説明

尿pHを予測する方法

本発明は、動物の尿pHを予測する方法であって、動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を決定し、そしてこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測することによる方法を提供する。概して、食品中の陽イオンであるナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム;塩化物、硫黄およびリンである陰イオン;および硫黄含有アミノ酸であるメチオニンおよびシスチンの全部または部分集合の量を用いて、その食品が動物によって消費された場合の動物の尿pHを予測する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願のクロス・リファレンス
本出願は、本明細書中にその開示が援用される、2005年7月12日出願の米国仮出願第60/698,311号への優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、尿pHを予測する方法、詳しくは、動物によって消費される食品の組成に基づく尿pHを予測する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
尿石症は、尿路、すなわち、腎臓、膀胱および/または尿道中における石の存在および石を形成する過程である。ストルビット尿石は、鉱物ストルビットまたはリン酸アンモニウムマグネシウム六水和物を含む、尿路中の石である。シュウ酸カルシウム尿石は、鉱物シュウ酸カルシウムを含んで成る、尿路中の石である。これら尿石または石は、結石とも称される。
【0004】
尿路中の石の形成は、イヌおよびネコなどの伴侶動物を含めた動物にとって有意の臨床的問題である。細菌尿路感染は、ストルビット尿石の重要な素因である。シュウ酸カルシウム尿石の原因は、依然として知られていない。動物の尿pHは、石形成の予防および処置において重要な決定因子であることが分かった。尿pHの減少は、ストルビット尿石の発生率を減少させることが分かった。しかしながら、尿pHの低下は、シュウ酸カルシウム尿石の危険を増加させることがありうる。
【0005】
尿pHを低下させる食事、例えば、マグネシウム制限食は、ストルビット尿石の再発を予防する場合に有益でありうる。タンパク質、マグネシウムおよびリンが少なく且つ塩が多い食事は、ストルビット石を溶解させるのに有用でありうる。尿pHを増加させる食事、例えば、クエン酸カリウムまたは類似の化合物を含有する食事は、シュウ酸カルシウム尿石の再発を予防する場合に有益でありうる。
【0006】
尿pHに影響する食事構成成分には、硫黄含有アミノ酸および代謝性の陽イオンおよび陰イオンが含まれる。カルシウム、マグネシウム、ナトリウムおよびカリウムなどの陽イオン;硫黄、リンおよび塩化物などの陰イオン;およびタウリン、メチオニンおよびシステインなどの硫黄含有アミノ酸は、ネコ、ブタ、ウシ、ウマおよびラットを含めた多数の動物の尿pHに直接的に影響することが分かった。これら食事構成成分は、尿pHに影響することが知られているが、特定の食品を評価する方法、およびこのような食品が、動物に消費された場合、尿pHおよび尿石症にどのように影響するかを決定する方法は、正確に知られていない。したがって、特定の食事または食品を消費している動物の尿pHを予測する新しい方法、および尿石症を予防するまたは処置する新しい方法が要求されている。
【発明の開示】
【0007】
したがって、本発明の目的は、尿pHを予測する方法および装置を提供することである。
本発明の別の目的は、尿石症を予防するまたは処置する方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、尿pHを予測するのに、および尿石症を予防するまたは処置するのに有用な装置組合せを含有するキットの形の製品を提供することである。
これらおよび他の目的は、動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を決定し、そしてこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測することによる、尿pHを予測する新規な方法を用いて達せられる。尿pHを予測するのに有用な装置;尿pHを予測するのに有用な装置を含むキット;および本発明を用いることについての情報またはそのための指示を伝達するいろいろな手段も提供する。
【0009】
本発明の他のおよび追加の目的、特徴および利点は、当業者に容易に理解されるであろう。
発明の詳細な説明
定義
「動物」という用語は、尿石症に感受性のまたは罹患しているヒト、またはトリ、ウシ科、イヌ科、ウマ、ネコ科、ヒクリン(hicrine)、ネズミ科、ヒツジおよびブタを含めた他の動物を意味する。好ましくは、動物は、イヌ科またはネコ科である。
【0010】
「尿石症薬」という用語は、動物に消費された場合にその動物の尿pHを変化させる組成物、血中カルシウムを低下させる薬物、抗生物質および抗細菌薬を含めた、尿石症を予防するまたは処置するのに有用ないずれかの薬物、食品または他の化合物または組成物を意味する。
【0011】
本明細書中の式中の「」という記号は、「」の両側の要素を掛けることを意味する、例えば、(1.2ナトリウム)は、食品中のナトリウムの量に1.2を掛けることを意味する。
【0012】
「共に」という用語は、本発明の一つまたはそれを超える食品、組成物または化合物(例えば、尿石症薬)を、動物に、(1)食品組成物中で一緒に、または(2)同じまたは異なった投与経路を用いてほぼ同時にまたは周期的に、同じまたは異なった頻度で別々に投与することを意味する。「周期的に」は、組成物、食品組成物および化合物を、具体的な組成物、食品組成物および化合物について許容しうる投薬計画で投与すること、および食品組成物を、特定の動物について適宜、常套的に動物に投与するまたは給餌することを意味する。「ほぼ同時」は、概して、組成物、組成成分、尿石症薬および食品組成物を、互いに同時にまたは約72時間以内に投与することを意味する。共にには、具体的には、尿石症薬を処方期間投与し且つ組成物を不定に投与する投与スキームが含まれる。
【0013】
「単一パッケージ」という用語は、キットの成分が、一つまたはそれを超える容器とまたは中で物理的に一緒にされていて且つ製造、分配、販売または使用のための単位と考えられることを意味する。容器には、バッグ、ボックス、ボトル、収縮包装パッケージ、ステープルでまたはそれ以外で留められた成分、またはそれらの組合せが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0014】
「仮想パッケージ」という用語は、キットの成分が、一つまたはそれを超える物理的なまたは仮想のキット成分上の、例えば、一つの成分が入っているバッグ中で他の成分を得る方法を使用者に指示する説明書によって、およびウェブサイトに進む、録音メッセージに接触する、視覚メッセージを見る、または世話人またはインストラクターに接触してキットを使用する方法についての指示を得ることを使用者に指示する説明書によって一緒にされていることを意味する。
【0015】
本明細書中に記載の具体的な方法、プロトコールおよび試薬は、異なることがありうるので、本発明は、それらに制限されるわけではない。更に、本明細書中で用いられる専門用語は、具体的な態様を単に記載するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書中および請求に範囲に用いられる単数形には、その内容が明らかにそれ以外の場合を示していない限り、複数の意味が含まれ、例えば、「方法」または「食品組成物」の意味には、複数のこのような方法または組成物が含まれる。同様に、「含む」という語は、排他的よりもむしろ、包括的に解釈されるべきである。
【0016】
特に断らない限り、本明細書中で用いられる全ての専門用語および学術用語およびいずれかの頭字語は、本発明の分野の業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載のものと同等のまたは類似の方法および材料はいずれも、本発明の実施に用いることができるが、好ましい方法、装置および材料は、本明細書中に記載されている。
【0017】
本明細書中に挙げられる特許、特許出願および公報は全て、本発明で用いられるかもしれないそこに開示された化合物、方法、技法、手順、技術、製品、および他の組成物および方法を記載し且つ開示するための法則で許される程度に、本明細書中に援用される。しかしながら、本明細書中には、発明が、先行発明によってこのような開示に先立つ権利を与えられないという承認として解釈されるべきものはない。
【0018】
特に断らない限り、陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量は、乾燥物質(DM)基準でのパーセント(%)で測定される。
発明
一つの側面において、本発明は、動物の尿pHを予測する方法であって、動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を決定し、そしてこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測することを含む方法を提供する。本発明は、食品中のある種の陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を用いて、尿pHを予測することができるという新規な発見、およびこのような量を尿pHへと等式化する式またはアルゴリズムの発見に基づいている。本発明は、消費された場合に動物尿pHに悪影響を及ぼすことがない動物用食品を開発するのに必要な in vitro および in vivo の研究数を減少させるのに有用である。
【0019】
一つの態様において、本発明は、動物の尿pHを予測する方法であって、動物による消費用食品中の陽イオンであるナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム;陰イオンである塩化物、硫黄およびリン;および硫黄含有アミノ酸であるメチオニンおよびシスチンの量を決定し、そして式(式1):
尿pH=AA+(ABナトリウム)+(ACカリウム)−(AD塩化物)−(AE硫黄)+(AFカルシウム)+(AGマグネシウム)−(AHリン)−(AIメチオニン)−(AJシスチン)
(式中、AAは、約5.5〜約7.5であり;ABは、約1.0〜約1.3であり;ACは、約0.6〜約0.9であり;ADは、約0.6〜約0.9であり;AEは、約0.4〜約0.9であり;AFは、約0.8〜約0.3であり;AGは、約1.0〜約1.5であり;AHは、約0.5〜約1.0であり;AIは、約0.1〜約0.5であり;そしてAJは、約0.1〜約0.5である)
を用いて尿pHを予測することを含む方法を提供する。
【0020】
一つの態様において、式は、尿pH=7.05+(1.15ナトリウム)+(0.72カリウム)−(0.75塩化物)−(0.46硫黄)+(0.12カルシウム)+(1.28マグネシウム)−(0.65リン)−(0.22メチオニン)−(0.27シスチン)である。もう一つにおいて、式は、尿pH=6.99+(1.29ナトリウム)+(0.78カリウム)−(0.81塩化物)−(0.49硫黄)+(0.12カルシウム)+(1.22マグネシウム)−(0.60リン)−(0.22メチオニン)−(0.27シスチン)である。
【0021】
別の態様において、本発明は、動物の尿pHを予測する方法であって、動物による消費用湿潤食品中の陽イオンであるナトリウム、カリウムおよびマグネシウム;陰イオンである塩化物、硫黄およびリン;および硫黄含有アミノ酸であるメチオニンおよびシスチンの量を決定し、そして式(式2):
尿pH=WA+(WBナトリウム)+(WCカリウム)−(WD塩化物)−(WE硫黄)+(WGマグネシウム)−(WHリン)−(WIメチオニン)−(WJシスチン)
(式中、WAは、約5.5〜約7.5であり;WBは、約1.2〜約1.5であり;WCは、約0.8〜約1.2であり;WDは、約1.0〜約1.3であり;WEは、約0.1〜約0.9であり;WGは、約3.5〜約5.5であり;WHは、約0.7〜約1.3であり;WIは、約0.3〜約0.7であり;そしてWJは、約0.3〜約0.8である)
を用いて尿pHを予測することを含む方法を提供する。
【0022】
一つの態様において、式は、尿pH=7.02+(1.38ナトリウム)+(0.99カリウム)−(1.12塩化物)−(0.29硫黄)+(4.51マグネシウム)−(0.99リン)−(0.45メチオニン)+(0.50シスチン)である。もう一つにおいて、式は、尿pH=7.03+(1.43ナトリウム)+(0.93カリウム)−(1.16塩化物)−(0.30硫黄)+(4.76マグネシウム)−(0.92リン)−(0.41メチオニン)+(0.34シスチン)である。
【0023】
もう一つの態様において、本発明は、動物の尿pHを予測する方法であって、動物による消費用乾燥食品中の陽イオンであるナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム;および陰イオンである塩化物、硫黄およびリンの量を決定し、そして式(式3):
尿pH=DA+(DBナトリウム)+(DCカリウム)−(DD塩化物)−(DE硫黄)+(DFカルシウム)+(DGマグネシウム)−(DHリン)
(式中、DAは、約5.5〜約7.5であり;DBは、約1.0〜約1.3であり;DCは、約0.6〜約0.9であり;DDは、約0.6〜約0.9であり;DEは、約0.4〜約0.6であり;DFは、約0.8〜約0.3であり;DGは、約1.0〜約1.5であり;そしてDHは、約0.5〜約1.0である)
を用いて尿pHを予測することを含む方法を提供する。
【0024】
一つの態様において、式は、尿pH=7.10+(1.03ナトリウム)+(0.98カリウム)−(0.83塩化物)−(1.70硫黄)+(0.85カルシウム)+(2.07マグネシウム)−(1.15リン)である。もう一つにおいて、式は、尿pH=7.03+(1.00ナトリウム)+(1.00カリウム)−(0.93塩化物)−(1.61硫黄)+(0.89カルシウム)+(1.58マグネシウム)−(1.04リン)である。
【0025】
栄養素量、代謝産物量および尿pHを決定する方法は、当業者に周知である。
別の側面において、本発明は、動物の尿pHを予測するのに有用な装置を提供する。その装置は、尿pHを予測する手段であって、動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を決定し、そしてこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測することを含む方法を用いる手段を含む。それら手段は、動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量および本発明の式が与えられた場合に、尿pHを予測するように設計されているまたは予めプログラム化されている、予め書き込みされた文書、ウェブサイト、ソフトウェアプログラム、計算機またはコンピューターのような、常套計算を行うのに適するいずれかの手段でありうる。ある種の態様において、装置は、動物による消費用食品中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、硫黄、リン、メチオニンおよびシスチンの量を含む使用者による入力を受理し、そしてその入力の全部または部分集合と、式1、式2および式3の内の一つまたはそれを超える式を利用して、その食品を消費する動物の尿pHを予測する。一つの態様において、装置は、使用者が、食品中の陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸についてのデータを入力し、そして本発明の式を用いて、予測される尿pHを計算することを可能にするように設計されたソフトウェアプログラムおよび/またはこのようなソフトウェアプログラムを含有するディジタル媒体である。他の態様において、装置は、コンピューター、計算機、ウェブサイトまたは類似の装置、具体的には、ソフトウェアプログラムを包含するまたは利用するものである。
【0026】
別の側面において、本発明は、尿石症を予防するまたは処置する方法を提供する。その方法は、動物に望ましい尿pH範囲を決定し;選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸を含有する食品を選択し;食品中のこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を、その食品を消費する動物の尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測し;そして予測された尿pHが、望ましい尿pH範囲内である場合、その動物に、尿石症予防量または処置量のその食品を給餌することを含む。
【0027】
一つの態様において、(1)望ましいpH範囲は、約5.5〜6.5であり、(2)陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸は、本発明の方法により、陽イオンであるナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム;陰イオンである塩化物、硫黄およびリン;および硫黄含有アミノ酸であるメチオニンおよびシスチンの全部または部分集合であり、そして(3)式は、選択された食品および選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸について適宜、式1、式2または式3である。
【0028】
もう一つの側面において、本発明は、動物の尿pHを予測するのに、および/または尿石症を予防するまたは処置するのに適するキットであって、キット成分について適宜、単一パッケージまたは仮想パッケージの個別容器中に、本発明の装置と、(1)動物消費に適する食品、(2)尿石症薬、(3)尿pH診断用装置、(4)尿pH診断用装置を用いることについての情報またはそのための指示を伝達する手段、(5)尿pHを調整するまたは制御することについての情報またはそのための指示を伝達する手段、(6)本発明の方法、装置およびキットを用いて、尿pHを予測することについての情報またはそのための指示を伝達する手段、および(7)尿石症を予防するまたは処置することについての情報またはそのための指示を伝達する手段の内の一つまたはそれを超えるものを含むキットを提供する。そのキット成分は、典型的に、キット成分のタイプについて適宜、個別容器中、他のキット成分の一つと一緒のパッケージ中または上、または仮想パッケージ中である。キットが、仮想パッケージを含む場合、そのキットは、一つまたはそれを超える他の物理的キット成分との組合せでの仮想環境中の指示に限定される。一つの態様において、動物消費に適する食品は、尿pHを望ましい範囲内であるようにさせる、本発明によって予測される量の陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸を含む。
【0029】
別の側面において、本発明は、(1)本発明の方法、装置およびキットを用いて、尿pHを予測すること、(2)本発明の方法、装置およびキットを用いて、尿石症を予防するまたは処置すること、(3)本発明の尿pH診断用装置を用いることについての情報またはそのための指示を伝達する手段を提供する。それら伝達手段は、文書、ディジタル記憶媒体、光学的記憶媒体、音声提示、または情報または指示を含有する視覚的ディスプレーを含む。好ましくは、伝達は、表示されたウェブサイトまたはパンフレット、製品ラベル、パッケージインサート、広告、またはこのような情報または指示を含有する視覚的ディスプレーである。有用な情報および指示には、動物またはそれらの世話人が、本発明およびその使用について疑問がある場合に用いる接触情報、および本発明を用いて、尿pHを予測するおよび尿石症を管理する方法が含まれるが、これに制限されるわけではない。伝達手段は、本発明を用いることの利点について、動物またはその世話人に指示するのに有用である。
【0030】
動物による消費に適する食品の組成は、当業者に知られている。典型的な食品構成成分には、脂肪、炭水化物、タンパク質、繊維、およびビタミン、無機質および微量元素などの栄養素が含まれるが、これに制限されるわけではない。当業者は、動物の食事要求、例えば、動物の種、齢、サイズ、体重、健康状態および機能に基づいて、典型的な食品の食品構成成分の量およびタイプを選択することができる。
【0031】
脂肪および炭水化物である食品構成成分は、動物脂肪、魚油、植物油、食肉、食肉副産物、穀物、他の動物または植物源およびそれらの混合物などのいろいろな源から得られる。穀物には、コムギ、トウモロコシ、オオムギ、モロコシおよびコメが含まれる。
【0032】
タンパク質食品構成成分は、植物、動物または双方などのいろいろな源から得られる。動物タンパク質には、食肉、食肉副産物、乳製品および卵が含まれる。食肉には、家禽、魚、およびウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等のような動物からの肉が含まれる。食肉副産物には、肺、腎臓、脳、肝臓、胃および腸が含まれる。タンパク質食品構成成分は、遊離アミノ酸および/またはペプチドでもありうる。好ましくは、タンパク質食品構成成分は、食肉、食肉副産物、乳製品または卵を含む。
【0033】
繊維食品構成成分は、植物繊維源、例えば、セルロース、ビートパルプ、ラッカセイ外皮およびダイズ繊維などのいろいろな源から得られる。
栄養素は、当業者に知られているいろいろな源、例えば、ビタミンおよび無機質補助食品および食品構成成分から得られる。ビタミンおよび無機質は、欠乏を免れ且つ健康状態を維持するのに必要な量で包含されうる。これら量は、当該技術分野において容易に入手可能である。National Research Council(NRC)は、生産動物のためのこのような栄養素の勧告量を与えている。例えば、Nutrient Requirements of Swine (10th Rev. Ed., Nat'l Academy Press, Wash. D.C., 1998)、Nutrient Requirements of Poultry (9th Rev. Ed., Nat'l Academy Press, Wash. D.C., 1994)、Nutrient Requirements of Horses (5th Rev. Ed., Nat'l Academy Press, Wash. D.C., 1989) を参照されたい。American Feed Control Officials(AAFCO)は、イヌおよびネコのためのこのような栄養素の勧告量を与えている。American Feed Control Officials, Inc., Official publication, pp. 129-137 (2004) を参照されたい。食品添加物として一般的に有用なビタミンには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビオチン、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシンおよびパントテン酸が含まれる。食品添加物として有用な無機質および微量元素には、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、塩化物、鉄、セレン、ヨウ素および鉄が含まれる。
【0034】
食品組成物は、ビタミン、無機質、増量剤、風味増強剤、結合剤、フレーバー、安定化剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、緩衝剤、塩類、コーティングおよび当業者に知られている類似のものなどの追加の構成成分を含有してよい。安定化剤には、保存剤、相乗剤および金属イオン封鎖剤のような、組成物の保存寿命を増加させる性質がある物質、包装用ガス、安定化剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤および保湿剤が含まれる。乳化剤および/または増粘剤の例には、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテルおよび化工デンプンが含まれる。各々の組成成分、食品構成成分および他の構成成分について具体的な量は、組成物中に包含される具体的な成分および構成成分;動物の種;動物の齢、体重、全身健康状態、性別および食事;動物の消費率;処置されている尿石症のタイプ;および類似のものなどのいろいろな因子に依存するであろう。したがって、成分および構成成分の量は、広く異なっていてよいし、本明細書中に記載の好ましい比率から外れていてよい。
【0035】
食品組成物は、当業者に知られている缶詰食品または湿潤食品であってよい。典型的には、粉砕された動物タンパク質組織を、魚油、セリアル加工穀物、平衡化構成成分、特殊目的添加剤(例えば、ビタミン・無機質混合物、無機塩類、セルロースおよびビートパルプ、増量剤等)および水などの他の構成成分と一緒に、加工するのに十分な量で混合する。これら構成成分を、加熱に適する容器中において、それら成分をブレンドしながら混合する。混合物の加熱は、いずれか適する方法、例えば、直接蒸気噴射を用いて、または熱交換器を装着した容器を用いて行う。最後の構成成分を添加後、その混合物を約50°F〜約212°Fの温度に加熱する。この範囲外の温度は、許容しうるが、他の加工助剤の使用を伴わなければ、商業的に実用不能であるかもしれない。適当な温度に加熱した場合、その材料は、典型的に、濃厚液の形であろう。その濃厚液を缶中に充填する。蓋をして、その容器を気密シールする。次に、そのシール缶を、内容物を滅菌するように設計された慣用的な装置中に入れる。滅菌は、通常は、約230°Fを超える温度へと、用いられる温度、組成および類似の因子に依存する適当な時間加熱することによって達せられる。本発明の組成物は、製造前、中または後に、食品組成物に加えることができる。
【0036】
それら食品組成物は、当業者に知られている乾燥食品であってよい。典型的には、動物タンパク質、植物タンパク質、穀物等のような乾燥構成成分を、粉砕し且つ互いに混合する。次に、脂肪、油、動物タンパク質、水等を含めた湿潤したまたは液体の構成成分を、乾燥配合物に加え且つ混合する。次に、その混合物を加工して、乾燥食品片にする。
【0037】
それら食品組成物は、動物に組成物を給餌するのに有用ないずれかの形、例えば、動物用飼料のためのキブル(kibbles)、嗜好品(treats)および玩具でありうる。キブルは、概して、押出法を用いて成形されるが、この場合、乾燥および湿潤構成成分の混合物に、高温高圧での機械仕事を施し、小開口部を介して押し込み、そして回転ナイフで切断してキブルとする。次に、湿潤キブルを乾燥させ、そして場合により、フレーバー、脂肪、油、粉末等のような一つまたはそれを超える局所コーティングでコーティングする。キブルは、更に、押出よりもむしろ、ベーキング法を用いてドウから作ることができるが、この場合、ドウを金型に入れた後、乾熱処理をする。嗜好品には、非食事時間中に動物に食べさせるために動物に与えられる組成物、例えば、イヌ用骨またはイヌ用ビスケットが含まれる。嗜好品は、栄養的であってよく、この場合、組成物は一つまたはそれを超える栄養素を含み、または飼料様組成を有していてよい。非栄養的嗜好品は、無毒性であるいずれか他の嗜好品を包含する。組成物または成分は、嗜好品上にコーティングされる、嗜好品中に包含される、または双方である。本発明の嗜好品は、乾燥食品に用いられたものに類似した押出法またはベーキング法によって製造することができる。他の方法を用いて、既存の嗜好品形態の外面上に組成物をコーティングするかまたは、既存の嗜好品形態中に組成物を注入することもできる。玩具には、人工骨などの咀嚼可能な玩具、および動物の興味を引く天然食品に似ている形状の食品組成物が含まれる。本発明の食品組成物は、玩具を構成しうるし、または玩具の表面上または玩具の成分の表面上のコーティングを形成しうる。その組成物は、玩具中のいたるところに完全にまたは部分的に、または双方で包含されうる。一つの態様において、組成物は、予定の使用者によって経口利用可能である。当業者に知られている、例えば、米国特許第5,339,771号および同第5,419,283号に示されるような、広範囲の適する玩具が存在する。本発明は、部分的に消費可能な玩具、例えば、プラスチック成分を含む玩具、および完全に消費可能な玩具、例えば、いろいろな人工骨および類似の食品を包含する。更に、本発明は、ヒトおよび非ヒト双方の使用のための玩具、具体的には、伴侶動物、生産動物および動物園動物の使用のための玩具、より具体的には、ネコ科およびイヌ科の使用のための玩具を包含する。
【実施例】
【0038】
本発明は、次の好ましい態様の実施例によって更に詳しく説明することができるが、これら実施例は、単に例示の目的で包含され、特に具体的に断らない限り、本発明の範囲を制限するものではないということは理解されるであろう。
【0039】
実施例1
132種類の食品(82種類の乾燥食品および50種類の湿潤食品)を、10匹の成体(平均=8.5歳)ネコ(ネコ科)の群に給餌して、各々の食品を給餌されたネコの尿pHを決定した。食品を7日間給餌し、そして試験の5〜7日目に、0730時および1430時に集められた尿から尿pHを決定した。
【0040】
それらネコは、Institutional Animal Care and Use Committee プロトコールにしたがって管理した。ネコの主な生活空間は、1日2回清浄にした。実験期間の間中、ネコには毎日運動させ、そしてヒト相互作用には、遊び(玩具)、グルーミングおよび他のヒト・ネコ相互作用(すなわち、愛撫)が含まれたが、これに制限されるわけではなかった。水は、全実験の間中、自由に利用可能であった。
【0041】
全ての乾燥(82)および湿潤(50)食品についての栄養素範囲を、表1および表2に示す。食品は各々、Association of American Feed Control Officials 11栄養素指針にしたがってネコ用に配合し、成長および成体維持を満たすように平衡化した。各々の食品を、10匹の群のネコに給餌して、体重を維持した。毎日、食品を自動給餌システムにより、6時間間隔で0600時、1200時、1800時および2400時に与えて、全てに時点において新鮮な食品が利用可能であることを確実にした。過剰の食品は毎日除去し、食べ残しを秤量し且つ記録した。食品試料は、栄養素含有率分析のために集めた。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
尿試料は、1週間研究の経過中、5日目、6日目および7日目の0730時および1430時に1日2回集めた。ネコ用床敷ボックスを、5日目、6日目および7日目の0600時にケージから取り出し、0730時採集後に戻し、1100時に取り出し、1430時採集後に戻した。尿試料は、各々のネコから、ネコ膀胱を手でしぼることにより、番号付けしたカップ中に集めた。これは、尿pHが、ネコ膀胱中の実測尿pHと一致することを確実にし、そして自然に集められた場合の糞便による汚染を防止した。尿pHは、pHメーターを用いて測定した。
【0045】
全ての飼料試料を、Association of Official Analytical Chemists にしたがって、水分(930.15)、カルシウム(968.08)、ナトリウム(968.08)、カリウム(968.08)、マグネシウム (968.08)、塩化物(969.10)、硫黄(923.01)、リン(965.17)、メチオニンおよびシスチン(994.12)について分析した。
【0046】
全132種類の尿pH研究の終了後、栄養素と、実測尿pH値を用いて、以前に公表されたモデルを吟味した。次に、これらデータをプロットした。しかしながら、これらモデルでは、現行研究において用いられた食品の平均尿pHを正確に予測することができなかった(それぞれ、r2=0.23、0.23および0.10)。
【0047】
乾燥食品および缶詰食品を給餌されたネコの場合に硫黄の添加で尿pHに作用する以前に知られている陽イオンおよび陰イオンを用いて、新しいモデルを開発した。次に、ネコ毎の個体平均尿pH(1320個体の尿pH平均)を、消費された食品の栄養素含有率(100%乾燥物質基準)に回帰させた。
【0048】
ステップワイズ回帰を用いて、どの陽イオンおよび陰イオンが、予測に重要であるかを決定した。乾燥および湿潤モデルに包含される陽イオンは、ナトリウム、カルシウム、カリウムおよびマグネシウムであり、陰イオンは、塩化物、硫黄、リン、およびアミノ酸メチオニンおよびシスチンであった。それら結果を、表3に示す。その分析は、食品についての予測等式をもたらした。新しいモデルは、個体(n=1320)実測尿pHの34%変動および132種類の食品を給餌されたネコの場合の平均(n=132)尿pHで認められる51%の変動を説明した。
【0049】
【表3】

【0050】
実施例2
食品タイプ(乾燥対湿潤)を分けることが、尿pH予測の正確さをより高くしたかどうかを確かめるために、更に二つのモデル(乾燥のみおよび湿潤のみ)を開発した。湿潤モデルに包含される陽イオンは、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムであり、陰イオンは、塩化物、硫黄、リン、および硫黄アミノ酸メチオニンおよびシスチンであった。カルシウムは、このモデルから除外した。それら結果を、表4に示す。その分析は、湿潤食品についての予測等式をもたらした。新しいモデルは、個体(n=1320)実測尿pHの34%変動および132種類の食品を給餌されたネコの場合の平均(n=132)尿pHで認められる51%の変動を説明した。新しいモデルは、個体(n=500)実測尿pHの39%変動および50種類の湿潤食品を給餌されたネコの場合の平均(n=50)尿pHで認められる60%の変動を説明した。
【0051】
【表4】

【0052】
実施例3
乾燥モデル中に包含される陽イオンは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムであり、陰イオンは、塩化物、硫黄およびリンであった。メチオニンおよびシスチンは、このモデルから除外した。それら結果を、表5に示す。その分析は、乾燥食品についての予測等式をもたらした。新しいモデルは、個体(n=820)実測尿pHの51%変動および82種類の乾燥食品を給餌されたネコの場合の平均(n=82)尿pHで認められる74%の変動を説明した。
【0053】
【表5】

【0054】
結果
ステップワイズ回帰分析による結果は、どの陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸が、尿pH予測に重要であったかを示している。3種類のモデルを、尿pH予測のために開発した。これらモデルには、食品、湿潤食品および乾燥食品が含まれた。全てのモデルに包含される陽イオンは、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムであった。カルシウムは、湿潤・乾燥および乾燥食品モデルにのみ包含された。全てのモデルの陰イオンは、塩化物、硫黄およびリンであった。モデルに硫黄を包含することは、乾燥モデルからのメチオニンおよびシステインの除外を可能にした。それら結果は、尿pHを、食品の栄養素成分から予測することができるということを示し、したがって、特定の製品について尿pHを最適にするための(ストルビットおよび/またはシュウ酸塩予防のための)動物研究数を減少させる。別々の処方は、乾燥食品および湿潤食品について正確さを維持するのに用いることができる。
【0055】
本明細書中には、本発明の典型的な好ましい態様を開示しており、具体的な用語が用いられているが、それらは、包括的で且つ記述的な意味でのみ用いられ、請求の範囲に示されている発明の範囲を制限するためのものではない。明らかに、上の内容に照らして、本発明の多数の修飾および変更が可能である。したがって、請求の範囲の範囲内で、具体的に記載されている以外に本発明を実施することができるということは理解されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の尿pHを予測する方法であって、
該動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を決定し;そして
このような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測すること
を含む方法。
【請求項2】
陽イオンが、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムであり;
陰イオンが、塩化物、硫黄およびリンであり;そして
硫黄含有アミノ酸が、メチオニンおよびシスチンであり;そして
式が、(式1):
尿pH=AA+(ABナトリウム)+(ACカリウム)−(AD塩化物)−(AE硫黄)+(AFカルシウム)+(AGマグネシウム)−(AHリン)−(AIメチオニン)−(AJシスチン)
(式中、AAは、約5.5〜約7.5であり;ABは、約1.0〜約1.3であり;ACは、約0.6〜約0.9であり;ADは、約0.6〜約0.9であり;AEは、約0.4〜約0.9であり;AFは、約0.8〜約0.3であり;AGは、約1.0〜約1.5であり;AHは、約0.5〜約1.0であり;AIは、約0.1〜約0.5であり;そしてAJは、約0.1〜約0.5である)
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
陽イオンが、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムであり;
陰イオンが、塩化物、硫黄およびリンであり;そして
硫黄含有アミノ酸が、メチオニンおよびシスチンであり;
食品が、湿潤食品であり;そして
式が、(式2):
尿pH=WA+(WBナトリウム)+(WCカリウム)−(WD塩化物)−(WE硫黄)+(WGマグネシウム)−(WHリン)−(WIメチオニン)−(WJシスチン)
(式中、WAは、約5.5〜約7.5であり;WBは、約1.2〜約1.5であり;WCは、約0.8〜約1.2であり;WDは、約1.0〜約1.3であり;WEは、約0.1〜約0.9であり;WGは、約3.5〜約5.5であり;WHは、約0.7〜約1.3であり;WIは、約0.3〜約0.7であり;そしてWJは、約0.3〜約0.8である)
である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
陽イオンが、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムであり;
陰イオンが、塩化物、硫黄およびリンであり;
食品が、乾燥食品であり;そして
式が、(式3):
尿pH=DA+(DBナトリウム)+(DCカリウム)−(DD塩化物)−(DE硫黄)+(DFカルシウム)+(DGマグネシウム)−(DHリン)
(式中、DAは、約5.5〜約7.5であり;DBは、約1.0〜約1.3であり;DCは、約0.6〜約0.9であり;DDは、約0.6〜約0.9であり;DEは、約0.4〜約0.6であり;DFは、約0.8〜約0.3であり;DGは、約1.0〜約1.5であり;そしてDHは、約0.5〜約1.0である)
である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
動物の尿pHを予測するのに適する装置であって、尿pHを予測する手段を含み、該手段が、該動物による消費用食品中の選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を決定し、そしてこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測することを含む方法を用いる装置。
【請求項6】
手段が、動物による消費用食品中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、硫黄、リン、メチオニンおよびシスチンの量を含む使用者による入力を受理し、そして該入力の全部または部分集合と、式1、式2および式3の内の一つまたはそれを超える式を利用して、該食品を消費する動物の尿pHを予測する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
手段が、ウェブサイト、ソフトウェアプログラム、計算機またはコンピューターである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
尿石症を予防するまたは処置する方法であって、
動物に望ましい尿pH範囲を決定し;
選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸を含有する食品を選択し;
該食品中のこのような陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸の量を、該食品を消費する動物の尿pHへと等式化する式を用いて尿pHを予測し;そして
予測された尿pHが、望ましい尿pH範囲内である場合、該動物に、尿石症予防量または処置量の該食品を給餌することを含む方法。
【請求項9】
pH範囲が、約5.5〜6.5であり;
陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、硫黄、リン、メチオニンおよびシスチンの全部または部分集合であり;そして
式が、選択された食品および選択された陽イオン、陰イオン、および硫黄含有アミノ酸について適宜、式1、式2または式3である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
組成物を、一つまたはそれを超える尿石症薬と共に動物に投与することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
動物の尿pHを予測するのに、および/または尿石症を予防するまたは処置するのに適するキットであって、キット成分について適宜、単一パッケージまたは仮想パッケージの個別容器中に、請求項5に記載の装置と、(1)動物消費に適する食品、(2)尿石症薬、(3)尿pH診断用装置、(4)尿pH診断用装置を用いることについての情報またはそのための指示を伝達する手段、(5)尿pHを調整するまたは制御することについての情報またはそのための指示を伝達する手段、(6)本発明の方法、装置およびキットを用いて、尿pHを予測することについての情報またはそのための指示を伝達する手段、および(7)尿石症を予防するまたは処置することについての情報またはそのための指示を伝達する手段の内の一つまたはそれを超えるものを含むキット。
【請求項12】
(1)本発明の方法、装置およびキットを用いて、尿pHを予測すること、(2)本発明の方法、装置およびキットを用いて、尿石症を予防するまたは処置すること、(3)本発明の尿pH診断用装置を用いることについての情報またはそのための指示を伝達する手段であって、文書、ディジタル記憶媒体、光学的記憶媒体、音声提示、または該情報または指示を含有する視覚的ディスプレーを含む伝達手段。
【請求項13】
表示されたウェブサイト、パンフレット、製品ラベル、パッケージインサート、広告および視覚的ディスプレーから成る群より選択される、請求項13に記載の伝達手段。

【公表番号】特表2009−501342(P2009−501342A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521518(P2008−521518)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/026863
【国際公開番号】WO2007/008882
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】