説明

屋内用仮設配管路及び屋内用仮設配管路の管理供給システム

【課題】屋内用仮設配管路を簡単且つ迅速に形成することができて工期の大幅な短縮を図れ、また、用済み後に簡単に分解できると共に構成部材を再利用でき、性能及び洗浄並びに検査等を含め管理された屋内用仮設配管路の構成部材を提供する。
【解決手段】数階建ての建物B内に敷設されている上水道管路の更新工事等を行う際に設けられる縦配管路及び横配管路から成る屋内用仮設配管路Lであって、複数の仮設配管ユニット1,2,3と複数の継手4とから構成されており、各仮設配管ユニット1,2,3は、種々の形状に形成したポリエチレン樹脂製の複数の管本体6,7,8を適宜に突合せ融着し、端に位置する管本体の開口端部に、端部に締付け用フランジを備えたポリエチレン樹脂製の筒状接続部を突合せ融着して成り、また、継手4は、突合せ状に配設した仮設配管ユニットの筒状接続部の締付け用フランジを外側から抱き込んで連結する二つ割り状の継手4とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅、学校、病院、ビル等の数階建ての建物内に敷設されている上水道管路の更新工事や補修工事等を行う際に用いられる屋内用仮設配管路及び屋内用仮設配管路の管理供給システムに関するものである。更に詳しくは、屋内用仮設配管路を形成する直管やチーズ、エルボ等の各構成部材をユニット化して仮設配管ユニットとし、この仮設配管ユニット同士を継手で連結することによって、屋内用仮設配管路を簡単且つ迅速に形成することができて工期の大幅な短縮を図れ、また、用済み後には、極めて簡単に屋内用仮設配管路を分解できると共に、分解した殆んど全ての仮設配管ユニット及び継手等の各部材を再利用できて省資源や廃棄物による公害の発生や環境汚損の防止を図ることができ、更に、屋内用仮設配管路を形成する仮設配管ユニットや継手等の各部材の使用回数、更新に必要な費用や時間を明確にして住民へのサービス向上が図れると共に、性能や安全性の検査等を含めて十分に管理された安全で安心な屋内用仮設配管路の構成部材を迅速且つ安価に提供できるようにした屋内用仮設配管路及び屋内用仮設配管路の管理供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、マンション等の集合住宅、学校、病院、ビル等の建物内に敷設されている上水道管路に於いては、これを長年使用していると、亜鉛メッキ鋼管等の給水管内に発生した錆等が原因となって赤水の流出、管内のぬめり、バクテリアの発生、流量及び水圧の低下、スケールの流出等が生じ、水質の悪化や衛生面の問題が生じるうえ、パッキンの劣化による漏水事故等の様々な悪影響が生じて来る。
【0003】
特に、集合住宅に於いては、水道事業体(水道局)が上水道管路を直接に管理しておらず、通常は管理会社や集合住宅の所有者にその管理が一任されている。そのため、上水道管路の保守管理が不十分になり勝ちとなり、結果として、経年変化による給水管の老朽化が想定以上に進行しており、安全・安心な水供給の要望に対応するため、多くの上水道管路でその更新が必要となって来ている。
【0004】
また、安全な水に対する需要の高まりから、集合住宅の給水方法をタンク圧送方式から直圧給水方式へ切替えする必要性が増加して来ており、給水方法の切替に起因する上水道管路の更新が増加して来ている。
【0005】
ところで、集合住宅等の屋内に敷設されている上水道管路の更新に於いては、居住民の生活があるため、断水による管路更新は許されない。そのため、従来の上水道管路の更新工事に於いては、所謂仮設配管路を設ける工法が採用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
一般に、上水道管路の更新工事に於ける仮設配管路では、鋼管等の金属管に代えて軽量で取扱性に優れたビニル管やポリエチレン管等が広く使用されている。また、ビニル管を用いて仮設配管路を敷設する場合には、ビニル管同士の接続に接着剤を使用し、永久的な結合を行っている。
【0007】
しかし、ビニル管を用いた場合、ビニル管同士の接合に時間が掛かるだけでなく、接合完了から水供給開始までに相当の時間を要するという問題があった。
また、仮設配管路の撤去には、永久的な結合を行っているため配管を切断しなければならず、時間と労費を費やすうえ、管の再利用が出来ない為に撤去後に仮設配管路の形成部材を全てスクラップ処分する必要があり、省資源や環境保全を図る上で多くの問題を抱えている。
【0008】
更に、屋内の上水道管路の管理は、管理会社や集合住宅の所有者に一任されているので、上水道管路の更新時の工事管理も工事業者任せの状態にあり、その結果、性能や衛生面で十分に管理された高品質な部材が使用されているか否かが不明であり、また、更新にかかる費用や時間が不明確であり、住民へのサービスに欠けるという問題があった。
【0009】
加えて、仮設配管路の受注や施工に際しても、仮設管路の設計や施工図の作成、施工費の見積、管路構成部材の準備・搬入・管理、管路構成部材の在庫管理、施工完了後の仮設管路撤去等の殆ど大部分を人手によって行っている為、仮設管路費用の大幅な削減が困難となり、結果として上水道管路の更新費用が高騰すると云う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−306472号公報
【特許文献2】特開平11−107335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従前のこの種上水道管路の更新に於ける上述の如き問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、屋内用仮設配管路を形成する直管やチーズ、エルボ等の各構成部材をユニット化して仮設配管ユニットとし、この仮設配管ユニットを継手で連結することによって、屋内用仮設配管路を簡単且つ迅速に形成することができて工期の大幅な短縮を図れ、また、用済み後には極めて簡単に屋内用仮設配管路を分解できると共に、分解した殆んど全ての仮設配管ユニット及び継手等の各部材を再利用できて省資源や廃棄物による環境汚損の防止を図ることができ、更に、屋内用仮設配管路を形成する仮設配管ユニット及び継手等の各部材の使用回数、更新に必要な費用や時間を明確にして住民へのサービス向上が図れると共に、性能や安全性の検査等を含めて十分に管理された安全で安心な屋内用仮設配管路の構成部材を迅速且つ安価に提供できるようにした屋内用仮設配管路及び屋内用仮設配管路の管理供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、数階建ての建物内に敷設されている上水道管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる縦配管路及び横配管路から成る屋内用仮設配管路であって、前記屋内用仮設配管路は、少なくとも複数の仮設配管ユニットと仮設配管ユニット同士を連結する複数の継手とから構成されており、前記各仮設配管ユニットは、種々の形状に形成したポリエチレン樹脂製の複数の管本体を適宜に突合せ融着し、端に位置する管本体の開口端部に、端部に締付け用フランジを備えたポリエチレン樹脂製の筒状接続部を突合せ融着して成り、また、前記継手は、突合せ状に配設した仮設配管ユニットの筒状接続部の締付け用フランジを外側から抱き込んで連結する二つ割り状の継手としたことに特徴がある。
【0013】
本発明の請求項2の発明は、仮設配管ユニットを、建物内の最下部のフロアから最上部のフロアまで縦向きに配設されて連結される縦配管路を形成する縦配管ユニット、縦配管ユニットに連結されて縦配管ユニットと一緒に縦配管路を形成する伸縮エルボユニット又は伸縮エルボユニットに連結されて建物の各フロアごとに横向きに配設されて連結される横配管路を形成する給水接続ユニットとしたことに特徴がある。
【0014】
本発明の請求項3の発明は、仮設配管ユニットを形成する管本体を、少なくとも直管、チーズ、エルボ又は伸縮管としたことに特徴がある。
【0015】
本発明の請求項4の発明は、縦配管ユニットが、縦向きの直管と、この直管の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部と、前記直管の他端部に突合せ融着により接続されたチーズと、チーズの直管に接続された反対側の端部に突合せ融着により接続された筒状接続部と、チーズのT型の突出部に突合せ融着により接続された横向きの直管と、この横向きの直管に突合せ融着により接続されたエルボと、エルボに突合せ融着により接続された縦向きの直管と、この縦向きの直管に突合せ融着により接続された筒状接続部とから成り、また、伸縮エルボユニットが、縦向きの伸縮管と、伸縮管の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部と、伸縮管の他端部に突合せ融着により接続されたエルボと、エルボに突合せ融着により接続された直管と、この直管の他端部に突合せ融着により接続された筒状接続部とから成り、更に、給水接続ユニットが、横向きの直管と、この直管の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部と、前記直管の他端部に突合せ融着により接続されたチーズと、チーズの直管に接続された反対側の端部に突合せ融着により接続された筒状接続部と、チーズのT型の突出部に管継手及び止水栓を介して接続された給水管とから成ることに特徴がある。
【0016】
本発明の請求項5の発明は、仮設配管ユニット及び継手に、少なくとも品目名、コード、No.サイズ、作成年月日及びバーコードを表示したラベル又は少なくとも品目名、コード、No.サイズ、作成年月日及びバーコードを表示すると共に、ICチップを有するラベルを設けたことに特徴がある。
【0017】
本発明の請求項6の発明は、数階建ての建物内に敷設されている上水道管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の屋内用仮設配管路の管理供給システムであって、前記屋内用仮設配管路の管理供給システムは、複数の顧客用端末装置と、これらの顧客用端末装置とネットワークを介して接続され、屋内用仮設配管路Lの管理供給を行う管理供給サーバとを備えており、前記管理供給サーバは、顧客のデータを管理する顧客用データベースと、図面の作成及び管理を行う図面データベースと、在庫の管理を行う在庫データベースと、見積を行う見積データベースと、各種演算を行う中央演算処理装置と、何れかの顧客用端末装置からのアクセスによりその顧客のID番号及びパスワードの認証を行う顧客認証手段と、顧客用端末装置から屋内用仮設配管路の形成に必要な諸条件を入力されることにより屋内用仮設配管路の仕様書及びユニット組立図の作成を行う仕様書・組立図作成手段と、顧客用端末装置からのアクセスにより屋内用仮設配管路に関する情報を送信する情報送信手段と、屋内用仮設配管路に関する情報に基づいて顧客が契約することにより屋内用仮設配管路の出荷及び配送を指示する出荷・配送指示手段と、工期満了後に返却された屋内用仮設配管路の照合、検査及び出来高を算出する照合・検査・出来高算出手段と、出庫予定が基準在庫を上回る場合に屋内用仮設配管路の構成部材を発注する発注手段とを備えていることに特徴がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明の屋内用仮設配管路は、屋内用仮設配管路を形成する直管やチーズ、エルボ等の各構成部材をユニット化して仮設配管ユニットとし、この仮設配管ユニットを継手により連結して屋内用仮設配管路を形成するようにしているため、連結個所が少なくなって屋内用仮設配管路を簡単且つ迅速に形成できて高能率で屋内に敷設することができ、工期の短縮及びコストの低減を図れる。
また、本発明の屋内用仮設配管路は、仮設配管ユニットの構成部材である直管、チーズ、エルボ又は伸縮管等の管本体同士の接続、管本体と締付け用フランジを備えた筒状接続部との接続にそれぞれ突合せ融着を用いているため、仮設配管ユニットを安価に製造することができ、屋内用仮設配管路の敷設費の削減をより一層図れる。
更に、本発明の屋内用仮設配管路は、継手を外すだけで仮設配管ユニットを簡単に分離することができ、用済み後の屋内用仮設配管路の取り外しを容易に行えると共に、取り外し時に各仮設配管ユニット及び継手等の各部材が損傷することが殆んどなく、その結果、仮設配管ユニット及び継手等の各部材の再利用率が大幅に向上し、所謂循環型社会の実現に向けて大きな貢献をすることができる。
そのうえ、本発明の屋内用仮設配管路は、仮設配管ユニットが、縦配管ユニット、伸縮エルボユニット又は給水接続ユニットから成るため、これらの数種類の仮設配管ユニットを継手で適宜に連結することにより殆どの建物の屋内に良好且つ確実に敷設することができる。
加えて、本発明の屋内用仮設配管路は、仮設配管ユニット及び継手が、品目名、コード、サイズ、作成年月日等の各種情報を記録したラベルやICチップを有するラベルを設けているため、ラベルの情報を読み取ることにより仮設配管ユニット及び継手の管理が徹底され、過不足や誤出庫を生じるということがなく、また、撤去後もラベルを読み取ってデータ化することにより使用回数・使用期間、使用状況等を把握することができ、品質管理が向上することになる。
【0019】
本発明の屋内用仮設配管路の管理供給システムは、顧客用端末装置にネットワークを介して接続される管理供給サーバを備えており、当該管理供給サーバが、顧客用データベース、図面データベース、在庫データベース、見積データベース、中央演算処理装置、顧客認証手段、仕様書・組立図作成手段、情報送信手段、出荷・配送指示手段、照合・検査・出来高算出手段、発注手段を備えているため、屋内用仮設配管路を形成する仮設配管ユニット及び継手等の使用回数、更新にかかる費用や時間を明確にして住民へのサービス向上が図れると共に、性能や安全性の検査等を含めて十分に管理された安全で安心な屋内用仮設配管路の構成部材を迅速且つ安価に提供することができる。
また、本発明の屋内用仮設配管路の管理供給システムは、仮設配管ユニット及び継手に設けた品目名、コード、サイズ、作成年月日等の各種情報を記録したラベルを読み取ることにより仮設配管ユニット及び継手の管理が徹底され、過不足や誤出庫を生じるということがなく、撤去後もラベルを読み取るだけでシステムへ反映されるため、出来高精算も迅速な処理が可能となり、更に、仮設配管ユニット及び継手を個別管理できるので、使用回数、使用期間、使用状況等の使用履歴がデータ化されて品質管理がより一層向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る屋内用仮設配管路をマンション等の集合住宅の建物内に敷設した一例を示す配管割図である。
【図2】屋内用仮設配管路の縦配管ユニットを示し、(A)は縦配管ユニットの一部省略正面図、(B)は縦配管ユニットの一部省略側面図である。
【図3】屋内用仮設配管路の伸縮エルボユニットを示し、(A)は伸縮エルボユニットの一部省略正面図、(B)は伸縮エルボユニットの側面図である。
【図4】屋内用仮設配管路の給水接続ユニットを示し、(A)は給水接続ユニットの一部省略正面図、(B)は給水接続ユニットの側面図である。
【図5】屋内用仮設配管路を形成する縦配管路の要部を示し、縦配管ユニットと伸縮エルボユニットを連結した状態の正面図である。
【図6】図5のI−I線断面図である。
【図7】屋内用仮設配管路を形成する横配管路の要部を示し、給水接続ユニットをフロアにセットした状態の側面図である。
【図8】図7のII−II断面図である。
【図9】仮設配管ユニット及び継手に設けるラベルの一例を示す正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る屋内用仮設配管路の管理供給システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る屋内用仮設配管路Lをマンション等の集合住宅の建物B内に敷設した一例を示す配管割図であり、当該屋内用仮設配管路Lは、集合住宅の建物B内に敷設されている既設の上水道管路の更新工事を行う際に、建物B内に敷設して断水することなく上水道管路の更新工事を行えるようにしたものであり、建物B内及び建物Bの各フロアFに配管される複数種類の仮設配管ユニット1,2,3と、各仮設配管ユニット1,2,3を連結自在又は解離自在とする複数の継手4と、仮設配管ユニット1,2,3に継手4を介して連結される単体部材の直管6、ボールバルブ14及びエンドキャップ20等から構成されている。
尚、屋外には、水道本管5内の水道水を屋内用仮設配管路Lへ導くための外周り配管路L1が設けられている。
【0022】
前記仮設配管ユニット1,2,3は、集合住宅の建物B内(例えば、パイプシャフトP内)に最下部のフロアFから最上部のフロアFまで縦向きに配設されて連結される縦配管路を形成する縦配管ユニット1、縦配管ユニット1に連結されて縦配管ユニット1と一緒に縦配管路を形成する伸縮エルボユニット2又は伸縮エルボユニット2に連結されて建物Bの各フロアFごとに横向きに配設されて連結される横配管路を形成する給水接続ユニット3から成る。
また、各ユニット1,2,3は、種々の形状に形成したポリエチレン樹脂製の複数種類の管本体6,7,8,9を適宜に突合せ融着し、端に位置する管本体6,7,8,9の開口端部に、端部に締付け用フランジ10aを備えたポリエチレン樹脂製の筒状接続部10を突合せ融着することにより形成されている。
更に、各ユニット1,2,3を形成する管本体6,7,8,9は、直管6、チーズ7、エルボ8及び伸縮管9等から成り、何れもポリエチレン樹脂材により形成されている。これら管本体6,7,8,9は、その管径や長さ、肉厚、大きさ等が自由に設定可能であり、現場の状況に応じて適宜選択して組み合せられる。
尚、単体部材の直管6の両端部、ボールバルブ14の入口側端部及び出口側端部、エンドキャップ20の開口端部には、図示していないが、端部に締付け用フランジ10aを備えたポリエチレン樹脂製の筒状接続部10が突合せ融着により接続されている。
【0023】
具体的には、前記縦配管ユニット1は、図2、図5及び図6に示す如く、縦向きの直管6と、この直管6の下端部に突合せ融着により接続された筒状接続部10と、前記直管6の上端部に突合せ融着により接続されたチーズ7と、チーズ7の直管6に接続された反対側の端部に突合せ融着により接続された筒状接続部10と、チーズ7のT型の突出部に突合せ融着により接続されて前記縦向きの直管6よりも短い横向きの直管6と、この横向きの直管6に突合せ融着により接続されたエルボ8と、エルボ8に突合せ融着により接続されて横向きの直管6よりも短い下向きの直管6と、この下向きの直管6に突合せ融着により接続された筒状接続部10とから成り、建物BのパイプシャフトP内に配設されて継手4により連結され、建物B内の最下部のフロアFから最上部のフロアFまで縦向きに配管されるようになっている。
これらの縦配管ユニット1は、後述する伸縮エルボユニット2と一緒に屋内用仮設配管路Lの縦配管路を形成するものである。
【0024】
また、前記伸縮エルボユニット2は、図3、図5及び図6に示す如く、縦向きの伸縮管9と、伸縮管9の上端部に突合せ融着により接続された筒状接続部10と、伸縮管9の下端部に突合せ融着により接続されたエルボ8と、エルボ8に突合せ融着により接続された直管6と、この直管6の他端部に突合せ融着により接続された筒状接続部10とから成り、各縦配管ユニット1のチーズ7のT型の突出部側に接続された下向きの筒状接続部10に継手4を介してそれぞれ連結されている。
これらの伸縮エルボユニット2は、縦向きに連結された各縦配管ユニット1と一緒に屋内用仮設配管路Lの縦配管路を形成するものである。
尚、伸縮管9は、直径の異なる二つのパイプを摺動自在に嵌合した二重管構造であり、二つのパイプの結合部に両パイプを任意の結合位置で固定し得る伸縮調節具9aを設けたものである。この伸縮管9は、従来公知のものと同様構造に構成されている。
【0025】
更に、前記給水接続ユニット3は、図4、図7及び図8に示す如く、横向きの直管6と、この直管6の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部10と、前記直管6の他端部に突合せ融着により接続されたチーズ7と、チーズ7の直管6に接続された反対側の端部に突合せ融着により接続された筒状接続部10と、チーズ7のT型の突出部に管継手11及び止水栓12を介して接続された給水管13とから成り、図1に示すように各伸縮エルボユニット2に継手4及びボールバルブ14を介して連結され、建物Bの各フロアFごとに横向きに配管されるようになっている。
これらの給水接続ユニット3は、建物Bの各フロアFごとに横向きに配設され、任意の給水接続ユニット3間に配設された単体の直管6及び継手4等と一緒に屋内用仮設配管路Lの横配管路を形成するものである。
尚、給水管13には、熱可塑性樹脂又はエラストマー、ゴム等より成る可撓性のチューブの外周に、ステンレス鋼線を編組して補強した構造のブレードフレキ管が使用されている。この給水管13の下流側端部には、水道メーター15が設けられている。
【0026】
前記各ユニット1,2,3同士、或いは各ユニット1,2,3と単体部材の直管6等を連結する継手4は、環状部材を二つ割りにした従来公知の二つ割り状の継手4に構成されており、その内周面にはパッキン(図示省略)を収容するための凹部(図示省略)が形成されていると共に、その内周面の両端部が筒状接続部10の締付け用フランジ10aに係合するようになっている。
この継手4は、突合せ状に配設した仮設配管ユニット1,2,3の筒状接続部10の締付け用フランジ10aの外周面にリング状のパッキン(図示省略)を被せ、そのパッキンの外方に被せた継手4の二つ割り部材をボルト及びナット(何れも図示省略)で締付け固定することにより、各ユニット1,2,3を気密状に連結できるようになっている。
【0027】
そして、前記縦配管ユニット1、伸縮エルボユニット2、給水接続ユニット3、継手4、単体部材の直管6、ボールバルブ14及びエンドキャップ20等には、図9に示す如く、少なくとも品目名、コード、No.サイズ、作成年月日、バーコード等を表示したラベル16又は少なくとも品目名、コード、No.サイズ、作成年月日、バーコード等を表示すると共に、外部の読取装置とデータ通信可能なICチップ(図示省略)を有するラベル16が設けられており、電子化による入出庫管理を行えるようになっている。
このラベル16は、各ユニット1,2,3及び継手4等の一ヶ所又は数個所に貼り付け又は紐状部材等により取り付けられている。
また、バーコードには、情報量の多い二次元バーコード(QRコード)が使用されている。
【0028】
尚、屋外に設けた外周り配管路L1は、図1に示す如く、複数のサドル付分水栓17、複数のカプラー18、複数の異径チーズ7a、複数の直管6、複数のエルボ8、複数の継手4、複数のボールバルブ14、フレキシブル継手19、同径チーズ7b、エンドキャップ20等から構成されており、下流側に位置する同径チーズ7bのT字型の突出部を縦配管路を形成する最下位の縦配管ユニット1に継手4を介して連結することにより水道本管5内の水道水を屋内用仮設配管路Lへ導けるようになっている。
更に、縦配管路を形成する縦配管ユニット1のうち、最も下流側に位置する縦配管ユニット1の下流側端部(最上位の縦配管ユニット1の上端部)には、直管6、ボールバルブ14及びエンドキャップ20が継手4を介して接続され、また、横配管路を形成する給水接続ユニット3のうち、最も下流側に位置する給水接続ユニット3の下流側端部(図1の一番右側に位置する給水接続ユニット3)には、ボールバルブ14及びエンドキャップ20が継手4を介して接続されている。
【0029】
次に、上述した屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1を工場から現場へ搬入して組み立てる場合について説明する。
【0030】
屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1は、図1に示す如く、工場内で各ブロックごとにパッケージ化されて現場へ搬入される。
【0031】
即ち、工場内に於いて、屋内用仮設配管路Lの縦配管路を形成する複数の縦配管ユニット1、複数の伸縮エルボユニット2及び複数の継手4等の各部材は、縦配管ブロック資材としてパッケージ化され、また、屋内用仮設配管路Lの横配管路を形成する複数の給水接続ユニット3及び継手4等の各部材は、各フロアFごとにフロアブロック資材としてパッケージ化され、更に、外周り配管路L1を形成するサドル付分水栓17、カプラー18、異径チーズ7a、直管6、エルボ8、継手4、ボールバルブ14、フレキシブル継手19、同径チーズ7b及びエンドキャップ20等の各部材は、外周りブロック資材としてパッケージ化され、この状態で資材ラックに載せられてトラック等によって現場へ搬入される。
【0032】
パッケージ化された状態で現場へ搬入された縦配管ブロック資材、各フロアブロック資材及び外周りブロック資材は、現場で開梱されて順次組み立てられる。
【0033】
即ち、屋内用仮設配管路Lの縦配管路を形成する複数の縦配管ユニット1は、建物BのパイプシャフトP内に縦向きに配設されて継手4によりそれぞれ連結され、同じく縦配管路を形成する複数の伸縮エルボユニット2は、各縦配管ユニット1に継手4によりそれぞれ連結される。このとき、各縦配管ユニット1は、図5及び図6に示す如く、固定金具35により建物Bの一部に固定される。
【0034】
また、屋内用仮設配管路Lの横配管路を形成する給水接続ユニット3は、複数本の直管6と一緒に各建物BのフロアFごとに横向きに配設されて継手4によりそれぞれ連結される。また、各フロアFの伸縮エルボユニット2側に位置する給水接続ユニット3は、直管6、継手4及びボールバルブ14等により伸縮エルボユニット2にそれぞれ連結される。このとき、各給水接続ユニット3は、図7及び図8に示す如く、固定金具35及び配管支持器具36により建物Bの一部に固定される。
【0035】
更に、外周り配管路L1を形成するサドル付分水栓17、カプラー18、異径チーズ7a、直管6、エルボ8、継手4、ボールバルブ14、フレキシブル継手19、同径チーズ7b及びエンドキャップ20等は、それぞれ継手4により連結される。
【0036】
尚、各ユニット1,2,3は、各ユニット1,2,3の筒状接続部10の締付け用フランジ10a同士を対向状に配設し、対向せしめた両締付け用フランジ10aの外周面に環状のパッキンを介設してその外方に被せた二つ割り構造の継手4を縮径する方向へ締め込むことにより気密状に連結される。
【0037】
このようにして、屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1が形成される。
【0038】
上述した屋内用仮設配管路Lは、複数種類の仮設配管ユニット1,2,3を継手4により連結して屋内用仮設配管路Lを形成するようにしているため、連結個所が少なくなって屋内用仮設配管路Lを簡単且つ迅速に形成できて高能率で屋内に敷設することができ、工期の短縮及びコストの低減を図れる。
また、この屋内用仮設配管路Lは、管本体6,7,8,9(直管6、チーズ7、エルボ8又は伸縮管9等)同士の接続、管本体6,7,8,9と筒状接続部10との接続にそれぞれ突合せ融着を用いているため、仮設配管ユニット1,2,3を安価に製造することができ、屋内用仮設配管路Lの敷設費の削減をより一層図れる。
更に、この屋内用仮設配管路Lは、継手4を外すだけで仮設配管ユニット1,2,3を簡単に分離することができ、用済み後の屋内用仮設配管路Lの取り外しを容易に行えると共に、取り外し時に各仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材が損傷することが殆んどなく、その結果、仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材の再利用率が大幅に向上することになる。
そのうえ、この屋内用仮設配管路Lは、仮設配管ユニット1,2,3が、縦配管ユニット1、伸縮エルボユニット2又は給水接続ユニット3から成るため、これらの数種類の仮設配管ユニット1,2,3を継手4で適宜に連結することにより殆どの建物の屋内に良好且つ確実に敷設することができる。
加えて、この屋内用仮設配管路Lは、仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等が、品目名、コード、サイズ、作成年月日等の各種情報を記録したラベル16やICチップを有するラベル16を設けているため、ラベル16の情報を読み取ることにより仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の管理が徹底され、過不足や誤出庫を生じるということがなく、また、撤去後もラベル16を読み取ってデータ化することにより使用回数・使用期間、使用状況等を把握することができ、品質管理がより一層向上することになる。
【0039】
尚、縦配管ユニット1、伸縮エルボユニット2及び給水接接続ユニット3の構成及び形状は、上記の実施の形態に係るものに限定されるものではなく、建物の形状、屋内用仮設配管路Lの設置位置、屋内用仮設配管路Lの長さ等に応じて適宜変更されるものである。
また、縦配管ユニット1、伸縮エルボユニット2、給水接続ユニット3、継手4、単体部材の直管6、ボールバルブ14及びエンドキャップ20等に、それぞれ番号を付けて連結する順番や組み立てる順番が簡単且つ容易に判るようにしても良く、或いは、各部材に色を付けて色分けし、縦配管路や横配管路を形成する部材や同じフロアに配管する部材が簡単且つ容易に判るようにしても良い。
【0040】
図10は上述した屋内用仮設配管路Lの管理供給システムの説明図であり、当該屋内用仮設配管路Lの管理供給システムは、複数の顧客用端末装置21(パーソナルコンピュータ)と、これらの顧客用端末装置21とネットワーク22(インターネット等)を介して接続され、屋内用仮設配管路Lの管理供給を行う管理供給サーバ23(パーソナルコンピュータ又はワークステーション)とを備えている。
【0041】
前記管理供給システムの要部を構成する管理供給サーバ23は、顧客のデータを管理する顧客用データベース24と、図面の作成及び管理を行う図面データベース25と、在庫の管理を行う在庫データベース26と、見積を行う見積データベース27と、各種演算を行う中央演算処理装置28と、何れかの顧客用端末装置21からのアクセスによりその顧客のID番号の認証を行う顧客認証手段29と、顧客用端末装置21から屋内用仮設配管路Lの形成に必要な諸条件を入力されることにより屋内用仮設配管路Lの仕様書及びユニット組立図の作成を行う仕様書・組立図作成手段30と、顧客用端末装置21からのアクセスにより屋内用仮設配管路Lに関する情報を送信する情報送信手段31と、屋内用仮設配管路Lに関する情報を見た顧客が契約することにより仮屋内用設配管路の出荷及び配送を指示する出荷・配送指示手段31と、工期満了後に返却された屋内用仮設配管路Lの照合、検査及び出来高を算出する照合・検査・出来高算出手段32と、出庫予定が基準在庫を上回る場合に屋内用仮設配管路Lの構成部材を発注する発注手段33を備えている。
【0042】
尚、前記図面データベース25には、建物の階数、戸数、屋内用仮設管路路Lの敷設距離、敷設位置、呼び径等から屋内用仮設配管路Lを形成するのに必要な仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材の品目、長さ、数量等を標準化した情報が読み出し可能に蓄積されている。
また、見積データベース27には、屋内用仮設配管路Lを形成するのに必要な仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材の品目、単価等の情報が読み出し可能に蓄積されている。
更に、在庫データベース26には、屋内用仮設配管路Lを形成するのに必要な仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材の品目、数量等の在庫に関する情報が読み出し可能に蓄積されている。
【0043】
次に、前記屋内用仮設配管路Lの管理供給システムについて説明する。
【0044】
顧客が顧客用端末装置21からID番号とパスワードを入力し、ネットワーク22を介して管理供給サーバ23にアクセスすると、管理供給サーバ23の顧客認証手段29が顧客のID番号及びパスワードの認証を行う。
【0045】
ID番号及びパスワードの認証が行われたら、管理供給サーバ23は、認証をした顧客用端末装置21に対して屋内用仮設配管路Lの形成に必要な諸条件を入力するための画面を提供する。
【0046】
顧客は、入力用の画面が提供されたら、顧客用端末装置21により屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1の形成に必要な諸条件を入力する。この諸条件としては、建物Bの階数、戸数、既設の配管路の状況、屋内用仮設用配管路Lの呼び径、屋内用仮設配管路Lの設置位置等が挙げられる。
【0047】
屋内用仮設配管路Lの形成に必要な諸条件が入力されたら、管理供給サーバ23の中央演算処理装置28が入力データに基づいて必要な情報(階数、戸数、仮設呼び径×延長、給水呼び径×延長、減圧弁数、空気弁数、適合ユニットタイプ、数量等)を算出すると共に、管理供給サーバ23の仕様書・組立図作成手段30が屋内用仮設配管路Lの仕様書(見積書、納品書、契約書、出来高書等)及び図1に示すようなユニット組立図を作成し、これらのデータを顧客に送信する。
【0048】
顧客は、前記各データを見てOKであれば、顧客用端末装置21ら契約書に入力して管理供給サーバ23に送信する。
【0049】
管理供給サーバ23は、顧客からの発注があれば、受注した旨及び屋内用仮設配管路L並びに外周り配管路L1に関する各種データを記録すると共に、出荷・配送指示手段32が出荷指示書を作成して出荷、配送を指示する。
【0050】
出荷指示書が作成されたら、出荷指示書に基づいて工場内で仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材のピッキングを行うと共に、出荷指示書に記載された出荷指示数とピッキングされた仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材の照合をラベル16を用いて行う。
【0051】
照合が行われてOKであれば、屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1を出荷する。このとき、屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1は、工場内で各ブロックごとにパッケージ化されて現場へ搬入される。
【0052】
即ち、屋内用仮設配管路Lの縦配管路を形成する複数の縦配管ユニット1、複数の伸縮エルボユニット2及び複数の継手4等の各部材は、縦配管ブロック資材としてパッケージ化され、また、屋内用仮設配管路Lの横配管路を形成する複数の給水接続ユニット3及び継手4等の各部材は、各フロアFごとのフロアブロック資材としてパッケージ化され、更に、外周り配管路L1を形成するサドル付分水栓17、カプラー18、異径チーズ7、直管6、エルボ8、継手4、ボールバルブ14、フレキシブル継手4、同径チーズ7及びエンドキャップ20等の各部材は、外周りブロック資材としてパッケージ化され、この状態で資材ラックに載せられてトラック等によって現場へ搬入される。
【0053】
現場へ搬入された各ブロック資材は、現場で開梱されて順次組み立てられ、マンション等の建物Bの屋外及び屋内に敷設され、屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1として使用される。
【0054】
そして、既設の水道配管路が更新されたら、屋内用仮設配管路L及び外周り配管路L1を分解してこれらを撤去し、仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材を各ブロックごとにパッケージ化すると共に、パッケージ化した各ブロック資材を資材ラックに載せ、トラック等によって工場へ返却する。
【0055】
工場へ返却された仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の各部材は、ラベル16を用いて照合が行われると共に、洗浄・殺菌装置により洗浄及び殺菌が行われた後、水没検査装置及び水圧検査装置により漏れ検査等が行われると共に、経年変化が調べられる。これらの照合結果及び検査結果は、照合・検査・出来高算出手段33により管理供給サーバ23に記録される。例えば、資材の不足分や資材の破損等が管理サーバに記録される。
【0056】
尚、検査結果がNGになった仮設配管ユニット1,2,3等の各部材は、再生可能な場合には再生された後に検査に回され、また、再生不可能な場合には二次製品として再溶解され、更に、使用回数が規定値以上になった仮設配管ユニット1,2,3等の各部材も、二次製品として再溶解される。
【0057】
そして、出庫予定が基準在庫を上回る場合には、管理供給サーバ23の発注手段34が発注書及び作業指示書を作成し、不足分の屋内用仮設配管路Lの構成部材を発注する。
【0058】
発注書及び作業指示書が作成されたら、社内製造部で不足分の資材を製造し、これをラベル16により照合して受け入れる。
【0059】
このように、上述した屋内用仮設配管路Lの管理供給システムは、顧客用端末装置21にネットワーク22を介して接続される管理供給サーバ23を備えており、当該管理供給サーバ23が、顧客用データベース24、図面データベース25、在庫データベース26、見積データベース27、中央演算処理装置28、顧客認証手段29、仕様書・組立図作成手段30、情報送信手段31、出荷・配送指示手段32、照合・検査・出来高算出手段33、発注手段34を備えているため、屋内用仮設配管路Lを形成する仮設配管ユニット1,2,3及び継手4等の使用回数、更新にかかる費用と時間が明確にされて住民へのサービス向上を図れると共に、性能及び洗浄並びに検査等を含めて十分に管理された安全で安心な屋内用仮設配管路Lの構成部材を迅速且つ安価に提供することができる。
また、この屋内用仮設配管路Lの管理供給システムは、仮設配管ユニット1,2,3及び継手4に設けた品目名、コード、サイズ、作成年月日等の各種情報を記録したラベル16やICチップを有するラベル16を読み取ることにより仮設配管ユニット1,2,3及び継手4の管理が徹底され、過不足や誤出庫を生じるということがなく、撤去後もラベル16を読み取るだけでシステムへ反映されるため、出来高精算も迅速な処理が可能となり、更に、仮設配管ユニット1,2,3及び継手4を個別管理できるので、使用回数、使用期間、使用状況等の使用履歴がデータ化されて品質管理がより一層向上することになる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、建物内に敷設した上水道管の更新工事に用いるようにしたが、これに限らず、建物内に敷設したガス管や排水管等の更新工事にも利用できるものである。
【符号の説明】
【0061】
1は縦配管ユニット(仮設配管ユニット)、2は伸縮エルボユニット(仮設配管ユニット)、3は給水接続ユニット(仮設配管ユニット)、4は継手、6は直管(管本体)、7はチーズ(管本体)、8はエルボ(管本体)、9は伸縮管(管本体)、10は筒状接続部、10aは締付け用フランジ、16はラベル、21は顧客用端末装置、22はネットワーク、23は管理供給サーバ、24は顧客用端末装置、25は図面データベース、26は在庫データベース、27は見積データベース、28は中央演算処理装置、29は顧客認証手段、30は仕様書・組立図作成手段、31は情報送信手段、32は出荷・配送指示手段、33は照合・検査・出来高算出手段、34は発注手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数階建ての建物(B)内に敷設されている上水道管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる縦配管路及び横配管路から成る屋内用仮設配管路(L)であって、前記屋内用仮設配管路(L)は、少なくとも複数の仮設配管ユニット(1),(2),(3)と仮設配管ユニット(1),(2),(3)同士を連結する複数の継手(4)とから構成されており、前記各仮設配管ユニット(1),(2),(3)は、種々の形状に形成したポリエチレン樹脂製の複数の管本体(6),(7),(8),(9)を適宜に突合せ融着し、端に位置する管本体(6),(7),(8),(9)の開口端部に、端部に締付け用フランジ(10a)を備えたポリエチレン樹脂製の筒状接続部(10)を突合せ融着して成り、また、前記継手(4)は、突合せ状に配設した仮設配管ユニット(1),(2),(3)の筒状接続部(10)の締付け用フランジ(10a)を外側から抱き込んで連結する二つ割り状の継手(4)としたことを特徴とする屋内用仮設配管路。
【請求項2】
仮設配管ユニット(1),(2),(3)を、建物(B)内の最下部のフロア(F)から最上部のフロア(F)まで縦向きに配設されて連結される縦配管路を形成する縦配管ユニット(1)、縦配管ユニット(1)に連結されて縦配管ユニット(1)と一緒に縦配管路を形成する伸縮エルボユニット(2)又は伸縮エルボユニット(2)に連結されて建物(B)の各フロア(F)ごとに横向きに配設されて連結される横配管路を形成する給水接続ユニット(3)としたことを特徴とする請求項1に記載の屋内用仮設配管路。
【請求項3】
仮設配管ユニット(1),(2),(3)を形成する管本体(6),(7),(8),(9)を、少なくとも直管(6)、チーズ(7)、エルボ(8)又は伸縮管(9)としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋内用仮設配管路。
【請求項4】
縦配管ユニット(1)は、縦向きの直管(6)と、この直管(6)の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)と、前記直管(6)の他端部に突合せ融着により接続されたチーズ(7)と、チーズ(7)の直管(6)に接続された反対側の端部に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)と、チーズ(7)のT型の突出部に突合せ融着により接続された横向きの直管(6)と、この横向きの直管(6)に突合せ融着により接続されたエルボ(8)と、エルボ(8)に突合せ融着により接続された縦向きの直管(6)と、この縦向きの直管(6)に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)とから成り、また、伸縮エルボユニット(2)は、縦向きの伸縮管(9)と、伸縮管(9)の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)と、伸縮管(9)の他端部に突合せ融着により接続されたエルボ(8)と、エルボ(8)に突合せ融着により接続された直管(6)と、この直管(6)の他端部に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)とから成り、更に、給水接続ユニット(3)は、横向きの直管(6)と、この直管(6)の一端部に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)と、前記直管(6)の他端部に突合せ融着により接続されたチーズ(7)と、チーズ(7)の直管(6)に接続された反対側の端部に突合せ融着により接続された筒状接続部(10)と、チーズ(7)のT型の突出部に管継手(11)及び止水栓(12)を介して接続された給水管(13)とから成ることを特徴とする請求項2又は請求項に記載の屋内用仮設配管路。
【請求項5】
仮設配管ユニット(1),(2),(3)及び継手(4)に、少なくとも品目名、コード、No.サイズ、作成年月日及びバーコードを表示したラベル(16)又は少なくとも品目名、コード、No.サイズ、作成年月日及びバーコードを表示すると共に、ICチップを有するラベル(16)を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の屋内用仮設配管路。
【請求項6】
数階建ての建物(B)内に敷設されている上水道管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の屋内用仮設配管路(L)の管理供給システムであって、前記屋内用仮設配管路(L)の管理供給システムは、複数の顧客用端末装置(21)と、これらの顧客用端末装置(21)とネットワーク(22)を介して接続され、屋内用仮設配管路(L)の管理供給を行う管理供給サーバ(23)とを備えており、前記管理供給サーバ(23)は、顧客のデータを管理する顧客用データベース(24)と、図面の作成及び管理を行う図面データベース(25)と、在庫の管理を行う在庫データベース(26)と、見積を行う見積データベース(27)と、各種演算を行う中央演算処理装置(28)と、何れかの顧客用端末装置(21)からのアクセスによりその顧客のID番号及びパスワードの認証を行う顧客認証手段(29)と、顧客用端末装置(21)から屋内用仮設配管路(L)の形成に必要な諸条件を入力されることにより屋内用仮設配管路(L)の仕様書及びユニット組立図の作成を行う仕様書・組立図作成手段(30)と、顧客用端末装置(21)からのアクセスにより屋内用仮設配管路(L)に関する情報を送信する情報送信手段(31)と、屋内用仮設配管路(L)に関する情報に基づいて顧客が契約をすることにより屋内用設配管路(L)の出荷及び配送を指示する出荷・配送指示手段(32)と、工期満了後に返却された屋内用仮設配管路(L)の照合、検査及び出来高を算出する照合・検査・出来高算出手段(33)と、出庫予定が基準在庫を上回る場合に屋内用仮設配管路(L)の構成部材を発注する発注手段(34)とを備えていることを特徴とする屋内用仮設配管路の管理供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−122209(P2012−122209A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272103(P2010−272103)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(595086328)株式会社光明製作所 (6)
【Fターム(参考)】