説明

尿糖計

【課題】使用者に、簡単に、かつ、低コストで尿に含まれる糖の度合いを数値によらず、カラーで報知できるようにする。
【解決手段】第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の基端に光を照射する。第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の表面に使用者の尿を付着させる。尿に含まれる糖の濃度によって屈折率が異なることを利用し、第1〜第3受光素子21〜23で受光されたか否かを検出して、その検出結果に基づいて使用者に尿に含まれる糖の度合い判定し、判定結果を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿に含まれる糖の度合いを判定し、その判定結果を報知するように構成された尿糖計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、糖尿病患者及び糖尿病を発症する前の糖尿病予備軍に属する人が増えてきており、糖尿病は、癌、脳卒中、心臓病と並ぶ国民病となっている。糖尿病を評価する際には、臨床病院では血糖値を測定して具体的な数値を得ているが、一般家庭では、もっと手軽なものとして、例えば、便器に尿糖センサーを設け、この尿糖センサーによって尿に含まれる糖の量を測定して報知するもの(例えば、特許文献1参照)や、検査試薬を塗布したテープに尿をかけて尿に含まれる糖の量を測定するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−310633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のものでは、尿糖センサーが高価であり、しかも、尿糖センサーは定期的に交換しなければならないので、使用者にとっては面倒な作業が増えるとともに、コスト的な負担が増大する。また、検査試薬を塗布したテープは、使用期限が約3年と限られており、反応時間が30秒程度と長く、簡単に測定できるとは言い難い。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用者に、簡単に、かつ、低コストで尿に含まれる糖の度合いについて判定し、報知できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、光学的な検出手段を利用して尿に含まれる糖の度合いを判定し、その結果を使用者に報知するようにした。
【0007】
第1の発明は、尿に含まれる糖の度合いを判定し、判定結果を使用者に報知するように構成された尿糖計において、
光を通す素材で構成されて表面に尿が付着するように配置される光透過部材と、
上記光透過部材に光を照射する光照射部と、
上記光照射部により上記光透過部材に照射されて該光透過部材を通った光を検出する光検出部と、
上記光検出部の出力に基づいて尿に含まれる糖の度合いを判定し、判定結果を報知する報知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、光照射部から照射された光は光透過部材を通り、光検出部で検出される。光透過部材に尿が付着し、その尿に糖が含まれている場合には、糖の量によって光検出部での検出結果が異なる。これを利用して尿に含まれる糖の度合いを判定し、その判定結果が使用者に報知される。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
光透過部材はガラス製ファイバーで構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、
光透過部材はプリズムで構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
報知手段は、尿に含まれる糖の量が第1の量以下である場合に第1の報知方法により報知し、尿に含まれる糖の量が第1の量よりも多い第2の量以下である場合に第2の報知方法により報知し、尿に含まれる糖の量が第2の量よりも多い場合に第3の報知方法により報知するように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、
可搬型に構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表面に尿が付着する光透過部材に光を照射し、この光透過部材を透過した光を検出し、これによって尿に含まれる糖の量を得て報知するようにしている。したがって、従来のような高価な消耗品である尿糖センサーを用いることなく尿に含まれる糖の度合いを判定できる。また、光の検出によって尿に含まれる糖の度合いを判定するようにしたことで、検査試薬を用いる場合に比べて判定時間を短縮できる。これにより、使用者に、簡単に、かつ、低コストで尿に含まれる糖の度合いについての判定結果を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1にかかる尿糖計の斜視図である。
【図2】尿糖計のブロック図である。
【図3】尿糖計の要部の概略図である。
【図4】尿に含まれる糖の度合いの判定原理を説明する図である。
【図5】実施形態2にかかる図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0016】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかる尿糖計1を示すものである。この尿糖計1は、使用者が持ち運ぶことができるように可搬型に構成されており、自宅のトイレ及び外出先のトイレの両方で使用することができるようになっている。
【0017】
図1及び図2に示すように、尿糖計1は、ハウジング10と、第1〜第3ガラス製ファイバー(光透過部材)11〜13(図3に示す)、光照射用LED(光照射部)14、第1〜第3受光素子(光検出部)21〜23、青色LED24、黄色LED25、赤色LED26、ブザー28、スイッチ29、電池30及び制御装置31を備えている。
【0018】
図1に示すように、ハウジング10の先端側約半分は細く、基端側約半分は太く形成されており、全体が樹脂材等で構成されている。ハウジング10の先端部には、検尿用開口部33が設けられている。検尿用開口部33は、ハウジング10を内外方向に貫通している。使用時には、ハウジング10の基端側を持って検尿用開口部33に尿をかける。
【0019】
ハウジング10の基端側には、スイッチ29、青色LED24、黄色LED25、赤色LED26が基端に向かって順に並んで設けられている。これらスイッチ29、青色LED24、黄色LED25、赤色LED26は、ハウジング10の外部に露出している。
【0020】
ハウジング10内には、電池30が収容されるようになっている。ハウジング10の基端部には、電池30の収容部を開閉するための着脱式の蓋35が設けられている。この蓋35を外すことで電池30の交換が簡単に行えるようになっている。
【0021】
ハウジング10内には、電池30の他に、第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13、光照射用LED14、第1〜第3受光素子21〜23、ブザー28及び制御装置31が収容されている。
【0022】
第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13は、光ファイバーのコア材のみで構成されたものであり、共に同じ屈折率を持つ透明なガラスからなる。第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13は、図3に示すように湾曲している。
【0023】
第1ガラス製ファイバー11の曲率は最も大きく設定されている。また、第2ガラス製ファイバー12の一部の曲率は第1ガラス製ファイバー11の曲率よりも小さく設定されている。また、第3ガラス製ファイバー13の一部の曲率は第2ガラス製ファイバー12の最も曲率が小さい部分よりも小さく設定されている。
【0024】
上記第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13は、湾曲部分が上記ハウジング10の検尿用開口部33に一致し、検尿用開口部33から外部に露出するように配置されている。第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の曲率は、1mm以上30mm以下の範囲で設定するのが好ましい。
【0025】
図2に示すように、光照射用LED14は、制御装置31に接続され、電池30から電力が供給されて白色に発光する。図3に示すように、光照射用LED14の光は、第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の基端に向けて照射されるようになっている。
【0026】
図2に示すように、第1〜第3受光素子21〜23は、制御装置31に接続されており、検出信号が制御装置31に入力されるようになっている。
【0027】
図3に示すように、第1受光素子21は、その受光面が第1ガラス製ファイバー11の先端に対向するように配置されており、第1ガラス製ファイバー11の先端から照射される光の有無及び強さを検出することができるようになっている。
【0028】
第2受光素子22は、その受光面が第2ガラス製ファイバー12の先端に対向するように配置されており、第2ガラス製ファイバー12の先端から照射される光の有無及び強さを検出することができるようになっている。
【0029】
第3受光素子23は、その受光面が第3ガラス製ファイバー13の先端に対向するように配置されており、第3ガラス製ファイバー13の先端から照射される光の有無及び強さを検出することができるようになっている。
【0030】
図2に示すように、青色LED24は、制御装置31に接続され、電池30から電力が供給されて青色に発光する。黄色LED25及び赤色LED26も、制御装置31に接続され、電池30から電力が供給され、それぞれ、黄色及び赤色に発光する。青色LED24は、尿に含まれる糖が問題とならないレベルである場合に点灯し、黄色LED25は、尿に含まれる糖が若干多めで注意を要する場合に点灯し、赤色LED26は、尿に含まれる糖が多く要検査である場合に点灯する。
【0031】
ブザー28は、制御装置31に接続され、尿に含まれる糖の度合いの判定が終了したときに鳴るようになっている。つまり、判定終了の合図を行うためのものである。
【0032】
スイッチ29は、制御装置31に接続され、使用者が本尿糖計1の使用を開始する際に操作するためのものである。
【0033】
電池30は、例えば電子式体温計等に内臓されているボタン電池等を使用するのが好ましい。
【0034】
次に、本尿糖計1による判定原理について図4に基づいて説明する。
【0035】
図4(a)〜(c)は、ガラス製ファイバーGの基端に光照射用LED14が発する光を照射した場合を示す。ガラス製ファイバーGの屈折率はnとする。
【0036】
図4(a)では、ガラス製ファイバーGが空気中に置かれ、ガラス製ファイバーGの表面には何も付着していない場合である。このとき、ガラス製ファイバーGの屈折率nは空気の屈折率nよりも大きいので、ガラス製ファイバーGの基端に照射された光は全反射しながら湾曲したガラス製ファイバーGの内部を進む。
【0037】
図4(b)では、糖を含まない尿がガラス製ファイバーGの表面に付着した場合である。図4(c)では、糖を含む尿がガラス製ファイバーGの表面に付着した場合である。糖を含む尿の屈折率n0Tは糖を含まない尿の屈折率n0Fよりも大きい。また、糖の濃度によって尿の屈折率n0Tは異なり、濃度が高くなるほど屈折率が大きくなる。
【0038】
一方、ガラス製ファイバーGの曲率が大きくなる(曲げがきつくなる)と、小さい場合に比べて内部を進む光がガラス製ファイバーGの表面から外部へ出やすくなる。ガラス製ファイバーGの曲率の設定により、糖の濃度が所定以上である尿がガラス製ファイバーGの表面に付着したら、全反射条件が外れるようにすることが可能である。
【0039】
具体的には、本実施形態では次のように各ガラス製ファイバー11〜13の曲率を設定している。第3ガラス製ファイバー13の曲げが最もきつい部分の曲率は、糖の濃度が50mg/dl以下の尿が表面に付着した場合に全反射条件を満たし、それ以外の場合に全反射条件を満たさないように設定している。尿に含まれる糖の濃度が50mg/dl以下であれば、一般に健康上問題とならないレベルであり、この尿が第1ガラス製ファイバー11の表面に付着した場合には、全反射条件が満たされて光が第1ガラス製ファイバー11の先端に達することになる。
【0040】
第2ガラス製ファイバー12の曲げが最もきつい部分の曲率は、糖の濃度が50mg/dlよりも高く、かつ、100mg/dl以下の尿が表面に付着した場合に全反射条件を満たし、100mg/dlよりも高い場合に全反射条件を満たさないように設定している。尿に含まれる糖の濃度が50mg/dlよりも高く、かつ、100mg/dl以下であれば、健康上、注意を要するレベルである。
【0041】
第1ガラス製ファイバー11の曲率は、糖の濃度が100mg/dl以下で全反射条件を満たし、100mg/dlよりも高い尿が表面に付着した場合に全反射条件を満たさないように設定している。尿に含まれる糖の濃度が100mg/dlよりも高ければ、検査または治療を要するレベルである。
【0042】
そして、制御装置31は、次のように動作する。すなわち、制御装置31は、予め内蔵された所定のプログラムに従って動作するようになっており、まず、スイッチ29が押されたことを検出すると、光照射用LED14に電力を供給して発光させる。また、第1〜第3受光素子21〜23の出力信号を受け、これらの信号に基づいて尿に含まれる糖の度合いを判定し、青色LED24、黄色LED25、赤色LED26のいずれを点灯させるか判断する。
【0043】
詳しくは、第3受光素子23で光が検出された場合には、尿に含まれる糖の濃度が50mg/dl以下で、健康上問題ないレベルであるということなので、制御装置31は、青色LED24を点灯させて使用者に報知する。これが本発明の第1の報知方法である。
【0044】
第3受光素子23で光が検出されず、第2受光素子22で光が検出された場合には、尿に含まれる糖の濃度が50mg/dlよりも高く、100mg/dl以下であり、注意を要する状態であるということなので、制御装置31は、黄色LED25を点灯させて使用者に報知する。これが本発明の第2の報知方法である。
【0045】
第1〜3受光素子21〜23で光で検出されない場合には、尿に含まれる糖の濃度が100mg/dlよりも高いということであり、検査や治療を要する状態であるということなので、制御装置31は、赤色LED26を点灯させて使用者に報知する。これが本発明の第3の報知方法である。
【0046】
制御装置31は、各LED24〜26を点灯させるときには、判定終了の合図としてブザー28を鳴らす。また、尿が第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13に付着したら直ちに第1〜第3受光素子21〜23の出力信号が変化するので、尿をかけてから報知するまでに要する時間は、5〜10秒の短時間で済む。上記青色LED24、黄色LED25、赤色LED26及び制御装置31により、本発明の報知手段が構成されている。
【0047】
次に、上記のように構成された尿糖計1を使用する場合について説明する。使用者はスイッチ29を押し、その後、尿をハウジング10の検尿用開口部33にかける。尿は第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の湾曲部分に付着する。このとき、尿に含まれる糖の濃度が50mg/dl以下であれば、青色LED24が点灯し、使用者は糖尿病については心配ないことが分かる。また、尿に含まれる糖の濃度が50mg/dlよりも高く、100mg/dlよりも低ければ、黄色LED25が点灯し、使用者は注意を要することが分かる。また、尿に含まれる糖の濃度が100mg/dl以上であれば、赤色LED26が点灯し、使用者は検査を要することが分かる。
【0048】
使用後には、検尿用開口部33に水をかけて洗っておけばよい。尿がかかる部分はガラス製であるため、劣化するようなことはなく、交換は不要である。尚、電池30が消耗した場合には交換すればよく、低コストで何度でも使用できる。
【0049】
このように、青色LED24、黄色LED25及び赤色LED26の点灯によって尿に含まれる糖の度合いについての判定結果を報知するようにしたので、細かい数値による報知に比べて、高齢者であっても自分の健康状態を把握し易いという利点がある。
【0050】
以上説明したように、この実施形態1にかかる尿糖計1によれば、表面に尿が付着する第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の基端に光を照射し、第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13を通過した光を検出し、これによって尿に含まれる糖の度合いを判定し、判定結果を報知するようにしている。したがって、従来のような高価な消耗品である尿糖センサーを用いることなく尿に含まれる糖の度合いを判定できる。また、光の検出によって尿に含まれる糖の度合いを判定するようにしたことで、検査試薬を用いる場合に比べて判定時間を短縮できる。これにより、使用者に、簡単に、かつ、低コストで尿に含まれる糖の度合いを判定して判定結果を報知することができる。
【0051】
また、第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13は、検査試薬のような使用期限もなく、湿度の影響を受けないという利点がある。
【0052】
また、尿を第1〜第3ガラス製ファイバー11〜13の広い範囲に付着させるのが好ましい。これにより、尿にたんぱく質が含まれている場合に、たんぱく質が、尿に含まれる糖の度合いの判定に影響を及ぼすのを小さくすることができる。
【0053】
また、光照射用LED14から照射される光の波長は、たんぱく質を透過する波長領域が好ましい。
【0054】
また、尿に含まれる糖分による光の旋回を同時に調べることでたんぱく質の影響を抑制することができる。
【0055】
また、本尿糖計1は、上記したように尿に含まれる糖の度合いを数値ではなく、カラーで報知できるので、目の悪い高齢者であっても分かり易く、自分の健康状態を把握する健康モニターとして使用できる。さらに、本尿糖計1では、尿に含まれる糖の量を具体的な数値で報知しないので、高度管理医療機器や、特定保守管理医療機器に該当せず、従って、医療機器修理業の免許を持たない薬局や一般スーパーマーケット等で販売することができる。これにより、一般家庭に広く普及させることができる。
【0056】
また、本尿糖計1は、使用後、水洗いするだけで済むので取扱いが簡単で、しかも、電池30を交換することで長く使用できる。
【0057】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2にかかる尿糖計1の要部の概略構造を示すものである。この実施形態2では、ガラス製ファイバーの代わりに、プリズム(光透過部材)40を設けている点で実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
【0058】
プリズム40の光照射面40aには、光照射用LED14から発する光が照射される。その光はプリズム40を通る。プリズム40の光照射面40aと反対側の尿付着面40bは、ハウジング10の検尿用開口部33と一致するように配置され、外部に臨んでいる。
【0059】
糖の濃度が50mg/dl以下の尿が尿付着面40bに付着した場合には、屈折率の影響によって、光は第1受光素子21に向けて出射する。また、糖の濃度が50mg/dlよりも高く、かつ、100mg/dl以下の尿が尿付着面40bに付着した場合には、光は第2受光素子22に向けて出射する。また、糖の濃度が100mg/dlよりも高い尿が尿付着面40bに付着した場合には、光は第3受光素子23に向けて出射する。
【0060】
制御装置31は、第1受光素子21で光が検出された場合には、青色LED24を点灯させ、第1受光素子21で光が検出されず、第2受光素子22で光が検出された場合には、黄色LED25を点灯させ、第1、2受光素子21、22で光が検出されず、第3受光素子23で光が検出された場合には、赤色LED26を点灯させる。
【0061】
以上説明したように、この実施形態2にかかる尿糖計1によれば、実施形態1と同様に、高価な消耗品である尿糖センサーを用いることなく尿に含まれる糖の度合いを判定できるので、尿糖センサーの交換作業が不要になる。また、光の検出によって尿に含まれる糖の度合いを判定するようにしたことで、検査試薬を用いる場合に比べて判定時間を短縮できる。これにより、使用者に、簡単に、かつ、低コストで尿に含まれる糖の度合いを判定して判定結果を報知することができる。
【0062】
尚、青色LED24、黄色LED25及び赤色LED26は、一例を示すものであり、それぞれの色は変えてもよく、黄色LED25は橙色LEDであってもよく、青色LED24は緑色LEDであってもよい。また、青色LED24、黄色LED25及び赤色LED26の代わりに、他の発光素子を設けてもよい。
【0063】
また、電池30は充電池であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、本発明にかかる尿糖計は、例えば、一般家庭で尿に含まれる糖の度合いを判定する場合に使用できる。
【符号の説明】
【0065】
1 尿糖計
10 ハウジング
11〜13 第1〜第3ガラス製ファイバー(光透過部材)
14 光照射用LED(光照射部)
21〜23 第1〜第3受光素子(光検出部)
29 スイッチ
24 青色LED
25 黄色LED
26 赤色LED
28 ブザー
30 電池
31 制御装置
33 検尿用開口部
34 蓋
40 プリズム(光透過部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿に含まれる糖の度合いを判定し、判定結果を使用者に報知するように構成された尿糖計において、
光を通す素材で構成されて表面に尿が付着するように配置される光透過部材と、
上記光透過部材に光を照射する光照射部と、
上記光照射部により上記光透過部材に照射されて該光透過部材を通った光を検出する光検出部と、
上記光検出部の出力に基づいて尿に含まれる糖の度合いを判定し、判定結果を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする尿糖計。
【請求項2】
請求項1に記載の尿糖計において、
光透過部材はガラス製ファイバーで構成されていることを特徴とする尿糖計。
【請求項3】
請求項1に記載の尿糖計において、
光透過部材はプリズムで構成されていることを特徴とする尿糖計。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の尿糖計において、
報知手段は、尿に含まれる糖の量が第1の量以下である場合に第1の報知方法により報知し、尿に含まれる糖の量が第1の量よりも多い第2の量以下である場合に第2の報知方法により報知し、尿に含まれる糖の量が第2の量よりも多い場合に第3の報知方法により報知するように構成されていることを特徴とする尿糖計。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の尿糖計において、
可搬型に構成されていることを特徴とする尿糖計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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