のいずれか1項記載のゲル処方物。
【請求項7】
少なくとも2種のヒドロゲルは、少なくとも1つの共通の界面を有する請求項1〜6のいずれか1項記載のゲル処方物。
【請求項8】
少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤が、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するポリアクリル酸および/またはポリアクリレート、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのホモ-もしくはコポリマー、ならびに数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するエチレン/無水マレイン酸コポリマーから選択される請求項1〜7のいずれか1項記載のゲル処方物。
【請求項9】
少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤が、数平均分子量1 × 103 〜1 × 109を有するアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのホモ-もしくはコポリマーから選択される請求項8記載のゲル処方物。
【請求項10】
少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤が、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸およびマクロモノマーに基づくコポリマーから選択される請求項9記載のゲル処方物。
【請求項11】
少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤が、
(a) 2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸および/またはその塩と、
(b) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和の、カチオンでない、任意的に架橋していて、かつ任意的に熱感受性のコモノマーであって、少なくとも1個の酸素、窒素、硫黄もしくはリン原子を有し、最大で500の分子量を有するもの;および/または
(c) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和のカチオンコモノマーであって、少なくとも1個の酸素、窒素、硫黄もしくはリン原子を有し、最大で500の分子量を有するもの;および/または
(d) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和のケイ素含有コモノマー;および/または
(e) 少なくとも1種のオレフィン性不飽和のフッ素含有コモノマー;および/または
(f) 少なくとも200の数平均分子量を有する、少なくとも1種の任意的に熱感受性のマクロマー;および/または
(g) 200〜1 × 109の数平均分子量を有する少なくとも1種のポリマー添加剤
とのコポリマーから選択される請求項9および10のいずれか1項記載のゲル処方物。
【請求項12】
相Aが、水に本質的に不溶性である少なくとも1種の植物保護剤および任意的に少なくとも1種の分散剤を含む請求項1〜11のいずれか1項記載のゲル処方物。
【請求項13】
相Bが、相Aの植物保護剤と異なる植物保護剤および/またはアジュバントを含む請求項12記載のゲル処方物。
【請求項14】
以下の段階:
(i) 少なくとも1種の物質A、少なくとも1種の物質Aのための分散媒体および少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤を含む寸法安定なゲルの製造;
(ii) 少なくとも1種の物質B、少なくとも1種の物質Bのための分散媒体および少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤を含む寸法安定なゲルの製造;
(iii) 任意的に、少なくとも1種の物質C、少なくとも1種の物質Cのための分散媒体および少なくとも1種の電解質感受性の、完全に合成の増粘剤を含む寸法安定なゲルの製造であって、少なくとも1種の物質Cは、物質Aのうちの少なくとも1種であるか、物質Bのうちの少なくとも1種であるか、またはこれら以外の物質である;
(iv) 任意的に、段階(iii)の1回以上の繰り返し;ならびに
(v) 段階(i)、(ii)、任意的に(iii)および任意的に(iv)で得られるゲルの容器中での配置
を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載のゲル処方物の製造方法。
【請求項15】
請求項12および13のいずれかに記載のゲル処方物の、植物病原体を阻止するため、および/または望ましくない植物の成長を阻止するための使用。
【請求項16】
以下の段階:
- 請求項12および13のいずれかに記載のゲル処方物を使用可能にすること;
- ゲル処方物に少なくとも1種の塩を添加して、液体処方物を製造すること;
- 液体処方物を水で希釈して、水性噴霧スラリーを製造すること;および
- 噴霧スラリーを植物または植物の部分に施用すること
を含む、植物病原体を阻止するため、および/または望ましくない植物の成長を阻止するための方法。

【公表番号】特表2012−513383(P2012−513383A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541514(P2011−541514)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067773
【国際公開番号】WO2010/072777
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】