履帯
【課題】履帯アッセンブリの総数が奇数であっても、パラレルリンク型を採用することができるようにすること。
【解決手段】第1アッセンブリ22Aは平行な一対の第1リンク25を、第2アッセンブリ22Bは平行な一対の第2リンク28を有する。そして、第1アッセンブリ22Aの両端部の支持軸27に対して第2アッセンブリ22Bの両端のスリーブ30を外嵌支持する。そして、アッセンブリの総数が奇数の場合、第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に第3アッセンブリ22Cを介在させ、同第3アッセンブリ22Cの支持軸27に第2アッセンブリ22Bのスリーブ30を外嵌支持するとともに、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30と第1アッセンブリ22Aの支持軸27に外嵌支持する。
【解決手段】第1アッセンブリ22Aは平行な一対の第1リンク25を、第2アッセンブリ22Bは平行な一対の第2リンク28を有する。そして、第1アッセンブリ22Aの両端部の支持軸27に対して第2アッセンブリ22Bの両端のスリーブ30を外嵌支持する。そして、アッセンブリの総数が奇数の場合、第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に第3アッセンブリ22Cを介在させ、同第3アッセンブリ22Cの支持軸27に第2アッセンブリ22Bのスリーブ30を外嵌支持するとともに、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30と第1アッセンブリ22Aの支持軸27に外嵌支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装軌式作業機械に装備される履帯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブルドーザや油圧ショベル等の装軌式作業機械における履帯は、複数の履帯用アッセンブリを無端状に連結することにより構成されている。そして、この履帯が装軌式作業機械の車体フレームに所定の間隔をおいて配設された駆動輪と遊動輪間との間に巻き掛けられ、各履帯用アッセンブリがスプロケットよりなる駆動輪の歯に噛合されて駆動されることにより、履帯が駆動輪と遊動輪との間で車体フレームに支持された上転輪及び下転輪に支持されながら走行されるようになっている。
【0003】
このような履帯における履帯用アッセンブリとしては、例えば、特許文献1の図7に開示されるような構成のものと、特許文献1の図1〜図3に開示されるような構成のものとが従来から知られている。すなわち、特許文献1の図7に記載の構成では、履板の接地する面と対向する面(履板の内面)に一対のオフセットしたリンクが平行状態で固定され、リンクの一端部間に支持軸が固定されるとともに、他端部間にスリーブが固定されている。そして、この同一構造の各履板アッセンブリの支持軸が隣接する他のアッセンブリのスリーブに回転可能に挿通されることにより、複数のアッセンブリが同位相で、すなわち同一向きで相互に連結されて(これを同位相リンク型とする)、履帯が形成されている。
【0004】
これに対して、特許文献1の図1〜図3に開示された構成では、履板の内面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第1リンクが平行状態で固定されるとともに、両第1リンクの両端部間に支持軸が架設固定されることにより、第1アッセンブリが構成されている。また、履板の内面に実質的に平らなプレートよりなる一対の第2リンクが平行状態で固定されるとともに、両第2リンクの両端部間にスリーブが架設されることにより、第1アッセンブリよりリンク間の幅の狭い第2アッセンブリが構成されている。そして、第2アッセンブリの第2リンクが第1アッセンブリの第1リンクの内側においてパラレル状態に配置されるとともに、第2アッセンブリのスリーブが第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌されて、第1及び第2アッセンブリが交互に連結され(これをパラレルリンク型とする)、これが連続することにより、履帯が形成されている。
【0005】
ところで、前記同位相リンク型のようなスリーブがリンクに固定される構成の履帯においては、前記スリーブは各アッセンブリを回転可能に連結するための軸受部材としての機能を有するのみならず、駆動輪のスプロケットから動力の伝達を受ける動力伝達部材としての機能をも有している。そのため、特許文献1の図7に記載の構成のように、スリーブが一対のリンクの端部間に固定されていると、スリーブの外周面はスプロケットの歯面との滑り接触によって特定の部位が偏磨耗して、ブシュ・ターンと称されるスリーブのリンクに対する回転作業が必要になるが、固定状態のスリーブの回転作業は苦渋をともなう困難な作業である。
【0006】
このような問題点に対処するため、例えば前述した特許文献2や、特許文献1の図1〜図3に開示されるような履帯が従来から提案されている。これらの従来構成においては、一対のリンクの端部間に配置されるスリーブが軸線方向において3つの部分に分割して構成され、両端のスリーブ部分がリンクの端部に固定されるとともに、中間のスリーブ部分が隣接するアッセンブリの支持軸上に回転自在に外嵌支持されている。これにより、スリーブのスプロケットに対する噛合時の相対滑りが緩和されて、スリーブの偏磨耗が防止されるようになっている。
【0007】
一方、前記特許文献1の図1〜図3に開示されるようなパラレルリンク型の履帯においては、履帯を構成するアッセンブリの総数が偶数であれば、第1及び第2アッセンブリのみで履帯を形成することができる。この場合、第1アッセンブリは、一対の第1リンクと、その第1リンクの両端部間に架設固定された支持軸との4辺からなる矩形構造となっているため、高い剛性を確保することができる。これに対して、スリーブとして、前述のリンクに対して回動可能な構成を採用した場合、第2アッセンブリでは、一対の第2リンクの両端部間にスリーブが固定されることがないため、両端部間が力学的に開放された状態になって、第2アッセンブリとして高い剛性を確保することができない。このため、特許文献1の図1〜図3に記載の構成においては、第2リンクのスリーブ用軸孔の軸線方向寸法を第1リンクの支持軸用軸孔の軸線方向寸法よりも厚く設定して、支持軸に対する取付強度を高めることにより、第2アッセンブリの剛性を高めるようにしている。
【特許文献1】特開2004−249973号公報
【特許文献2】特表平6−504747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記パラレルリンク型の履帯において、履帯を構成するアッセンブリの総数が奇数である場合には、閉ループの履帯を構成することができない。このような場合には、第1アッセンブリと第2アッセンブリとの間に少なくとも1つの同位相リンク型の第3アッセンブリを介在させる必要がある。そして、同位相リンク型の第3アッセンブリにおいて、スリーブをリンクに対して回動可能にした構成では、その第3アッセンブリが、一対のリンクと、そのリンクの一端部間に固定された支持軸との3辺からなる一側辺を開放した矩形構造となり、つまりスリーブ側の1辺が力学的に開放された矩形構造となる。このため、パラレルリンク型の履帯において、第1アッセンブリと第2アッセンブリとの間に同一位相リンク型の第3アッセンブリを配置した場合、その第3アッセンブリにおける第3リンクの開放側端部、すなわちスリーブが架設される側の端部における剛性が不足することになるという問題があった。
【0009】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、パラレルリンク型の履帯において、第1及び第2アッセンブリ間に同一位相リンク型の第3アッセンブリを配置した場合、その第3アッセンブリにおいて、スリーブが架設される側の開放側端部で剛性が不足するのを防止することができる履帯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明は、履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第1リンクを平行状態で固定するとともに両第1リンクの両端部間に支持軸を架設固定した第1アッセンブリと、履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第2リンクを平行状態で固定するとともに両第2リンクの両端部間にスリーブを架設した第2アッセンブリとを備え、前記スリーブを前記支持軸に回転可能に外嵌して、第1及び第2アッセンブリを交互に連結配置した履帯において、履板の接地面と対向する面に一対のオフセットしたプレートよりなる第3リンクを平行状態で固定し、両第3リンクの一端部間に支持軸を架設固定するとともに、他端部間にはスリーブを架設した第3アッセンブリを前記第1及び第2アッセンブリ間に配置し、その第3アッセンブリの支持軸に第2アッセンブリのスリーブを回転可能に外嵌するとともに、第3アッセンブリのスリーブを第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、第3アッセンブリのスリーブ側の端部を補強するための補強手段を設けたことを特徴としている。
【0011】
従って、パラレルリンク型の履帯において、履帯を構成するアッセンブリの総数が奇数になって、第1アッセンブリと第2アッセンブリとの間に少なくとも1つの同一位相リンク型の第3アッセンブリを介在させた場合でも、その第3アッセンブリにおけるスリーブ側の開放された端部側の強度が補強手段によって補足される。よって、第3アッセンブリを介在させても、履帯の強度低下を防止できる。
【0012】
前記構成において、前記補強手段として、履板のグローサを第3アッセンブリのスリーブと対応するように配置することにより構成すれば、部品点数が増えることなく、前記の強度低下防止を達成できる。
【0013】
前記構成において、前記補強手段として、履帯に固定された補強板を用いることにより、第3リンクを好適に補強できる。
前記構成において、前記補強手段として、第3アッセンブリの第3リンク間に設けられた補強部材を設けることにより、第3リンクを好適に補強できる。
【0014】
前記の構成において、前記第2アッセンブリのスリーブが第2リンクに対し可動的に架設され、前記第3アッセンブリのスリーブが第3リンクに対し可動的に架設されるように構成することにより、第2アッセンブリのスリーブを第1アッセンブリまたは第3アッセンブリの端部の支持軸に、第3アッセンブリのスリーブを第1アセンブリの支持軸にそれぞれ回転可能に外嵌させることができる。よって、スリーブの偏磨耗を有効に抑止できる。
【0015】
前記構成において、前記第3アッセンブリの第3リンクの剛性をスリーブ側に向かって漸減させるようにすれば、第3リンクに応力集中箇所が生じることを抑制できて、結果として第3リンクを頑丈なものとすることができる。
【0016】
前記構成において、前記第3アッセンブリのスリーブをその軸線方向において3分割して、外側部分を第3リンクの孔に固定するとともに、中間部分を第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、同第3リンクの前記外側部分の固定部の厚さを支持軸の固定部の厚さよりも厚く形成すれば、第3リンクの開放端部と支持軸との連結関係が強固になり、高強度の履帯を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明によれば、パラレルリンク型の履帯における第1及び第2アッセンブリ間に同一位相リンク型の第3アッセンブリを配置した場合、その第3アッセンブリにおいて、スリーブが架設される側の開放側端部において剛性が不足するのを防止することができ、高強度の履帯とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
はじめに、図1〜図12に基づいて第1実施形態を説明する。図1,図2,図3及び図12に示すように、この第1実施形態の履帯21は、複数の第1アッセンブリ22Aと第2アッセンブリ22Bとを交互に配置してそれらを連結することにより、無端状をなすように構成されている。この場合、第1アッセンブリ22Aはその両端部に支持軸27を有するとともに、第2アッセンブリ22Bはその両端部にスリーブ30を有し、スリーブ30を支持軸27に外嵌することにより第1アッセンブリ22Aと第2アッセンブリ22Bとが連結される。この場合、第1アッセンブリ22A及び第2アッセンブリ22Bのうちのいずれか一方が奇数であると閉ループ状の履帯21を形成することができない。従って、第1と第2アッセンブリ22A,22Bとの総数が奇数の場合は、閉ループ状の履帯21を形成することができるように、任意の位置の第1アッセンブリ22Aと第2アッセンブリ22Bとの間には、少なくとも1つ(この実施形態では1つ)の第3アッセンブリ22Cが配置連結されている。この第3アッセンブリ22Cは、その一端部に支持軸27を有するとともに、他端部にスリーブ30を有するものである。
【0019】
そして、この履帯21が図示しないブルドーザや油圧ショベル等の装軌式作業機械における走行体の車体フレームに所定の間隔をおいて配設された駆動輪23及び遊動輪24間に巻き掛けられ、この状態で各アッセンブリ22A〜22Cがスプロケットよりなる駆動輪23の歯23aに噛合されて回転駆動される。これにより、履帯21が駆動輪23と遊動輪24との間で車体フレームに支持された図示しない上転輪及び下転輪に支持されながら周回移動されて、作業機械が地面GL上を走行されるようになっている。
【0020】
そこで、以下に履帯21の構成を詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、前記第1アッセンブリ22Aは、平行状態に配置された一対の第1リンク25と、両第1リンク25の一側外面に固定された履板26と、両第1リンク25の両端部間に架設固定された一対の支持軸27とから構成されている。従って、第1リンク25は、履板26の接地面と対向する面、すなわち内面側に固定されている。第1リンク25は、実質的に平らなプレート状の形状を有して、その平らな面の一端及び他端にある支持軸を架設固定する部位は同一平面内に位置する。図6及び図7に示すように、第2アッセンブリ22Bは、平行状態に配置された一対の第2リンク28と、両第2リンク28の一側外面に固定された履板26と、両第2リンク28の両端部間に架設された一対のスリーブ30とから構成されている。従って、第2リンク28は、履板26の接地面と対向する面、すなわち内面側に固定されている。第2リンク28も、実質的に平らなプレート状の形状を有して、その平らな面の一端及び他端にある支持軸を架設固定する部位は同一平面内に位置する。また、第1アッセンブリ22Aの両第1リンク25間の内側間隔は、第2アッセンブリ22Bの第2リンク28間の内側間隔よりも広くなっている。そして、図2及び図3に示すように、第1及び第2アッセンブリ22A,22Bが交互に配置された状態で、第2アッセンブリ22Bのスリーブ30が第1アッセンブリ22Aの支持軸27に回転可能に外嵌されることにより、第1及び第2アッセンブリ22A,22Bが相互に、かつ交互に連結されて、履帯21が形成されている。
【0021】
図8,図9及び図10に示すように、前記第3アッセンブリ22Cは、平行状態に配置された一対の第3リンク31と、両第3リンク31の一側外面に固定された履板26と、両第3リンク31の一端部間に架設固定された支持軸27と、両第3リンク31の他端部間に架設されたスリーブ30とから構成されている。従って、履板26の接地面と対向する面である内面に第3リンク31が固定されている。また、この第3アッセンブリ22Cの第3リンク31において、支持軸27側の内側間隔はスリーブ30側の内側間隔よりも広くなっているとともに、支持軸27側の内側間隔は前記第2リンク28の内側間隔と等しく、スリーブ30側の内側間隔は前記第1リンク25の内側間隔と等しくなっている。すなわち、第3リンク31はオフセットした形状を有するプレートである。そして、図3及び図12に示すように、第3アッセンブリ22Cが第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に配置された状態で、第3アッセンブリ22Cの支持軸27に第2アッセンブリ22Bのスリーブ30が回転可能に外嵌されるとともに、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30が第1アッセンブリ22Aの支持軸27に回転可能に外嵌されている。これにより、第3アッセンブリ22Cが第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に連結されている。
【0022】
図4,図8及び図10に示すように、前記第1アッセンブリ22Aにおける各第1リンク25の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける各第3リンク31の一端部には、前記支持軸27の端部を圧入固定するための小径状の軸孔35が形成されている。図6,図8及び図10に示すように、第2アッセンブリ22Bにおける各第2リンク28の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける各第3リンク31の他端部には、スリーブ30の分割された外側部分30aを挿通固定して支持するための大径状の軸孔36が形成されている。
【0023】
図2,図3及び図5に示すように、前記各アッセンブリ22A〜22Cにおける各リンク25,28,31の長さ方向中間位置には、軸孔35,36の軸線と直角をなす方向へ延びる各一対の挿通孔37が所定間隔をおいて形成されている。各挿通孔37に対応してそれらの内端部に連通するように、各リンク25,28,31の中央部には一対の窓孔38が形成されている。各アッセンブリ22A〜22Cの履板26には、各リンク25,28,31の挿通孔37に対応して、各一対の挿通孔39が形成されている。各履板26及び各リンク25,28,31の挿通孔37,39には履板26の外面側からボルト40が挿通され、それらのボルト40の先端部には前記窓孔38内においてナット41が螺着されている。そして、これらのボルト40及びナット41によって、各リンク25,28,31の外面に履板26が固定されている。
【0024】
図2及び図8に示すように、前記第3アッセンブリ22Cにおいて、第3リンク31の一対の窓孔38のうち小径の軸孔35側のものは、大径の軸孔36側のものに比較して小面積に形成されている。言い換えれば、大径の軸孔36側の窓孔38が他方の窓孔38に比較して大面積になっている。この構成により、第3リンク31は、その剛性が大径の軸孔36側に向かって漸減している。
【0025】
図11に示すように、前記第2,第3アッセンブリ22B,22Cのスリーブ30は、その軸線方向に沿って3つの部分30a,30bに分割して構成され、外側部分30aが第2,第3リンク31の端部の軸孔36に圧入固定されるとともに、中間部分30bが隣接する第1,第3アッセンブリ22A,22Cの支持軸27上に回転自在に、すなわち可動的に外嵌支持されている。これにより、前記駆動輪23の歯23aとスリーブ30との間の相対滑りが緩和されて、スリーブ30の偏磨耗が防止されるようになっている。
【0026】
前記第1,第3アッセンブリ22A,22Cにおける支持軸27の軸心部には潤滑油収容孔42が形成され、その潤滑油収容孔42の中間部から支持軸27の外周に向かって潤滑油供給孔43が形成されている。潤滑油収容孔42の両端部には封鎖用のプラグ44a,44bが嵌着されている。そして、潤滑油収容孔42内の潤滑油が潤滑油供給孔43を介して支持軸27の外周面と、第3または第2アッセンブリ22C,22Bのスリーブ30との間に供給されて、それらの間の潤滑性が確保されるようになっている。
【0027】
第1,第3アッセンブリ22A,22Cの各第1,第3リンク25,31における軸孔35の内側周縁には収容凹部45が形成され、その収容凹部45内には第1シールリング46が配設されている。この第1シールリング46には、収容凹部45の内周面に当接する負荷リング部46aと、隣接対応する第3または第2アッセンブリ22C,22Bのスリーブ30の外側部分30aの外側面に接合するリップ部46bとが設けられている。
【0028】
第2,第3アッセンブリ22B,22Cにおけるスリーブ30の外側部分30aの内側周縁には収容凹部47が形成され、それらの収容凹部47内には第2シールリング48が配設されている。この第2シールリング48には、収容凹部47の内周面に当接する負荷リング部48aと、隣接対応する前記中間部分30bの両側面に接合するリップ部48bとが設けられている。そして、この第2シールリング48と前記第1シールリング46との協働作用により、第1及び第3アッセンブリ22A,22Cにおける支持軸27の外周両端部からの潤滑油漏れが抑制されるようになっている。
【0029】
さらに、図3及び図11に示すように、第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の大径軸孔36側の端部及び第2アッセンブリ22Bにおける第2リンク28の両端部(外側部分の固定部)の厚さTが、第1アッセンブリ22Aにおける第1リンク25の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の小径軸孔35側の端部(支持軸固定部)の厚さtよりも厚く形成されている。
【0030】
図2,図4,図6,図8及び図10に示すように、前記各アッセンブリ22A〜22Cにおける履帯21は、その接地側において車両後方側に位置するように、各履板26の外面の一側縁には幅方向に延びるグローサ49が突出形成されている。そして、第3アッセンブリ22Cにおいては、このグローサ49が第3リンク31のスリーブ30側の端部と対応して配置されるように、履板26が第3リンク31に対して前記ボルト40及びナット41により固定されている。すなわち、履帯21の接地側において車両後方側に位置するグローサ49が、一対の第3リンク31と支持軸27とよりなる3辺構造(図3におけるコ字状の1点鎖線参照)の第3アッセンブリ22Cの開放側端部と対応して位置するように構成されている。そして、この実施形態においては、第3リンク31に対するグローサ49の位置関係により補強手段が構成されている。
【0031】
以上のように、この実施形態においては、パラレルリンク型の履帯21を構成する第1及び第2アッセンブリ22A,22Bの合計数が奇数になって、両アッセンブリ22A,22B間に第3アッセンブリ22Cを介在させた場合に、その第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の端部が履板26のグローサ49と対応して配置されている。従って、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の開放側端部を履板26のグローサ49によって補強することができる。
【0032】
この実施形態の効果を列挙すれば以下の通りである。
(1) 履帯アッセンブリの総数が奇数であっても、少なくとも1つの第3アッセンブリ22Cを用いることによって、履帯21を構成することが可能となり、しかも、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の開放側端部を補強することができ、高強度の履帯を得ることができる。
【0033】
(2) 第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の開放側端部の補強として履板26のグローサ49を利用したことにより、部品点数が増えることなく、前記の補強を達成できる。
【0034】
(3) 一対の窓孔38の面積を変更することにより、第3アッセンブリ22Cの第3リンク31の剛性がスリーブ30側、すなわち開放部側に向かって漸減されるように構成しているため、第3リンク31に作用する外力が第3リンク31全体で担持される。このため、第3リンク31に応力集中箇所が生じることを抑制でき、結果として第3リンク31の肉厚を厚くしたりすることなく、同第3リンク31を外力に対して強靱で頑丈なものとすることができる。
【0035】
(4) 第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の大径軸孔36側の端部及び第2アッセンブリ22Bにおける第2リンク28の両端部の厚さTが、第1アッセンブリ22Aにおける第1リンク25の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の小径軸孔35側の端部の厚さtよりも厚く形成されている。このため、第3リンク31の開放端部と支持軸27との連結関係が強固になり、第2リンク28の両端部及び第3リンク31の大径軸孔36側の端部が力学的に開放されていても、第2リンク28及び第3リンク31の開放側の強度を向上させて、高強度の履帯21を得ることができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図13及び図14に示すように、この第2実施形態においては、補強手段として、補強板60が設けられ、この補強板60が第3リンク31の履板26の下面において第3リンク31を固定するボルト40により固定されている。
【0037】
従って、この第2実施形態においては、補強板60により第3リンク31の開放側端部を補強することができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0038】
図15から図17に示すように、この第3実施形態においては、補強手段として、補強部材63が設けられている。この補強部材63は、その両端に2箇所ずつナット部64を一体に有し、このナット部64が窓孔38内においてボルト40に螺着されて、補強部材63がリンク31間に架設固定されている。
【0039】
従って、この第3実施形態においても、補強部材63により第3リンク31の開放側端部を補強することができる。また、図17に示すように、この第3実施形態においては、スリーブ30は分割されず、このため、前記各実施形態とは異なり、第2リンク28または第3リンク31に挿入される外側部分は存在せず、両第2リンク28,28間または両第3リンク31,31間に架設される。従って、第2アッセンブリ22B、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30とリンク28,31とは両アッセンブリ22B,22C単独では連結されておらず、仮想的なアッセンブリとなる。
【0040】
(変更例)
この発明は、実施形態に限定されるものではなく、次のように変更して具体化することも可能である。
【0041】
・ 前記実施形態において、履帯21の第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に、複数個の第3アッセンブリ22Cを連結配置すること。
・ 前記各実施形態では、第3リンク31の大径軸孔36側の開放部を履板26のグローサ49と対応させたが、それとは逆に、第3リンク31の小径軸孔35側を履板26のグローサ49と対応させる配置とすること。この場合、補強板60や補強部材63を設ければ、第3リンク31の開放側の端部を補強できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態の履帯を示す正面図。
【図2】図1の履帯の一部を拡大して示す部分正面図。
【図3】図2の履帯の部分平面図。
【図4】第1アッセンブリの正面図。
【図5】第1アッセンブリの平面図。
【図6】第2アッセンブリの正面図。
【図7】第2アッセンブリの平面図。
【図8】第3アッセンブリの正面図。
【図9】第3アッセンブリの平面図。
【図10】第3アッセンブリの斜視図。
【図11】図2の11−11線における部分拡大断面図。
【図12】第1〜第3アッセンブリの連結状態を示す断面図。
【図13】第2実施形態の履帯の一部を拡大して示す部分正面図。
【図14】図13の第3アッセンブリの平面図。
【図15】第3実施形態の第3アッセンブリの正面図。
【図16】図15の第3アッセンブリの平面図。
【図17】第3実施形態のリンク連結部を示す断面図。
【符号の説明】
【0043】
21…履帯、22A…第1アッセンブリ、22B…第2アッセンブリ、22C…第3アッセンブリ、25…第1リンク、26…履板、27…支持軸、28…第2リンク、30…スリーブ、31…第3リンク、30a…外側部分、30b…中間部分、40…ボルト、41…ナット、49…グローサ、60…補強板、63…補強部材、T…厚さ、t…厚さ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、装軌式作業機械に装備される履帯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブルドーザや油圧ショベル等の装軌式作業機械における履帯は、複数の履帯用アッセンブリを無端状に連結することにより構成されている。そして、この履帯が装軌式作業機械の車体フレームに所定の間隔をおいて配設された駆動輪と遊動輪間との間に巻き掛けられ、各履帯用アッセンブリがスプロケットよりなる駆動輪の歯に噛合されて駆動されることにより、履帯が駆動輪と遊動輪との間で車体フレームに支持された上転輪及び下転輪に支持されながら走行されるようになっている。
【0003】
このような履帯における履帯用アッセンブリとしては、例えば、特許文献1の図7に開示されるような構成のものと、特許文献1の図1〜図3に開示されるような構成のものとが従来から知られている。すなわち、特許文献1の図7に記載の構成では、履板の接地する面と対向する面(履板の内面)に一対のオフセットしたリンクが平行状態で固定され、リンクの一端部間に支持軸が固定されるとともに、他端部間にスリーブが固定されている。そして、この同一構造の各履板アッセンブリの支持軸が隣接する他のアッセンブリのスリーブに回転可能に挿通されることにより、複数のアッセンブリが同位相で、すなわち同一向きで相互に連結されて(これを同位相リンク型とする)、履帯が形成されている。
【0004】
これに対して、特許文献1の図1〜図3に開示された構成では、履板の内面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第1リンクが平行状態で固定されるとともに、両第1リンクの両端部間に支持軸が架設固定されることにより、第1アッセンブリが構成されている。また、履板の内面に実質的に平らなプレートよりなる一対の第2リンクが平行状態で固定されるとともに、両第2リンクの両端部間にスリーブが架設されることにより、第1アッセンブリよりリンク間の幅の狭い第2アッセンブリが構成されている。そして、第2アッセンブリの第2リンクが第1アッセンブリの第1リンクの内側においてパラレル状態に配置されるとともに、第2アッセンブリのスリーブが第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌されて、第1及び第2アッセンブリが交互に連結され(これをパラレルリンク型とする)、これが連続することにより、履帯が形成されている。
【0005】
ところで、前記同位相リンク型のようなスリーブがリンクに固定される構成の履帯においては、前記スリーブは各アッセンブリを回転可能に連結するための軸受部材としての機能を有するのみならず、駆動輪のスプロケットから動力の伝達を受ける動力伝達部材としての機能をも有している。そのため、特許文献1の図7に記載の構成のように、スリーブが一対のリンクの端部間に固定されていると、スリーブの外周面はスプロケットの歯面との滑り接触によって特定の部位が偏磨耗して、ブシュ・ターンと称されるスリーブのリンクに対する回転作業が必要になるが、固定状態のスリーブの回転作業は苦渋をともなう困難な作業である。
【0006】
このような問題点に対処するため、例えば前述した特許文献2や、特許文献1の図1〜図3に開示されるような履帯が従来から提案されている。これらの従来構成においては、一対のリンクの端部間に配置されるスリーブが軸線方向において3つの部分に分割して構成され、両端のスリーブ部分がリンクの端部に固定されるとともに、中間のスリーブ部分が隣接するアッセンブリの支持軸上に回転自在に外嵌支持されている。これにより、スリーブのスプロケットに対する噛合時の相対滑りが緩和されて、スリーブの偏磨耗が防止されるようになっている。
【0007】
一方、前記特許文献1の図1〜図3に開示されるようなパラレルリンク型の履帯においては、履帯を構成するアッセンブリの総数が偶数であれば、第1及び第2アッセンブリのみで履帯を形成することができる。この場合、第1アッセンブリは、一対の第1リンクと、その第1リンクの両端部間に架設固定された支持軸との4辺からなる矩形構造となっているため、高い剛性を確保することができる。これに対して、スリーブとして、前述のリンクに対して回動可能な構成を採用した場合、第2アッセンブリでは、一対の第2リンクの両端部間にスリーブが固定されることがないため、両端部間が力学的に開放された状態になって、第2アッセンブリとして高い剛性を確保することができない。このため、特許文献1の図1〜図3に記載の構成においては、第2リンクのスリーブ用軸孔の軸線方向寸法を第1リンクの支持軸用軸孔の軸線方向寸法よりも厚く設定して、支持軸に対する取付強度を高めることにより、第2アッセンブリの剛性を高めるようにしている。
【特許文献1】特開2004−249973号公報
【特許文献2】特表平6−504747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記パラレルリンク型の履帯において、履帯を構成するアッセンブリの総数が奇数である場合には、閉ループの履帯を構成することができない。このような場合には、第1アッセンブリと第2アッセンブリとの間に少なくとも1つの同位相リンク型の第3アッセンブリを介在させる必要がある。そして、同位相リンク型の第3アッセンブリにおいて、スリーブをリンクに対して回動可能にした構成では、その第3アッセンブリが、一対のリンクと、そのリンクの一端部間に固定された支持軸との3辺からなる一側辺を開放した矩形構造となり、つまりスリーブ側の1辺が力学的に開放された矩形構造となる。このため、パラレルリンク型の履帯において、第1アッセンブリと第2アッセンブリとの間に同一位相リンク型の第3アッセンブリを配置した場合、その第3アッセンブリにおける第3リンクの開放側端部、すなわちスリーブが架設される側の端部における剛性が不足することになるという問題があった。
【0009】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、パラレルリンク型の履帯において、第1及び第2アッセンブリ間に同一位相リンク型の第3アッセンブリを配置した場合、その第3アッセンブリにおいて、スリーブが架設される側の開放側端部で剛性が不足するのを防止することができる履帯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明は、履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第1リンクを平行状態で固定するとともに両第1リンクの両端部間に支持軸を架設固定した第1アッセンブリと、履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第2リンクを平行状態で固定するとともに両第2リンクの両端部間にスリーブを架設した第2アッセンブリとを備え、前記スリーブを前記支持軸に回転可能に外嵌して、第1及び第2アッセンブリを交互に連結配置した履帯において、履板の接地面と対向する面に一対のオフセットしたプレートよりなる第3リンクを平行状態で固定し、両第3リンクの一端部間に支持軸を架設固定するとともに、他端部間にはスリーブを架設した第3アッセンブリを前記第1及び第2アッセンブリ間に配置し、その第3アッセンブリの支持軸に第2アッセンブリのスリーブを回転可能に外嵌するとともに、第3アッセンブリのスリーブを第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、第3アッセンブリのスリーブ側の端部を補強するための補強手段を設けたことを特徴としている。
【0011】
従って、パラレルリンク型の履帯において、履帯を構成するアッセンブリの総数が奇数になって、第1アッセンブリと第2アッセンブリとの間に少なくとも1つの同一位相リンク型の第3アッセンブリを介在させた場合でも、その第3アッセンブリにおけるスリーブ側の開放された端部側の強度が補強手段によって補足される。よって、第3アッセンブリを介在させても、履帯の強度低下を防止できる。
【0012】
前記構成において、前記補強手段として、履板のグローサを第3アッセンブリのスリーブと対応するように配置することにより構成すれば、部品点数が増えることなく、前記の強度低下防止を達成できる。
【0013】
前記構成において、前記補強手段として、履帯に固定された補強板を用いることにより、第3リンクを好適に補強できる。
前記構成において、前記補強手段として、第3アッセンブリの第3リンク間に設けられた補強部材を設けることにより、第3リンクを好適に補強できる。
【0014】
前記の構成において、前記第2アッセンブリのスリーブが第2リンクに対し可動的に架設され、前記第3アッセンブリのスリーブが第3リンクに対し可動的に架設されるように構成することにより、第2アッセンブリのスリーブを第1アッセンブリまたは第3アッセンブリの端部の支持軸に、第3アッセンブリのスリーブを第1アセンブリの支持軸にそれぞれ回転可能に外嵌させることができる。よって、スリーブの偏磨耗を有効に抑止できる。
【0015】
前記構成において、前記第3アッセンブリの第3リンクの剛性をスリーブ側に向かって漸減させるようにすれば、第3リンクに応力集中箇所が生じることを抑制できて、結果として第3リンクを頑丈なものとすることができる。
【0016】
前記構成において、前記第3アッセンブリのスリーブをその軸線方向において3分割して、外側部分を第3リンクの孔に固定するとともに、中間部分を第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、同第3リンクの前記外側部分の固定部の厚さを支持軸の固定部の厚さよりも厚く形成すれば、第3リンクの開放端部と支持軸との連結関係が強固になり、高強度の履帯を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明によれば、パラレルリンク型の履帯における第1及び第2アッセンブリ間に同一位相リンク型の第3アッセンブリを配置した場合、その第3アッセンブリにおいて、スリーブが架設される側の開放側端部において剛性が不足するのを防止することができ、高強度の履帯とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
はじめに、図1〜図12に基づいて第1実施形態を説明する。図1,図2,図3及び図12に示すように、この第1実施形態の履帯21は、複数の第1アッセンブリ22Aと第2アッセンブリ22Bとを交互に配置してそれらを連結することにより、無端状をなすように構成されている。この場合、第1アッセンブリ22Aはその両端部に支持軸27を有するとともに、第2アッセンブリ22Bはその両端部にスリーブ30を有し、スリーブ30を支持軸27に外嵌することにより第1アッセンブリ22Aと第2アッセンブリ22Bとが連結される。この場合、第1アッセンブリ22A及び第2アッセンブリ22Bのうちのいずれか一方が奇数であると閉ループ状の履帯21を形成することができない。従って、第1と第2アッセンブリ22A,22Bとの総数が奇数の場合は、閉ループ状の履帯21を形成することができるように、任意の位置の第1アッセンブリ22Aと第2アッセンブリ22Bとの間には、少なくとも1つ(この実施形態では1つ)の第3アッセンブリ22Cが配置連結されている。この第3アッセンブリ22Cは、その一端部に支持軸27を有するとともに、他端部にスリーブ30を有するものである。
【0019】
そして、この履帯21が図示しないブルドーザや油圧ショベル等の装軌式作業機械における走行体の車体フレームに所定の間隔をおいて配設された駆動輪23及び遊動輪24間に巻き掛けられ、この状態で各アッセンブリ22A〜22Cがスプロケットよりなる駆動輪23の歯23aに噛合されて回転駆動される。これにより、履帯21が駆動輪23と遊動輪24との間で車体フレームに支持された図示しない上転輪及び下転輪に支持されながら周回移動されて、作業機械が地面GL上を走行されるようになっている。
【0020】
そこで、以下に履帯21の構成を詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、前記第1アッセンブリ22Aは、平行状態に配置された一対の第1リンク25と、両第1リンク25の一側外面に固定された履板26と、両第1リンク25の両端部間に架設固定された一対の支持軸27とから構成されている。従って、第1リンク25は、履板26の接地面と対向する面、すなわち内面側に固定されている。第1リンク25は、実質的に平らなプレート状の形状を有して、その平らな面の一端及び他端にある支持軸を架設固定する部位は同一平面内に位置する。図6及び図7に示すように、第2アッセンブリ22Bは、平行状態に配置された一対の第2リンク28と、両第2リンク28の一側外面に固定された履板26と、両第2リンク28の両端部間に架設された一対のスリーブ30とから構成されている。従って、第2リンク28は、履板26の接地面と対向する面、すなわち内面側に固定されている。第2リンク28も、実質的に平らなプレート状の形状を有して、その平らな面の一端及び他端にある支持軸を架設固定する部位は同一平面内に位置する。また、第1アッセンブリ22Aの両第1リンク25間の内側間隔は、第2アッセンブリ22Bの第2リンク28間の内側間隔よりも広くなっている。そして、図2及び図3に示すように、第1及び第2アッセンブリ22A,22Bが交互に配置された状態で、第2アッセンブリ22Bのスリーブ30が第1アッセンブリ22Aの支持軸27に回転可能に外嵌されることにより、第1及び第2アッセンブリ22A,22Bが相互に、かつ交互に連結されて、履帯21が形成されている。
【0021】
図8,図9及び図10に示すように、前記第3アッセンブリ22Cは、平行状態に配置された一対の第3リンク31と、両第3リンク31の一側外面に固定された履板26と、両第3リンク31の一端部間に架設固定された支持軸27と、両第3リンク31の他端部間に架設されたスリーブ30とから構成されている。従って、履板26の接地面と対向する面である内面に第3リンク31が固定されている。また、この第3アッセンブリ22Cの第3リンク31において、支持軸27側の内側間隔はスリーブ30側の内側間隔よりも広くなっているとともに、支持軸27側の内側間隔は前記第2リンク28の内側間隔と等しく、スリーブ30側の内側間隔は前記第1リンク25の内側間隔と等しくなっている。すなわち、第3リンク31はオフセットした形状を有するプレートである。そして、図3及び図12に示すように、第3アッセンブリ22Cが第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に配置された状態で、第3アッセンブリ22Cの支持軸27に第2アッセンブリ22Bのスリーブ30が回転可能に外嵌されるとともに、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30が第1アッセンブリ22Aの支持軸27に回転可能に外嵌されている。これにより、第3アッセンブリ22Cが第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に連結されている。
【0022】
図4,図8及び図10に示すように、前記第1アッセンブリ22Aにおける各第1リンク25の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける各第3リンク31の一端部には、前記支持軸27の端部を圧入固定するための小径状の軸孔35が形成されている。図6,図8及び図10に示すように、第2アッセンブリ22Bにおける各第2リンク28の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける各第3リンク31の他端部には、スリーブ30の分割された外側部分30aを挿通固定して支持するための大径状の軸孔36が形成されている。
【0023】
図2,図3及び図5に示すように、前記各アッセンブリ22A〜22Cにおける各リンク25,28,31の長さ方向中間位置には、軸孔35,36の軸線と直角をなす方向へ延びる各一対の挿通孔37が所定間隔をおいて形成されている。各挿通孔37に対応してそれらの内端部に連通するように、各リンク25,28,31の中央部には一対の窓孔38が形成されている。各アッセンブリ22A〜22Cの履板26には、各リンク25,28,31の挿通孔37に対応して、各一対の挿通孔39が形成されている。各履板26及び各リンク25,28,31の挿通孔37,39には履板26の外面側からボルト40が挿通され、それらのボルト40の先端部には前記窓孔38内においてナット41が螺着されている。そして、これらのボルト40及びナット41によって、各リンク25,28,31の外面に履板26が固定されている。
【0024】
図2及び図8に示すように、前記第3アッセンブリ22Cにおいて、第3リンク31の一対の窓孔38のうち小径の軸孔35側のものは、大径の軸孔36側のものに比較して小面積に形成されている。言い換えれば、大径の軸孔36側の窓孔38が他方の窓孔38に比較して大面積になっている。この構成により、第3リンク31は、その剛性が大径の軸孔36側に向かって漸減している。
【0025】
図11に示すように、前記第2,第3アッセンブリ22B,22Cのスリーブ30は、その軸線方向に沿って3つの部分30a,30bに分割して構成され、外側部分30aが第2,第3リンク31の端部の軸孔36に圧入固定されるとともに、中間部分30bが隣接する第1,第3アッセンブリ22A,22Cの支持軸27上に回転自在に、すなわち可動的に外嵌支持されている。これにより、前記駆動輪23の歯23aとスリーブ30との間の相対滑りが緩和されて、スリーブ30の偏磨耗が防止されるようになっている。
【0026】
前記第1,第3アッセンブリ22A,22Cにおける支持軸27の軸心部には潤滑油収容孔42が形成され、その潤滑油収容孔42の中間部から支持軸27の外周に向かって潤滑油供給孔43が形成されている。潤滑油収容孔42の両端部には封鎖用のプラグ44a,44bが嵌着されている。そして、潤滑油収容孔42内の潤滑油が潤滑油供給孔43を介して支持軸27の外周面と、第3または第2アッセンブリ22C,22Bのスリーブ30との間に供給されて、それらの間の潤滑性が確保されるようになっている。
【0027】
第1,第3アッセンブリ22A,22Cの各第1,第3リンク25,31における軸孔35の内側周縁には収容凹部45が形成され、その収容凹部45内には第1シールリング46が配設されている。この第1シールリング46には、収容凹部45の内周面に当接する負荷リング部46aと、隣接対応する第3または第2アッセンブリ22C,22Bのスリーブ30の外側部分30aの外側面に接合するリップ部46bとが設けられている。
【0028】
第2,第3アッセンブリ22B,22Cにおけるスリーブ30の外側部分30aの内側周縁には収容凹部47が形成され、それらの収容凹部47内には第2シールリング48が配設されている。この第2シールリング48には、収容凹部47の内周面に当接する負荷リング部48aと、隣接対応する前記中間部分30bの両側面に接合するリップ部48bとが設けられている。そして、この第2シールリング48と前記第1シールリング46との協働作用により、第1及び第3アッセンブリ22A,22Cにおける支持軸27の外周両端部からの潤滑油漏れが抑制されるようになっている。
【0029】
さらに、図3及び図11に示すように、第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の大径軸孔36側の端部及び第2アッセンブリ22Bにおける第2リンク28の両端部(外側部分の固定部)の厚さTが、第1アッセンブリ22Aにおける第1リンク25の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の小径軸孔35側の端部(支持軸固定部)の厚さtよりも厚く形成されている。
【0030】
図2,図4,図6,図8及び図10に示すように、前記各アッセンブリ22A〜22Cにおける履帯21は、その接地側において車両後方側に位置するように、各履板26の外面の一側縁には幅方向に延びるグローサ49が突出形成されている。そして、第3アッセンブリ22Cにおいては、このグローサ49が第3リンク31のスリーブ30側の端部と対応して配置されるように、履板26が第3リンク31に対して前記ボルト40及びナット41により固定されている。すなわち、履帯21の接地側において車両後方側に位置するグローサ49が、一対の第3リンク31と支持軸27とよりなる3辺構造(図3におけるコ字状の1点鎖線参照)の第3アッセンブリ22Cの開放側端部と対応して位置するように構成されている。そして、この実施形態においては、第3リンク31に対するグローサ49の位置関係により補強手段が構成されている。
【0031】
以上のように、この実施形態においては、パラレルリンク型の履帯21を構成する第1及び第2アッセンブリ22A,22Bの合計数が奇数になって、両アッセンブリ22A,22B間に第3アッセンブリ22Cを介在させた場合に、その第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の端部が履板26のグローサ49と対応して配置されている。従って、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の開放側端部を履板26のグローサ49によって補強することができる。
【0032】
この実施形態の効果を列挙すれば以下の通りである。
(1) 履帯アッセンブリの総数が奇数であっても、少なくとも1つの第3アッセンブリ22Cを用いることによって、履帯21を構成することが可能となり、しかも、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の開放側端部を補強することができ、高強度の履帯を得ることができる。
【0033】
(2) 第3アッセンブリ22Cのスリーブ30側の開放側端部の補強として履板26のグローサ49を利用したことにより、部品点数が増えることなく、前記の補強を達成できる。
【0034】
(3) 一対の窓孔38の面積を変更することにより、第3アッセンブリ22Cの第3リンク31の剛性がスリーブ30側、すなわち開放部側に向かって漸減されるように構成しているため、第3リンク31に作用する外力が第3リンク31全体で担持される。このため、第3リンク31に応力集中箇所が生じることを抑制でき、結果として第3リンク31の肉厚を厚くしたりすることなく、同第3リンク31を外力に対して強靱で頑丈なものとすることができる。
【0035】
(4) 第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の大径軸孔36側の端部及び第2アッセンブリ22Bにおける第2リンク28の両端部の厚さTが、第1アッセンブリ22Aにおける第1リンク25の両端部及び第3アッセンブリ22Cにおける第3リンク31の小径軸孔35側の端部の厚さtよりも厚く形成されている。このため、第3リンク31の開放端部と支持軸27との連結関係が強固になり、第2リンク28の両端部及び第3リンク31の大径軸孔36側の端部が力学的に開放されていても、第2リンク28及び第3リンク31の開放側の強度を向上させて、高強度の履帯21を得ることができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図13及び図14に示すように、この第2実施形態においては、補強手段として、補強板60が設けられ、この補強板60が第3リンク31の履板26の下面において第3リンク31を固定するボルト40により固定されている。
【0037】
従って、この第2実施形態においては、補強板60により第3リンク31の開放側端部を補強することができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0038】
図15から図17に示すように、この第3実施形態においては、補強手段として、補強部材63が設けられている。この補強部材63は、その両端に2箇所ずつナット部64を一体に有し、このナット部64が窓孔38内においてボルト40に螺着されて、補強部材63がリンク31間に架設固定されている。
【0039】
従って、この第3実施形態においても、補強部材63により第3リンク31の開放側端部を補強することができる。また、図17に示すように、この第3実施形態においては、スリーブ30は分割されず、このため、前記各実施形態とは異なり、第2リンク28または第3リンク31に挿入される外側部分は存在せず、両第2リンク28,28間または両第3リンク31,31間に架設される。従って、第2アッセンブリ22B、第3アッセンブリ22Cのスリーブ30とリンク28,31とは両アッセンブリ22B,22C単独では連結されておらず、仮想的なアッセンブリとなる。
【0040】
(変更例)
この発明は、実施形態に限定されるものではなく、次のように変更して具体化することも可能である。
【0041】
・ 前記実施形態において、履帯21の第1及び第2アッセンブリ22A,22B間に、複数個の第3アッセンブリ22Cを連結配置すること。
・ 前記各実施形態では、第3リンク31の大径軸孔36側の開放部を履板26のグローサ49と対応させたが、それとは逆に、第3リンク31の小径軸孔35側を履板26のグローサ49と対応させる配置とすること。この場合、補強板60や補強部材63を設ければ、第3リンク31の開放側の端部を補強できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態の履帯を示す正面図。
【図2】図1の履帯の一部を拡大して示す部分正面図。
【図3】図2の履帯の部分平面図。
【図4】第1アッセンブリの正面図。
【図5】第1アッセンブリの平面図。
【図6】第2アッセンブリの正面図。
【図7】第2アッセンブリの平面図。
【図8】第3アッセンブリの正面図。
【図9】第3アッセンブリの平面図。
【図10】第3アッセンブリの斜視図。
【図11】図2の11−11線における部分拡大断面図。
【図12】第1〜第3アッセンブリの連結状態を示す断面図。
【図13】第2実施形態の履帯の一部を拡大して示す部分正面図。
【図14】図13の第3アッセンブリの平面図。
【図15】第3実施形態の第3アッセンブリの正面図。
【図16】図15の第3アッセンブリの平面図。
【図17】第3実施形態のリンク連結部を示す断面図。
【符号の説明】
【0043】
21…履帯、22A…第1アッセンブリ、22B…第2アッセンブリ、22C…第3アッセンブリ、25…第1リンク、26…履板、27…支持軸、28…第2リンク、30…スリーブ、31…第3リンク、30a…外側部分、30b…中間部分、40…ボルト、41…ナット、49…グローサ、60…補強板、63…補強部材、T…厚さ、t…厚さ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第1リンクを平行状態で固定するとともに両第1リンクの両端部間に支持軸を架設固定した第1アッセンブリと、履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第2リンクを平行状態で固定するとともに両第2リンクの両端部間にスリーブを架設した第2アッセンブリとを備え、前記スリーブを前記支持軸に回転可能に外嵌して、第1及び第2アッセンブリを交互に連結配置した履帯において、
履板の接地面と対向する面に一対のオフセットしたプレートよりなる第3リンクを平行状態で固定し、両第3リンクの一端部間に支持軸を架設固定するとともに、他端部間にはスリーブを架設した第3アッセンブリを前記第1及び第2アッセンブリ間に配置し、その第3アッセンブリの支持軸に第2アッセンブリのスリーブを回転可能に外嵌するとともに、第3アッセンブリのスリーブを第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、第3アッセンブリのスリーブ側の端部を補強するための補強手段を設けたことを特徴とする履帯。
【請求項2】
前記補強手段は、履板のグローサを第3アッセンブリのスリーブと対応するように配置することにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の履帯。
【請求項3】
前記補強手段は、履帯に固定された補強板であることを特徴とする請求項1に記載の履帯。
【請求項4】
前記補強手段は、第3アッセンブリの第3リンク間に設けられた補強部材であることを特徴とする請求項1に記載の履帯。
【請求項5】
前記第3アッセンブリの第3リンクの剛性をスリーブ側に向かって漸減させたことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の履帯。
【請求項6】
前記第2アッセンブリのスリーブが第2リンクに対し可動的に架設され、前記第3アッセンブリのスリーブが第3リンクに対し可動的に架設されたことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の履帯。
【請求項7】
前記第3アッセンブリのスリーブをその軸線方向において3分割して、外側部分を第3リンクの孔に固定するとともに、中間部分を第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、第3リンクの前記外側部分の固定部の厚さを前記の支持軸固定部の厚さよりも厚く形成したことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の履帯。
【請求項1】
履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第1リンクを平行状態で固定するとともに両第1リンクの両端部間に支持軸を架設固定した第1アッセンブリと、履板の接地面と対向する面に一対の実質的に平らなプレートよりなる第2リンクを平行状態で固定するとともに両第2リンクの両端部間にスリーブを架設した第2アッセンブリとを備え、前記スリーブを前記支持軸に回転可能に外嵌して、第1及び第2アッセンブリを交互に連結配置した履帯において、
履板の接地面と対向する面に一対のオフセットしたプレートよりなる第3リンクを平行状態で固定し、両第3リンクの一端部間に支持軸を架設固定するとともに、他端部間にはスリーブを架設した第3アッセンブリを前記第1及び第2アッセンブリ間に配置し、その第3アッセンブリの支持軸に第2アッセンブリのスリーブを回転可能に外嵌するとともに、第3アッセンブリのスリーブを第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、第3アッセンブリのスリーブ側の端部を補強するための補強手段を設けたことを特徴とする履帯。
【請求項2】
前記補強手段は、履板のグローサを第3アッセンブリのスリーブと対応するように配置することにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の履帯。
【請求項3】
前記補強手段は、履帯に固定された補強板であることを特徴とする請求項1に記載の履帯。
【請求項4】
前記補強手段は、第3アッセンブリの第3リンク間に設けられた補強部材であることを特徴とする請求項1に記載の履帯。
【請求項5】
前記第3アッセンブリの第3リンクの剛性をスリーブ側に向かって漸減させたことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の履帯。
【請求項6】
前記第2アッセンブリのスリーブが第2リンクに対し可動的に架設され、前記第3アッセンブリのスリーブが第3リンクに対し可動的に架設されたことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の履帯。
【請求項7】
前記第3アッセンブリのスリーブをその軸線方向において3分割して、外側部分を第3リンクの孔に固定するとともに、中間部分を第1アッセンブリの支持軸に回転可能に外嵌し、第3リンクの前記外側部分の固定部の厚さを前記の支持軸固定部の厚さよりも厚く形成したことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の履帯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−283942(P2007−283942A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114909(P2006−114909)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
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