説明

屋外用照明灯

【課題】
特別なアース工事をすることなく、容易に接地可能な屋外用照明灯を提供する。
【解決手段】
屋外用照明灯1は、地面に立設される器具本体2と、器具本体2内に設けられた光源4と、先端側に2極の接続刃23,23を有してアース線21を外方に引き出しているプラグ24を備える電源コード5と、器具本体2の外面10aに設けられたアース端子6と具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電源プラグを有している屋外用照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源コードに電源プラグを備えて、例えばスパイク構造により庭園に設置される庭園灯が知られている(例えば特許文献1参照。)。そして、庭園灯は、アースを要するクラス1のものと、アースを要しないクラス2(2重絶縁構造)のものが広く知られている。ここで、クラス2の庭園灯は、絶縁構造などが煩雑であり、大型化や高価になるおそれがある。
【0003】
また、クラス1の庭園灯は、絶縁構造などを簡略化できるが、接地時にアースを接続する必要がある。このために、電源プラグに、アース極付きの3極プラグまたはアース線付きの2極プラグが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−155536号公報(第2頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3極プラグを用いると、例えば玄関に設けられているコンセントが2極のものであると、当該コンセントに接続できないという問題がある。また、アース線付きの2極プラグを用いると、3極のコンセントにおいては接地することができなくなり、また、2極のコンセントにアース端子が設けられていないと、同じく当該コンセント側で接地することができなくなるおそれがある。これらの場合、庭園灯の本体側で、別途アース工事をして本体を接地する必要があり、庭園灯の設置に手間と時間などを要するという欠点を有し、また、本体の意匠性を損なうおそれがある。
【0006】
本実施形態は、特別なアース工事をすることなく、容易に接地可能な庭園灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の照明器具は、器具本体、光源、電源コードおよびアース端子を有して構成される。
【0008】
器具本体は、地面に立設され、光源は、器具本体内に設けられている。そして、電源コードは、先端側に2極の接続刃を有してアース線を外方に引き出しているプラグを備える。アース端子は、器具本体の外面に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、電源コードのプラグ側のアース線で接地できないときに、器具本体のアース端子に接地線を接続して器具本体を接地できるので、容易にかつ確実に器具本体を接地できることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す屋外用照明灯の一部切り欠き概略正面図である。
【図2】同じく、屋外用照明灯の一部切り欠き概略側面図である。
【図3】同じく、屋外用照明灯の概略下面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す屋外用照明灯の一部切り欠き概略正面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す屋外用照明灯の一部切り欠き概略正面図である。
【図6】同じく、屋外用照明灯の概略下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0012】
本実施形態の屋外用照明灯は、庭園灯1であり、図1ないし図3に示すように構成されている。図1において、庭園灯1は、器具本体2、グローブ3、光源4、電源コード5およびアース端子6を備えている。
【0013】
器具本体2は、本体部7およびスパイク部8を備えている。そして、本体部7は、取付け部9およびポール部10に形成されている。取付け部9は、アルミダイカストにより略カップ状に形成され、その開口部側に被ねじ部11を形成している。そして、取付け部9の内部には、電球用ソケット12が設けられている。
【0014】
ポール部10は、例えばアルミニウムからなり、例えば肉厚1.8mmの円筒に形成されている。ポール部10は、一端側7aが開放され、図2に示すように、他端側7bに底部としての略皿状の底部板13を複数個のねじ14により取り付けている。ポール部10の他端側7bには、水抜き孔27が形成されている。また、ポール部10は、図1に示すように、取付け部9の開口端がポール部10の一端側7aの端面に位置するようにして、少なくとも2個のねじ15により取付け部9を固定している。
【0015】
そして、取付け部9およびポール部10は、それぞれ塗装されている。例えば、取付け部9は、ポリエステル粉体塗装され、ポール部10は、アクリル焼付塗装されている。こうして、金属製の本体部7は、一端側7aに開口16を有し、他端側7bに底部としての底部板13を有する円筒状に形成されている。
【0016】
スパイク部8は、例えば板厚1.2mmのステンレス鋼からなり、地面に埋め込み易くするために、長手方向に亘って略直角に折曲された山形をなしているとともに、先細りの略錐形に形成されている。そして、図3に示すように、固定板17,17がねじ18,18により本体部7の底部板13に機械的に取り付けられている。こうして、スパイク部8は、本体部7に取り付けられて地面に埋め込まれ、本体部7(器具本体2)は、スパイク部8により地面に立設される。
【0017】
図1において、グローブ3は、透光性の例えば軟質ガラスからなり、首部19を有する円筒体に形成されている。当該円筒体の外径は、ポール部10の外径と略同一となっている。そして、グローブ3は、首部19の外側に形成されたねじ部20が本体部7の取付け体9の被ねじ部11に螺合して、本体部7の開口16を閉塞するように本体部7(器具本体2)の一端側7aに取り付けられている。
【0018】
光源4は、例えばLED電球であり、本体部7の取付け体9内に設けられた電球用ソケット12に装着されている。光源4は、その発光部4aがグループ3内に位置するように、取付け体9内に設けられている。すなわち、光源4は、グローブ3から放射光が出射されるように器具本体2の本体部7内に設けられている。
【0019】
そして、電球用ソケット12に電源コード5の図示しない電源線が接続されている。電源コード5は、アース線21を有し、このアース線21が電球用ソケット12を取り付けている取付け体9に電気的に接続されている。すなわち、アース線21は、器具本体2に電気接続されている。そして、電源コード5は、本体部7のポール部10の外面10aから外方に導出されている。電源コード5は、ポール部10の外面10aにおいて、コネクタ22により器具本体2に固定されている。
【0020】
電源コード5の先端側には、2極の接続刃23,23を有してアース線21を外方に引き出しているプラグ24が設けられている。このプラグ24の接続刃23,23が玄関等に設けられているコンセントに差し込まれ、アース線21がアース端子に接続される。
【0021】
そして、器具本体2のポール部10の外面10aには、図2に示すように、アース端子6がねじ25により取り付けられている。ねじ25は、アース端子6とポール部10(器具本体2)とを電気接続している。ねじ25の近傍の外面10aには、アース表示26をしている。
【0022】
アース端子6には、別のアース線(接地線)が接続される。この接地線が地面に接地されることにより、器具本体2が地面に接地される。このように、アース端子6は、器具本体2を地面に接地させるためにポール部10の外面10aに設けられている。
【0023】
次に、第1の実施形態の作用について述べる。
【0024】
アース端子6に接地線を接続し、この接地線を地面に埋め込んで接地することにより、器具本体2が接地される。すなわち、電源コード5のアース線21がコンセント側で接地されなくても、器具本体2が接地される。
【0025】
そして、電源コード5のアース線21がコンセント側で接地されるときには、アース端子6を接続しなくすることも可能である。
【0026】
本実施形態によれば、器具本体2のポール部10の外面10aに設けられたアース端子6に接地線を接続し、この接地線を接地することにより器具本体2が接地されるので、器具本体2を加工するなどの特別なアース工事をすることなく接地作業を行えて、接地作業の省力化を図ることができるとともに、器具本体2の意匠性が損なわれることを防止できるという効果を有する。
【0027】
なお、本実施形態において、器具本体2やグローブ3は、それぞれ筒状に限定されるものではなく、所望の形状に形成されていてもよい。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0029】
本実施形態の屋外用照明灯は、庭園灯1Aであり、図4に示すように構成され、以下の点を除き、図1〜図3に示す庭園灯1と同一構成である。なお、図1〜図3と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0030】
庭園灯1Aは、図1に示す庭園灯1において、器具本体2のポール部10の外面10aにアース端子6およびそのアース表示26を有しないものである。また、スパイク部8は、地面との導電性を良好とするために、ステンレス鋼よりも導電性が高い例えば銅により形成されている。すなわち、スパイク部8は、接地手段を兼用しているものであり、器具本体2の底部としての底部板13に電気的および機械的に取り付けられている。そして、スパイク部8の固定板17,17側に、アース表示26が視認されやすいように設けられている。なお、電源コード5は、アース線21を備えるものでなくてもよい。
【0031】
スパイク部8は、地面に差し込まれて埋め込まれる。これにより、スパイク部8は、器具本体2を地面に立設するとともに接地する。
【0032】
本実施形態によれば、接地手段を兼ねるスパイク部8を地面に埋め込むことにより器具本体2が立設されるとともに接地されるので、特別なアース工事をすることがなく、接地作業の省力化を図ることができるという効果を有する。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態について述べる。
【0034】
本実施形態の屋外用照明灯は、庭園灯1Bであり、図5および図6に示すように構成され、以下の点を除き、図1〜図3に示す庭園灯1と同一構成である。なお、図1〜図3と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0035】
庭園灯1Bは、図1に示す庭園灯1において、器具本体2のポール部10の外面10aにアース端子6およびそのアース表示26を有しないものである。そして、底部としての底部板13に接地手段としての接地棒28が取り付けられている。接地棒28は、例えば銅からなり、先端側が尖った円柱状に形成され、図6に示すように、その基端側の取付板29がねじ30,30により底部板13に取り付けられている。接地棒28の取付板29側には、図5に示すように、アース表示をしたテープ31が設けられている。なお、電源コード5は、アース線21を備えるものでなくてもよい。
【0036】
スパイク部8および接地棒28は、同時に地面に差し込まれて埋め込まれる。これにより、スパイク部8は、器具本体2を地面に立設し、接地棒28は、器具本体2(本体部7)を地面に接地する。
【0037】
本実施形態によれば、器具本体2の本体部7の底部板13に取り付けられたスパイク部8および接地棒28を地面に埋め込むことにより、器具本体2が立設されるとともに接地されるので、特別なアース工事をすることがなく、接地作業の省力化を図ることができるという効果を有する。
【符号の説明】
【0038】
1,1A,1B…屋外用照明灯としての庭園灯、 2…器具本体、 4…光源、 5…電源コード、6…アース端子、 7…本体部、 8…接地手段としてのスパイク部、 13…底部としての底部板、 24…プラグ、 28…接地手段としての接地棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に立設される器具本体と;
この器具本体内に設けられた光源と;
先端側に2極の接続刃を有してアース線を外方に引き出しているプラグを備える電源コードと;
前記器具本体の外面に設けられたアース端子と;
を具備していることを特徴とする屋外用照明灯。
【請求項2】
金属製の本体部およびこの本体部の底部に取り付けられて地面に埋め込まれるスパイク部を有し、このスパイク部が前記本体部を地面に立設する器具本体と;
前記本体部内に設けられた光源と;
先端側に2極の接続刃を有するプラグを備え、前記光源側に接続されて前記本体部から外方に導出された電源コードと;
前記本体部を地面に接地させる接地手段と;
を具備していることを特徴とする屋外用庭園灯。
【請求項3】
前記接地手段は、前記本体部の底部に取り付けられて地面に埋め込まれる金属製の接地棒であることを特徴とする請求項2記載の屋外用照明灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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