説明

屋根裏構造

【課題】構築し易く、解体および部材の再利用が容易な屋根裏構造を提供する。
【解決手段】小屋裏が載る2階部分は、小屋梁3の上に十分な厚みの構造用合板5を予め張っておく。屋根を支える山形フレーム6は、ボックス形の軽量鉄骨を溶接して逆Vの字形に形成したもので、その両端(肘部分)から内側に向かって水平に延びる陸梁部6aを備えている。この陸梁部をボルト9で、直下の小屋梁3に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、住宅の屋根裏構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は木造住宅の屋根裏を示したもので、梁20の上に小屋束21を立てて母屋22を支持し、母屋の上に垂木23を支えて屋根24を葺く。小屋束21は、上下端部にほぞ25を形成しておき、これを梁および母屋に設けたほぞ穴に嵌め込む。
【0003】
このような従来の構造では、後で家を解体するときに、小屋束のほぞが簡単に抜けないので解体工事に手間取る。また、解体した梁や母屋にほぞ穴が残るので、部材を再利用しにくいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、構築し易いだけでなく、解体および部材の再利用が容易な屋根裏構造を提供するを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の屋根裏構造は、小屋梁の各々の上に、屋根を支える山形フレームを載せ、該山形フレームの両端から内側に向かって水平に延びる陸梁部を該小屋梁にボルト締めしたものである(請求項1)。
【0006】
このように構成することにより、解体するときは、ボルトを抜くだけで、山形フレームを簡単に取り外すことができ、また、小屋梁にはボルト穴が残るものの、小さなものなので、再利用の妨げになることはほとんどない。
【0007】
山形フレームは軽量鋼材を溶接して山形に形成したものが使いやすい。山形フレームは1本ずつ直下の小屋梁に取り付け、後から山形フレームを相互に連結する。複数本の山形フレームを予め立体構造に連結し、これを建物の上にクレーンで吊り下ろすようにしてもよい。
【0008】
山形フレームを載せる前に小屋梁の上面に合板を張り詰める(請求項2)。このように合板を張り詰めることで、躯体がねじれるのを有効に防止することができる。また、山形フレームを取り付けるときに、作業がしやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1および図2に示すのは木造2階建の住宅であり、小屋裏1(屋根裏)は物置である。小屋裏を除く躯体は、従来通りの軸組み構造である。小屋裏が載る2階部分は、軒梁2と軒梁2の間に小屋梁(木製梁)3を一定間隔(例えば1m)を存して渡してある。従来は、これら梁と梁の交差部分にブラケット状の火打ち金物(またはブレース)を取り付けて躯体のねじれを防止するようにしていたが、必ずしも変形防止の効果は十分でなかった。そこで、このものは、火打ち金物の代わりに、小屋梁の上に十分な厚みの合板5(例えば、24〜28mmの構造用合板)を張る。合板5は階段部の開口などを除き全面に張り詰める。
【0010】
各小屋梁3の上に、屋根を支える山形のフレーム6を取り付けるのであるが、この山形フレームは、ボックス形の軽量鉄骨を溶接して逆Vの字形に形成したもので、その両端(肘部分)から内側に向かって水平に延びる陸梁部6a(これもボックス形の軽量鉄骨製である。)を備えている。陸梁部は山形フレーム本体6と支柱7で結ばれている。この陸梁部をボルト9で、直下の小屋梁3に固定する。
【0011】
こうして取り付けられた山形フレームは、隣のもの同士、中央部を繋ぎ部材10(コの字断面の軽量型鋼)で繋ぐ。同時に、隣同士の山形フレーム6は、図1に示すように、ターンバックル付きブレース11で×状に締め付けて、変形を防止する。
【0012】
こうして2階の上に山形フレームを設置したら、母屋12を並べ、その上に野地板13を張り、屋根材14を葺く。
【0013】
何年か後に解体するときは、ボルト9を外すだけで、躯体から屋根部が外れるので、作業が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】小屋裏の組立斜視図である。
【図2】小屋裏の断面図である。
【図3】従来の住宅の小屋裏を示す。
【符号の説明】
【0015】
3 小屋梁
5 合板
6 山形フレーム
6a 陸梁部
9 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小屋梁の各々の上に屋根を支える山形フレームを載せ、該山形フレームの両端から内側に向かって水平に延びる陸梁部を該小屋梁にボルト締めした屋根裏構造。
【請求項2】
該山形フレームを載せる前に、該小屋梁の上面に合板を張り詰めた請求項1に記載の屋根裏構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−200166(P2006−200166A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11067(P2005−11067)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(303053208)やましち建設株式会社 (2)