説明

屋外用照明器具

【課題】 つららが発生するのを抑止し、安全に実施することができる屋外用照明器具を提供することを課題とする。
【解決手段】 内部に光源13を装着し、アーム3で支持してなる屋外用照明器具において、照明器具本体10の上面部は長手方向において、中央より外方に向けて下方に傾斜して構成し、且つ長手方向の両端外側部に水切り突部11を有して構成し、また照明器具本体の上面の内側に、熱伝導板30を配置して構成してある。また熱伝導板は照明器具本体の上面の内壁と反射板との間に空間を有して配置し、熱伝導板による熱伝導と、熱伝導板と照明器具本体の内部で発生する熱の対流により、アームの支持部近傍の照明器具本体内部の温度上昇を図り、つららの発生を抑止するように構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外用照明器具の改良に関し、特に降雪地域において照明器具本体の水垂れ部に発生するつららの発生を抑止する屋外用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、降雪地域における一般道路、公園、駅前広場等に、照明器具本体の内部に高圧放電ランプを装着した照明器具が設置されている。
また降雪地域においては、照明器具本体の上面に積雪があり、高圧放電ランプを点灯すると、高圧放電ランプから発生する熱により雪が融けて、照明器具本体の外壁につららが発生する。同つららが落下すると危険であるので、照明器具本体の外壁に雪保持部材を設けて、つららの落下を防止する屋外用照明器具が提案されている。(特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特開2002−150808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、照明器具本体の外壁に雪保持部材を設ける構造によると、構造が複雑となり、また雪保持部材によると雪が積もり易く、さらに積もった雪が凍結することとなる。積もった雪が凍結すると、重量が増大し、さらに風圧加重も増大することとなる。
また豪雪地域では雪保持部材を超えて、積もった雪が凍結し、雪保持部材を超えてつららが発生し、つらら落下の危険性が増大することとなる。
【0005】
本発明は上記の諸点に鑑み発明したもので、簡単な構造で、つららが発生するのを抑止し、安全に実施することができる屋外用照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するために発明したものであって、請求項1は、内部に光源を装着し、アームで支持してなる屋外用照明器具に関する。照明器具本体の上面部は長手方向において、中央より外方に向けて下方に傾斜して構成し、且つ長手方向の両端外側部に水切り突部を構成してある。さらに照明器具本体の上面の内側に、熱伝導板を配置して構成してある。
【0007】
請求項2は、請求項1における熱伝導板は板状に構成し、且つ照明器具本体の上面の内壁と反射板との間に空間を有して配置し、熱伝導板による熱伝導と、照明器具本体の内部に発生する熱の対流により、アームの支持部近傍の照明器具本体内部の温度上昇を図るように構成してある。
【0008】
請求項3は、請求項1におけるアームを複数条の丸型材で構成し、丸型材と丸型材の間に、スリットを有して構成してある。
【発明の効果】
【0009】
上記した本発明によると、比較的簡単な構造で、降った雪を融かすことができ、つららが発生するのを抑止し、安全に実施し得る屋外用照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の最良の実施形態を図1乃至図5について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明に係る屋外用照明器具の取り付け状態を示す外観図である。図1において、1は照明器具を支持するための支柱、2は支柱に支持してなる照明器具、3は照明器具2を支柱1に支持するためのアームである。
【0012】
図2は照明器具の正面図である。図2において、10は照明器具を構成する照明器具本体であって、上面部は長手方向において、中央より外方向けて下方に傾斜して構成してある。例えば図2に示すように三角形状に構成してある。傾斜角度は例えば15度に構成してある。11は照明器具本体の長手方向の両端外側部に一体的に構成した水切り突部である。水切り突部11は、例えば内方に縮径し、断面三角形状に構成してある。三角形の頂部の内径は例えば78度に構成してある。水切り突部を設けることによって、水滴は凍結する前に水切り突部の先端より落下し、つららの発生は抑止される。
【0013】
12は照明器具本体10の内部に配置したソケット、13はソケット12に装着してなる光源であって、例えば400ワットの高圧放電ランプを用いて構成してある。14は光源2の上面を覆って配置してなる反射鏡である。400ワットの高圧放電ランプを装着する場合、照明器具本体10の縦寸法は例えば800mm、横寸法は例えば480mm、厚みは例えば320mmに構成してある。
【0014】
またアーム3は、図4及び図5に示すように、複数状の丸型材、例えば丸型パイプで構成してある。また丸型材と丸型材の間にはスリット15を有して構成してある。アーム3のスリット15は、丸型材の太さの2倍以上の間隔を有して構成してある。
例えば丸型材は例えばΦ76mmに構成してある。また外形を丸型に構成したアーム3のスリットの間隔は、例えば155mmを有して構成してある。またアーム3は支柱に対して傾斜して照明器具を支持して構成してある。このスリットの間隔を設けることより、雪はスリットより落下し、アーム3の上面全体への積雪を防止することができる。
【0015】
図3において、30は照明器具本体の上面と反射鏡との間に空間を有して配置してなる熱伝導板であって、例えば平板を用いて構成してある。また一端は反射鏡の上面に接触して構成してある。また熱伝導板30の他端は、照明器具を支持してなるアーム3に向かって上方傾斜して構成してある。傾斜角度は例えば5度程度である。この熱伝導板30は例えばアルミニウムで構成してある。熱伝導板30をアーム3に向かって上方傾斜して構成すると、光源からの熱は熱伝導板30の上下面で対流を起こし、アーム支持部近傍の照明器具本体内部の温度上昇を図ることができる。アーム支持部近傍の照明器具本体内部の温度が上昇すると、雪が積もり易いアームの接合部近傍の融雪効果が増大し、同部の積雪の減少とつららの発生を抑制することができる。
【0016】
上記した照明器具本体10は、縦寸法は例えば800mm、横寸法は例えば480mm、厚みは例えば320mmに構成し、さらに400ワットの高圧放電ランプを装着して点灯すると、周囲温度が−20℃で、風速10m/Sのときに、アーム接合部の近傍の照明器具本体の上面温度は、42.8度Cであることが確認されている。本発明に対し、同構造の照明器具から熱伝導板30を取り除いた屋外照明器具によると、アーム接合部の近傍の照明器具本体の上面温度は、21.0度Cであった。
板状に構成した熱伝導板30の大きさは、縦寸法は600mm、横寸法は150mmに構成してある。
【0017】
上記のように構成した照明器具を図1に示した支柱に支持し、例えば降雪地域における一般道路や公園や駅前広場等に設置して実施すると、熱伝導板30の作用により照明器具本体の上面の積雪の減少を図ることができ、さらに、照明器具本体の内部に装着した光源を点灯し、雪の一部が融けた場合も、水切り突部の作用により、つららが発生するのを抑止することができる。またアーム接合部近傍の温度上昇を図ることにより、同部の融雪作用が増大し、つららの発生を抑止し、安全に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る屋外用照明器具の取り付け状態を示す外観図。
【図2】本発明に係る屋外用照明器具の正面図。
【図3】本発明に係る屋外用照明器具の側面図。
【図4】本発明に係る屋外用照明器具のアームの平面図。
【図5】本発明に係る屋外用照明器具のアーム側面図。
【符号の説明】
【0019】
1 支柱
2 照明器具
3 アーム
10 照明器具本体
11 水切り突部
12 ソケット
13 光源
14 反射鏡
15 スリット
30 熱伝導板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光源を装着し、アームで支持してなる屋外用照明器具において、
照明器具本体の上面部は長手方向において、中央より外方に向けて下方に傾斜して構成し、且つ長手方向の両端外側部に水切り突部を構成し、さらに照明器具本体の上面の内側に、熱伝導板を配置して構成したことを特徴とする屋外用照明器具。
【請求項2】
熱伝導板は板状に構成し、且つ照明器具本体の上面の内壁と反射板との間に空間を有して配置し、熱伝導板による熱伝導と、照明器具本体の内部で発生する熱の対流により、アームの支持部近傍の照明器具本体内部の温度上昇を図るように構成したことを特徴とする請求項1記載の屋外用照明器具。
【請求項3】
アームは複数条の丸型材で構成し、丸型材と丸型材の間に、スリットを有して構成したことを特徴とする請求項1記載の屋外用照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−27012(P2007−27012A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210708(P2005−210708)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】