説明

局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料

【課題】従来の局所投与型徐放性製剤は、非生体内分解性、硬化時間の制御が困難であるなどの問題を解決した局所投与型徐放性製剤担体を提供する。
【解決手段】生体分解性高分子を基材とし有機酸誘導体を架橋剤とする、シリンジ等による局所投与に適した性状を有する担体中に薬剤が含有された局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料。基材および担体の種類・濃度、基材を溶解させる際に用いるリン酸緩衝溶液などの溶媒の種類と濃度、有機酸誘導体よりなる架橋剤の種類および濃度の変化によって、硬化時間や物理化学的特性を制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体分解性高分子を基材とし、有機酸誘導体を架橋剤とする、シリンジによ
る局所投与に適した性状を有する担体中に薬剤が含有された局所投与型徐放性生体内分解
吸収性医用材料に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤を局所的に投与することにより副作用を軽減させる製剤として、局所投与型薬剤の
研究開発が行われている。従来の局所投与型薬剤として開発されているものの多くは非生
体内分解性材料を用いたものであり、生体内分解性を有するものも埋め込み型徐放製剤、
高分子を有機溶媒に溶解させたゲル状の製剤やペースト状のシリンジ等による局所投与型
製剤である。
【0003】
埋め込み型徐放製剤としては、特開平6−321803号公報に水溶性ペプチドホルモ
ンの徐放性製剤が開示されている。ここに開示された発明は、本質的に水不溶性の生体内
分解性高分子により構成された外径10mm以下の少なくとも一つの開放端を有する筒状部材
に、ゼラチン、アルブミン、コラーゲン、フィブリン等の賦形剤及び生理活性を有する水
溶性ペプチドホルモンを含む芯材から成る、埋め込み型徐放性製剤である。この製剤にお
いては、長期にわたり薬剤を徐放させることができ、薬剤放出後も筒状部材の摘出手術が
不要であるという利点がある。しかしながら、埋め込む際には手術を要し、また筒状部材
を製造するのに複雑な操作を要する。
【0004】
ゲル状製剤及びペースト状製剤は、歯周組織再生を助けるための方法及び組成物として
、水への溶解度が低い有機溶媒を用いた徐放性の組成物が特表平8−511528号公報
に開示されている。しかし、水への溶解度が低い有機溶媒を用いたゲルは、投与後、速や
かに硬化するようなものにはならない上に、生体内への投与に用いることができない。
【0005】
さらにゲル状製剤のもう一つの例として、特開平10−236984号公報に徐放性局
所送達製剤が開示されている。ここに開示された発明は、フィブリノゲン、カルボキシル
基を有する多糖類もしくはその塩及び薬剤の混合液に生理的因子、例えば、2価のカルシ
ウムイオン及びトロンビンを含む溶液を加えてなる徐放性局所送達製剤である。この製剤
においては、ゲル状のインプラントの作製及び特開昭50−152641号公報の方法に
準じてY字ピースを用いることによってシリンジ等による局所投与も可能である利点があ
る。しかし、ゲル形成における架橋反応は非共有結合的なものであることから、ゲルの強
度は小さく、必ずしも満足の行くものではない。
【0006】
本発明者らは、生体分解性高分子とジカルボン酸のカルボキシル基を2つ、及びトリカ
ルボン酸のカルボキシル基を2つ及び3つが電子吸引性基により活性化された有機酸誘導
体よりなる、硬化時間を制御することができる二成分系の生体内分解吸収性粘着性医用材
料を開発した(特許文献4〜7参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開平6−321803号公報
【特許文献2】特表平8−511528号公報
【特許文献3】特開平10−236984号公報
【特許文献4】特開平9−103479号公報
【特許文献5】特開平11−239610号公報
【特許文献6】特開2004−261222号公報
【特許文献7】特開2005−168949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、上述の問題点を解決するために、本発明者らが開発した生体内分解吸
収性粘着性医用材料を基材として、シリンジによる局所投与型徐放性生体内分解吸収性医
用材料を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の問題点を解決するために、本発明では、本発明者らが開発した生体内分解吸収性
粘着性医用材料に薬剤を混合することにより、シリンジによる局所投与に適した性状を有
する局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料を開発した。
【0010】
すなわち、本発明は、生体分解性高分子を基材とし、ジカルボン酸のカルボキシル基の
2つ、又はトリカルボン酸のカルボキシル基の2つ又は3つが電子吸引性基により活性化
された有機酸誘導体を架橋剤とする担体中に薬剤が含有された局所投与型徐放性生体内分
解吸収性医用材料からなる。
【0011】
本発明におけるシリンジによる局所投与に適した性状とは、生体分解性高分子を溶解し
た水溶液又は塩緩衝溶液と前記有機酸誘導体の粉末又は水溶液若しくは有機溶媒溶液の混
合溶液からなる担体中に薬剤を含有したものが17Gから27G注射針を抵抗無く通過する液体
又はゾル状態であることを意味する。
【0012】
本発明に用いられる薬剤には特に限定はないが、一例として抗癌剤が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料は、生体親和性が極めて高く、硬
化時間の制御が可能でかつシリンジによって容易に投与が可能であることから、低侵襲な
病巣局所への投与が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料とは、生体分解性高分子、活性化
された有機酸誘導体及び生理活性薬剤を含有してなるものであり、制御し得るある一定時
間後に硬化する性質を有することを特徴とする。
【0015】
本発明における硬化とは、生体分解性高分子と有機酸誘導体との化学反応により硬化し
て流動性がなくなることを意味する。
【0016】
本発明における生体分解性高分子としては、コラーゲン、ゼラチン、血清アルブミン、
エラスチン、アクチン、ケラチン、キチン、キトサン、ポリアミノ酸、デプシペプチド等
及びその誘導体、リコンビナントタンパク質からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2
種以上が好ましい。
【0017】
前記生体分解性高分子は、分子内にアミノ基を有しており、有機酸誘導体架橋剤との反
応に適した基材である。
【0018】
本発明の架橋剤として用いられる有機酸誘導体としては、ジ又はトリカルボン酸のカル
ボキシル基を電子吸引性基によって少なくとも1個以上修飾したものが挙げられる。
【0019】
また、これら生体分解性高分子の重量平均分子量は、シリンジによる注入に適した性状
を損なわないという観点から、500〜100000程度が好ましい。
【0020】
また、生体分解性高分子を溶解する溶媒は、蒸留水又は塩緩衝溶液の1種又は2種以上
の組み合わせが挙げられる。生体分解性高分子の溶液を調製する際の溶液濃度は、徐放性
及びシリンジによる注入という観点から、0.1重量%以上が好ましく、10〜50重量
%がより好ましい。
【0021】
生体分解性高分子の溶液を調製する際の塩緩衝溶液には特に限定はないが、リン酸塩、
ホウ酸塩、Tris塩酸塩、及びアミノエタンスルホン酸塩が挙げられる。塩緩衝液の濃度は
、0.01Mから10Mであり、0.1〜1.0Mがより好ましい。
【0022】
本発明の架橋剤として用いられる有機酸誘導体は、ジカルボン酸のカルボキシル基の2
つ、及びトリカルボン酸のカルボキシル基の2つ又は3つを電子吸引基で修飾したもので
ある。ジ又はトリカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、オキサル酢酸、cis-アコニ
ット酸、コハク酸、フマル酸、α-ケトグルタル酸、酒石酸、又はこれらの誘導体が挙げ
られ、電子吸引性基にはスクシンイミジル、スルホスクシンイミジル、マレイミジル、イ
ミダゾールイル、ニトロフェニル、及びトレジル基のうち少なくとも1種類を用いる。
【0023】
このように本発明は、生体分解性高分子を溶解した塩緩衝溶液と有機酸誘導体の粉末又
は水溶液若しくは有機溶媒溶液を架橋剤として用いる。
【0024】
有機酸誘導体は、ジカルボン酸及びトリカルボン酸0.001〜10重量%に対し、N-ヒドロ
キシスクシンイミドを0.001〜10重量%、カルボジイミド誘導体を0.001〜10重量%の割合
で用い、反応時間は1〜48時間、反応温度0〜100℃の適宜条件を選択して得られる。得ら
れた有機酸誘導体は、アルコールを用いた再結晶によって精製され、粉末として得られる

【0025】
なお、カルボジイミド誘導体としては1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド・塩酸塩(EDC)、1-シクヘキシル-3-(2-モノホリノエチル)カルボジイミド・
メト-p-トルエンスルホン酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いることが
できる。また、反応溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)を用いることができる。
【0026】
また、有機酸誘導体の再結晶による精製のために用いられるアルコールとしては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、
1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール,tert−ブチルア
ルコールを用いることができる。
【0027】
硬化させるために用いる有機酸誘導体の濃度は、シリンジによる注入に適した性状を損
なわないという観点から、生体分解性高分子の溶液1gに対して0.01〜1000mmolが好ましく
、10〜200mmolがより好ましい。例えば、生体高分子溶液1gに対し有機酸誘導体0.1mmol
を添加した場合、硬化時間は約20〜180秒程度であり、硬化前の混合溶液はシリンジによ
る注入に適した性状、すなわち流動性を有する液体もしくはゾル状態である。
【0028】
生体分解性高分子の溶液と有機酸誘導体の混合方法は特に限定されないが、例えば使用
直前に小型のミキサー等を用いることができる。
【0029】
本発明に用いられる薬剤には特に限定はないが、一例として抗癌剤が挙げられる。抗癌
剤としては、塩酸ドキソルビシン、塩酸ペプロマイシン、塩酸ナイトロジェンマスタード
−N−オキシド、シクロファスファミド、チオデパ、カルボコン、塩酸ニムスチン、塩酸
ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸アクラルビシン、塩酸
イダルビシン、塩酸エピルビシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ピラルビシン、ジノスタチ
ンスチマラマー、ネオカルチノスタチン、エトポシド、テニポシド、塩酸イリノテカン、
硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、硫酸ビンブラスチン、L−アスパラギナーゼ、塩
酸ミトキサントロン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、ペントスタチン、
ジゾフィラン、ポルフィマーナトリウム、イファスファミド、カタルバジン、メルカプト
プリン、チオイノシン、シタラビン、エノシタビン、フルオロウラシル、テガフール、塩
酸アンシタビン、メトトレキサート、カルモフール、マイトマイシンC、アクチノマイシ
ン、塩酸ブレオマイシン、タキソールが挙げられる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例を挙げることにより、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる
実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
生体分解性高分子としてヒト血清アルブミン(HSA)を用い、電子吸引基により修飾
された有機酸誘導体としてN-ヒドロキシスクシンイミドによってカルボキシル基を修飾さ
れた酒石酸誘導体(TAD)を用いた。
【0032】
実施例1〜3
33重量%(実施例1)、34重量%(実施例2)、35重量%(実施例3)のHSAの
0.1M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)0.8gに塩酸ドキソルビシン(DOX)1.6
68mgを加えて、さらにTAD0.1mmolを添加して、数秒攪拌し、混合溶液を調製
した。
【0033】
実施例4〜5
35重量%のHSAの0.1M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)0.8gに塩酸ドキソ
ルビシン(DOX)1.668mgを加えて、さらにTADをそれぞれ0.5mmol(実
施例4)、0.75mmol(実施例5)を添加して、数秒攪拌し、混合溶液を調製した

【0034】
実施例1〜5を被験物質として、硬化時間の測定を行った。すなわち、37℃における各
被験物質の貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の時間変化をRheorometer(Haake RS
1 Rheometer; Thermo Electron)により測定し、G’とG’’の交点を硬化点として評価を
行った。硬化時間測定の結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1の実施例1〜5の比較より、HSA濃度が高くなるほど硬化時間が早くなることが
明らかとなった。また、実施例3〜5の比較より、一定濃度のHSA濃度では、TAD濃
度が高くなるほど硬化時間が早くなることも明らかとなった。つまり、本発明の局所投与
型徐放性生体内分解吸収性医用材料の担体を形成する混合溶液は、シリンジによる注入に
適した性状、すなわち硬化時間が20〜600秒の範囲内で制御できることが示された。
【0037】
実施例6〜7
35重量%のHSAの0.1M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)0.8gにTADをそれぞ
れ0.75mmol(実施例6)、0.1mmol(実施例7)と塩酸ドキソルビシン(
DOX)0.32mgを混合し、φ=13mm, 長さ=4.8mmの円筒状のゲルを作製
した。
【0038】
実施例8〜9
34重量%(実施例8)、33重量%(実施例9)のHSAの0.1M−リン酸緩衝溶液
(pH7.4)0.8gにTADを0.1mmolと塩酸ドキソルビシン(DOX)0.
32mgを混合し、φ=13mm, 長さ=4.8mmの円筒状のゲルを作製した。
【0039】
実施例6〜9を被験物質として、シリンジによる注入後の硬化体からの薬剤放出特性を
評価するために、0.1M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)100ml中におけるin
vitroによる薬剤の溶出を測定した。被験物質を37℃、0.1M−リン酸緩衝溶液
(pH7.4)100ml中に浸し、外液を経時的に採取後、外液を定量するまでー20
℃で保管した。DOX濃度の測定は、蛍光分光光度計(FP−2020、日本分光)を用
いて励起波長470nm、測定波長585nmで行った。
【0040】
DOXの測定条件は以下の通りである。
測定条件;HPLCカラム:COSMOSIL 4.6×100mm (ナカライテス
ク株式会社)、移動相:水/アセトニトリル/酢酸=77/22/1、カラム温度:40
℃、流速:1ml/min、励起波長:470nm、検出波長:585nm
【0041】
溶出試験の結果を図1に示す。それぞれの被験物質(実施例6〜9)は長時間にわたり
、DOXの徐放性を示すことが明らかとなった。また、HSA濃度もしくはTAD濃度の
変化によってDOXの徐放性が異なることから、徐放性の制御が可能であることが明らか
となった。これは、各被験物質の架橋密度の違いにより得られたものである。
【0042】
実施例10〜15
30重量%(実施例10)、33重量%(実施例11)、35重量%(実施例12)、3
8重量%(実施例13)、40重量%(実施例14)、44重量%(実施例15)のHSA
の0.1M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)0.8gに急性骨髄性白血病治療薬として認
可されている合成レチノイドであるAm80を0.1mg/0.5gHSA−TADゲル
となるように加え、さらにTADを0.1mmol加えることにより、φ=10mm, 厚
さ=0.5mmの円形膜状のゲルを作製した。この際の実施例10〜15調製時における
硬化時間はそれぞれ、116.3秒、109.2秒、72.9秒、56.7秒、31.5
秒、25.7秒であり、硬化前は流動性を有する性状を示した。
【0043】
実施例10〜15を被験物質として、0.1M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)10m
l中におけるin vitroによる薬剤の溶出を測定した。被験物質を37℃、0.1
M−リン酸緩衝溶液(pH7.4)10ml中に浸し、外液を経時的に採取後、外液を定
量するまで−20℃で保管した。Am80濃度の測定は、紫外可視検出器(UV−207
0、日本分光)を用いて検出波長286nmにより行った。
【0044】
Am80の測定条件は以下の通りである。測定条件;HPLCカラム:COSMOSI
L 4.6×100mm (ナカライテスク株式会社)、移動相:5%酢酸水溶液/アセ
トニトリル=35/65、カラム温度:40℃、流速:1ml/min、検出波長:28
6nm
【0045】
溶出試験の結果を図2に示す。それぞれの被験物質(実施例10〜15)はおよそ24
時間にわたり、Am80を徐放することが明らかとなった。また、実施例6〜9の場合と
同様、HSA濃度もしくはTAD濃度の変化によってAm80徐放性が異なることから、
徐放性の制御が可能であることが明らかとなった。これも、各被験物質の架橋密度の違い
により得られたものである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、硬化時間をコントロールできる、シリンジによる注入の可能な局所投与型徐
放性生体内分解吸収性医用材料であり、癌化学療法のための局所投与型徐放性ドラッグデ
リバリーシステム、薬剤放出能を有する血管塞栓剤や止血剤等の医用材料として用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】in vitroにおけるHSA−TADゲルからのDOXの放出挙動をあらわす溶出曲線図である。
【図2】in vitroにおけるHSA−TADゲルからのAm80の放出挙動をあらわす溶出曲線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体分解性高分子を基材とし、ジカルボン酸のカルボキシル基の2つ、又はトリカルボン
酸のカルボキシル基の2つ又は3つが電子吸引性基により活性化された有機酸誘導体を架
橋剤とする担体中に薬剤が含有された局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料。
【請求項2】
前記基材は、生体分解性高分子を溶解した水溶液又は塩緩衝溶液であり、前記有機酸誘導
体は、粉末又は水溶液若しくは有機溶媒溶液であり、両者の混合溶液からなる担体が、液
体又はゾル状の、シリンジによる注入に適した性状を有することを特徴とする請求項1記
載の局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料。
【請求項3】
請求項2記載の薬剤複合体が体内への注入後、10分以内に流動性を失い硬化することを特
徴とする請求項1記載の局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料。
【請求項4】
前記の体内において硬化した担体-薬物複合体が、生体内分解吸収性と薬剤の徐放性を兼
備することを特徴とする請求項1記載の局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料。
【請求項5】
請求項1記載の薬剤が親水性又は疎水性薬剤の1種又は2種以上の組み合わせであること
を特徴とする局所投与型徐放性生体内分解吸収性医用材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−111300(P2007−111300A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306815(P2005−306815)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】