説明

局所地図生成装置、グローバル地図生成装置、及びプログラム

【課題】簡易な構成で、精度の高い地図を生成することができるようにする。
【解決手段】撮像装置14によって前方画像を撮像し、GPS情報取得部22によって、ドップラー周波数を含む衛星情報を取得する。位置・速度ベクトル算出部24によって、ドップラー周波数を用いて速度ベクトルを算出する。軌跡算出部26によって、自車両の位置の軌跡を算出する。投影画像生成部30によって、前方画像から路面に投影した投影画像を生成する。ローカルマップ生成部32によって、自車両の軌跡上の各点について得られた路面画像を、軌跡上の各点における移動体の進行方向と、撮像装置14の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、ローカルマップの各領域に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所地図生成装置、グローバル地図生成装置、及びプログラムに係り、特に、移動体の周辺の環境情報を記録した局所地図、またはグローバル地図を生成する局所地図生成装置、グローバル地図生成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計測された位置とビデオカメラからアフィン変換して生成された路面画像に対し、複数車線のデータを統合するときなどに生じる路面画像の位置ずれを考慮し、評価された位置精度に応じて精度が高いパスを基準パスとして、路面画像を統合する路面表示地図生成方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−175756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術は、高精度な位置と高精度な軌跡が予め取得できる計測車両を想定したものであり、一般の車両には適用できない、という問題がある。また、路面マークの位置合わせについても基準パスを想定し、精度が高いほうに合わせる手法を用いているが、これは高精度計測車両であれば可能であるものである。通常のナビ用GPSでは、特に都心部において数10mの測位誤差が生じる可能性があり、郊外路でも数mの精度であるため、基準パスへ位置を合わせようとしても、精度は向上しない、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、簡易な構成で、精度の高い地図を生成することができる局所地図生成装置、グローバル地図生成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明の局所地図生成装置は、移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段と、複数のGPS衛星の各々から送信された前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、前記衛星情報取得手段により取得された前記衛星情報に基づいて、前記移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は前記移動体の速度及び前記移動体の進行方向を示す速度情報を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記移動体の前記速度情報を積算して、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段と、前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段と、を含んで構成されている。
【0007】
第2の発明に係る局所地図生成プログラムは、コンピュータを、移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段を含む局所地図生成装置の各手段として機能させるためのプログラムであって、複数のGPS衛星の各々から送信された前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する衛星情報取得手段、前記衛星情報取得手段により取得された前記衛星情報に基づいて、前記移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は前記移動体の速度及び前記移動体の進行方向を示す速度情報を算出する算出手段、前記算出手段により算出された前記移動体の前記速度情報を積算して、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段、及び前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段として機能させるためのプログラムである。
【0008】
第1の発明及び第2の発明によれば、環境情報取得手段によって、設置位置から見た移動体の周辺の環境情報を取得する。衛星情報取得手段によって、複数のGPS衛星の各々から送信されたGPS衛星の各々の位置に関する情報、GPS衛星の各々と移動体との距離に関する情報、及びGPS衛星の各々に対する移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する。
【0009】
そして、算出手段によって、衛星情報取得手段により取得され衛星情報に基づいて、移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は移動体の速度及び移動体の進行方向を示す速度情報を算出する。軌跡算出手段によって、算出手段により算出された移動体の速度情報を積算して、移動体の位置の軌跡を算出する。
【0010】
そして、局所地図生成手段によって、軌跡算出手段によって算出された移動体の位置の軌跡上の各点について環境情報取得手段によって取得された環境情報を、軌跡上の各点における移動体の進行方向と、環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する。
【0011】
このように、速度情報を積算して移動体の軌跡を算出し、移動体の軌跡上の各点について取得された周辺の環境情報を、局所地図上の各領域に記録することにより、簡易な構成で、精度の高い地図を生成することができる。
【0012】
第3の発明に係る局所地図生成装置は、移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記移動体の運動状態を検出する運動状態検出手段と、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態に基づいて、前記移動体の基準方向の方位角を推定する方位角推定手段と、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態を積算し、前記積算された前記移動体の運動状態と、前記方位角推定手段によって推定された前記方位角とに基づいて、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段と、前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段と、を含んで構成されている。
【0013】
第4の発明に係るプログラムは、コンピュータを、移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段を含む局所地図生成装置の各手段として機能させるためのプログラムであって、前記移動体の運動状態を検出する運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態に基づいて、前記移動体の基準方向の方位角を推定する方位角推定手段、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態を積算し、前記積算された前記移動体の運動状態と、前記方位角推定手段によって推定された前記方位角とに基づいて、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段、及び前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段として機能させるためのプログラムである。
【0014】
第3の発明及び第4の発明によれば、環境情報取得手段によって、設置位置から見た移動体の周辺の環境情報を取得する。運動状態検出手段によって、移動体の運動状態を検出する。
【0015】
そして、方位角推定手段によって、運動状態検出手段により検出された移動体の運動状態に基づいて、移動体の基準方向の方位角を推定する。軌跡算出手段によって、運動状態検出手段により検出された移動体の運動状態を積算し、積算された移動体の運動状態と、方位角推定手段によって推定された方位角とに基づいて、移動体の位置の軌跡を算出する。
【0016】
そして、局所地図生成手段によって、軌跡算出手段によって算出された移動体の位置の軌跡上の各点について環境情報取得手段によって取得された環境情報を、軌跡上の各点における移動体の進行方向と、環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する。
【0017】
このように、移動体の方位角を推定すると共に運動状態を積算して移動体の軌跡を算出し、移動体の軌跡上の各点について取得された周辺の環境情報を、局所地図上の各領域に記録することにより、簡易な構成で、精度の高い地図を生成することができる。
【0018】
第3の発明に係る局所地図生成装置は、複数のGPS衛星の各々から送信された前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、前記衛星情報取得手段により取得された前記衛星情報に基づいて、前記移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は前記移動体の速度及び前記移動体の進行方向を示す速度情報を算出する算出手段と、を更に含み、前記方位角推定手段は、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態、及び前記算出手段によって算出された前記速度情報に基づいて、前記移動体の基準方向の方位角を推定し、前記軌跡算出手段は、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態、前記算出手段によって算出された前記速度情報、及び前記方位角推定手段によって推定された前記方位角に基づいて、前記移動体の位置の軌跡を算出するようにすることができる。これによって、精度よく軌跡を算出することができ、より精度の高い地図を生成することができる。
【0019】
上記の算出手段は、前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、及び前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報から得られる前記移動体の位置に基づいて、前記移動体から見た前記GPS衛星の各々の方向を算出し、時系列の前記GPS衛星の各々の位置に関する情報に基づいて、前記GPS衛星の各々の速度を算出し、前記移動体から見た前記GPS衛星の各々の方向、前記GPS衛星の各々の速度、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報に基づいて、前記移動体のGPS衛星の各々の方向の速度を算出し、複数の前記移動体のGPS衛星の各々の方向の速度に基づいて、前記移動体の速度ベクトルを算出するようにすることができる。これによって、精度よく速度ベクトルを算出することができ、精度よく軌跡を算出することができる。
【0020】
上記のGPS衛星の各々の位置に関する情報を、衛星軌道情報とし、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報を、擬似距離情報とし、前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を、ドップラー周波数情報とすることができる。
【0021】
上記の前記環境情報取得手段を、前記移動体の周辺を撮像する撮像手段、又は前記移動体の周辺に存在する物体までの距離情報を計測するレーザレーダとすることができる。
【0022】
第5の発明に係るグローバル地図生成装置は、上記の局所地図生成装置と、前記生成された複数の局所地図を記憶した局所地図記憶手段と、複数の局所地図間で、前記局所地図に記録された前記環境情報を照合し、前記環境情報を照合させた状態で前記複数の局所地図を合成する合成手段と、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図の前記軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を推定する位置推定手段と、前記位置推定手段によって推定された絶対位置に基づいて、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図を記録するグローバル地図生成手段と、を含んで構成されている。
【0023】
第5の発明によれば、局所地図生成装置によって局所地図を生成し、局所地図記憶手段は、生成された複数の局所地図を記憶する。
【0024】
そして、合成手段によって、複数の局所地図間で、局所地図に記録された環境情報を照合し、環境情報を照合させた状態で複数の局所地図を合成する。位置推定手段によって、合成手段によって合成された複数の局所地図の軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を推定する。
【0025】
そして、グローバル地図生成手段によって、位置推定手段によって推定された絶対位置に基づいて、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、合成手段によって合成された複数の局所地図を記録する。
【0026】
このように、精度の高い局所地図を生成し、局所地図に記録された環境情報を照合して複数の局所地図を合成し、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、合成された複数の局所地図を記録することにより、簡単な構成で、精度の高いグローバル地図を生成することができる。
【0027】
第6の発明に係るグローバル地図生成装置は、上記の衛星情報取得手段を含む局所地図生成装置と、前記生成された局所地図を記憶した局所地図記憶手段と、複数の局所地図間で、前記局所地図に記録された前記環境情報を照合し、前記環境情報を照合させた状態で前記複数の局所地図を合成する合成手段と、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図の前記軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を推定する位置推定手段と、前記位置推定手段によって推定された絶対位置に基づいて、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図を記録するグローバル地図生成手段と、を含むグローバル地図生成装置であって、前記局所地図生成手段は、前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の前記少なくとも1点について、前記衛星情報取得手段によって取得された前記衛星情報を前記局所地図に記録し、前記位置推定手段は、前記複数の局所地図の照合結果に基づいて求められる前記複数の局所地図の各々の前記少なくとも1点間の相対位置と、前記複数の局所地図の各々に記録された前記衛星情報とに基づいて、前記合成された前記複数の局所地図の前記軌跡上の前記少なくとも1点の絶対位置を推定することを特徴としている。
【0028】
第6の発明によれば、局所地図生成装置によって局所地図を生成し、局所地図記憶手段は、記生成された複数の局所地図を記憶する。このとき、局所地図生成手段は、軌跡算出手段によって算出された移動体の位置の軌跡上の少なくとも1点について、衛星情報取得手段によって取得された衛星情報を局所地図に記録する。
【0029】
そして、合成手段によって、複数の局所地図間で、局所地図に記録された環境情報を照合し、環境情報を照合させた状態で複数の局所地図を合成する。位置推定手段によって、複数の局所地図の照合結果に基づいて求められる複数の局所地図の各々の少なくとも1点間の相対位置と、複数の局所地図の各々に記録された衛星情報とに基づいて、合成された複数の局所地図の軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を推定する。
【0030】
そして、グローバル地図生成手段によって、位置推定手段によって推定された絶対位置に基づいて、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、合成手段によって合成された複数の局所地図を記録する。
【0031】
このように、精度の高い局所地図を生成し、局所地図に記録された環境情報を照合して複数の局所地図を合成し、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、合成された複数の局所地図を記録することにより、簡単な構成で、精度の高いグローバル地図を生成することができる。
【0032】
上記第5の発明及び第6の発明に係るグローバル地図生成装置は、前記移動体の絶対位置を算出する位置算出手段を更に含み、前記局所地図生成手段は、前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の前記少なくとも1点について前記位置算出手段によって算出された絶対位置を、前記局所地図に記録し、前記位置推定手段は、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図の各々の前記少なくとも1点について記録された絶対位置に基づいて、前記少なくとも1点の絶対位置を推定するようにすることができる。これによって、移動体の位置の軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を精度よく推定することができる。
【0033】
なお、本発明のプログラムを記憶する記憶媒体は、特に限定されず、ハードディスクであってもよいし、ROMであってもよい。また、CD−ROMやDVDディスク、光磁気ディスクやICカードであってもよい。更にまた、該プログラムを、ネットワークに接続されたサーバ等からダウンロードするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明の局所地図生成装置及びプログラムによれば、速度情報を積算して、あるいは、移動体の方位角を推定すると共に運動状態を積算して、移動体の軌跡を算出し、移動体の軌跡上の各点について取得された周辺の環境情報を、局所地図上の各領域に記録することにより、簡易な構成で、精度の高い地図を生成することができる、という効果が得られる。
【0035】
また、本発明のグローバル地図生成装置によれば、精度の高い局所地図を生成し、局所地図に記録された環境情報を照合して複数の局所地図を合成し、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、合成された複数の局所地図を記録することにより、簡単な構成で、精度の高いグローバル地図を生成することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施の形態に係る局所地図生成装置を示すブロック図である。
【図2】(A)前方画像の一例を示す図、及び(B)前方画像を路面に投影する様子を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る局所地図生成装置の位置・速度ベクトル算出部を示すブロック図である。
【図4】(A)、(B)車両座標系とカメラ座標系を説明するための図である。
【図5】前方画像上の位置を路面に投影したときの位置を説明するための図である。
【図6】自車両の軌跡に沿って投影画像を記録する様子を示す図である。
【図7】実際の路面とローカルマップ上の投影画像とのずれを説明するための図である。
【図8】ローカルマップのデータ構成の例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る局所地図生成装置のコンピュータにおけるローカルマップ生成処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態に係る局所地図生成装置のコンピュータにおけるローカルマップ生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施の形態に係る局所地図生成装置のコンピュータにおける速度ベクトル算出処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る局所地図生成装置を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態に係る局所地図生成装置のコンピュータにおけるローカルマップ生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態に係る局所地図生成装置を示すブロック図である。
【図15】第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置を示すブロック図である。
【図16】GPS情報の一例を示す図である。
【図17】複数回走行において生成されたローカルマップを示す図である。
【図18】複数回走行において生成されたローカルマップを示す図である。
【図19】複数回走行において生成されたローカルマップを照合した様子を示す図である。
【図20】複数回走行において生成されたローカルマップの各々の原点で取得したGPS情報を用いて絶対位置を推定するための方法を説明するための図である。
【図21】第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置のコンピュータにおけるグローバルマップ生成処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図22】第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置のコンピュータにおけるグローバルマップ生成処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図23】第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置のコンピュータにおける運転支援制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図24】第5の実施の形態に係るグローバル地図生成装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、第1の実施の形態では、車両に搭載され、GPS衛星から発信されたGPS情報を取得すると共に、自車両の周辺の画像を記録したローカルマップを生成する局所地図生成装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0038】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る局所地図生成装置10は、GPS衛星からの電波を受信するGPS受信部12と、自車両の前方を撮像する撮像装置14と、GPS受信部12によって受信されたGPS衛星からの受信信号、及び撮像装置14によって撮像された前方画像に基づいて、自車両の位置を原点とした座標系で表わされるローカルマップを生成すると共に、過去に生成された周辺のローカルマップを運転支援装置18へ出力するコンピュータ20と、を備えている。なお、撮像装置14が、環境情報取得手段の一例である。
【0039】
GPS受信部12は、複数のGPS衛星からの電波を受信して、受信した全てのGPS衛星からの受信信号から、GPS衛星の情報を取得し、コンピュータ20に出力する。
【0040】
撮像装置14は、図2(A)に示すような前方画像を繰り返し撮像し、コンピュータ20へ出力する。
【0041】
運転支援装置18は、入力されたローカルマップに基づいて、前方の制御対象との位置関係を取得し、カーブ警報や一時停止支援などの運転支援を行う。
【0042】
コンピュータ20は、CPU、後述するローカルマップ生成処理ルーチンを実現するためのプログラムを記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、及びHDD等の記憶装置で構成されている。
【0043】
コンピュータ20を以下で説明するローカルマップ生成処理ルーチンに従って機能ブロックで表すと、図1に示すように、GPS受信部12から、電波を受信した全てのGPS衛星について、GPS衛星の情報を取得すると共に、GPS擬似距離データ、ドップラー周波数、及びGPS衛星の位置座標を算出して取得するGPS情報取得部22と、取得したGPS情報に基づいて、各時刻における自車両の位置及び速度ベクトルを算出する位置・速度ベクトル算出部24と、算出された所定時間分の速度ベクトルを積算して、所定時間における自車両の位置の軌跡を算出する軌跡算出部26と、撮像装置14によって各時刻において撮像された前方画像を取得する画像取得部28と、取得した前方画像を、鳥瞰図となるように平面に投影した投影画像を生成する投影画像生成部30と、算出された所定時間の軌跡に沿って、各地点の投影画像を記録したローカルマップを生成するローカルマップ生成部32と、生成された複数のローカルマップを記憶するローカルマップ記憶部34とを備えている。なお、位置・速度ベクトル算出部24が、算出手段及び位置算出手段の一例である。
【0044】
GPS情報取得部22は、GPS受信部12から、電波を受信した全てのGPS衛星について、GPS衛星の情報を取得すると共に、GPS擬似距離データを取得する。また、GPS情報取得部22は、各GPS衛星から送信される信号の既知の周波数と、各GPS衛星から受信した受信信号の周波数とに基づいて、各GPS衛星からの受信信号のドップラー周波数を各々算出する。なお、ドップラー周波数は、GPS衛星と自車との相対速度による、搬送波周波数のドップラーシフト量を観測したものである。
【0045】
位置・速度ベクトル算出部24は、図3に示すように、取得したGPS情報に基づいて、GPS衛星の位置及び自車両の位置を算出する位置算出部51と、取得した各GPS衛星のドップラー周波数に基づいて、各GPS衛星に対する自車両の相対速度を算出する相対速度算出部60と、取得した各GPS衛星の位置座標の時系列データに基づいて、各GPS衛星の速度ベクトルを算出する衛星速度算出部62と、算出された自車両の位置及び各GPS衛星の位置座標に基づいて、各GPS衛星の方向(角度の関係)を算出する衛星方向算出部66と、算出された相対速度、各GPS衛星の速度ベクトル、及び各GPS衛星の方向に基づいて、各GPS衛星方向の自車両の速度を算出する衛星方向自車速算出部68と、算出された複数の各GPS衛星方向の自車両の速度に基づいて、自車両の速度ベクトルを算出する自車両速度算出部70と、を含んだ構成で表すことができる。
【0046】
位置算出部51は、GPS衛星の軌道情報及びGPS衛星が電波を送信した時刻に基づいて、GPS衛星の位置座標を各々算出する。
【0047】
また、位置算出部51は、以下のように、GPS情報取得部22によって取得された各GPS衛星のGPS擬似距離データを用いて、自車両の位置を算出する。
【0048】
GPSを用いた測位では、既知であるGPS衛星の位置座標と、各GPS衛星から受信した受信信号の伝播距離である擬似距離とに基づいて、三角測量の原理に従って、自車両の位置が推定される。
【0049】
ここで、GPS衛星までの真の距離rは、以下の(1)式で表され、GPSで観測される擬似距離ρは、以下の(2)式で表される。
【0050】
【数1】

【0051】
ただし、(X,Y,Z)がGPS衛星jの位置座標であり、(x,y,z)が自車両の位置座標である。sは、GPS受信部12の時計誤差による距離誤差である。
【0052】
上記(1)式、(2)式より、4つ以上のGPS衛星のGPS擬似距離データから得られる以下の(3)式の連立方程式を解くことによって、自車両の位置(x、y、z)が算出される。
【0053】
【数2】

【0054】
相対速度算出部60は、ドップラー周波数とGPS衛星に対する相対速度との関係を表わす以下の(4)式に従って、各GPS衛星からの受信信号のドップラー周波数から、各GPS衛星に対する自車両の相対速度を算出する。
【0055】
【数3】

【0056】
ただし、vはGPS衛星jに対する相対速度であり、D1はGPS衛星jから得られるドップラー周波数(ドップラーシフト量)である。また、Cは光速であり、Fは、GPS衛星から送信される信号の既知のL1周波数である。
【0057】
衛星速度算出部62は、取得した各GPS衛星の位置座標の時系列データから、ケプラーの方程式の微分を用いて、各GPS衛星の速度ベクトル(3次元速度VX、VY、VZ)を算出する。例えば、非特許文献(Pratap Misra and Per Enge原著 日本航海学会GPS研究会訳:“精説GPS基本概念・測位原理・信号と受信機”正陽文庫,2004.)に記載された方法を用いて、各GPS衛星の速度ベクトルを算出することができる。
【0058】
衛星方向算出部66は、算出された自車両の位置及び各GPS衛星の位置座標に基づいて、各GPS衛星jの位置と自車両の位置との角度関係(水平方向に対する仰角θ、北方向に対する方位角φ)を、各GPS衛星の方向として算出する。
【0059】
衛星方向自車速算出部68は、算出された各GPS衛星に対する自車両の相対速度v、各GPS衛星の速度ベクトル(VX、VY、VZ)、及び各GPS衛星の方向R(θ、φ)に基づいて、以下の(5)式に従って、各GPS衛星jの方向の自車両の速度Vvを算出する。
【0060】
【数4】

【0061】
は、GPS衛星jに対する自車両の相対速度(衛星方向におけるGPS衛星との相対速度)である。また、Vsは、自車方向のGPS衛星jの速度であり、Vs=R[VX,VY,VZにより求まる。また、Vvは、GPS衛星jの方向の自車速であり、vCbは、クロックバイアス変動である。
【0062】
上述したように、GPS衛星方向の自車速は、GPS衛星位置の三次元位置ではなく、GPS衛星との方位関係によってのみ算出される。GPS衛星は遥か遠方にあり、1日で地球をほぼ2周するため1分間の角度変化は0.5度である。通常、GPS衛星とGPS受信機との時計誤差は通常1msec以下であるため、GPS衛星との方位関係に大きな影響はない。また、同じくGPS衛星は遥か遠方にあるため、自車の位置決定に数100m程度の誤差が生じていたとしても、GPS衛星との方位関係に大きな影響はない。このため、擬似距離に誤差が乗りやすい状況であったとしても、GPS衛星方向の自車速は、比較的正確に算出され得る。
【0063】
自車両速度算出部70は、以下に説明するように、自車両の速度ベクトルの最適推定を行う。
【0064】
まず、自車の速度ベクトルを(Vx,Vy,Vz)としたとき、GPS衛星方向の自車両の速度Vvとの関係は以下の(6)式で表される。
【0065】
【数5】

【0066】
各GPS衛星jについて得られる上記(6)式より、Vx,Vy,Vz及びCbを推定値とした、以下の(7)式で表される連立方程式が得られる。
【0067】
【数6】

【0068】
電波を受信したGPS衛星が4個以上である場合に、上記(7)式の連立方程式を解くことによって、自車両の速度ベクトル(Vx,Vy,Vz)の最適値を算出する。
【0069】
軌跡算出部26は、算出された所定時間分の自車両の速度ベクトルを積算して、当該所定時間における自車両の位置の軌跡を算出する。
【0070】
投影画像生成部30は、取得した前方画像を、図2(B)に示すように、平面(路面)に投影した投影画像を生成する。このとき、路面マークなどの路面構造に関する領域を検出し、検出された路面構造領域を、路面に投影した投影画像を生成する。なお、前方画像を路面に投影してから、路面構造領域を検出するようにしてもよい。
【0071】
例えば、図4(A)、(B)に示すように、自車両のGPS受信部12のアンテナを中心とした車両座標系(Xv,Yv,Zv)と、撮像装置14の中心の垂線の足を原点としたカメラ座標系(Xc’,Yc’,Zc’)との対応関係を、以下の(8)式のように定義する。
【0072】
【数7】

【0073】
ただし、vLateral、vLongitudinal、vHeightは、車両座標系とカメラ座標系との原点のオフセット成分を表わし、φは、XY平面における、撮像装置14の撮像方向(カメラ座標系の軸)と車両座標系の軸(自車両の進行方向)とのなす角を表わす。
【0074】
そして、図5に示すように、前方画像上の検出位置(m,n)を、以下の(9)式のように投影画像上における位置(x、y)に変換することにより、投影画像を生成する。
【0075】
【数8】

【0076】
ただし、Heightは、撮像装置14の設置位置の高さを表わし、θcは、YZ平面における、撮像装置14の撮像方向(カメラ座標系の軸)と車両座標系の軸とのなす角を表わす。また、Mは前方画像の横方向のピクセル数であり、αは、前方画像の横方向の長さ[mm]である。Nは前方画像の縦方向のピクセル数であり、βは、前方画像の縦方向の長さ[mm]である。(m0,n0)は、前方画像上の撮像中心であり、fは、焦点距離である。
【0077】
ローカルマップ生成部32は、図6に示すように、算出された所定時間の軌跡に沿って、各地点における投影画像を記録したローカルマップを生成する。ここで、ローカルマップ上の車両位置(ev,nv,uv)において検出された画像上(mi,ni)の、ローカルマップ上の位置(Ui,Ei,Ni)は、以下の(10)式に従って算出される。
【0078】
【数9】

【0079】
ただし、φは、ロール角であり、θはピッチ角であり、Ψはヨー角(方位角:北方向を基準とした車両進行方向の角度)である。(Zvi,Xvi,Yvi)Tは車両中心の座標系における、位置(mi,ni)を水平面に投影した位置であり、上記(8)式、(9)式から求められる。
【0080】
上記のように、カメラの視点は高精度な軌跡推定によって取得し、その軌跡に沿って路面画像を記録していくことで高精度なローカルマップを生成する。特に、GPSのドップラー周波数を用いた軌跡推定は絶対方位の推定が可能であるため、方位角のドリフトがない軌跡推定が可能であり、蓄積誤差も少ない特徴がある。
【0081】
また、アプリケーションごとに必要とされる精度及び範囲(たとえば50m先の停止線を0.3mの精度で取得したいなど)を確保できる範囲でローカルマップを生成する。本実施の形態における軌跡推定誤差は、例えば、100mあたり0.1〜1mであり、その範囲であれば高精度なローカルマップ生成が期待できる。位置算出部51で得られる位置精度はさほど高くない(数m〜数10m)ため、絶対位置には誤差がある可能性があるため、生成されたローカルマップは、図7のように実際の道路路面マークの位置とはズレが生じる可能性がある。しかしながら、一定範囲においては蓄積誤差が少ないため、相対位置精度が高いローカルマップが得られる。
【0082】
また、ローカルマップの構成の実例を図8に示す。たとえば、ある絶対位置を基点とし、そこから軌跡でローカルマップは生成される。その時の、方位推定精度が高いGPSドップラーを利用するため、ローカルマップは軌跡の線形にそった形ではなく、直交座標系で統一することが適当であることが一つの特徴である。
【0083】
また、一つのマップ上にすべての情報が展開されてもよいが、上記図8に示すように、カメラ画像から得られる情報(路面ペイントレイヤ)と軌跡の情報(軌跡情報レイヤ)とそれらから得られる統合情報(走路情報レイヤ)と、意味付けされた情報(意味情報レイヤ又は規制情報レイヤ)とが分かれた層に保持され、情報の更新やアルゴリズム改良が容易な形であることが望ましい。ただし、情報の構成方法は上記の限りではない。
【0084】
また、ローカルマップ生成部32は、更に、上記の自車両の軌跡の始点について位置算出部51によって算出された自車両の位置(絶対位置)を、ローカルマップの原点として、ローカルマップに記録する。
【0085】
ローカルマップ記憶部34は、ローカルマップ生成部32によって生成された複数のローカルマップが記憶されている。
【0086】
コンピュータ20は、更に、自車両の現在位置の周辺について生成されたローカルマップを検索するローカルマップ検索部36と、現時点で生成されたローカルマップと検索されたローカルマップとを照合し、照合結果と共に、検索されたローカルマップを運転支援装置18へ出力する照合部38とを備えている。
【0087】
ローカルマップ検索部36は、ローカルマップが生成された場合に、位置算出部51によって算出された自車両の位置をキーとして、自車両の位置の周辺について生成されたローカルマップを、ローカルマップ記憶部34から検索する。
【0088】
照合部38は、現時点で生成されたローカルマップと検索されたローカルマップとの間で、ローカルマップ上に記録された投影画像に基づく照合を行い、照合結果に基づくローカルマップ間の相対位置と共に、検索されたローカルマップを、運転支援装置18へ出力する。なお、投影画像に基づく照合では、例えば、投影画像から複数の特徴点を抽出し、特徴点間の対応付けによって、照合を行えばよい。
【0089】
また、ローカルマップの検索には、必ずしも現在生成されたローカルマップで照合をとる必要はなく、撮像1回毎の投影画像や短い距離のローカルマップ(生成途中のもの)を用いて照合してもよい。
【0090】
このとき、運転支援装置18では、入力された相対位置に基づいて、ローカルマップに記録された投影画像上の路面構造に関する領域の位置を取得し、取得した位置と、路面構造とに基づいて、カーブ警報や一時停止支援などの運転支援を行う。
【0091】
次に、第1の実施の形態に係る局所地図生成装置10の作用について説明する。
【0092】
まず、GPS受信部12によって、複数のGPS衛星から電波を繰り返し受信しているときに、コンピュータ20において、図9に示すローカルマップ生成処理ルーチンが繰り返し実行される。
【0093】
まず、ステップ100において、ローカルマップ生成処理を実行し、自車両が走行している軌跡の周辺に関するローカルマップを生成する。
【0094】
そして、ステップ102において、上記ステップ100で生成されたローカルマップの原点の位置(後述するステップ136で算出された自車両の位置)をキーとして、当該位置の周辺について生成されたローカルマップを、ローカルマップ記憶部34から検索して取得する。
【0095】
次のステップ104では、上記ステップ100で生成されたローカルマップの平行移動量Δd(=(Δei,Δni,Δui))の初期値を設定する。また、後述する相関値の最大値を初期値として0に設定する。ステップ106において、上記ステップ100で生成されたローカルマップを、上記ステップ104又は後述するステップ116で設定された平行移動量Δdだけ平行移動させて、ステップ108で、上記ステップ102で取得したローカルマップとの相関値を算出する。相関値の算出では、ローカルマップに記録されている投影画像から特徴点を抽出し、ローカルマップ間で特徴点の対応付けを行い、対応付けを行った結果(例えば、対応付けられた特徴点間の距離)に基づいて、相関値を算出すればよい。
【0096】
そして、ステップ110では、上記ステップ108で算出された相関値が、相関値の最大値より大きいか否かを判定し、最大値以下である場合には、ステップ114へ移行する。一方、算出された相関値が、相関値の最大値より大きい場合には、ステップ112において、相関値の最大値を更新して、ステップ114へ移行する。
【0097】
ステップ114では、平行移動量Δdが予め定められた探索範囲内であるか否かを判定し、探索範囲内であると、ステップ116において、平行移動量Δdを、Δd+δdに更新して、上記ステップ106へ戻る。一方、平行移動量Δdが予め定められた探索範囲を超えた場合には、ステップ118へ移行し、相関値が最大値となった平行移動量を決定する。
【0098】
そして、ステップ120において、上記ステップ118で決定された平行移動量に基づいて、現在のローカルマップに対する、上記ステップ102で取得したローカルマップの相対位置を求め、求められた相対位置と共に、上記ステップ102で取得したローカルマップを、運転支援装置18に出力して、ローカルマップ生成処理ルーチンを終了する。
【0099】
上記ステップ100は、図10に示すローカルマップ生成処理によって実現される。
【0100】
まず、ステップ130において、GPS受信部12から複数のGPS衛星の情報を取得すると共に、複数のGPS衛星のGPS擬似距離データ、ドップラー周波数、及びGPS衛星の位置座標を算出して取得する。
【0101】
そして、ステップ132において、撮像装置14によって撮像された前方画像を取得する。次のステップ134では、上記ステップ132で取得した前方画像を、路面に投影した投影画像を生成する。
【0102】
そして、ステップ136において、各GPS衛星のGPS擬似距離データを用いて、上記(1)〜(3)式に従って、自車両の位置を算出する。
【0103】
次に、ステップ138で、後述する速度ベクトル算出処理を実行して、速度ベクトルを推定する。そして、ステップ140において、処理を開始してから所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過していない場合には、上記ステップ130へ戻る。一方、所定時間経過した場合には、所定時間分の投影画像及び速度ベクトルが得られたと判断し、ステップ142へ移行する。
【0104】
ステップ142では、上記ステップ138で算出された所定時間分の速度ベクトルを積算して、自車両の軌跡を算出する。そして、ステップ144において、上記ステップ142で算出された自車両の軌跡に沿って、軌跡の各点について、上記ステップ134で生成された投影画像を記録して、ローカルマップを生成し、ローカルマップ記憶部34に格納し、リターンする。
【0105】
また、上記ステップ138は、図11に示す速度ベクトル算出処理によって実現される。
【0106】
ステップ150において、上記(4)式に従って、各GPS衛星からの受信信号のドップラー周波数から、各GPS衛星に対する自車両の相対速度vを算出する。
【0107】
次に、ステップ152で、取得した各GPS衛星の位置座標の時系列データから、ケプラーの方程式の微分を用いて、各GPS衛星の速度ベクトル(VX、VY、VZ)を算出する。
【0108】
次に、ステップ154で、上記ステップ136で算出された自車両の位置、及び上記ステップ130で取得された各GPS衛星の位置座標に基づいて、各GPS衛星jの位置と自車両の位置との角度関係R(水平方向に対する仰角θ、北方向に対する方位角φ)を、各GPS衛星の方向として算出する。
【0109】
次に、ステップ156で、上記ステップ150で算出された各GPS衛星に対する自車両の相対速度v、上記ステップ152で算出された各GPS衛星の速度ベクトルV(VX、VY、VZ)、及び上記ステップ154で算出された各GPS衛星の方向R(θ、φ)に基づいて、上記(5)式に従って、各GPS衛星jの方向の自車両の速度Vvを算出する。(5)式における自車方向のGPS衛星jの速度Vsは、Vs=R[VX,VY,VZにより算出する。
【0110】
次に、ステップ158で、上記(6)式、及び(7)式に従って、自車両の速度ベクトル(Vx,Vy,Vz)の最適値を算出して、リターンする。
【0111】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る局所地図生成装置によれば、ドップラー周波数を用いて算出された速度ベクトルを積算して、自車両の軌跡を算出し、自車両の軌跡上の各点について取得された路面投影画像を、ローカルマップ上の各領域に記録することにより、簡易な構成で、精度の高いローカルマップを生成することができる。
【0112】
また、高精度な軌跡を利用することを特徴とするため、一定の範囲内の軌跡の異積誤差は小さい。高精度軌跡に沿って検出した路面構造情報を記録することによって、情報間の相対位置関係の精度は高くなる。そのため、絶対的な位置精度は正しくなくても、ローカルな地図精度が確保できるため、ローカルマップ内では地図の情報を有効に利用でき、適切な運転支援を行なうことができる。
【0113】
次に、第2の実施の形態に係る局所地図生成装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0114】
第2の実施の形態では、GPS情報を用いずに、ローカルマップを生成している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0115】
図12に示すように、第2の実施の形態に係る局所地図生成装置210は、撮像装置14と、自車両の進行方向の方位角を検出する磁気センサ212と、自車両のヨーレートを検出するジャイロセンサ213と、自車両の速度を検出する速度センサ214と、磁気センサ212、ジャイロセンサ213、及び速度センサ214の各検出値と、撮像装置14によって撮像された前方画像とに基づいて、ローカルマップを生成するコンピュータ220と、を備えている。なお、磁気センサ212、ジャイロセンサ213、及び速度センサ214は、運動状態検出手段の一例である。
【0116】
コンピュータ220は、磁気センサ212の検出値に基づいて、自車両の進行方向の方位角を決定する方位決定部224と、決定された方位角、ジャイロセンサ213からの検出値、及び速度センサ214からの検出値に基づいて、所定時間における自車両の軌跡を算出する軌跡算出部226と、画像取得部28と、投影画像生成部30と、ローカルマップ生成部32と、ローカルマップ記憶部34とを備えている。
【0117】
軌跡算出部226は、ジャイロセンサ213によって検出された所定時間分のヨーレート及び速度センサ214によって検出された所定時間分の速度を積算し、積算した結果と、方位決定部224によって決定された進行方向の方位角とに基づいて、当該所定時間における自車両の位置の軌跡を算出する。
【0118】
次に、第2の実施の形態におけるローカルマップ生成処理について、図13を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0119】
まず、ステップ250において、磁気センサ212、ジャイロセンサ213、及び速度センサ214の各々からセンサ出力を取得する。そして、ステップ132において、撮像装置14によって撮像された前方画像を取得し、次のステップ134では、上記ステップ132で取得した前方画像を、路面に投影した投影画像を生成する。
【0120】
そして、ステップ140において、処理を開始してから所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過していない場合には、上記ステップ250へ戻る。一方、所定時間経過した場合には、所定時間分の投影画像及びセンサ出力が得られたと判断し、ステップ252へ移行する。
【0121】
ステップ252では、上記ステップ250で取得した磁気センサ212からの出力に基づいて、後述するステップ254で算出する軌跡の始点における自車両の進行方向の方位角を決定する。
【0122】
そして、ステップ254において、上記ステップ250で取得した所定時間分のジャイロセンサ213及び速度センサ214からの出力と、上記ステップ252で決定された方位角とに基づいて、自車両の軌跡を算出する。そして、ステップ144において、上記ステップ142で算出された自車両の軌跡に沿って、軌跡の各点について、上記ステップ134で生成された投影画像を記録して、ローカルマップを生成し、ローカルマップ記憶部34に格納し、リターンする。
【0123】
なお、第2の実施の形態に係る局所地図生成装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る局所地図生成装置によれば、磁気センサから自車両の方位角を推定すると共に、ジャイロセンサ及び速度センサによって検出されるヨーレート及び速度を積算して、自車両の軌跡を算出し、自車両の軌跡上の各点について取得された路面投影画像を、ローカルマップ上の各領域に記録することにより、簡易な構成で、精度の高いローカルマップを生成することができる。
【0125】
次に、第3の実施の形態に係る局所地図生成装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0126】
第3の実施の形態では、GPS情報から算出される速度ベクトルと、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び速度センサからのセンサ出力とを組み合わせて、自車両の軌跡を算出している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0127】
図14に示すように、第3の実施の形態に係る局所地図生成装置310は、GPS受信部12、撮像装置14と、磁気センサ212と、ジャイロセンサ213と、速度センサ214と、GPS受信部12によって受信されたGPS衛星からの受信信号、磁気センサ212、ジャイロセンサ213、及び速度センサ214の各検出値、並びに撮像装置14によって撮像された前方画像に基づいて、ローカルマップを生成するコンピュータ320と、を備えている。
【0128】
コンピュータ320は、GPS情報取得部22、位置・速度ベクトル算出部24、方位決定部224と、決定された方位角、ジャイロセンサ213からの検出値、速度センサ214からの検出値、及び算出された速度ベクトルに基づいて、所定時間における自車両の軌跡を算出する軌跡算出部326と、画像取得部28と、投影画像生成部30と、ローカルマップ生成部32と、ローカルマップ記憶部34とを備えている。
【0129】
軌跡算出部326は、GPSの測位状況が劣化していない場合に、上記第1の実施の形態と同様に、所定時間分の速度ベクトルを積算して、当該所定時間における自車両の位置の軌跡を算出する。また、軌跡算出部326は、GPSの測位状況が劣化している場合には、上記第2の実施の形態と同様に、ジャイロセンサ213によって検出された所定時間分のヨーレート及び速度センサ214によって検出された所定時間分の速度を積算し、積算した結果と、方位決定部224によって決定された進行方向の方位角とに基づいて、当該所定時間における自車両の位置の軌跡を算出する。
【0130】
なお、特に測位状況にかかわらず、常時、GPS受信部12、磁気センサ212、ジャイロセンサ213、及び速度センサ214を用いて軌跡を推定してもよい。
【0131】
なお、第3の実施の形態に係る局所地図生成装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0132】
このように、ドップラー周波数に基づいて算出される速度ベクトルを積算して移動体の軌跡を算出し、自車両の軌跡上の各点について取得された路面投影画像を、ローカルマップ上の各領域に記録することにより、簡易な構成で、精度の高いローカルマップを生成することができる。また、GPS情報が得られない場合においても、磁気センサから自車両の方位角を推定すると共に、ジャイロセンサ及び速度センサにより検出されたヨーレート及び速度を積算して、自車両の軌跡を算出し、自車両の軌跡上の各点について取得された路面投影画像を、ローカルマップ上の各領域に記録することにより、安定して、ローカルマップを生成することができる。
【0133】
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、絶対座標系で表わされるグローバルマップを生成するグローバル地図生成装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0134】
図15に示すように、第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置410は、GPS受信部12と、撮像装置14と、GPS受信部12によって受信されたGPS衛星からの受信信号、及び撮像装置14によって撮像された前方画像に基づいて、ローカルマップを生成し、ローカルマップを合成して、グローバルマップを生成すると共に、グローバルマップから得られる自車両周辺の情報を運転支援装置18へ出力するコンピュータ420と、を備えている。
【0135】
コンピュータ420を以下で説明するグローバルマップ生成処理ルーチン及び運転支援制御処理ルーチンに従って機能ブロックで表すと、上記図15に示すように、GPS情報取得部22と、位置・速度ベクトル算出部24と、軌跡算出部26と、画像取得部28と、投影画像生成部30と、算出された所定時間の軌跡に沿って、投影画像を記録したローカルマップを生成すると共に、当該軌跡の始点(当該ローカルマップの原点)において得られたGPS情報をローカルマップに記録するローカルマップ生成部432と、ローカルマップ記憶部34と、ローカルマップ検索部36と、生成されたローカルマップと検索されたローカルマップとを照合すると共に、照合結果に基づいて、2つのローカルマップの相対位置を出力するローカルマップ照合部438と、照合させた状態で、生成されたローカルマップと検索されたローカルマップとを合成するローカルマップ合成部440と、生成されたローカルマップ及び検索されたローカルマップの各々からGPS情報を取得するGPS情報取得部442と、取得した2つのローカルマップのGPS情報と、2つのローカルマップの相対位置とに基づいて、絶対位置を推定する位置推定部444と、推定された絶対位置に基づいて、合成したローカルマップを、グローバルマップ上に記録するグローバルマップ生成部446と、グローバルマップ記憶部448と、を備えている。
【0136】
ローカルマップ生成部432は、上記の第1の実施の形態と同様に、ローカルマップを生成する。また、ローカルマップ生成部432は、更に、上記の自車両の軌跡における始点について、GPS情報取得部22によって取得された、図16に示すようなGPS情報を、ローカルマップに記録する。
【0137】
なお、GPS情報を記録する地点はローカルマップの原点(軌跡の始点)である必要はなく、計測回のたびに記録していてもよいし、一定間隔でもよいし、特定の箇所でもよい。複数のローカルマップの照合が可能であり、グローバルな精度向上が可能であるならば、そのデータ種別や保持頻度は問わない。
【0138】
ローカルマップ照合部438は、生成されたローカルマップと検索されたローカルマップとの間で、ローカルマップ上に記録された投影画像に基づく照合を行い、照合結果に基づくローカルマップ間の相対位置を、ローカルマップ合成部440へ出力する。
【0139】
ローカルマップ合成部440は、ローカルマップ照合部438による照合結果に基づいて、生成されたローカルマップと検索されたローカルマップとを照合させた状態で合成する。
【0140】
次に、本実施の形態の原理について説明する。
【0141】
ローカルマップ生成部432によって生成された高精度なローカルマップは、一定の範囲内においては周辺の相対位置関係が精度よく記録されている。その高精度な相対位置関係が保持されたローカルマップを、図17、図18に示すように複数回走行によって複数枚用意する。生成された複数枚のローカルマップは、その起点や範囲にズレはあったとしても、記録された情報間の相対位置関係が正しいため、図19に示すように、情報同士の対応付けによってローカルマップ間の相対位置関係を精度よく取得することが可能になる。
【0142】
一方、一般的なGPSを用いた測位結果は数m〜都心部では数十mの誤差をもつ。しかしながら、複数枚のローカルマップの相対位置関係とその時のGPS情報とを利用し、測位結果の最適値を求めることで高精度化が可能になる。
【0143】
通常のGPSを用いた測位は可視衛星が4以上存在しないと測位ができない。また反射波が主波となるような場合、その影響を大きく受け測位誤差が大きくなる可能性がある。しかしながら、相対位置関係を利用して別走行時の他地点で得られたGPS情報を利用することで、仮想的に衛星数を増加させることができる。また、別時刻の衛星を用いることができるため、衛星の配置に偏りがなくなり、精度が向上する可能性がある。また、衛星数が増加することから誤差の大きい衛星を排除しやすくなり、精度向上を実現できる。
【0144】
そこで、本実施の形態では、GPS情報取得部442によって、生成されたローカルマップ及び検索されたローカルマップの各々から、原点について記録されたGPS情報を取得する。
【0145】
また、位置推定部444は、取得した2つのローカルマップのGPS情報と、2つのローカルマップの相対位置とに基づいて、現時点で生成されたローカルマップの原点の絶対位置を推定する。
【0146】
ここで、2つの地点で得られたGPS情報と、2つの地点の相対位置とを用いて、絶対位置を推定する原理について説明する。
【0147】
まず、同一地点(Xv、Yv、Zv)におけるGPSデータの蓄積による位置推定では、以下の(11)式が成立する。
【0148】
【数10】

【0149】
取得した各GPS衛星の擬似距離ごとに式が成立し、蓄積したデータ数分集めた数の式が成立する。受信機の時計誤差であるクロックバイアスは受信タイミングごとに異なるため、蓄積データ数分のクロックバイアスを推定する必要がある。未知数は(Xv、Yv、Zv)とn個のCbであるため、3+n個分の衛星数が蓄積によって確保されていれば方程式を解くことができる。しかし、通常、移動体において常に同一地点で計測することは現実的ではない。
【0150】
上記(11)式は、測位地点が異なる、各地点(Xv(t0),‘Yv(t0),Zv(t0)),(Xv(ti),Yv(ti),Zv(ti))ごとにも成立するため、以下の(12)式に示す方程式が得られる。
【0151】
【数11】

【0152】
移動車両の場合、同一地点での取得が困難であるため、上記(12)式の方程式に相当するが、上記(12)式はデータを取得した時刻に相当する位置(Xv(ti),Yv(ti),Zv(ti))ごとに成立するため、未知数が4×nとなり、蓄積の意味がない。しかしながら、本実施の形態では、各位置間の相対位置を、ローカルマップの照合結果から取得し、相対位置(ΔXi0(t0),ΔYi0(t0),ΔZi0(t0))を求め、相対位置を用いて(Xv(ti),Yv(ti),Zv(ti))は(Xv(ti),Yv(ti),Zv(ti))=(Xv(t0)−Δxi0(t0),Yv(t0)−Δyi0(t0),Zv(t0)−Δzi0(t0))と表現できる。そのため、上記(12)式が、以下の(13)式の形に書き換えられる。
【0153】
【数12】

【0154】
上記(13)式は各時刻での位置間の相対位置が得られているため、未知数は3+nとなるため、上記(11)式と同じになる。よって、同一地点で繰り返し計測することと同じ状況を実現できる。
【0155】
また、照合されたローカルマップの原点間の相対位置関係とその時のGPS情報とを用いた、最適位置推定について図20に示す。この最適位置推定では、上記(13)式に必要な情報を前段から取得し、最適推定を行う。上記(13)式において、推定パラメータは3次元位置と各時刻の受信機のクロックバイアスの3+n個としたが、高さの制限や受信機の性能などによって、パラメータを減ずることもできる。相対位置関係を用いて、各地点のGPS情報を用いて位置推定をする限りにおいては、特に最適位置推定のパラメータ数やその最適解の求め方については、特に限定しない。
【0156】
上記の最適位置推定において、衛星数を仮想的に増加させることが可能であるため、平均化の効果により測位精度の向上が見込まれる。平均化の効果だけでなく、衛星数が増えているため、測位に必要な衛星の組み合わせを様々に変化させることができる。特定の衛星を測位に利用した場合に他の組み合わせと測位結果が異なる場合、その衛星から信号がマルチパスである可能性が高い。蓄積によりマルチパスの判定が容易であるため、積極的にマルチパス判定を行い、マルチパスと考えられる衛星の情報を用いないようにすることで、精度向上が期待できる。
【0157】
以上説明したように、位置推定部444は、合成した2つ以上のローカルマップのGPS情報と、2つのローカルマップの相対位置とに基づいて、上記(13)式に従って、現時点で生成されたローカルマップの原点について、絶対位置を推定する。また、未知数が4つのとき、衛星数が5以上である場合には、衛星の組み合わせ毎に、絶対位置を推定し、推定された絶対位置に基づいて、マルチパス判定を行い、マルチパスと判定された衛星の情報を除去して、再度、現時点で生成されたローカルマップの原点の絶対位置の推定を行う。未知数が3+nの場合、4+nの衛星数があるとマルチパス判定ができる。なお、絶対位置の推定は、検索されたローカルマップの原点について行ってもよく、2つ以上のローカルマップの原点の各々について行ってもよい。
【0158】
グローバルマップ生成部446は、絶対座標系で表されたグローバルマップ上の、位置推定部444によって推定された絶対位置に従って定められる領域に、合成されたローカルマップを記録する。
【0159】
グローバルマップ記憶部448は、グローバルマップ生成部446によって生成されたグローバルマップが記憶されている。
【0160】
コンピュータ420は、更に、位置算出部51によって算出された自車両の位置に基づいて、グローバルマップ記憶部448から、自車両の周辺のマップ情報を取得し、運転支援装置18へ出力するマップ情報取得部450を備えている。
【0161】
マップ情報取得部450は、位置算出部51によって算出された自車両の位置をキーとして、グローバルマップ記憶部448から、自車両の位置の周辺について記録されたマップ情報(ローカルマップに記録された情報)を検索し、運転支援装置18へ出力する。
【0162】
次に、第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置410の作用について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
【0163】
まず、GPS受信部12によって、複数のGPS衛星から電波を繰り返し受信しているときに、コンピュータ420において、図21、22に示すグローバルマップ生成処理ルーチンが繰り返し実行される。
【0164】
まず、ステップ100において、上記図10に示すローカルマップ生成処理を実行し、自車両が走行している軌跡の周辺に関するローカルマップを生成する。次のステップ458では、上記ステップ130で軌跡の始点について取得されたGPS情報を、生成されたローカルマップに記録する。
【0165】
そして、ステップ102において、上記ステップ100で生成されたローカルマップの原点の位置をキーとして、当該位置の周辺について生成されたローカルマップを、ローカルマップ記憶部34から検索して取得する。
【0166】
次のステップ104では、上記ステップ100で生成されたローカルマップの平行移動量Δd(=(Δei,Δni,Δui))の初期値を設定すると共に、相関値の最大値を0に設定する。ステップ106において、上記ステップ100で生成されたローカルマップを、設定された平行移動量Δdだけ平行移動させて、ステップ108で、上記ステップ102で取得したローカルマップとの相関値を算出する。
【0167】
そして、ステップ110では、上記ステップ108で算出された相関値が、相関値の最大値より大きいか否かを判定し、最大値以下である場合には、ステップ114へ移行する。一方、算出された相関値が、相関値の最大値より大きい場合には、ステップ112において、相関値の最大値を更新して、ステップ114へ移行する。
【0168】
ステップ114では、平行移動量Δdが予め定められた探索範囲内であるか否かを判定し、探索範囲内であると、ステップ116において、平行移動量Δdを、Δd+δdに更新して、上記ステップ106へ戻る。一方、平行移動量Δdが予め定められた探索範囲を超えた場合には、ステップ118へ移行し、相関値が最大値となった平行移動量を決定する。
【0169】
そして、ステップ460において、上記ステップ118で決定された平行移動量に基づいて、現在のローカルマップの原点に対する、上記ステップ102で取得したローカルマップの原点の相対位置を求めると共に、上記ステップ100で生成されたローカルマップを、設定された平行移動量Δdだけ平行移動させた状態で、上記ステップ102で取得したローカルマップと合成する。
【0170】
次のステップ462では、上記ステップ458で記録されたGPS情報を取得すると共に、上記ステップ102で取得したローカルマップに記録された原点のGPS情報を取得する。そして、ステップ464において、上記ステップ460で算出された相対位置と、上記ステップ462で取得したGPS情報とに基づいて、上記ステップ100で生成されたローカルマップの原点の絶対位置を推定する。
【0171】
そして、ステップ466において、上記ステップ464で推定された絶対位置に基づいて、グローバルマップ上に、上記ステップ460で合成されたローカルマップを記録して、グローバルマップ生成処理ルーチンを終了する。
【0172】
上記のグローバルマップ生成処理ルーチンが繰り返し実行されることにより、複数地点において、合成されたローカルマップが記録されたグローバルマップが生成される。
【0173】
また、コンピュータ420によって、図23に示す運転支援制御処理ルーチンが繰り返し実行される。
【0174】
まず、ステップ470において、GPS受信部12から複数のGPS衛星の情報を取得すると共に、複数のGPS衛星のGPS擬似距離データ、ドップラー周波数、及びGPS衛星の位置座標を算出して取得する。
【0175】
そして、ステップ472において、各GPS衛星のGPS擬似距離データを用いて、上記(1)〜(3)式に従って、自車両の位置を算出する。次のステップ474では、グローバルマップ記憶部448から、上記ステップ472で算出された自車両の位置をキーとして、周辺のマップ情報を取得し、ステップ476において、上記ステップ474で取得したマップ情報を、運転支援装置18に出力して、運転支援制御処理ルーチンを終了する。
【0176】
以上説明したように、第4の実施の形態に係るグローバル地図生成装置によれば、精度の高いローカルマップを生成し、ローカルマップに記録された路面投影画像を照合して複数のローカルマップを合成し、推定された絶対位置に従って、絶対座標系で表わされるグローバルマップ上に、合成された複数のローカルマップを記録することにより、簡単な構成で、精度の高いグローバルマップを生成することができる。
【0177】
軌跡精度が高いため、一定範囲内の相対精度は高いが、広範囲になると誤差が蓄積する。そのため、なんらかの拘束条件が必要であり、本実施の形態では、共通の座標系である絶対位置で拘束する。通常のナビ用GPSの精度はせいぜい数メートルであるため、一度の走行では絶対的な精度が低い。一方、繰り返し走行して生成されたローカルマップの相対精度は高いため、複数のローカルマップ間の相対位置関係は高精度に取得可能である。ローカルマップ間の相対位置が取得できれば、相対位置関係を拘束条件にして、絶対位置を最適化することで精度が向上する。ナビ用GPSを用いた場合、たとえば各ローカルマップを生成したときのGPS情報を集め、複数回分のデータで測位を行うことができる。そうすることで衛星の数が増え、さらに誤差の大きい衛星を排除しやすくなり、絶対位置の高精度化が期待できる。このように、繰り返し効果により、GPSの測位精度より高い精度で、グローバルマップを生成することができる。
【0178】
また、通常は、専用の計測車両で走行し、人手によって必要な情報を抽出するものであるが、本実施の形態では、一般車両に搭載されるセンサで、高精度な計測車両と同等の精度で、地図を生成することができるため、地図の生成コストを低減することができる。
【0179】
また、一般車両によって取得可能なデータを用いており、常時データの計測が可能であるため、高精度な地図の更新が容易であり、地図のメンテナンスコストを低減することができる。
【0180】
また、高精度な軌跡を利用して、相対的な精度が確保されたローカルマップを生成し、繰り返し走行によって得られた複数のローカルマップの位置あわせによってローカルマップ間の相対位置を高精度に取得し、その相対位置関係を拘束条件として、絶対精度を確保することができる。
【0181】
また、ローカルマップ間の相対位置を推定し、相対位置を媒介させることにより、走行しながら得られた異なる地点でのGPS情報同士を統合することが可能になる。そのため、同一地点でGPS情報を取得する必要がない。
【0182】
また、1回のGPS情報の取得では衛星数が不足する場合においても、複数回分のGPS情報を用いることで、衛星数を模擬的に増加させることができるため、測位が可能になり、測位率が向上する。
【0183】
次に、第5の実施の形態に係るグローバル地図生成装置について説明する。なお、第1の実施の形態及び第4の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0184】
第5の実施の形態では、合成されたローカルマップの各々に記録された測位結果に基づいて、最適推定を行うことにより、絶対位置を推定している点が、第4の実施の形態と異なっている。
【0185】
図24に示すように、第5の実施の形態に係るグローバル地図生成装置510のコンピュータ520は、GPS情報取得部22と、位置・速度ベクトル算出部24と、軌跡算出部26と、画像取得部28と、投影画像生成部30と、ローカルマップ生成部32と、ローカルマップ記憶部34と、ローカルマップ検索部36と、ローカルマップ照合部438と、ローカルマップ合成部440と、生成されたローカルマップ及び検索されたローカルマップの各々について記録された測位結果に基づいて、絶対位置を推定する位置推定部544と、グローバルマップ生成部446と、グローバルマップ記憶部448と、マップ情報取得部450とを備えている。
【0186】
ローカルマップ生成部32は、算出された所定時間の軌跡に沿って、投影画像を記録したローカルマップを生成すると共に、当該軌跡の各地点について位置算出部51により算出された位置(測位結果)をローカルマップに記録する。
【0187】
位置推定部544は、生成されたローカルマップ及び検索されたローカルマップの各々について記録された、各点の測位結果に基づいて、例えば、最小二乗法などを用いた最適推定を行って、生成されたローカルマップの軌跡上の各地点の絶対位置を推定する。
【0188】
なお、第5の実施の形態に係るグローバル地図生成装置510の構成及び作用については、第4の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0189】
このように、ローカルマップ間の相対位置と、ローカルマップ上に記録された測位結果とに基づいて、最適推定を行うことにより、精度良く絶対位置を推定することができ、精度の高いグローバルマップを生成することができる。
【0190】
なお、上記の実施の形態では、ローカルマップ上の軌跡の各点について測位結果を記録する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ローカルマップ上の軌跡の原点や特定点について測位結果を記録し、これらの測位結果に基づいて、絶対位置を最適推定するようにしてもよい。
【0191】
また、上記の第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、ローカルマップ上の軌跡の原点について測位結果を記録する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ローカルマップ上の軌跡の他の特定点について測位結果を記録するようにしてもよい。
【0192】
また、ローカルマップ上の軌跡の各点について測位結果を記録するようにしてもよい。この場合、RTK−GPSなどの干渉測位によって高精度に計測できた結果のみを記録するようにしてもよい。また、GPSと各種センサとを統合して求めた自車両の位置を記録するようにしてもよい。
【0193】
また、ビーコンなどによって、常に計測できる固定点を利用して、測位しても良い。また、画像から得られる特定の地点を利用して測位してもよい。この場合には、正確な位置情報を対応付けて画像を記憶した画像照合データベースを設け、撮像画像と、画像照合データベースの画像とを照合することにより、測位するようにすればよい。
【0194】
また、周辺の環境情報を取得する手段として撮像装置を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数台の撮像装置を用いて、ステレオによって物体までの距離を推定し、その値を、環境情報として用いてもいい。また、レーザレーダを用いて、周辺に存在する物体までの距離を直接計測するようにしてもよい。また、撮像装置とレーザーとを組み合わせて、周辺の環境情報を取得するようにしてもよい。
【0195】
また、ローカルマップ記憶部やグローバルマップ記憶部を、車両と通信可能なサーバに設けてもよい。これによって、自車両が初めて走行する道路であっても、他車両が走行した道路であれば、マップの情報を利用することが可能になる。
【0196】
また、グローバルマップを生成する際に、絶対位置を推定する場合を例に限定されるものではなく、上記第4の実施の形態または第5の実施の形態で説明した絶対位置を推定する技術を、上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態に適用してもよい。これによって、ローカルマップ上の特定点の絶対位置精度を向上させることができるため、相対位置で記述されたローカルマップの精度も向上し、相対位置精度だけでなく、絶対位置精度を向上させることも可能になる。
【0197】
また、上記実施の形態では、速度ベクトルを算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、自車両の方位角を算出すると共に、自車両の速度を検出し、自車両の方位角と速度からなる速度情報を用いてもよい。この場合には、所定時間分の自車両の方位角と速度とから軌跡を算出するようにすればよい。
【0198】
また、上記の第4の実施の形態、第5の実施の形態において、上記の第2の実施の形態または第3の実施の形態で説明した技術を適用してもよい。例えば、GPS情報を用いずに自車両の軌跡を算出したり、GPS情報と各種センサ出力とを用いて自車両の軌跡を算出するようにしてもよい。
【0199】
また、GPSの計測値とジャイロ、速度センサの組み合わせによる複合航法結果を用いて、自車両の位置を算出するようにしてもよい。
【0200】
また、上記実施の形態では、車両に搭載される局所地図生成装置やグローバル地図生成装置について説明したが、本発明の局所地図生成装置やグローバル地図生成装置が搭載される移動体は車両に限定されない。例えば、局所地図生成装置またはグローバル地図生成装置をロボットに搭載してもよいし、歩行者が携帯できるように局所生成装置またはグローバル地図生成装置をポータブル端末として構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0201】
10、210、310 局所地図生成装置
12 受信部
14 撮像装置
20、220、320、420、520 コンピュータ
22 GPS情報取得部
24 位置・速度ベクトル算出部
26、226、326 軌跡算出部
28 画像取得部
30 投影画像生成部
32、432 ローカルマップ生成部
34 ローカルマップ記憶部
36 ローカルマップ検索部
38 照合部
51 位置算出部
70 自車両速度算出部
212 磁気センサ
213 ジャイロセンサ
214 速度センサ
224 方位決定部
410、510、510 グローバル地図生成装置
438 ローカルマップ照合部
440 ローカルマップ合成部
442 GPS情報取得部
444、544位置推定部
446 グローバルマップ生成部
448 グローバルマップ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段と、
複数のGPS衛星の各々から送信された前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、
前記衛星情報取得手段により取得された前記衛星情報に基づいて、前記移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は前記移動体の速度及び前記移動体の進行方向を示す速度情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記移動体の前記速度情報を積算して、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段と、
前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段と、
を含む局所地図生成装置。
【請求項2】
移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記移動体の運動状態を検出する運動状態検出手段と、
前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態に基づいて、前記移動体の基準方向の方位角を推定する方位角推定手段と、
前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態を積算し、前記積算された前記移動体の運動状態と、前記方位角推定手段によって推定された前記方位角とに基づいて、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段と、
前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段と、
を含む局所地図生成装置。
【請求項3】
複数のGPS衛星の各々から送信された前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、
前記衛星情報取得手段により取得された前記衛星情報に基づいて、前記移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は前記移動体の速度及び前記移動体の進行方向を示す速度情報を算出する算出手段と、を更に含み、
前記方位角推定手段は、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態、及び前記算出手段によって算出された前記速度情報に基づいて、前記移動体の基準方向の方位角を推定し、
前記軌跡算出手段は、前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態、前記算出手段によって算出された前記速度情報、及び前記方位角推定手段によって推定された前記方位角に基づいて、前記移動体の位置の軌跡を算出する請求項2記載の局所地図生成装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、及び前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報から得られる前記移動体の位置に基づいて、前記移動体から見た前記GPS衛星の各々の方向を算出し、時系列の前記GPS衛星の各々の位置に関する情報に基づいて、前記GPS衛星の各々の速度を算出し、前記移動体から見た前記GPS衛星の各々の方向、前記GPS衛星の各々の速度、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報に基づいて、前記移動体のGPS衛星の各々の方向の速度を算出し、複数の前記移動体のGPS衛星の各々の方向の速度に基づいて、前記移動体の速度ベクトルを算出する請求項1又は3記載の局所地図生成装置。
【請求項5】
前記GPS衛星の各々の位置に関する情報を、衛星軌道情報とし、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報を、擬似距離情報とし、前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を、ドップラー周波数情報とした請求項1、3、又は4記載の局所地図生成装置。
【請求項6】
前記環境情報取得手段を、前記移動体の周辺を撮像する撮像手段、又は前記移動体の周辺に存在する物体までの距離情報を計測するレーザレーダとした請求項1〜請求項5の何れか1項記載の局所地図生成装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の局所地図生成装置と、
前記生成された複数の局所地図を記憶した局所地図記憶手段と、
複数の局所地図間で、前記局所地図に記録された前記環境情報を照合し、前記環境情報を照合させた状態で前記複数の局所地図を合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図の前記軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を推定する位置推定手段と、
前記位置推定手段によって推定された絶対位置に基づいて、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図を記録するグローバル地図生成手段と、
を含むグローバル地図生成装置。
【請求項8】
請求項1、3、4、又は5に記載の局所地図生成装置と、
前記生成された局所地図を記憶した局所地図記憶手段と、
複数の局所地図間で、前記局所地図に記録された前記環境情報を照合し、前記環境情報を照合させた状態で前記複数の局所地図を合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図の前記軌跡上の少なくとも1点の絶対位置を推定する位置推定手段と、
前記位置推定手段によって推定された絶対位置に基づいて、絶対座標系で表わされるグローバル地図上に、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図を記録するグローバル地図生成手段と、を含むグローバル地図生成装置であって、
前記局所地図生成手段は、前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の前記少なくとも1点について、前記衛星情報取得手段によって取得された前記衛星情報を前記局所地図に記録し、
前記位置推定手段は、前記複数の局所地図の照合結果に基づいて求められる前記複数の局所地図の各々の前記少なくとも1点間の相対位置と、前記複数の局所地図の各々に記録された前記衛星情報とに基づいて、前記合成された前記複数の局所地図の前記軌跡上の前記少なくとも1点の絶対位置を推定することを特徴とするグローバル地図生成装置。
【請求項9】
前記移動体の絶対位置を算出する位置算出手段を更に含み、
前記局所地図生成手段は、前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の前記少なくとも1点について前記位置算出手段によって算出された絶対位置を、前記局所地図に記録し、
前記位置推定手段は、前記合成手段によって合成された前記複数の局所地図の各々の前記少なくとも1点について記録された絶対位置に基づいて、前記少なくとも1点の絶対位置を推定する請求項1〜請求項7の何れか1項記載のグローバル地図生成装置。
【請求項10】
コンピュータを、移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段を含む局所地図生成装置の各手段として機能させるためのプログラムであって、
複数のGPS衛星の各々から送信された前記GPS衛星の各々の位置に関する情報、前記GPS衛星の各々と前記移動体との距離に関する情報、及び前記GPS衛星の各々に対する前記移動体の相対速度に関する情報を含む衛星情報を取得する衛星情報取得手段、
前記衛星情報取得手段により取得された前記衛星情報に基づいて、前記移動体の進行方向を含む速度ベクトル、又は前記移動体の速度及び前記移動体の進行方向を示す速度情報を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された前記移動体の前記速度情報を積算して、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段、及び
前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、移動体に搭載され、かつ、設置位置から見た前記移動体の周辺の環境情報を取得する環境情報取得手段を含む局所地図生成装置の各手段として機能させるためのプログラムであって、
前記移動体の運動状態を検出する運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態に基づいて、前記移動体の基準方向の方位角を推定する方位角推定手段、
前記運動状態検出手段により検出された前記移動体の運動状態を積算し、前記積算された前記移動体の運動状態と、前記方位角推定手段によって推定された前記方位角とに基づいて、前記移動体の位置の軌跡を算出する軌跡算出手段、及び
前記軌跡算出手段によって算出された前記移動体の位置の軌跡上の各点について前記環境情報取得手段によって取得された前記環境情報を、前記軌跡上の各点における前記移動体の進行方向と、前記環境情報取得手段の設置位置及び姿勢とに基づいて定められる、前記移動体の位置の軌跡を含む局所地図上の各領域に記録する局所地図生成手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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