説明

層状磁気構造、層状磁気構造を製造する方法、および読出素子

【課題】実質的に劣化することなく、かつ層状磁気構造の化学エッチングに屈することなく、層状磁気構造の機械研磨に耐える1つ以上の停止層を含む、層状磁気構造を提供する。
【解決手段】トランスデューサヘッド用のリーダ構造を製造するための公差は小さくなり続け、対応する記憶媒体における記憶密度は増加する。リーダ構造の製造中、リーダ構造のさまざまな層を後退および/または擦り切れから保護しつつ、リーダ構造の他の保護されていない層を処理するために、リーダ停止層が利用されてもよい。たとえば、停止層は、機械研磨または化学機械研磨中、非常に低速の研磨速度を有していてもよい。研磨速度が非常に低速の停止層によって保護された構造は実質的に影響を受けず、一方、周囲の区域は著しく研磨されてもよい。停止層は次に、たとえば機械研磨または化学機械研磨の完了後、エッチングを介して除去されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
発明の詳細な説明
概要
ここに説明され、請求される実現化例は、実質的に劣化することなく、かつ層状磁気構造の化学エッチングに屈することなく、層状磁気構造の機械研磨に耐える1つ以上の停止層を含む、層状磁気構造を提供する。
【0002】
他の実現化例は、層状磁気構造の保護された構成要素の上に停止層を堆積させるステップと、停止層の著しい後退をもたらすことなく、保護された構成要素に隣接する材料を機械的に研磨するステップとを含む、層状磁気構造を製造する方法を提供する。
【0003】
さらに他の実現化例は、劣化することなく、かつ読出素子の化学エッチングに屈することなく、読出素子の機械研磨に耐える1つ以上の停止層を含み、1つ以上の停止層のうちの少なくとも1つは真空内で読出素子の1つ以上の自由層およびスペーサ層の上に堆積される、読出素子を提供する。
【0004】
他の実現化例もここに記載され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】1つ以上の停止層を用いて製造された読出素子を有するトランスデューサヘッドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図2A】下方シールドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図2B】シールド停止層が堆積された図2Aの例示的な下方シールドを示す図である。
【図3A】停止層、炭素層、およびフォトレジスト層が堆積された下方シールドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図3B】下方シールドに窪みが形成された図3Aの例示的な下方シールド、シールド停止層、炭素層、およびフォトレジスト層を示す図である。
【図4A】シールド停止層、炭素層、フォトレジスト層、およびアルミナ層が堆積された下方シールドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図4B】インサート停止層が堆積された図4Aの例示的な下方シールド、シールド停止層、炭素層、フォトレジスト層、アルミナ層、およびアルミナインサートを示す図である。
【図5A】1つ以上の層の除去から形成された再堆積物が、下方シールドに形成された窪みから突出するアルミナインサートの周りに形成された、シールド停止層および炭素層が堆積された下方シールドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図5B】再堆積物が除去された図5Aの例示的な下方シールド、シールド停止層、炭素層、アルミナインサート、およびインサート停止層を示す図である。
【図6A】シールド停止層が堆積され、停止層に覆われたアルミナインサートが下方シールドに形成された窪みから突出し、炭素層が除去された下方シールドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図6B】下方シールドの空気軸受面の上に突出していたアルミナインサートの一部またはすべてが除去された図6Aの下方シールドおよびアルミナインサートの空気軸受面を示す図である。
【図7A】シールド停止層が除去され、下方シールドのアルミナインサートが下方シールドとの共通平面まで減少された下方シールドの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図7B】3層読出素子および読出素子停止層が堆積された図7Aの下方シールドおよびアルミナインサートの空気軸受面を示す図である。
【図8A】3層リーダ、リーダ停止層、およびフォトレジスト層が堆積された下方シールドおよびアルミナインサートの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図8B】フォトマスクがフォトレジスト層の上に配置された図8Aの下方シールド、アルミナインサート、3層リーダ、リーダ停止層、およびフォトレジスト層を示す図である。
【図9A】3層リーダ、リーダ停止層、およびフォトマスクによって規定されたフォトレジスト構造を有する下方シールドおよびアルミナインサートの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図9B】フォトレジスト構造によって保護されていない3層リーダおよびリーダストップ層の区域が除去された図9Aの下方シールドおよびアルミナインサートを示す図である。
【図10A】3層リーダ構造、リーダ停止層、およびフォトレジスト構造がアルミナ層によって覆われた下方シールドおよびアルミナインサートの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図10B】金属層が堆積された図10Aの下方シールド、アルミナインサート、3層リーダ構造、リーダ停止層、フォトレジスト層、およびアルミナ層を示す図である。
【図11】3層リーダ構造上の金属層、アルミナ層、およびフォトレジスト層の一部が除去されて堆積物が残っている、3層リーダ構造、リーダ停止層、アルミナ層、および金属層を有する下方シールドおよびアルミナインサートの例示的な空気軸受面を示す図である。
【図12】1つ以上の停止層を用いて、読出素子を製造するためのアルミナインサートが一体化された下方シールドを準備するための例示的な動作を示す図である。
【図13】1つ以上の停止層を用いて、アルミナインサートが一体化された下方シールド上に読出素子を堆積させるための例示的な動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
情報および通信システムはますます、莫大な量のデータを取扱っており、磁気媒体の記憶容量および性能に多大な要求をつきつけている。磁気記憶媒体上のトランスデューサヘッドは通常、磁気ディスク上に記憶されている磁気的に符号化された情報を取出すための読出素子を含む。磁気ディスクの表面からの磁束は、読出素子の1つ以上の感知層の磁化ベクトルの回転を引起し、それは次に読出素子の電気抵抗率の変化を引起す。読出素子の電気抵抗率の変化は、磁気ディスク上に記憶されている磁気的に符号化された情報と相互に関連付けられる。磁気記憶媒体技術における改良は、現在利用可能な磁気ディスク上の面積記録密度を可能にしている。しかしながら、面積記録密度が増加するにつれて、より小さく、より感度が高い読出素子ヘッドが望まれる。読出素子がより小さく、より感度が高くなるにつれて、読出素子の製造中、読出素子のいくつかの層を保護しつつ、同時に読出素子の他の層を処理するために、1つ以上の停止層が使われ得る。
【0007】
図1は、1つ以上の停止層(図示せず)を用いて製造された読出素子102を有するトランスデューサヘッド100の例示的な空気軸受面を示す。トランスデューサヘッド100は、さまざまな機能を行なうさまざまな層を有する積層構造である。非磁性で非導電性の基板104(たとえば、Al23、酸化アルミニウム、またはアルミナ)が、トランスデューサヘッド100の構成要素用の搭載面として機能し、トランスデューサヘッド100を空気軸受スライダ(ABS)(図示せず)に接続する。読出素子102は、下方シールド106と上方シールド108との間に挟まれている。シールド106、108は、読出素子102を電磁干渉、主としてy方向の干渉から絶縁し、処理電子機器(図示せず)に接続された導電性の第1および第2の電気リード線として機能する。一実現化例では、シールド106、108は軟磁性材料(たとえば、Ni−Fe合金)で構成される。
【0008】
また、下方シールド106はアルミナインサート120を組込んでいる。アルミナインサート120は、製造中、1つ以上の停止層(たとえば、ルテニウム、クロム、およびタンタル層)を用いて保護される。停止層は、砥粒研磨(たとえば、砥粒スラリーを用いた研磨)および化学機械研磨(たとえば、砥粒スラリーおよび腐食性化学スラリーを用いた研磨)の下で、非常に低速で一貫した研磨速度を有する。一実現化例では、停止層は、砥粒研磨および/または化学機械研磨中、実質的な後退に耐える(たとえば、2オングストローム/分未満の後退速度を有する)。また、停止層はエッチングプロセスで容易に溶解し得る。他の実現化例では、アルミナインサート120に加えて、またはその代わりに、上方シールド108は別のアルミナインサートを組込んでいる。下方シールド106および/または読出素子102も、製造中、1つ以上の停止層を用いて保護されてもよい。
【0009】
読出素子102の抵抗は、磁気媒体上の磁気領域が読出素子102のすぐ近くに近付くにつれて変化する。2つのシールド106、108間の読出素子102を通ってセンス電流が伝導されると、読出素子102の抵抗の変化は、処理電子機器によって追跡される読戻し電圧の変化を生み出す。このため、読戻し電圧は、媒体上の磁気領域の極性に対応している。
【0010】
トランスデューサヘッド100はまた、非磁性で非導電性の絶縁層112(たとえばアルミナ)を含み、それは下方シールド106および読出素子102を軟磁性または非磁性金属の側方シールド110から電気的に絶縁する。その結果、シールド106、108間を流れる実質的にすべての電流は、読出素子102を通過しなければならない。アルミナインサート120は、シールド106、108間の電気抵抗を所望のレベルに調整する。また、z方向における読出素子102の長さ(すなわち、ストライプ高さ)は、読出素子102の抵抗全体に影響を与える。その結果、アルミナインサート120のサイズおよび形状、ならびにストライプ高さは、所望のレベルの抵抗および所望の応答振幅を提供するように最適化されてもよい。また、側方シールド110は、読出素子102を電磁干渉、主としてx方向の干渉および/またはz方向の干渉から絶縁する。
【0011】
トランスデューサヘッド100はまた、コイル116とシールド108との間に障壁層114を含む。書込磁極118と組合されたコイル116は、処理電子機器から書込信号を受信して、隣接する磁気媒体(図示せず)上の磁気領域の磁気分極を変更し、それにより書込信号からのデータを磁気媒体に書込む。
【0012】
図1の拡大図では、明確にするために、軟磁性の側方シールド110、上方シールド108、および障壁層114の一部は除去されて図示されている。読出素子102は、3層読出素子として図示されている。より具体的には、読出素子102は、少なくとも3つの積層金属層、すなわち、第1の強磁性自由層124と、非磁性スペーサ層126と、第2の強磁性自由層128とを含む。読出素子102は、製造プロセス中の3層スタックの後退を防止するために、停止層130で覆われている。自由層124、128は各々、ニッケル−鉄−コバルト(Ni−Fe−Co)合金などの磁気材料で構成されてもよい。停止層130は、特に硬くて反応しない金属(たとえば、ルテニウム、クロム、およびタンタル層)で構成されてもよい。さまざまな実現化例では、スペーサ層126は、比較的電気を通すものであっても非導電性のものであってもよく、自由層124、128を互いに磁気的に分離するよう機能する。また、読出素子102は、x方向に幅が、負のz方向に深さが広がるよう図示されている。
【0013】
磁気媒体の表面からの磁束は、読出素子102の各自由層124、128の磁化ベクトルの回転を引起し、それは次にシールド106、108間の読出素子102の電気抵抗率の変化を引起す。読出素子102の電気抵抗率の変化は、磁気媒体上の磁気的に分極した領域と相互に関連付けられ、それらは次に磁気媒体上の記憶されたデータに対応する。
【0014】
各自由層124、128の極性は、近くの磁界の影響を受ける。読出素子102の(負のz方向における)後ろに、磁石122が搭載される。磁石122の他の位置が、ここで考えられる。磁石122は、コバルト−プラチナ(Co−Pt)合金などの永久磁石材料から作製されてもよい。磁石122は、通常磁気媒体と平行で互いに対して「鋏状」の配向で収束している2つの自由層124、128の各々の磁化を偏らせる。自由層124、128が隣接する磁気媒体上の分極した磁気領域のすぐ近くを通過するにつれて、磁気領域の分極は各自由層124、128の極性に影響を与え、次にシールド106、108間の読出素子102の抵抗に影響を与える。より具体的には、第1の磁気領域分極は、2つの自由層124、128間の磁化の角度を増加させ、第2の磁気領域分極は、2つの自由層124、128間の磁化の角度を減少させる場合がある。センス電流は(電極として作用する)シールド106、108を通って読出素子センサへと流れ、抵抗の変化は読戻し電圧に影響を与える。その結果、読戻し電圧の変化によって磁気媒体上のデータの磁気配向が検出される。
【0015】
ここに開示される技術の一実現化例は、以下の材料および厚さを利用している。自由層124、128は、たとえば、ニッケル、鉄、コバルト、および/またはホウ素を含むさまざまな合金から作られ、20〜50Aの範囲の厚さを有していてもよい。スペーサ層244は、たとえば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化カルシウム、および/または酸化マグネシウムで作られ、0〜10Aの範囲の厚さを有していてもよい。側方シールド110は、たとえば、NiFe合金で作られ、50〜200Aの範囲の厚さを有していてもよい。上下のシールド106、108の各々は、たとえば、NiFe合金で作られ、1〜2ミクロンの範囲の厚さを有していてもよい。
【0016】
読出素子102の他の実現化例は、さまざまなサイズおよび形状の配向を有する。読出素子102のサイズおよび形状は単なる例示である。ここに開示される技術はまた、ここに示すような3層読出素子以外の読出素子タイプ(たとえば、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、スピンバルブセンサおよび多層GMRセンサを含む巨大磁気抵抗(GMR)センサ、ならびにトンネリング巨大磁気抵抗(TGMR)センサ)で使用されてもよい。
【0017】
トランスデューサヘッド100は、アクチュエータアーム屈曲部(図示せず)の遠位端で空気軸受スライダ(図示せず)に取付けられるように構成されている。スライダは、トランスデューサヘッド100が、隣接する磁気媒体の対応する表面上方のすぐ近くを飛べるようにする。トランスデューサヘッド100の空気軸受面は、磁気媒体に面するように構成されている。アクチュエータアーム屈曲部は片持ち梁状のアクチュエータアーム(図示せず)に取付けられており、アクチュエータアーム屈曲部は、磁気媒体(図示せず)上の磁気データの1つ以上のトラックを追従するよう調節可能である。電線(図示せず)がアクチュエータアーム屈曲部に沿って延在して、スライダ上の接触パッド(図示せず)に装着し、接触パッドは最終的にトランスデューサヘッド100に接続する。読出/書込信号および他の電気信号が、電線および接触パッドを介して処理電子機器(図示せず)とトランスデューサヘッド100とを往復して通る。
【0018】
図2Aは、下方シールド206の例示的な空気軸受面を示す。下方シールド206は、下方シールド206の空気軸受面(x−y平面)で上向きに見た磁気媒体から見て示されている。下方シールド206は、読出素子の層の主面と直交するように読出素子を通してセンス電流を伝えるための第1の電気接続部として機能する。下方シールド206の側面および底面は、非磁性で非導電性の基板204(たとえばアルミナ)によって包囲されている。基板204は、読出素子の構成要素(たとえば下方シールド206)用の搭載面として機能し、読出素子を空気軸受スライダ(ABS)(図示せず)に接続する。一実現化例では、以下に説明するように、下方シールド206はさらなる処理の前に研磨される。
【0019】
図2Bは、シールド停止層232が堆積された図2Aの例示的な下方シールド206を示す。シールド停止層232は、製造プロセス中の下方シールド206の後退を防止するために、下方シールド206および周囲の基板204の上に堆積される。シールド停止層232を基準とすると、下方シールド206はここで被保護層と呼ばれてもよい。停止層232は、化学機械研磨(CMP)プロセスに耐える、特に硬くて反応しない金属(たとえば、ルテニウム、クロム、およびタンタル層)で構成されてもよい。一実現化例では、停止層232は、透明となるよう十分薄い(すなわち、5〜100オングストローム)。例示を明確にするために、図2Aおよび図2Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0020】
図3Aは、シールド停止層332、炭素層334、およびフォトレジスト層336が堆積された下方シールド306の例示的な空気軸受面を示す。炭素層334およびフォトレジスト層336は、停止層332の上に塗布され、半円形の空隙パターンを有する。半円形の空隙パターンは、以下に詳細に説明するアルミナインサートの塗布を助けるよう意図されている。他の実現化例では、アルミナインサートは半円以外の輪郭を有する。このため、炭素層334およびフォトレジスト層336における空隙パターンは、アルミナインサートの意図された形状に依存して変わるであろう。
【0021】
図3Bは、下方シールド306に窪み338が形成された図3Aの例示的な下方シールド306、シールド停止層332、炭素層334、およびフォトレジスト層336を示す。窪み338はイオンミリングを用いて形成されてもよい。フォトレジスト層336は、フォトレジスト層336によって覆われた下方シールド306の区域をイオンミリングプロセスから保護する。窪み338は、以下に詳細に説明するようにアルミナインサートを受ける。例示を明確にするために、図3Aおよび図3Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0022】
図4Aは、シールド停止層432、炭素層434、フォトレジスト層436、およびアルミナ層442が堆積された下方シールド406の例示的な空気軸受面を示す。アルミナ層442は、フォトレジスト層436の上と、下方シールド406の窪み438内とに堆積される。アルミナ層442は少なくとも窪み438を充填しており、また、窪み438の深さを超えてもよい。窪み438の内部に堆積されたアルミナ層442を、ここでアルミナインサート420と呼ぶ。
【0023】
図4Bは、インサート停止層440が堆積された図4Aの例示的な下方シールド406、シールド停止層432、炭素層434、フォトレジスト層436、アルミナ層442、およびアルミナインサート420を示す。インサート停止層440は、アルミナ層442およびアルミナインサート420の上に堆積され、以下に詳細に説明されるように、研磨動作中の窪み338の周囲での後退からアルミナインサート420を保護するよう意図されている。インサート停止層440を基準とすると、アルミナインサート420はここで被保護層と呼ばれてもよい。インサート停止層440は、化学機械研磨(CMP)プロセスに耐える、特に硬くて反応しない金属(たとえば、ルテニウム、クロム、およびタンタル層)で構成されてもよい。一実現化例では、インサート停止層440は、透明となるよう十分薄い(すなわち、5〜100オングストローム)。例示を明確にするために、図4Aおよび図4Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0024】
図5Aは、1つ以上の層(たとえば、フォトレジスト層436および/またはアルミナ層442)の除去から形成された再堆積物544が、下方シールドに形成された窪み538から突出するアルミナインサート520の周りに形成された、シールド停止層532および炭素層534が堆積された下方シールド506の例示的な空気軸受面を示す。図4のフォトレジスト層436および/またはアルミナ層442は除去され、窪み538を包囲する材料の再堆積物544を残す。いくつかの実現化例では、フォトレジスト層436(およびその上のアルミナ層442)は溶剤を用いて除去され、それは他のどの層にも影響を与えない。その結果、フォトレジスト層436および/またはアルミナ層442を除去すると、窪み538のミリング、アルミナインサート520の塗布、およびインサート停止層540の塗布における欠陥が明らかになる。
【0025】
図5Bは、再堆積物544が除去された図5Aの例示的な下方シールド506、シールド停止層532、炭素層534、アルミナインサート520、およびインサート停止層540を示す。再堆積物544は、炭素層534の砥粒研磨および/または化学機械研磨で除去されてもよい。インサート停止層540は、砥粒研磨および/または化学機械研磨がアルミナインサート520から材料を著しく除去することを防止する。一実現化例では、再堆積物544は(y方向における)高さが最大50nmであり、インサート停止層540は(y方向における)厚さが約2nmである。2nmの厚さは、高さが9nmの再堆積物544の砥粒研磨および/または化学機械研磨に耐えるのに十分である。例示を明確にするために、図5Aおよび図5Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0026】
図6Aは、シールド停止層632が堆積され、停止層640に覆われたアルミナインサート620が下方シールド606に形成された窪み638から突出し、炭素層が除去された下方シールド606の例示的な空気軸受面を示す。図6Aでは、図5Aおよび図5Bの炭素層534は除去されている。炭素層534は、たとえば、プラズマエッチングプロセス、酸エッチングプロセス、または化学機械研磨プロセスで除去されてもよい。シールド停止層632は、炭素層の除去中の後退から下方シールド606を保護する。インサート停止層640は、炭素層の除去中の後退からアルミナインサート620を保護する。炭素層の除去後、y方向におけるインサート停止層640とシールド停止層632とのずれが明らかになる。下方シールド606とアルミナインサート620との界面には、停止層材料によって覆われていない間隙646が存在する。
【0027】
図6Bは、下方シールド606の空気軸受面の上に突出していたアルミナインサート620の一部またはすべてが除去された図6Aの下方シールド606およびアルミナインサート620の空気軸受面を示す。アルミナインサート620のx−z平面の上面は、インサート停止層640によって砥粒研磨および/または化学機械研磨から保護されているが、アルミナインサート620の突出部分は、側方ミリングプロセス(すなわち、x−z平面におけるミリング)によって除去されてもよい。側方ミリングは、停止層材料によって覆われていないインサート停止層640とシールド停止層632との間の間隙(たとえば、図6Aの間隙646を参照)を利用して、シールド停止層632の下のアルミナをミリングし、それにより下方シールド606の空気軸受面の上に突出するアルミナインサート620の一部を除去する。
【0028】
その結果、インサート停止層640は、下方シールド606の空気軸受面の上に突出するアルミナインサート620の一部とともに除去される。アルミナインサート620はまた、この時点で研磨されてもよい。シールド停止層632は、研磨された下方シールド606を、アルミナインサート620を研磨することによって生じる擦り切れから保護してもよい。一実現化例では、アルミナインサート620の研磨が下方シールド606に傷を付けないようにするには、(y方向における)厚さが3nmのシールド停止層632で十分である。例示を明確にするために、図6Aおよび図6Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0029】
図7Aは、シールド停止層(図632のシールド停止層を参照)が除去され、下方シールド706のアルミナインサート720が下方シールド706との共通平面まで減少された下方シールド706の例示的な空気軸受面を示す。シールド停止層はエッチング剤を用いて除去されてもよく、x−z平面において下方シールド706と同一平面上にアルミナインサート720を残す。他の実現化例では、シールド停止層は残って読出素子の堆積を助けてもよい(以下を参照)。
【0030】
図7Bは、3層読出素子702および読出素子停止層730が堆積された図7Aの下方シールド702およびアルミナインサート720の空気軸受面を示す。3層読出素子702は、少なくとも3つの積層金属層、すなわち、第1の強磁性自由層724と、非磁性スペーサ層726と、第2の強磁性自由層728とを含む。読出素子702は、製造プロセス中の3層読出素子702の後退を防止するために、停止層730で覆われている。読出素子停止層730を基準とすると、読出素子702の1つ以上の層はここで被保護層と呼ばれてもよい。図7Bの拡大図では、明確にするために、第1の強磁性自由層724、非磁性スペーサ層726、第2の強磁性自由層728、および停止層730の一部は除去されて示されている。たとえば、第1の強磁性自由層724、非磁性スペーサ層726、第2の強磁性自由層728、および停止層730は、追加の処理が3層読出素子702上で完了する前に、対応するウェハの90%を覆っていてもよい。
【0031】
読出素子停止層730は、化学機械研磨(CMP)プロセスに耐える、特に硬くて反応しない金属(たとえば、ルテニウム、クロム、およびタンタル層)で構成されてもよい。一実現化例では、インサート停止層440は、透明となるよう十分薄い(すなわち、5〜100オングストローム)。
【0032】
一実現化例では、3層読出素子702の各層および読出素子停止層730は、堆積プロセス中、真空を破壊することなく、ともに堆積される。これは、酸化層を介在することなく、読出素子停止層730が3層読出素子702の上層に付着することを確実にする。例示を明確にするために、図7Aおよび図7Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0033】
図8Aは、3層リーダ802、リーダ停止層830、およびフォトレジスト層836が堆積された下方シールド806およびアルミナインサート820の例示的な空気軸受面を示す。フォトレジスト層836は、少なくとも3層リーダ802とリーダ停止層830とを覆っている。フォトレジスト層836はまた、周囲の基板804の材料を覆っていてもよい。
【0034】
図8Bは、フォトマスク848がフォトレジスト層836の上に配置された図8Aの下方シールド806、アルミナインサート820、3層リーダ802、リーダ停止層830、およびフォトレジスト層836を示す。フォトマスク848は、フォトレジスト層836の上に塗布され、三角形の1点から矩形が延在している三角形に似た形状を有している。フォトレジスト層836の形状は、以下に詳細に説明するように、3層リーダ802の最終的な形状をパターニングするよう意図されている。他の実施例では、3層リーダ802はたとえば、図1Bに示すもの以外の輪郭を有する。このため、フォトレジスト層836の形状は、3層リーダ802の意図された形状に依存して変わるであろう。
【0035】
フォトマスク848は、フォトリソグラフィ中、フォトレジスト層836を露光から選択的に遮蔽する。光は、露出されたフォトレジスト層836の区域を現像する。一実現化例では、フォトマスク848は、ガラス部とクロム部とを含む。ガラス部は、光がフォトレジスト層836を貫通することを可能にする。クロム部は、光を反射させてフォトレジスト層836を光から遮蔽する。ガラスおよびクロムのフォトマスク848では、三角形の1点から矩形が延在している三角形に似た形状は、フォトレジスト層836がポジ型フォトレジストであるかネガ型フォトレジストであるかに依存して、フォトマスク848のクロム部または透光部に対応している。より具体的には、ポジ型フォトレジストは露光されると可溶性になり、ネガ型フォトレジストは露光されると不溶性になる。現像剤が不溶性材料を除去する。例示を明確にするために、図8Aおよび図8Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0036】
図9Aは、3層リーダ902、リーダ停止層930、およびフォトマスク(図8Bのフォトマスク848を参照)によって規定されたフォトレジスト構造936を有する下方シールド906およびアルミナインサート920の例示的な空気軸受面を示す。フォトマスクによって露光から保護されていないフォトレジスト構造936の区域は、フォトリソグラフィによって現像される。一実現化例では、フォトリソグラフィは、リーダ停止層930を全く現像しない。リーダ停止層930は、3層リーダ802の上層をフォトリソグラフィから保護してもよい。フォトリソグラフィの後、三角形の1点から矩形が延在している三角形に似た形状を有するフォトレジスト構造936が残る。
【0037】
図9Bは、フォトレジスト構造936によって保護されていない3層リーダ902およびリーダ停止層930の区域が除去された図9Aの下方シールドおよびアルミナインサート920を示す。一実現化例では、イオンミリングプロセスが、フォトレジスト構造936によって覆われていないリーダ停止層930および3層リーダ902の区域を除去する。その結果、イオンミリングの後、三角形の1点から矩形が延在している三角形に似た形状を有する3層リーダ902およびリーダ停止層930が残る。この形状は、図8Bのフォトマスク848の形状に対応している。例示を明確にするために、図9Aおよび図9Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。いくつかの実現化例では、3層リーダ902を後退からさらに保護するために、追加のリーダ停止層を3層リーダ902の側面に塗布してもよい。
【0038】
図10Aは、3層リーダ構造1002、リーダ停止層1030、およびフォトレジスト構造1036がアルミナ層1050によって覆われた下方シールド1006およびアルミナインサート1020の例示的な空気軸受面を示す。アルミナ層1050は、周囲の基板1004の上にも重なっていてもよい。アルミナ層1050は、図1に示す絶縁層112を形成する。アルミナ層1050は、下方シールド1006および3層リーダ構造1002を、軟磁性の側方シールド(図10Bの非磁性金属層1052を参照)から電気的に絶縁する。一実現化例では、アルミナ層1050は、透明となるよう十分薄い(たとえば10〜90オングストローム)。
【0039】
図10Bは、金属層1052が堆積された図10Aの下方シールド1006、アルミナインサート1020、3層リーダ構造1002、リーダ停止層1030、フォトレジスト層1036、およびアルミナ層1036を示す。非磁性または軟磁性の金属層1052は、以前にミリングで除去された3層リーダ構造1002に隣接する区域を埋める。金属層1052は、図1に示す側方シールド110を形成する。金属層1052は、3層リーダ構造1002を電磁干渉から絶縁する。
【0040】
図11は、3層リーダ構造上の金属層1152、アルミナ層1150、およびフォトレジスト層の一部(図示せず)が除去されて再堆積物1144が残っている、3層リーダ構造1102、リーダ停止層1130、アルミナ層1150、および金属層1152を有する下方シールド1106およびアルミナインサート1120の例示的な空気軸受面を示す。側方ミリング動作(x−y平面におけるミリング)は、フォトレジスト層(図10Bのフォトレジスト層1036の露出部分を参照)に隣接するアルミナ層1150の露出部分を除去する。次にフォトレジスト層が除去され、(y方向における)リーダ停止層1130上のアルミナ層1150および非磁性または軟磁性の金属層1152は引き剥がされる。材料の再堆積物1144が残る場合がある。いくつかの実現化例では、フォトレジスト層は溶剤を用いて除去され、それは他のどの層にも影響を与えない。その結果、フォトレジスト層を除去すると、たとえばアルミナ層1150のミリングにおける欠陥が明らかになる。
【0041】
再堆積物1144は、金属層1152、アルミナ層1150、およびリーダ停止層1130の露出部分の砥粒研磨および/または化学機械研磨で除去されてもよい。リーダ停止層1130は、砥粒研磨および/または化学機械研磨が3層リーダ構造1102から材料を著しく除去することを防止する。一実現化例では、再堆積物を除去し、3層リーダ構造1102を著しく後退させないためには、40秒の化学機械研磨動作が十分である。たとえば、約8nmの厚さのリーダ停止層1130は、40秒の化学機械研磨動作に耐えることができる。オプションで、リーダ停止層1130は、砥粒研磨および/または化学機械研磨の後、化学エッチングで除去されてもよい。例示を明確にするために、図11Aおよび図11Bの構成要素は縮尺通りに描かれておらず、また、トランスデューサヘッド(図示せず)および/または読出素子(図示せず)の一部を省略する場合がある。
【0042】
図12は、1つ以上の停止層を用いて、読出素子を製造するためのアルミナインサートが一体化された下方シールドを準備するための例示的な動作1200を示す。研磨動作1205は、読出素子用の下方シールドを研磨する。塗布動作1210は、下方シールドの上に停止層を塗布する。停止層は、以下に説明されるようなさらなる製造プロセス中、下方シールドを擦り切れから保護する。そのため、下方シールドは被保護層と呼ばれてもよい。停止層は、ルテニウムまたは他の硬い非磁性材料を含んでいてもよい。
【0043】
第2の塗布動作1215は、下方シールドの上に炭素層およびフォトレジスト層を塗布する。炭素層およびフォトレジスト層の各々は、以下に詳細に説明するように下方シールドにアルミニウムインサートをパターニングする、パターニングされた空隙を有する。ミリング動作1220は、炭素層およびフォトレジスト層の空隙を通して下方シールドに窪みをミリングする。窪みは、以下に説明するようにアルミナインサートを受けるよう意図されている。堆積動作1225は、フォトレジスト層の上と下方シールドの窪み内とにアルミナ層を堆積させる。アルミナ層は少なくとも下方シールドの窪みを充填しており、また、下方シールドの窪みの深さを超えてもよく、こうしてアルミナインサートを形成する。
【0044】
第2の堆積動作1230は、アルミナ層の上に停止層を堆積させる。停止層は、以下に説明するようなさらなる製造プロセス中、アルミナインサートを後退から保護する。そのため、アルミナインサートは被保護層と呼ばれてもよい。停止層は、ルテニウムまたは他の硬い非磁性材料を含んでいてもよい。除去動作1235は、フォトレジスト層と、フォトレジスト層の上に堆積されたアルミナ層および停止層の一部とを除去する。除去動作1235は、炭素層およびアルミナインサートにおける空隙の周りに材料の再堆積物の突起を残す。
【0045】
第2の研磨動作1240は、炭素層およびアルミナインサートにおける空隙の周りの再堆積物の突起を研磨する。アルミナインサート上の停止層は、第2の研磨動作1240がアルミナインサートの後退を引起さないようにする。除去動作1245は炭素層を除去して、停止層に覆われたアルミナインサートが停止層に覆われた下方シールドの上に若干突出して残るようにする。
【0046】
側方ミリング動作1250は、下方シールドの窪み内のアルミナインサートを側方ミリングする。側方ミリング動作1250は、アルミナインサートの上の停止層および下方シールドの上の停止層における間隙を通して動作する。側方ミリングは、下方シールドを越えて突出するアルミナインサートの一部を除去する。下方シールドを越えて突出するアルミナインサートを除去することによって、アルミナインサートの上の上層も除去される。アルミナインサートはまた、この時点で研磨されてもよい。エッチング動作1255は、アルミナインサートおよび/または下方シールドの上の残った停止層材料をエッチングで除去する。いくつかの実現化例では、エッチング動作1255は行なわれず、アルミナインサートおよび/または下方シールドの上の停止層材料は残ったままにされる。
【0047】
図13は、1つ以上の停止層を用いて、アルミナインサートが一体化された下方シールド上に読出素子を堆積させるための例示的な動作1300を示す。堆積動作1305は、リーダスタック層とリーダスタック層の上の停止層とを含むリーダ構造を堆積させる。一実現化例では、読出素子は3層リーダである。停止層は、以下に説明するようなさらなる製造プロセス中、読出素子を後退から保護する。そのため、読出素子の1つ以上の層は被保護層と呼ばれてもよい。停止層は、ルテニウムまたは他の硬い非磁性材料を含んでいてもよい。
【0048】
コーティング動作1310は、リーダ構造と周囲の基板とをフォトレジスト層でコーティングする。配置動作1315は、リーダ構造の上にマスクを配置し、読出素子をパターニングする。一実現化例では、マスクは、ガラス部とクロム部とを含む。ガラス部は、光がフォトレジスト層を貫通することを可能にする。クロム部は、光を反射させてフォトレジスト層を光から遮蔽する。フォトエッチング動作1320は、フォトレジストをフォトエッチングで除去し、マスクの下に読出素子形状のフォトレジスト層を残す。
【0049】
ミリング動作1325は、読出素子形状のフォトレジスト層の下にないリーダスタック層をミリングで除去する。これは、読出素子の大まかな形状を形成する。第2の堆積動作1330は、読出素子および周囲の下方シールドの上にアルミナの層を堆積させる。このアルミナの層は、たとえば、図1に示す絶縁層112を形成する。アルミナ層は、下方シールドおよび読出素子を、軟磁性の側方シールド(以下の非磁性金属層を参照)から電気的に絶縁する。
【0050】
第3の堆積動作1335は、読出素子に隣接して、および読出素子の上に、非磁性または軟磁性の金属フィラー材料を堆積させる。金属フィラー材料は、図1に示す側方シールド110を形成する。金属フィラー材料は、3読出素子を電磁干渉から絶縁する。除去動作1340は、読出素子の上のフォトレジスト層を除去し、フォトレジスト層の上のアルミナおよび金属フィラー材料も同様に除去する。除去動作1340は、読出素子の上に材料の再堆積物の突起を残す。
【0051】
研磨動作1345は、リーダスタックの上層を劣化させることなく、リーダスタックの上に残る再堆積物の突起を研磨する。リーダスタックの上の停止層は、研磨動作1345がリーダスタックの後退をもたらさないようにする。いくつかの実施例では、研磨動作1345の後、リーダスタックの上の停止層はエッチングで除去される。
【0052】
上述の明細書、例、およびデータは、この発明の例示的な実施例の構造および使用の完全な説明を提供する。この発明の多くの実施例はこの発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得るため、この発明は添付される請求項に存在する。また、異なる実施例の構造的特徴を、さらに別の実施例において、記載された請求項から逸脱することなく組合せてもよい。
【符号の説明】
【0053】
102:読出素子、124:第1の強磁性自由層、126:非磁性スペーサ層、128:第2の強磁性自由層、130:停止層、232、332、432、532、632:シールド停止層、440、540、640:インサート停止層、730:読出素子停止層、830、930、1030、1130:リーダ停止層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に劣化することなく、かつ層状磁気構造の化学エッチングに実質的に屈することなく、層状磁気構造の機械研磨に耐える1つ以上の停止層を含む、層状磁気構造。
【請求項2】
1つ以上の停止層のうちの1つはリーダシールドを、隣接するアルミナインサートの機械研磨中、後退から保護する、請求項1に記載の層状磁気構造。
【請求項3】
1つ以上の停止層のうちの1つは層状磁気構造の層を、隣接する層の機械研磨中、後退から保護する、請求項1に記載の層状磁気構造。
【請求項4】
1つ以上の停止層のうちの1つはアルミナインサートを、隣接する再堆積物の突起の機械研磨中、後退から保護する、請求項1に記載の層状磁気構造。
【請求項5】
層状磁気構造はリーダスタックを含み、1つ以上の停止層のうちの1つはリーダスタックを、隣接する再堆積物の突起の機械研磨中、後退から保護する、請求項1に記載の層状磁気構造。
【請求項6】
1つ以上の停止層はルテニウムを含む、請求項1に記載の層状磁気構造。
【請求項7】
1つ以上の停止層はさらに、化学機械研磨プロセスに耐える、請求項1に記載の層状磁気構造。
【請求項8】
層状磁気構造の保護された構成要素の上に停止層を堆積させるステップと、
停止層の著しい後退をもたらすことなく、保護された構成要素に隣接する材料を機械的に研磨するステップとを含む、層状磁気構造を製造する方法。
【請求項9】
保護された構成要素は、リーダシールド、アルミナインサート、およびリーダスタックのうちの1つ以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
保護された構成要素に隣接する材料は、アルミナインサートである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
保護された構成要素に隣接する材料は、層状磁気構造の層が除去される際に形成される再堆積物の突起である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
停止層はルテニウムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
機械研磨する動作は、保護された構成要素の後退をもたらすことなく達成される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
停止層の少なくとも一部を化学エッチングで除去するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
劣化することなく、かつ読出素子の化学エッチングに屈することなく、読出素子の機械研磨に耐える1つ以上の停止層を含み、1つ以上の停止層のうちの少なくとも1つは真空内で読出素子の1つ以上の自由層およびスペーサ層の上に堆積される、読出素子。
【請求項16】
1つ以上の停止層のうちの1つは層状磁気構造の層を、隣接する層の機械研磨中、後退から保護する、請求項15に記載の読出素子。
【請求項17】
1つ以上の停止層のうちの1つはリーダシールドを、隣接するアルミナインサートの機械研磨中、後退から保護する、請求項15に記載の読出素子。
【請求項18】
1つ以上の停止層のうちの1つはアルミナインサートを、隣接する再堆積物の突起の機械研磨中、後退から保護する、請求項15に記載の読出素子。
【請求項19】
1つ以上の停止層のうちの1つは1つ以上の自由層およびスペーサ層を、隣接する再堆積物の突起の機械研磨中、後退から保護する、請求項15に記載の読出素子。
【請求項20】
1つ以上の停止層はルテニウムを含む、請求項15に記載の読出素子。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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